よんっ!:泥棒未遂でも、お仕置きは必要だと思う
今回は話の前に、お便りがきてるのでそれを紹介します!
「やべぇ、影繰書いてるときより楽しいww」
って、これ、作者じゃね!?
……なんか、背後に黒い何かをウネウネさせてる男の子がいた気がするけど、
私は何も見なかった!!
他にもバフォメットとか、いろいろ見た気がするけど、気のせいだもん!!
と言うわけで、俗天 よんっ!始まるよ!!
「おー、ここがダンジョンってやつですかー」
「そういうこった。あ、おいおい、一人でふらふら歩いていくな」
ども!毎度おなじみ三河屋……じゃなかった、ダークエンジェルでーす。
いい加減私と旦那の名前考えろよ、アホ作者♪
ところで、三河屋ってなんだろ?なんか言えってお告げが来たんだけど。
---ワシは何もしとらんぞ?---
まぁいっか。
と言うわけで、今日は旦那と一緒に冒険に出かけてます。
なんでも、今回の依頼は下手したら、帰ってくるまで一週間以上かかるといわれたのです。
い、一週間も精をおあずけって、それなんてイジメ?。私ダークエンジェルよ?
一日だって我慢するのは苦行なのに、一週間以上とかできるわけないっしょ。
と言うわけで、今回ばかりはいってらっしゃいませーなんてできるわけも無く、一緒についてきちゃいました。
本来ならギルドに登録するには、試験うけてー、その後成績を書いた書類を作ってー、判子してー、それをギルド本部に送ってーといろいろめんどくさい手続きが必要なところなんですが、
私がまともに受けると思ってるのかい?私ダークエンジェルよ?
パンデモニウムで知り合ったダークプリーストさん(独身)を、登録のための手続き係の人にけしかけて、ギシアンやってるうちに、
私が自分で書類とか作っちゃって、判子も勝手に押しちゃって、そのままギルド本部に送っちゃいました。
ちなみに、その係の人とダークプリースト、そのままめでたくゴールインしちゃいました。結婚斡旋とか、いいことしたネ!!
え?犯罪だって?
……バレなきゃ犯罪じゃないんだよ、世の中。
あ、でもよい子はマネしちゃだめだぞ。私との約束だよ!
ちなみに私はダークエンジェルなんで、いい子じゃないから問題ないっす。
ま、こうやってちゃんとギルドに登録されてる冒険者だっていう証明の登録証も届いたわけですし、大手振って旦那についていけるわけですよ。
で、冒頭に戻るというわけで。
「思えば、私ダンジョンとか、遺跡とかそういった類のところ行ったの初めてだなー」
「そうなのか?結構こういうところ行ってそうな雰囲気だったんだが」
「んー、降りてきたときは、とにかく戦場いって魔物を滅して、やる気なくしてからは街でのんびり暮らしてたしね」
ま、おかげでこうして旦那もゲットできて、人生(天使生?)勝ち組なんで、文句は無かったりする。
文句はないけど、旦那と会う前は味気ない生活だったなぁという後悔は少しはある。
「ま、あれはあれでいい生活だったけどさ」
私が知らなかった、あのままでは知ることができなかった自由な生活。
味気ないが、あれはあれでいいものであろう。
「ん?なんか言ったか?」
「いんや、何でも。さ、いこっか!」
辛気臭い話はやめにして、今は旦那との冒険を楽しみますか。
「おー!なんかダンジョンっぽい!!」
「いや、ダンジョンだからな?っぽいものじゃなくてそのものだからな?」
そのダンジョンは、どっちかと言うと遺跡のようなものだ。
なんというか……古代の神殿?見たいな。うん、間違いない。
だって天界の神殿もこんなデザインだったから。
今思うと、天界のデザインどれもこれも同じで正直飽きる。
昔はそんなこと思ったこと無いけど、今思うと心底そう思えるよ。
「気をつけろよ?下手なことしてトラップが発動したらやばいからな」
「うい、分かった」
さすがに無用心な行動は控えますって。
だって、このダンジョン、魔物の気配がわんさかする。
私が罠にはまって動けないうちに旦那が寝取られるとか、旦那が罠にはまって、そして寝取られるとか、目も当てられない。
とりあえず、旦那に熱視線送ってる魔物には私の冷たい視線を送り返しながら、私たちは先へ進んだ。
「これは……宝箱か?」
「見た感じ宝箱だね」
あれからだいぶ進んだよ!
へ?間に何があったか書かれてない?キンクリだよキンクリ!よくあるでしょ?
とにかく、しばらく進んで、やたら広い部屋に着いたと思ったら、部屋の真ん中に少し高くなってる部分があって、そこに宝箱が
どでんとおいてあった。装飾も豪華で、いかにも貴重品入ってます!って感じの。
が、同じ魔物である私をごまかせると思うなよ?
「ちょいとそこで待って……いや、やっぱついてきて」
「?ああ、分かった」
あの宝箱、まぁ予想通りミミックなわけですが、下手に旦那を近づけたら旦那が襲われるかもしれないと思い、ここで待っててもらおうと思ったんだけど、
私が待ってといった瞬間、魔物の熱視線が倍プッシュになったわけでして。
貴様らにはやらんといっているだろう?
で、件の宝箱に近づき、宝箱に触れて、旦那に聞こえないように、しかしミミックには聞こえる声で、ポツリとつぶやいた。
「……やらねぇよ?」
「……(ビクゥ!!?)」
一瞬宝箱が震えた気がした。
……ちっ!やっぱ寝取ろうとしてやがったか。
お〜し〜お〜き〜だ〜べ〜。
「と言うわけでさらっと取り出したるは魔界銀製の頑丈な鎖(鍵付き)」
「……っ!!?!?」
私が背負っていたリュックから鎖を取り出すと、宝箱がやけに震えた。
ふふふ、何をされるかは、わかっているんじゃあないか。
「封印じゃぁ!!ヒャッハー!!」
「お、おい……」
旦那に引かれてるけど、こればっかは譲れない。
泥棒猫(未遂)にはお仕置きよ!!
っつーわけで、宝箱を開けられないように、縦に鎖をぐーるぐる。
ついでにもう一本ぐーるぐる。
で、鍵をがちゃん。はい出来上がり。
これで、中の子は自力で宝箱を開けて移動することもできない。
「あ、その魔界銀、封入されてる魔力特性は「封印」だから、力づくで引きちぎろうとしてもできないよ?」
ミミック自体を封印するおまけに、魔力も宝箱の中にしっかり封印で、漏れ出さないようになってるから、魔力を使って外に影響を及ぼすこともできやしない。
1日どころか、鎖が解けるまでの封印。いうなれば漏れずに安心のロ○エみたいな奴なのさ。
それを聞いてか、宝箱はやけにぎっこんばったん暴れているが、ふふふ、無駄ですぜ?
「お、おい、なんか暴れてっぞ?」
「うん、気にしちゃだめだよ?泥棒猫(未遂)にお仕置きしてるから」
で、ついでにぎっこんばったん言われると怪奇現象なので、鎖を杭で地面に固定し、暴れられないようにした。
あ、この杭も魔界銀製です。抜かりはねぇ。
が、さすがにこのままじゃ可哀想なので、鎖に鍵をくくりつけておく。
あ、これは極々普通の一般流通してる木綿の糸でくくりつけたので、引っ張ればすぐブチッと千切れるよ。
「誰か、他の冒険者が来たら、きっと鍵開けてくれるよ。それまでガンバ!」
事情を知っている私たちは開けようとは思わないが、事情を知らない人からすれば、ここまで厳重に封印されている宝箱、
きっと貴重なものが入っているに違いない!と思うはずだ。
おまけに鍵もあるんだから、開けるしかないだろ?
それを聞いて、ミミックは多少しょんぼりとした雰囲気をかもし出しながらも、どこか安心した様子を見せていた。
……ふふふ、だが私はダークエンジェルですぜ?いうなれば悪い子なんですよ。
ここで普通に安心させると思います?思いませんよねー?
「ま、ギルドの調査が終わった、『何も無い』ダンジョンに入ってきてくれる物好きな冒険者がいれば、の話ですけど?」
つまりそういうこと。
上げて落とすが私の得意技です。
それを聞いたミミックは、当初ポカーンとしていたが、やがて私の言っている意味が分かったのか、宝箱を揺さぶり始めた。
きっと何かを言いたいんだろうが、ははは、封印かけてるから何言ってるのか分からないよ?
いや、予想はついてるけどね!
「それじゃ、ばいば〜い。私の旦那寝取ろうとしたアンタが悪いのさ。さ、行こう?」
「……いいのかなぁ、あれで」
旦那は優しいね。でも私は優しくないのさ。
---元天使だったら、少しは慈悲をくださいよーーーー!!あーけーてーーー!!---
ん?何か声が聞こえた気がする。
いやまさかね?だって封印してるし。
が、今の声に答えるなら、私はこう答えよう。
昔は昔、今は今。
昔が何であろうと、今は堕天した身の上なので、慈悲とは当然縁遠い存在なのです。
それに、私のなけなしの慈悲は旦那専用です。あしからず。
---うわぁ……これはひどい。ワシも泣きそう---
人のを取ろうとするほうが悪い。ってことで。
ちなみに、ダンジョンの一番奥には、なんか封印されてたエキドナさんが居たんで、ちょちょいと封印は解除しておいた。
で、お礼にこのダンジョンの財宝をちょろっと分けてもらった。
やったね!
---一週間後---
あのダンジョン調査から早一週間。
たまにくる主神の愚痴を聞きながら、私はいつもどおり買い物に出かけました。
で、途中やけに騒がしいところがあったんで、覗いてみると、一人の青年を二人の大人が取り押さえてるところだった。
「くそっ!はなせぇ!俺は、俺はあの子に会いに行くんだぁぁぁ!!」
「あんた!ウチの子がおかしくなっちまったよ!!」
「落ち着け!落ち着くんだピーター!!」
「落ち着いてられるか!!うぉおおおおおお!!待っててね!ミミックちゃああああああああああああああああん!!!」
そういって大人二人、おそらく両親を跳ね飛ばし、一直線にあのダンジョンのほうへ駆け出すピーターとやら。
「……うわぁ」
ま、まぁ、あの子も無事鎖をはずしてもらえたみたいだし?よかったじゃん!!
うんうん!私は何も見ていない!!
---いや、お前さんも一枚噛んでるじゃろうて---
うっせぇ!知らないったら知らないんだい!!
で、何の用よ?また愚痴?
---いや、緊急事態じゃから、お前さんに教えておこうかなと---
何よ?
---あのアホが脱走しおった---
……なんですと?
「やべぇ、影繰書いてるときより楽しいww」
って、これ、作者じゃね!?
……なんか、背後に黒い何かをウネウネさせてる男の子がいた気がするけど、
私は何も見なかった!!
他にもバフォメットとか、いろいろ見た気がするけど、気のせいだもん!!
と言うわけで、俗天 よんっ!始まるよ!!
「おー、ここがダンジョンってやつですかー」
「そういうこった。あ、おいおい、一人でふらふら歩いていくな」
ども!毎度おなじみ三河屋……じゃなかった、ダークエンジェルでーす。
いい加減私と旦那の名前考えろよ、アホ作者♪
ところで、三河屋ってなんだろ?なんか言えってお告げが来たんだけど。
---ワシは何もしとらんぞ?---
まぁいっか。
と言うわけで、今日は旦那と一緒に冒険に出かけてます。
なんでも、今回の依頼は下手したら、帰ってくるまで一週間以上かかるといわれたのです。
い、一週間も精をおあずけって、それなんてイジメ?。私ダークエンジェルよ?
一日だって我慢するのは苦行なのに、一週間以上とかできるわけないっしょ。
と言うわけで、今回ばかりはいってらっしゃいませーなんてできるわけも無く、一緒についてきちゃいました。
本来ならギルドに登録するには、試験うけてー、その後成績を書いた書類を作ってー、判子してー、それをギルド本部に送ってーといろいろめんどくさい手続きが必要なところなんですが、
私がまともに受けると思ってるのかい?私ダークエンジェルよ?
パンデモニウムで知り合ったダークプリーストさん(独身)を、登録のための手続き係の人にけしかけて、ギシアンやってるうちに、
私が自分で書類とか作っちゃって、判子も勝手に押しちゃって、そのままギルド本部に送っちゃいました。
ちなみに、その係の人とダークプリースト、そのままめでたくゴールインしちゃいました。結婚斡旋とか、いいことしたネ!!
え?犯罪だって?
……バレなきゃ犯罪じゃないんだよ、世の中。
あ、でもよい子はマネしちゃだめだぞ。私との約束だよ!
ちなみに私はダークエンジェルなんで、いい子じゃないから問題ないっす。
ま、こうやってちゃんとギルドに登録されてる冒険者だっていう証明の登録証も届いたわけですし、大手振って旦那についていけるわけですよ。
で、冒頭に戻るというわけで。
「思えば、私ダンジョンとか、遺跡とかそういった類のところ行ったの初めてだなー」
「そうなのか?結構こういうところ行ってそうな雰囲気だったんだが」
「んー、降りてきたときは、とにかく戦場いって魔物を滅して、やる気なくしてからは街でのんびり暮らしてたしね」
ま、おかげでこうして旦那もゲットできて、人生(天使生?)勝ち組なんで、文句は無かったりする。
文句はないけど、旦那と会う前は味気ない生活だったなぁという後悔は少しはある。
「ま、あれはあれでいい生活だったけどさ」
私が知らなかった、あのままでは知ることができなかった自由な生活。
味気ないが、あれはあれでいいものであろう。
「ん?なんか言ったか?」
「いんや、何でも。さ、いこっか!」
辛気臭い話はやめにして、今は旦那との冒険を楽しみますか。
「おー!なんかダンジョンっぽい!!」
「いや、ダンジョンだからな?っぽいものじゃなくてそのものだからな?」
そのダンジョンは、どっちかと言うと遺跡のようなものだ。
なんというか……古代の神殿?見たいな。うん、間違いない。
だって天界の神殿もこんなデザインだったから。
今思うと、天界のデザインどれもこれも同じで正直飽きる。
昔はそんなこと思ったこと無いけど、今思うと心底そう思えるよ。
「気をつけろよ?下手なことしてトラップが発動したらやばいからな」
「うい、分かった」
さすがに無用心な行動は控えますって。
だって、このダンジョン、魔物の気配がわんさかする。
私が罠にはまって動けないうちに旦那が寝取られるとか、旦那が罠にはまって、そして寝取られるとか、目も当てられない。
とりあえず、旦那に熱視線送ってる魔物には私の冷たい視線を送り返しながら、私たちは先へ進んだ。
「これは……宝箱か?」
「見た感じ宝箱だね」
あれからだいぶ進んだよ!
へ?間に何があったか書かれてない?キンクリだよキンクリ!よくあるでしょ?
とにかく、しばらく進んで、やたら広い部屋に着いたと思ったら、部屋の真ん中に少し高くなってる部分があって、そこに宝箱が
どでんとおいてあった。装飾も豪華で、いかにも貴重品入ってます!って感じの。
が、同じ魔物である私をごまかせると思うなよ?
「ちょいとそこで待って……いや、やっぱついてきて」
「?ああ、分かった」
あの宝箱、まぁ予想通りミミックなわけですが、下手に旦那を近づけたら旦那が襲われるかもしれないと思い、ここで待っててもらおうと思ったんだけど、
私が待ってといった瞬間、魔物の熱視線が倍プッシュになったわけでして。
貴様らにはやらんといっているだろう?
で、件の宝箱に近づき、宝箱に触れて、旦那に聞こえないように、しかしミミックには聞こえる声で、ポツリとつぶやいた。
「……やらねぇよ?」
「……(ビクゥ!!?)」
一瞬宝箱が震えた気がした。
……ちっ!やっぱ寝取ろうとしてやがったか。
お〜し〜お〜き〜だ〜べ〜。
「と言うわけでさらっと取り出したるは魔界銀製の頑丈な鎖(鍵付き)」
「……っ!!?!?」
私が背負っていたリュックから鎖を取り出すと、宝箱がやけに震えた。
ふふふ、何をされるかは、わかっているんじゃあないか。
「封印じゃぁ!!ヒャッハー!!」
「お、おい……」
旦那に引かれてるけど、こればっかは譲れない。
泥棒猫(未遂)にはお仕置きよ!!
っつーわけで、宝箱を開けられないように、縦に鎖をぐーるぐる。
ついでにもう一本ぐーるぐる。
で、鍵をがちゃん。はい出来上がり。
これで、中の子は自力で宝箱を開けて移動することもできない。
「あ、その魔界銀、封入されてる魔力特性は「封印」だから、力づくで引きちぎろうとしてもできないよ?」
ミミック自体を封印するおまけに、魔力も宝箱の中にしっかり封印で、漏れ出さないようになってるから、魔力を使って外に影響を及ぼすこともできやしない。
1日どころか、鎖が解けるまでの封印。いうなれば漏れずに安心のロ○エみたいな奴なのさ。
それを聞いてか、宝箱はやけにぎっこんばったん暴れているが、ふふふ、無駄ですぜ?
「お、おい、なんか暴れてっぞ?」
「うん、気にしちゃだめだよ?泥棒猫(未遂)にお仕置きしてるから」
で、ついでにぎっこんばったん言われると怪奇現象なので、鎖を杭で地面に固定し、暴れられないようにした。
あ、この杭も魔界銀製です。抜かりはねぇ。
が、さすがにこのままじゃ可哀想なので、鎖に鍵をくくりつけておく。
あ、これは極々普通の一般流通してる木綿の糸でくくりつけたので、引っ張ればすぐブチッと千切れるよ。
「誰か、他の冒険者が来たら、きっと鍵開けてくれるよ。それまでガンバ!」
事情を知っている私たちは開けようとは思わないが、事情を知らない人からすれば、ここまで厳重に封印されている宝箱、
きっと貴重なものが入っているに違いない!と思うはずだ。
おまけに鍵もあるんだから、開けるしかないだろ?
それを聞いて、ミミックは多少しょんぼりとした雰囲気をかもし出しながらも、どこか安心した様子を見せていた。
……ふふふ、だが私はダークエンジェルですぜ?いうなれば悪い子なんですよ。
ここで普通に安心させると思います?思いませんよねー?
「ま、ギルドの調査が終わった、『何も無い』ダンジョンに入ってきてくれる物好きな冒険者がいれば、の話ですけど?」
つまりそういうこと。
上げて落とすが私の得意技です。
それを聞いたミミックは、当初ポカーンとしていたが、やがて私の言っている意味が分かったのか、宝箱を揺さぶり始めた。
きっと何かを言いたいんだろうが、ははは、封印かけてるから何言ってるのか分からないよ?
いや、予想はついてるけどね!
「それじゃ、ばいば〜い。私の旦那寝取ろうとしたアンタが悪いのさ。さ、行こう?」
「……いいのかなぁ、あれで」
旦那は優しいね。でも私は優しくないのさ。
---元天使だったら、少しは慈悲をくださいよーーーー!!あーけーてーーー!!---
ん?何か声が聞こえた気がする。
いやまさかね?だって封印してるし。
が、今の声に答えるなら、私はこう答えよう。
昔は昔、今は今。
昔が何であろうと、今は堕天した身の上なので、慈悲とは当然縁遠い存在なのです。
それに、私のなけなしの慈悲は旦那専用です。あしからず。
---うわぁ……これはひどい。ワシも泣きそう---
人のを取ろうとするほうが悪い。ってことで。
ちなみに、ダンジョンの一番奥には、なんか封印されてたエキドナさんが居たんで、ちょちょいと封印は解除しておいた。
で、お礼にこのダンジョンの財宝をちょろっと分けてもらった。
やったね!
---一週間後---
あのダンジョン調査から早一週間。
たまにくる主神の愚痴を聞きながら、私はいつもどおり買い物に出かけました。
で、途中やけに騒がしいところがあったんで、覗いてみると、一人の青年を二人の大人が取り押さえてるところだった。
「くそっ!はなせぇ!俺は、俺はあの子に会いに行くんだぁぁぁ!!」
「あんた!ウチの子がおかしくなっちまったよ!!」
「落ち着け!落ち着くんだピーター!!」
「落ち着いてられるか!!うぉおおおおおお!!待っててね!ミミックちゃああああああああああああああああん!!!」
そういって大人二人、おそらく両親を跳ね飛ばし、一直線にあのダンジョンのほうへ駆け出すピーターとやら。
「……うわぁ」
ま、まぁ、あの子も無事鎖をはずしてもらえたみたいだし?よかったじゃん!!
うんうん!私は何も見ていない!!
---いや、お前さんも一枚噛んでるじゃろうて---
うっせぇ!知らないったら知らないんだい!!
で、何の用よ?また愚痴?
---いや、緊急事態じゃから、お前さんに教えておこうかなと---
何よ?
---あのアホが脱走しおった---
……なんですと?
11/08/20 00:16更新 / 日鞠朔莉
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