3話 持ち物を確認しました
「島から脱出するぞ!」
浜辺に引き返した後、起き抜けにハルヒコは言った。誰がと決めたわけでもないが、彼がこの中のリーダーのような振る舞いだ。
「この島に人がいないなら、いる所まで自力で行くしかない!」
「そうだね……。じゃあ、お互いの持ち物を確認しておこうか」
アマタ達はそれぞれの荷物をおろし、使えそうな物はないか漁り始めた。
「うーん、電子機器は水に浸かって壊れちゃってる。俺の荷物で無事なのはお菓子位だね。」
「またお菓子か。好きだなアマタも」
「そういうハルヒコはなに持ってきたんだ?」
「バイブにローター!どっちも動くぜ!」
「好きだねえ」
「ユキオは何か持ってるか?」
「僕は、これ……」
ユキオは背丈に合わない大きなバッグを持ち出した。船に備え付けられていた非常用セットであった。中には保存水、ナイフ、ライト、ロープなどサバイバルには必需品といえる物が揃っていた。
「役に立つかもと思って、とっさに掴んだんだ……」
「さすが、俺の弟だぜ!」
この男たちの中でもっとも頼りになるのは最年少のユキオかもしれないとアマタは思った。
「とりあえず、今日と明日くらいの食事は大丈夫そうだね」
「まずは寝床の確保だな。ロープと防水シートを使ってテントを張るぞ。それから火を起こして……」
ふと、一人のけ者にされていたクッキーがアマタの服をツイと引っ張り、寂しそうにクゥンと鳴いた。
「ごめんごめん、じゃあ一緒にテント張りでも……」
その時、クッキーが小さなリュックを背負っていることに気付いた。ずっと身につけていたのか、あちこちボロけている。
「クッキー、それどうしたの?」
「ゥワン!」
クッキーはアマタに背を向けた。
「開けろ、ってこと?」
オン、と一鳴き。アマタがリュックを開くと、一冊の本が入っていた。
「おい、なんだよその本。クッキーちゃんの持ち物か?」
紺色の、金縁の装丁が施された高級そうな本だった。表紙には日本語ではない文字が羅列されていた。しかし、不思議な事にアマタ達はその文字を読むことが出来た。
「魔物娘図鑑……U?」
本には驚くべき内容が記されていた。
要約すれば、この本が書かれた世界では魔物が実在し、しかもそれらは皆女性の姿をしているというのだ。
ただの作り話だと三人は思ったが、実際に遭遇したテンタクルスや、クッキーのような魔物(コボルド)などの記述が出てくると、真実であると認めざるを得なくなった。
「なんて事だ……。こんな、魔物娘が……」
アマタは考える。魔物娘であるクッキーがここにいるという事は。
この島は、本が書かれた世界の島ということ。
「ここは日本じゃない……?だとしたらどうやって帰ったらいいんだ!」
絶望のあまり、膝をつくアマタ。クッキーとユキオが心配そうに近寄るが、彼女達のことを気にかけられないほど、彼は動揺していた。
「落ち着け、アマタ!」
そんな彼を慰めるように、ハルヒコが肩に手を置く。
「落ち込むな。逆に考えるんだ。ここは俺たちしか男がいない魔物娘島、ということは……!」
「…ということは?」
「たくさんの魔物娘ちゃん達と、いちゃラブエッチし放題って事じゃないかあっ!!」
高らかに叫んだ。この男は遭難という命の危機に晒されていながら、今もなお女性とエッチすることしか頭にないのである。三度の飯よりエロが好き、それがハルヒコという男だった。
そんな彼を見て、アマタは冷静さを少しばかり取り戻す。
「それよりもお前どの娘が好み?白蛇なんかすっげー可愛いけど、デーモンもいいよなあ。」
ハルヒコは魔物娘図鑑を夢中になって紐解いていた。黙ってみていたユキオは、静かにため息をついた。
夕暮れまでに何とかテントを張り終え、軽い食事をとった。といっても、アマタの作ったお菓子をつまんだ程度だ。全部食べるわけにはいかない。食料や飲料水も確保しなければ、生きていくことは出来ない
彼らは早めに眠ることにした。明日からやることがたくさんあるからだ。
アマタは眠ることが出来なかった。体は休息を欲しているが、頭が冴えて仕方がなかった。
まだ分からないことが沢山ある。
ここは日本なのか、違う世界に来てしまったのか。
あのドラゴンは?今もこの島にいるのだろうか。
自分達は家に帰れるのだろうか。
友好的ではない魔物娘に出会ってしまったら、自分たちはどうなるのだろうか。
そんな不安が頭をよぎる。隣で眠っているクッキーを見る。
図鑑に書いてあった『魔物娘は男性の精液を欲している』という一文を思い返す。
大人しそうにみえた彼女も、魔物なのだ。それは分かっているはずなのに、アマタはクッキーの事が嫌いにはなれなかった。
「クン?」
視線を感じて、クッキーが目を覚ました。
クッキーは音を立てないようにアマタに近づくと、甘えるようにすり寄った。完全にアマタの飼い犬になってしまったようだ。
「クゥ〜ン……♥」
モフモフとした毛皮に顔を埋めると、お日様の匂いと女の子の香りが鼻をくすぐる。
「……あ」
疲れマラか、匂いに興奮してしまったか、熱く膨張したペニスがズボンを膨らませた。
いけないと思いつつも、体が全く言うことを聞かない。
勃起に気付いたクッキーは、すぐさまアマタの股間へと顔を寄せる。
「あ、あの、クッキー?一度しておいて何だけど、こういうのは恋人同士がするものであって……、ちゃんと段階を踏まないと、あ、ズボン下げないで!…や、やめ…………あ♥♥」
その夜、口でたっぷり搾り取られたアマタは漂流した不安など忘れ、日が昇るまでぐっすりと眠ることが出来た。
浜辺に引き返した後、起き抜けにハルヒコは言った。誰がと決めたわけでもないが、彼がこの中のリーダーのような振る舞いだ。
「この島に人がいないなら、いる所まで自力で行くしかない!」
「そうだね……。じゃあ、お互いの持ち物を確認しておこうか」
アマタ達はそれぞれの荷物をおろし、使えそうな物はないか漁り始めた。
「うーん、電子機器は水に浸かって壊れちゃってる。俺の荷物で無事なのはお菓子位だね。」
「またお菓子か。好きだなアマタも」
「そういうハルヒコはなに持ってきたんだ?」
「バイブにローター!どっちも動くぜ!」
「好きだねえ」
「ユキオは何か持ってるか?」
「僕は、これ……」
ユキオは背丈に合わない大きなバッグを持ち出した。船に備え付けられていた非常用セットであった。中には保存水、ナイフ、ライト、ロープなどサバイバルには必需品といえる物が揃っていた。
「役に立つかもと思って、とっさに掴んだんだ……」
「さすが、俺の弟だぜ!」
この男たちの中でもっとも頼りになるのは最年少のユキオかもしれないとアマタは思った。
「とりあえず、今日と明日くらいの食事は大丈夫そうだね」
「まずは寝床の確保だな。ロープと防水シートを使ってテントを張るぞ。それから火を起こして……」
ふと、一人のけ者にされていたクッキーがアマタの服をツイと引っ張り、寂しそうにクゥンと鳴いた。
「ごめんごめん、じゃあ一緒にテント張りでも……」
その時、クッキーが小さなリュックを背負っていることに気付いた。ずっと身につけていたのか、あちこちボロけている。
「クッキー、それどうしたの?」
「ゥワン!」
クッキーはアマタに背を向けた。
「開けろ、ってこと?」
オン、と一鳴き。アマタがリュックを開くと、一冊の本が入っていた。
「おい、なんだよその本。クッキーちゃんの持ち物か?」
紺色の、金縁の装丁が施された高級そうな本だった。表紙には日本語ではない文字が羅列されていた。しかし、不思議な事にアマタ達はその文字を読むことが出来た。
「魔物娘図鑑……U?」
本には驚くべき内容が記されていた。
要約すれば、この本が書かれた世界では魔物が実在し、しかもそれらは皆女性の姿をしているというのだ。
ただの作り話だと三人は思ったが、実際に遭遇したテンタクルスや、クッキーのような魔物(コボルド)などの記述が出てくると、真実であると認めざるを得なくなった。
「なんて事だ……。こんな、魔物娘が……」
アマタは考える。魔物娘であるクッキーがここにいるという事は。
この島は、本が書かれた世界の島ということ。
「ここは日本じゃない……?だとしたらどうやって帰ったらいいんだ!」
絶望のあまり、膝をつくアマタ。クッキーとユキオが心配そうに近寄るが、彼女達のことを気にかけられないほど、彼は動揺していた。
「落ち着け、アマタ!」
そんな彼を慰めるように、ハルヒコが肩に手を置く。
「落ち込むな。逆に考えるんだ。ここは俺たちしか男がいない魔物娘島、ということは……!」
「…ということは?」
「たくさんの魔物娘ちゃん達と、いちゃラブエッチし放題って事じゃないかあっ!!」
高らかに叫んだ。この男は遭難という命の危機に晒されていながら、今もなお女性とエッチすることしか頭にないのである。三度の飯よりエロが好き、それがハルヒコという男だった。
そんな彼を見て、アマタは冷静さを少しばかり取り戻す。
「それよりもお前どの娘が好み?白蛇なんかすっげー可愛いけど、デーモンもいいよなあ。」
ハルヒコは魔物娘図鑑を夢中になって紐解いていた。黙ってみていたユキオは、静かにため息をついた。
夕暮れまでに何とかテントを張り終え、軽い食事をとった。といっても、アマタの作ったお菓子をつまんだ程度だ。全部食べるわけにはいかない。食料や飲料水も確保しなければ、生きていくことは出来ない
彼らは早めに眠ることにした。明日からやることがたくさんあるからだ。
アマタは眠ることが出来なかった。体は休息を欲しているが、頭が冴えて仕方がなかった。
まだ分からないことが沢山ある。
ここは日本なのか、違う世界に来てしまったのか。
あのドラゴンは?今もこの島にいるのだろうか。
自分達は家に帰れるのだろうか。
友好的ではない魔物娘に出会ってしまったら、自分たちはどうなるのだろうか。
そんな不安が頭をよぎる。隣で眠っているクッキーを見る。
図鑑に書いてあった『魔物娘は男性の精液を欲している』という一文を思い返す。
大人しそうにみえた彼女も、魔物なのだ。それは分かっているはずなのに、アマタはクッキーの事が嫌いにはなれなかった。
「クン?」
視線を感じて、クッキーが目を覚ました。
クッキーは音を立てないようにアマタに近づくと、甘えるようにすり寄った。完全にアマタの飼い犬になってしまったようだ。
「クゥ〜ン……♥」
モフモフとした毛皮に顔を埋めると、お日様の匂いと女の子の香りが鼻をくすぐる。
「……あ」
疲れマラか、匂いに興奮してしまったか、熱く膨張したペニスがズボンを膨らませた。
いけないと思いつつも、体が全く言うことを聞かない。
勃起に気付いたクッキーは、すぐさまアマタの股間へと顔を寄せる。
「あ、あの、クッキー?一度しておいて何だけど、こういうのは恋人同士がするものであって……、ちゃんと段階を踏まないと、あ、ズボン下げないで!…や、やめ…………あ♥♥」
その夜、口でたっぷり搾り取られたアマタは漂流した不安など忘れ、日が昇るまでぐっすりと眠ることが出来た。
16/09/23 17:36更新 / 牛みかん
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