敗北ファラオは堕ちていく
オレの伴侶は王様だった。
稀代の名君!最高の為政者!彼女を褒めたたえる言葉はたくさんあった。その王様は国中の人々に愛されていたし、彼女も国と民を愛していた。
いやはや、そんな素晴らしい王に見初められ、夫として結ばれたときは舞い上がったものだ。王様は綺麗で、教養も豊かで、賢くて、まさしく人の上に立つべき存在だったから。
「……本当に、もう王様じゃないんだなぁ」
二人で暮らすにはちょうどいい大きさの普通の家。一般流通している椅子に座り、家庭的な料理の並んだテーブルを眺める。
「昔のキミじゃ信じられないんじゃないかな?宮殿の家具は豪奢で、料理だって豪勢だったからね。………オレは、この生活の方が幸せだけど」
視線をテーブルから、誰よりも愛おしい伴侶に移す。
腰まで届く黒髪に、健康的な褐色の肌の、オレだけのお嫁さん。
「随分とつまらないことを聞くのだな。なあ、オズよ。私の最愛のキミ」
オレのために料理を作ってくれた最愛の妻は、熱っぽく微笑んで隣の椅子に腰かけた。
「私はもう、キミがいればそれでいいのだよ。ねぇ、あなた…♡」
どこまでも蕩けた声色で、絡みつくように抱き着いてくる。暖かい身体と大きな胸が押しあてられた。
「大好き♡好き好き♡私はもう、キミなしじゃ生きていけないのだよ♡」
かつては王だった者……今は最愛の伴侶である彼女、シャアラは、愛をねだるみたいに深く唇を重ねてきた。
シャアラが王として国を治めていたのは過去のことだ。
燦燦と太陽が輝き、人々の活気で溢れていたこの国の王。それがファラオである彼女の役割だった。
だが、全ては昔のこと。シャアラはもう王じゃない。今のシャアラは、ただの一国民。ただのお嫁さんだ。
「んっ♡……オズに頭を撫でられるのは心地がいいな…♡ああ、駄目だ。雌の幸せを知ってはいけないのだ…♡これ以上、私をキミに溺れさせないでくれ♡」
昔はもっと威厳があったのだけど、王様じゃなくなった今のシャアラは、頭を撫でられただけで頬を赤く染め、だらしなく弛緩した身体をすり寄せてくる。
「あの蛇に噛まれてからはいつもこれだ。オズが愛おしくて、オズが欲しくて、どうにかなってしまいそうだ♡」
あの蛇…アポピスさんのことかな。
元王様だったシャアラは、件のアポピスさんに敗北した。アポピスさんの毒液を流し込まれ、ただただ愛欲に焦がされたメスにされてしまったのだ。
「オレは今のシャアラも好きだよ。可愛いし、幸せだし。このまま、ずっと愛し合いたいって思うよ」
「あ……♡」
抱きしめてみれば、胸の中の彼女がたまらず熱っぽい息を吐く。
すー、はー。深呼吸の音がした。どうやら、肺一杯にオレの匂いを吸い込んでいるらしい。
(アポピスさんに感謝しないとね……)
アポピスさんに負けたおかげで、今のオレ達の幸福がある。国の頂点に君臨し、二人で政を為すというのも楽しかったけど……こうやって一日の全てを互いに溺れて過ごす日々も愉しい。
なによりも、オレに甘えてくれるシャアラが見られたのは最高の報酬だった。王様時代の彼女は、威厳とか外聞とかを気にして恋人のように甘えてはくれなかったからね。
「あぁ、幸せだ…♡こうして甘え、私の手で作った料理をキミに食べてもらう…。王であった頃では出来なかったことだ…」
匙でスープを掬って、ふーふーと息を吹きかける。冷ましてくれてるみたい。
「あーん♡……ふふっ、どうしてもやってみたくてな…♡♡」
そうやって、冷ましたスープが口元に差し出される。食べさせてあげる、ということらしい。
「じゃあ、遠慮なく。いただきます」
ためらわず、シャアラの奉仕を受け取る。美味しい。愛情の味がする。
「ふふっ、美味しいか?オズを満足させられるようにと作ってみたのだが……口に合っただろうか?」
「とっても美味しいし、嬉しいよ。オレを想って作ってくれてありがとうね」
「なに、私の我儘だよ。王であった頃は料理人に作らせていたから……素人である私の料理では満足できぬかもしれないが………」
当たり前だが、王であるシャアラが調理の場に立つことは今まではなかった。王様をやっていた時代のオレ達の食卓には、お抱えの料理人の作った料理が並んでいたっけな。
「それでも、オズには私の作った物を食べて欲しかったのだ。恋人のように、そして女として、最愛のキミに尽くしたかったのだ。だから、これは私の我儘なのだよ」
“昔に食べていた物と比べて美味しくはないだろうが”などと付け加えるシャアラは、どこか寂しそうだった。
「ねぇ、シャアラ。オレはどんなにすごい料理人の料理よりも、キミが作ってくれた料理をずっと食べたいよ。」
恥ずかしげもなくプロポーズに似た愛の言葉を囁けば、シャアラは一瞬だけ驚いた顔をして、直後に嬉しそうに緩んだ笑顔を見せた。
「あぁ♡愛しの旦那様にそう言われては、作らないわけにはいかないではないか♡」
彼女はこの顔が一番似合う。オレはシャアラの悦びに満ちた顔が好きだ。王様の頃にはお目にかかれなかった、堕ちたメスの姿が、大好きだ。
「…………なぁ、オズよ」
「ん?どうかした?」
抱きしめていたシャアラが、顔を真っ赤にしてもじもじとしている。はて、どうしたのだろうか?
「あまりに嬉しくて…………その……濡れてしまって…♡♡」
「………シたくなった?」
少し視線を下に向ければ、床に出来た愛液の水溜まりが映る。シャアラの股は粘液の洪水を起こし、びしょびしょに濡れていた。
アポピスさんに注がれた媚毒の影響だ。シャアラは毒によって、快楽に貪欲なメスに作り変えられ、ちょっとのことで発情して精を求めるようになってしまった。
「あぁ、我ながらはしたないとは思うよ。……だがな、キミも悪いのだよ…♡そんな風に、私を堕としていくのだからぁ…♡」
もう我慢ができなかったのだろう。シャアラが服をすべて脱ぎ捨て、床に這いつくばってお尻を突き出す。
「こんなにも淫乱な私を、どうか慰み者にしてくれ……♡」
顔を床に擦りつけ、自らの指で割れ目を広げる彼女の姿は、元々は気品のある王であったとは到底信じられないほど淫靡で。
媚びるようにオレを見上げ、ふりふりと腰を振って快楽をねだる。
「はぁっ♡はぁっ…♡あなたぁ……♡」
シャアラの誘惑にオレは耐えられなかった。
情欲に塗れた妻の腰を掴んで、すっかり勃起していた男性器を入口にあてがう。
「あぁっ♡きてっ♡私を、犯してぇっ♡♡」
ここにいるのは快楽に屈服したメスだ。間違っても聡明な王様じゃない。
すっかり堕ちてしまった元王様に応えようと、肉槍を最奥に突き入れてあげる。
獣みたいに後ろから突かれたシャアラは、甲高い嬌声を上げた。
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シャアラはいい王様だった。
まぁ、過去の話なんだけど、本当に昔はいい王様だった。賢くて威厳があって、まさしく名君と呼ぶにふさわしい王だった。嘘じゃないよホントだよ。
「人は変わるかぁ……」
さて、現在。王の座を奪われたシャアラがどうなっているのか?
「くぅん……♡」
目の前のシャアラは、一糸まとわぬ姿で、四つん這いになって犬の真似事をしている。わざわざ犬耳のヘアバンドと首輪もつける徹底さだ。
「人は変わるっていうか、人としての尊厳がない……」
王様時代の反動か、シャアラの趣味はえらく倒錯した方向に進んでいる。被虐的というかなんというか。こんな背徳的な悦楽を求めるようになってしまった。
「これは外でやる勇気がないなぁ……」
家の中で良かった。いくらこの国が性の悦びに浸ることを善しとする暗黒魔界であったとしても、オレはシャアラに犬の格好をさせて散歩するみたいなことが出来る気はしない。
いや、興奮はする。だけどだ、何度も言うけどこの人は元王様だ。恐れ多いってレベルじゃない。
「わふぅ…♡♡」
そんなオレの思いなど関係なしに、犬にまで堕ちた元名君は這いつくばり、オレの足を丁寧に舐めてくる。指先から足の甲をくすぐる柔らかい舌の感触が心地いい。
「んっ♡…ちゅっ♡くちゅ♡…ちゅぅ♡」
かつては国を治めていた王が、地を這い犬のように伴侶の足を舐める。シャアラの息は荒く、太腿には愛液が伝い、王として…いや、人としての尊厳さえ捨てた快楽に溺れていく。
「可愛いことには違いないけど」
しゃがんで彼女と目線の高さを合わせる。飼い主が愛犬と戯れるなら、見下ろすより見つめ合うほうがやりやすい。
「はっ♡はっ♡はぁっ♡」
わしゃわしゃと艶やかな黒髪から頬、顎の下を撫でまわせば、オレの愛おしい犬妻はとろんと目尻を下げて、舌を垂らす。
発情したメス犬。最早、そうとしかシャアラを表現できない。そこまで彼女は堕ちてしまった。
「オズぅ……♡♡ごほうび、くださいぃ…♡♡」
辛抱たまらないとばかりに股間の辺りに顔を近づけ、スンスンと匂いを嗅いでくる。唇から涎を垂らし、必死に精を求めて媚びるシャアラに、かつての気高さは微塵もない。
「はやくっ♡はやくぅっ♡♡」
「分かったから、落ち着いて?ちょっと待ってね……」
今も昔も、彼女には逆らえないなぁ。王様としての力や魅力は今も健在だ。……まぁ、オレがシャアラにベタ惚れしてるだけなんだろうけど。
さて。立ち上がって、すっかり勃起した男性器を突き出せば、シャアラが息を吐いて擦り寄ってくる。
「はぁ…♡♡オズの、しゅきぃ…♡♡」
愛おしいと言わんばかりに、オレのモノに頬すりをするシャアラは、まさしく盛りのついた犬のようだった。
「欲しいっ♡オズのっ♡せーえき、ほしいのっ♡」
「うん。シャアラの好きにしていいよ」
「はい♡いっぱい、ご奉仕しますぅ…♡♡」
許しを出せば、シャアラが大きく口を開けてオレのモノを咥えこむ。
「んむ…♡ちゅっちゅっ♡…………ずじゅじゅっ♡」
シャアラの口淫は気持ちいい。舌先が裏筋から先端まで這いまわり、唾液を塗りたくってくれる。温かくて、ぬるぬるしてて、まさしく極上といえる快楽を与えてくれる。
「気持ちいいよ、シャアラ。ありがとうね」
お礼に頭を撫でてあげる。
すると、頭を撫でられて嬉しかったのか、舌が激しく動き回り、吸いつきが強くなった。
「っ…!」
尿道を吸われ、ストロークを長くされる。本気で搾り取りに来たな…!
当然、長くはもたない。余りの激しさにオレはもう決壊寸前になっていた。
「シャアラ、出すよ……!」
「ずぞぞぞぞっ!ぐちゅっ!ずじゅじゅじゅっ!」
吸いつかれ、とうとうオレは射精してしまう。白濁液がシャアラへと勢いよく放たれた。
「きゃっ♡顔に、いっぱいぃ…♡」
すべて口の中に、とはいかなかった。精液の半分は口内に放たれたが、残りはシャアラの顔や身体、そして床にぶちまけられた。
「………わざと顔にかかるようにやったでしょ?」
「ごくんっ♡……だってぇ♡オズの、いっぱい浴びたかったからぁ…♡」
半固形の白濁を飲み込み、シャアラがそんなことを言った。……ま、いっか。精液に塗れたシャアラの顔は、とんでもなく可愛いし。
「………………ねぇ、オズぅ♡」
それよりもだ、上目遣いでなにかを訴えかけてくるシャアラのほうが問題だ。チラチラと床に落ちた精液を見ながら、オレに何かしらを求めている。
もう、仕方ないなぁ。王様やめてもワガママなんだから。
「床のも舐めろ」
あえて冷たく、高圧的に命令する。心が多少痛むが、シャアラが求めてるんだから仕方がない。
「はいぃ……♡」
命令されたシャアラは、這いつくばって床に落ちた精液を舐め始める。
「れろ…♡…んっ♡………はぁっ♡」
愛しい伴侶の精を舐めとる快感と、無様に床を舐めさせられる被虐の悦びに酔いしれるシャアラ。
気持ちいいことのためなら、なんだってやる媚びたメス。それが今のシャアラだ。愛欲に堕ちきった王の末路だ。
そして、この世で最も愛しい伴侶の姿だ。
「……ぜんぶ、舐めましたぁ♡」
「よくできました。シャアラは偉いね」
「わふぅ………♡」
褒めてみたら、彼女は犬みたいに足元に擦り寄ってきた。
「ああ、なんと屈辱的で、なんと心地いいのだろうか…♡オズに命令されて、軽く達してしまったぞ…♡」
「口調を戻したって、その格好じゃ威厳はないね。犬みたいだよ、シャアラ」
「ふふっ、オズになら飼われてもいい♡……ああ、そうだ」
ふと、シャアラがにんまりと笑う。ろくでもないことを思いついた時の、悪戯っぽい笑顔だった。
「しばらくは食事は床に置いた餌皿で食べよう。
常に全裸で、そして這いつくばって過ごそうではないか。
ベッドの上では淫らな芸を仕込まれ、後ろからケダモノのように虐められる…♡
ふふっ、楽しみすぎて想像しただけで子宮が疼いてきたぞ…♡♡」
「いいの?元王様がそんなことして」
「あぁ、意地が悪いではないか、オズ。答えなんて分かっているだろうに……♡」
ニヤニヤと、それこそ意地悪な笑みを向けて、シャアラの口から答えるよう促す。
「私は、快楽に従順なメスなのだ…♡オズのおちんぽに媚びへつらう、快楽奴隷なんですぅ…♡♡
いっぱいパコパコして、王様失格なメス犬である私を愛してください…♡♡」
はしたない言葉でのおねだり。床に額を擦りつけて土下座までする浅ましさだ。
シャアラは快感欲しさにここまでするようになってしまった。これでは確かに、王様失格だ。
「私は、最も幸福な奴隷だ…♡ご主人様が、最愛のキミなのだから…♡♡」
「オレも幸せだよ。こんなにも淫らな妻と結ばれるなんて、最高だよ」
膝をついて、腕を広げる。するとシャアラはそれを感じ取ったのか、顔を上げてオレの胸の中に飛び込んできた。
「シャアラは温かいなぁ。柔らかくて、抱き心地がいいよね」
背中に腕を回して、ぎゅっと抱きしめてあげる。
「そんな風に抱きしめないでくれ……♡好きすぎて、駄目になってしまう…♡」
「とっくにダメになってるじゃん。だから、もっと溺れようよ」
シャアラを抱きかかえる。いわゆる、お姫さま抱っこのカタチだ。
「してぇ……♡♡私を、堕としきって……駄目駄目なメスにしてくれ…♡」
そんな妻の懇願に応えるべく、オレは寝室のドアを開けた。
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この国は暗黒魔界だ。もう二度と太陽は昇らず、妖しげな月明りが街の人々を淫らに照らす。
「どこもかしこも熱に浮かされた雌ばかり。この国も淫猥に変わったものだ」
一緒に街を歩くシャアラが、変わり切った国を見て一言。
「シャアラが治めてた頃じゃ、想像もできなかったよね」
「違いないな。数多の恋人が堂々と睦み合い、女がはしたなく男を誘惑するなど、私の王政ではありえなかっただろう」
彼女の言う通り、街を歩けば、舌を絡めて貪り合う夫婦や、人目もはばからず自らの怒張を妻にしゃぶらせる者など、それはそれは卑猥で幸せそうな人々の姿を見ることができる。
「見ろ。あのアヌビス……首輪で繋がれ夫に引きずられているではないか。四つ足で歩いて、まさしく犬のように。………羨ましいものだ♡」
「やらないからね?」
頬を膨らませたってダメなものはダメ。こうやって普通にお散歩するだけでも少し緊張するんだから。
すっかり堕落したシャアラだが、その立ち振る舞いは元が王様なだけあって精錬されている。ただ、歩くだけでさえ様になるのだ。そんな人の夫として隣を歩くんだから、オレも自然と背筋が伸びる。
「まだオレは、キミをリードしてあげられないから。もっとシャアラに相応しい夫になれたら、してあげるよ」
「言うではないか、オズ。過ぎた謙遜は無礼であるぞ?」
ふと、シャアラが腕を絡ませ、豊満な胸を押しつけてきた。
「私をこんなに淫らにしたのは他でもないキミではないか。常に発情している雌に何度も欲望をぶつけたのもオズ、お前だ。」
「それはアポピスさんの毒のせいじゃ………」
「否。オズが私を屈服させたのだよ♡その逞しいモノで私を貫き、虐め抜いてくれたではないか♡愛しい伴侶に隷属する悦び、媚びへつらう快楽、そのどれもがオズに教えられたものだ♡」
すとんと、シャアラの言葉が心に染み込んでいく。
「オズはもう、立派な旦那様だよ。私の夫はキミ以外ありえない」
「シャアラ………………」
「だから、な?首輪と餌皿を買いに行こうではないか」
「その言葉がなかったら買ったよ」
「馬鹿な……!」
流石、前まで王だっただけはある。人心掌握と話術は大したものだ。だけど、欲望が前に出すぎたね。
まぁ、この後オレは、最終的に押し切られて、首輪を選んであげることになるんだけど。
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「ふふっ……♡ふふふ……♡♡」
お目当ての品を手に入れて、すっかりご満悦のシャアラが、よりねっとりと肢体を絡めてくる。
「まったく、現金なんだから……」
実際には満更でもないんだけど。こうやって抱き着かれてながらの散歩は楽しいし。
それに、犬に扮したシャアラを犯すのは間違いなく気持ちいいだろう。
「でもさ、家にはもう首輪はあるじゃん。それ、二個もいる?」
「だってぇ……今、シたかったのだからぁ……♡♡」
そう言ってシャアラが下腹部を擦りつけてくる。少しでも情欲を発散させようとしているみたいだ。
「さぁ、ここで首輪をつけてくれ……♡私が、オズに調教された雌だということを見せつけてやろうではないか……♡♡」
この通り、シャアラは周囲に自らの痴態を見せつけるのが好きだ。自身がどれだけ夫に愛されているかを自慢したいのだ。
この国で最も淫らで、そして最も愛されているメスは自分であると。そう誇示したがるのは王者のプライドからだろうか。
「んっ♡………ふふっ、私は幸せだ…♡」
結局オレは、最愛の妻のお願いを断り切れないわけで。観念してシャアラに首輪を着けてあげる。
「見ろ、名前まで刻まれているぞ♡これなら一目で、私がお前の雌だと分かるな……♡♡」
見れば、首輪にはネームタグが付けられていた。刻まれている名前は、オズ。オレの名前だ。いつの間に彫ったんだろう。
なんにせよ、これなら彼女の言う通り、誰に飼われているか、愛されているかが一発で分かる。
「はぁ…♡首輪をつけられてイッてしまったぞ…♡♡この悦びは、王では決して味わえないものだ♡」
絶頂して腰が抜けたシャアラが、もたれかかってくる。その動作一つが、男を誘う娼婦のように卑しく、そして淫らだった。
「…………今思えば、王であった頃はお前に不自由をさせたな」
「そうでもなかったよ。シャアラに仕えられて、オレは楽しかったよ」
昔のことを思い出したのだろう。熱に浮かされた顔のまま、しがみついて甘えてくる。
「名君だのと持て囃されたが、その実、私は暗君だったさ。……お前を、おざなりにした」
「でも、毎晩毎晩、身体を重ねたじゃん。キミは昔から、オレを愛してくれてたよ」
「淡白な騎乗位だけだったではないか。自分本位に腰を振っていただけだ。」
かつてを淡白というのか。最近の交わりが趣向を凝らし過ぎなだけで、昔から熱い交わりをシてたと思うけど………。
とはいえ性に溺れた今のシャアラにとっては、昔のことは淡白に感じるのだろう。
「私がどれだけ、お前に愛を囁いた?どれだけお前の求めに応えた?
……私はもっと、お前と愛し合うべきだった」
シャアラの腕が背中に回り、縋るように抱きしめられる。
「王であった頃には、後悔しかない。国のためにとお前を後回しにして、寂しい思いをさせてしまった。こんな私のどこが優れた王だというのだ」
「………気にしなくっていいのに」
とは言ったものの、あの頃に寂しさがなかったかと言えばウソになる。
シャアラは多忙で、一緒の時間なんてほとんどなかった。夜になれば愛を確かめ合うことはあったけど、それ以外の時間は国のために費やされていた。
もっとオレと一緒にいてと、そう思うことがなかったわけじゃない。
「だから、今の私は幸せなのだ…♡我が人生の全てを、最愛のキミに捧げられる♡愛される悦びに、いつまでも浸っていられる…♡♡」
こうして彼女に依存され、常に共にいることができる今の日常は紛れもない幸福だ。
そのきっかけを作ったのはアポピスさん。だけど、この幸せにいつまでも沈もうとしているのは、オレ達の意思だ。
「シャアラ。キミと幸せになれて、とっても嬉しいよ」
「ああ、私もだ♡大好きなキミと一緒にいられて、幸せだ…♡♡」
「うん。……アポピスさんにも感謝しないとね」
「あの蛇に頭を下げるつもりは一切ないが」
「負けたのをいつまでも根に持ってるんじゃないよ」
アポピスさんの話題を出した瞬間、露骨に顔をしかめた。どれだけ負けたのが悔しかったんだ。
「そもそもだ、オズ。お前はどうしてあの蛇の話をする?お前は今、最愛の妻との逢瀬を愉しんでいるのではないのか?ん?」
一気にシャアラが不機嫌になる。他の女性のことを口にしたら怒るその様子は、言っては悪いが彼女の嫌いな蛇の魔物みたいだった。
「お前のメスは私だ。お前に他の女は相応しくない。この私だけが、お前の目に映り、お前に愛される権利を持つのだ」
「あはは……分かってるから大丈夫だよ。オレはキミだけを愛してる」
「本当か?」
「最愛のキミに誓って」
「そうか。………なら、今、この場で私を犯せ」
そう言って、シャアラは地面に寝転がる。
おいおい嘘でしょ、ここは大通りだよ?
「あの……ここは外だし……人もいるし……」
「犯せ。これは命令だ」
「な、なんて横暴なんだ……!」
彼女は名君でも暗君でもない。暴君だ。
快楽に屈服しようと、その本性はワガママで、人を振り回す王様なのだ。
「どうした?お前のメスが交尾を求めているのだぞ?早くその逞しいモノで私を貫け♡」
「いや、帰ってからしようよ…?」
「人目を気にしているのか?いいではないか、私たちがいかに淫らで、いかに愛し合っているかを見せてやろう♡」
まいった、かなり頑なだ。快楽に貪欲なシャアラに、交わりを待つよう説得するのは骨が折れる。
とはいえ、まだ本気で命令されているわけじゃない。彼女に逆らえるうちに、上手いこと言いくるめないと……
「いいから、『オズが満足するまで、いっぱい私を犯してください♡♡』」
あっ、やられた。シャアラの声が聞こえた瞬間、身体が動かなくなる。
王でなくなったとしても、ファラオとしての力は健在だ。堕ちたファラオの命令……もとい、おねだりに、ベタ惚れしているオレが逆らえるわけもない。
「きゃっ♡そんな、押さえつけられたら……♡」
勃起した男性器を晒し、シャアラに覆いかぶさる。地べたに転ぶ彼女から衣服をはぎ取り、逃げられないように両腕を押さえつけてやった。
「はぁぁ♡きてっ♡思いっきりねじ込んでっ♡私のおまんこ、たくさん虐めてっ♡」
シャアラの期待に応えるべく、先端を秘所にあてがう。前戯はいらない。いつも発情してる彼女のソコは、いつだって愛液でぐしょぐしょだ。
「言っとくけど、命令したのはキミだからね。どうなっても知らないよ」
「どうにかされたいから、お前に媚びているのだよ♡……ああ、焦らさないでくれ♡入口に熱いモノが触れているだけで、おかしくなりそうだ……♡」
すでに感じているのか、シャアラの身体は小さく震えていた。
「じゃあ、行くよ…!気が狂うくらい、愛してあげる…ッ!」
敏感なシャアラのナカに、一気に肉棒をぶち込む。勢いよく膣壁を擦り上げていき、そのまま最奥を突き上げてやった。
「んあぁぁぁぁぁぁぁぁっ♡きたきたきたぁっ♡オズのおちんぽっ♡おくまでぇぇぇっ♡♡」
挿入されただけで達したのか、膣内が痙攣し、シャアラが弓なりになる。
が、彼女がいきなり絶頂しようがオレには関係ない。そのままギリギリまで引き抜いて、また突き入れてあげる。
「あひぃぃっ♡まって、まってぇぇぇぇえぇっ♡わたしっ、イってるからぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ♡」
暴力的なまでの快楽から逃れようと身体をねじるが、しっかりと押さえられたシャアラは、よがり狂うことしかできない。
「らめらめらめぇぇぇっ♡またイクぅぅぅぅぅぅぅぅっ♡」
またしても彼女の身体が跳ねる。しかし、イってる最中も抽挿は止めない。シャアラの弱いところを激しく責め立て、さらに追い込んでいく
「ゆるひてぇぇっ♡あたま、バカになりゅぅぅぅぅぅ♡きもちよすぎてっ、おかしくなるぅぅぅっ♡♡」
シャアラが泣き叫ぼうが、イキっぱなしになろうが止まらない。というか、止められない。
“満足するまで犯せ”という命令のせいで、満たされない限りはやめることが出来ない。
「んむぅっ♡………ちゅぷっ♡くちゅっ…♡」
膣を擦り上げるだけでは物足りなくて、だらしなく開いていたシャアラの唇を貪る。舌を絡め合い、唾液を混ぜて、彼女の味を心行くまで愉しむ。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ♡♡」
キスしている間に何度もイったみたいで、びくんびくんとシャアラが痙攣した。
「ぷはっ!………いっぱい絶頂して可愛いよ。……シャアラ、愛してる」
「わたしもっ、あいしてるぅぅぅっ♡♡オズがすきっ♡♡だいしゅきぃぃぃぃぃっ♡♡」
耳元で愛を囁けば、彼女もまた喘ぎ交じりに愛の言葉を返してくれる。
喜悦の涙を流し、舌を突き出し与えられる快楽に溺れていく。そんな最愛の伴侶の痴態に、射精欲がふつふつと湧き上がる。
「シャアラ、射精すよ……ッ!」
「だしてっ♡このまま、ナカにぃっ♡♡どぴゅどぴゅしてぇっ♡♡」
足が腰に回され、しっかりと固定される。彼女もまた、オレを逃すつもりはないようだ。
「ッ………!」
「イクっ♡♡イクイクイクぅぅぅぅっ♡♡イっちゃうぅぅぅぅぅぅっ♡♡」
亀頭が子宮口に触れたその時、堰を切って白濁が溢れ出た。弾けた快楽と共に、シャアラの子宮に目がけて勢いよく精液が放たれる。
「はぁぁぁぁぁあぁっ♡♡あついのきたぁぁぁぁっ♡♡せーえきっ♡♡あひぃぃぃぃいぃぃっ♡♡」
精を注がれる快感に酔いしれ、シャアラが大きく絶頂する。とっても気持ちよさそうで、深く、長く達している。息もできないほどの大絶頂だ。
「はぁっ………♡はぁっ…………♡きもちいぃ……♡♡」
なんとか絶頂から帰ってきたシャアラは、どこか虚ろな目で息をつく。ヤりきった表情だ。
「………………まだ足りない」
シャアラは満足したのかもしれない。だが、オレはまだ満足していない。現に、オレのモノは未だに硬さを保っている。
いつもなら疲れた妻に気を使ってやめたりするけど………今回は命令されてるからね。仕方ない仕方ない。
「あひぃっ♡もう、らめなのにぃぃ……♡♡」
体位を変えて二回戦目に突入する。今度はオレが下で、彼女が上。騎乗位の体勢だ。
手首を掴んで下のほうに引っ張り、奥を押しつぶしてみる。
「ひゃっ♡ごりごりってぇ……っ♡」
じわりと結合部から蜜が溢れる。シャアラだって、まだまだその気はあるようだ。
「ねぇ、さっきまではオレがたくさん犯したから、今度はシャアラの好きにして」
「そんなの……むりぃ♡だって、イったばっかりでぇ…♡わたし、びんかんなのぉ……♡」
荒い息を吐く彼女には、確かに余裕がなさそうだ。ただ男性器を咥えこんでいるだけで愛液が漏れ出し、びくびくと小さく震えている。自分から動くなんて、できっこないのかもしれない。
「………して?久しぶりの騎乗位だしさ」
口角がつり上がるのを自覚する。非常に悪いことを思いついてしまった。
「オズ……?わたし、むりだって………」
「いいからやれ」
高圧的に、そして冷たく。しつけのなってない犬にするみたいに、命令する。
「は、はいぃ……♡いっぱい、ごほうしっ♡しますぅ……♡♡」
こうやって命じれば、シャアラは奴隷のように言うことを聞く。隷属して、滅茶苦茶にされたい。それが雌に堕ちたシャアラの願望。彼女が一番気持ちよくなれるのは、こういった被虐の快感だ。
「んぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁっ♡♡ひだひだっ、こすれてぇぇ……っ♡♡」
ゆっくりと、シャアラが腰を上げて限界まで男性器を抜く。敏感な肉襞をカリ首に擦り上げられ、顔を歪めて悶える。
「ひぃっ♡おくまでっ♡はいってぇぇぇぇぇぇぇっ♡♡」
今度は腰を下ろして、逸物を秘所に挿れていく。男性器に貫かれる快感に、シャアラが背を反らした。
「こんなのっ、むりぃぃぃぃっ♡むりでしゅぅぅぅぅぅっ♡」
たった一往復しただけで泣き出してしまった。気持ち良すぎて自分から動けないみたいだ。
「ぐすっ♡オズっ、オズぅ…っ♡♡だめだめなおまんこでっ、ごめんなさいぃ……♡♡わたしのおまんこっ、よわすぎてぇ…♡すぐ、イっちゃいますぅ…♡♡」
涙と涎を垂らして浅ましい謝罪を述べる。ちょっと、意地悪が過ぎたかな。
「ごめんなさい……♡ごめんなさ………ひいぃぃっ♡♡」
流石に申し訳がなかったので、今度はオレが動くことにした。腰を打ち付け、最奥を突き上げる。
「あひっ♡おくっ、おくぅっ♡♡らめっ、よわよわおまんこ、またイクぅぅぅっ♡♡」
大きな胸を揺らしながら、オレの上で跳ねるシャアラ。さっきから何度も達して敏感になった密壺は、ほんの少し揺らしただけも彼女を絶頂に押し上げていく。
「元王様がそんなに乱れていいの?さっきから、見られてるよ」
一瞬だけ視線をずらせば、オレ達の交わりを遠巻きに眺める人々が目に映る。野外でヤっているんだから当然と言えば当然だ。
まぁ、眺めているというのは語弊があるけど。恋人のいる子はオレ達みたいに盛ったり、独り身の子はその場で自分を慰めたりと、取り巻く人々は痴態を肴に快楽を愉しんでいる。
「凛々しかった王様が、欲望のはけ口にされて喘いでる。かつてのキミを知る人が見たらどう思うだろうね?」
「いいっ♡いいのぉ♡もうわたしはっ、おうさまじゃないのっ♡♡ハメハメされてっ、んひぃっ♡きもちよくなっちゃうメスなのぉっ♡♡」
自らをメスだと叫ぶシャアラの首元で、ネームタグが揺れる。オレの名前が刻まれたそれは、まさしく彼女を独占している証明に他ならない。
「はぁぁっ♡しあわせぇ♡オズにめちゃくちゃにされて♡しあわせですぅぅぅっ♡♡
オズをひとりじめしてっ♡オズにひとりじめされてるっ♡♡もっとっ♡もっとぉぉっ♡♡」
互いに互いを一人占めにして、ただただ貪り合う。
シャアラは国を対価に、永遠の快楽とオレを手に入れた。
オレは自らの全てを対価に、シャアラを手に入れた。
だから二人一緒じゃないと、もうオレ達は生きていられない。
「オズっ♡オズぅ♡『ずっとっ♡わたしとっ、こーびしてぇっ♡♡あいしてっ♡わたしをメスにおとしてぇぇぇぇぇぇっ♡♡♡』」
もう一度、シャアラがオレに命令する。なんてことのない、愛の告白だ。
「もちろん…ッ!いつまでも一緒だよ!シャアラを愛してる!!」
断れない、断る理由なんて一つもない。たとえ彼女が王様だろうが、ただのメスだろうが関係ない。
オレは、シャアラが大好きなんだから。
「きもちいぃっ♡きもちいいのぉぉぉぉっ♡♡あいされてっ、しあわせぇぇぇぇぇぇぇ♡♡すきっ♡♡しゅきぃぃぃぃっ♡♡」
気持ちいいと叫び散らす彼女に、かつての威厳はない。
国と民を考えていた頭は、今や快楽を貪ることしか考えられなくなっている。
王の力は媚びたおねだりに成り果てた。
偉大なる王は、愛される悦びをねだるメスに堕ちきった。
「きちゃうっ♡おっきいのっ、きちゃうぅぅ♡♡いっしょっ、いっしょにイきたいっ♡♡イきたいのぉっ♡♡」
よっぽど同時に絶頂したいのか、揺られるだけだったシャアラが腰を上下させ始める。さっきは少し動いただけで泣いてやめたのだけど……
「『オズがイクまでっ、とまるなっ♡せーしっ、ナカだしされるまでぇっ♡♡ごほうしろぉっ♡♡』」
今度は自分で自分に命令して、なにがあろうと腰が止まらないように暗示をかけた。これならどれだけ激しく動いても、騎乗位セックスを続けることができるだろう。
問題は、彼女がその刺激に耐えられるかだが。
「おほぉぉぉぉぉぉっ♡♡これらめぇぇえぇぇぇぇぇぇぇぇっ♡♡しゅごいっ♡♡きもちいいのしゅごいぃぃぃぃぃぃっ♡♡とまらないのぉぉぉぉっ♡♡」
ずぼずぼと激しく怒張が出し挿れされ、その度にシャアラがよがり狂う。
抜く際に膣壁を擦られて絶頂し、挿れる際には最奥を抉られてイク。どうやったって絶頂から降りられず、際限なく性感が高められていってる。
「これ、ずっと見てたいな………」
「らめぇっ♡♡ずっとなんてっ、むりぃっ♡♡こしっ、とまらなくて♡ひゃぁぁぁぁっ♡♡」
涙と涎でぐちゃぐちゃなシャアラは、とてもいやらしくて、気持ちよさそうで。永遠に眺めていられるくらいに淫猥だった。
卑猥な水音を鳴らす結合部や、淫らに揺れる胸、首輪とネームタグ。そして快感に悶える美しい表情と、シャアラの全てが性欲を煽っていく。
このまま彼女の喘ぐところを見ていたいが……当然、耐えられない。最愛のシャアラのこんな姿を見せつけられて、射精が我慢できるわけがない。
「そろそろオレも限界…!」
「だしてっ♡♡だしてぇぇぇっ♡♡せーえきっ♡♡ほしいのぉっ♡♡」
より一層、上下する腰の動きが早くなる。精液を搾り取ろうと膣内は締まり、激しく扱き上げていく。
「あなただけのメスにっ♡♡せーえきだしてぇぇぇ♡♡わたしをっ、はらませてぇぇぇえぇっ♡♡」
嬌声と共に腰が下ろされ、それに合わせて思い切り突き上げる。
「ひぃぃぃぃっ♡♡イクぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅっ♡♡」
シャアラがひと際大きく絶頂すると同時に、尿道から精液が吐き出される。二回目とは思えない大量射精。白濁が子宮に注がれ、その快感によってシャアラがさらにイキ狂う。
「でてるぅぅぅぅっ♡♡ナカだしでイクぅぅぅぅぅぅぅっ♡♡しゅきしゅきしゅきぃぃぃっ♡♡んぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁっ♡♡♡」
気絶しそうな快楽に溺れ、膣内を白濁で染められる悦びに堕ちていく。
何度も何度も達して、やがて彼女の身体から力が抜ける。疲れてしまったのだろう。
「っと、危ない」
ふらりと倒れるシャアラを抱きかかえる。
目の焦点が合ってない。ちょっと激しくしすぎたかもしれない。
「ふ、ふふっ……♡しあわせすぎて……どうにかなりそうだ……♡♡」
「ごめんね。ちょっと無理させたかな」
「あんなにしておいて、よく言うものだ……♡お前にあそこまで求められて……イヤなわけがないだろう…♡♡……んっ♡」
嫌じゃない、そう言いながら、シャアラが身体をすり寄せ、軽く唇を落としてきた。触れるだけのキスだけど、事後にはこれくらいが丁度いい。
「愛するお前に求められて、私は幸せだ……♡♡なんなら、もっと求めてもいいぞ……♡♡」
「あっ、じゃあもう10回くらいやろうか」
「待て待て待て!」
シャアラの許しが出たので、三回戦目に行こうとしたら制止の声がかかった。
「たしかに際限なく求められるのは嬉しいが!限度があるだろう!これ以上ヤったら、本当におかしく………ひゃぁんっ♡♡」
「どうせなら行けるところまでいこうよ。たとえキミが常に繋がってないとおかしくなっちゃうくらいのメスに堕ちても、ずっと大切にするから」
「あひぃぃっ♡らめらめぇっ♡もうゆるひてぇぇぇぇぇぇぇぇっ♡♡」
言葉とは裏腹に、シャアラの肉壺が蠢き心地よい快楽を肉棒に与え始める。許しを請うわりには、全然嫌そうじゃない。
こうして嬌声交じりの叫びの中、満足するまでいつまでも、オレ達の交尾は続いた。
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「はひっ♡もう、うごけない……♡んぁっ♡♡いれたままっ、あるくなぁ……♡♡」
「しょうがないでしょ。歩かないと家に帰れないんだから」
結局、あの後は数えきれないくらいに愛を交わしてしまった。当然シャアラは腰砕けになって歩けないので、家まで抱きかかえて帰ることに。
もっとも、男性器は突き入れたままなのだけど。
「おちんぽっ♡おくに、あたってぇ……♡♡ひぃ…っ♡」
歩く度に揺れて、亀頭がシャアラの深く突き刺さってしまう。不幸なことに家まではかなり距離があるので、帰るまでの間に何度か絶頂することになるかもしれない。
「あぁ……♡♡しあわせぇ…♡♡」
幸福感からか、シャアラが抱き着く力を強める。腕は首に回され、両足で腰にしがみついてきた。
「……なぁ、オズ。お前は、幸せか?」
「幸せだよ。こうしてシャアラと交わって、愛して、愛されて。オレは、世界の誰よりも幸せ者だ」
「そうか……♡ふふっ♡それはよかった……♡♡」
オレの答えに、シャアラは嬉しそうな顔を浮かべる。
「私はもう、王でもなんでもないただの女だ。かつてのように、お前にいい暮らしはさせてやれない。王位を失ったファラオには、なにも残されていないのだ」
“だが”と、シャアラは言葉を続ける。
「オズはそれでも、私といてくれる。ただの女の我儘を聞いてくれる。……なんでもない私を、愛してくれる」
シャアラが、堕ちた王が、目を合わせる。
快楽に沈み、けれでも真っ直ぐな瞳だった。
「どうか、これからも傍にいてはくれないだろうか?私は、愛するキミと生きていたい」
「喜んで」
言うや否や、シャアラの唇を奪う。永遠を誓うなら、キスが一番だ。
「ん………♡♡ふふっ♡……なあオズ、気づいているか?お前は一つ、嘘を言ったぞ?」
「えっ、嘘なんて言ったっけ……?」
唇を離せば、彼女がそんなことを言ってきた。
……ダメだ、どれだけ考えても心当たりがない。シャアラを思う気持ちは全て本当なんだけど。
「世界の誰よりも幸せだと、お前はそう言ったな。……だが、それは嘘だ」
にんまりと、シャアラが笑った。
「世界の誰よりも幸せなのは、私だ。オズに愛され、気持ちよくしてもらえる私こそが、最も幸福なメスなのだ♡♡」
今度はシャアラからキスされる。
元が王様らしく傲慢に、女の子らしく貪欲に、雌らしく淫らに。
「いつまでも、幸せに堕ちていこう……♡♡キミを、愛してる……♡♡」
稀代の名君!最高の為政者!彼女を褒めたたえる言葉はたくさんあった。その王様は国中の人々に愛されていたし、彼女も国と民を愛していた。
いやはや、そんな素晴らしい王に見初められ、夫として結ばれたときは舞い上がったものだ。王様は綺麗で、教養も豊かで、賢くて、まさしく人の上に立つべき存在だったから。
「……本当に、もう王様じゃないんだなぁ」
二人で暮らすにはちょうどいい大きさの普通の家。一般流通している椅子に座り、家庭的な料理の並んだテーブルを眺める。
「昔のキミじゃ信じられないんじゃないかな?宮殿の家具は豪奢で、料理だって豪勢だったからね。………オレは、この生活の方が幸せだけど」
視線をテーブルから、誰よりも愛おしい伴侶に移す。
腰まで届く黒髪に、健康的な褐色の肌の、オレだけのお嫁さん。
「随分とつまらないことを聞くのだな。なあ、オズよ。私の最愛のキミ」
オレのために料理を作ってくれた最愛の妻は、熱っぽく微笑んで隣の椅子に腰かけた。
「私はもう、キミがいればそれでいいのだよ。ねぇ、あなた…♡」
どこまでも蕩けた声色で、絡みつくように抱き着いてくる。暖かい身体と大きな胸が押しあてられた。
「大好き♡好き好き♡私はもう、キミなしじゃ生きていけないのだよ♡」
かつては王だった者……今は最愛の伴侶である彼女、シャアラは、愛をねだるみたいに深く唇を重ねてきた。
シャアラが王として国を治めていたのは過去のことだ。
燦燦と太陽が輝き、人々の活気で溢れていたこの国の王。それがファラオである彼女の役割だった。
だが、全ては昔のこと。シャアラはもう王じゃない。今のシャアラは、ただの一国民。ただのお嫁さんだ。
「んっ♡……オズに頭を撫でられるのは心地がいいな…♡ああ、駄目だ。雌の幸せを知ってはいけないのだ…♡これ以上、私をキミに溺れさせないでくれ♡」
昔はもっと威厳があったのだけど、王様じゃなくなった今のシャアラは、頭を撫でられただけで頬を赤く染め、だらしなく弛緩した身体をすり寄せてくる。
「あの蛇に噛まれてからはいつもこれだ。オズが愛おしくて、オズが欲しくて、どうにかなってしまいそうだ♡」
あの蛇…アポピスさんのことかな。
元王様だったシャアラは、件のアポピスさんに敗北した。アポピスさんの毒液を流し込まれ、ただただ愛欲に焦がされたメスにされてしまったのだ。
「オレは今のシャアラも好きだよ。可愛いし、幸せだし。このまま、ずっと愛し合いたいって思うよ」
「あ……♡」
抱きしめてみれば、胸の中の彼女がたまらず熱っぽい息を吐く。
すー、はー。深呼吸の音がした。どうやら、肺一杯にオレの匂いを吸い込んでいるらしい。
(アポピスさんに感謝しないとね……)
アポピスさんに負けたおかげで、今のオレ達の幸福がある。国の頂点に君臨し、二人で政を為すというのも楽しかったけど……こうやって一日の全てを互いに溺れて過ごす日々も愉しい。
なによりも、オレに甘えてくれるシャアラが見られたのは最高の報酬だった。王様時代の彼女は、威厳とか外聞とかを気にして恋人のように甘えてはくれなかったからね。
「あぁ、幸せだ…♡こうして甘え、私の手で作った料理をキミに食べてもらう…。王であった頃では出来なかったことだ…」
匙でスープを掬って、ふーふーと息を吹きかける。冷ましてくれてるみたい。
「あーん♡……ふふっ、どうしてもやってみたくてな…♡♡」
そうやって、冷ましたスープが口元に差し出される。食べさせてあげる、ということらしい。
「じゃあ、遠慮なく。いただきます」
ためらわず、シャアラの奉仕を受け取る。美味しい。愛情の味がする。
「ふふっ、美味しいか?オズを満足させられるようにと作ってみたのだが……口に合っただろうか?」
「とっても美味しいし、嬉しいよ。オレを想って作ってくれてありがとうね」
「なに、私の我儘だよ。王であった頃は料理人に作らせていたから……素人である私の料理では満足できぬかもしれないが………」
当たり前だが、王であるシャアラが調理の場に立つことは今まではなかった。王様をやっていた時代のオレ達の食卓には、お抱えの料理人の作った料理が並んでいたっけな。
「それでも、オズには私の作った物を食べて欲しかったのだ。恋人のように、そして女として、最愛のキミに尽くしたかったのだ。だから、これは私の我儘なのだよ」
“昔に食べていた物と比べて美味しくはないだろうが”などと付け加えるシャアラは、どこか寂しそうだった。
「ねぇ、シャアラ。オレはどんなにすごい料理人の料理よりも、キミが作ってくれた料理をずっと食べたいよ。」
恥ずかしげもなくプロポーズに似た愛の言葉を囁けば、シャアラは一瞬だけ驚いた顔をして、直後に嬉しそうに緩んだ笑顔を見せた。
「あぁ♡愛しの旦那様にそう言われては、作らないわけにはいかないではないか♡」
彼女はこの顔が一番似合う。オレはシャアラの悦びに満ちた顔が好きだ。王様の頃にはお目にかかれなかった、堕ちたメスの姿が、大好きだ。
「…………なぁ、オズよ」
「ん?どうかした?」
抱きしめていたシャアラが、顔を真っ赤にしてもじもじとしている。はて、どうしたのだろうか?
「あまりに嬉しくて…………その……濡れてしまって…♡♡」
「………シたくなった?」
少し視線を下に向ければ、床に出来た愛液の水溜まりが映る。シャアラの股は粘液の洪水を起こし、びしょびしょに濡れていた。
アポピスさんに注がれた媚毒の影響だ。シャアラは毒によって、快楽に貪欲なメスに作り変えられ、ちょっとのことで発情して精を求めるようになってしまった。
「あぁ、我ながらはしたないとは思うよ。……だがな、キミも悪いのだよ…♡そんな風に、私を堕としていくのだからぁ…♡」
もう我慢ができなかったのだろう。シャアラが服をすべて脱ぎ捨て、床に這いつくばってお尻を突き出す。
「こんなにも淫乱な私を、どうか慰み者にしてくれ……♡」
顔を床に擦りつけ、自らの指で割れ目を広げる彼女の姿は、元々は気品のある王であったとは到底信じられないほど淫靡で。
媚びるようにオレを見上げ、ふりふりと腰を振って快楽をねだる。
「はぁっ♡はぁっ…♡あなたぁ……♡」
シャアラの誘惑にオレは耐えられなかった。
情欲に塗れた妻の腰を掴んで、すっかり勃起していた男性器を入口にあてがう。
「あぁっ♡きてっ♡私を、犯してぇっ♡♡」
ここにいるのは快楽に屈服したメスだ。間違っても聡明な王様じゃない。
すっかり堕ちてしまった元王様に応えようと、肉槍を最奥に突き入れてあげる。
獣みたいに後ろから突かれたシャアラは、甲高い嬌声を上げた。
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シャアラはいい王様だった。
まぁ、過去の話なんだけど、本当に昔はいい王様だった。賢くて威厳があって、まさしく名君と呼ぶにふさわしい王だった。嘘じゃないよホントだよ。
「人は変わるかぁ……」
さて、現在。王の座を奪われたシャアラがどうなっているのか?
「くぅん……♡」
目の前のシャアラは、一糸まとわぬ姿で、四つん這いになって犬の真似事をしている。わざわざ犬耳のヘアバンドと首輪もつける徹底さだ。
「人は変わるっていうか、人としての尊厳がない……」
王様時代の反動か、シャアラの趣味はえらく倒錯した方向に進んでいる。被虐的というかなんというか。こんな背徳的な悦楽を求めるようになってしまった。
「これは外でやる勇気がないなぁ……」
家の中で良かった。いくらこの国が性の悦びに浸ることを善しとする暗黒魔界であったとしても、オレはシャアラに犬の格好をさせて散歩するみたいなことが出来る気はしない。
いや、興奮はする。だけどだ、何度も言うけどこの人は元王様だ。恐れ多いってレベルじゃない。
「わふぅ…♡♡」
そんなオレの思いなど関係なしに、犬にまで堕ちた元名君は這いつくばり、オレの足を丁寧に舐めてくる。指先から足の甲をくすぐる柔らかい舌の感触が心地いい。
「んっ♡…ちゅっ♡くちゅ♡…ちゅぅ♡」
かつては国を治めていた王が、地を這い犬のように伴侶の足を舐める。シャアラの息は荒く、太腿には愛液が伝い、王として…いや、人としての尊厳さえ捨てた快楽に溺れていく。
「可愛いことには違いないけど」
しゃがんで彼女と目線の高さを合わせる。飼い主が愛犬と戯れるなら、見下ろすより見つめ合うほうがやりやすい。
「はっ♡はっ♡はぁっ♡」
わしゃわしゃと艶やかな黒髪から頬、顎の下を撫でまわせば、オレの愛おしい犬妻はとろんと目尻を下げて、舌を垂らす。
発情したメス犬。最早、そうとしかシャアラを表現できない。そこまで彼女は堕ちてしまった。
「オズぅ……♡♡ごほうび、くださいぃ…♡♡」
辛抱たまらないとばかりに股間の辺りに顔を近づけ、スンスンと匂いを嗅いでくる。唇から涎を垂らし、必死に精を求めて媚びるシャアラに、かつての気高さは微塵もない。
「はやくっ♡はやくぅっ♡♡」
「分かったから、落ち着いて?ちょっと待ってね……」
今も昔も、彼女には逆らえないなぁ。王様としての力や魅力は今も健在だ。……まぁ、オレがシャアラにベタ惚れしてるだけなんだろうけど。
さて。立ち上がって、すっかり勃起した男性器を突き出せば、シャアラが息を吐いて擦り寄ってくる。
「はぁ…♡♡オズの、しゅきぃ…♡♡」
愛おしいと言わんばかりに、オレのモノに頬すりをするシャアラは、まさしく盛りのついた犬のようだった。
「欲しいっ♡オズのっ♡せーえき、ほしいのっ♡」
「うん。シャアラの好きにしていいよ」
「はい♡いっぱい、ご奉仕しますぅ…♡♡」
許しを出せば、シャアラが大きく口を開けてオレのモノを咥えこむ。
「んむ…♡ちゅっちゅっ♡…………ずじゅじゅっ♡」
シャアラの口淫は気持ちいい。舌先が裏筋から先端まで這いまわり、唾液を塗りたくってくれる。温かくて、ぬるぬるしてて、まさしく極上といえる快楽を与えてくれる。
「気持ちいいよ、シャアラ。ありがとうね」
お礼に頭を撫でてあげる。
すると、頭を撫でられて嬉しかったのか、舌が激しく動き回り、吸いつきが強くなった。
「っ…!」
尿道を吸われ、ストロークを長くされる。本気で搾り取りに来たな…!
当然、長くはもたない。余りの激しさにオレはもう決壊寸前になっていた。
「シャアラ、出すよ……!」
「ずぞぞぞぞっ!ぐちゅっ!ずじゅじゅじゅっ!」
吸いつかれ、とうとうオレは射精してしまう。白濁液がシャアラへと勢いよく放たれた。
「きゃっ♡顔に、いっぱいぃ…♡」
すべて口の中に、とはいかなかった。精液の半分は口内に放たれたが、残りはシャアラの顔や身体、そして床にぶちまけられた。
「………わざと顔にかかるようにやったでしょ?」
「ごくんっ♡……だってぇ♡オズの、いっぱい浴びたかったからぁ…♡」
半固形の白濁を飲み込み、シャアラがそんなことを言った。……ま、いっか。精液に塗れたシャアラの顔は、とんでもなく可愛いし。
「………………ねぇ、オズぅ♡」
それよりもだ、上目遣いでなにかを訴えかけてくるシャアラのほうが問題だ。チラチラと床に落ちた精液を見ながら、オレに何かしらを求めている。
もう、仕方ないなぁ。王様やめてもワガママなんだから。
「床のも舐めろ」
あえて冷たく、高圧的に命令する。心が多少痛むが、シャアラが求めてるんだから仕方がない。
「はいぃ……♡」
命令されたシャアラは、這いつくばって床に落ちた精液を舐め始める。
「れろ…♡…んっ♡………はぁっ♡」
愛しい伴侶の精を舐めとる快感と、無様に床を舐めさせられる被虐の悦びに酔いしれるシャアラ。
気持ちいいことのためなら、なんだってやる媚びたメス。それが今のシャアラだ。愛欲に堕ちきった王の末路だ。
そして、この世で最も愛しい伴侶の姿だ。
「……ぜんぶ、舐めましたぁ♡」
「よくできました。シャアラは偉いね」
「わふぅ………♡」
褒めてみたら、彼女は犬みたいに足元に擦り寄ってきた。
「ああ、なんと屈辱的で、なんと心地いいのだろうか…♡オズに命令されて、軽く達してしまったぞ…♡」
「口調を戻したって、その格好じゃ威厳はないね。犬みたいだよ、シャアラ」
「ふふっ、オズになら飼われてもいい♡……ああ、そうだ」
ふと、シャアラがにんまりと笑う。ろくでもないことを思いついた時の、悪戯っぽい笑顔だった。
「しばらくは食事は床に置いた餌皿で食べよう。
常に全裸で、そして這いつくばって過ごそうではないか。
ベッドの上では淫らな芸を仕込まれ、後ろからケダモノのように虐められる…♡
ふふっ、楽しみすぎて想像しただけで子宮が疼いてきたぞ…♡♡」
「いいの?元王様がそんなことして」
「あぁ、意地が悪いではないか、オズ。答えなんて分かっているだろうに……♡」
ニヤニヤと、それこそ意地悪な笑みを向けて、シャアラの口から答えるよう促す。
「私は、快楽に従順なメスなのだ…♡オズのおちんぽに媚びへつらう、快楽奴隷なんですぅ…♡♡
いっぱいパコパコして、王様失格なメス犬である私を愛してください…♡♡」
はしたない言葉でのおねだり。床に額を擦りつけて土下座までする浅ましさだ。
シャアラは快感欲しさにここまでするようになってしまった。これでは確かに、王様失格だ。
「私は、最も幸福な奴隷だ…♡ご主人様が、最愛のキミなのだから…♡♡」
「オレも幸せだよ。こんなにも淫らな妻と結ばれるなんて、最高だよ」
膝をついて、腕を広げる。するとシャアラはそれを感じ取ったのか、顔を上げてオレの胸の中に飛び込んできた。
「シャアラは温かいなぁ。柔らかくて、抱き心地がいいよね」
背中に腕を回して、ぎゅっと抱きしめてあげる。
「そんな風に抱きしめないでくれ……♡好きすぎて、駄目になってしまう…♡」
「とっくにダメになってるじゃん。だから、もっと溺れようよ」
シャアラを抱きかかえる。いわゆる、お姫さま抱っこのカタチだ。
「してぇ……♡♡私を、堕としきって……駄目駄目なメスにしてくれ…♡」
そんな妻の懇願に応えるべく、オレは寝室のドアを開けた。
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この国は暗黒魔界だ。もう二度と太陽は昇らず、妖しげな月明りが街の人々を淫らに照らす。
「どこもかしこも熱に浮かされた雌ばかり。この国も淫猥に変わったものだ」
一緒に街を歩くシャアラが、変わり切った国を見て一言。
「シャアラが治めてた頃じゃ、想像もできなかったよね」
「違いないな。数多の恋人が堂々と睦み合い、女がはしたなく男を誘惑するなど、私の王政ではありえなかっただろう」
彼女の言う通り、街を歩けば、舌を絡めて貪り合う夫婦や、人目もはばからず自らの怒張を妻にしゃぶらせる者など、それはそれは卑猥で幸せそうな人々の姿を見ることができる。
「見ろ。あのアヌビス……首輪で繋がれ夫に引きずられているではないか。四つ足で歩いて、まさしく犬のように。………羨ましいものだ♡」
「やらないからね?」
頬を膨らませたってダメなものはダメ。こうやって普通にお散歩するだけでも少し緊張するんだから。
すっかり堕落したシャアラだが、その立ち振る舞いは元が王様なだけあって精錬されている。ただ、歩くだけでさえ様になるのだ。そんな人の夫として隣を歩くんだから、オレも自然と背筋が伸びる。
「まだオレは、キミをリードしてあげられないから。もっとシャアラに相応しい夫になれたら、してあげるよ」
「言うではないか、オズ。過ぎた謙遜は無礼であるぞ?」
ふと、シャアラが腕を絡ませ、豊満な胸を押しつけてきた。
「私をこんなに淫らにしたのは他でもないキミではないか。常に発情している雌に何度も欲望をぶつけたのもオズ、お前だ。」
「それはアポピスさんの毒のせいじゃ………」
「否。オズが私を屈服させたのだよ♡その逞しいモノで私を貫き、虐め抜いてくれたではないか♡愛しい伴侶に隷属する悦び、媚びへつらう快楽、そのどれもがオズに教えられたものだ♡」
すとんと、シャアラの言葉が心に染み込んでいく。
「オズはもう、立派な旦那様だよ。私の夫はキミ以外ありえない」
「シャアラ………………」
「だから、な?首輪と餌皿を買いに行こうではないか」
「その言葉がなかったら買ったよ」
「馬鹿な……!」
流石、前まで王だっただけはある。人心掌握と話術は大したものだ。だけど、欲望が前に出すぎたね。
まぁ、この後オレは、最終的に押し切られて、首輪を選んであげることになるんだけど。
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「ふふっ……♡ふふふ……♡♡」
お目当ての品を手に入れて、すっかりご満悦のシャアラが、よりねっとりと肢体を絡めてくる。
「まったく、現金なんだから……」
実際には満更でもないんだけど。こうやって抱き着かれてながらの散歩は楽しいし。
それに、犬に扮したシャアラを犯すのは間違いなく気持ちいいだろう。
「でもさ、家にはもう首輪はあるじゃん。それ、二個もいる?」
「だってぇ……今、シたかったのだからぁ……♡♡」
そう言ってシャアラが下腹部を擦りつけてくる。少しでも情欲を発散させようとしているみたいだ。
「さぁ、ここで首輪をつけてくれ……♡私が、オズに調教された雌だということを見せつけてやろうではないか……♡♡」
この通り、シャアラは周囲に自らの痴態を見せつけるのが好きだ。自身がどれだけ夫に愛されているかを自慢したいのだ。
この国で最も淫らで、そして最も愛されているメスは自分であると。そう誇示したがるのは王者のプライドからだろうか。
「んっ♡………ふふっ、私は幸せだ…♡」
結局オレは、最愛の妻のお願いを断り切れないわけで。観念してシャアラに首輪を着けてあげる。
「見ろ、名前まで刻まれているぞ♡これなら一目で、私がお前の雌だと分かるな……♡♡」
見れば、首輪にはネームタグが付けられていた。刻まれている名前は、オズ。オレの名前だ。いつの間に彫ったんだろう。
なんにせよ、これなら彼女の言う通り、誰に飼われているか、愛されているかが一発で分かる。
「はぁ…♡首輪をつけられてイッてしまったぞ…♡♡この悦びは、王では決して味わえないものだ♡」
絶頂して腰が抜けたシャアラが、もたれかかってくる。その動作一つが、男を誘う娼婦のように卑しく、そして淫らだった。
「…………今思えば、王であった頃はお前に不自由をさせたな」
「そうでもなかったよ。シャアラに仕えられて、オレは楽しかったよ」
昔のことを思い出したのだろう。熱に浮かされた顔のまま、しがみついて甘えてくる。
「名君だのと持て囃されたが、その実、私は暗君だったさ。……お前を、おざなりにした」
「でも、毎晩毎晩、身体を重ねたじゃん。キミは昔から、オレを愛してくれてたよ」
「淡白な騎乗位だけだったではないか。自分本位に腰を振っていただけだ。」
かつてを淡白というのか。最近の交わりが趣向を凝らし過ぎなだけで、昔から熱い交わりをシてたと思うけど………。
とはいえ性に溺れた今のシャアラにとっては、昔のことは淡白に感じるのだろう。
「私がどれだけ、お前に愛を囁いた?どれだけお前の求めに応えた?
……私はもっと、お前と愛し合うべきだった」
シャアラの腕が背中に回り、縋るように抱きしめられる。
「王であった頃には、後悔しかない。国のためにとお前を後回しにして、寂しい思いをさせてしまった。こんな私のどこが優れた王だというのだ」
「………気にしなくっていいのに」
とは言ったものの、あの頃に寂しさがなかったかと言えばウソになる。
シャアラは多忙で、一緒の時間なんてほとんどなかった。夜になれば愛を確かめ合うことはあったけど、それ以外の時間は国のために費やされていた。
もっとオレと一緒にいてと、そう思うことがなかったわけじゃない。
「だから、今の私は幸せなのだ…♡我が人生の全てを、最愛のキミに捧げられる♡愛される悦びに、いつまでも浸っていられる…♡♡」
こうして彼女に依存され、常に共にいることができる今の日常は紛れもない幸福だ。
そのきっかけを作ったのはアポピスさん。だけど、この幸せにいつまでも沈もうとしているのは、オレ達の意思だ。
「シャアラ。キミと幸せになれて、とっても嬉しいよ」
「ああ、私もだ♡大好きなキミと一緒にいられて、幸せだ…♡♡」
「うん。……アポピスさんにも感謝しないとね」
「あの蛇に頭を下げるつもりは一切ないが」
「負けたのをいつまでも根に持ってるんじゃないよ」
アポピスさんの話題を出した瞬間、露骨に顔をしかめた。どれだけ負けたのが悔しかったんだ。
「そもそもだ、オズ。お前はどうしてあの蛇の話をする?お前は今、最愛の妻との逢瀬を愉しんでいるのではないのか?ん?」
一気にシャアラが不機嫌になる。他の女性のことを口にしたら怒るその様子は、言っては悪いが彼女の嫌いな蛇の魔物みたいだった。
「お前のメスは私だ。お前に他の女は相応しくない。この私だけが、お前の目に映り、お前に愛される権利を持つのだ」
「あはは……分かってるから大丈夫だよ。オレはキミだけを愛してる」
「本当か?」
「最愛のキミに誓って」
「そうか。………なら、今、この場で私を犯せ」
そう言って、シャアラは地面に寝転がる。
おいおい嘘でしょ、ここは大通りだよ?
「あの……ここは外だし……人もいるし……」
「犯せ。これは命令だ」
「な、なんて横暴なんだ……!」
彼女は名君でも暗君でもない。暴君だ。
快楽に屈服しようと、その本性はワガママで、人を振り回す王様なのだ。
「どうした?お前のメスが交尾を求めているのだぞ?早くその逞しいモノで私を貫け♡」
「いや、帰ってからしようよ…?」
「人目を気にしているのか?いいではないか、私たちがいかに淫らで、いかに愛し合っているかを見せてやろう♡」
まいった、かなり頑なだ。快楽に貪欲なシャアラに、交わりを待つよう説得するのは骨が折れる。
とはいえ、まだ本気で命令されているわけじゃない。彼女に逆らえるうちに、上手いこと言いくるめないと……
「いいから、『オズが満足するまで、いっぱい私を犯してください♡♡』」
あっ、やられた。シャアラの声が聞こえた瞬間、身体が動かなくなる。
王でなくなったとしても、ファラオとしての力は健在だ。堕ちたファラオの命令……もとい、おねだりに、ベタ惚れしているオレが逆らえるわけもない。
「きゃっ♡そんな、押さえつけられたら……♡」
勃起した男性器を晒し、シャアラに覆いかぶさる。地べたに転ぶ彼女から衣服をはぎ取り、逃げられないように両腕を押さえつけてやった。
「はぁぁ♡きてっ♡思いっきりねじ込んでっ♡私のおまんこ、たくさん虐めてっ♡」
シャアラの期待に応えるべく、先端を秘所にあてがう。前戯はいらない。いつも発情してる彼女のソコは、いつだって愛液でぐしょぐしょだ。
「言っとくけど、命令したのはキミだからね。どうなっても知らないよ」
「どうにかされたいから、お前に媚びているのだよ♡……ああ、焦らさないでくれ♡入口に熱いモノが触れているだけで、おかしくなりそうだ……♡」
すでに感じているのか、シャアラの身体は小さく震えていた。
「じゃあ、行くよ…!気が狂うくらい、愛してあげる…ッ!」
敏感なシャアラのナカに、一気に肉棒をぶち込む。勢いよく膣壁を擦り上げていき、そのまま最奥を突き上げてやった。
「んあぁぁぁぁぁぁぁぁっ♡きたきたきたぁっ♡オズのおちんぽっ♡おくまでぇぇぇっ♡♡」
挿入されただけで達したのか、膣内が痙攣し、シャアラが弓なりになる。
が、彼女がいきなり絶頂しようがオレには関係ない。そのままギリギリまで引き抜いて、また突き入れてあげる。
「あひぃぃっ♡まって、まってぇぇぇぇえぇっ♡わたしっ、イってるからぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ♡」
暴力的なまでの快楽から逃れようと身体をねじるが、しっかりと押さえられたシャアラは、よがり狂うことしかできない。
「らめらめらめぇぇぇっ♡またイクぅぅぅぅぅぅぅぅっ♡」
またしても彼女の身体が跳ねる。しかし、イってる最中も抽挿は止めない。シャアラの弱いところを激しく責め立て、さらに追い込んでいく
「ゆるひてぇぇっ♡あたま、バカになりゅぅぅぅぅぅ♡きもちよすぎてっ、おかしくなるぅぅぅっ♡♡」
シャアラが泣き叫ぼうが、イキっぱなしになろうが止まらない。というか、止められない。
“満足するまで犯せ”という命令のせいで、満たされない限りはやめることが出来ない。
「んむぅっ♡………ちゅぷっ♡くちゅっ…♡」
膣を擦り上げるだけでは物足りなくて、だらしなく開いていたシャアラの唇を貪る。舌を絡め合い、唾液を混ぜて、彼女の味を心行くまで愉しむ。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ♡♡」
キスしている間に何度もイったみたいで、びくんびくんとシャアラが痙攣した。
「ぷはっ!………いっぱい絶頂して可愛いよ。……シャアラ、愛してる」
「わたしもっ、あいしてるぅぅぅっ♡♡オズがすきっ♡♡だいしゅきぃぃぃぃぃっ♡♡」
耳元で愛を囁けば、彼女もまた喘ぎ交じりに愛の言葉を返してくれる。
喜悦の涙を流し、舌を突き出し与えられる快楽に溺れていく。そんな最愛の伴侶の痴態に、射精欲がふつふつと湧き上がる。
「シャアラ、射精すよ……ッ!」
「だしてっ♡このまま、ナカにぃっ♡♡どぴゅどぴゅしてぇっ♡♡」
足が腰に回され、しっかりと固定される。彼女もまた、オレを逃すつもりはないようだ。
「ッ………!」
「イクっ♡♡イクイクイクぅぅぅぅっ♡♡イっちゃうぅぅぅぅぅぅっ♡♡」
亀頭が子宮口に触れたその時、堰を切って白濁が溢れ出た。弾けた快楽と共に、シャアラの子宮に目がけて勢いよく精液が放たれる。
「はぁぁぁぁぁあぁっ♡♡あついのきたぁぁぁぁっ♡♡せーえきっ♡♡あひぃぃぃぃいぃぃっ♡♡」
精を注がれる快感に酔いしれ、シャアラが大きく絶頂する。とっても気持ちよさそうで、深く、長く達している。息もできないほどの大絶頂だ。
「はぁっ………♡はぁっ…………♡きもちいぃ……♡♡」
なんとか絶頂から帰ってきたシャアラは、どこか虚ろな目で息をつく。ヤりきった表情だ。
「………………まだ足りない」
シャアラは満足したのかもしれない。だが、オレはまだ満足していない。現に、オレのモノは未だに硬さを保っている。
いつもなら疲れた妻に気を使ってやめたりするけど………今回は命令されてるからね。仕方ない仕方ない。
「あひぃっ♡もう、らめなのにぃぃ……♡♡」
体位を変えて二回戦目に突入する。今度はオレが下で、彼女が上。騎乗位の体勢だ。
手首を掴んで下のほうに引っ張り、奥を押しつぶしてみる。
「ひゃっ♡ごりごりってぇ……っ♡」
じわりと結合部から蜜が溢れる。シャアラだって、まだまだその気はあるようだ。
「ねぇ、さっきまではオレがたくさん犯したから、今度はシャアラの好きにして」
「そんなの……むりぃ♡だって、イったばっかりでぇ…♡わたし、びんかんなのぉ……♡」
荒い息を吐く彼女には、確かに余裕がなさそうだ。ただ男性器を咥えこんでいるだけで愛液が漏れ出し、びくびくと小さく震えている。自分から動くなんて、できっこないのかもしれない。
「………して?久しぶりの騎乗位だしさ」
口角がつり上がるのを自覚する。非常に悪いことを思いついてしまった。
「オズ……?わたし、むりだって………」
「いいからやれ」
高圧的に、そして冷たく。しつけのなってない犬にするみたいに、命令する。
「は、はいぃ……♡いっぱい、ごほうしっ♡しますぅ……♡♡」
こうやって命じれば、シャアラは奴隷のように言うことを聞く。隷属して、滅茶苦茶にされたい。それが雌に堕ちたシャアラの願望。彼女が一番気持ちよくなれるのは、こういった被虐の快感だ。
「んぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁっ♡♡ひだひだっ、こすれてぇぇ……っ♡♡」
ゆっくりと、シャアラが腰を上げて限界まで男性器を抜く。敏感な肉襞をカリ首に擦り上げられ、顔を歪めて悶える。
「ひぃっ♡おくまでっ♡はいってぇぇぇぇぇぇぇっ♡♡」
今度は腰を下ろして、逸物を秘所に挿れていく。男性器に貫かれる快感に、シャアラが背を反らした。
「こんなのっ、むりぃぃぃぃっ♡むりでしゅぅぅぅぅぅっ♡」
たった一往復しただけで泣き出してしまった。気持ち良すぎて自分から動けないみたいだ。
「ぐすっ♡オズっ、オズぅ…っ♡♡だめだめなおまんこでっ、ごめんなさいぃ……♡♡わたしのおまんこっ、よわすぎてぇ…♡すぐ、イっちゃいますぅ…♡♡」
涙と涎を垂らして浅ましい謝罪を述べる。ちょっと、意地悪が過ぎたかな。
「ごめんなさい……♡ごめんなさ………ひいぃぃっ♡♡」
流石に申し訳がなかったので、今度はオレが動くことにした。腰を打ち付け、最奥を突き上げる。
「あひっ♡おくっ、おくぅっ♡♡らめっ、よわよわおまんこ、またイクぅぅぅっ♡♡」
大きな胸を揺らしながら、オレの上で跳ねるシャアラ。さっきから何度も達して敏感になった密壺は、ほんの少し揺らしただけも彼女を絶頂に押し上げていく。
「元王様がそんなに乱れていいの?さっきから、見られてるよ」
一瞬だけ視線をずらせば、オレ達の交わりを遠巻きに眺める人々が目に映る。野外でヤっているんだから当然と言えば当然だ。
まぁ、眺めているというのは語弊があるけど。恋人のいる子はオレ達みたいに盛ったり、独り身の子はその場で自分を慰めたりと、取り巻く人々は痴態を肴に快楽を愉しんでいる。
「凛々しかった王様が、欲望のはけ口にされて喘いでる。かつてのキミを知る人が見たらどう思うだろうね?」
「いいっ♡いいのぉ♡もうわたしはっ、おうさまじゃないのっ♡♡ハメハメされてっ、んひぃっ♡きもちよくなっちゃうメスなのぉっ♡♡」
自らをメスだと叫ぶシャアラの首元で、ネームタグが揺れる。オレの名前が刻まれたそれは、まさしく彼女を独占している証明に他ならない。
「はぁぁっ♡しあわせぇ♡オズにめちゃくちゃにされて♡しあわせですぅぅぅっ♡♡
オズをひとりじめしてっ♡オズにひとりじめされてるっ♡♡もっとっ♡もっとぉぉっ♡♡」
互いに互いを一人占めにして、ただただ貪り合う。
シャアラは国を対価に、永遠の快楽とオレを手に入れた。
オレは自らの全てを対価に、シャアラを手に入れた。
だから二人一緒じゃないと、もうオレ達は生きていられない。
「オズっ♡オズぅ♡『ずっとっ♡わたしとっ、こーびしてぇっ♡♡あいしてっ♡わたしをメスにおとしてぇぇぇぇぇぇっ♡♡♡』」
もう一度、シャアラがオレに命令する。なんてことのない、愛の告白だ。
「もちろん…ッ!いつまでも一緒だよ!シャアラを愛してる!!」
断れない、断る理由なんて一つもない。たとえ彼女が王様だろうが、ただのメスだろうが関係ない。
オレは、シャアラが大好きなんだから。
「きもちいぃっ♡きもちいいのぉぉぉぉっ♡♡あいされてっ、しあわせぇぇぇぇぇぇぇ♡♡すきっ♡♡しゅきぃぃぃぃっ♡♡」
気持ちいいと叫び散らす彼女に、かつての威厳はない。
国と民を考えていた頭は、今や快楽を貪ることしか考えられなくなっている。
王の力は媚びたおねだりに成り果てた。
偉大なる王は、愛される悦びをねだるメスに堕ちきった。
「きちゃうっ♡おっきいのっ、きちゃうぅぅ♡♡いっしょっ、いっしょにイきたいっ♡♡イきたいのぉっ♡♡」
よっぽど同時に絶頂したいのか、揺られるだけだったシャアラが腰を上下させ始める。さっきは少し動いただけで泣いてやめたのだけど……
「『オズがイクまでっ、とまるなっ♡せーしっ、ナカだしされるまでぇっ♡♡ごほうしろぉっ♡♡』」
今度は自分で自分に命令して、なにがあろうと腰が止まらないように暗示をかけた。これならどれだけ激しく動いても、騎乗位セックスを続けることができるだろう。
問題は、彼女がその刺激に耐えられるかだが。
「おほぉぉぉぉぉぉっ♡♡これらめぇぇえぇぇぇぇぇぇぇぇっ♡♡しゅごいっ♡♡きもちいいのしゅごいぃぃぃぃぃぃっ♡♡とまらないのぉぉぉぉっ♡♡」
ずぼずぼと激しく怒張が出し挿れされ、その度にシャアラがよがり狂う。
抜く際に膣壁を擦られて絶頂し、挿れる際には最奥を抉られてイク。どうやったって絶頂から降りられず、際限なく性感が高められていってる。
「これ、ずっと見てたいな………」
「らめぇっ♡♡ずっとなんてっ、むりぃっ♡♡こしっ、とまらなくて♡ひゃぁぁぁぁっ♡♡」
涙と涎でぐちゃぐちゃなシャアラは、とてもいやらしくて、気持ちよさそうで。永遠に眺めていられるくらいに淫猥だった。
卑猥な水音を鳴らす結合部や、淫らに揺れる胸、首輪とネームタグ。そして快感に悶える美しい表情と、シャアラの全てが性欲を煽っていく。
このまま彼女の喘ぐところを見ていたいが……当然、耐えられない。最愛のシャアラのこんな姿を見せつけられて、射精が我慢できるわけがない。
「そろそろオレも限界…!」
「だしてっ♡♡だしてぇぇぇっ♡♡せーえきっ♡♡ほしいのぉっ♡♡」
より一層、上下する腰の動きが早くなる。精液を搾り取ろうと膣内は締まり、激しく扱き上げていく。
「あなただけのメスにっ♡♡せーえきだしてぇぇぇ♡♡わたしをっ、はらませてぇぇぇえぇっ♡♡」
嬌声と共に腰が下ろされ、それに合わせて思い切り突き上げる。
「ひぃぃぃぃっ♡♡イクぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅっ♡♡」
シャアラがひと際大きく絶頂すると同時に、尿道から精液が吐き出される。二回目とは思えない大量射精。白濁が子宮に注がれ、その快感によってシャアラがさらにイキ狂う。
「でてるぅぅぅぅっ♡♡ナカだしでイクぅぅぅぅぅぅぅっ♡♡しゅきしゅきしゅきぃぃぃっ♡♡んぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁっ♡♡♡」
気絶しそうな快楽に溺れ、膣内を白濁で染められる悦びに堕ちていく。
何度も何度も達して、やがて彼女の身体から力が抜ける。疲れてしまったのだろう。
「っと、危ない」
ふらりと倒れるシャアラを抱きかかえる。
目の焦点が合ってない。ちょっと激しくしすぎたかもしれない。
「ふ、ふふっ……♡しあわせすぎて……どうにかなりそうだ……♡♡」
「ごめんね。ちょっと無理させたかな」
「あんなにしておいて、よく言うものだ……♡お前にあそこまで求められて……イヤなわけがないだろう…♡♡……んっ♡」
嫌じゃない、そう言いながら、シャアラが身体をすり寄せ、軽く唇を落としてきた。触れるだけのキスだけど、事後にはこれくらいが丁度いい。
「愛するお前に求められて、私は幸せだ……♡♡なんなら、もっと求めてもいいぞ……♡♡」
「あっ、じゃあもう10回くらいやろうか」
「待て待て待て!」
シャアラの許しが出たので、三回戦目に行こうとしたら制止の声がかかった。
「たしかに際限なく求められるのは嬉しいが!限度があるだろう!これ以上ヤったら、本当におかしく………ひゃぁんっ♡♡」
「どうせなら行けるところまでいこうよ。たとえキミが常に繋がってないとおかしくなっちゃうくらいのメスに堕ちても、ずっと大切にするから」
「あひぃぃっ♡らめらめぇっ♡もうゆるひてぇぇぇぇぇぇぇぇっ♡♡」
言葉とは裏腹に、シャアラの肉壺が蠢き心地よい快楽を肉棒に与え始める。許しを請うわりには、全然嫌そうじゃない。
こうして嬌声交じりの叫びの中、満足するまでいつまでも、オレ達の交尾は続いた。
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「はひっ♡もう、うごけない……♡んぁっ♡♡いれたままっ、あるくなぁ……♡♡」
「しょうがないでしょ。歩かないと家に帰れないんだから」
結局、あの後は数えきれないくらいに愛を交わしてしまった。当然シャアラは腰砕けになって歩けないので、家まで抱きかかえて帰ることに。
もっとも、男性器は突き入れたままなのだけど。
「おちんぽっ♡おくに、あたってぇ……♡♡ひぃ…っ♡」
歩く度に揺れて、亀頭がシャアラの深く突き刺さってしまう。不幸なことに家まではかなり距離があるので、帰るまでの間に何度か絶頂することになるかもしれない。
「あぁ……♡♡しあわせぇ…♡♡」
幸福感からか、シャアラが抱き着く力を強める。腕は首に回され、両足で腰にしがみついてきた。
「……なぁ、オズ。お前は、幸せか?」
「幸せだよ。こうしてシャアラと交わって、愛して、愛されて。オレは、世界の誰よりも幸せ者だ」
「そうか……♡ふふっ♡それはよかった……♡♡」
オレの答えに、シャアラは嬉しそうな顔を浮かべる。
「私はもう、王でもなんでもないただの女だ。かつてのように、お前にいい暮らしはさせてやれない。王位を失ったファラオには、なにも残されていないのだ」
“だが”と、シャアラは言葉を続ける。
「オズはそれでも、私といてくれる。ただの女の我儘を聞いてくれる。……なんでもない私を、愛してくれる」
シャアラが、堕ちた王が、目を合わせる。
快楽に沈み、けれでも真っ直ぐな瞳だった。
「どうか、これからも傍にいてはくれないだろうか?私は、愛するキミと生きていたい」
「喜んで」
言うや否や、シャアラの唇を奪う。永遠を誓うなら、キスが一番だ。
「ん………♡♡ふふっ♡……なあオズ、気づいているか?お前は一つ、嘘を言ったぞ?」
「えっ、嘘なんて言ったっけ……?」
唇を離せば、彼女がそんなことを言ってきた。
……ダメだ、どれだけ考えても心当たりがない。シャアラを思う気持ちは全て本当なんだけど。
「世界の誰よりも幸せだと、お前はそう言ったな。……だが、それは嘘だ」
にんまりと、シャアラが笑った。
「世界の誰よりも幸せなのは、私だ。オズに愛され、気持ちよくしてもらえる私こそが、最も幸福なメスなのだ♡♡」
今度はシャアラからキスされる。
元が王様らしく傲慢に、女の子らしく貪欲に、雌らしく淫らに。
「いつまでも、幸せに堕ちていこう……♡♡キミを、愛してる……♡♡」
20/05/30 22:03更新 / めがめすそ