道化な彼女とデートして甘々お仕置きエッチとイチャラブご褒美セックスしちゃう話
誰もいない家を出て徒歩20分。
よく晴れた公園へ足早に向かう。
別に急いでるわけじゃない。
それでも早足になってしまうのは、そこで待ち合わせている“彼女”のせいだろうか。
「まぁ、待ち合わせの時間にはまだ早いけど」
今着いたところできっと彼女はいないのに。
急いだって無駄なのは分かってるけれど、急く足は止められない。
その理由はとっても簡単。
オレがただ、彼女と会いたいってだけ。
「早く会いたいなんて、単純だなぁ」
自嘲気味に呟く。
あぁ、寂しいから早く彼女と会いたいとか、一緒にいたいとか。
なんか、子どもみたいだ。
参ったな。もうオレも高校生なのに。
それに、オレには“彼女”がいる。
一応は恋人がいる身として、もう少し自立したいところなんだけど……
なんて、そんなことを考えているうちに目的地に到着する。
午前9時30分の、人気の少ない公園。
オレと彼女の待ち合わせ場所。
「待ち合わせ30分前……当然、まだ来てないか」
安物の腕時計を確認して辺りを見渡してみる。
待ち合わせ場所の公園には、誰もいなかった。
待ち人の姿はなし。
早く彼女と会いたかったのだけど……いや、オレが早く着きすぎたのが悪いな。
「早く着いちゃったし、ちょっとゆっくりしてようかな」
息をついて、近くにあったベンチに腰掛ける。
「────ばぁ!」
その次の瞬間、視界が真っ暗になった。
目をなにか……大きな手で隠されてしまっているようだ。
「いきなり目隠ししてゴメンねぇ?驚いた?驚いちゃったかな?」
真っ暗な視界の中、背後から声が響く。
聞き慣れた声で、そしてどこか心地いい女性の声だ。
「まぁそれは置いといて。さてさて、アタシの愛しいキミに問題です。
今、キミの両の目を手で覆い隠しているのは、誰でしょうか?
見事正解すれば、ご褒美をあげちゃうよ〜?」
カラカラと笑うような、おどけた問いかけ。
あぁ、なんだ。もう待ち合わせ場所にいたんだ。
「エディア、おはよう。早いんだね」
「んふふ〜。おはようだね、透真。挨拶できてとっても偉いねぇ」
朝の挨拶をすれば、頭上から同じように挨拶が返ってくる。
そして同時に、偉いだなんて褒めらてしまった。
こんな当たり前のことで褒められるのもどうなんだろう?
しかしまぁ単純なことに、オレは褒められて嬉しくなっちゃうんだけど。
「それはそうと、アタシの問題に対する答えはまだかな?
アタシの愛しいキミに目隠ししている、後ろのアタシは一体誰でしょうか〜」
「えぇ、さっき答えたじゃん。エディアって」
「おーいおいおいおーい。おんなじ名前の人物なんて何人もいるじゃないか。
ちゃんと個人を特定できるように詳細な説明を加えて答えてほしいよアタシは」
“分かるかいアタシの愛しい透真”と言葉を付け加えて、背後の彼女が笑う。
どうやら彼女は、オレをからかって遊んでいるみたいだ。
悪戯好きな彼女らしい。ならオレも乗っかってみるとしよう。
「じゃあそうだね…………魔物で、ボギーで、オレと付き合ってくれてる女の子で、オレが誰よりも愛してるエディア」
「んふふ〜!大正解!」
オレがそう答えれば、パッと目を隠していた手が離れる。
真っ暗闇から一気に視界が明るくなって、一瞬目が眩んだ。
「やぁやぁやぁ。キミと付き合っていて、キミが誰よりも愛しているアタシだよ」
眩んだ目が元に戻れば、そこには綺麗な少女がいた。
柔らかなベージュと、艶やかな茶が混ざった不思議な髪色。
肩から胸元までがばっくり開いた道化師衣装に身を包み、白くてきめ細かな肌を惜しげなく晒した魔物。
どこかいやらしい笑みを浮かべ、爛々とした赤い瞳でまっすぐにオレを見つめてくれる、女の子。
そんな女の子の顔が、逆さまにオレを覗き込んでいた。
「おっと、キミと付き合っていて、キミを誰よりも愛している、キミ専用の道化のアタシ、のほうが正しいかな?」
彼女は僅かに赤くなり、頭上から覆いかぶさるようにして、オレと顔を見合わせ笑う。
その表情がたまらなく可憐で扇情的に映るのは、彼女が最愛の人だからだろうか。
「そうだそうだ、見事正解したキミは、約束通りご褒美をあげないとねぇ」
「ご褒美って──────」
「んっ♡」
言い終わる前に、彼女がオレの唇を奪う。
「ちゅっ♡んむ、ぐちゅっ♡んん……っ♡」
逆さまなまま、彼女の舌がにゅるりと口内に入り込んでくる。
彼女の舌が、オレの舌と絡まり合う。
穏やかで、献身的なキス。
甘くて、気持ちのいい『ご褒美』を、与えられるままに味わう。
「……っぷは!……どうかな?気持ちよかったかな♡」
しばらくして、彼女が唇を離す。
にんまりと笑う口元には、唾液のアーチ。
オレと彼女が、つい先程まで一緒だった証。
「ありがとう。気持ちよかったよ、エディア」
「嗚呼、キミに満足してもらえたようで恐悦至極だよ」
微笑み返してお礼を言えば、彼女は上機嫌そうに赤い目を細めた。
「ところで、愛し合うふたりにはキスがお似合いだと思わないかい?
そう、『ご褒美』とはまた違った、深く甘く蕩けるような口づけがさ?」
その言葉と共に、彼女は再びいやらしく笑う口を近づけてくる。
大変愉快そうにしているが……彼女のその目は、情欲に塗れていた。
「愛には口づけを、再会にも口づけを。
嗚呼、キミと付き合っているから口づけを更にひとつ。
キミに愛されているからお返しに口づけをもうひとつ。
キミ専用の道化だから、キミを悦ばせるために口づけをもっと……♡」
彼女が口早に色んな言葉を並べ立てる。
なんてことはない、要約してしまえば“もっとキスしたい”ということ。
「いいよ。エディアの好きなようにして」
「なら、たくさんキミを悦ばせてみせるよ……♡」
熱に浮かされたような彼女の顔が近づいてくる。
そうしてまた、唇が重なった。
◆◆◆◆◆◆◆
オレ──鵜飼透真が彼女と初めて出会ったのは、1ヶ月ほど前のことだ。
あの頃はなにしてたんだったかな。
独りで家にいるのが嫌になって、街をふらふらしてたんだったかな。
ちょっとオレの両親は蒸発しててずっと独りで暮らしてるんだけど……それはいいか。
そんなこんなで寂しさを紛らわせるために夜の街を出歩いていたある日のこと。
オレは偶然、あるいは運命みたいに、彼女と出会った。
夜の公園で、通りがかる人に大道芸を見せる、道化師みたいな魔物の彼女。
その姿がなんだかとても面白くて、目が離せなくなって。
彼女が芸を終えるまで、その夜はずっと、彼女を見ていた。
それからオレは夜になる度に公園に足を運び、彼女を探してはその演目を眺めた。
彼女を見ている間は、寂しさも忘れられたし、ただ純粋に見ていて楽しかったから。
『ねぇ、キミ最近いつも観に来てるねぇ?』
『え?……あぁ、うん。見てると楽しいから』
『そうかいそうかい!じゃあ明日も来なよ。もっと楽しくしてあげるからさ!』
毎日通っていれば、当然顔を覚えられる。
そうやって顔を覚えられてからは、彼女から話を振られることが増えていった。
『今宵お見せした手品はどうだったかな?キミ、楽しめたかい?』
『うん。楽しかったよ。驚きがたくさんで』
演目が終われば、彼女から感想を聞かれることもあった。
『ねぇ〜、キミさぁ〜。今付き合ってる娘とかいないのかい〜?』
『いないけど……なんだってそんなことを?』
『んふふ〜?別にぃ〜?』
そんな感じでプライベートの話を聞かれることもあった。
『キミ、キミ。胸の大きい女の子ってどう思う?
アタシ的には包容力があってとっても素晴らしいと思うんだよねぇ。
例えばアタシくらいおっぱい大きいとさぁ、かなり魅力的に感じたりしない?』
『それは……キミが魅力的な女性かって話?』
『さぁ?どうだろうね?で、キミの答えは?』
『……魅力的だし、綺麗だと思うよ』
『んふふっ、それは良かった!嗚呼、本当に、ねぇ……♡』
こんな風に、オレの趣味趣向を聞かれることもあった。
当時はよく分からなかったが、どうやらこの頃からオレは彼女に狙われていたらしい。
そんな日々がしばらく続いていって、彼女との時間はオレの中で大きくなっていた。
彼女と話すのが楽しくて、彼女を見ているのが嬉しくて、彼女と一緒にいたくなって。
────気づけばオレは、彼女のことが好きになっていた。
そうして1週間前、オレは彼女に告白した。
“好きです”って。そう、告白した。
対して彼女は、“はい”と短く答えて、キスと抱擁をくれた。
それから、まぁ……勢い余って、その場で交わったりしたんだけども……
ともかく、こうしてオレは、彼女と恋仲になった。
道化的で、温かくて、甘くて、優しい、彼女──エディアと。
◆◆◆◆◆◆◆
エディアと付き合ってから1週間。
ここ最近、空いてる時間は常に彼女と一緒にいる。
そして今日はオレが丸1日休みということで、彼女とデートすることになっていた。
「ここはアタシの行きつけの店でね。パフェが美味しいんだよねぇ」
現在、オレ達は近場の喫茶店にいた。
別になにかが食べたかったから、というわけじゃない。
エディアが一緒に行ってみたいと言い出したからだ。
彼女曰く、「恋人ができたら一緒にカフェ行って仲良くお喋りしたかったんだよね〜」とのことだ。
それで、オレとエディアは喫茶店のテーブル席に座っているんだけど……
「ねぇエディア。別に隣に座んなくてもいいんじゃ……」
隣で密着してくる彼女に聞いてみる。
オレ達が座っているのはテーブル席。
つまりは、向かい側の席がいくらでも空いているということ。
なのに彼女はオレの隣に座って、その艶めかしい肢体を擦り寄せてきていた。
「んふふ。必ず向かい合わせに座んなきゃいけないルールなんてないじゃん?」
ぐっ、とエディアが距離を詰めてくる。
既にゼロだった距離から更に近づいて、豊満な胸を押し当ててきた。
「アタシはこうやって、透真とくっついてたいんだけどなぁ……♡
透真は、アタシとこうしてるの……嫌いかな?」
「ぅ……嫌いじゃないよ。その……オレは、エディアとくっつくの、好きだし」
「んふふっ♡じゃあ問題ないねぇ♡」
そう言って、エディアは色っぽい笑みを浮かべる。
息がかかるほどの距離で見た彼女を笑顔は、酷く扇情的だった。
「愛し合うふたりはこうやって少しの隙間もないくらいに引っ付いてるのがいいのさ。
ささ、それじゃあ恋人らしく、このまま楽しい食事をしようじゃないか♡」
かなり機嫌がいいのか、エディアがまた唇を重ねてくる。
さっきも散々したというのに、まだまだ彼女は満足していないようだった。
1つ、2つ、3つ……何度も彼女から奉仕を受ける。
それに伴って、オレももっと欲しくなってしまう。
もっとエディアとくっつきたい、もっとエディアを感じたい、エディアが傍にいてくれていることを確かめたい。
そう感じた瞬間、オレは彼女の腰に腕を回して、ぐいっと抱き寄せていた。
「んっ……♡ふふっ、引き寄せられてしまったね」
「ごめん、嫌だった?」
「おいおい冗談だろう?最愛の人に求められて嫌がる雌がどこにいるんだい?」
また、エディアから口づけされる。
先程よりも深くて、甘いキスだ。
「ほぅら、もっと求めていいんだよ……♡
アタシはキミの全部を、受け止めたいからさ……♡」
「…………ありがとうね」
感謝を告げれば、それを合図にエディアがまた唇を貪ってくる。
それがどうにも嬉しくって、オレは腰に回した腕に力を込めた。
そうしてキスを交わし、密着した彼女の身体の感触を楽しむこと数分。
コトリとテーブルの上に食器が置かれる。
どうやら、頼んでいた料理が届いたみたいだ。
「………………おっと。透真に夢中になっている間に、料理が来たみたいだね」
ようやくエディアが唇を離す。
テーブルの上には、エディアが頼んだチョコレートパフェと、オレが頼んだショートケーキが置かれていた。
さて食べようかとフォークを手にした、瞬間。
エディアが素早い動作でオレからフォークを奪っていった。
「あっ、ちょっと」
「んふふ〜♡キミさぁ、隣に恋人がいるってのに、独りで食べようなんておかしいと思わないかなぁ?」
フォークをくるくると回して、エディアが口角を上げる。
対してオレは、いまいち要領を得られず、首を傾げるばかりだった。
「食べさせたげるよ♡アタシはキミの恋人で、キミの道化で、キミ専用の雌だからさ♡」
このときのエディアの笑みは、惚れ惚れするほど淫靡だった。
そしてあまりにも魅力的で、オレは彼女のその提案を拒む気さえ起きなかった。
「はい、あ〜ん♡」
流れるような手付きでエディアがケーキを切り分け、フォークで運んでくれる。
目の前には、ショートケーキの一欠片。それと、彼女の白い手。
「えぇと……ありがとうね」
食べさせてくれる彼女にお礼を言って、口をフォークに近づける。
「ん、れぇ……♡ちゅっ、ちゅぅっ♡」
そのとき、唐突に彼女がオレの首筋に顔を埋めて、舌を這わせてきた。
「っ!?エディア!?なんで首を舐めて……!?」
「ん〜?サービスみたいなものだよ。アタシ、キミには愉しく気持ちよく過ごしてほしいからさぁ……♡」
それだけ答えて、エディアは再び首筋を舐め回し始める。
逃げようとしても、隣は壁と、愛しい彼女。
這い回る舌の感触から逃れることもできず、オレはただ翻弄されるばかりだ。
「ちゅっ♡んぁ♡ぐちゅっ♡……ほら、あ〜ん♡」
ずい、と取り分けられたケーキが差し出される。
どうやら、食べきるまで彼女のご奉仕は終わらないようだ。
「……あーん」
くすぐったさに耐えて、ケーキを口に含む。
美味しい。上品な甘さが、口いっぱいに広がった。
「あっ、美味しいね」
「そうだろうそうだろう?アタシ行きつけだからね、そりゃ美味しいとも!」
感想を言うと、彼女はぱあっと明るく笑った。
さっきまでオレを舐め回していたとは思えないくらい、快活な笑顔だ。
「じゃあ、もっと食べさせてあげるね……♡」
それからまた、エディアの笑顔に性の色が戻る。
器用にケーキを切り分けながら、彼女は耳元に顔を寄せてきた。
「んふふ……♡ゆっくりで、いいよ♡ゆっくり、アタシのご奉仕を愉しんで……ゆっくり、食べてね♡」
吐息混じりに、そう囁いてくる。
それから酷く緩慢な動作で、彼女はケーキを運んできた。
ゆっくりもなにもない。
食べさせる早さなんて、彼女の思うがままなのだから。
「はい、あ〜ん♡」
オレは観念して、彼女の心行くまで“ご奉仕”を味わうことにした。
何分くらい経っただろうか。
体感で数十分経った頃、ようやくオレはショートケーキを食べ終わった。
「ごちそうさまでした……」
手を合わせて軽く一礼する。
「うんうん、ちゃんとごちそうさまって言えて偉いねぇ」
それを間近で見ていたエディアが、わしゃわしゃとオレの頭を撫でる。
その間彼女はずっと、“えらいえらい”と大げさに褒めてくれた。
「オーバーだなぁ」
こうやって褒められる経験というに乏しかったので、どうにもむず痒い。
というか別に、こんなの褒められるようなことでもないだろうに。
けれども彼女にこうされるのは、なんとも心地が良い。
「別にオーバーでもなんでもないんだけどねぇ……嗚呼そうだ、とってもいい子な透真には、ご褒美をあげちゃおうかなぁ……♡」
「それは嬉しいけど、エディアは食べなくていいの?」
迫ってくるエディアを制止して、テーブルの上を指差す。
そこには、まだ一切手のつけられていないパフェがぽつんと置かれていた。
「おっと、いけないいけない。あんまりにも愉しすぎて、自分が食べることをちょっと忘れてたよ」
失敗失敗と言いつつ、エディアは困ったように頬を掻いた。
「悪いね、アタシが食べてる間、退屈な思いをさせてしまうね」
「いやいや。エディアと一緒にいて、退屈だって思ったことはないよ」
それは、本心だ。
彼女と出会えて、彼女と恋仲になれて、オレの生活は大きく変わった。
孤独で退屈だった日々に、寄り添ってくれる人ができた。
だから、退屈だなんて思うことは、絶対にない。
「横で食べてるとこ見てるよ。それこそ、ゆっくりね」
「んふふ、そっかそっか。じゃあ見られてるよ」
そう言って、彼女はスプーンを手に取り、食べ始める。
クリームを掬って、口に運ぶ。
それだけの動作なのに、それがどうにも可愛らしくて、ドキリとした。
「ねぇ、透真。このあとさ、どこ行く?
キミ、どこか行きたい所とかやりたい事とかあるかい?」
食べながらエディアが聞いてくる。
そういや今日はデートするってことだけ決めて、詳細な予定は一切考えてなかったな。
深夜1時にふたりで電話してたときに急にデートしようって決めたし。
「うーん、オレは特にはないかな」
「えー?それマジで?キミ、ホントのホントになんにもないのかい?」
「ないよ。エディアと一緒にいられれば、それでいいから」
「おぉう……そう言ってくれるのは嬉しいけど……」
少し頬を赤くして、エディアが顔を逸らした。
それからコホンと咳払いをして、オレに向き直ってくる。
「まぁ、透真から希望がないなら、アタシが行きたい所に連れ回してもいいかな?
アタシ、服とか媚薬とか魔法道具とか見たいんだよねぇ」
ふむ、服とか媚薬とか魔法道具とか、そういうのが全部揃ってる所か。
そうなると、近場のデパートとかに行くことになるだろうか。
「そっか。了解だよ」
これといって問題はないので、二つ返事で了承する。
ふたりでショッピングだなんて、まるで恋人みたいで面白そうだ。
いや、まるでじゃなくて確かに恋人なんだけども。
「それにしても、エディアも服とかに興味があるんだ」
彼女が服を見たいと言い出したのは、ちょっと意外だった。
とはいえ彼女も年頃の女の子だ。
おしゃれに興味があるのは、むしろ当然か。
「あっ、言っとくけどアタシが見たいのは街を出歩くのに着るやつじゃないからね?
アタシが欲しいのは、ベッドの上で恋人に見せるような、扇情的な衣装だからさぁ♡」
彼女はスプーンを口に咥えて、熱っぽくオレを見つめてくる。
その表情を見て、そして彼女の言葉の意味に気づいて、鼓動が早くなった。
「えぇと、それってさ……」
「んふふ〜♡そうだよ?エッチするときに、キミだけに見せる、キミを誘うための、キミを煽るための、衣装だよ♡」
顔が熱い。今、顔が真っ赤になってるのが分かった。
性的なことに対する照れと、彼女がオレのためになにかしようとしてくれてる嬉しさで、心の中がぐちゃぐちゃになる。
「透真は、アタシにどんな格好をして欲しい?アタシにどんな格好をさせたい?
メイド服を着て、従順な従者としてキミに淫らなご奉仕をしようか?
あるいはバニー服を着て、発情した獣みたいに交尾しまくろうか?
キミはどんなのがいい?アタシのこと、全部全部、キミの好きにしていいんだよ…♡」
エディアがじぃっとオレと目を合わせて、聞いてくる。
あぁ、どうやら答えないわけにはいかないらしい。
「あー……別にそういう用途じゃなくていいんだけどさ……
…………エプロンとか、着て欲しい」
「んん?それはアレかな?裸エプロンが好きってこと?
へぇ〜♡透真はそういうのが好きなんだぁ♡」
「いや裸じゃなくて普通に着てくれるんでいいけど……なんか、家庭的でいいなって」
「ほほう?キミは家庭的な女性が好きなのかな?」
「まぁ、うん。憧れはするかな、そういうのに」
オレは家庭とか家族の感覚がないから。
だから、そう。
エディアと家族みたいになれたら、幸せだって思う。
とはいえ、そう考えた末の出力が“エプロン着て欲しい”は想像力に乏しい気がするが。
「ふむふむ、家庭的な女性かぁ。うん、じゃあ安心してね?
アタシこう見えてさ、家事とかバリバリできるからさぁ♡」
「えっ?」
「アタシ、料理とかお掃除とか、家事一式はちゃんとできるんだよねぇ〜。
そう、キミの口に合う料理だって作ってあげられるし、毎晩毎晩キミを気持ちよくして、ぐっすりと寝かしつけることだってできるとも♡」
エディアが、オレの首に両腕を回して、抱きついてくる。
蕩けるような彼女の顔が、鼻先に触れるほどの距離に近づいてきた。
「だから、ずっと一緒にいようよ?
アタシの全部を使って、愉しく、気持ちよく、してみせるから」
どこまでも堕ちてしまいそうな、甘い言葉。
熱に浮かされたような彼女からの誘い。
「……ありがとう。オレも、エディアとずっと一緒にいたいよ」
断る理由も、断りたいと思うことも、なかった。
彼女といつまでも一緒にいたいのは、間違いなくオレの望みなのだから。
「んふふ〜♡」
オレの答えに満足が行ったのか、エディアが抱きついたまま甘えてくる。
そして彼女は啄むようにキスをして、マーキングするみたいに身体を擦り寄せてきた。
むにゅりと大きな胸が押し当てられ、器用に足を絡められる。
それはまるで、オレを絶対に逃さないとでも言っているかのようで。
「ねぇ〜、透真。行きたいとこ、もう1個追加していいかい?」
エディアがオレの胸元に頬擦りして、そんなことを言ってきた。
「それはいいけど、どこに行きたいの?」
「ん〜、キミの家かなぁ♡」
……一瞬、心臓が止まったような気がした。
エディアが、オレの家に来る。
そういや彼女には、オレの家庭事情を話してなかったか。
彼女に、あの誰もいない家を見せなきゃいけない。
それはかなり嫌だし抵抗感があるが……
「アタシ、今日はさ……お家に帰りたくないからさ……♡だから、お願い♡」
「…………そっか」
幸い、エディアはなにも気づかなかったようだ。
深呼吸をして、オレは平静を装い言葉を紡ぐ。
「うん、いいよ。あんまり面白い家じゃないけど、それで良ければ」
大丈夫、大丈夫と、心の中で何度も唱える。
そう、大丈夫だ。彼女に見せて問題のあるような家じゃない。
オレが気にしているだけのこと。きっと、他人からしてみればどうでもいい家だ。
「んふふ〜♡夜通し、とっても愉しませてあげるからね〜♡
今夜はずぅっと傍にいさせてもらうよ♡
…………もちろん、ベッドの中でも、ね♡」
「……うん。エディアが家にいてくれるのは、嬉しいよ」
微妙に噛み合わない言葉を返して、エディアをそっと抱きしめる。
そのまま右手で、彼女の髪を梳くように頭を撫でた。
「んん……♡」
さらさらとした髪の感触を楽しんでいると、彼女が僅かに震えて、甘い声を出す。
「なでられるの、すき……♡それ……もっと、して……♡」
気持ちよさそうに、甘えた声で。
彼女がおねだりしてくる。
そのおねだりに応えるように、オレはエディアを撫で続ける。
指先が触れる度に、彼女は肩を震わせて、心地よさそうに目を細めた。
「ん、ふふ……♡甘やかされるなんて、アタシ、尽くす女なのになぁ……♡
ホントは、アタシがたくさん、キミを甘やかして…愉しませるべきなんだけど……んっ♡
キミに甘えるの……はぁ♡気持ちよすぎて、ダメになりそう……♡」
胸の中で抱きしめられて、頭を撫でられては身体を弛緩させるエディアが、そんなことを呟く。
「…オレのほうが甘やかされてるよ。キミと過ごすのは、幸せだから」
言いながら、エディアの額に軽く唇を落とす。
「ぁ……♡」
「いてくれて、ありがとう。こういうのがお返しになるかは分かんないけど……その、甘えてくれていいからさ」
そうして、エディアに笑いかける。
あぁ、今のオレはきっと、照れが混ざった下手くそな笑い顔をしてるんだろうな。
それがどうにも恥ずかしくって、オレは誤魔化すように彼女を撫でた。
「じゃあさ、透真…………アタシが満足するまで、このままでも……いい?
このまま、キミになでなでされて……♡甘やかされてたいの……♡」
エディアは目を閉じて、オレに身体を預けてくる。
「いいよ。好きなだけするから」
そんな彼女を、オレはしばらく甘やかすのだった。
◆◆◆◆◆◆◆
アタシ──エディアは、有頂天だった。
言うならば、幸福の絶頂にいるかのような感覚。
いや、これから続く最高の幸福の、その入口に足を踏み入れたような感じ?
ともかく、アタシは夢見心地で、幸せな気分だった。
それは何故か?
アタシに、運命の人ができたからだ。
鵜飼透真。
アタシの大好きな人。
アタシの恋人。
アタシの運命の人。
アタシが愛してる人。
アタシを愛してくれる人。
アタシを選んでくれた人。
アタシが生涯をかけて幸せにしたい人。
アタシが人生を共にしたい人。
彼のことを考えただけで、身体中にゾクゾクとした甘い痺れが走る。
彼のことを思うだけで、子宮が疼いて、アタシのナカがじわりと濡れてしまう。
それで、彼がたまらなく欲しくなる。彼に満たしてもらいたくなる。
そんな彼と出会ったのは、つい一月ほど前のこと。
アタシが趣味で健全な見世物をやっていたときのことだ。
夜の公園で透真を初めて見たときから、彼のことは“いいなぁ”と思ってはいた。
たぶん、それが惹かれるということだったのだろう。
その『たぶん』が、『絶対』に変わったのは、彼と出会った次の日のことだ。
透真は次の日も、アタシの所に来てくれた。
1度会っただけじゃ、それはただの偶然だ。
けれど2度会えば、それは間違いなく必然なわけで。
嗚呼、この男の子は、アタシに会いに来てくれたんだ。
そう理解したアタシは、絶対的に彼に惹かれ、絶対に結ばれたいと願うようになった。
「んふふ〜♡願い、叶っちゃったなぁ♡」
すっかり日が暮れて暗くなってしまった道を歩きながら、呟く。
その右隣には、愛しいの透真。
「え?どうかしたの、エディア?」
アタシの隣の……アタシに腕を抱きつかれている彼が、不思議そうに聞いてくる。
彼の手には紙袋。その中にはアタシと一緒に選んだ服やらがあった。
それを見るだけで、自然と顔がほころんでしまう。
「いやぁねぇ♡アタシね、休日にお買い物デートして、こうしてピッタリくっついて歩くのが夢だったんだよねぇ♡」
ぎゅむ、と大きな胸を押し付けるように、腕を抱き直す。
嗚呼、頬が緩んでるのが分かっちゃう。
きっと今のアタシは、とんでもなくだらしない顔をしているんだろうなぁ。
でも、それは仕方がないことだよね。
だって、こんなにも幸せなんだから♡
「そっか。エディアが幸せなら、なによりだよ」
透真が優しい顔を向けてくれる。
ただそれだけで、アタシの奥が甘く疼いた。
鵜飼透真という少年は、とっても優しい良い子だ。
そんな良い子の、優しさを、笑顔を、アタシが独占している。
それがたまらなく、心地いい。
嗚呼、こんなにも愛おしい人と結ばれることができるなんて、アタシは本当に幸せだ。
「んふふ♡透真と出会えてよかったなぁ♡
キミは、アタシと出会った夜のこと、覚えてるかい?」
「覚えてるよ。忘れるわけがないじゃん」
「そっかそっか。アタシも覚えてるし、絶対に忘れないだろうね♡
…………それにしてもキミ、よくあの公園に来たね?
真夜中の公園に、なにか用事でもあったのかい?」
「あー……あの頃は夜に出歩くのが趣味みたいなものだったから」
「え〜、深夜徘徊するなんて悪い子だねぇ〜」
「あはは……だから今はやってないよ」
透真はそうやって、困ったように笑う。
まったく、夜に1人で出歩くなんて危ないことしちゃって。
他の悪い魔物に捕まっちゃったらどうするつもりだったのさ。
まぁ、その前にアタシが唾つけて、こうして結ばれたわけなんだけどね♡
(そしてこれから、もっともっと、結ばれる…♡)
この先のことを考えただけでにやけてしまう。
そう、アタシが向かっているのは、透真のお家。
密かにアタシが今日のデートで狙っていた場所だ。
ホント、二つ返事で家に招待することを承諾しちゃってさぁ。
透真は魔物を自宅に上げるってのがどういうことか、分からなかったのかなぁ♡
嗚呼、分からなかったんだろうなぁ。
ましてや、アタシがなにを狙ってるかなんて、全然分からなかったんだろうなぁ。
(アタシ、もう今日でゴールインするつもりなんだよ♡
今日、この日で、完全にキミと結ばれちゃうからねぇ♡)
キミと付き合ってから、会えない時間が苦痛でならなかった。
常に一緒にいたかった。一時だってキミといられないことが辛かった。
それでね、アタシは思いついたんだよ。
いっそ、キミと同じ所に住めばいいや、って。
(ごめんねぇ。アタシ今日から、キミのお家に住んじゃうから♡)
朝も、昼も、夜も。常に一緒。
毎日、彼とおんなじベッドで寝て、起きて、彼と同じ物を食べて、彼とふたりでお風呂に入って、彼とたくさんエッチする♡
そんな幸せでラブラブで最高で爛れた日々を、今日から始めちゃうからね♡
「んふふ…っ♡」
やばい、考えただけで涎が溢れてしまう。
上の口からも、下の口からも♡
(嗚呼、大丈夫だよ透真♡アタシは昼にも言ったけど、家事手伝いはできるから♡)
アタシは魔物だ。
当然、素敵な旦那様に尽くすべく花嫁修業はしてきた。
彼の家に急に住み着いても、迷惑は一切かけない。
(それに、礼儀作法も完璧に覚えてきた。透真のお父様とお母様に会っても粗相はないし、気に入られるような振る舞いもできるとも)
家にお邪魔するってことは、透真のご両親にご挨拶するってことでもある。
この先透真と結ばれることを考えると、彼の親には気に入られておきたいところだ。
ま、仮に親御さんに反対されたとしても、そのときは透真と新しい家を借りて、そこでラブラブふたり暮らしするけどね♡
「ん、ふふ……♡んふふふふ……♡」
「エディア……?」
おっといけない。透真に怪訝そうな顔をされてしまった。
まぁ恋人がいきなり笑いだしたらそんな顔をしちゃうのも仕方がないか。
「んふふ♡いや、ごめんねぇ?透真のお家、まだかなぁって思ってさぁ」
「…………………………もうすぐ着くよ」
ん?なんか一瞬、透真の足が止まったような……
はて、アタシの気のせいだったのだろうか?
「ごめんねエディア。かなり歩かせたし、疲れちゃったかな」
「いやいやいや、アタシは全然疲れてないよ。
嗚呼、もしキミが家が遠いこととかを気にしているなら大丈夫さ。
アタシ、こうやってキミとくっついて歩くの、好きだからさぁ♡」
「……そっか。ありがとうね、エディア」
「むっ、別に気を使って嘘言ってるわけじゃないからね?
分かってるかい?アタシはホントに、キミとこうしているのが好きなんだよ♡」
「あはは……分かってるって。大丈夫」
それから、アタシ達はしばらくの間、お喋りしながら夜の道を歩いた。
とても穏やかで、静かで、楽しい、ふたりっきりの時間だった。
そうやって歩くこと数分。
アタシと透真は、入り組んだ路地の中にある、小さな家の前に着く。
表札に書かれている文字は、『鵜飼』。
正真正銘、透真のお家。
「…………着いたよ」
そう言って透真が家の鍵を開ける。
そのまま彼は慣れた様子で家に入って、玄関で靴を抜いだ。
「ふぅ……じゃあ、お邪魔します」
ほんの僅かな緊張を押し殺して、アタシもまた、彼に続いて家に入る。
(…………?真っ暗な、家?しかも、やけに靴が少ないような……?)
一歩踏み入れて、アタシはなにか、違和感のようなものを覚えた。
透真の家は真っ暗で、彼が帰ってくるまで明かりは1つも着いていなかった。
それに、玄関に置かれている靴の数が異常に少ない。
仮に、家に誰かいたとしたら、どこかの部屋には明かりはついてるだろうし、家族の誰かの靴があるはずだけど……
(…………たまたま、今日はみんな留守にしてた感じなのかな?)
不思議に思いつつも、アタシは透真についていく。
アタシの数歩先の彼は、引き戸を開けてその向こう側へ案内してくれた。
「えーと、電気電気……うん、点いた」
暗がりの中、透真は手探りで電灯のスイッチを押す。
電球の明かりに照らされて現れたのは、こじんまりとしたダイニングだった。
小さなちゃぶ台、食器棚、狭い台所。それらが、アタシを淋しげに出迎える。
「あはは……まぁ、狭いしなんにもないけどさ、くつろいでってよ。
とりあえず、飲み物を用意するね。紅茶でいい?」
「嗚呼……えーと…………うん、そうだねぇ。
アタシは、紅茶でいいかなぁ」
すぐ用意するね、と透真は言って、台所で作業を始める。
それを尻目に、アタシはちゃぶ台の前に座り、周囲を見渡した。
築何十年の、年季の入った小さな家。
ただそこには、あまりにもなにもなかった。
生活感がない、というよりかは思い出がない、と言ったほうがいいかもしれない。
ここから感じられるのは、ただひたすらな孤独感だけだ。
「はい、どうぞ。砂糖とかいるんだったら言ってね。すぐ出すから」
そうこう考えていたアタシの前に、透真がカチャリとカップを置いた。
それから彼は、アタシの向かい側に静かに腰掛ける。
「……ありがとう、透真。紅茶、貰うね」
一口、含む。やや苦い味が、口中に広がった。
目を瞑って、息を吐く。
ことりとティーカップを置いて、アタシは透真と目を合わせる。
「ねぇ透真…………キミ、独りで暮らしてるのかい?」
「…………うん。そうだね」
疑問を直接ぶつければ、彼は少し困ったように笑って、答えた。
明かりの点いていない理由、靴がない理由、こんなにも寂しげな理由。
その理由は、透真以外には、この家に住んでいる人がいないから。
だからきっと、この場所は空虚な雰囲気を纏っているんだ。
「はぁ、まったくキミさぁ……一人暮らししてるなら早く言ってよ〜。
それ知ってたらさぁ、アタシ、すぐにでもキミの家に住み着いてたのにさぁ〜」
軽くため息をついて、頬杖をつく。
「えー、エディアここに住みたいの?」
「そりゃキミ、最愛の人とずっと一緒にいたいって思うのは当たり前だろう?
というかぁ、いつかアタシ達は結婚しておんなじ所に住むんだからさぁ♡
それが早いか遅いかの話なら、アタシは早く一緒になりたいよ♡」
言い放てば、透真は顔を赤くして、アタシから目をそらした。
んふふ♡照れちゃってさぁ、可愛いなぁもう♡
「……あれ?そういえば、透真は高校生だったよね?
一人暮らししてるってことは、高校進学のタイミングでこの家を借りた、って感じ?」
ふと疑問に思ったので聞いてみる。
なんてことはない、世間話のつもりだった。
「…………ううん、違うんだ。そういうので、借りたわけじゃなくてさ」
けれど透真は、どこか悲しそうに笑って、そう言った。
「ずっとさ、ここで暮らしてきた。生まれたときから、ずっと」
……じゃあ、なんでここにはキミ以外に誰もいない?
なんでキミは、ここで独り、暮らしているんだい?
嫌な予感は、ずっとしている。
けれどアタシは、頼むから違ってくれと。
キミは幸せであってくれと、祈っていた。
されどそれは、他でもない透真から、否定される。
「なんかさ、父さんも母さんも、いつの間にかどっかに行っちゃったんだ」
そう言い放った彼は、寂しそうで、それを誤魔化すように明るく笑っていた。
滅茶苦茶で、無理してるのがひと目で分かるような、哀しい笑顔だった。
「あはは……お恥ずかしながら、子どもの頃にさ、ふたりとも蒸発しちゃって……
それ以来、どうにかこうにか独りで暮らしてたっていうか……」
頭を掻きながら、照れたようなフリをして、彼は自らの身の上を話す。
笑えないくせにどうにか笑ってるその姿は、見るに耐えないほどに痛々しい。
そしてよりにもよって大好きな彼がそんな顔をしているのが、不愉快で仕方なかった。
「────────は?」
驚くくらいに冷たい声が、喉から出た。
たぶん、このときのアタシはぴくりとも笑っていなかったと思う。
「あ、えーと……ごめんね、エディア。つまんない話しして」
なにを勘違いしたのか、透真は若干怯えたように謝ってきた。
ほうほう、なるほど、そっか、そっかぁ……
透真がそういう子だったんなら、最後にひとつ、聞かなきゃいけないことがあるなぁ。
「ねぇ透真。キミさぁ、寂しくなかったのかい?」
「……………………寂しくなかったよ?」
嗚呼、やっちゃったね。
キミ、嘘ついたね。
分かるんだよ、アタシ。透真の恋人だから。
「そっかぁ……透真は、とぉっても悪い子だねぇ…………」
ゆらり。立ち上がって、ゆったりとした動作で、悪い子な彼に近づく。
「え、えぇと…………」
「キミ、知らなかったのかい?嗚呼、知らなかったんだろうねぇ。
アタシが、ボギーが、どういう魔物なのかとか、さぁ」
びっくりして動けずにいる透真の肩に、白い手を乗せる。
それから逃さないようにしっかり掴んで、アタシは彼を見下ろして、言ってやった。
「悪い子は、鬼がさらいに来るのさ。こんな風にね……っ」
腕に力を込めて、優しく押し倒す。
ぽふんと、ふたり揃って床の上に横になった。
「エディア!?なにして…………んぐっ!?」
「んんっ♡ちゅっ♡んちゅ♡……ぐちゅ♡ちゅぱっ♡」
唇で彼の口を塞ぐ。
舌をねじ込み、唾液を混ぜ合って、互いを舐め回す。
今日だけでも数え切れないほどにした、キス。
そのどれよりも激しく、貪るように、アタシは唇を奪った。
「ちゅっ、ちゅうっ♡……ん、はぁっ♡
抵抗しちゃ、ダメだよ……♡」
透真の上で、煽るように服を抜いでいく。
上も、下も。アタシの大きな胸が、てらてらと濡れたおまんこが、外気に触れる。
それだけで、透真の息が荒くなったのが分かった。
「んふふ〜♡アタシの裸、どうかな?何度見ても、綺麗で、エッチでしょ?
ほら、よく見て?コリコリに勃った乳首も、ぐしょぐしょに濡れたおまんこも♡」
「っ……」
膝立ちになって、アタシの恥ずかしいところを全部、彼に見せつける。
嗚呼。キミ、興奮しちゃってるね♡
唾を飲み込んで、食い入るようにアタシを見ちゃってさ♡
それ、いいよ♡ゾクゾクしちゃう♡ナカから蜜が溢れて、キミの上に垂れちゃうね♡
「ありゃりゃぁ?透真のココ、大きくなっちゃったねぇ♡
嬉しいなぁ、アタシで発情してくれて、とっても嬉しいよ♡」
わざとらしい所作で、大げさに。
すっかり勃った彼のモノを、ズボンの上からつぅ、と撫でる。
「んふっ♡気持ちいいのかな?今、びくんって跳ねたよねぇ♡
そっかそっか、気持ちいいかぁ♡じゃあ、脱がしちゃおうかなぁ♡」
言うやいなや、アタシは俊敏な動作で透真のズボンを下ろしていく。
それにより露出した男性器はすっかり勃起して、先端からは汁が溢れていた。
「わぁっ♡おっきくなってるねぇ♡
それに熱くって、ぴくぴくしてて、エッチな匂いがするなぁ♡」
芝居がかった仕草で驚いてみせる。
嗚呼、驚いたのはホントだよ?
いつもより大きいし、熱いし、先走りも多めに出てる。
一日中一緒にいて、たくさんキスして、たくさん身体を擦り寄せたから、その分興奮してくれてるのかなぁ♡
「ねぇ、ねぇ♡気持ちいいことシたい?
アタシのおまんこに、おちんちんねじ込んで、ぱこぱこしたい?
アタシの濡れててうねうねしてる恥ずかしいトコロで、扱いて欲しい?」
ぐちゅりと肉棒に潤んだ割れ目を擦り付けながら、問いかける。
まぁ、こんなことわざわざ聞かなくったって答えは分かってるんだけどさ。
もう、交わりたくって仕方ないよね♡
おちんちん、アタシの入り口ですりすりされて、とっても気持ちよさそうだもんね♡
「あー……えぇと……」
「ほぅらぁ、言って言って♡恥ずかしがらないでさぁ♡
アタシ、透真がなにをシたいかぁ、知りたいなぁ♡」
「…………エディアと、繋がりたい」
アタシが妖艶に笑って、そう言ってみれば、彼は恥ずかしそうにやりたいことを言ってくれた。
「んふふ〜♡繋がりたいんだぁ♡アタシに挿れたり、出したりしてぇ♡精液、ぴゅっぴゅしたいんだぁ♡
いいね、いいねぇ♡アタシも、ぐちょぐちょおまんこかき回されて、きゅんきゅんしてる子宮を慰めてほしいなぁ♡」
疼き続ける下腹部を撫でてみる。
アタシの奥は、透真がほしいって切なくなっていた。
それは彼だっておんなじ。
一刻も早くアタシと一つになりたいって、繋がりたいって、そう思ってる。
その証拠に、彼のモノはより一層その固さを増していく。
「うん、うん♡きっと今、挿れたらすごく気持ちいいだろうねぇ♡」
「なら…………」
「でも、だ〜め♡」
唇を大きく歪ませて、最高に意地悪に告げてあげる。
「っ、なんで……」
「だって、透真は悪い子だからさぁ────お仕置きが必要だよねぇ♡」
残念なことに、これから始めるのは気持ちいい交わりじゃなくって、とっても辛いお仕置きだ。
いや、アタシだってそういうの良くないなぁって思うよ?
でもさぁ、彼は酷い嘘つきだし、ちょっとした罰を与えてでも矯正しなきゃだよねぇ?
「んんっ♡っ、はぁ♡」
くちゅり。右手で割れ目を撫でる。
更に左手で胸を揉みしだいていく。
ビリビリとした甘い快感が、背筋を走り抜けていった。
「あんっ♡……ん、ふふっ♡アタシ、なにシてるか……分かる?
キミに跨ってぇ……オナニーしてるの♡くちゅくちゅっておまんこ弄って、んぁっ♡
お猿さんみたいにぃ、盛っちゃってるんだよぉ……♡ほら、見て見てぇ……あぁっ♡」
股を大きく開いて、アタシのオナニーしてるところをよく見えるようにしてあげる。
嗚呼、見ちゃうよね?見ちゃうよねぇ♡恋人のエッチなところだもんね♡
魔物の魅了とかそういうのも使ってるけど、キミ専用の雌が発情しておまんこ弄ってるんだもん♡
目をそらすなんて、そんなの絶対無理だよねぇ♡
「エディア……!」
「っ、と……ダメダメ♡透真は、動いちゃいけませ〜んっ♡」
自慰の快感に悶えるアタシに、透真が手を伸ばしてくる。
アタシを襲おうとしてくれたのかな?んふふ、嬉しいなぁ♡
でも、ダメ。
彼の手を掴んで、制止する。
「言ったはずだよ、お仕置きだって♡
透真は、アタシが絶頂するまでおあずけ♡」
「なっ……」
透真が苦しそうに顔を歪める。
アタシの言うお仕置きがどういうものか、彼も理解したのだろう。
「透真はまだ、アタシと交尾できませ〜ん♡
アタシがイクまで、アタシのオナニーを見ててね♡
あっ、ムラムラしたからって自分でおちんちんシコシコするのはナシね♡
それと、アタシから目を背けるのも禁止♡
アタシが愛液でびしゃびしゃになりながら気持ちよくなってるトコ、全部見てね♡」
おあずけ。キミだけの発情しきった雌が煽るように自慰に耽っているのに、おあずけ。
自分で男性器を慰めることもできず、ただアタシの痴態を見せつけられるだけ。
辛いよね?おちんちんが泣くみたいに先走りを垂らしてるもん。
今すぐアタシを押し倒して、準備万端の発情おまんこにおちんぽ突っ込みたいよね♡
それで、思う存分精液ぶちまけて、アタシを犯し尽くしてやりたいよねぇ♡
だから、ダメなの。
だから、お仕置きなの。
「んぁぁあぁっ♡おまんこ、きもちいいよぉっ♡入り口のとこっ♡指先ですりすりっ♡
乳首も、コリコリっ♡んひっ♡いいよぉっ♡こうやって、乳首つまんで、きゅっきゅってすると……ひゃうっ♡」
わざと大きな声で喘いで、全力で彼を欲情させていく。
きっと今すぐにでもアタシですっきりしたいだろうに、唇を噛んで必死に耐えてるね♡
「んふっ♡んふふっ♡アタシの言いつけ守って、偉いねぇ♡
ほらっ、ほらぁっ♡好きなだけアタシを見て好きなだけムラムラしていいからねぇっ♡
キミ、アタシにどんなオナニーしてほしいかなっ♡
どうせなら、キミが一番興奮できるやり方で、オナニーしてあげるよっ♡
あぁっ♡今みたいに、んんっ♡入り口弄りながらの乳首コリコリが好きかいっ♡
それとも、クリトリスを指で摘んでっ♡シコシコしたほうがいいかなっ♡
恥ずかしいけど……キミが望むなら、後ろの穴でイッてもいいよ……♡」
嗚呼、いけない。お仕置きなのに、つい彼を甘やかしてしまう。
でも、いいよね♡透真にとって一番シコいやり方でオナニー見せたら、もっともっと興奮しちゃうもんねっ♡
興奮しちゃったら、耐えるのがどんどん辛くなっちゃうもんねぇ♡
「別に、なんでも…………」
「なんでもいいはダメで〜すっ♡」
遠慮がちな透真の言葉を遮る。
彼はいまいち、アタシがどういう存在なのか分かってないのかなぁ?
おかしいなぁ。ちょくちょく伝えてたと思うのに、上手く伝わってなかったのかな?
「きゃんっ♡ひっ♡アタシっ♡キミのモノなんだよっ♡
キミの雌なんだよっ♡キミが、なにしたっていい女なんだよっ♡
だからキミは、あんっ♡アタシに、なんだって望んでいいのっ♡」
アタシは──エディアは、透真を愛してる女で、彼専用の道化で、彼だけの雌なの♡
透真を幸せにするための存在で、彼を気持ちよくするためのエッチな恋人なのっ♡
それなのに遠慮するとかぁ、そんなのってなしだよねぇ♡
まぁでも、彼は簡単には本心を言ってくれないんだろうな。
アタシに嘘ついて、“寂しくない”なんて言っちゃう子だ。
根本的に、本音を素直に吐き出すってことが得意じゃないのは分かってる。
「ほらぁ、言ってぇ♡アタシ、してほしいことを言ってくれる子のほうが、好きだよっ♡
今の透真も、素敵だけどぉ♡ちゃんと、したいこと言ってくれたら、もっと素敵だし、もっと好きになっちゃうなぁ♡」
なので、ズルさせてもらうよ。
ボギーの魔力は、人の感情を露出させる力がある。
こういう言い方をしたら、褒められたい、もっと好きになってほしい、って思っちゃうだろうね。
意地の悪いやり方なのは分かってるさ。でも、こうでもしないと素直な良い子にできないからね。
「っ、あー…………クリトリスと、お尻で絶頂するとこ、見てみたい」
小さな声で、恥ずかしそうに、彼は自らの欲望を吐き出してくれた。
「んふふっ♡かしこまりましたぁ♡」
道化はただ、主人を愉しませるだけだ。
クリトリスを摘んで、愛液で濡れた指先を後ろの穴にあてがう。
「はぁっ♡はぁ、あんっ♡……っ♡んあぁっ♡ああぁぁあぁぁぁぁぁっ♡♡」
女の子の敏感なところを思い切り擦り上げて、恥ずかしい穴に指を滑り込ませる。
やばい、やばい、やばいっ♡気持ちいいっ♡
透真に、最愛の人に、命令されてとっても恥ずかしいことしてるっ♡
その事実が興奮を煽ってどんどんアタシの感度を上げていく。
「見てっ♡見て見てぇっ♡アタシの、恥ずかしいオナニーっ♡
いっぱい、いっぱいっ♡見てくださいぃっ♡」
手加減なし。容赦なく陰核を撫で回し、アナルに指を出し挿れする。
びんびんに勃っていたクリを擦る度に焼けるような快感が走る。
後ろの穴を弄れば、切ないようななんとも言えない感覚に悩まされた。
「あぁっ♡あひぃっ♡気持ちいっ♡気持ちいいよぉっ♡
視姦されて恥ずかしくて気持ちいいのぉっ♡
クリっ♡シコシコらめぇぇっ♡おしりもっ、ひゃぁっ♡じんじん、しちゃうよぉっ♡」
自分で自分を責め立てて、徹底的に追い込んでいく。
だって、そのほうが彼が愉しめるから……♡
アタシがよがってるの透真がいっぱい見てくれてるから♡
たくさん、たくさん愉しんでくれるように♡アタシは、艶やかな悲鳴を奏でていく。
「んひぃっ♡おちんちん、ビクビク跳ねてるぅっ♡
アタシがクリ虐めておしりかき回してるの見てビクビクしてるんだねぇっ♡
これ好き?好きだよねっ♡性奴隷みたいに命令されてエッチな見世物してるもんねっ♡
あぁんっ♡いいよ、いいよ、いいよぉっ♡アタシをいやらしい目で見てぇっ♡
クリを擦りまくって、同時にアナル弄って気持ちよくなってる淫らな雌をっ♡
いっぱい、いっぱいっ♡視姦してくだしゃいぃぃぃっ♡」
煽る、煽る、煽る。これでもかってくらい口を回して、煽る。
透真が最大限興奮しちゃうように、はしたない言葉を矢継ぎ早に。
アタシをどんどん追い詰めるために、卑猥な言葉を紡いでく。
これやばいよねっ♡透真、ケダモノみたいに息が荒いもんっ♡
それに、おちんちんがぴくぴくって跳ね回ってるもんねっ♡
「はぁっ♡はぁっ♡あぁっ♡おまんこと、子宮っ、疼くぅ……♡
きゅんきゅんして、つらいよぉ……っ♡」
自分の身体を責める度に、目の前の肉棒が視界に入る度に、透真の顔を見る度に。
アタシの奥が甘く痺れて、どうしようもなく疼いていく。
「挿れたいっ♡奥っ、先っぽでコツコツされて、ナカをぐちゅぐちゅえぐられたいぃ♡」
魔物にとって最愛の男性というのは、唯一にして至上のごちそうのようなものだ。
食べ頃のそれが、今、目の前で、物欲しそうにしている。
ちょっと腰を動かせば、食べられる。この疼きを癒やしてくれる。
ほしい。ただひたすらに、ほしい。
セックスしたい、美味しそう、交尾したい、奥に挿れたい、気持ちよくなりたい。
オナニーすればするほどに、この飢えは加速していく。
アタシは、彼と繋がる快楽と歓びを覚えてしまっている。
故に、自慰なんかじゃ到底満足できない。
それどころか目の前にある最高の悦楽を求めて、より一層心が乾いていくばかりだ。
「あぁぁっ♡あぁああぁっ♡たりないっ、切ないのっ♡
おまんこ、ほしいっ♡満たされたいよぉっ♡」
気持ちいいのに、寂しくて切ない。
きっと……ううん、絶対に。交わらなきゃ、アタシの心は満たされない。
「でもっ、でもでもでもぉっ♡おしおき、だからぁっ♡
だから、つらくてもっ♡ハメハメしないのぉっ♡」
そう、これはあくまでお仕置きだ。
寂しいときに寂しいって言えない彼へのお仕置きだ。
アタシ達ボギーは、悪い子を素直な良い子に変える。
悪さを咎める者のいない子を、自らを省みることができない子を、変える。
透真は、悪い子だった。
独りの寂しさを打ち明けられない子、寂しいって言わない悪さを咎められなかった子、それを省みることができない子。
そんな子だから、アタシは絶対に変えないといけない。
だって、寂しいのって、苦しいから。アタシの大切な人に、寂しい想いはして欲しくないし、寂しいときは寂しいって言ってほしいから。
「ふーっ♡ふーっ♡……おまんこ、せつないよぉぉっ♡
もう、いつでも挿れられるのにぃぃ♡挿れられたいのにぃ♡
愛液あふれさせして、ほしいほしいって、ないてるのぉぉっ♡」
そしてこれは、アタシへの罰だ。
アタシもまた、至らない恋人だった。未熟な雌だった。
彼がどんな人生を歩んで、どれだけ寂しい思いをしてきたかを、知ろうとしなかった。
もっと早く、彼と一緒になれたはずなんだ。
もっと早く、彼の寂しさを埋められたはずなんだ。
アタシは、舞い上がってしまった。
自分だけの運命の人を、愛すべき人を手に入れた悦びで。
そんな人に愛されて、甘やかされる快楽に舞い上がって、彼の不幸せな部分を見つけられなかった。
なら、罰が必要だ。
悪い子には……アタシには、お仕置きが必要だ。
「ひゃんっ♡いひぃっ♡せつないのに、きもちいいの、あがってくるぅぅっ♡
じんじんって、きちゃうっ♡きちゃうぅぅ♡」
腰をヘコヘコさせて、惨めに快楽に耽る。
必死に虐め抜いたクリも尻穴も、限界が近い。
「透真、とおまぁっ♡ゆるしてっ♡アタシ、イッちゃうからぁっ♡
だめだめな道化をっ、だめだめなアタシをっ、ゆるしてくださいぃっ♡」
許しを請いながら、一直線に絶頂へと駆け上がる。
「あ、あっ♡あっ、あんっ♡あぁぁっ♡アタシっ♡アタシに、言ってっ♡
みっともなく絶頂しろって、いってっ♡めいれいしてっ♡おねがいっ♡
もとめられたいのっ♡とおまにっ♡ゆるひてっ♡おねがい、おねがいしますぅぅっ♡」
嗚呼、アタシ。酷い格好してるんだろうなぁ♡
股を大きく開いて、股間の突起と後ろの穴から卑猥な音を響かせて、泣きそうな顔で媚びちゃってる♡
アタシは、道化だ。
透真の、道化だ。
道化はご主人さまを愉しませなきゃいけない。
ご主人さまの許しもなしに、つまんない絶頂なんてしちゃいけないんだ。
そう、だから乞うの。イかせてください♡イかせてください、って♡
惨めに、媚びへつらって、愉快に、煽るように、痴態で愉しませるの♡
「イクっ♡イっちゃうぅぅ♡クリとおしりでイッちゃいますぅぅぅぅっ♡
みててっ♡おねがいしますっ♡アタシっ♡ゆるしてくださいっ♡
イクのゆるしてっ♡イかせてっ♡あっ♡あっ♡あっ♡あぁぁんっ♡」
もう自分がなに言ってるかも分かんない♡
ただ必死に媚びてるだけだもん♡
嗚呼、ダメ。イキそう♡
気持ちいいの登ってきた♡
イク♡ダメ♡イク、イクっ、イクぅぅっ♡
「…………あー」
気持ちよさの限界点。
そこに到達したとき、ふと透真が口を開く。
それから、彼は優しい声で、アタシに言った。
「エディアが気持ちよくなってるところを、見せてほしい」
その声は、アタシにとどめを刺すには十分過ぎた。
大好きな彼の声が、心地いい声色が、アタシの耳を犯して、頭の中を甘く揺らす。
「ぁ────」
それは彼からの素直な要求であり、絶頂の命令と許し。
じゃあ、彼を愉しませるための、専属道化のアタシがどうなるかは、簡単だった。
「────んあぁぁぁあぁああぁぁぁぁぁっ♡イクっ♡イクぅぅぅぅううぅぅぅっ♡」
腰が何度も跳ねて、ナカから潮が吹き出す。
背中を反らして、ガクガクと痙攣する。
「イッてるっ♡イッてますぅぅぅぅっ♡
あぁあぁっ♡きもちいっ♡きもちいいですぅぅぅぅっ♡」
オナニーして、余すとこなく視姦されて、絶頂許可出されて、潮をぴゅっぴゅっと吹いて、イク♡
恥ずかしさに焼かれて、それがまた気持ちよくなって、アタシの内側がドロドロに蕩けちゃう♡
「あ……♡あぁ……っ♡イッ、ちゃったぁ…♡アタシ、イッちゃったぁ……っ♡」
未だに身体は不規則に跳ねていた。
それでもどうにか息を整えて、アタシの下の透真の姿を確かめる。
彼はと言うと、酷い有様だった。
アタシから零れた蜜で、下半身はぐちょぐちょ。
加えて、上の方もアタシがぶちまけてしまった潮で、顔まで汚れてる。
「嗚呼……ごめんねぇ。顔に、お潮吹いちゃった……♡すぐに、綺麗にするね……♡」
「いいよ。困んないし」
そう笑って、透真はぺろりと顔についた愛潮を舐め取った。
彼が、アタシのものを口にしてくれた。お潮、舐められちゃった……♡
それがなんだ嬉しくて、アタシの子宮がまた疼いてしまう。
「っ、はぁ……♡れぇろ♡んっ♡」
アタシが汚しちゃった透真の顔を舐め回していく。
このときのアタシは、綺麗にしようとかそんなことは考えてなかった。
ただ、彼が愛おしくて、舌を這わせたくって、気づいたらぺろぺろしてた。
「んぁぁ……♡お仕置き、よく耐えたねぇ……♡
えらい、えらい……♡おあずけ、辛かったよねぇ……♡」
ちゅっ、ちゅっ、と顔中にキスをしながら、透真の頭を撫でてて何度も褒める。
「…………エディアのほうが、なんか辛そうだったけど」
「んふふ……♡うん、辛かったかなぁ。今すぐにでも交わりたいのに、我慢してさ……
それに、透真が寂しい思いをしてたのとか、気づけなかったのが……辛かったなぁ」
アタシ今、どんな顔してるのかな……
笑ってるつもりなんだけどな。
でも、間近で見る透真は、そんなアタシを見て悲しそうな顔をしてる。
「ごめんね、エディア」
ぎゅっ、て抱きしめられる。
それから、頭をなでなでされちゃう。
「んぅ……♡」
髪を梳かすように、穏やかに撫でられる。
彼にそうされると、なんだか心が暖かくなって、幸せな気分になってしまう。
「…………なんか、オレの身の上のこととか、あんまり話したくなくってさ」
ぽつり、ぽつり。
呟くように、透真が零す。
「うん……分かってるよ。辛いこと、だもんね」
分かってるんだよ、アタシだって。
そんなこと言いたくないってことくらい。
「分かってるけど……知りたかった。
キミが辛かったこと、寂しかったこと……知りたかったよ」
分かってるんだよ、アタシが無理言ってることくらい。
言いたくないことなんて、言うはずがない。
アタシだって教えてくれなんて求めなかった。
それなのに今更知りたかったとか、そんなの無理だし無茶苦茶だ。
けど、けどね。
酷い我儘でも、無茶苦茶でも。
アタシは、ただ────
「アタシは、キミを幸せにしたいよ」
アタシはただ、そう願うよ。
そういうものなんだよ、アタシは。
「寂しいときは、抱きしめたいよ。
人肌が恋しいときは、寄り添いたいの。
泣きたいときは、胸を貸してあげたいな。
苦しいときは、甘やかしたりしてさ……」
透真の頬に、触れる。
白い指先で、優しく、慈しむように。
「毎日さ、愉しませたいな。手品とか、お喋りとかで。
でもって、くだんないことで笑い合ってさ。
それからたくさん、たくさん、キスして。
いっぱい、いっぱい、繋がって……愛し合って」
ちゅっ、と彼に唇を落として、言う。
「……寂しいって思う暇もないくらい、幸せにしたい」
だってキミは、アタシの大好きな人なんだから。
愛してる人に笑ってほしいって思うのは、当然のことなんだから。
「………………ありがと。こんなオレを、想ってくれて」
アタシの願いを聞いて、今度は透真からキスされる。
優しい口づけ。蕩けてしまいそうな、甘いキス。
「寂しくなかったよって言ったの、嘘だけど……でも、今は寂しい思いはしてないよ。
まぁ、そりゃ、家で独りってのは寂しかったし、ずっと誰かが恋しかったけどさ」
彼の眼差しに、射抜かれる。
真っ直ぐで、アタシしか写ってない、瞳。
どこまでも引き込まれてしまいそうな、強い眼。
それに見つめられて、目が反らせない。
「エディアと出会えてから、寂しいって思うことはなかったよ」
「あ…………っ♡」
撫でられてた頭が、ぎゅぅって抱き寄せられる。
「エディアと出会えて、そして付き合えて、本当に良かったって思う。
オレの傍にいてくれるのが、他の誰かじゃなくて、他でもないエディアで良かった」
抱きしめられて身動きできないアタシに降り注ぐのは、愛の言葉。
アタシで良かったっていう、最上級の賛辞と、最大級の愛情。
「ありがとう、エディア。その……素直にこういうの言うのは照れるんだけどさ……」
恥ずかしそうにはにかんで、彼はアタシに、致命的な愛を囁いてくれる。
もう二度と手放せなくなるような、透真に沈んで、堕ちていくような、そんな愛を。
「オレは、エディアと一緒に幸せになりたい」
耳元で伝えられた、最愛の人の願い事。
それに、一匹の雌に過ぎないアタシが、抗うことはできなかった。
アタシの全部、身体も心も、髪の毛一本から魂まで、全てが透真に奪われた。
透真の全部、身体も心も、髪の毛一本から魂まで、全てが欲しくてたまらなくなった。
嗚呼、無理だよ。絶対に無理。
抵抗なんてできるわけがない。
堕ちきったよ、アタシ。
完膚なきまでに、キミに。
「ん、ふふ……♡アタシも、だよ♡アタシも、透真と幸せになりたいな……♡」
にやけるのが止まらない。
幸せになってるのが隠せない。
彼の首元に顔を埋めるのが、精一杯。
でも、アタシは、キミをもっと愉しませる道化。
もっともっと幸せを上乗せしたい貪欲な魔物。
だからひとつ、意地悪させて……♡
「ねぇ、言って♡キミの言う『エディア』が『アタシ』だって分かるように…♡
同じ名前の他の誰かじゃなくて、他でもない『アタシ』だって、分かるように……♡」
あれ、おかしいな……
もっと余裕で道化的で、意地悪な声で言うつもりだったのに。
なんでかな、必死で媚びるような、雌みたいな声しか出ないや…♡
「あはは……そっか。じゃあ、そうだね」
ちょっとだけ困ったように笑って、おふざけに付き合ってくれる。
なんだかそれが幸せで、胸の奥がぽかぽかした。
「……魔物で、ボギーで、オレと付き合ってくれてる女の子で、オレが誰よりも愛してて………」
囁かれる言葉が、ひとつ、ひとつ、丁寧にアタシを犯していく。
もうキミなしじゃ生きられないくらいに、キミが好きでどうにかなりそうなくらいに♡
「可愛い道化みたいな人で、寂しいときには傍にいて欲しいって思う人で、傍にいてくれる人で、オレを想ってくれる人で……」
キミ、優しい子だって思ってたよ。
でも、違うね。ヤバイよ、キミ♡劇物だよ、こんなの♡
こんなの、こんな愛情、逃げられないように抱きしめられて、間近で囁いて♡
「オレを幸せにしたいって頑張ってくれる大好きな人で、オレが幸せにしたいって思う愛してる人で……」
狂わされちゃうよ、アタシ♡
キミ狂いの発情しきった雌になっちゃうよ♡
「一緒に幸せになりたいって思う、エディア」
やっぱり、悪い子だって、キミは♡
アタシの心を、こんなにも奪うんだもん♡
けどとっても良い子だよ、キミは♡
アタシの欲しいものを、溢れるほどにくれるんだもん♡
だって、キミ。まだ、口を閉じてないね?
ねぇ、まだ壊すのかい♡
もうどうにもならないくらい、キミに狂ってるのに♡
まだアタシに甘い愛を突き刺してくれるんだぁ……♡
「──そんなエディアのことが、大好きです。
──どうかこの先ずっと、オレと一緒にいてくれませんか?」
「────はい」
透真の愛の告白に、アタシは短く答えることしかできなかった。
「んちゅぅっ♡んぁ♡ちゅっ、ちゅっ♡んん〜っ♡」
弾かれるように、アタシは透真の唇を奪って、貪るように舌を絡め、唾液を啜る。
嗚呼、ここまで愛を囁かれて、耐えられる魔物が、雌がいるだろうか?
いいや、いないね♡我慢とか絶対に無理だね♡
「ちゅっ♡ちゅぅぅ♡んむっ♡はぁっ♡ん、んんっ♡」
唾液を混ぜ合う音がする。
舌が蕩けちゃいそうなほどに、甘い味がする。
テクニックもなにもない。ただ貪欲に、愛しい人を求めてるだけ。
それに、彼も応えてくれる。
アタシの舌を舐めて、絡めて、気持ちよくしてくれる……♡
「っ、はぁっ♡………ん♡…はぁ、はっ、はっ、はっ……♡」
一度、くっつけ合っていた唇を離す。
てらてらとした唾液の糸が、ぷつりと切れて透真に落ちた。
「んふふ……♡もう、アタシ……限界だよ♡そんなこと、言われちゃったらさぁ……♡
それに、キミのおちんちん見せつけられて、キミをおかずにオナニーして、交わるのを我慢して……♡
はぁっ……♡おまんこ、限界ぃ……っ♡うずうず、きゅんきゅん、してるぅ……♡」
さっきイッたというのに。ううん、イッたからこそ、疼いてる。
物足りない自慰じゃなくって、愛する人から与えられる快楽でイキ狂いたいって、愛液垂れ流してる。
「透真も、もう限界だよね♡おあずけされて、限界だよねっ♡
キミだけの発情雌道化が、裸になって、キミとずっとくっついてたんだもんねっ♡
いいよ、いいよっ、いいよぉっ♡頑張った子にはご褒美をあげちゃうよっ♡」
言い終わる前に、足を大きく開いて仰向けに寝転がる。
そのまま両手でとろとろになったおまんこをくぱぁって広げるのも忘れない。
「ほらほらっ♡イッたばっかりで敏感なアタシのナカ、好きにしていいよっ♡
指で広げて、ちょっと空気に触れてるだけでじんじんして、気持ちよくなっちゃうクソザコおまんこだよっ♡
きっとキミにおちんちん挿れられるだけでイッちゃうだろうねっ♡
いいんだよ♡好きなだけめちゃくちゃにしていいんだよっ♡
我慢するの辛かったよね。イヤだったよねっ♡そのぶん思いっきりハメハメしちゃっていいからぁっ♡」
大好きな透真を、全力で誘惑する。
するんだけど、これって誘惑じゃなくて、必死におねだりしてるみたいだね♡
まぁいいや♡おねだりでもなんでもさぁ♡
気持ちいいことして愛し合うんならなんだっていいや♡
「透真のおちんちん、アタシを犯したいよぉっておっきくなってるよねぇっ♡
アタシもそうなのっ♡犯して、って入り口ひくひくして、媚びへつらってるんだよっ♡
見えるよねっ♡アタシがおまんこでおねだりしてるとこっ♡
挿れてほしそうにぱくぱく痙攣して♡キミに慰めてほしそうにしてるとこっ♡」
ぺらぺらぺらぺらと口が回る。
これ、止まらないね。
透真にぶち込まれて繋がれるまで止まってくれないね。
それまでアタシのこの口は、淫らな言葉で挿入をねだり、煽り続けるだろうな。
「あぁんっ♡お願いっ♡挿れてぇっ♡
切なすぎてつらいのっ♡おねがい、おねがいぃっ♡
おちんぽで膣壁えぐられてっ♡アンアン啼かされたいのぉっ♡」
「大丈夫、分かってるよ。オレもエディアと繋がりたいから」
ゆっくりと、透真がアタシに覆いかぶさってくる。
彼の息遣いに、匂いに、頭がクラクラした。
「っ♡あぁっ♡んん〜〜〜っ♡♡」
ぐちゅり。股の間から、快感が広がった。
亀頭が入り口に押し当てられてる。
今から犯すって、繋がるって、そう言われてるみたい……♡
「いくよ、エディア」
「うんっ♡きてっ♡一気に奥までっ♡
ナカほぐれててお汁でぬるぬるだからっ♡
乱暴にぶちこんでいいからぁっ♡」
挿れられたい。一息に、透真のモノを感じたい。
愛おしい人のモノで貫かれたい。
「っ…………!」
その欲求を満たしてくれるように、太くて硬い肉の棒が、とうとう挿入される。
「あ゛っ♡」
アタシが求めたように、一気に。
おちんちんが滑り込んで、勢いよく蜜壺をかき分け、奥をこつんと叩いた。
「あ、あぁ、あっ、ひゃああああぁぁぁあぁああぁぁああぁぁあぁぁぁああ♡♡♡」
イッた。
本当に、挿れられただけでイッた。
身体が跳ねる。アタシの内側がびくびくって震える。
目の奥がチカチカして、与えられる快楽に蹂躙される。
「……エディア、絶頂した?」
「ひゃんっ♡いぎっ♡い、イッたっ♡イッちゃってるっ♡
らめっ♡きもちいっ♡んあぁぁぁっ♡なかっ♡かってにしめてっ♡
おちんぽっ、かんじちゃってるぅぅぅっ♡」
絶頂した膣内が締まって、より強く男性器を感じてしまう。
熱くて、太くて、硬くて、美味しい♡
その快楽によがり狂うが、奥深くまで穿たれたアタシに逃げ場はない。
こうなれば最早、アタシにできるのは透真から叩きつけられる快感に喘ぐことだけだ。
「とおまっ♡とおまぁっ♡うごいてっ♡うごいていいよっ♡
アタシをいじめまくっていいよぉぉっ♡パンパンって♡シてぇぇっ♡
またイクからぁっ♡ぜったい、ちょっとうごいただけでアタシ、イクからぁぁっ♡
ひゃあぁぁぁぁぁっ♡きもちいいよぉぉぉぉっ♡♡」
「……エディアはイきたいの?しんどかったら落ち着くまで待つけど…………」
心配してくれてるのかな?
まぁちょっと挿れられただけで絶頂して跳ねまくってるんだもんね。
そりゃ心配になっちゃうか。んふふ♡そういう優しいとこ好きだなぁ♡
でもでも、アタシは大丈夫だよぉ……♡
「イきたいっ♡イかせてぇっ♡もっともっと♡おかしてほしいのぉっ♡
とおまに、もとめらたいっ♡アタシを、あいしてぇぇっ♡♡
アタシもっ♡いっぱい、ひぃっ♡きもちよく、するからぁぁっ♡」
しんどくなんてないよ♡
好きな人の手で絶頂させられて嫌がる魔物はいないんだから♡
「ありがとう。じゃあ、気持ちよくされるよ」
軽く、透真がおでこに口づけを落とす。
触れるだけの穏やかなキス。
アタシを労るような口づけ。
でもきっと、それが最後の優しさ。
透真の目、今から番いの雌を犯し尽くす、雄の目だもん♡
「それで、エディアのことを気持ちよくできるように頑張るよ」
口調は柔らかだけど、顔はどこか嗜虐的に笑ってる。
そんな彼が、逃さないようにと両手で腰を掴んで、アタシを固定する。
やばい、と思ったときにはもう遅かった。
「〜〜〜〜〜〜〜っ♡♡♡」
入り口ギリギリまで引き抜かれ、それから再び奥まで挿れられる。
出したり挿れたり、出したり挿れたり。
カリ首にひだが引っ掻かれたかと思えば、その直後には肉の棒に収縮する膣壁を押し広げられる。
その刺激にまだ絶頂から降りきれていないアタシは、為す術なく再び絶頂させられた。
「ひぃぃぃっ♡イクっ、イクイクっ♡イクぅぅぅっ♡♡ひだひだ、こしゅられてぇっ♡
あっ♡あっ♡そこっ、おくっ♡おく、らめっ♡ひゃあぁぁっ♡おくっ、コツコツって♡
らめ、それイクっ♡しきゅうの、いりぐちっ♡さきっぽと、キスしてるぅぅっ♡♡」
コンッ、コンッ、って何回も子宮口に亀頭がめり込む。
その度に頭が真っ白になって、最奥から熱いのが広がっちゃう♡
加えて、激しく膣内をえぐられる感覚もアタシを悩ませた。
気持ちいいところが、根こそぎ削ぎ取られる悦楽。
壁も、ひだも、奥も、入り口も、膣内全部が気持ちいい。
どこを責められても絶頂に押し上げられる。
「ああああっ♡♡とおま、みてっ♡アタシの、イキまくってるとこっ♡みてみてぇっ♡
がくがくしててっ♡んひぃっ♡よがって、あえいてでるとこっ♡たくさん、みてっ♡
ひぃひぃ、いわされてっ♡なかされてるとこ、みててっ♡それでね、それでねっ♡
たくさんっ、たのしんでっ♡アタシで、たくさんっ♡たのしんで、くだしゃいっ♡♡」
たくさん気持ちよくなってほしい。たくさん愉しんでほしい。
だってアタシは道化で、透真だけの雌だもん。
雌は番いの雄を……旦那様を気持ちよくさせないといけないの♡
道化はご主人様を愉しませないといけないの♡
だからね、喘ぐ。喘ぎまくって、悶まくって、イキまくる♡
愛しい旦那様でご主人様な彼を、最高に愉しませるために♡
「おちんぽ、きもちいい、ですかっ♡
アタシ、がんばって、きゃぁんっ♡おまんこ、しめてましゅっ♡♡
ぎゅっぎゅっ、って♡んんっ♡とおまが、きもちよく、なれるようにっ♡あぁぁっ♡」
「ありがと……!すごく、気持ちいいよ…っ!」
全力でナカを締めて、キツキツおまんこでおちんちんを扱く。
うねる襞で逸物を包み込んで先端から裏筋までを撫で回してあげる。
彼、気に入ってくれたのかな。とっても気持ちよさそうにしてくれてる……♡
「ん、ふふっ♡えらい、えらいっ♡アタシを、こんなにっ、あひぃぃ♡きもちよくさせて、くださってぇ♡ありがとう、ございましゅぅっ♡
いいこ、ですねっ♡あ、あっ♡あんっ♡そこっ、そこもっと♡もっと、おかしてぇっ♡
アタシをっ、おかして、ひゃぁっ♡えらい、ですっ♡いひっ♡いいよっ♡そうやって、アタシをっ♡めちゃくちゃに、してぇっ♡」
両腕を伸ばして彼を抱きしめ、片手で頭を撫でる。
その間ずっと、えらいえらいと褒めてあげる。
アタシを犯してえらいね♡アタシを気持ちよくしてえらいね。良い子だねって♡
んふふ♡褒められると嬉しいよね♡もっと褒められたくなっちゃうよね♡
「っ!エディア……!」
うん、もっと褒められたくなっちゃったら、そうだよね♡
「あひぃぃぃぃぃいいぃぃっ♡♡はげしっ♡はげしいよぉぉぉぉっ♡
ひゃぁぁぁっ♡♡らめらめらめぇぇぇっ♡♡よわいとこ、そんなはげしくっ♡せめちゃっ♡らめぇぇっ♡」
アタシをイかせて褒められるなら、もっとイかせようって激しくしちゃうよね♡
んふふっ♡えらいよ、良い子だよ♡エッチな魔物を気持ちよくしてあげるのはとってもえらいねっ♡
「たのしいっ、かなっ♡とおま、たのしんでる、かなっ♡
アタシ、とおまに、あぁっ♡きもちよく、してもらえてっ♡しあわせだよっ♡♡
とおまも、しあわせ、かなっ♡アタシっ、いっしょにぃ♡んぁっ♡いっしょに、しあわせに、なりたいよぉっ♡♡」
「幸せだよ!オレ、エディアと一緒になれて!本当に、幸せだよ!」
「ん、ふふっ♡しあわせっ♡いいよぉっ♡このままっ、しあわせせっくしゅ、しよっ♡」
舌を突き出して、とろんとだらしなく笑って、透真との幸せに耽溺する。
もう気持ちいいことと、彼のことしか分かんない♡
幸せすぎて、頭パーになっちゃう♡
「エディアっ、好きだよ!大好き、愛してる!この世の、誰よりも!」
「っあぁぁ♡それっ、それらめっ♡あいしてるって、いわれたらぁっ♡
しきゅうっ、きゅんきゅんしてぇ……んぁぁぁっ♡おまんこまたイクぅぅぅっ♡♡」
愛してるの言葉責めに、あえなく絶頂する。
これやばいっ♡大好きな人に、大好きって言われるのやばいぃ♡
嬉しすぎて、幸せすぎて、どうにかなっちゃいそう……♡♡
「アタシっ♡アタシもっ、すきっ♡すきっ、すきぃっ♡しゅきなのっ♡
だいしゅきっ♡とおまが、だいしゅきですっ♡あいして、ますぅっ♡」
幸せと快楽でダメになった頭で、精一杯の愛の言葉を紡ぐ。
「んむっ♡んちゅっ♡ちゅぅ…………♡♡んんっ♡」
けど、それさえも彼からのキスで塞がれて、貪り尽くされる。
下のお口はおちんぽでぱこぱこ気持ちよくされて、上のお口は舌で舐め回されちゃう♡
身体も心も全て快感で蹂躙されて、最早アタシにできるのはがくがく震えてイキ狂うことだけ♡
「はぁあんっ♡キス、しゅきぃぃ♡もっと、していいですよぉ♡
アタシもっ、いっぱいっ♡ごほうし、しますからぁっ♡」
口づけをせがめば、彼はまたアタシとキスしてくれる。
あんあん喘ぐ口じゃ、入ってくる彼の舌を拒めない。
そのまま受け入れて、必死に絡め合う。
愛してるって伝え合うような深いキスは、とっても甘い味がした。
彼の味に酔いしれて、彼の唾液をこくこくと飲む。
その甘さが背筋を伝って、ゾクゾクと頭の中を快感で揺さぶった。
「っ、エディア……ごめん、そろそろ……っ!」
「あはぁっ♡もう、でそうっ♡せーえき、でちゃいそう、なんだねっ♡
いいよ、いいよ、いいよぉっ♡アタシのおくに、そそいで、くだしゃいっ♡
キミの、いんらん、どうけにぃっ♡キミだけの、アタシにぃっ♡
せーえきっ♡どぴゅどぴゅ、してくだしゃいぃぃいぃぃぃっ♡♡」
足を彼の腰に絡めてしがみつき、全身全霊で射精を懇願する。
ねぇ、透真。キミの目に映るアタシは、どう見えてる?
旦那様に媚びて射精を乞う可愛いお嫁さんかな♡
ご主人様を煽って精液を恵んでもらおうとしてる淫らな道化かな♡
あるいはキミに気持ちよくしてもらうことしか頭にない性奴隷かな♡
それか、キミに狂ってキミ堕ちてキミが大好きな雌かなぁ♡
んふふっ♡なんだっていいや♡
だって全部、アタシなんだから♡
アタシは、可愛いお嫁さんで、淫らな道化で、性奴隷で、キミが大好きな一匹の雌♡
キミを愉しませて、悦ばせて、幸せにして……そして、一緒に幸せになるの♡
「あぁぁっ♡アタシも、イクぅっ♡おっきいの、きちゃうぅっ♡
おねがいっ♡いっしょに、イかせてぇっ♡とおまと、いっしょに、イキたいのぉっ♡
いいよねっ♡おねがいしましゅっ♡いっしょにイクこと、ゆるしてくだしゃいぃっ♡」
「うん……!オレも、一緒がいいから……っ!」
アタシのおねだりに、透真は全力で応えてくれた。
ストロークはより激しさを増して、アタシの弱い所を重点的に責めてくる。
「ひぃぃぃぃぃっ♡やばいやばいやばいぃぃぃっ♡
もうらめぇぇぇっ♡♡ああぁぁあぁあぁぁぁっ♡♡」
キミだけのよわよわなおまんこが、そんな激しいのに耐えられるわけがない。
こんなの、すぐイかされちゃうって……♡
「エディアっ……出すよ……っ!」
「はいっ♡はひぃぃぃっ♡アタシも、きちゃいましゅぅぅぅぅっ♡おまんこぐちゅぐちゅされてイクぅぅぅぅぅっ♡らめらめらめらめぇぇぇぇぇぇぇっ♡♡
ゆるひてぇぇぇっ♡アタシを、だめに、してくだしゃぁぃぃぃぃぃぃっ♡♡キミだけのだめだめな、およめさんに、してぇぇぇぇぇっ♡♡」
「っ、ぅ…………!!」
射精寸前の震える男性器が、アタシの奥深くを突き刺して、えぐる。
子宮全体が揺れるような感覚と、あまりに強すぎる快楽。
それがとどめになって、アタシは深く絶頂へ導かれた。
「ひゃぁぁあぁぁぁぁぁあっっ♡♡イクっ♡イクイクイクぅぅぅぅぅうぅぅっっ♡♡」
どぴゅっ♡どぴゅっ♡びゅるるるぅぅぅっ♡♡
最奥に精液が注ぎ込まれる。愛しい人の精子が叩き込まれちゃう♡
「あぁぁあぁぁぁっ♡♡あちゅいぃぃぃっ♡せーえき、きもちいいぃぃいいぃぃっっ♡♡
イクぅぅぅぅぅぅっっ♡♡なかだしされてまたイッちゃうぅぅぅぅぅ♡♡んあぁぁぁあぁあぁっっ♡♡♡」
子宮口を突かれてイッて、中に精液浴びてより深く絶頂する。
息もできなくなっちゃうくらいの絶頂。身体中が跳ねまくって気持ちいい以外の感覚が分かんなくなる。
「おちんぽはねるたびにイクぅぅぅっ♡イッてるぅっ♡ずっとイッてるからぁぁぁっ♡♡
ひぃぃいぃぃあぁぁぁぁあぁぁぁっっ♡♡またイッちゃうぅぅぅ〜〜〜〜〜っっ♡♡」
イキっぱなし。ちょっとおちんちんが跳ねただけでイッて、ちょっと精液出されただけでまたイク。
なんなら反射的におちんぽ締め付けるだけでイッてるし、中出しされた精液の熱さだけでイッてる。
いつまで経っても、絶頂から降りられない。
蕩けきった嬌声が止まんない。
何度も何度もイッて跳ねて、びくびくって震えて、透真を愉しませて。
アタシは、キミに愛されただけでよがり狂っちゃう淫乱な雌なんだってアピールして。
アタシは、キミが好きすぎてこんなになっちゃうんだよってイッて伝えて。
「しゅきしゅきしゅきぃぃぃぃぃ♡とおま、だいしゅきぃぃぃぃぃぃいいぃぃっ♡♡」
そんな好き好き絶頂を、何回も繰り返す。
叫ぶように喘いだ。
淫らに鳴かされた。
びくんびくん痙攣し続けた。
子宮に注がれた精液の甘さに酔いしれて。
彼からの愛に溺れきって。
幸せな気持ち持ちで満たされて……
……それからどれだけ経っただろう。
ようやく、アタシは絶頂から降りていくことができた。
嗚呼、やばい……♡降りたって言ったけど、まだ降りきってないや♡
余韻で甘イキしてるし、腰が砕けてへこへこしちゃってる……♡
「あへぇ…♡んふ、ふ……♡ちゃんと、中出しできて、えらい、えらい…♡
アタシを犯してるときの、透真……男の子って感じで、カッコよかったよ……♡」
もう少し大仰に褒めたかったんだけど……身体が言うこと聞いてくれないや♡
どうにか口を動かして、彼の頭をなでなでしたげるけど……今はそれが精一杯。
「んふふぅ……♡カッコいいおちんちんで、メロメロにされちゃったぁ……♡
あんなに、めちゃくちゃにされて……愛されちゃったら、ダメになっちゃうよぉ……♡」
「じゃあ……責任とって面倒見るよ。一生さ」
「っ♡あぁ……♡」
真剣にそんなこと言われちゃったら……困るよぉ♡
もっともっと好きになって、もっともっと尽くしたくなっちゃう♡
「責任、とってくれるならさぁ……♡毎日、アタシを抱いてね♡
それから、ご飯は一緒に食べて、お風呂も一緒に入って……♡
それでね、一緒に、おやすみして……ベッドの上でたくさん愛し合おうね……♡」
「あはは。とっても幸せな生活だね。
うん、オレもそんな風に、エディアと生きていきたい」
「んふふっ♡やったぁ♡らぶらぶ、だねぇ♡」
なんか顔が熱くなっちゃって、自分の頬を両手で覆う。
やば、アタシにやけちゃってる。ちょっと恥ずかしいし、口元も隠しとこ。
「んっ♡ナカ……まだ入ってる……♡」
そうやってちょっと身じろぎしたら、その刺激で下腹部がじんっ♡てなる。
嗚呼、そういや、アタシの突き挿れたまま、抜かれてなかったっけ。
まだ、硬いまま♡まだ、大きいまま♡
やばぁ、全然萎えたりしないじゃん♡
それだけアタシが気持ちいいのかな♡
だったらとっても、嬉しいなぁ♡
「あー、ごめん。なんかエディアと離れるのがちょっと、嫌でさ。収まらなくって……」
バツが悪そうに透真が言う。
そっかぁ、離れるのが嫌かぁ♡
「うん、うん♡素直でよろしい♡さて、そんな素直な透真に問題です。
こういうとき、キミのエッチなお嫁さんなアタシは、どうしてやったらもっと悦ぶでしょうか♡」
「……このまま繋がったままでいる、とか?」
「惜しいっ。いや、それもいいけどね?
けどさぁ……ねぇ♡アタシは好き放題、ヤリ放題、だよっ♡
そんな淫乱なお嫁さんには、どうするのが正解かなぁ♡」
「………………もう一回戦する?」
「んふふっ♡大正解っ♡ご褒美に、透真にはこれから一生好きなときにアタシを犯せる権利をあげちゃうよっ♡
アタシがお料理してるときも、お風呂入ってるときも、寝ちゃってるときも♡家でも外でもどこででも♡
キミはこの先永遠に、アタシを好きなときに、好きなだけ、好きなヤリ方で、犯しまくれるんだよぉ…♡」
「……なら、早速その権利を行使させてもらおうかな」
嗚呼、これはアレだね。
夜が明けるまで、もしかすると夜が明けても。
とことんまで愛されちゃうねぇ……♡
「いいね♡いいよっ♡好きなだけ、愛してねっ♡」
こりゃホントに狂っちゃうかもなぁ♡
んふふ♡幸せすぎて最高♡
それからまた、イチャイチャラブラブな陵辱が始まる。
結論から言うとアタシは、次の日の夜が空けるまで、徹底的に愛されて、アヘアヘ鳴かされちゃった♡
◆◆◆◆◆◆◆
夕暮れ。オレは足早に、細くて入り組んだ道を歩く。
これでも一応は高校生なので、今日は学校に行っていた。
で、今は下校中。寄り道もせずに、一直線に我が家へと帰る。
昔はよく寄り道とかしてたんだけどな。
ほら、家帰っても誰もいないし。
けど最近は、そんなことをする必要もなくなった。
嬉しいことに、一緒にいてくれる人ができたから。
さて、そんなことを考えながら歩くこと数分。
こじんまりとした我が家に到着する。
ポケットから鍵を取り出して、玄関を開けてそのまま家に入る。
「ただいまー」
「んふふっ♡おかえり、透真♡」
家に帰れば、そこには愛しい人。
エディアが、ニコニコと出迎えてくれる。
……なぜか、裸エプロン姿で。
「…………なんでそんな格好をしてるの?」
「ん〜?だって透真、前に言ってたじゃん。エプロン着てほしいって♡
んふふ〜♡キミは家庭的な女性が好きなんだよねぇ?」
そういえば前にデートしたときにそんなことを言ったっけ。
まぁ、でも、うん。丈の短い白いエプロンだけを身にまとって、大きな胸の谷間から太ももまで見せてくれる彼女の姿は、とても扇情的だった。
──あのデートの日から、オレの生活というのは大きく変わった。
というのも、エディアがオレと一緒に暮らしはじめたからだ。
彼女はしれっとこの小さな家に住み着いて、オレに尽くしてくれてる。
手品を見せてくれたり、家事をしてくれたり、寄り添ってくれたり……
そしてベッドの上でも、それはそれは献身的にご奉仕してくれる。
賑やかで、楽しくって、暖かな生活。
寂しさとは無縁の日々を、エディアはオレにくれた。
「嗚呼、そうだ。旦那様にこれ聞くの、定番だよねぇ♡
ほら、ご飯にする?お風呂にする?それともアタシ♡
まぁご飯はできてないしお風呂もできてないんだけど」
「キミしかないじゃん」
「んふふ〜♡そうだねぇ、アタシ一択だねぇ♡」
エディアが軽い足取りで近づいてきて、そのまま抱きしめられる。
柔らかな胸が押し当てられ、首に腕が回された。
そして彼女は、熱に浮かされたようにオレにキスをする。
「んっ♡……んふふ♡おかえりのキス、だよ♡
今日も一日、よく頑張ったねぇ♡えらい、えらい♡
そんなえらい子には、頑張ったご褒美をあげちゃうよ〜♡」
抱きしめられながら褒められるのは……嬉しい。
彼女に“えらい”って言われるのは心地よくって、もっと褒めて欲しいと思ってしまう。
子どもみたいだし単純もいいところ。とても自立してるなんて言えないな。
まぁ、いいや。嬉しいって感じてしまうことは仕方がない。
こんな愛おしい人に優しくされて、嬉しくないわけがないんだから。
「エディア」
彼女の名前を呼んで、ぎゅっと抱き返す。
腰と背中に腕を這わし、首元に顔を埋めて、いっぱいに彼女を感じる。
「いいよ♡好きにしちゃって♡学校行って疲れたよね?アタシと離れて寂しかったよね?
んふふ……♡でしたら、たくさん……癒やしてさしあげますね……っ♡」
大好きな人が、いてくれる。ずっと傍にいてくれる。
それがただひたらすらに、幸せだって思う。
「ありがとう、エディア。大好きだよ」
「うん♡アタシも透真のこと大好きで、ずっとずっと愛してる♡」
あぁ、これからずっと、オレはエディアと一緒に生きていくんだろうな。
責任とるって言ったし、オレもそうしたいし。
そしてなにより、エディアは絶対に、オレを逃さないだろう。
「嗚呼、大好きだなんて言われたからぁ、めちゃくちゃムラムラしてきちゃったなぁ〜♡
ベッドまで行けないや〜♡ねぇねぇ、もうここでヤろ?いいよね、いいよねっ♡」
「えぇっ!?」
「困っちゃって可愛いねぇ♡でもぉ、アタシ抱き潰されるまで動いてあげないからね〜♡
ほらほら、アタシは一切抵抗しないから♡足腰立たなくなるまで、犯し抜いてっ♡」
交わりを期待してか、胸やら股やらを擦り付けてくる。
そんなエディアの顔は、どこまでも幸せそうににやけきっていた。
……あぁ、本当に楽しい日々だ。
退屈だとか寂しいだとか感じる暇もない。
「んふふ♡この先ずぅっと、愉しく過ごそうね♡」
その言葉の通り、エディアはずっとオレを愉しませてくれるんだろうな。
ならオレは、エディアにたくさん愉しませてもらおう。
それで、オレもたくさん、エディアを愉しませてあげよう。
「「大好きだよ」」
お互い、考えることは一緒だったみたいだ。
被っちゃって、思わず吹き出してしまった。
ふたりで笑い合う。
楽しいね、愉しいねって。
それから、オレ達はもっと愉しくなりたくって、心いくまで身体を重ね合った。
よく晴れた公園へ足早に向かう。
別に急いでるわけじゃない。
それでも早足になってしまうのは、そこで待ち合わせている“彼女”のせいだろうか。
「まぁ、待ち合わせの時間にはまだ早いけど」
今着いたところできっと彼女はいないのに。
急いだって無駄なのは分かってるけれど、急く足は止められない。
その理由はとっても簡単。
オレがただ、彼女と会いたいってだけ。
「早く会いたいなんて、単純だなぁ」
自嘲気味に呟く。
あぁ、寂しいから早く彼女と会いたいとか、一緒にいたいとか。
なんか、子どもみたいだ。
参ったな。もうオレも高校生なのに。
それに、オレには“彼女”がいる。
一応は恋人がいる身として、もう少し自立したいところなんだけど……
なんて、そんなことを考えているうちに目的地に到着する。
午前9時30分の、人気の少ない公園。
オレと彼女の待ち合わせ場所。
「待ち合わせ30分前……当然、まだ来てないか」
安物の腕時計を確認して辺りを見渡してみる。
待ち合わせ場所の公園には、誰もいなかった。
待ち人の姿はなし。
早く彼女と会いたかったのだけど……いや、オレが早く着きすぎたのが悪いな。
「早く着いちゃったし、ちょっとゆっくりしてようかな」
息をついて、近くにあったベンチに腰掛ける。
「────ばぁ!」
その次の瞬間、視界が真っ暗になった。
目をなにか……大きな手で隠されてしまっているようだ。
「いきなり目隠ししてゴメンねぇ?驚いた?驚いちゃったかな?」
真っ暗な視界の中、背後から声が響く。
聞き慣れた声で、そしてどこか心地いい女性の声だ。
「まぁそれは置いといて。さてさて、アタシの愛しいキミに問題です。
今、キミの両の目を手で覆い隠しているのは、誰でしょうか?
見事正解すれば、ご褒美をあげちゃうよ〜?」
カラカラと笑うような、おどけた問いかけ。
あぁ、なんだ。もう待ち合わせ場所にいたんだ。
「エディア、おはよう。早いんだね」
「んふふ〜。おはようだね、透真。挨拶できてとっても偉いねぇ」
朝の挨拶をすれば、頭上から同じように挨拶が返ってくる。
そして同時に、偉いだなんて褒めらてしまった。
こんな当たり前のことで褒められるのもどうなんだろう?
しかしまぁ単純なことに、オレは褒められて嬉しくなっちゃうんだけど。
「それはそうと、アタシの問題に対する答えはまだかな?
アタシの愛しいキミに目隠ししている、後ろのアタシは一体誰でしょうか〜」
「えぇ、さっき答えたじゃん。エディアって」
「おーいおいおいおーい。おんなじ名前の人物なんて何人もいるじゃないか。
ちゃんと個人を特定できるように詳細な説明を加えて答えてほしいよアタシは」
“分かるかいアタシの愛しい透真”と言葉を付け加えて、背後の彼女が笑う。
どうやら彼女は、オレをからかって遊んでいるみたいだ。
悪戯好きな彼女らしい。ならオレも乗っかってみるとしよう。
「じゃあそうだね…………魔物で、ボギーで、オレと付き合ってくれてる女の子で、オレが誰よりも愛してるエディア」
「んふふ〜!大正解!」
オレがそう答えれば、パッと目を隠していた手が離れる。
真っ暗闇から一気に視界が明るくなって、一瞬目が眩んだ。
「やぁやぁやぁ。キミと付き合っていて、キミが誰よりも愛しているアタシだよ」
眩んだ目が元に戻れば、そこには綺麗な少女がいた。
柔らかなベージュと、艶やかな茶が混ざった不思議な髪色。
肩から胸元までがばっくり開いた道化師衣装に身を包み、白くてきめ細かな肌を惜しげなく晒した魔物。
どこかいやらしい笑みを浮かべ、爛々とした赤い瞳でまっすぐにオレを見つめてくれる、女の子。
そんな女の子の顔が、逆さまにオレを覗き込んでいた。
「おっと、キミと付き合っていて、キミを誰よりも愛している、キミ専用の道化のアタシ、のほうが正しいかな?」
彼女は僅かに赤くなり、頭上から覆いかぶさるようにして、オレと顔を見合わせ笑う。
その表情がたまらなく可憐で扇情的に映るのは、彼女が最愛の人だからだろうか。
「そうだそうだ、見事正解したキミは、約束通りご褒美をあげないとねぇ」
「ご褒美って──────」
「んっ♡」
言い終わる前に、彼女がオレの唇を奪う。
「ちゅっ♡んむ、ぐちゅっ♡んん……っ♡」
逆さまなまま、彼女の舌がにゅるりと口内に入り込んでくる。
彼女の舌が、オレの舌と絡まり合う。
穏やかで、献身的なキス。
甘くて、気持ちのいい『ご褒美』を、与えられるままに味わう。
「……っぷは!……どうかな?気持ちよかったかな♡」
しばらくして、彼女が唇を離す。
にんまりと笑う口元には、唾液のアーチ。
オレと彼女が、つい先程まで一緒だった証。
「ありがとう。気持ちよかったよ、エディア」
「嗚呼、キミに満足してもらえたようで恐悦至極だよ」
微笑み返してお礼を言えば、彼女は上機嫌そうに赤い目を細めた。
「ところで、愛し合うふたりにはキスがお似合いだと思わないかい?
そう、『ご褒美』とはまた違った、深く甘く蕩けるような口づけがさ?」
その言葉と共に、彼女は再びいやらしく笑う口を近づけてくる。
大変愉快そうにしているが……彼女のその目は、情欲に塗れていた。
「愛には口づけを、再会にも口づけを。
嗚呼、キミと付き合っているから口づけを更にひとつ。
キミに愛されているからお返しに口づけをもうひとつ。
キミ専用の道化だから、キミを悦ばせるために口づけをもっと……♡」
彼女が口早に色んな言葉を並べ立てる。
なんてことはない、要約してしまえば“もっとキスしたい”ということ。
「いいよ。エディアの好きなようにして」
「なら、たくさんキミを悦ばせてみせるよ……♡」
熱に浮かされたような彼女の顔が近づいてくる。
そうしてまた、唇が重なった。
◆◆◆◆◆◆◆
オレ──鵜飼透真が彼女と初めて出会ったのは、1ヶ月ほど前のことだ。
あの頃はなにしてたんだったかな。
独りで家にいるのが嫌になって、街をふらふらしてたんだったかな。
ちょっとオレの両親は蒸発しててずっと独りで暮らしてるんだけど……それはいいか。
そんなこんなで寂しさを紛らわせるために夜の街を出歩いていたある日のこと。
オレは偶然、あるいは運命みたいに、彼女と出会った。
夜の公園で、通りがかる人に大道芸を見せる、道化師みたいな魔物の彼女。
その姿がなんだかとても面白くて、目が離せなくなって。
彼女が芸を終えるまで、その夜はずっと、彼女を見ていた。
それからオレは夜になる度に公園に足を運び、彼女を探してはその演目を眺めた。
彼女を見ている間は、寂しさも忘れられたし、ただ純粋に見ていて楽しかったから。
『ねぇ、キミ最近いつも観に来てるねぇ?』
『え?……あぁ、うん。見てると楽しいから』
『そうかいそうかい!じゃあ明日も来なよ。もっと楽しくしてあげるからさ!』
毎日通っていれば、当然顔を覚えられる。
そうやって顔を覚えられてからは、彼女から話を振られることが増えていった。
『今宵お見せした手品はどうだったかな?キミ、楽しめたかい?』
『うん。楽しかったよ。驚きがたくさんで』
演目が終われば、彼女から感想を聞かれることもあった。
『ねぇ〜、キミさぁ〜。今付き合ってる娘とかいないのかい〜?』
『いないけど……なんだってそんなことを?』
『んふふ〜?別にぃ〜?』
そんな感じでプライベートの話を聞かれることもあった。
『キミ、キミ。胸の大きい女の子ってどう思う?
アタシ的には包容力があってとっても素晴らしいと思うんだよねぇ。
例えばアタシくらいおっぱい大きいとさぁ、かなり魅力的に感じたりしない?』
『それは……キミが魅力的な女性かって話?』
『さぁ?どうだろうね?で、キミの答えは?』
『……魅力的だし、綺麗だと思うよ』
『んふふっ、それは良かった!嗚呼、本当に、ねぇ……♡』
こんな風に、オレの趣味趣向を聞かれることもあった。
当時はよく分からなかったが、どうやらこの頃からオレは彼女に狙われていたらしい。
そんな日々がしばらく続いていって、彼女との時間はオレの中で大きくなっていた。
彼女と話すのが楽しくて、彼女を見ているのが嬉しくて、彼女と一緒にいたくなって。
────気づけばオレは、彼女のことが好きになっていた。
そうして1週間前、オレは彼女に告白した。
“好きです”って。そう、告白した。
対して彼女は、“はい”と短く答えて、キスと抱擁をくれた。
それから、まぁ……勢い余って、その場で交わったりしたんだけども……
ともかく、こうしてオレは、彼女と恋仲になった。
道化的で、温かくて、甘くて、優しい、彼女──エディアと。
◆◆◆◆◆◆◆
エディアと付き合ってから1週間。
ここ最近、空いてる時間は常に彼女と一緒にいる。
そして今日はオレが丸1日休みということで、彼女とデートすることになっていた。
「ここはアタシの行きつけの店でね。パフェが美味しいんだよねぇ」
現在、オレ達は近場の喫茶店にいた。
別になにかが食べたかったから、というわけじゃない。
エディアが一緒に行ってみたいと言い出したからだ。
彼女曰く、「恋人ができたら一緒にカフェ行って仲良くお喋りしたかったんだよね〜」とのことだ。
それで、オレとエディアは喫茶店のテーブル席に座っているんだけど……
「ねぇエディア。別に隣に座んなくてもいいんじゃ……」
隣で密着してくる彼女に聞いてみる。
オレ達が座っているのはテーブル席。
つまりは、向かい側の席がいくらでも空いているということ。
なのに彼女はオレの隣に座って、その艶めかしい肢体を擦り寄せてきていた。
「んふふ。必ず向かい合わせに座んなきゃいけないルールなんてないじゃん?」
ぐっ、とエディアが距離を詰めてくる。
既にゼロだった距離から更に近づいて、豊満な胸を押し当ててきた。
「アタシはこうやって、透真とくっついてたいんだけどなぁ……♡
透真は、アタシとこうしてるの……嫌いかな?」
「ぅ……嫌いじゃないよ。その……オレは、エディアとくっつくの、好きだし」
「んふふっ♡じゃあ問題ないねぇ♡」
そう言って、エディアは色っぽい笑みを浮かべる。
息がかかるほどの距離で見た彼女を笑顔は、酷く扇情的だった。
「愛し合うふたりはこうやって少しの隙間もないくらいに引っ付いてるのがいいのさ。
ささ、それじゃあ恋人らしく、このまま楽しい食事をしようじゃないか♡」
かなり機嫌がいいのか、エディアがまた唇を重ねてくる。
さっきも散々したというのに、まだまだ彼女は満足していないようだった。
1つ、2つ、3つ……何度も彼女から奉仕を受ける。
それに伴って、オレももっと欲しくなってしまう。
もっとエディアとくっつきたい、もっとエディアを感じたい、エディアが傍にいてくれていることを確かめたい。
そう感じた瞬間、オレは彼女の腰に腕を回して、ぐいっと抱き寄せていた。
「んっ……♡ふふっ、引き寄せられてしまったね」
「ごめん、嫌だった?」
「おいおい冗談だろう?最愛の人に求められて嫌がる雌がどこにいるんだい?」
また、エディアから口づけされる。
先程よりも深くて、甘いキスだ。
「ほぅら、もっと求めていいんだよ……♡
アタシはキミの全部を、受け止めたいからさ……♡」
「…………ありがとうね」
感謝を告げれば、それを合図にエディアがまた唇を貪ってくる。
それがどうにも嬉しくって、オレは腰に回した腕に力を込めた。
そうしてキスを交わし、密着した彼女の身体の感触を楽しむこと数分。
コトリとテーブルの上に食器が置かれる。
どうやら、頼んでいた料理が届いたみたいだ。
「………………おっと。透真に夢中になっている間に、料理が来たみたいだね」
ようやくエディアが唇を離す。
テーブルの上には、エディアが頼んだチョコレートパフェと、オレが頼んだショートケーキが置かれていた。
さて食べようかとフォークを手にした、瞬間。
エディアが素早い動作でオレからフォークを奪っていった。
「あっ、ちょっと」
「んふふ〜♡キミさぁ、隣に恋人がいるってのに、独りで食べようなんておかしいと思わないかなぁ?」
フォークをくるくると回して、エディアが口角を上げる。
対してオレは、いまいち要領を得られず、首を傾げるばかりだった。
「食べさせたげるよ♡アタシはキミの恋人で、キミの道化で、キミ専用の雌だからさ♡」
このときのエディアの笑みは、惚れ惚れするほど淫靡だった。
そしてあまりにも魅力的で、オレは彼女のその提案を拒む気さえ起きなかった。
「はい、あ〜ん♡」
流れるような手付きでエディアがケーキを切り分け、フォークで運んでくれる。
目の前には、ショートケーキの一欠片。それと、彼女の白い手。
「えぇと……ありがとうね」
食べさせてくれる彼女にお礼を言って、口をフォークに近づける。
「ん、れぇ……♡ちゅっ、ちゅぅっ♡」
そのとき、唐突に彼女がオレの首筋に顔を埋めて、舌を這わせてきた。
「っ!?エディア!?なんで首を舐めて……!?」
「ん〜?サービスみたいなものだよ。アタシ、キミには愉しく気持ちよく過ごしてほしいからさぁ……♡」
それだけ答えて、エディアは再び首筋を舐め回し始める。
逃げようとしても、隣は壁と、愛しい彼女。
這い回る舌の感触から逃れることもできず、オレはただ翻弄されるばかりだ。
「ちゅっ♡んぁ♡ぐちゅっ♡……ほら、あ〜ん♡」
ずい、と取り分けられたケーキが差し出される。
どうやら、食べきるまで彼女のご奉仕は終わらないようだ。
「……あーん」
くすぐったさに耐えて、ケーキを口に含む。
美味しい。上品な甘さが、口いっぱいに広がった。
「あっ、美味しいね」
「そうだろうそうだろう?アタシ行きつけだからね、そりゃ美味しいとも!」
感想を言うと、彼女はぱあっと明るく笑った。
さっきまでオレを舐め回していたとは思えないくらい、快活な笑顔だ。
「じゃあ、もっと食べさせてあげるね……♡」
それからまた、エディアの笑顔に性の色が戻る。
器用にケーキを切り分けながら、彼女は耳元に顔を寄せてきた。
「んふふ……♡ゆっくりで、いいよ♡ゆっくり、アタシのご奉仕を愉しんで……ゆっくり、食べてね♡」
吐息混じりに、そう囁いてくる。
それから酷く緩慢な動作で、彼女はケーキを運んできた。
ゆっくりもなにもない。
食べさせる早さなんて、彼女の思うがままなのだから。
「はい、あ〜ん♡」
オレは観念して、彼女の心行くまで“ご奉仕”を味わうことにした。
何分くらい経っただろうか。
体感で数十分経った頃、ようやくオレはショートケーキを食べ終わった。
「ごちそうさまでした……」
手を合わせて軽く一礼する。
「うんうん、ちゃんとごちそうさまって言えて偉いねぇ」
それを間近で見ていたエディアが、わしゃわしゃとオレの頭を撫でる。
その間彼女はずっと、“えらいえらい”と大げさに褒めてくれた。
「オーバーだなぁ」
こうやって褒められる経験というに乏しかったので、どうにもむず痒い。
というか別に、こんなの褒められるようなことでもないだろうに。
けれども彼女にこうされるのは、なんとも心地が良い。
「別にオーバーでもなんでもないんだけどねぇ……嗚呼そうだ、とってもいい子な透真には、ご褒美をあげちゃおうかなぁ……♡」
「それは嬉しいけど、エディアは食べなくていいの?」
迫ってくるエディアを制止して、テーブルの上を指差す。
そこには、まだ一切手のつけられていないパフェがぽつんと置かれていた。
「おっと、いけないいけない。あんまりにも愉しすぎて、自分が食べることをちょっと忘れてたよ」
失敗失敗と言いつつ、エディアは困ったように頬を掻いた。
「悪いね、アタシが食べてる間、退屈な思いをさせてしまうね」
「いやいや。エディアと一緒にいて、退屈だって思ったことはないよ」
それは、本心だ。
彼女と出会えて、彼女と恋仲になれて、オレの生活は大きく変わった。
孤独で退屈だった日々に、寄り添ってくれる人ができた。
だから、退屈だなんて思うことは、絶対にない。
「横で食べてるとこ見てるよ。それこそ、ゆっくりね」
「んふふ、そっかそっか。じゃあ見られてるよ」
そう言って、彼女はスプーンを手に取り、食べ始める。
クリームを掬って、口に運ぶ。
それだけの動作なのに、それがどうにも可愛らしくて、ドキリとした。
「ねぇ、透真。このあとさ、どこ行く?
キミ、どこか行きたい所とかやりたい事とかあるかい?」
食べながらエディアが聞いてくる。
そういや今日はデートするってことだけ決めて、詳細な予定は一切考えてなかったな。
深夜1時にふたりで電話してたときに急にデートしようって決めたし。
「うーん、オレは特にはないかな」
「えー?それマジで?キミ、ホントのホントになんにもないのかい?」
「ないよ。エディアと一緒にいられれば、それでいいから」
「おぉう……そう言ってくれるのは嬉しいけど……」
少し頬を赤くして、エディアが顔を逸らした。
それからコホンと咳払いをして、オレに向き直ってくる。
「まぁ、透真から希望がないなら、アタシが行きたい所に連れ回してもいいかな?
アタシ、服とか媚薬とか魔法道具とか見たいんだよねぇ」
ふむ、服とか媚薬とか魔法道具とか、そういうのが全部揃ってる所か。
そうなると、近場のデパートとかに行くことになるだろうか。
「そっか。了解だよ」
これといって問題はないので、二つ返事で了承する。
ふたりでショッピングだなんて、まるで恋人みたいで面白そうだ。
いや、まるでじゃなくて確かに恋人なんだけども。
「それにしても、エディアも服とかに興味があるんだ」
彼女が服を見たいと言い出したのは、ちょっと意外だった。
とはいえ彼女も年頃の女の子だ。
おしゃれに興味があるのは、むしろ当然か。
「あっ、言っとくけどアタシが見たいのは街を出歩くのに着るやつじゃないからね?
アタシが欲しいのは、ベッドの上で恋人に見せるような、扇情的な衣装だからさぁ♡」
彼女はスプーンを口に咥えて、熱っぽくオレを見つめてくる。
その表情を見て、そして彼女の言葉の意味に気づいて、鼓動が早くなった。
「えぇと、それってさ……」
「んふふ〜♡そうだよ?エッチするときに、キミだけに見せる、キミを誘うための、キミを煽るための、衣装だよ♡」
顔が熱い。今、顔が真っ赤になってるのが分かった。
性的なことに対する照れと、彼女がオレのためになにかしようとしてくれてる嬉しさで、心の中がぐちゃぐちゃになる。
「透真は、アタシにどんな格好をして欲しい?アタシにどんな格好をさせたい?
メイド服を着て、従順な従者としてキミに淫らなご奉仕をしようか?
あるいはバニー服を着て、発情した獣みたいに交尾しまくろうか?
キミはどんなのがいい?アタシのこと、全部全部、キミの好きにしていいんだよ…♡」
エディアがじぃっとオレと目を合わせて、聞いてくる。
あぁ、どうやら答えないわけにはいかないらしい。
「あー……別にそういう用途じゃなくていいんだけどさ……
…………エプロンとか、着て欲しい」
「んん?それはアレかな?裸エプロンが好きってこと?
へぇ〜♡透真はそういうのが好きなんだぁ♡」
「いや裸じゃなくて普通に着てくれるんでいいけど……なんか、家庭的でいいなって」
「ほほう?キミは家庭的な女性が好きなのかな?」
「まぁ、うん。憧れはするかな、そういうのに」
オレは家庭とか家族の感覚がないから。
だから、そう。
エディアと家族みたいになれたら、幸せだって思う。
とはいえ、そう考えた末の出力が“エプロン着て欲しい”は想像力に乏しい気がするが。
「ふむふむ、家庭的な女性かぁ。うん、じゃあ安心してね?
アタシこう見えてさ、家事とかバリバリできるからさぁ♡」
「えっ?」
「アタシ、料理とかお掃除とか、家事一式はちゃんとできるんだよねぇ〜。
そう、キミの口に合う料理だって作ってあげられるし、毎晩毎晩キミを気持ちよくして、ぐっすりと寝かしつけることだってできるとも♡」
エディアが、オレの首に両腕を回して、抱きついてくる。
蕩けるような彼女の顔が、鼻先に触れるほどの距離に近づいてきた。
「だから、ずっと一緒にいようよ?
アタシの全部を使って、愉しく、気持ちよく、してみせるから」
どこまでも堕ちてしまいそうな、甘い言葉。
熱に浮かされたような彼女からの誘い。
「……ありがとう。オレも、エディアとずっと一緒にいたいよ」
断る理由も、断りたいと思うことも、なかった。
彼女といつまでも一緒にいたいのは、間違いなくオレの望みなのだから。
「んふふ〜♡」
オレの答えに満足が行ったのか、エディアが抱きついたまま甘えてくる。
そして彼女は啄むようにキスをして、マーキングするみたいに身体を擦り寄せてきた。
むにゅりと大きな胸が押し当てられ、器用に足を絡められる。
それはまるで、オレを絶対に逃さないとでも言っているかのようで。
「ねぇ〜、透真。行きたいとこ、もう1個追加していいかい?」
エディアがオレの胸元に頬擦りして、そんなことを言ってきた。
「それはいいけど、どこに行きたいの?」
「ん〜、キミの家かなぁ♡」
……一瞬、心臓が止まったような気がした。
エディアが、オレの家に来る。
そういや彼女には、オレの家庭事情を話してなかったか。
彼女に、あの誰もいない家を見せなきゃいけない。
それはかなり嫌だし抵抗感があるが……
「アタシ、今日はさ……お家に帰りたくないからさ……♡だから、お願い♡」
「…………そっか」
幸い、エディアはなにも気づかなかったようだ。
深呼吸をして、オレは平静を装い言葉を紡ぐ。
「うん、いいよ。あんまり面白い家じゃないけど、それで良ければ」
大丈夫、大丈夫と、心の中で何度も唱える。
そう、大丈夫だ。彼女に見せて問題のあるような家じゃない。
オレが気にしているだけのこと。きっと、他人からしてみればどうでもいい家だ。
「んふふ〜♡夜通し、とっても愉しませてあげるからね〜♡
今夜はずぅっと傍にいさせてもらうよ♡
…………もちろん、ベッドの中でも、ね♡」
「……うん。エディアが家にいてくれるのは、嬉しいよ」
微妙に噛み合わない言葉を返して、エディアをそっと抱きしめる。
そのまま右手で、彼女の髪を梳くように頭を撫でた。
「んん……♡」
さらさらとした髪の感触を楽しんでいると、彼女が僅かに震えて、甘い声を出す。
「なでられるの、すき……♡それ……もっと、して……♡」
気持ちよさそうに、甘えた声で。
彼女がおねだりしてくる。
そのおねだりに応えるように、オレはエディアを撫で続ける。
指先が触れる度に、彼女は肩を震わせて、心地よさそうに目を細めた。
「ん、ふふ……♡甘やかされるなんて、アタシ、尽くす女なのになぁ……♡
ホントは、アタシがたくさん、キミを甘やかして…愉しませるべきなんだけど……んっ♡
キミに甘えるの……はぁ♡気持ちよすぎて、ダメになりそう……♡」
胸の中で抱きしめられて、頭を撫でられては身体を弛緩させるエディアが、そんなことを呟く。
「…オレのほうが甘やかされてるよ。キミと過ごすのは、幸せだから」
言いながら、エディアの額に軽く唇を落とす。
「ぁ……♡」
「いてくれて、ありがとう。こういうのがお返しになるかは分かんないけど……その、甘えてくれていいからさ」
そうして、エディアに笑いかける。
あぁ、今のオレはきっと、照れが混ざった下手くそな笑い顔をしてるんだろうな。
それがどうにも恥ずかしくって、オレは誤魔化すように彼女を撫でた。
「じゃあさ、透真…………アタシが満足するまで、このままでも……いい?
このまま、キミになでなでされて……♡甘やかされてたいの……♡」
エディアは目を閉じて、オレに身体を預けてくる。
「いいよ。好きなだけするから」
そんな彼女を、オレはしばらく甘やかすのだった。
◆◆◆◆◆◆◆
アタシ──エディアは、有頂天だった。
言うならば、幸福の絶頂にいるかのような感覚。
いや、これから続く最高の幸福の、その入口に足を踏み入れたような感じ?
ともかく、アタシは夢見心地で、幸せな気分だった。
それは何故か?
アタシに、運命の人ができたからだ。
鵜飼透真。
アタシの大好きな人。
アタシの恋人。
アタシの運命の人。
アタシが愛してる人。
アタシを愛してくれる人。
アタシを選んでくれた人。
アタシが生涯をかけて幸せにしたい人。
アタシが人生を共にしたい人。
彼のことを考えただけで、身体中にゾクゾクとした甘い痺れが走る。
彼のことを思うだけで、子宮が疼いて、アタシのナカがじわりと濡れてしまう。
それで、彼がたまらなく欲しくなる。彼に満たしてもらいたくなる。
そんな彼と出会ったのは、つい一月ほど前のこと。
アタシが趣味で健全な見世物をやっていたときのことだ。
夜の公園で透真を初めて見たときから、彼のことは“いいなぁ”と思ってはいた。
たぶん、それが惹かれるということだったのだろう。
その『たぶん』が、『絶対』に変わったのは、彼と出会った次の日のことだ。
透真は次の日も、アタシの所に来てくれた。
1度会っただけじゃ、それはただの偶然だ。
けれど2度会えば、それは間違いなく必然なわけで。
嗚呼、この男の子は、アタシに会いに来てくれたんだ。
そう理解したアタシは、絶対的に彼に惹かれ、絶対に結ばれたいと願うようになった。
「んふふ〜♡願い、叶っちゃったなぁ♡」
すっかり日が暮れて暗くなってしまった道を歩きながら、呟く。
その右隣には、愛しいの透真。
「え?どうかしたの、エディア?」
アタシの隣の……アタシに腕を抱きつかれている彼が、不思議そうに聞いてくる。
彼の手には紙袋。その中にはアタシと一緒に選んだ服やらがあった。
それを見るだけで、自然と顔がほころんでしまう。
「いやぁねぇ♡アタシね、休日にお買い物デートして、こうしてピッタリくっついて歩くのが夢だったんだよねぇ♡」
ぎゅむ、と大きな胸を押し付けるように、腕を抱き直す。
嗚呼、頬が緩んでるのが分かっちゃう。
きっと今のアタシは、とんでもなくだらしない顔をしているんだろうなぁ。
でも、それは仕方がないことだよね。
だって、こんなにも幸せなんだから♡
「そっか。エディアが幸せなら、なによりだよ」
透真が優しい顔を向けてくれる。
ただそれだけで、アタシの奥が甘く疼いた。
鵜飼透真という少年は、とっても優しい良い子だ。
そんな良い子の、優しさを、笑顔を、アタシが独占している。
それがたまらなく、心地いい。
嗚呼、こんなにも愛おしい人と結ばれることができるなんて、アタシは本当に幸せだ。
「んふふ♡透真と出会えてよかったなぁ♡
キミは、アタシと出会った夜のこと、覚えてるかい?」
「覚えてるよ。忘れるわけがないじゃん」
「そっかそっか。アタシも覚えてるし、絶対に忘れないだろうね♡
…………それにしてもキミ、よくあの公園に来たね?
真夜中の公園に、なにか用事でもあったのかい?」
「あー……あの頃は夜に出歩くのが趣味みたいなものだったから」
「え〜、深夜徘徊するなんて悪い子だねぇ〜」
「あはは……だから今はやってないよ」
透真はそうやって、困ったように笑う。
まったく、夜に1人で出歩くなんて危ないことしちゃって。
他の悪い魔物に捕まっちゃったらどうするつもりだったのさ。
まぁ、その前にアタシが唾つけて、こうして結ばれたわけなんだけどね♡
(そしてこれから、もっともっと、結ばれる…♡)
この先のことを考えただけでにやけてしまう。
そう、アタシが向かっているのは、透真のお家。
密かにアタシが今日のデートで狙っていた場所だ。
ホント、二つ返事で家に招待することを承諾しちゃってさぁ。
透真は魔物を自宅に上げるってのがどういうことか、分からなかったのかなぁ♡
嗚呼、分からなかったんだろうなぁ。
ましてや、アタシがなにを狙ってるかなんて、全然分からなかったんだろうなぁ。
(アタシ、もう今日でゴールインするつもりなんだよ♡
今日、この日で、完全にキミと結ばれちゃうからねぇ♡)
キミと付き合ってから、会えない時間が苦痛でならなかった。
常に一緒にいたかった。一時だってキミといられないことが辛かった。
それでね、アタシは思いついたんだよ。
いっそ、キミと同じ所に住めばいいや、って。
(ごめんねぇ。アタシ今日から、キミのお家に住んじゃうから♡)
朝も、昼も、夜も。常に一緒。
毎日、彼とおんなじベッドで寝て、起きて、彼と同じ物を食べて、彼とふたりでお風呂に入って、彼とたくさんエッチする♡
そんな幸せでラブラブで最高で爛れた日々を、今日から始めちゃうからね♡
「んふふ…っ♡」
やばい、考えただけで涎が溢れてしまう。
上の口からも、下の口からも♡
(嗚呼、大丈夫だよ透真♡アタシは昼にも言ったけど、家事手伝いはできるから♡)
アタシは魔物だ。
当然、素敵な旦那様に尽くすべく花嫁修業はしてきた。
彼の家に急に住み着いても、迷惑は一切かけない。
(それに、礼儀作法も完璧に覚えてきた。透真のお父様とお母様に会っても粗相はないし、気に入られるような振る舞いもできるとも)
家にお邪魔するってことは、透真のご両親にご挨拶するってことでもある。
この先透真と結ばれることを考えると、彼の親には気に入られておきたいところだ。
ま、仮に親御さんに反対されたとしても、そのときは透真と新しい家を借りて、そこでラブラブふたり暮らしするけどね♡
「ん、ふふ……♡んふふふふ……♡」
「エディア……?」
おっといけない。透真に怪訝そうな顔をされてしまった。
まぁ恋人がいきなり笑いだしたらそんな顔をしちゃうのも仕方がないか。
「んふふ♡いや、ごめんねぇ?透真のお家、まだかなぁって思ってさぁ」
「…………………………もうすぐ着くよ」
ん?なんか一瞬、透真の足が止まったような……
はて、アタシの気のせいだったのだろうか?
「ごめんねエディア。かなり歩かせたし、疲れちゃったかな」
「いやいやいや、アタシは全然疲れてないよ。
嗚呼、もしキミが家が遠いこととかを気にしているなら大丈夫さ。
アタシ、こうやってキミとくっついて歩くの、好きだからさぁ♡」
「……そっか。ありがとうね、エディア」
「むっ、別に気を使って嘘言ってるわけじゃないからね?
分かってるかい?アタシはホントに、キミとこうしているのが好きなんだよ♡」
「あはは……分かってるって。大丈夫」
それから、アタシ達はしばらくの間、お喋りしながら夜の道を歩いた。
とても穏やかで、静かで、楽しい、ふたりっきりの時間だった。
そうやって歩くこと数分。
アタシと透真は、入り組んだ路地の中にある、小さな家の前に着く。
表札に書かれている文字は、『鵜飼』。
正真正銘、透真のお家。
「…………着いたよ」
そう言って透真が家の鍵を開ける。
そのまま彼は慣れた様子で家に入って、玄関で靴を抜いだ。
「ふぅ……じゃあ、お邪魔します」
ほんの僅かな緊張を押し殺して、アタシもまた、彼に続いて家に入る。
(…………?真っ暗な、家?しかも、やけに靴が少ないような……?)
一歩踏み入れて、アタシはなにか、違和感のようなものを覚えた。
透真の家は真っ暗で、彼が帰ってくるまで明かりは1つも着いていなかった。
それに、玄関に置かれている靴の数が異常に少ない。
仮に、家に誰かいたとしたら、どこかの部屋には明かりはついてるだろうし、家族の誰かの靴があるはずだけど……
(…………たまたま、今日はみんな留守にしてた感じなのかな?)
不思議に思いつつも、アタシは透真についていく。
アタシの数歩先の彼は、引き戸を開けてその向こう側へ案内してくれた。
「えーと、電気電気……うん、点いた」
暗がりの中、透真は手探りで電灯のスイッチを押す。
電球の明かりに照らされて現れたのは、こじんまりとしたダイニングだった。
小さなちゃぶ台、食器棚、狭い台所。それらが、アタシを淋しげに出迎える。
「あはは……まぁ、狭いしなんにもないけどさ、くつろいでってよ。
とりあえず、飲み物を用意するね。紅茶でいい?」
「嗚呼……えーと…………うん、そうだねぇ。
アタシは、紅茶でいいかなぁ」
すぐ用意するね、と透真は言って、台所で作業を始める。
それを尻目に、アタシはちゃぶ台の前に座り、周囲を見渡した。
築何十年の、年季の入った小さな家。
ただそこには、あまりにもなにもなかった。
生活感がない、というよりかは思い出がない、と言ったほうがいいかもしれない。
ここから感じられるのは、ただひたすらな孤独感だけだ。
「はい、どうぞ。砂糖とかいるんだったら言ってね。すぐ出すから」
そうこう考えていたアタシの前に、透真がカチャリとカップを置いた。
それから彼は、アタシの向かい側に静かに腰掛ける。
「……ありがとう、透真。紅茶、貰うね」
一口、含む。やや苦い味が、口中に広がった。
目を瞑って、息を吐く。
ことりとティーカップを置いて、アタシは透真と目を合わせる。
「ねぇ透真…………キミ、独りで暮らしてるのかい?」
「…………うん。そうだね」
疑問を直接ぶつければ、彼は少し困ったように笑って、答えた。
明かりの点いていない理由、靴がない理由、こんなにも寂しげな理由。
その理由は、透真以外には、この家に住んでいる人がいないから。
だからきっと、この場所は空虚な雰囲気を纏っているんだ。
「はぁ、まったくキミさぁ……一人暮らししてるなら早く言ってよ〜。
それ知ってたらさぁ、アタシ、すぐにでもキミの家に住み着いてたのにさぁ〜」
軽くため息をついて、頬杖をつく。
「えー、エディアここに住みたいの?」
「そりゃキミ、最愛の人とずっと一緒にいたいって思うのは当たり前だろう?
というかぁ、いつかアタシ達は結婚しておんなじ所に住むんだからさぁ♡
それが早いか遅いかの話なら、アタシは早く一緒になりたいよ♡」
言い放てば、透真は顔を赤くして、アタシから目をそらした。
んふふ♡照れちゃってさぁ、可愛いなぁもう♡
「……あれ?そういえば、透真は高校生だったよね?
一人暮らししてるってことは、高校進学のタイミングでこの家を借りた、って感じ?」
ふと疑問に思ったので聞いてみる。
なんてことはない、世間話のつもりだった。
「…………ううん、違うんだ。そういうので、借りたわけじゃなくてさ」
けれど透真は、どこか悲しそうに笑って、そう言った。
「ずっとさ、ここで暮らしてきた。生まれたときから、ずっと」
……じゃあ、なんでここにはキミ以外に誰もいない?
なんでキミは、ここで独り、暮らしているんだい?
嫌な予感は、ずっとしている。
けれどアタシは、頼むから違ってくれと。
キミは幸せであってくれと、祈っていた。
されどそれは、他でもない透真から、否定される。
「なんかさ、父さんも母さんも、いつの間にかどっかに行っちゃったんだ」
そう言い放った彼は、寂しそうで、それを誤魔化すように明るく笑っていた。
滅茶苦茶で、無理してるのがひと目で分かるような、哀しい笑顔だった。
「あはは……お恥ずかしながら、子どもの頃にさ、ふたりとも蒸発しちゃって……
それ以来、どうにかこうにか独りで暮らしてたっていうか……」
頭を掻きながら、照れたようなフリをして、彼は自らの身の上を話す。
笑えないくせにどうにか笑ってるその姿は、見るに耐えないほどに痛々しい。
そしてよりにもよって大好きな彼がそんな顔をしているのが、不愉快で仕方なかった。
「────────は?」
驚くくらいに冷たい声が、喉から出た。
たぶん、このときのアタシはぴくりとも笑っていなかったと思う。
「あ、えーと……ごめんね、エディア。つまんない話しして」
なにを勘違いしたのか、透真は若干怯えたように謝ってきた。
ほうほう、なるほど、そっか、そっかぁ……
透真がそういう子だったんなら、最後にひとつ、聞かなきゃいけないことがあるなぁ。
「ねぇ透真。キミさぁ、寂しくなかったのかい?」
「……………………寂しくなかったよ?」
嗚呼、やっちゃったね。
キミ、嘘ついたね。
分かるんだよ、アタシ。透真の恋人だから。
「そっかぁ……透真は、とぉっても悪い子だねぇ…………」
ゆらり。立ち上がって、ゆったりとした動作で、悪い子な彼に近づく。
「え、えぇと…………」
「キミ、知らなかったのかい?嗚呼、知らなかったんだろうねぇ。
アタシが、ボギーが、どういう魔物なのかとか、さぁ」
びっくりして動けずにいる透真の肩に、白い手を乗せる。
それから逃さないようにしっかり掴んで、アタシは彼を見下ろして、言ってやった。
「悪い子は、鬼がさらいに来るのさ。こんな風にね……っ」
腕に力を込めて、優しく押し倒す。
ぽふんと、ふたり揃って床の上に横になった。
「エディア!?なにして…………んぐっ!?」
「んんっ♡ちゅっ♡んちゅ♡……ぐちゅ♡ちゅぱっ♡」
唇で彼の口を塞ぐ。
舌をねじ込み、唾液を混ぜ合って、互いを舐め回す。
今日だけでも数え切れないほどにした、キス。
そのどれよりも激しく、貪るように、アタシは唇を奪った。
「ちゅっ、ちゅうっ♡……ん、はぁっ♡
抵抗しちゃ、ダメだよ……♡」
透真の上で、煽るように服を抜いでいく。
上も、下も。アタシの大きな胸が、てらてらと濡れたおまんこが、外気に触れる。
それだけで、透真の息が荒くなったのが分かった。
「んふふ〜♡アタシの裸、どうかな?何度見ても、綺麗で、エッチでしょ?
ほら、よく見て?コリコリに勃った乳首も、ぐしょぐしょに濡れたおまんこも♡」
「っ……」
膝立ちになって、アタシの恥ずかしいところを全部、彼に見せつける。
嗚呼。キミ、興奮しちゃってるね♡
唾を飲み込んで、食い入るようにアタシを見ちゃってさ♡
それ、いいよ♡ゾクゾクしちゃう♡ナカから蜜が溢れて、キミの上に垂れちゃうね♡
「ありゃりゃぁ?透真のココ、大きくなっちゃったねぇ♡
嬉しいなぁ、アタシで発情してくれて、とっても嬉しいよ♡」
わざとらしい所作で、大げさに。
すっかり勃った彼のモノを、ズボンの上からつぅ、と撫でる。
「んふっ♡気持ちいいのかな?今、びくんって跳ねたよねぇ♡
そっかそっか、気持ちいいかぁ♡じゃあ、脱がしちゃおうかなぁ♡」
言うやいなや、アタシは俊敏な動作で透真のズボンを下ろしていく。
それにより露出した男性器はすっかり勃起して、先端からは汁が溢れていた。
「わぁっ♡おっきくなってるねぇ♡
それに熱くって、ぴくぴくしてて、エッチな匂いがするなぁ♡」
芝居がかった仕草で驚いてみせる。
嗚呼、驚いたのはホントだよ?
いつもより大きいし、熱いし、先走りも多めに出てる。
一日中一緒にいて、たくさんキスして、たくさん身体を擦り寄せたから、その分興奮してくれてるのかなぁ♡
「ねぇ、ねぇ♡気持ちいいことシたい?
アタシのおまんこに、おちんちんねじ込んで、ぱこぱこしたい?
アタシの濡れててうねうねしてる恥ずかしいトコロで、扱いて欲しい?」
ぐちゅりと肉棒に潤んだ割れ目を擦り付けながら、問いかける。
まぁ、こんなことわざわざ聞かなくったって答えは分かってるんだけどさ。
もう、交わりたくって仕方ないよね♡
おちんちん、アタシの入り口ですりすりされて、とっても気持ちよさそうだもんね♡
「あー……えぇと……」
「ほぅらぁ、言って言って♡恥ずかしがらないでさぁ♡
アタシ、透真がなにをシたいかぁ、知りたいなぁ♡」
「…………エディアと、繋がりたい」
アタシが妖艶に笑って、そう言ってみれば、彼は恥ずかしそうにやりたいことを言ってくれた。
「んふふ〜♡繋がりたいんだぁ♡アタシに挿れたり、出したりしてぇ♡精液、ぴゅっぴゅしたいんだぁ♡
いいね、いいねぇ♡アタシも、ぐちょぐちょおまんこかき回されて、きゅんきゅんしてる子宮を慰めてほしいなぁ♡」
疼き続ける下腹部を撫でてみる。
アタシの奥は、透真がほしいって切なくなっていた。
それは彼だっておんなじ。
一刻も早くアタシと一つになりたいって、繋がりたいって、そう思ってる。
その証拠に、彼のモノはより一層その固さを増していく。
「うん、うん♡きっと今、挿れたらすごく気持ちいいだろうねぇ♡」
「なら…………」
「でも、だ〜め♡」
唇を大きく歪ませて、最高に意地悪に告げてあげる。
「っ、なんで……」
「だって、透真は悪い子だからさぁ────お仕置きが必要だよねぇ♡」
残念なことに、これから始めるのは気持ちいい交わりじゃなくって、とっても辛いお仕置きだ。
いや、アタシだってそういうの良くないなぁって思うよ?
でもさぁ、彼は酷い嘘つきだし、ちょっとした罰を与えてでも矯正しなきゃだよねぇ?
「んんっ♡っ、はぁ♡」
くちゅり。右手で割れ目を撫でる。
更に左手で胸を揉みしだいていく。
ビリビリとした甘い快感が、背筋を走り抜けていった。
「あんっ♡……ん、ふふっ♡アタシ、なにシてるか……分かる?
キミに跨ってぇ……オナニーしてるの♡くちゅくちゅっておまんこ弄って、んぁっ♡
お猿さんみたいにぃ、盛っちゃってるんだよぉ……♡ほら、見て見てぇ……あぁっ♡」
股を大きく開いて、アタシのオナニーしてるところをよく見えるようにしてあげる。
嗚呼、見ちゃうよね?見ちゃうよねぇ♡恋人のエッチなところだもんね♡
魔物の魅了とかそういうのも使ってるけど、キミ専用の雌が発情しておまんこ弄ってるんだもん♡
目をそらすなんて、そんなの絶対無理だよねぇ♡
「エディア……!」
「っ、と……ダメダメ♡透真は、動いちゃいけませ〜んっ♡」
自慰の快感に悶えるアタシに、透真が手を伸ばしてくる。
アタシを襲おうとしてくれたのかな?んふふ、嬉しいなぁ♡
でも、ダメ。
彼の手を掴んで、制止する。
「言ったはずだよ、お仕置きだって♡
透真は、アタシが絶頂するまでおあずけ♡」
「なっ……」
透真が苦しそうに顔を歪める。
アタシの言うお仕置きがどういうものか、彼も理解したのだろう。
「透真はまだ、アタシと交尾できませ〜ん♡
アタシがイクまで、アタシのオナニーを見ててね♡
あっ、ムラムラしたからって自分でおちんちんシコシコするのはナシね♡
それと、アタシから目を背けるのも禁止♡
アタシが愛液でびしゃびしゃになりながら気持ちよくなってるトコ、全部見てね♡」
おあずけ。キミだけの発情しきった雌が煽るように自慰に耽っているのに、おあずけ。
自分で男性器を慰めることもできず、ただアタシの痴態を見せつけられるだけ。
辛いよね?おちんちんが泣くみたいに先走りを垂らしてるもん。
今すぐアタシを押し倒して、準備万端の発情おまんこにおちんぽ突っ込みたいよね♡
それで、思う存分精液ぶちまけて、アタシを犯し尽くしてやりたいよねぇ♡
だから、ダメなの。
だから、お仕置きなの。
「んぁぁあぁっ♡おまんこ、きもちいいよぉっ♡入り口のとこっ♡指先ですりすりっ♡
乳首も、コリコリっ♡んひっ♡いいよぉっ♡こうやって、乳首つまんで、きゅっきゅってすると……ひゃうっ♡」
わざと大きな声で喘いで、全力で彼を欲情させていく。
きっと今すぐにでもアタシですっきりしたいだろうに、唇を噛んで必死に耐えてるね♡
「んふっ♡んふふっ♡アタシの言いつけ守って、偉いねぇ♡
ほらっ、ほらぁっ♡好きなだけアタシを見て好きなだけムラムラしていいからねぇっ♡
キミ、アタシにどんなオナニーしてほしいかなっ♡
どうせなら、キミが一番興奮できるやり方で、オナニーしてあげるよっ♡
あぁっ♡今みたいに、んんっ♡入り口弄りながらの乳首コリコリが好きかいっ♡
それとも、クリトリスを指で摘んでっ♡シコシコしたほうがいいかなっ♡
恥ずかしいけど……キミが望むなら、後ろの穴でイッてもいいよ……♡」
嗚呼、いけない。お仕置きなのに、つい彼を甘やかしてしまう。
でも、いいよね♡透真にとって一番シコいやり方でオナニー見せたら、もっともっと興奮しちゃうもんねっ♡
興奮しちゃったら、耐えるのがどんどん辛くなっちゃうもんねぇ♡
「別に、なんでも…………」
「なんでもいいはダメで〜すっ♡」
遠慮がちな透真の言葉を遮る。
彼はいまいち、アタシがどういう存在なのか分かってないのかなぁ?
おかしいなぁ。ちょくちょく伝えてたと思うのに、上手く伝わってなかったのかな?
「きゃんっ♡ひっ♡アタシっ♡キミのモノなんだよっ♡
キミの雌なんだよっ♡キミが、なにしたっていい女なんだよっ♡
だからキミは、あんっ♡アタシに、なんだって望んでいいのっ♡」
アタシは──エディアは、透真を愛してる女で、彼専用の道化で、彼だけの雌なの♡
透真を幸せにするための存在で、彼を気持ちよくするためのエッチな恋人なのっ♡
それなのに遠慮するとかぁ、そんなのってなしだよねぇ♡
まぁでも、彼は簡単には本心を言ってくれないんだろうな。
アタシに嘘ついて、“寂しくない”なんて言っちゃう子だ。
根本的に、本音を素直に吐き出すってことが得意じゃないのは分かってる。
「ほらぁ、言ってぇ♡アタシ、してほしいことを言ってくれる子のほうが、好きだよっ♡
今の透真も、素敵だけどぉ♡ちゃんと、したいこと言ってくれたら、もっと素敵だし、もっと好きになっちゃうなぁ♡」
なので、ズルさせてもらうよ。
ボギーの魔力は、人の感情を露出させる力がある。
こういう言い方をしたら、褒められたい、もっと好きになってほしい、って思っちゃうだろうね。
意地の悪いやり方なのは分かってるさ。でも、こうでもしないと素直な良い子にできないからね。
「っ、あー…………クリトリスと、お尻で絶頂するとこ、見てみたい」
小さな声で、恥ずかしそうに、彼は自らの欲望を吐き出してくれた。
「んふふっ♡かしこまりましたぁ♡」
道化はただ、主人を愉しませるだけだ。
クリトリスを摘んで、愛液で濡れた指先を後ろの穴にあてがう。
「はぁっ♡はぁ、あんっ♡……っ♡んあぁっ♡ああぁぁあぁぁぁぁぁっ♡♡」
女の子の敏感なところを思い切り擦り上げて、恥ずかしい穴に指を滑り込ませる。
やばい、やばい、やばいっ♡気持ちいいっ♡
透真に、最愛の人に、命令されてとっても恥ずかしいことしてるっ♡
その事実が興奮を煽ってどんどんアタシの感度を上げていく。
「見てっ♡見て見てぇっ♡アタシの、恥ずかしいオナニーっ♡
いっぱい、いっぱいっ♡見てくださいぃっ♡」
手加減なし。容赦なく陰核を撫で回し、アナルに指を出し挿れする。
びんびんに勃っていたクリを擦る度に焼けるような快感が走る。
後ろの穴を弄れば、切ないようななんとも言えない感覚に悩まされた。
「あぁっ♡あひぃっ♡気持ちいっ♡気持ちいいよぉっ♡
視姦されて恥ずかしくて気持ちいいのぉっ♡
クリっ♡シコシコらめぇぇっ♡おしりもっ、ひゃぁっ♡じんじん、しちゃうよぉっ♡」
自分で自分を責め立てて、徹底的に追い込んでいく。
だって、そのほうが彼が愉しめるから……♡
アタシがよがってるの透真がいっぱい見てくれてるから♡
たくさん、たくさん愉しんでくれるように♡アタシは、艶やかな悲鳴を奏でていく。
「んひぃっ♡おちんちん、ビクビク跳ねてるぅっ♡
アタシがクリ虐めておしりかき回してるの見てビクビクしてるんだねぇっ♡
これ好き?好きだよねっ♡性奴隷みたいに命令されてエッチな見世物してるもんねっ♡
あぁんっ♡いいよ、いいよ、いいよぉっ♡アタシをいやらしい目で見てぇっ♡
クリを擦りまくって、同時にアナル弄って気持ちよくなってる淫らな雌をっ♡
いっぱい、いっぱいっ♡視姦してくだしゃいぃぃぃっ♡」
煽る、煽る、煽る。これでもかってくらい口を回して、煽る。
透真が最大限興奮しちゃうように、はしたない言葉を矢継ぎ早に。
アタシをどんどん追い詰めるために、卑猥な言葉を紡いでく。
これやばいよねっ♡透真、ケダモノみたいに息が荒いもんっ♡
それに、おちんちんがぴくぴくって跳ね回ってるもんねっ♡
「はぁっ♡はぁっ♡あぁっ♡おまんこと、子宮っ、疼くぅ……♡
きゅんきゅんして、つらいよぉ……っ♡」
自分の身体を責める度に、目の前の肉棒が視界に入る度に、透真の顔を見る度に。
アタシの奥が甘く痺れて、どうしようもなく疼いていく。
「挿れたいっ♡奥っ、先っぽでコツコツされて、ナカをぐちゅぐちゅえぐられたいぃ♡」
魔物にとって最愛の男性というのは、唯一にして至上のごちそうのようなものだ。
食べ頃のそれが、今、目の前で、物欲しそうにしている。
ちょっと腰を動かせば、食べられる。この疼きを癒やしてくれる。
ほしい。ただひたすらに、ほしい。
セックスしたい、美味しそう、交尾したい、奥に挿れたい、気持ちよくなりたい。
オナニーすればするほどに、この飢えは加速していく。
アタシは、彼と繋がる快楽と歓びを覚えてしまっている。
故に、自慰なんかじゃ到底満足できない。
それどころか目の前にある最高の悦楽を求めて、より一層心が乾いていくばかりだ。
「あぁぁっ♡あぁああぁっ♡たりないっ、切ないのっ♡
おまんこ、ほしいっ♡満たされたいよぉっ♡」
気持ちいいのに、寂しくて切ない。
きっと……ううん、絶対に。交わらなきゃ、アタシの心は満たされない。
「でもっ、でもでもでもぉっ♡おしおき、だからぁっ♡
だから、つらくてもっ♡ハメハメしないのぉっ♡」
そう、これはあくまでお仕置きだ。
寂しいときに寂しいって言えない彼へのお仕置きだ。
アタシ達ボギーは、悪い子を素直な良い子に変える。
悪さを咎める者のいない子を、自らを省みることができない子を、変える。
透真は、悪い子だった。
独りの寂しさを打ち明けられない子、寂しいって言わない悪さを咎められなかった子、それを省みることができない子。
そんな子だから、アタシは絶対に変えないといけない。
だって、寂しいのって、苦しいから。アタシの大切な人に、寂しい想いはして欲しくないし、寂しいときは寂しいって言ってほしいから。
「ふーっ♡ふーっ♡……おまんこ、せつないよぉぉっ♡
もう、いつでも挿れられるのにぃぃ♡挿れられたいのにぃ♡
愛液あふれさせして、ほしいほしいって、ないてるのぉぉっ♡」
そしてこれは、アタシへの罰だ。
アタシもまた、至らない恋人だった。未熟な雌だった。
彼がどんな人生を歩んで、どれだけ寂しい思いをしてきたかを、知ろうとしなかった。
もっと早く、彼と一緒になれたはずなんだ。
もっと早く、彼の寂しさを埋められたはずなんだ。
アタシは、舞い上がってしまった。
自分だけの運命の人を、愛すべき人を手に入れた悦びで。
そんな人に愛されて、甘やかされる快楽に舞い上がって、彼の不幸せな部分を見つけられなかった。
なら、罰が必要だ。
悪い子には……アタシには、お仕置きが必要だ。
「ひゃんっ♡いひぃっ♡せつないのに、きもちいいの、あがってくるぅぅっ♡
じんじんって、きちゃうっ♡きちゃうぅぅ♡」
腰をヘコヘコさせて、惨めに快楽に耽る。
必死に虐め抜いたクリも尻穴も、限界が近い。
「透真、とおまぁっ♡ゆるしてっ♡アタシ、イッちゃうからぁっ♡
だめだめな道化をっ、だめだめなアタシをっ、ゆるしてくださいぃっ♡」
許しを請いながら、一直線に絶頂へと駆け上がる。
「あ、あっ♡あっ、あんっ♡あぁぁっ♡アタシっ♡アタシに、言ってっ♡
みっともなく絶頂しろって、いってっ♡めいれいしてっ♡おねがいっ♡
もとめられたいのっ♡とおまにっ♡ゆるひてっ♡おねがい、おねがいしますぅぅっ♡」
嗚呼、アタシ。酷い格好してるんだろうなぁ♡
股を大きく開いて、股間の突起と後ろの穴から卑猥な音を響かせて、泣きそうな顔で媚びちゃってる♡
アタシは、道化だ。
透真の、道化だ。
道化はご主人さまを愉しませなきゃいけない。
ご主人さまの許しもなしに、つまんない絶頂なんてしちゃいけないんだ。
そう、だから乞うの。イかせてください♡イかせてください、って♡
惨めに、媚びへつらって、愉快に、煽るように、痴態で愉しませるの♡
「イクっ♡イっちゃうぅぅ♡クリとおしりでイッちゃいますぅぅぅぅっ♡
みててっ♡おねがいしますっ♡アタシっ♡ゆるしてくださいっ♡
イクのゆるしてっ♡イかせてっ♡あっ♡あっ♡あっ♡あぁぁんっ♡」
もう自分がなに言ってるかも分かんない♡
ただ必死に媚びてるだけだもん♡
嗚呼、ダメ。イキそう♡
気持ちいいの登ってきた♡
イク♡ダメ♡イク、イクっ、イクぅぅっ♡
「…………あー」
気持ちよさの限界点。
そこに到達したとき、ふと透真が口を開く。
それから、彼は優しい声で、アタシに言った。
「エディアが気持ちよくなってるところを、見せてほしい」
その声は、アタシにとどめを刺すには十分過ぎた。
大好きな彼の声が、心地いい声色が、アタシの耳を犯して、頭の中を甘く揺らす。
「ぁ────」
それは彼からの素直な要求であり、絶頂の命令と許し。
じゃあ、彼を愉しませるための、専属道化のアタシがどうなるかは、簡単だった。
「────んあぁぁぁあぁああぁぁぁぁぁっ♡イクっ♡イクぅぅぅぅううぅぅぅっ♡」
腰が何度も跳ねて、ナカから潮が吹き出す。
背中を反らして、ガクガクと痙攣する。
「イッてるっ♡イッてますぅぅぅぅっ♡
あぁあぁっ♡きもちいっ♡きもちいいですぅぅぅぅっ♡」
オナニーして、余すとこなく視姦されて、絶頂許可出されて、潮をぴゅっぴゅっと吹いて、イク♡
恥ずかしさに焼かれて、それがまた気持ちよくなって、アタシの内側がドロドロに蕩けちゃう♡
「あ……♡あぁ……っ♡イッ、ちゃったぁ…♡アタシ、イッちゃったぁ……っ♡」
未だに身体は不規則に跳ねていた。
それでもどうにか息を整えて、アタシの下の透真の姿を確かめる。
彼はと言うと、酷い有様だった。
アタシから零れた蜜で、下半身はぐちょぐちょ。
加えて、上の方もアタシがぶちまけてしまった潮で、顔まで汚れてる。
「嗚呼……ごめんねぇ。顔に、お潮吹いちゃった……♡すぐに、綺麗にするね……♡」
「いいよ。困んないし」
そう笑って、透真はぺろりと顔についた愛潮を舐め取った。
彼が、アタシのものを口にしてくれた。お潮、舐められちゃった……♡
それがなんだ嬉しくて、アタシの子宮がまた疼いてしまう。
「っ、はぁ……♡れぇろ♡んっ♡」
アタシが汚しちゃった透真の顔を舐め回していく。
このときのアタシは、綺麗にしようとかそんなことは考えてなかった。
ただ、彼が愛おしくて、舌を這わせたくって、気づいたらぺろぺろしてた。
「んぁぁ……♡お仕置き、よく耐えたねぇ……♡
えらい、えらい……♡おあずけ、辛かったよねぇ……♡」
ちゅっ、ちゅっ、と顔中にキスをしながら、透真の頭を撫でてて何度も褒める。
「…………エディアのほうが、なんか辛そうだったけど」
「んふふ……♡うん、辛かったかなぁ。今すぐにでも交わりたいのに、我慢してさ……
それに、透真が寂しい思いをしてたのとか、気づけなかったのが……辛かったなぁ」
アタシ今、どんな顔してるのかな……
笑ってるつもりなんだけどな。
でも、間近で見る透真は、そんなアタシを見て悲しそうな顔をしてる。
「ごめんね、エディア」
ぎゅっ、て抱きしめられる。
それから、頭をなでなでされちゃう。
「んぅ……♡」
髪を梳かすように、穏やかに撫でられる。
彼にそうされると、なんだか心が暖かくなって、幸せな気分になってしまう。
「…………なんか、オレの身の上のこととか、あんまり話したくなくってさ」
ぽつり、ぽつり。
呟くように、透真が零す。
「うん……分かってるよ。辛いこと、だもんね」
分かってるんだよ、アタシだって。
そんなこと言いたくないってことくらい。
「分かってるけど……知りたかった。
キミが辛かったこと、寂しかったこと……知りたかったよ」
分かってるんだよ、アタシが無理言ってることくらい。
言いたくないことなんて、言うはずがない。
アタシだって教えてくれなんて求めなかった。
それなのに今更知りたかったとか、そんなの無理だし無茶苦茶だ。
けど、けどね。
酷い我儘でも、無茶苦茶でも。
アタシは、ただ────
「アタシは、キミを幸せにしたいよ」
アタシはただ、そう願うよ。
そういうものなんだよ、アタシは。
「寂しいときは、抱きしめたいよ。
人肌が恋しいときは、寄り添いたいの。
泣きたいときは、胸を貸してあげたいな。
苦しいときは、甘やかしたりしてさ……」
透真の頬に、触れる。
白い指先で、優しく、慈しむように。
「毎日さ、愉しませたいな。手品とか、お喋りとかで。
でもって、くだんないことで笑い合ってさ。
それからたくさん、たくさん、キスして。
いっぱい、いっぱい、繋がって……愛し合って」
ちゅっ、と彼に唇を落として、言う。
「……寂しいって思う暇もないくらい、幸せにしたい」
だってキミは、アタシの大好きな人なんだから。
愛してる人に笑ってほしいって思うのは、当然のことなんだから。
「………………ありがと。こんなオレを、想ってくれて」
アタシの願いを聞いて、今度は透真からキスされる。
優しい口づけ。蕩けてしまいそうな、甘いキス。
「寂しくなかったよって言ったの、嘘だけど……でも、今は寂しい思いはしてないよ。
まぁ、そりゃ、家で独りってのは寂しかったし、ずっと誰かが恋しかったけどさ」
彼の眼差しに、射抜かれる。
真っ直ぐで、アタシしか写ってない、瞳。
どこまでも引き込まれてしまいそうな、強い眼。
それに見つめられて、目が反らせない。
「エディアと出会えてから、寂しいって思うことはなかったよ」
「あ…………っ♡」
撫でられてた頭が、ぎゅぅって抱き寄せられる。
「エディアと出会えて、そして付き合えて、本当に良かったって思う。
オレの傍にいてくれるのが、他の誰かじゃなくて、他でもないエディアで良かった」
抱きしめられて身動きできないアタシに降り注ぐのは、愛の言葉。
アタシで良かったっていう、最上級の賛辞と、最大級の愛情。
「ありがとう、エディア。その……素直にこういうの言うのは照れるんだけどさ……」
恥ずかしそうにはにかんで、彼はアタシに、致命的な愛を囁いてくれる。
もう二度と手放せなくなるような、透真に沈んで、堕ちていくような、そんな愛を。
「オレは、エディアと一緒に幸せになりたい」
耳元で伝えられた、最愛の人の願い事。
それに、一匹の雌に過ぎないアタシが、抗うことはできなかった。
アタシの全部、身体も心も、髪の毛一本から魂まで、全てが透真に奪われた。
透真の全部、身体も心も、髪の毛一本から魂まで、全てが欲しくてたまらなくなった。
嗚呼、無理だよ。絶対に無理。
抵抗なんてできるわけがない。
堕ちきったよ、アタシ。
完膚なきまでに、キミに。
「ん、ふふ……♡アタシも、だよ♡アタシも、透真と幸せになりたいな……♡」
にやけるのが止まらない。
幸せになってるのが隠せない。
彼の首元に顔を埋めるのが、精一杯。
でも、アタシは、キミをもっと愉しませる道化。
もっともっと幸せを上乗せしたい貪欲な魔物。
だからひとつ、意地悪させて……♡
「ねぇ、言って♡キミの言う『エディア』が『アタシ』だって分かるように…♡
同じ名前の他の誰かじゃなくて、他でもない『アタシ』だって、分かるように……♡」
あれ、おかしいな……
もっと余裕で道化的で、意地悪な声で言うつもりだったのに。
なんでかな、必死で媚びるような、雌みたいな声しか出ないや…♡
「あはは……そっか。じゃあ、そうだね」
ちょっとだけ困ったように笑って、おふざけに付き合ってくれる。
なんだかそれが幸せで、胸の奥がぽかぽかした。
「……魔物で、ボギーで、オレと付き合ってくれてる女の子で、オレが誰よりも愛してて………」
囁かれる言葉が、ひとつ、ひとつ、丁寧にアタシを犯していく。
もうキミなしじゃ生きられないくらいに、キミが好きでどうにかなりそうなくらいに♡
「可愛い道化みたいな人で、寂しいときには傍にいて欲しいって思う人で、傍にいてくれる人で、オレを想ってくれる人で……」
キミ、優しい子だって思ってたよ。
でも、違うね。ヤバイよ、キミ♡劇物だよ、こんなの♡
こんなの、こんな愛情、逃げられないように抱きしめられて、間近で囁いて♡
「オレを幸せにしたいって頑張ってくれる大好きな人で、オレが幸せにしたいって思う愛してる人で……」
狂わされちゃうよ、アタシ♡
キミ狂いの発情しきった雌になっちゃうよ♡
「一緒に幸せになりたいって思う、エディア」
やっぱり、悪い子だって、キミは♡
アタシの心を、こんなにも奪うんだもん♡
けどとっても良い子だよ、キミは♡
アタシの欲しいものを、溢れるほどにくれるんだもん♡
だって、キミ。まだ、口を閉じてないね?
ねぇ、まだ壊すのかい♡
もうどうにもならないくらい、キミに狂ってるのに♡
まだアタシに甘い愛を突き刺してくれるんだぁ……♡
「──そんなエディアのことが、大好きです。
──どうかこの先ずっと、オレと一緒にいてくれませんか?」
「────はい」
透真の愛の告白に、アタシは短く答えることしかできなかった。
「んちゅぅっ♡んぁ♡ちゅっ、ちゅっ♡んん〜っ♡」
弾かれるように、アタシは透真の唇を奪って、貪るように舌を絡め、唾液を啜る。
嗚呼、ここまで愛を囁かれて、耐えられる魔物が、雌がいるだろうか?
いいや、いないね♡我慢とか絶対に無理だね♡
「ちゅっ♡ちゅぅぅ♡んむっ♡はぁっ♡ん、んんっ♡」
唾液を混ぜ合う音がする。
舌が蕩けちゃいそうなほどに、甘い味がする。
テクニックもなにもない。ただ貪欲に、愛しい人を求めてるだけ。
それに、彼も応えてくれる。
アタシの舌を舐めて、絡めて、気持ちよくしてくれる……♡
「っ、はぁっ♡………ん♡…はぁ、はっ、はっ、はっ……♡」
一度、くっつけ合っていた唇を離す。
てらてらとした唾液の糸が、ぷつりと切れて透真に落ちた。
「んふふ……♡もう、アタシ……限界だよ♡そんなこと、言われちゃったらさぁ……♡
それに、キミのおちんちん見せつけられて、キミをおかずにオナニーして、交わるのを我慢して……♡
はぁっ……♡おまんこ、限界ぃ……っ♡うずうず、きゅんきゅん、してるぅ……♡」
さっきイッたというのに。ううん、イッたからこそ、疼いてる。
物足りない自慰じゃなくって、愛する人から与えられる快楽でイキ狂いたいって、愛液垂れ流してる。
「透真も、もう限界だよね♡おあずけされて、限界だよねっ♡
キミだけの発情雌道化が、裸になって、キミとずっとくっついてたんだもんねっ♡
いいよ、いいよっ、いいよぉっ♡頑張った子にはご褒美をあげちゃうよっ♡」
言い終わる前に、足を大きく開いて仰向けに寝転がる。
そのまま両手でとろとろになったおまんこをくぱぁって広げるのも忘れない。
「ほらほらっ♡イッたばっかりで敏感なアタシのナカ、好きにしていいよっ♡
指で広げて、ちょっと空気に触れてるだけでじんじんして、気持ちよくなっちゃうクソザコおまんこだよっ♡
きっとキミにおちんちん挿れられるだけでイッちゃうだろうねっ♡
いいんだよ♡好きなだけめちゃくちゃにしていいんだよっ♡
我慢するの辛かったよね。イヤだったよねっ♡そのぶん思いっきりハメハメしちゃっていいからぁっ♡」
大好きな透真を、全力で誘惑する。
するんだけど、これって誘惑じゃなくて、必死におねだりしてるみたいだね♡
まぁいいや♡おねだりでもなんでもさぁ♡
気持ちいいことして愛し合うんならなんだっていいや♡
「透真のおちんちん、アタシを犯したいよぉっておっきくなってるよねぇっ♡
アタシもそうなのっ♡犯して、って入り口ひくひくして、媚びへつらってるんだよっ♡
見えるよねっ♡アタシがおまんこでおねだりしてるとこっ♡
挿れてほしそうにぱくぱく痙攣して♡キミに慰めてほしそうにしてるとこっ♡」
ぺらぺらぺらぺらと口が回る。
これ、止まらないね。
透真にぶち込まれて繋がれるまで止まってくれないね。
それまでアタシのこの口は、淫らな言葉で挿入をねだり、煽り続けるだろうな。
「あぁんっ♡お願いっ♡挿れてぇっ♡
切なすぎてつらいのっ♡おねがい、おねがいぃっ♡
おちんぽで膣壁えぐられてっ♡アンアン啼かされたいのぉっ♡」
「大丈夫、分かってるよ。オレもエディアと繋がりたいから」
ゆっくりと、透真がアタシに覆いかぶさってくる。
彼の息遣いに、匂いに、頭がクラクラした。
「っ♡あぁっ♡んん〜〜〜っ♡♡」
ぐちゅり。股の間から、快感が広がった。
亀頭が入り口に押し当てられてる。
今から犯すって、繋がるって、そう言われてるみたい……♡
「いくよ、エディア」
「うんっ♡きてっ♡一気に奥までっ♡
ナカほぐれててお汁でぬるぬるだからっ♡
乱暴にぶちこんでいいからぁっ♡」
挿れられたい。一息に、透真のモノを感じたい。
愛おしい人のモノで貫かれたい。
「っ…………!」
その欲求を満たしてくれるように、太くて硬い肉の棒が、とうとう挿入される。
「あ゛っ♡」
アタシが求めたように、一気に。
おちんちんが滑り込んで、勢いよく蜜壺をかき分け、奥をこつんと叩いた。
「あ、あぁ、あっ、ひゃああああぁぁぁあぁああぁぁああぁぁあぁぁぁああ♡♡♡」
イッた。
本当に、挿れられただけでイッた。
身体が跳ねる。アタシの内側がびくびくって震える。
目の奥がチカチカして、与えられる快楽に蹂躙される。
「……エディア、絶頂した?」
「ひゃんっ♡いぎっ♡い、イッたっ♡イッちゃってるっ♡
らめっ♡きもちいっ♡んあぁぁぁっ♡なかっ♡かってにしめてっ♡
おちんぽっ、かんじちゃってるぅぅぅっ♡」
絶頂した膣内が締まって、より強く男性器を感じてしまう。
熱くて、太くて、硬くて、美味しい♡
その快楽によがり狂うが、奥深くまで穿たれたアタシに逃げ場はない。
こうなれば最早、アタシにできるのは透真から叩きつけられる快感に喘ぐことだけだ。
「とおまっ♡とおまぁっ♡うごいてっ♡うごいていいよっ♡
アタシをいじめまくっていいよぉぉっ♡パンパンって♡シてぇぇっ♡
またイクからぁっ♡ぜったい、ちょっとうごいただけでアタシ、イクからぁぁっ♡
ひゃあぁぁぁぁぁっ♡きもちいいよぉぉぉぉっ♡♡」
「……エディアはイきたいの?しんどかったら落ち着くまで待つけど…………」
心配してくれてるのかな?
まぁちょっと挿れられただけで絶頂して跳ねまくってるんだもんね。
そりゃ心配になっちゃうか。んふふ♡そういう優しいとこ好きだなぁ♡
でもでも、アタシは大丈夫だよぉ……♡
「イきたいっ♡イかせてぇっ♡もっともっと♡おかしてほしいのぉっ♡
とおまに、もとめらたいっ♡アタシを、あいしてぇぇっ♡♡
アタシもっ♡いっぱい、ひぃっ♡きもちよく、するからぁぁっ♡」
しんどくなんてないよ♡
好きな人の手で絶頂させられて嫌がる魔物はいないんだから♡
「ありがとう。じゃあ、気持ちよくされるよ」
軽く、透真がおでこに口づけを落とす。
触れるだけの穏やかなキス。
アタシを労るような口づけ。
でもきっと、それが最後の優しさ。
透真の目、今から番いの雌を犯し尽くす、雄の目だもん♡
「それで、エディアのことを気持ちよくできるように頑張るよ」
口調は柔らかだけど、顔はどこか嗜虐的に笑ってる。
そんな彼が、逃さないようにと両手で腰を掴んで、アタシを固定する。
やばい、と思ったときにはもう遅かった。
「〜〜〜〜〜〜〜っ♡♡♡」
入り口ギリギリまで引き抜かれ、それから再び奥まで挿れられる。
出したり挿れたり、出したり挿れたり。
カリ首にひだが引っ掻かれたかと思えば、その直後には肉の棒に収縮する膣壁を押し広げられる。
その刺激にまだ絶頂から降りきれていないアタシは、為す術なく再び絶頂させられた。
「ひぃぃぃっ♡イクっ、イクイクっ♡イクぅぅぅっ♡♡ひだひだ、こしゅられてぇっ♡
あっ♡あっ♡そこっ、おくっ♡おく、らめっ♡ひゃあぁぁっ♡おくっ、コツコツって♡
らめ、それイクっ♡しきゅうの、いりぐちっ♡さきっぽと、キスしてるぅぅっ♡♡」
コンッ、コンッ、って何回も子宮口に亀頭がめり込む。
その度に頭が真っ白になって、最奥から熱いのが広がっちゃう♡
加えて、激しく膣内をえぐられる感覚もアタシを悩ませた。
気持ちいいところが、根こそぎ削ぎ取られる悦楽。
壁も、ひだも、奥も、入り口も、膣内全部が気持ちいい。
どこを責められても絶頂に押し上げられる。
「ああああっ♡♡とおま、みてっ♡アタシの、イキまくってるとこっ♡みてみてぇっ♡
がくがくしててっ♡んひぃっ♡よがって、あえいてでるとこっ♡たくさん、みてっ♡
ひぃひぃ、いわされてっ♡なかされてるとこ、みててっ♡それでね、それでねっ♡
たくさんっ、たのしんでっ♡アタシで、たくさんっ♡たのしんで、くだしゃいっ♡♡」
たくさん気持ちよくなってほしい。たくさん愉しんでほしい。
だってアタシは道化で、透真だけの雌だもん。
雌は番いの雄を……旦那様を気持ちよくさせないといけないの♡
道化はご主人様を愉しませないといけないの♡
だからね、喘ぐ。喘ぎまくって、悶まくって、イキまくる♡
愛しい旦那様でご主人様な彼を、最高に愉しませるために♡
「おちんぽ、きもちいい、ですかっ♡
アタシ、がんばって、きゃぁんっ♡おまんこ、しめてましゅっ♡♡
ぎゅっぎゅっ、って♡んんっ♡とおまが、きもちよく、なれるようにっ♡あぁぁっ♡」
「ありがと……!すごく、気持ちいいよ…っ!」
全力でナカを締めて、キツキツおまんこでおちんちんを扱く。
うねる襞で逸物を包み込んで先端から裏筋までを撫で回してあげる。
彼、気に入ってくれたのかな。とっても気持ちよさそうにしてくれてる……♡
「ん、ふふっ♡えらい、えらいっ♡アタシを、こんなにっ、あひぃぃ♡きもちよくさせて、くださってぇ♡ありがとう、ございましゅぅっ♡
いいこ、ですねっ♡あ、あっ♡あんっ♡そこっ、そこもっと♡もっと、おかしてぇっ♡
アタシをっ、おかして、ひゃぁっ♡えらい、ですっ♡いひっ♡いいよっ♡そうやって、アタシをっ♡めちゃくちゃに、してぇっ♡」
両腕を伸ばして彼を抱きしめ、片手で頭を撫でる。
その間ずっと、えらいえらいと褒めてあげる。
アタシを犯してえらいね♡アタシを気持ちよくしてえらいね。良い子だねって♡
んふふ♡褒められると嬉しいよね♡もっと褒められたくなっちゃうよね♡
「っ!エディア……!」
うん、もっと褒められたくなっちゃったら、そうだよね♡
「あひぃぃぃぃぃいいぃぃっ♡♡はげしっ♡はげしいよぉぉぉぉっ♡
ひゃぁぁぁっ♡♡らめらめらめぇぇぇっ♡♡よわいとこ、そんなはげしくっ♡せめちゃっ♡らめぇぇっ♡」
アタシをイかせて褒められるなら、もっとイかせようって激しくしちゃうよね♡
んふふっ♡えらいよ、良い子だよ♡エッチな魔物を気持ちよくしてあげるのはとってもえらいねっ♡
「たのしいっ、かなっ♡とおま、たのしんでる、かなっ♡
アタシ、とおまに、あぁっ♡きもちよく、してもらえてっ♡しあわせだよっ♡♡
とおまも、しあわせ、かなっ♡アタシっ、いっしょにぃ♡んぁっ♡いっしょに、しあわせに、なりたいよぉっ♡♡」
「幸せだよ!オレ、エディアと一緒になれて!本当に、幸せだよ!」
「ん、ふふっ♡しあわせっ♡いいよぉっ♡このままっ、しあわせせっくしゅ、しよっ♡」
舌を突き出して、とろんとだらしなく笑って、透真との幸せに耽溺する。
もう気持ちいいことと、彼のことしか分かんない♡
幸せすぎて、頭パーになっちゃう♡
「エディアっ、好きだよ!大好き、愛してる!この世の、誰よりも!」
「っあぁぁ♡それっ、それらめっ♡あいしてるって、いわれたらぁっ♡
しきゅうっ、きゅんきゅんしてぇ……んぁぁぁっ♡おまんこまたイクぅぅぅっ♡♡」
愛してるの言葉責めに、あえなく絶頂する。
これやばいっ♡大好きな人に、大好きって言われるのやばいぃ♡
嬉しすぎて、幸せすぎて、どうにかなっちゃいそう……♡♡
「アタシっ♡アタシもっ、すきっ♡すきっ、すきぃっ♡しゅきなのっ♡
だいしゅきっ♡とおまが、だいしゅきですっ♡あいして、ますぅっ♡」
幸せと快楽でダメになった頭で、精一杯の愛の言葉を紡ぐ。
「んむっ♡んちゅっ♡ちゅぅ…………♡♡んんっ♡」
けど、それさえも彼からのキスで塞がれて、貪り尽くされる。
下のお口はおちんぽでぱこぱこ気持ちよくされて、上のお口は舌で舐め回されちゃう♡
身体も心も全て快感で蹂躙されて、最早アタシにできるのはがくがく震えてイキ狂うことだけ♡
「はぁあんっ♡キス、しゅきぃぃ♡もっと、していいですよぉ♡
アタシもっ、いっぱいっ♡ごほうし、しますからぁっ♡」
口づけをせがめば、彼はまたアタシとキスしてくれる。
あんあん喘ぐ口じゃ、入ってくる彼の舌を拒めない。
そのまま受け入れて、必死に絡め合う。
愛してるって伝え合うような深いキスは、とっても甘い味がした。
彼の味に酔いしれて、彼の唾液をこくこくと飲む。
その甘さが背筋を伝って、ゾクゾクと頭の中を快感で揺さぶった。
「っ、エディア……ごめん、そろそろ……っ!」
「あはぁっ♡もう、でそうっ♡せーえき、でちゃいそう、なんだねっ♡
いいよ、いいよ、いいよぉっ♡アタシのおくに、そそいで、くだしゃいっ♡
キミの、いんらん、どうけにぃっ♡キミだけの、アタシにぃっ♡
せーえきっ♡どぴゅどぴゅ、してくだしゃいぃぃいぃぃぃっ♡♡」
足を彼の腰に絡めてしがみつき、全身全霊で射精を懇願する。
ねぇ、透真。キミの目に映るアタシは、どう見えてる?
旦那様に媚びて射精を乞う可愛いお嫁さんかな♡
ご主人様を煽って精液を恵んでもらおうとしてる淫らな道化かな♡
あるいはキミに気持ちよくしてもらうことしか頭にない性奴隷かな♡
それか、キミに狂ってキミ堕ちてキミが大好きな雌かなぁ♡
んふふっ♡なんだっていいや♡
だって全部、アタシなんだから♡
アタシは、可愛いお嫁さんで、淫らな道化で、性奴隷で、キミが大好きな一匹の雌♡
キミを愉しませて、悦ばせて、幸せにして……そして、一緒に幸せになるの♡
「あぁぁっ♡アタシも、イクぅっ♡おっきいの、きちゃうぅっ♡
おねがいっ♡いっしょに、イかせてぇっ♡とおまと、いっしょに、イキたいのぉっ♡
いいよねっ♡おねがいしましゅっ♡いっしょにイクこと、ゆるしてくだしゃいぃっ♡」
「うん……!オレも、一緒がいいから……っ!」
アタシのおねだりに、透真は全力で応えてくれた。
ストロークはより激しさを増して、アタシの弱い所を重点的に責めてくる。
「ひぃぃぃぃぃっ♡やばいやばいやばいぃぃぃっ♡
もうらめぇぇぇっ♡♡ああぁぁあぁあぁぁぁっ♡♡」
キミだけのよわよわなおまんこが、そんな激しいのに耐えられるわけがない。
こんなの、すぐイかされちゃうって……♡
「エディアっ……出すよ……っ!」
「はいっ♡はひぃぃぃっ♡アタシも、きちゃいましゅぅぅぅぅっ♡おまんこぐちゅぐちゅされてイクぅぅぅぅぅっ♡らめらめらめらめぇぇぇぇぇぇぇっ♡♡
ゆるひてぇぇぇっ♡アタシを、だめに、してくだしゃぁぃぃぃぃぃぃっ♡♡キミだけのだめだめな、およめさんに、してぇぇぇぇぇっ♡♡」
「っ、ぅ…………!!」
射精寸前の震える男性器が、アタシの奥深くを突き刺して、えぐる。
子宮全体が揺れるような感覚と、あまりに強すぎる快楽。
それがとどめになって、アタシは深く絶頂へ導かれた。
「ひゃぁぁあぁぁぁぁぁあっっ♡♡イクっ♡イクイクイクぅぅぅぅぅうぅぅっっ♡♡」
どぴゅっ♡どぴゅっ♡びゅるるるぅぅぅっ♡♡
最奥に精液が注ぎ込まれる。愛しい人の精子が叩き込まれちゃう♡
「あぁぁあぁぁぁっ♡♡あちゅいぃぃぃっ♡せーえき、きもちいいぃぃいいぃぃっっ♡♡
イクぅぅぅぅぅぅっっ♡♡なかだしされてまたイッちゃうぅぅぅぅぅ♡♡んあぁぁぁあぁあぁっっ♡♡♡」
子宮口を突かれてイッて、中に精液浴びてより深く絶頂する。
息もできなくなっちゃうくらいの絶頂。身体中が跳ねまくって気持ちいい以外の感覚が分かんなくなる。
「おちんぽはねるたびにイクぅぅぅっ♡イッてるぅっ♡ずっとイッてるからぁぁぁっ♡♡
ひぃぃいぃぃあぁぁぁぁあぁぁぁっっ♡♡またイッちゃうぅぅぅ〜〜〜〜〜っっ♡♡」
イキっぱなし。ちょっとおちんちんが跳ねただけでイッて、ちょっと精液出されただけでまたイク。
なんなら反射的におちんぽ締め付けるだけでイッてるし、中出しされた精液の熱さだけでイッてる。
いつまで経っても、絶頂から降りられない。
蕩けきった嬌声が止まんない。
何度も何度もイッて跳ねて、びくびくって震えて、透真を愉しませて。
アタシは、キミに愛されただけでよがり狂っちゃう淫乱な雌なんだってアピールして。
アタシは、キミが好きすぎてこんなになっちゃうんだよってイッて伝えて。
「しゅきしゅきしゅきぃぃぃぃぃ♡とおま、だいしゅきぃぃぃぃぃぃいいぃぃっ♡♡」
そんな好き好き絶頂を、何回も繰り返す。
叫ぶように喘いだ。
淫らに鳴かされた。
びくんびくん痙攣し続けた。
子宮に注がれた精液の甘さに酔いしれて。
彼からの愛に溺れきって。
幸せな気持ち持ちで満たされて……
……それからどれだけ経っただろう。
ようやく、アタシは絶頂から降りていくことができた。
嗚呼、やばい……♡降りたって言ったけど、まだ降りきってないや♡
余韻で甘イキしてるし、腰が砕けてへこへこしちゃってる……♡
「あへぇ…♡んふ、ふ……♡ちゃんと、中出しできて、えらい、えらい…♡
アタシを犯してるときの、透真……男の子って感じで、カッコよかったよ……♡」
もう少し大仰に褒めたかったんだけど……身体が言うこと聞いてくれないや♡
どうにか口を動かして、彼の頭をなでなでしたげるけど……今はそれが精一杯。
「んふふぅ……♡カッコいいおちんちんで、メロメロにされちゃったぁ……♡
あんなに、めちゃくちゃにされて……愛されちゃったら、ダメになっちゃうよぉ……♡」
「じゃあ……責任とって面倒見るよ。一生さ」
「っ♡あぁ……♡」
真剣にそんなこと言われちゃったら……困るよぉ♡
もっともっと好きになって、もっともっと尽くしたくなっちゃう♡
「責任、とってくれるならさぁ……♡毎日、アタシを抱いてね♡
それから、ご飯は一緒に食べて、お風呂も一緒に入って……♡
それでね、一緒に、おやすみして……ベッドの上でたくさん愛し合おうね……♡」
「あはは。とっても幸せな生活だね。
うん、オレもそんな風に、エディアと生きていきたい」
「んふふっ♡やったぁ♡らぶらぶ、だねぇ♡」
なんか顔が熱くなっちゃって、自分の頬を両手で覆う。
やば、アタシにやけちゃってる。ちょっと恥ずかしいし、口元も隠しとこ。
「んっ♡ナカ……まだ入ってる……♡」
そうやってちょっと身じろぎしたら、その刺激で下腹部がじんっ♡てなる。
嗚呼、そういや、アタシの突き挿れたまま、抜かれてなかったっけ。
まだ、硬いまま♡まだ、大きいまま♡
やばぁ、全然萎えたりしないじゃん♡
それだけアタシが気持ちいいのかな♡
だったらとっても、嬉しいなぁ♡
「あー、ごめん。なんかエディアと離れるのがちょっと、嫌でさ。収まらなくって……」
バツが悪そうに透真が言う。
そっかぁ、離れるのが嫌かぁ♡
「うん、うん♡素直でよろしい♡さて、そんな素直な透真に問題です。
こういうとき、キミのエッチなお嫁さんなアタシは、どうしてやったらもっと悦ぶでしょうか♡」
「……このまま繋がったままでいる、とか?」
「惜しいっ。いや、それもいいけどね?
けどさぁ……ねぇ♡アタシは好き放題、ヤリ放題、だよっ♡
そんな淫乱なお嫁さんには、どうするのが正解かなぁ♡」
「………………もう一回戦する?」
「んふふっ♡大正解っ♡ご褒美に、透真にはこれから一生好きなときにアタシを犯せる権利をあげちゃうよっ♡
アタシがお料理してるときも、お風呂入ってるときも、寝ちゃってるときも♡家でも外でもどこででも♡
キミはこの先永遠に、アタシを好きなときに、好きなだけ、好きなヤリ方で、犯しまくれるんだよぉ…♡」
「……なら、早速その権利を行使させてもらおうかな」
嗚呼、これはアレだね。
夜が明けるまで、もしかすると夜が明けても。
とことんまで愛されちゃうねぇ……♡
「いいね♡いいよっ♡好きなだけ、愛してねっ♡」
こりゃホントに狂っちゃうかもなぁ♡
んふふ♡幸せすぎて最高♡
それからまた、イチャイチャラブラブな陵辱が始まる。
結論から言うとアタシは、次の日の夜が空けるまで、徹底的に愛されて、アヘアヘ鳴かされちゃった♡
◆◆◆◆◆◆◆
夕暮れ。オレは足早に、細くて入り組んだ道を歩く。
これでも一応は高校生なので、今日は学校に行っていた。
で、今は下校中。寄り道もせずに、一直線に我が家へと帰る。
昔はよく寄り道とかしてたんだけどな。
ほら、家帰っても誰もいないし。
けど最近は、そんなことをする必要もなくなった。
嬉しいことに、一緒にいてくれる人ができたから。
さて、そんなことを考えながら歩くこと数分。
こじんまりとした我が家に到着する。
ポケットから鍵を取り出して、玄関を開けてそのまま家に入る。
「ただいまー」
「んふふっ♡おかえり、透真♡」
家に帰れば、そこには愛しい人。
エディアが、ニコニコと出迎えてくれる。
……なぜか、裸エプロン姿で。
「…………なんでそんな格好をしてるの?」
「ん〜?だって透真、前に言ってたじゃん。エプロン着てほしいって♡
んふふ〜♡キミは家庭的な女性が好きなんだよねぇ?」
そういえば前にデートしたときにそんなことを言ったっけ。
まぁ、でも、うん。丈の短い白いエプロンだけを身にまとって、大きな胸の谷間から太ももまで見せてくれる彼女の姿は、とても扇情的だった。
──あのデートの日から、オレの生活というのは大きく変わった。
というのも、エディアがオレと一緒に暮らしはじめたからだ。
彼女はしれっとこの小さな家に住み着いて、オレに尽くしてくれてる。
手品を見せてくれたり、家事をしてくれたり、寄り添ってくれたり……
そしてベッドの上でも、それはそれは献身的にご奉仕してくれる。
賑やかで、楽しくって、暖かな生活。
寂しさとは無縁の日々を、エディアはオレにくれた。
「嗚呼、そうだ。旦那様にこれ聞くの、定番だよねぇ♡
ほら、ご飯にする?お風呂にする?それともアタシ♡
まぁご飯はできてないしお風呂もできてないんだけど」
「キミしかないじゃん」
「んふふ〜♡そうだねぇ、アタシ一択だねぇ♡」
エディアが軽い足取りで近づいてきて、そのまま抱きしめられる。
柔らかな胸が押し当てられ、首に腕が回された。
そして彼女は、熱に浮かされたようにオレにキスをする。
「んっ♡……んふふ♡おかえりのキス、だよ♡
今日も一日、よく頑張ったねぇ♡えらい、えらい♡
そんなえらい子には、頑張ったご褒美をあげちゃうよ〜♡」
抱きしめられながら褒められるのは……嬉しい。
彼女に“えらい”って言われるのは心地よくって、もっと褒めて欲しいと思ってしまう。
子どもみたいだし単純もいいところ。とても自立してるなんて言えないな。
まぁ、いいや。嬉しいって感じてしまうことは仕方がない。
こんな愛おしい人に優しくされて、嬉しくないわけがないんだから。
「エディア」
彼女の名前を呼んで、ぎゅっと抱き返す。
腰と背中に腕を這わし、首元に顔を埋めて、いっぱいに彼女を感じる。
「いいよ♡好きにしちゃって♡学校行って疲れたよね?アタシと離れて寂しかったよね?
んふふ……♡でしたら、たくさん……癒やしてさしあげますね……っ♡」
大好きな人が、いてくれる。ずっと傍にいてくれる。
それがただひたらすらに、幸せだって思う。
「ありがとう、エディア。大好きだよ」
「うん♡アタシも透真のこと大好きで、ずっとずっと愛してる♡」
あぁ、これからずっと、オレはエディアと一緒に生きていくんだろうな。
責任とるって言ったし、オレもそうしたいし。
そしてなにより、エディアは絶対に、オレを逃さないだろう。
「嗚呼、大好きだなんて言われたからぁ、めちゃくちゃムラムラしてきちゃったなぁ〜♡
ベッドまで行けないや〜♡ねぇねぇ、もうここでヤろ?いいよね、いいよねっ♡」
「えぇっ!?」
「困っちゃって可愛いねぇ♡でもぉ、アタシ抱き潰されるまで動いてあげないからね〜♡
ほらほら、アタシは一切抵抗しないから♡足腰立たなくなるまで、犯し抜いてっ♡」
交わりを期待してか、胸やら股やらを擦り付けてくる。
そんなエディアの顔は、どこまでも幸せそうににやけきっていた。
……あぁ、本当に楽しい日々だ。
退屈だとか寂しいだとか感じる暇もない。
「んふふ♡この先ずぅっと、愉しく過ごそうね♡」
その言葉の通り、エディアはずっとオレを愉しませてくれるんだろうな。
ならオレは、エディアにたくさん愉しませてもらおう。
それで、オレもたくさん、エディアを愉しませてあげよう。
「「大好きだよ」」
お互い、考えることは一緒だったみたいだ。
被っちゃって、思わず吹き出してしまった。
ふたりで笑い合う。
楽しいね、愉しいねって。
それから、オレ達はもっと愉しくなりたくって、心いくまで身体を重ね合った。
22/01/05 10:33更新 / めがめすそ