飯が食いたい
俺は、朝は必ずご飯派だと決めている。
しかし、この世界の主食は膨らんでいないホットケーキ、もとい、水に溶かした小麦粉を焼いただけの、ノノコという食べ物だった。
「あら、おはよう」
「……おはようございます」
薄くクレープの様に焼いて、ソース、チーズ、ウインナー、クリームを巻いて食べるのであればまだ味はいいのかもしれない。
しかし、目の前にあるノノコは、フライパンにベチョっと生地を置いて、両面焼いただけのもの。ツナギとなっているものはない。強いて言えば、強力なグルテンがツナギなのだろう。
朝食の席につき、用意してもらったものにケチはつけたくは無いが、米食とパン食に慣れた俺には少し辛いものがある。
しかし、食わねば死ぬ。だから今あるもので満足するしかない。
対面に座る女性ーー命の恩人であるラナさんの手料理だ。そう考えたら食指が動く。
「頂きます」
「はい、どうぞ」
だが、やはり、……不味い。
水と一緒に喉の奥へと押し込み、小皿に出した塩を指につけて舐める。噛んだり味わうことは無い。
この世界ではこうしてノココを食うらしい。
もしかしたら、ノココを不味いと思うのはこの世界の人も同じなのかもしれない。
「今日の仕事はー、薪割りを頼んでもいい?」
「はい、分かりました」
ラナさんはもともとひとり暮らしだ。
僕がこの世界に迷い込み、倒れていた所を救われてから、僕がこの家に居着いた。しかし、ラナさんは僕を追い出すことも無く、こうして家に置いてくれている。
居候の対価として、僕が働き、食事以外の家事を行う。それがこの家での不文律だった。
「あとは、洗濯と、柴も少なくなってきてたから、柴刈りもお願いね」
「分かりました。柴刈り前には洗濯を終わらせて家の裏に干しておきますから、乾いたら取り込んでください」
「うん、わかった」
こうして僕の1日が決まる。昨日は果物の採取だった。
「それじゃあ行ってきます」
「はーい、気をつけてね」
朝食を終えて、家の外へ出る。手持ちの小さなカゴの中にはラナさんの服が入っている。服といっても、腰ベルトの着いたただのチュニック。いや、色や雰囲気からして、ローブと言った方がいいのかもしれない。そっちの方が異世界ファンタジーっぽいし。
それを取りだし、家の裏の川で洗う。
ラナさんの服は女性特有の甘い匂いがする。それはこの世界で毎日洗濯するのが普通ではないからだ。
この世界では目に見えない汗や匂いは汚れとして認識されていないのだろう。もちろん匂いが酷くなればこうして水洗いをして落とすらしいが、やはり目視で確認できる汚れがない限りこうして洗うことは少ないという。
衛生感覚が現代人とはかけ離れているが、水洗いしか出来ないのなら結局同じなのかもしれない。
石鹸は貴族の使う高級品で、日々の沐浴にお湯を使う事すらこの世界では贅沢なことらしい。
ないものをねだることはできない。だから、それならまあ、仕方の無いことか、と割り切るしかなかった。
ローブを洗い終え、次は下着を洗う。
つまりパンツである。
そしてこれもやはり、毎日洗うことはない。
……もう慣れた。
下着といっても、最低限の機能を備えた布に過ぎない。
甘い匂いがローブよりも強く、頭がクラクラする。しかし、灰色の荒い布に色気は欠片もない。……はずである。
ラナさんはこの世界では綺麗好きなほうだ。洗濯は3日に1度するし、沐浴は毎日している。それでも、この下着の正面についた汚れがどうしても気になってしまう。
べったりと、布に染み付いた、ラナさんの秘部から漏れ出たであろう、透明なとろみのある謎の液体。
「…………これは」
彼女の下着のほとんどがじっとりと濡れて、触ると糸を引くとろみのある液体がまとわりついている。
何も考えるな……。と自分に言い聞かせて、また洗濯に戻ろうとした。
しかし、その時だった。
「……………ッ………あッ<♥>……んっ<♥>…………あんっ<♥>あんっ<♥>あっ<♥>………イクっ……<♥>」
家の中から嬌声が聞こえた。誰のものか、なんて考えなくてもわかる。
ラナさんだ。家の窓から中を除くと、僕のベッドの上で、いつ脱いだか分からない僕の下着を頭に被り、必死になってぐちゅぐちゅと股の間を弄る女性が部屋にいた。
ベッドの周りには、僕がこの世界に来た時に着ていた服が散乱し、そのどれもが彼女の愛液でべっとりと彩られている。
ラナさんの被っている僕のパンツも、僕がこの世界に来た時に履いていたものだ。
助けられた時にはラナさんの服を着せられて、僕はこの家にいた。服はボロボロになっていて、ラナさんが処分したと聞いていたのに。
今まで聞いたことの無い甘い甘いラナさんの声。まるでご褒美のおやつをオネダリするイヌやネコのようにきゃんきゃんと甲高い声を上げて快楽の沼に沈む女性。
その光景を見て、僕は、怖くなって抜け出した。
何か、見てはいけないものを見てしまったような気がしたから。
しかし、この世界の主食は膨らんでいないホットケーキ、もとい、水に溶かした小麦粉を焼いただけの、ノノコという食べ物だった。
「あら、おはよう」
「……おはようございます」
薄くクレープの様に焼いて、ソース、チーズ、ウインナー、クリームを巻いて食べるのであればまだ味はいいのかもしれない。
しかし、目の前にあるノノコは、フライパンにベチョっと生地を置いて、両面焼いただけのもの。ツナギとなっているものはない。強いて言えば、強力なグルテンがツナギなのだろう。
朝食の席につき、用意してもらったものにケチはつけたくは無いが、米食とパン食に慣れた俺には少し辛いものがある。
しかし、食わねば死ぬ。だから今あるもので満足するしかない。
対面に座る女性ーー命の恩人であるラナさんの手料理だ。そう考えたら食指が動く。
「頂きます」
「はい、どうぞ」
だが、やはり、……不味い。
水と一緒に喉の奥へと押し込み、小皿に出した塩を指につけて舐める。噛んだり味わうことは無い。
この世界ではこうしてノココを食うらしい。
もしかしたら、ノココを不味いと思うのはこの世界の人も同じなのかもしれない。
「今日の仕事はー、薪割りを頼んでもいい?」
「はい、分かりました」
ラナさんはもともとひとり暮らしだ。
僕がこの世界に迷い込み、倒れていた所を救われてから、僕がこの家に居着いた。しかし、ラナさんは僕を追い出すことも無く、こうして家に置いてくれている。
居候の対価として、僕が働き、食事以外の家事を行う。それがこの家での不文律だった。
「あとは、洗濯と、柴も少なくなってきてたから、柴刈りもお願いね」
「分かりました。柴刈り前には洗濯を終わらせて家の裏に干しておきますから、乾いたら取り込んでください」
「うん、わかった」
こうして僕の1日が決まる。昨日は果物の採取だった。
「それじゃあ行ってきます」
「はーい、気をつけてね」
朝食を終えて、家の外へ出る。手持ちの小さなカゴの中にはラナさんの服が入っている。服といっても、腰ベルトの着いたただのチュニック。いや、色や雰囲気からして、ローブと言った方がいいのかもしれない。そっちの方が異世界ファンタジーっぽいし。
それを取りだし、家の裏の川で洗う。
ラナさんの服は女性特有の甘い匂いがする。それはこの世界で毎日洗濯するのが普通ではないからだ。
この世界では目に見えない汗や匂いは汚れとして認識されていないのだろう。もちろん匂いが酷くなればこうして水洗いをして落とすらしいが、やはり目視で確認できる汚れがない限りこうして洗うことは少ないという。
衛生感覚が現代人とはかけ離れているが、水洗いしか出来ないのなら結局同じなのかもしれない。
石鹸は貴族の使う高級品で、日々の沐浴にお湯を使う事すらこの世界では贅沢なことらしい。
ないものをねだることはできない。だから、それならまあ、仕方の無いことか、と割り切るしかなかった。
ローブを洗い終え、次は下着を洗う。
つまりパンツである。
そしてこれもやはり、毎日洗うことはない。
……もう慣れた。
下着といっても、最低限の機能を備えた布に過ぎない。
甘い匂いがローブよりも強く、頭がクラクラする。しかし、灰色の荒い布に色気は欠片もない。……はずである。
ラナさんはこの世界では綺麗好きなほうだ。洗濯は3日に1度するし、沐浴は毎日している。それでも、この下着の正面についた汚れがどうしても気になってしまう。
べったりと、布に染み付いた、ラナさんの秘部から漏れ出たであろう、透明なとろみのある謎の液体。
「…………これは」
彼女の下着のほとんどがじっとりと濡れて、触ると糸を引くとろみのある液体がまとわりついている。
何も考えるな……。と自分に言い聞かせて、また洗濯に戻ろうとした。
しかし、その時だった。
「……………ッ………あッ<♥>……んっ<♥>…………あんっ<♥>あんっ<♥>あっ<♥>………イクっ……<♥>」
家の中から嬌声が聞こえた。誰のものか、なんて考えなくてもわかる。
ラナさんだ。家の窓から中を除くと、僕のベッドの上で、いつ脱いだか分からない僕の下着を頭に被り、必死になってぐちゅぐちゅと股の間を弄る女性が部屋にいた。
ベッドの周りには、僕がこの世界に来た時に着ていた服が散乱し、そのどれもが彼女の愛液でべっとりと彩られている。
ラナさんの被っている僕のパンツも、僕がこの世界に来た時に履いていたものだ。
助けられた時にはラナさんの服を着せられて、僕はこの家にいた。服はボロボロになっていて、ラナさんが処分したと聞いていたのに。
今まで聞いたことの無い甘い甘いラナさんの声。まるでご褒美のおやつをオネダリするイヌやネコのようにきゃんきゃんと甲高い声を上げて快楽の沼に沈む女性。
その光景を見て、僕は、怖くなって抜け出した。
何か、見てはいけないものを見てしまったような気がしたから。
21/06/27 23:46更新 / (処女廚)
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