四枚の脱出券と五つの脱出口
Μ不思議の国・漂着の砂浜Μ
Μマドラ視点Μ
「初太、落ち着いた?」
ぼくは初太の背中を擦る。
「……すまない」
本来なら「そんなの当然だよ」と言いながら初太とキスしたりズボンの上から股間を擦るのだが、長旅で疲れきった顔の初太を見てそんなことは出来ない。
一方、サバトの面々はと言うと
「これより漂着の砂浜での黒ミサ三次会を行うのデス、開放的になるのデス」
『はいっ』
ファミリアのウィリアの言葉を合図に、エッチなことを始めるサバトメンバーたち。
「……あいつら元気だな……サバトの奴等は……みんな……ああなのか」
「その通り、サバトとは快楽に忠実であれがモットーなのさ」
「初太、あまり喋っちゃ駄目よ。まどっちが心配してるわよ」
初太の友人、平也とまちたんこと満知子が声をかける。
「悪い…平也…満知子…本当なら……黒ミサ……やるところを」
「気にしなくていいさ、俺達ずーっと同じ屋根の下で育った仲じゃねーか。この国に来てもそれは変わらねーよ」
「あんたの乗り物酔いは今に始まったことじゃないからね」
「……この国にも……海があったんだな……海に沈む夕日が綺麗だ……つい夕日を見ながら眠りたくなる……」
「もぅ、初太ったら、そんなことしたら元いた世界に戻っちゃうよ」
「そうなのか……?」
「正確にはチケットを持っていればだけどね」
「チケット?」
ドーン
「何?」
まちたんが爆発が起こった方向を見る。
ドーンッ
突然の爆音に流石のサバト会員も腰の動きを止める。
ズドーン
奥から桃色の噴煙が登り、二人分の影がこちらに向かって飛来する。
ほんの十メートル先に落ちたそれは
「あんっ♪あはんっ♪」
「ハァハァ!ハァハァ!」
情欲に任せて交じり合う男女だった。
「何だ……あれ?」
「ジャバウォックのブレスだ」
ぼく達は初太を抱えながら現場へと向かった。
Μセバスの戦いΜ
「あん、あん」
「あんっあはん♪」
「にゃんにゃあん」
「いいわ、四つん這いって凄く気持ちいいー」
「最高♪最高♪もう脱出なんてどうでもいい♪」
交わる男女の道取りを辿っていると
執事服を着たジャバウォックが数名の兵士と戦っていた。
「セバスさんだ」
「セバス…?」
「フォーカードの一人だよ」
セバスさんが放つブレスをかわす兵士達。
ドゴォォーン
ブレスは交わる男女達に命中。
「うぉぉぉ!」「ああん曹ん♪」「ハァハァハァ」「イクッイクウッ」
男女は怪我どころか、より情欲を焦がし、より激しく交わる。
「なんという威力だ……反撃する隙がない」
「あれが手加減を一切しないジャバウォックの本気なのか?」
「やっと効果が現れましたか」
セバスさんは口を開く。
「何?」「隊長代理さん♪」「おい、どうした?」「隊長代理、兵士達が武器を捨てて次々と抱き合っています、うわっ」「ね〜ね〜セックスしよ〜」
「ん〜チュッチュ」「何故だ、我々はブレスを喰らってないはず」
「あなた達もとっくにブレスの餌食になってますよ」
「どういうことだ?」
「兵士達を吹き飛ばしたブレスに加えて、少しずつ貴方達の周囲にブレスを散布していました。それが空気中の魔力を取り込むように体内に少しずつ蓄積されていったのです」
「にゃぁんっ」「ぴょーん」「ふにゅ〜」
「女性達の頭から動物の耳や角が生えてきただと……」
「どうやら不思議の国を旅するうちに体内に蓄積した魔力が開花したようですね」
「くそぉ、まだ脱出チケットはむぐぅ」「れろれろ〜じゅるるっ」
あかなめに負けないくらい激しいディープキスをされる隊長代理。
「残念ですが、脱出チケットはお預けです」
セバスさんは内ポケットから光る紙を取り出す。
「初太、あれがさっき言ってたチケットだよ」
「そうか……あのチケットがあれば……元いた世界に……帰れるのか」
「初太もなのか?俺も見ただけで「あのチケットを使えば不思議の国から脱出できんじゃね?」と思ったぞ」
「まるでアタシが人間から魔物になると同時に、男を誘惑する方法とエッチのやり方が自然と理解できた時と同じ感覚だわ……」
「四人ともわかったようだね、あれが数少ない不思議の国からの脱出方法の一つ、脱出チケットだよ」
黒の燕尾服に二角帽を被ったマッドハッター、コルヌが声をかけてきた。
「コルヌ」
「迎えにきたよ、マドラ」
Μタマゴの里西側Μ
「到着♪」
「すげぇ、砂浜からあっという間にタマゴの里にたどり着くなんて」
「つい最近女王様が設置したワープポイントだからね。知らないのは無理ないか」
「コルヌ、どうしてセバスさんはあそこにいたの?しかも脱出チケットを持って」
「簡単に言えば撒き餌だよ」
「撒き餌?」
「詳しいことは刑示板で説明されてるから、見に行こう」
ぼく達は刑示板の前にたつ。
刑示板にはコルヌを含めた四人の魔物娘達が映し出されていた。
『不思議の国から脱出したい諸君に朗報よ』
『それがこの脱出チケットデス』
『これをボク達フォーカードが一枚ずつ所持する』
『脱出したい気持ちが強いほど、本能的に感じるだろう』
チェシャ猫,マーチヘア,コルヌ,先程砂浜にいたセバスが順番に説明し
『『『『このチケットを手にして帰還ポイントへ行けばこの国から脱出できると』』』』
四人同時に述べる。
『我々フォーカードと戦い、チケットを奪う』
『一枚のチケットで脱出出来るのはたったの一人デス』
『つまり脱出できるのは多くて四人、少なくてゼロ』
『僅か四つの枠組みに入る者はいるかな?』
そして不思議の国の全体図と【帰還ポイント】と書かれた赤く照らされた五つのポイント。大まかに中心部と東西南北に一ヶ所ずつ。
「東西南北の帰還ポイントを舞台にフォーカードが討伐隊とチケットを巡って戦うのさ、ボクは南側担当だよ」
「コルヌはそこに向かう途中なんだね」
「その通り♪」
「見ろよ、討伐隊VSフォーカードの戦いがリアルタイムで放送中だってさ」
平也さんがたぶれっと式の刑示板を操作し【シャーシャの闘い】をタッチする。
長身のチェシャ猫と兵士達が映し出された。
※濃霧の帰り道※
「このボールを奪った者に脱出の権利を与えるわ」
チェシャ猫のシャーシャが持つどす黒い塊。
闇よりも暗い塊の中にあるのは輝く長方形の光。
「あのボールを奪えばいいのか」
「ただし一対一での勝負が条件よ。ボールを奪う気力が無くなった時点で次の人に交代でよろしいかしら?」
「まずはあたしからよ」
小柄な少女がシャーシャに向かって走り出す。
「よっと促
「あっ」
「ほいっ促
「このっ」
「ふーんふふん促
しかし、シャーシャの華麗なるボールさばきに翻弄される。
息切れする少女に対しシャーシャは余裕綽々。
「はぁ、はぁ……少し休むわ」
少女は眠るようにその場で横になった。
「どうやらギブアップのようね、次は誰かしら?」
「次は俺だ!」
青年兵士が名乗り出る。
「と、その前にアイツを退かしていいか?」
「場所ぐらい変えてあげるわよ。あの娘、気持ち良さそうに眠ってるし」
「眠ってるなら尚更移動させないと」
青年が少女を抱えて、兵士達の所へ帰す。
「こんな状況なのに、お構い無しに寝てるわね」
「そうだな……こんな大事な時に眠ってるなんて……お仕置きが必要だな」
青年は少女をうつぶせにすると、彼女のズボンをずらし、自分のズボンから男性器をさらけ出し
四つん這い寝姦を始めた。
「きゃあ、不潔よ」「おい、何をしている!」
「いや、何だか急に犯したくなってウッ!」
青年の男性器が脈動する。
「あーふわふわして気持ちいいー」
「ドーマウス化したわ!」「こんな状況でも寝てるのかよ!」
「いい忘れてましたが、我の魔力塊はダークマター並みの濃度を持ってるわ。魔力が空気中を漂うから短期勝負がお勧めよ」
「短期娼婦ですって、何その期間限定な職種は?」
「勝負って言ったのよ、娼婦じゃないわ、それに職種よ、触手じゃないわ」
「誰も触手プレイだなんて言ってないわよ」
「あら、そこの女性二人にはマーチヘアの兆しが」
「いやあ、魔物娘化しちゃうの?」「やだよ、やだよ」
「大丈夫、最初は怖いけどそのうち慣れてくるわ。我のように」
「くそぉ、俺はさっさとこの国を脱出するだ!」
「次の相手は貴方ね」
シャーシャは手で魔力塊をバウンドさせながら、男の攻撃をかわす。
「背中ががら空きよ、ダーンク促
シャーシャが男の背中に魔力塊を叩きつける。
「ねっとりしたものが身体中に浸食されて、股間が疼くぅ!」
「股間が疼くならやることは一つよ」
「ああ゙あ゙っ!」
男は叫びながらマーチヘア候補の女性兵士の一人を押し倒す。
「すごい、あんなに激しく……ごくり」
やがて激しく交わる男女を隣で見ていた女性も意気揚々に別の男性を襲い始めた。
「一斉にボールを奪うんだ!」
残った兵士達がルール無用でシャーシャを攻める。
「なら一人一人相手にさせていただくわね」
シャーシャの姿が消える。
「現れたな」「来たか」「チケットよこせ」「俺が標的!?」「かかってこいやー!」「ちょww」「十一人いるぞ!」「分身の術か?」「全員相手にする気なの?」「不利じゃない」「卑怯よ」
『我は一対一になるよう分身しただけよ』
十一人のシャーシャが彼らに語りかける。
Μ
「すげぇ、分身薬無しで分身出来るのかよ」
「スポーツで欠員が出た時に重宝してるそうだよ」
「次は【マッチの闘い】を見てみましょ」
※旅立ちの小屋※
木造の小さな小屋の前に、数十名の兵士が一羽のマーチヘアを取り囲む。
「貴様が例のマーチヘアだな?」
「チケットを寄越せ!」
マッチは光り輝くチケットを討伐隊に見せる。
「脱出チケットデス」
マッチはそれを胸の谷間に入れる、というより挟む。
「このチケットを奪ってみるデス」
ぷるるん♪
包帯で巻いただけの大きな胸を討伐隊に見せつける。
「な、なめやがって」
兵士の一人がマッチに襲いかかる。
「パンチデス」
バキッ
「あ、が……」
バタッ
「嘘だろ、たったパンチ一発で」
「悶絶するなんて」
「かかってくるデス」
「スキアリ」
「キャッ」
「反転魔術」
「逆さまにするなんて、新鮮なプレイデス」
「一斉にかかれ」
「よっと」
「ギヤッ」「グヘッ」
マッチが両耳で身体を支えながら、兵士二名にキックをくり出し
「よっと」
両耳をバネにマッチは体制を立て直す。
「両耳だけでバランスをとっただと!?」
「キャッ」
「ぐへへ、捕まえたぞ」
「後ろから羽交い締めプレイデスね」
シュルルル…
「はっ、ビビって両耳を丸めてやが「両耳パンーチ」
ドゴッ
勢いよく戻った耳が大男の顎に直撃
バターン
「大男ダウンデス」
「何だよ、このウサギ」「全身が筋肉かよ」「なのに柔らかそうなボディーをしてやがる」「アホ、何ヨダレたらしてるの?」「こうなったらみんな一斉に標的を攻撃、胸に挟んだチケットを奪うのよ」
ウォォォォォォォォォ
「集団プレイデスね」
Μ
「アイツら、集団でマッチのロケットおっぱいを揉みしだく気だな!?」
「ぐぬぬ、デカイくせに垂れてねぇ!」
「なぁマドラ、どこからこの映像を配信してるんだ?」
「迷信SAから不思議の国全体に送信してるよ」
「SA、サービスエリア、不思議の国にもサービスエリアがあるのか」
「そうだよ初太、ヨツンバウェイ東西南北の道に一箇所ずつある休憩所のことで……」
「困ったわぁ困ったわぁ」
「困っただ〜」
「どうしましたストローさんにバッカンさん、そんな困った顔をして」
「コルヌちゃん聞いて聞いて、水を汲みに行ったら、討伐隊さん達が井戸をうろうろしてるから、水が汲めないのよ」
「それは大変だ、ボクが討伐隊を片付けてきます」
コルヌが井戸へ向かう。
「なぁ、討伐隊退治は自警団に任せたほうがいいじゃないのか……?」
「どうして?コルヌも討伐隊と闘う役目があるんだよ」
「コルヌは帰還ポイントに行く必要があるだろ?寄り道する暇はあるのかなって思って」
「担当も何もそこが帰還ポイントなんだよ。タマゴの里から南にある井戸、『純水の井戸』が不思議の国からの脱出口なんだ」
Μ続くΜ
Μマドラ視点Μ
「初太、落ち着いた?」
ぼくは初太の背中を擦る。
「……すまない」
本来なら「そんなの当然だよ」と言いながら初太とキスしたりズボンの上から股間を擦るのだが、長旅で疲れきった顔の初太を見てそんなことは出来ない。
一方、サバトの面々はと言うと
「これより漂着の砂浜での黒ミサ三次会を行うのデス、開放的になるのデス」
『はいっ』
ファミリアのウィリアの言葉を合図に、エッチなことを始めるサバトメンバーたち。
「……あいつら元気だな……サバトの奴等は……みんな……ああなのか」
「その通り、サバトとは快楽に忠実であれがモットーなのさ」
「初太、あまり喋っちゃ駄目よ。まどっちが心配してるわよ」
初太の友人、平也とまちたんこと満知子が声をかける。
「悪い…平也…満知子…本当なら……黒ミサ……やるところを」
「気にしなくていいさ、俺達ずーっと同じ屋根の下で育った仲じゃねーか。この国に来てもそれは変わらねーよ」
「あんたの乗り物酔いは今に始まったことじゃないからね」
「……この国にも……海があったんだな……海に沈む夕日が綺麗だ……つい夕日を見ながら眠りたくなる……」
「もぅ、初太ったら、そんなことしたら元いた世界に戻っちゃうよ」
「そうなのか……?」
「正確にはチケットを持っていればだけどね」
「チケット?」
ドーン
「何?」
まちたんが爆発が起こった方向を見る。
ドーンッ
突然の爆音に流石のサバト会員も腰の動きを止める。
ズドーン
奥から桃色の噴煙が登り、二人分の影がこちらに向かって飛来する。
ほんの十メートル先に落ちたそれは
「あんっ♪あはんっ♪」
「ハァハァ!ハァハァ!」
情欲に任せて交じり合う男女だった。
「何だ……あれ?」
「ジャバウォックのブレスだ」
ぼく達は初太を抱えながら現場へと向かった。
Μセバスの戦いΜ
「あん、あん」
「あんっあはん♪」
「にゃんにゃあん」
「いいわ、四つん這いって凄く気持ちいいー」
「最高♪最高♪もう脱出なんてどうでもいい♪」
交わる男女の道取りを辿っていると
執事服を着たジャバウォックが数名の兵士と戦っていた。
「セバスさんだ」
「セバス…?」
「フォーカードの一人だよ」
セバスさんが放つブレスをかわす兵士達。
ドゴォォーン
ブレスは交わる男女達に命中。
「うぉぉぉ!」「ああん曹ん♪」「ハァハァハァ」「イクッイクウッ」
男女は怪我どころか、より情欲を焦がし、より激しく交わる。
「なんという威力だ……反撃する隙がない」
「あれが手加減を一切しないジャバウォックの本気なのか?」
「やっと効果が現れましたか」
セバスさんは口を開く。
「何?」「隊長代理さん♪」「おい、どうした?」「隊長代理、兵士達が武器を捨てて次々と抱き合っています、うわっ」「ね〜ね〜セックスしよ〜」
「ん〜チュッチュ」「何故だ、我々はブレスを喰らってないはず」
「あなた達もとっくにブレスの餌食になってますよ」
「どういうことだ?」
「兵士達を吹き飛ばしたブレスに加えて、少しずつ貴方達の周囲にブレスを散布していました。それが空気中の魔力を取り込むように体内に少しずつ蓄積されていったのです」
「にゃぁんっ」「ぴょーん」「ふにゅ〜」
「女性達の頭から動物の耳や角が生えてきただと……」
「どうやら不思議の国を旅するうちに体内に蓄積した魔力が開花したようですね」
「くそぉ、まだ脱出チケットはむぐぅ」「れろれろ〜じゅるるっ」
あかなめに負けないくらい激しいディープキスをされる隊長代理。
「残念ですが、脱出チケットはお預けです」
セバスさんは内ポケットから光る紙を取り出す。
「初太、あれがさっき言ってたチケットだよ」
「そうか……あのチケットがあれば……元いた世界に……帰れるのか」
「初太もなのか?俺も見ただけで「あのチケットを使えば不思議の国から脱出できんじゃね?」と思ったぞ」
「まるでアタシが人間から魔物になると同時に、男を誘惑する方法とエッチのやり方が自然と理解できた時と同じ感覚だわ……」
「四人ともわかったようだね、あれが数少ない不思議の国からの脱出方法の一つ、脱出チケットだよ」
黒の燕尾服に二角帽を被ったマッドハッター、コルヌが声をかけてきた。
「コルヌ」
「迎えにきたよ、マドラ」
Μタマゴの里西側Μ
「到着♪」
「すげぇ、砂浜からあっという間にタマゴの里にたどり着くなんて」
「つい最近女王様が設置したワープポイントだからね。知らないのは無理ないか」
「コルヌ、どうしてセバスさんはあそこにいたの?しかも脱出チケットを持って」
「簡単に言えば撒き餌だよ」
「撒き餌?」
「詳しいことは刑示板で説明されてるから、見に行こう」
ぼく達は刑示板の前にたつ。
刑示板にはコルヌを含めた四人の魔物娘達が映し出されていた。
『不思議の国から脱出したい諸君に朗報よ』
『それがこの脱出チケットデス』
『これをボク達フォーカードが一枚ずつ所持する』
『脱出したい気持ちが強いほど、本能的に感じるだろう』
チェシャ猫,マーチヘア,コルヌ,先程砂浜にいたセバスが順番に説明し
『『『『このチケットを手にして帰還ポイントへ行けばこの国から脱出できると』』』』
四人同時に述べる。
『我々フォーカードと戦い、チケットを奪う』
『一枚のチケットで脱出出来るのはたったの一人デス』
『つまり脱出できるのは多くて四人、少なくてゼロ』
『僅か四つの枠組みに入る者はいるかな?』
そして不思議の国の全体図と【帰還ポイント】と書かれた赤く照らされた五つのポイント。大まかに中心部と東西南北に一ヶ所ずつ。
「東西南北の帰還ポイントを舞台にフォーカードが討伐隊とチケットを巡って戦うのさ、ボクは南側担当だよ」
「コルヌはそこに向かう途中なんだね」
「その通り♪」
「見ろよ、討伐隊VSフォーカードの戦いがリアルタイムで放送中だってさ」
平也さんがたぶれっと式の刑示板を操作し【シャーシャの闘い】をタッチする。
長身のチェシャ猫と兵士達が映し出された。
※濃霧の帰り道※
「このボールを奪った者に脱出の権利を与えるわ」
チェシャ猫のシャーシャが持つどす黒い塊。
闇よりも暗い塊の中にあるのは輝く長方形の光。
「あのボールを奪えばいいのか」
「ただし一対一での勝負が条件よ。ボールを奪う気力が無くなった時点で次の人に交代でよろしいかしら?」
「まずはあたしからよ」
小柄な少女がシャーシャに向かって走り出す。
「よっと促
「あっ」
「ほいっ促
「このっ」
「ふーんふふん促
しかし、シャーシャの華麗なるボールさばきに翻弄される。
息切れする少女に対しシャーシャは余裕綽々。
「はぁ、はぁ……少し休むわ」
少女は眠るようにその場で横になった。
「どうやらギブアップのようね、次は誰かしら?」
「次は俺だ!」
青年兵士が名乗り出る。
「と、その前にアイツを退かしていいか?」
「場所ぐらい変えてあげるわよ。あの娘、気持ち良さそうに眠ってるし」
「眠ってるなら尚更移動させないと」
青年が少女を抱えて、兵士達の所へ帰す。
「こんな状況なのに、お構い無しに寝てるわね」
「そうだな……こんな大事な時に眠ってるなんて……お仕置きが必要だな」
青年は少女をうつぶせにすると、彼女のズボンをずらし、自分のズボンから男性器をさらけ出し
四つん這い寝姦を始めた。
「きゃあ、不潔よ」「おい、何をしている!」
「いや、何だか急に犯したくなってウッ!」
青年の男性器が脈動する。
「あーふわふわして気持ちいいー」
「ドーマウス化したわ!」「こんな状況でも寝てるのかよ!」
「いい忘れてましたが、我の魔力塊はダークマター並みの濃度を持ってるわ。魔力が空気中を漂うから短期勝負がお勧めよ」
「短期娼婦ですって、何その期間限定な職種は?」
「勝負って言ったのよ、娼婦じゃないわ、それに職種よ、触手じゃないわ」
「誰も触手プレイだなんて言ってないわよ」
「あら、そこの女性二人にはマーチヘアの兆しが」
「いやあ、魔物娘化しちゃうの?」「やだよ、やだよ」
「大丈夫、最初は怖いけどそのうち慣れてくるわ。我のように」
「くそぉ、俺はさっさとこの国を脱出するだ!」
「次の相手は貴方ね」
シャーシャは手で魔力塊をバウンドさせながら、男の攻撃をかわす。
「背中ががら空きよ、ダーンク促
シャーシャが男の背中に魔力塊を叩きつける。
「ねっとりしたものが身体中に浸食されて、股間が疼くぅ!」
「股間が疼くならやることは一つよ」
「ああ゙あ゙っ!」
男は叫びながらマーチヘア候補の女性兵士の一人を押し倒す。
「すごい、あんなに激しく……ごくり」
やがて激しく交わる男女を隣で見ていた女性も意気揚々に別の男性を襲い始めた。
「一斉にボールを奪うんだ!」
残った兵士達がルール無用でシャーシャを攻める。
「なら一人一人相手にさせていただくわね」
シャーシャの姿が消える。
「現れたな」「来たか」「チケットよこせ」「俺が標的!?」「かかってこいやー!」「ちょww」「十一人いるぞ!」「分身の術か?」「全員相手にする気なの?」「不利じゃない」「卑怯よ」
『我は一対一になるよう分身しただけよ』
十一人のシャーシャが彼らに語りかける。
Μ
「すげぇ、分身薬無しで分身出来るのかよ」
「スポーツで欠員が出た時に重宝してるそうだよ」
「次は【マッチの闘い】を見てみましょ」
※旅立ちの小屋※
木造の小さな小屋の前に、数十名の兵士が一羽のマーチヘアを取り囲む。
「貴様が例のマーチヘアだな?」
「チケットを寄越せ!」
マッチは光り輝くチケットを討伐隊に見せる。
「脱出チケットデス」
マッチはそれを胸の谷間に入れる、というより挟む。
「このチケットを奪ってみるデス」
ぷるるん♪
包帯で巻いただけの大きな胸を討伐隊に見せつける。
「な、なめやがって」
兵士の一人がマッチに襲いかかる。
「パンチデス」
バキッ
「あ、が……」
バタッ
「嘘だろ、たったパンチ一発で」
「悶絶するなんて」
「かかってくるデス」
「スキアリ」
「キャッ」
「反転魔術」
「逆さまにするなんて、新鮮なプレイデス」
「一斉にかかれ」
「よっと」
「ギヤッ」「グヘッ」
マッチが両耳で身体を支えながら、兵士二名にキックをくり出し
「よっと」
両耳をバネにマッチは体制を立て直す。
「両耳だけでバランスをとっただと!?」
「キャッ」
「ぐへへ、捕まえたぞ」
「後ろから羽交い締めプレイデスね」
シュルルル…
「はっ、ビビって両耳を丸めてやが「両耳パンーチ」
ドゴッ
勢いよく戻った耳が大男の顎に直撃
バターン
「大男ダウンデス」
「何だよ、このウサギ」「全身が筋肉かよ」「なのに柔らかそうなボディーをしてやがる」「アホ、何ヨダレたらしてるの?」「こうなったらみんな一斉に標的を攻撃、胸に挟んだチケットを奪うのよ」
ウォォォォォォォォォ
「集団プレイデスね」
Μ
「アイツら、集団でマッチのロケットおっぱいを揉みしだく気だな!?」
「ぐぬぬ、デカイくせに垂れてねぇ!」
「なぁマドラ、どこからこの映像を配信してるんだ?」
「迷信SAから不思議の国全体に送信してるよ」
「SA、サービスエリア、不思議の国にもサービスエリアがあるのか」
「そうだよ初太、ヨツンバウェイ東西南北の道に一箇所ずつある休憩所のことで……」
「困ったわぁ困ったわぁ」
「困っただ〜」
「どうしましたストローさんにバッカンさん、そんな困った顔をして」
「コルヌちゃん聞いて聞いて、水を汲みに行ったら、討伐隊さん達が井戸をうろうろしてるから、水が汲めないのよ」
「それは大変だ、ボクが討伐隊を片付けてきます」
コルヌが井戸へ向かう。
「なぁ、討伐隊退治は自警団に任せたほうがいいじゃないのか……?」
「どうして?コルヌも討伐隊と闘う役目があるんだよ」
「コルヌは帰還ポイントに行く必要があるだろ?寄り道する暇はあるのかなって思って」
「担当も何もそこが帰還ポイントなんだよ。タマゴの里から南にある井戸、『純水の井戸』が不思議の国からの脱出口なんだ」
Μ続くΜ
14/09/15 01:00更新 / ドリルモール
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