※魔王城・ディナールーム※
※リーゼ視点※


｢改めて紹介します…ファラオのファインです…｣

メシャスさんが紹介するのは、褐色の肌に豪華な装飾を着飾った古代王の風貌をした女性。

｢かの者は自らの王の力を乱用して罪なきテンタクルを操り…そこにいるリザードマンのリーゼちゃんに(性的な)暴行を加えようとしました…｣

その罰として収監されています。

｢ですから二度とこのような失態を犯さぬよう、今から彼女を徹底的に調教します♥｣

普段は優しく、時には妖艶な表情をするパール様。
今回は、それとは違う厳しい表情でファインさんの前に立ちます。

｢まずは蛇腹剣での鞭打ちからです♥｣

ｶﾝｯ!ｶﾝｯ!ｷｲﾝｯ!

無言で蛇腹剣を振りかざすパール様。
蛇腹剣が檻に阻まれてファインさんに接触していませんが、当たるかもしれないという恐怖がファインさんを襲います。



｢め、命令じゃ、危害を加えるのをやめるのじゃ！｣



ファインさんの口から発した『命令』に、わたしは思わず恐縮します。

｢ベル様はご存知だと思いますが、ファラオは強力な「王の力」を持ち、彼女が命令すればそれに従わずにはいられなくなってしまいます…｣

その理由を丁重に解説するメシャスさん。

｢もしそれに抗うことが出来るのなら…神や神のごとき力を持つ一握りの者――｣


ｶｱﾝｯ! ｢悪いけどその命令は受け入れることは出来ないわ｣


｢――或いは命令の内容が心の底から受け入れられない場合よね♥｣


｢ﾊｧﾊｧ、俺も檻になりたい……｣

柴様が羨ましそうに檻を見つめています。
股間を膨らませながら。

｢柴様♥ワイトのフルコースは終わっていないわよ♥｣
｢わかっているよ〜メシャス〜でも〜｣
｢でも〜じゃないわよ♥｣ｽﾘｽﾘ♥
｢ｱｯ!?｣ﾋﾞｸﾝ!
｢暫くはパール様の鞭打ちが続くので、その間に肉料理をお召し上がりください♥｣


【肉料理】


｢解かねばならぬか、この封印を！｣

｢エルブ様の右腕の鎖が解かれます♥｣

ｼﾞｬﾗｼﾞｬﾗ…ｶｼｬﾝ

｢何重にも巻かれた鎖の下は普通の腕でした♥｣

ｶﾗｶﾗ…

｢エルブ様の前に差し出されたのは透明な石が入った箱。闇嫁が箱からその一つをそっと取り出しエルブ様の右手へ…エルブ様は石をぎゅっと握り締め――｣

ﾊﾟﾝｯ

｢なんと、石は粉々に砕けていました♥｣

｢やはりこの右手は触れるもの全てを破壊してしまうのだな！｣

ﾌﾞﾜｯ

｢今度はエルブ様の右腕から巨大な手甲が出現♥｣

｢鎮まれ、我が右腕！｣

『と、彼女はこう仰っておりますが、石は魔宝石♥巨大な手甲は彼女特有の鉤爪です♥』

｢それを凝視する柴様♥｣

｢やめろ、主、そんな目で私を見るな！｣

ぎゅっ

｢柴様がエルブ様をぎゅっと抱きしめます♥｣

｢何故私を抱きしめる、何故私を避けない｣
｢エルブは俺の嫁だからさ｣
｢図体はでかいんだぞ｣
｢身体の大きさなんて関係ない、大切なのはエルブが俺を愛しているかどうかだよ｣
｢愛している？｣
｢ほら、顔が赤くなった｣
｢違う、これは｣
｢どんなに大きくても、どれだけ力が強くても、エルブは女の子なんだ｣
｢……ぽっ♥｣
｢今から優しく犯してあげる……まずはその鎧を脱いで｣

｢鎧を外すエルブ様は騎士の身分から解放されます…ベル様よく見て彼女の表情を…正に恋する乙女よ♥恋に身分や肩書きは関係ないの♥｣

｢いれるよ？｣
｢やさしくしてね♥｣

｢柴様はエルブ様を優しく寝かせ…怒張を優しく挿入♥｣

｢はぁはぁ｣
｢んっ♥んっ♥｣
｢出すぞ｣
｢あったかい♥｣

｢これで肉料理は終了です♥それではファラオに戻りましょう♥どうやら檻から釈放されているようですね♥｣


※リーゼ視点※


｢謝りなさい｣


｢パールよ、今何と？｣
｢聞こえなかったの？あの触手に謝るの｣
｢い、嫌じゃ、何故余が触手ごときに謝らねばならぬ｣
｢貴女は触手――ううん、テンタに酷いことをしたのよ？｣
｢くーっ、所詮触手は触手じゃ、男を絞め殺し、女を孕ませる危険な存在と言われておる！｣

危険？テンタ君が？

｢いや、それは違う｣

柴様が真剣な表情で反論を始めました。

｢魔王様の代替により、触手は人や魔物を喜ばせる存在となった。ファインが言っているのは過去の話さ、時代は変わりつつあるんだよ｣

｢変わるじゃと？余はファラオじゃ、歴史の生き証人じゃ、忘れはせぬぞ、余が晩年の時に経験したあの日の事を！｣
｢あの日？｣
｢そうじゃ、余がまだ若かった頃、カコノ王国での悲劇を！｣
｢……？｣
｢あれは余が産声を上げた日、緑の木々が触手の大群に支配され――｣
｢あの……｣
｢何じゃ！余が生まれる以前の話をしている時に！｣
｢さっきから、時代背景が曖昧ですよ？｣






｢ん、余の死後の話が曖昧じゃと、何を言うておる？あれは……何時の時代じゃったかの？｣

首を傾げるファインさん。

｢柴様、彼女って、本当に歴史の生き証人なのですか？｣
｢……どうやら眠りが長すぎたせいか、記憶が曖昧なんだよ｣


｢物覚えの悪い娘が王の名を語るなんて百万年早いわ。さあ、謝るのよ！テンタに向かって｣
｢い、嫌じゃ｣
｢仕方ないわね……例のアレを｣

黒フードを被った闇の花嫁の一人が注射器を取り出し

｢一本分でいいわ｣

｢パール様、どうして注射器で自分の血を抜いて……黒い血？｣
｢あれはアポピスの神経毒だよ｣
｢毒!?｣
｢安心して、発情するタイプの毒だから｣
｢いやいや安心できませんから、そもそも何故パール様の体内にそんな毒が!?｣
｢アポロっていうアポピスから神経毒を流し込まれたことがあってね。未だに血液の中に毒が残っているのさ｣
｢パール様は、その、毒を受けて大丈夫だったのですか？｣
｢毒に侵され一匹のメスと化したパールはハーレムの事を忘れて俺を求めたよ。その後正気に戻って再度アポロに接触、意気揚々と調教を施したのさ｣

『このお礼はたっぷりしてあげるわ、ってね♥』

｢メシャスさん、わたしの身体を弄らないでください!?｣
｢いいじゃないリーゼちゃん♥それにしてもぷにぷにした美乳ね｣
｢ひゃうっ、そこはダメッ｣
｢これヤるの久しぶりだわ〜♥こうやって後ろから胸を優しく揉みながら♥頬を赤くしながら股間を膨らませる姿を見るが楽しくて――｣

｢メシャス、スキンシップは程々に｣
｢はーい…柴様…｣

助かりました。

その間に、闇嫁が強引にファインさんの罅割れた肌に注射をしようとします。

｢や、やめ…｣ ﾌﾟｽｯ ｢あああああああああ！あるじぃ｢だめよ｣ ｼｭﾙﾙｶﾞｼｯ

パール様は蛇腹剣でファインさんを拘束

｢欲しいほしいほしいほしいほしい｣

何を求めているのが判らず、だけど何を求めているか判ってしまう。

｢気の毒ね、主語が無いから命令が意味を成さない。軽くはたいて正気に戻してあげる｣

｢パール様、流石に暴力は――｣
｢リーゼちゃん、パールがやろうしているのは調教だ。暴力じゃない｣

柴様はベル様の前に立ち

｢ベル様、貴女は今どういう面持ちで見ているのか正直俺の眼では判らない。だがあくまで百を超える調教の一つとして、最後まで見届けてほしい――｣


｢ファラオの調教を｣


【ファラオ調教】


ﾊﾟｼｯ ｢かはっ、う……パールさま？｣
｢主の精が欲しいのね｣
｢はい、生きる証が欲しいのじゃ……｣

｢生きる証？｣
｢リーゼちゃん、あたし達魔物娘が男性の精を求める理由を三つ答えなさい｣
｢精は食料として、え…えっちするため、そして夫に愛される証を求めています｣
｢リーゼちゃんえらいえらい、それが魔物娘よ。なでなで♥｣
｢いえ、本能で解るだけで、別に褒められることでは｣
｢その本能も今の魔王様が築き上げたシステムだからこそよ｣

『ですよね？ベル様♥』

｢アンデッド型の魔物は食料、性欲、愛の三つを加えて、更に四つ目の理由があるの｣
｢もう一つあるのですか？｣
｢それはね…｣



｢生への執着｣



｢愛しい男性の温もりを感じ…交わり…そして自身の子宮に生きている証が注がれ…命が宿れば…生物として…魔物のメスとして…何にも耐えがたい幸福なの♥｣



｢精が欲しいなら、テンタに対しての非礼を詫びなさい｣
｢なっ、余がテンタクル如きに土下座せばならぬ。余はファラオ、触手如きに、屈してなる、もの……か……あぁあああ｣ﾊﾟｧﾝｯ ｢かはっ……よは……決して屈しない……｣
｢ならいいわよ。神経毒に狂いそうになるたびに正気に戻してあげる｣
｢うっ……この通りじゃ、すまなかった｣

｢ファインさんも謝ったことですし、これでパール様の調教は終わり｢それはどうかしら？｣……あの、メシャスさん、それってどういう……？｣



｢土下座しなさい｣



｢今、何と｣
｢聞こえなかったの？次はテンタに向かって土下座をするの｣
｢ど、どうして……うっああ｣ﾊﾟｯｼｰﾝ ｢あが…｣
｢さっきの謝罪、心が篭ってなかったわ。早く解放されたい、その一心で謝っただけ。拘束を解いたわ、さぁ土下座するのよ｣

｢うう……｣

｢まずは膝を折るの。膝を折り、腰を曲げ、両手を床につき、頭を深々と下げなさい…｣

｢うう…｣

｢早すぎず、遅すぎず、丁寧に。さぁ、テンタの前で「テンタ様、今までの非礼をお詫びします」と言うのよ｣

｢――します｣

｢はっきり言いなさい｣

｢テンタ様、今までの非礼をお詫びします…｣

｢声が小さい…｣

｢テンタ様、今までの非礼をお詫びします！｣

｢大きすぎる！声に詫びる気持ちが篭っていないわ！｣

｢テンタ様、今までの非礼をお詫びします｣

｢よく出来ました、ご褒美よ｣


｢ファインの前に立つ柴様。着物をたくし上げ…まっ♥ご立派だこと♥｣

｢ああ……なんて神々しいのじゃ……｣

｢直下たつ輝きがファインをひれ伏しますわ♥｣

｢あ、主よ……｣ｶﾞｼｯ ｢あっ｣ﾄﾞｻｯ ｢♥｣ｽﾞﾆｭﾘ ｢ ｣ﾊﾟｧﾝﾊﾟｧﾝﾊﾟｧﾝﾊﾟｧﾝ

｢見てくださいベル様…太古の王と呼ばれたファラオがただのメスとして突かれる姿を…もはや彼女が命令を口にすることはありません…何故なら望みは叶っているのですから♥｣

ﾊﾟｧﾝﾊﾟｧﾝﾊﾟｧﾝﾊﾟｧﾝ　びゅーどくどく　ｼﾞｭﾌﾟｯｼﾞｭﾌﾟｯｼﾞｭﾌﾟｯｼﾞｭﾌﾟｯ　びくんびくん　ｽﾎﾟｯ　ごぽっごぽぽぽ……

｢ベル様見えますか？ファインの股間、桃色の陰口から流れ出る真っ白なせ・い・え・き♥｣

ｼｺｼｺｼｺｼｺ……びゅるるっ　ﾍﾞﾁｬｯ

｢残りの精をファインの褐色の身体に注いでいるわ♥｣

｢あへ、あへ…｣

｢付着した精を身体に塗りこんで♥｣

｢せーし、せーし、いきてるあかし……いひひひ｣ﾌﾞｪﾁｬｯ、ｸﾁｬｯ、ｼﾞｭﾙｸﾁｭｯ

｢理性を失ったアヌビスの様に腕に付着した精液をペロペロ舐めてる♥これからは王ではく一匹の雌犬として柴様から精を注がれるのを心待ちにすることでしょう♥これでファラオの調教を終わります♥｣


※リーゼ視点※


ファインさんはとろけきった表情のまま担架で担がれます。

デビルバグとジャイアントアントがソファー、テーブルの上に白い液体が入ったボトルをセットします。

｢次はサラダ、まずはシア様がゴースト達を口説き落と　　　　｣

急に言葉が途切れました。

｢メシャスさん？｣
｢――　　　おうさま？｣
｢あの？｣ﾕｻﾕｻ
｢リ、リーゼちゃん…｣
｢メシャスさん、王様が、ベル様がどうかしましたか？｣


｢おや、あたしが何も言わずとも準備が終わったようですね♥それではサラダを召し上がりください♥｣

メシャスさんは何事も無かったかのようにシア様の紹介をします。

わたしの勘違いでしたね。てっきりメシャスさんが焦りの表情を浮かべたのかと。

わたしは元の立ち位置に戻ります。



今にして思えば、メシャスさんは気づいたのでしょう



ｶﾞｼｬﾝｶﾞｼｬﾝｶﾞｼｬﾝｶﾞｼｬﾝｶﾞｼｬﾝｶﾞｼｬﾝｶﾞｼｬﾝｶﾞｼｬﾝｶﾞｼｬﾝｶﾞｼｬﾝｶﾞｼｬﾝ



『女王様』の存在に。


※続く※

■作者メッセージ
パール｢ベル様の健康を考慮して、肉料理はやさしく仕上げました｣


※


　ドリルモールです。

　１月１０日はワイトの日。この日に書き上げることが出来たことに感謝します。
　え？ファラオの調教がメイン？こまけぇことは(r

　ベル様ことベルフィード様は妄想ヶ原様の作品に登場するワイトです。
　妄想ヶ原様、修正及び気になる点がありましたら感想にてお願いします。

　キャラ紹介、今回はゴスロリ系ワイトのベイルと、騎士系ワイトのエルブです。


※


キャラクター紹介�@
【名前】ベイル
【性別】女
【年齢】序列四位
【種族】ワイト
【容姿】緑色のメッシュ＋ボサボサ髪と目の回りに隈＋フリルが装飾されたゴスロリ服
【一人称】あたし
【口調・口癖】怪しげな言動，｢くっくっく｣
【能力・特技】鉤爪(触手)
【魔宝石】緑と灰色
【概要】
　ハーレムの国の現在七人いるワイトの一人。ゴスロリ服を着用しているためゴスロリ系ワイトと呼ばれている。
　退廃的で妖しげな美貌を持つと言われるワイトだが、彼女の場合は怪しげな言動と容姿が退廃過ぎて美人とは言い難い。
　爪先から触手状の鉤爪を放ち、精を啜るため、ベル様のおもてなしは『ドリンク』を担当することになった。

【補足事項】
　美しくなる事を意図的に嫌っている。


※


キャラクター紹介�A
【名前】エルブ
【性別】女
【年齢】序列第五位
【種族】ワイト
【容姿】大柄＋短髪＋青のメッシュ＋重量感ある鎧＋右腕に何重にも巻いた鎖
【一人称】私
【口調・口癖】｢鎮まれ、我が右腕！｣
【能力・特技】鉤爪(右腕に巨大な手甲)
【魔宝石】青と灰色
【概要】
　ハーレムの国の現在七人いるワイトの一人。鎧を装備しているため騎士系ワイトと呼ばれている。
　クリマの次にワイトの魔力が高く、魔宝石に魔力を注ぐと大抵は粉々になってしまう。更にワイトの鉤爪を異質と思い込んでおり、右腕に鎖を巻くことで発動を制御している。
　大柄であることにコンプレックスを抱いており、普段の強気な態度はそれを隠すためのもの。そのため女の子扱いされると普段の態度から一転、乙女のように弱々しい態度をとる。
　ベル様のおもてなしは『肉料理』を担当。柴から女の子として優しく犯された。

【補足事項】
　彼女の属性は我々の世界で言う『中二病』。