産卵の養鶏場と散乱の鶏
Μタマゴの里・マドラ宅Μ
Μ初太視点Μ
「ここが初太の家なのね」
「正確にはマドラと俺の家だけどな」
「流石マッドハッター、玄関に帽子立てもあるのね」
「こうやって、掛けるのさ」
「ぼくは二階で着替えてくるから、初太はお茶(媚薬抜き)の用意をして」
「ああ、二人はテーブルに座ってくれ」
「ええ」
「よいしょと」
「沸かしたお湯に、ティーパック(媚薬抜き)を入れて」
「シンプルなお家ね、他に住んでる人は?」
「住んでるのは俺とマドラだけだ」
「ふーん、アタシ達と同じ二人暮らしか」
「よし、紅茶(媚薬抜き)の完成だ」
「ありがと、うん、たまには媚薬抜きもいいわね。こうして初太と話ができるし」
「なーなー、はつたとまどらのなれそめってどうだった」
「別に普通だよ」
「へー過激な出会いかと思ってたわ」
「チェシャ猫にこの里を案内されて、お茶会でマドラに隣の席を誘われ交わって夫婦になっただけだよ」
「ぶっ!」
「どうした満知子、お茶が気管に入ったのか?」
「げほっ、げほっ、いやいや!さりげなく淫らな行為をしてるじゃないの」
「そうか?この里では普通の馴れ初めだぞ。カウとベレからは「出会って直ぐに交わるなんて、ラブコメの王道よねー♪」と言われて、ああそうなんだと」
「それがラブコメなら、掲載誌は青年向けよ」
「お待たせしました」
「……」
「……」
「どうしましたか?二人揃って黙りで?」
「……おおーなんてびしょうじょなんだー♪しろのわんぴーすがせいじゅんさをひきたっているー。はじめましておじょうさん」
「……は、初めまして、私は満知子、隣にいる子は平也、今は小さいけど私の夫です」
「えっ、あの」
「よく見たらマドラさんに似ていますよね。妹さんですか?」
「おい、満知子」
「何よー初太、義理の妹さんがいるなら言いなさいよ〜」
「妹じゃなくて、本人だぞ」
「本人?」
「俺の妻であるマドラだよ。服は女物だけど」
「初太の帽子借りていいですか?」
「ああ」
「ホラ、私ですよ」
「ぬゎんだと!」「ハイ!?」
「二人共、俺と似たようなリアクションとるなよ」
「だって、さっきとはいめーじがぜんぜんちがう」
「そうよ、男装よりもこっちのほうが断然可愛いわよ。ああっもう、初太、ホント可愛い奥さん貰っちゃって〜」
「まちこもかわいいぞ」
「……と、当然よ!アタシはへーくんの妻なんだから」
「確かに俺も最初は驚いたけど、燕尾服とワンピース、どちらもマドラなんだよ」
「まぁ、初太ったら」
「むーぎゃっぷってやつか」
「まさに男装の麗人ね」
「取り敢えず、晩御飯を食べましょう。私が丹精込めて作りますから」
「マドラ、いつも通り手伝うよ」
「いえ、今日は私が作りますから、初太は二人とお話をしてください。久しぶりの再会なんですから」
「初太、あんたいつもマドラさんと一緒に料理作ってるの?」
「そうだ、夫婦なんだから、一緒に作って、一緒に食べるのは当然だろ?」
「確かにそうね、へーくんも見習って欲しいわ」
「当たり前のことだが、調理の合間に肩を寄せ合ったり、キスをしてる」
「結局は色事付きかよ」
「オムレツが出来ましたよー」
「話の途中だが、食事にしよう」
「そうね、いただきます」
「いっただっきまーす」
「ん?このオムレツ凄く美味しいよ」
「うめー、たまごがうーまーいーぞー」
「その卵はこの里にある養鶏場の卵なんです」
「知ってる、この里は卵が美味しいのよね。しかも発情効果といった過激な効能を含んだ卵を多いからマーチヘアの間では好評よ」
「ということはこのおむれつをたべたら、エッチなきぶんになれるのかぁ!?」
「いえ、ただのオムレツですよ」
「ぬゎん、だと」
( ̄ロ ̄;) ミ\ カラン
「へーくん、スプーンを落とさない」
「だってこのながれなら、からだがあつくなって、ふたくみそれぞれのべっとでエッチするエロありてんかいだろふつう」
「あいにく発情効果の卵は切らしていて、普通の卵しか無かったんです。明日養鶏場に行って効能付きの卵を貰ってきますので」
「だったら俺達も一緒にいいかな?養鶏場に行ったことないし。平也に満知子、明日大丈夫か?」
「明日は休みだから、大丈夫よ」
「さとをあんないしてくれーまどらちゃーん♪」
「勿論ですよ。やりましょう、私と初太、満知子さんと平也さん、四人でのダブルデート」
「ダブルデート、悪くない響きね」
ΜベッドルームΜ
「マドラさん、ベッド一つ分しかないよ」
「大丈夫ですよ、えいっ」
「あっ、床からキノコが生えてきて、毛布と布団が現れて、ベッドになったわ」
「タマゴのさとすげー」
「私の場合は、キノコの扱いは初歩的な扱いしか出来ません」
「これで眠れるだろ?」
「まちこー、ベッドふかふかだぞーせっくすしようぜー……ぐー」
「へーくん、寝ちゃったわよ」
「ワーシープの毛布を使ってますから」
「アタシも眠るわ、おやすみなさい……ぐー」
Μ翌朝Μ
「準備は出来たか?二人共」
「言われなくても出来てるわよ、初太」
「えへへーまちこがきせてくれたー」
「平也の奴、子供の特権を生かしやがって」
「私も着替えが済みました」
「マドラさん、結局男装するのね」
「はい、里の風習ですので」
「マドラ、口調」
「こほん……じゃあ三人共、ぼくが養鶏場に案内するよ」
「おう」
「宜しくね」
「おれをようけいじょうにつれてってー」
Μタマゴの里・街道Μ
「グッモーマドちゃん」
「おはよー初太くん」
「おはよう、カウとベレ」
「今日も夫探しなのか?」
「勿論よ」
「私達は仲良しコンビだし」
「ところでマドちゃんは初太くん達を連れてどこへ行くのー」
「ひょっとしてデート?」
「ああ、養鶏場に行こうと思ってな」
「え?それマジ」
「本当なの、マドちゃん」
「うん、初太の言うとおりだよ」
「そ、そうなんだ。くれぐれも鶏には気を付けてね」
「あそこの鶏、危険だから」
「危険?どういうことだ」
「私達は夫を探すからー」
「男同士のペアを見つけなきゃー」
ε=┏( ・_・)┛┏( ・_・)┛
「なんだあの二人、逃げるように去ったぞ」
「仕方ないさ、カウとベレは大の鳥嫌いだからね」
Μ養鶏場Μ
「ここが養鶏場だよ」
「結構広いな」
コッコッ
コケッ、コケッ
クック-
「鶏の鳴き声だらけね」
「えさのぎょふんのにおいがする」
「ここの鶏はケージの中で飼育してるけど、あんな風に放し飼いもしてる」
「お前達、今日も元気だな〜パパ追いかけるぞ〜」
「麦わら帽子を被った太めで髭面の男が鶏を追い掛けてるぞ」
「養鶏場の主、バッカンさんだよ」
「あらまあ、マドラちゃん。お久しぶりねぇ」
「こんにちは、ストローさん」
「麦わら帽子を被ったぽっちゃり系の女性か」
「ムッギ、来いよ」
「ワーラ、どうしたの」
「やぁ、ムッギちゃんに、ワーラくん」
「子供達も麦わら帽子を着用なのか」
「紹介するよ、妻のストローさん、二人の子供で双子の姉弟、ムッギちゃんとワーラくん。家族四人で鶏の世話をしているんだ」
「マドラちゃん、今日も買い物かい?」
「はい、媚薬入り卵を十個下さい」
「わかった、直ぐに持ってくるよ、ムッギ行くよ」
「もーワーラったら、マドラさんのことになると張り切るんだから」
「いいじゃないか、張り切って」
「私という奥さんがいるのに」
「う、うるせー、俺達姉弟だろ。しかも双子」
「今では立派な夫婦よ」
「へぇー姉弟かつ夫婦なんだ」
「魔物娘の間では、家族同士の結婚は珍しいことじゃないらしいよ」
「魔物娘の世界は奥が深いわね〜」
「お待たせ〜」
「やっと来たか「コケコッコー」って鶏かよ!」
「産みたてがいいと思ってさ」
「だからと言って、わざわざ鶏を持ってくるのかよ」
「いいじゃない、ぼく達の為に美味しくて甘い卵を用意してくれるのだから」
「マドラ、寄りすぎだぞ」
「フフフ、今夜はお楽しみになりそうだね」
「しょうがないなぁ」
「えへへ、初太と肩を寄せ合ってる〜♪」
「もぅ、ワーラったら見惚れちゃって」
「別にいいだろ、マドラさんがあんなに幸せそうな顔をしてるんだから……」
「ほら、ワーラが見惚れる間に鶏が産卵の準備に入ったわよ」
「おっといけね、卵が割れないよう保護材入りの箱の上に卵を産み落とさないと」
Μ産卵完了Μ
「卵十個分、産まれたよ」
「媚薬卵であることを確認。蓋を閉じます」
「はい、媚薬卵十個分の代金」
「銅貨十枚、確認しました」
「ほっほう、これがびやくのたまごをうむにわとりか〜」
「ちょっとへーくん、勝手に扱わないほうが」
「べつにいいだろ、なかみをたしかめるわけじゃないし」
「ボウヤ!その子に近づくんじゃないよ!」
「はい?」
「コッケコッコー!」
「ぎゃー、にわとりがおそいかかってきたー」
「ちょっと、へーくんに襲わないで、きゃあっ」
「何だあの鶏、狂暴になったぞ?ハッ、カウとベレが言ってたのって、この事か……」
「あらら、鶏が自衛手段に入ったよ」
「自衛手段!?」
「ウチの鶏は、不思議の国の魔力の影響か、攻撃的でね。普段は大人しいけどちょっかいだしたら、自衛手段として媚薬を含んだ羽根を散乱したり、嘴で敏感な箇所を突いたりするのさ」
「何て鶏だ」
「それが不思議の国クオリティだよ、初太」
「鶏の羽が散乱して、変な香りがするっ」
「そんな事言ってる場合じゃなかった。おい満知子、大丈夫か?」
「でも何だか悪くない香り♪」
「よくねーよ、鶏が嘴で、満知子の身体を突いてるぞ!」
「ああんっ♪そこはダメっ♪いやっ脇を攻めないでよぉっ♪」
「何の騒ぎだ〜?」
「あんた丁度いいところに来た、鶏を宥めて」
「わかった、お〜よしよし」
「コッケコッ……コッコッコ」
「凄い、鶏が大人しくなった」
「これでひと安心だ〜」
「ありがとうございます、バッカンさん。あれ?急に身体が火照って、もじもじ」
「それは外傷による疼きだ〜旦那様の愛で治してもらえ〜」
「その旦那様も火照りでダウンしてますが」
「うへー」
「なら診療所で応急措置をするしかないな〜」
「診療所?」
「火照った身体を治療してもらう施設だ〜」
「俺達も通ってるよ」
「交わりに夢中になって鶏の世話が疎かになったら困るもんね」
「ムッギ、ワーラ、お客さん二人を診療所まで運びなさい」
「えっ?」
「私も?」
「元はと言えば、鶏を直接持ってきた二人に責任があるよ。判ってたでしょ、ウチの鶏は狂暴だってことぐらい」
「いやいや、持ってきたのはワーラだし」
「なら連帯責任だよ」
「ぐぬぬ……ワーラは男の子を担いで」
「判った」
「平也をあっさりと担いだ、ワーラ意外とパワーあるな」
「力仕事をやってるからね」
「満知子ちゃんはぼくが担ぐよ」
「ごめんね、マドラちゃん」
「いいって、卵は初太が持ってて」
「わかった」
Μナース診療所Μ
「ここが診療所だよ」
「赤と白模様のキノコの建物か」
「ナースさん、暇ならいいんだけどね」
「患者が多いのか?」
「まぁある意味、患者さんが多いけど……」
「失礼します」カララン♪
「どうしたの?マドラちゃん」
「シャンプさん、急患二名、外傷による発情です」
「ごめんね、今ちょっと先生忙しいのよ。いつものアレで」
「あーやっぱり」
「アレ、どういうことだ?」
「それはねーー」
「いやぁ、おかしくなっちゃうよぉ」
「大丈夫ですよーすぐに生まれ変わりますからねー」
「あっ、頭からキノコが生えてきて……悪くないかも」
「ナースさんは女の子の魔物化に忙しいのよ」
「「「あの人なら仕方ない」」」
「大丈夫かな、この診療所……」
「火照るよー」
「だるー」
Μ続くΜ
Μ初太視点Μ
「ここが初太の家なのね」
「正確にはマドラと俺の家だけどな」
「流石マッドハッター、玄関に帽子立てもあるのね」
「こうやって、掛けるのさ」
「ぼくは二階で着替えてくるから、初太はお茶(媚薬抜き)の用意をして」
「ああ、二人はテーブルに座ってくれ」
「ええ」
「よいしょと」
「沸かしたお湯に、ティーパック(媚薬抜き)を入れて」
「シンプルなお家ね、他に住んでる人は?」
「住んでるのは俺とマドラだけだ」
「ふーん、アタシ達と同じ二人暮らしか」
「よし、紅茶(媚薬抜き)の完成だ」
「ありがと、うん、たまには媚薬抜きもいいわね。こうして初太と話ができるし」
「なーなー、はつたとまどらのなれそめってどうだった」
「別に普通だよ」
「へー過激な出会いかと思ってたわ」
「チェシャ猫にこの里を案内されて、お茶会でマドラに隣の席を誘われ交わって夫婦になっただけだよ」
「ぶっ!」
「どうした満知子、お茶が気管に入ったのか?」
「げほっ、げほっ、いやいや!さりげなく淫らな行為をしてるじゃないの」
「そうか?この里では普通の馴れ初めだぞ。カウとベレからは「出会って直ぐに交わるなんて、ラブコメの王道よねー♪」と言われて、ああそうなんだと」
「それがラブコメなら、掲載誌は青年向けよ」
「お待たせしました」
「……」
「……」
「どうしましたか?二人揃って黙りで?」
「……おおーなんてびしょうじょなんだー♪しろのわんぴーすがせいじゅんさをひきたっているー。はじめましておじょうさん」
「……は、初めまして、私は満知子、隣にいる子は平也、今は小さいけど私の夫です」
「えっ、あの」
「よく見たらマドラさんに似ていますよね。妹さんですか?」
「おい、満知子」
「何よー初太、義理の妹さんがいるなら言いなさいよ〜」
「妹じゃなくて、本人だぞ」
「本人?」
「俺の妻であるマドラだよ。服は女物だけど」
「初太の帽子借りていいですか?」
「ああ」
「ホラ、私ですよ」
「ぬゎんだと!」「ハイ!?」
「二人共、俺と似たようなリアクションとるなよ」
「だって、さっきとはいめーじがぜんぜんちがう」
「そうよ、男装よりもこっちのほうが断然可愛いわよ。ああっもう、初太、ホント可愛い奥さん貰っちゃって〜」
「まちこもかわいいぞ」
「……と、当然よ!アタシはへーくんの妻なんだから」
「確かに俺も最初は驚いたけど、燕尾服とワンピース、どちらもマドラなんだよ」
「まぁ、初太ったら」
「むーぎゃっぷってやつか」
「まさに男装の麗人ね」
「取り敢えず、晩御飯を食べましょう。私が丹精込めて作りますから」
「マドラ、いつも通り手伝うよ」
「いえ、今日は私が作りますから、初太は二人とお話をしてください。久しぶりの再会なんですから」
「初太、あんたいつもマドラさんと一緒に料理作ってるの?」
「そうだ、夫婦なんだから、一緒に作って、一緒に食べるのは当然だろ?」
「確かにそうね、へーくんも見習って欲しいわ」
「当たり前のことだが、調理の合間に肩を寄せ合ったり、キスをしてる」
「結局は色事付きかよ」
「オムレツが出来ましたよー」
「話の途中だが、食事にしよう」
「そうね、いただきます」
「いっただっきまーす」
「ん?このオムレツ凄く美味しいよ」
「うめー、たまごがうーまーいーぞー」
「その卵はこの里にある養鶏場の卵なんです」
「知ってる、この里は卵が美味しいのよね。しかも発情効果といった過激な効能を含んだ卵を多いからマーチヘアの間では好評よ」
「ということはこのおむれつをたべたら、エッチなきぶんになれるのかぁ!?」
「いえ、ただのオムレツですよ」
「ぬゎん、だと」
( ̄ロ ̄;) ミ\ カラン
「へーくん、スプーンを落とさない」
「だってこのながれなら、からだがあつくなって、ふたくみそれぞれのべっとでエッチするエロありてんかいだろふつう」
「あいにく発情効果の卵は切らしていて、普通の卵しか無かったんです。明日養鶏場に行って効能付きの卵を貰ってきますので」
「だったら俺達も一緒にいいかな?養鶏場に行ったことないし。平也に満知子、明日大丈夫か?」
「明日は休みだから、大丈夫よ」
「さとをあんないしてくれーまどらちゃーん♪」
「勿論ですよ。やりましょう、私と初太、満知子さんと平也さん、四人でのダブルデート」
「ダブルデート、悪くない響きね」
ΜベッドルームΜ
「マドラさん、ベッド一つ分しかないよ」
「大丈夫ですよ、えいっ」
「あっ、床からキノコが生えてきて、毛布と布団が現れて、ベッドになったわ」
「タマゴのさとすげー」
「私の場合は、キノコの扱いは初歩的な扱いしか出来ません」
「これで眠れるだろ?」
「まちこー、ベッドふかふかだぞーせっくすしようぜー……ぐー」
「へーくん、寝ちゃったわよ」
「ワーシープの毛布を使ってますから」
「アタシも眠るわ、おやすみなさい……ぐー」
Μ翌朝Μ
「準備は出来たか?二人共」
「言われなくても出来てるわよ、初太」
「えへへーまちこがきせてくれたー」
「平也の奴、子供の特権を生かしやがって」
「私も着替えが済みました」
「マドラさん、結局男装するのね」
「はい、里の風習ですので」
「マドラ、口調」
「こほん……じゃあ三人共、ぼくが養鶏場に案内するよ」
「おう」
「宜しくね」
「おれをようけいじょうにつれてってー」
Μタマゴの里・街道Μ
「グッモーマドちゃん」
「おはよー初太くん」
「おはよう、カウとベレ」
「今日も夫探しなのか?」
「勿論よ」
「私達は仲良しコンビだし」
「ところでマドちゃんは初太くん達を連れてどこへ行くのー」
「ひょっとしてデート?」
「ああ、養鶏場に行こうと思ってな」
「え?それマジ」
「本当なの、マドちゃん」
「うん、初太の言うとおりだよ」
「そ、そうなんだ。くれぐれも鶏には気を付けてね」
「あそこの鶏、危険だから」
「危険?どういうことだ」
「私達は夫を探すからー」
「男同士のペアを見つけなきゃー」
ε=┏( ・_・)┛┏( ・_・)┛
「なんだあの二人、逃げるように去ったぞ」
「仕方ないさ、カウとベレは大の鳥嫌いだからね」
Μ養鶏場Μ
「ここが養鶏場だよ」
「結構広いな」
コッコッ
コケッ、コケッ
クック-
「鶏の鳴き声だらけね」
「えさのぎょふんのにおいがする」
「ここの鶏はケージの中で飼育してるけど、あんな風に放し飼いもしてる」
「お前達、今日も元気だな〜パパ追いかけるぞ〜」
「麦わら帽子を被った太めで髭面の男が鶏を追い掛けてるぞ」
「養鶏場の主、バッカンさんだよ」
「あらまあ、マドラちゃん。お久しぶりねぇ」
「こんにちは、ストローさん」
「麦わら帽子を被ったぽっちゃり系の女性か」
「ムッギ、来いよ」
「ワーラ、どうしたの」
「やぁ、ムッギちゃんに、ワーラくん」
「子供達も麦わら帽子を着用なのか」
「紹介するよ、妻のストローさん、二人の子供で双子の姉弟、ムッギちゃんとワーラくん。家族四人で鶏の世話をしているんだ」
「マドラちゃん、今日も買い物かい?」
「はい、媚薬入り卵を十個下さい」
「わかった、直ぐに持ってくるよ、ムッギ行くよ」
「もーワーラったら、マドラさんのことになると張り切るんだから」
「いいじゃないか、張り切って」
「私という奥さんがいるのに」
「う、うるせー、俺達姉弟だろ。しかも双子」
「今では立派な夫婦よ」
「へぇー姉弟かつ夫婦なんだ」
「魔物娘の間では、家族同士の結婚は珍しいことじゃないらしいよ」
「魔物娘の世界は奥が深いわね〜」
「お待たせ〜」
「やっと来たか「コケコッコー」って鶏かよ!」
「産みたてがいいと思ってさ」
「だからと言って、わざわざ鶏を持ってくるのかよ」
「いいじゃない、ぼく達の為に美味しくて甘い卵を用意してくれるのだから」
「マドラ、寄りすぎだぞ」
「フフフ、今夜はお楽しみになりそうだね」
「しょうがないなぁ」
「えへへ、初太と肩を寄せ合ってる〜♪」
「もぅ、ワーラったら見惚れちゃって」
「別にいいだろ、マドラさんがあんなに幸せそうな顔をしてるんだから……」
「ほら、ワーラが見惚れる間に鶏が産卵の準備に入ったわよ」
「おっといけね、卵が割れないよう保護材入りの箱の上に卵を産み落とさないと」
Μ産卵完了Μ
「卵十個分、産まれたよ」
「媚薬卵であることを確認。蓋を閉じます」
「はい、媚薬卵十個分の代金」
「銅貨十枚、確認しました」
「ほっほう、これがびやくのたまごをうむにわとりか〜」
「ちょっとへーくん、勝手に扱わないほうが」
「べつにいいだろ、なかみをたしかめるわけじゃないし」
「ボウヤ!その子に近づくんじゃないよ!」
「はい?」
「コッケコッコー!」
「ぎゃー、にわとりがおそいかかってきたー」
「ちょっと、へーくんに襲わないで、きゃあっ」
「何だあの鶏、狂暴になったぞ?ハッ、カウとベレが言ってたのって、この事か……」
「あらら、鶏が自衛手段に入ったよ」
「自衛手段!?」
「ウチの鶏は、不思議の国の魔力の影響か、攻撃的でね。普段は大人しいけどちょっかいだしたら、自衛手段として媚薬を含んだ羽根を散乱したり、嘴で敏感な箇所を突いたりするのさ」
「何て鶏だ」
「それが不思議の国クオリティだよ、初太」
「鶏の羽が散乱して、変な香りがするっ」
「そんな事言ってる場合じゃなかった。おい満知子、大丈夫か?」
「でも何だか悪くない香り♪」
「よくねーよ、鶏が嘴で、満知子の身体を突いてるぞ!」
「ああんっ♪そこはダメっ♪いやっ脇を攻めないでよぉっ♪」
「何の騒ぎだ〜?」
「あんた丁度いいところに来た、鶏を宥めて」
「わかった、お〜よしよし」
「コッケコッ……コッコッコ」
「凄い、鶏が大人しくなった」
「これでひと安心だ〜」
「ありがとうございます、バッカンさん。あれ?急に身体が火照って、もじもじ」
「それは外傷による疼きだ〜旦那様の愛で治してもらえ〜」
「その旦那様も火照りでダウンしてますが」
「うへー」
「なら診療所で応急措置をするしかないな〜」
「診療所?」
「火照った身体を治療してもらう施設だ〜」
「俺達も通ってるよ」
「交わりに夢中になって鶏の世話が疎かになったら困るもんね」
「ムッギ、ワーラ、お客さん二人を診療所まで運びなさい」
「えっ?」
「私も?」
「元はと言えば、鶏を直接持ってきた二人に責任があるよ。判ってたでしょ、ウチの鶏は狂暴だってことぐらい」
「いやいや、持ってきたのはワーラだし」
「なら連帯責任だよ」
「ぐぬぬ……ワーラは男の子を担いで」
「判った」
「平也をあっさりと担いだ、ワーラ意外とパワーあるな」
「力仕事をやってるからね」
「満知子ちゃんはぼくが担ぐよ」
「ごめんね、マドラちゃん」
「いいって、卵は初太が持ってて」
「わかった」
Μナース診療所Μ
「ここが診療所だよ」
「赤と白模様のキノコの建物か」
「ナースさん、暇ならいいんだけどね」
「患者が多いのか?」
「まぁある意味、患者さんが多いけど……」
「失礼します」カララン♪
「どうしたの?マドラちゃん」
「シャンプさん、急患二名、外傷による発情です」
「ごめんね、今ちょっと先生忙しいのよ。いつものアレで」
「あーやっぱり」
「アレ、どういうことだ?」
「それはねーー」
「いやぁ、おかしくなっちゃうよぉ」
「大丈夫ですよーすぐに生まれ変わりますからねー」
「あっ、頭からキノコが生えてきて……悪くないかも」
「ナースさんは女の子の魔物化に忙しいのよ」
「「「あの人なら仕方ない」」」
「大丈夫かな、この診療所……」
「火照るよー」
「だるー」
Μ続くΜ
14/03/22 22:39更新 / ドリルモール
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