第六話
●魔王城・ディナールーム●
●パール視点●
「大分片付いたわね」
「モー!モー!」「フガフガ」「ビタンビタン」
「悪いけど分身薬の効果が切れる迄、縛られてね♪あ・な・た」
「フーッフーッ」「ダラー」「クネクネ」
「あらあら、拘束プレイと判った途端、全員オチンポを膨らませてぇ、興奮しちゃうわぁ」
「パール様、こちらの方も片付きました」
「リーゼちゃん、思ったより早かったわね」
「先輩達の協力もあって、柴様分身体をほぼ全員捕縛出来ました」
「お疲れ様」
「それにしてもハートの女王は凄い方でしたね。魔術を使い一瞬でベルフィード様を眠らせるなんて。てっきり魔術(物理)で気絶させるのかと」
「(物理)ねぇ……気絶だけじゃ済まないわ」
「パール様?」
「ちょっと不思議の国での冒険を回顧してたわ」
ドンッガラガラ…
「煉瓦が崩れる音!また壁が破壊されたの?」
ドン
ドン
「更に二つ!?まさかドロシー様とバージャ様が女王に倒されて?」
「恐らく逆、女王様の加勢に行ったのよ」
「加勢?」
「あの二人は女王様に恩があるからねーー」
Β魔界平野Β
Βビューティ視点Β
「水着ショー、開幕」
「さぁ、私達の水着を堪能してください」
「ロリの魅力を披露するやんね♪」
「どう、あたしの、水着姿?」
「すげぇよ、美女三人の水着姿!」「はち切れんばかりのグラマーだぜ!」「ハァハァ、ロリの魅力が堪らないっ!」「未熟ボディ!子供と大人の間!万歳\(^д^)/」「もう主神の信仰なんていらなーい」「私も魔物になってピチピチな身体が欲しい〜」
「隊長、千人がリリムに魅了され堕落、さらに隙に浸かれ捕縛者が続出」
「捕縛だと?魔力塊か?触手か?」
「髪の毛よ」
「髪の毛だとーーうわっ!」「隊長!?きゃあっ」
「貴男が討伐隊を率いる隊長ですわね?私の名は魔界第十九王女アンジェラ、隊長とお話があります」
「話だと?どうせ降参して魔物になれ、だろう?」
「いいえ、逆ですわ。撤退してほしいの」
「撤退?笑わせるな」
「……クリア」
「準備万端やんねアンジェ姉、『クリアハンド』、兵士達を宙に釣り上げるやんね」
「うわぁー」「浮いてる」「まるで見えない手に掴まれたようだわー!」
「千人と千人」
「どういう意味だ?」
「私の『髪』と、妹の『手』によって拘束された兵士の数ですわ。もし撤退するならば、全員を解放してあげますわ」
「ふざけた事を。動ける者達全員でリリムを始末せよ」
「「「「「「「「うおおぉぉ!!!」」」」」」」」
「カフェオレ、バルーンからの、着ぐるみ」
『オッケェビューティ、オレも突撃するよォ!』
「何かが特効してきた!しかも一人で」「あれは人?鎧?魔物?」
『着ぐるみだよォ!ワーシープの毛を食らェ喰らェ』
「もふっ、この毛は、何だか眠くなってーー」「毛フカフカ……グ〜」「こっち来るな!」
『目標千人!よい子もォ悪い子もォ眠れェ寝れェ』
「カフェオレ、無理しないで」
「ビューティ!女暗殺者が接近中よ!」
「判ってる」
「貴様が人形使いだな?」
「ちょっと違う、図鑑変化"テンタクル゙」
「変化した!?」
「触手による、捕縛」バシッ
「縛られた」
「手足は、封じた」
「まだ口がある」ガブッ
「痛っ」
「いいぞV-181、そのまま噛みちぎれ」
「隊長さん、まだ話は終わってませんよ?」
「この期に及んで、まだ取引か?」
「屈辱だよな、リリムである貴様が人間に噛まれるなんてな?」カジカジ
「結構、見下し癖、あるわね、貴女」
「リリムなんかに誉められたくない!」
「誉めてない、素質を、視てる」
「素質だと?」
「ヴァンパイアの、素質」
ズボ
「!?ゲホッ、ゲホッ、触手が口に入ってーー」
「貴女に、魔力を、飲ませた」
「魔力?ああ身体が熱い……」
「貴女の影を、変えてあげる」
「ハウッ!背中から蝙の羽が生えてぇ、アンッ!歯が尖って牙にぃーー」
「生まれ変わるわ、ヴァンパイアにね」
「血が欲しいィィィィ」
「V-181が魔物化したぞ!」「ヴァンパイアだと!?」
「御姉様ぁ喉が乾くよぉ、血、いや魔力を下さい」
「どうぞ、魔力を、御上がり」
「いただきますぅ」ゴクゴク
「何だよ!V-181、暗殺者としての誇りは?」
「貴男、彼女の事が好きなのね?」
「え?」
「ビューティ、投げ飛ばすから受け取って」ブン
「うわぁー」ガシッ
「ほら、餌が来たよ」
「ふぅ……下等生物の血は御法度だが……御姉様からの献上なら別だ」カプッジュルルル…
「ぐわぁ、あっ、吸血されてる〜」
「プハッ、美味だったぞΚ-10」
「V-181を堕落させるとは、リリム恐るべし」
「オナニー、二人を、知ってるの?」
「その名で呼ぶな第二十王女、女暗殺者はV-181、男はΚ-10、暗殺部隊の先輩後輩だ」
「Κ-10、カトウ、下等くんか」
「何てリリムだ」「一瞬で魔物化とは」「迂闊に接近できん」
「妹達には、手出しさせない、もし触れれば、正当防衛として、魔物化させる」
「ビューティが妹達を守る間、クリアは兵士達を抑えて」
「判ったやんね」
「突撃ー!」
「させないやんね!『クリア拳骨・閻魔様風』」
ポカッ「痛い!」ポカッ「地味に痛い」
「殆ど魔物化されてないのにこうも苦戦するとは」
「まだ間に合います。今すぐ撤退をしてください」
「何故貴様らはこんな回りくどいことをする?我々全員を堕落させれば済むだろう」
「出来る限り被害を僅少にしたいから」
「……魔物娘らしく無い理由だな」
「今、魔王城はピリピリムードなの。ここで一気に魔物化して事態が終息させても「教団兵一万人が魔王城を襲撃した」という事実がどうしても残ってしまう。そうなれば過激派の魔物達がエネミス帝国を襲撃、最悪周囲の町や村までもが被害に会う可能性もあるわ。だから何もせず証拠も残さず撤退して欲しい。魔物化した兵士の身柄は保証するわ」
「だから、身を引けと?」
「ええ」
「……残念だったな、我が帝国は砂漠のど真ん中にある孤立無援の国だ」
「孤立無援……!?」
「未来無き国に失う物は無い、交渉は決裂だ!」
「アンジェ姉、足止めも限界やんね!」
「討伐!」「討伐!」「討伐!」「討伐!」「討……何だあれは?」「ドラゴンだ!」「不気味な姿をしたドラゴンだ」「炎を吐いたぞ」「ぎゃあっ、熱い、熱い」「股間が疼く!」「身体が火照ってぇ……」「やめて、押し倒さないで!」「炎を浴びた女性兵五百、男性兵五百を襲ってます」「何故ドラゴンの炎で欲情する?」
「それはドラゴンの炎ではない、ジャバウォックのブレスじゃ」
「誰だ?」
「空に魔物娘を確認、アリスが二名……何なのあの二人は?」
「どうした?」
「普通のアリスとは何か違う……」
「確かに二人共、図鑑で見た姿とは多少違うが……片や三つ編みと黒いフードを着用、片や女王のような服に、白髪,黒角,赤い瞳、奴らリリムと同じ特徴を持つアリ……ス……リリムだと!?」
「失礼な人達ですね。女王様をアリス扱いするとは」
「良い、許す。ドロシーよ、そなたの風で奴らの理性を吹き飛ばせ」
「女王様、正確にはシルフの風ですよ?」
「ドロシーよ、見ない間に随分と堅くなったのう」
「何百年も生きていれば、多少頑固になりますよ」
「空に向かって矢を放てぇ!」
「ハートのお姉様」
「あぶない!」
「短気な方々ですね、突風よ、吹き飛ばせ」
「きゃ!突風!?」
「矢が吹き飛んだだと?」
「お子様ですね、この程度で驚くなんて。翠の風よ、竜巻を起こせ」
「竜巻が発生した」
「みどりいろだ」
「竜巻が襲ってくるぞ」「巻き込まれる」「きゃあっ!」「いゃあん♪」「あはぁ♪」
「この竜巻で千の理性が吹き飛びました」
「愉快じゃのう。次は余の番じゃ」
「あの〜女王様」
「無闇に魔物化させたら後処理が大変やんね?」
「まずその前に杖を自動詠唱モードにするのじゃ」
「「聞く耳無し(涙)」」
「準備完了じゃ。ラヴとピーシュよ、暫く杖を預ける」
「あれ、この杖」
「すごくかるい」
「これで両手で『硬貨』と『聖杯』が使えるのじゃ、その杖を決して討伐隊に奪われてはならぬぞ!」
「オイ、今の聞いたか?」「聞いた、あの杖を奪うぞ」「杖を寄越せ」「神輿を崩すぞ」「まずは解除班が邪魔な結界を解く」
「よそ見は禁物じゃ『金貨兵』よ、妹達を守れ」
「何だあの黄金兵、勇者クラスの強さダアッ!」「兵士達を次々と切り刻んでゆグワッ!」「傷口が疼くよぉ」「気を付けろ、あの剣は魔界銀の性質を持ーーうわぁぁ」「子宮が疼くのぉ、エッチしたいのぉ」「今はそんな場合じゃーー」
「お次は聖杯から媚薬を散布するのじゃ」
プシャァァ
「桃色の鉄砲水が噴射!?」「何故聖杯から大量の水が出るの?」「う〜股間がギンギンしてきた」「あたしも〜我慢出来ない」
「流石女王、金貨兵と媚薬だけで累計二千人位発情したな。ん?あの藍色のジャバウォック、何か苦しんでるな?」
「はぁっ、はぁっ」
「バージャよ、そやつは余の洗礼に抵抗してるのじゃ、ドラゴンとしての誇りを失うのを恐れてな」
「ふーん……」
ヒソヒソ…「成る程」
「どうした?ドロシーよ」
「女王様、シルフからの報告です。兵士達が投石機を召喚したそうです」
「投石機の準備は万端かーっ?」
「準備万端です」
「縄を切れーっ!奴等に巨岩をたたき込めーっ!」
ブン!
「投石ならぬ投岩!?」
「このタイミングで投石か、いい判断だ」
「正気?あの重量じゃ味方も無事じゃ済まないわよ!」
「堕落済及び寸前の者など構うな。無論、儂も含めてな」
「バージャよ、受けとめるのじゃ」
「女王に言われずともそのつもりだ!ふん」ガシッ!
「受け止めた」
「ジャバウォック強〜い」
「はぁはぁ……」
「投石を容易く受け止めただと!?」
「見ているか藍色のジャバウォック!これが愛する者を守る強さであり、ジャバウォックの誇りだ!」
「はぁはぁ……守る、強さ」
「ウォッカさん?」
「ウォッカ〜?」
「……ウォッカ」
「あれが、ジャバウォック」
「ふっ、確かに岩石を一人で受けとめたのは褒めてやるーー」
「だが、投石がたったの一回だけとは限らんぞ」
ブオンッ!
「二度目の、投石、女王様!」
「困ったのう、バージャは手が離せんし、『杖』は貸し出し中、『聖杯』や『硬貨』では間に合わぬ、ならばーー」
「女王様、それは?」
「ビューティ、これは余の『剣』じゃ」
「それ、只の、ペーパーナイフ」
「ビューティ!あのデク人形を避難させなさい!」
『もう戻ってるよォ!』
「早っ!」
「そなたらは幸運じゃ、余の『剣』を見れるのじゃから」
ハートの女王は、ナイフに魔力を込め、縦一線に、軽く振る
ただ、それだけ、なのに
ナイフの先から、衝撃波が放たれ
岩石が、縦二つに割れた事に
後で気付いた。
「うわぁ!」「きゃあっ」「投石機がバラバラに!?」「痛くない?だけど」「傷が疼くよぉ♪」
何故なら、投石兵千人の巻き添えが、印象的だったから。
「結界を解除確認」「これで杖を奪える」「俺達の勝ちだ!」
「しまった、目を離した隙に」
「離してよ!」
「つえはわたさない」
「このガキが!」ブンッ
「きゃあっ」
「させない!」ガシッ
「ウォッカさん!」
「ドラゴンが拳を受けとめた?」
「アタシはドラゴンではない、誇り高きジャバウォックだ!」ゴォッ
「桃色のブレス!?ーー身体が火照るぅぅ」
「メストカゲ、よくも仲間を」
「しまった」
「ちっ!」ガキンッ!キリキリ…
「O-721、お前もか」
「俺をその名を呼ぶなぁ!」ゲシッ
「ぐはっ」
「貴様、テキーラ様を裏切る気か!」
「勘違いするな!俺はただーー」
「矢を放て!」ピュン!
「弓矢!?」
「勇者様逃げて〜」
「オナニー!」
「ここまでか……」
「「だ、だめー!」」
カッ!
「ガキ二人が持つ杖から光が」「何だこの格好は!」「何で私達がリリムと同じ水着を着てるの?」「男も水着って誰得だよ!」
「兵士千人の水着ショーとは、不思議な事が起こっておるのう」
「「ハートのお姉様」」
「ラヴとピーシュよ、よく最後まで杖を保守したのう。魔法陣の準備万端じゃ」
『転送魔法陣、準備カンリョウ』
「空に、巨大魔法陣?」
『女王サマ、起動ノタメノ、サインクダサイ』
「カキカキと、魔法陣発動じゃ」
「「「「「「「「「「うわぁぁぁぁぁァァァァァァァァーー」」」」」」」」」」
「転送完了じゃ、思ったより時間が掛かったのう」
「時間が掛かったって」
「まだ十分も経ってないんよ?」
※O-721視点※
「うぐぐ……」
「しっかりして、矢が刺さってーーない?」
「矢先が吸盤だ〜?」
「……」
「あれ?ホントだ、何故か知らんが助かった……」
パシィッ
※続く※
O-721「……第二十王女?」
●パール視点●
「大分片付いたわね」
「モー!モー!」「フガフガ」「ビタンビタン」
「悪いけど分身薬の効果が切れる迄、縛られてね♪あ・な・た」
「フーッフーッ」「ダラー」「クネクネ」
「あらあら、拘束プレイと判った途端、全員オチンポを膨らませてぇ、興奮しちゃうわぁ」
「パール様、こちらの方も片付きました」
「リーゼちゃん、思ったより早かったわね」
「先輩達の協力もあって、柴様分身体をほぼ全員捕縛出来ました」
「お疲れ様」
「それにしてもハートの女王は凄い方でしたね。魔術を使い一瞬でベルフィード様を眠らせるなんて。てっきり魔術(物理)で気絶させるのかと」
「(物理)ねぇ……気絶だけじゃ済まないわ」
「パール様?」
「ちょっと不思議の国での冒険を回顧してたわ」
ドンッガラガラ…
「煉瓦が崩れる音!また壁が破壊されたの?」
ドン
ドン
「更に二つ!?まさかドロシー様とバージャ様が女王に倒されて?」
「恐らく逆、女王様の加勢に行ったのよ」
「加勢?」
「あの二人は女王様に恩があるからねーー」
Β魔界平野Β
Βビューティ視点Β
「水着ショー、開幕」
「さぁ、私達の水着を堪能してください」
「ロリの魅力を披露するやんね♪」
「どう、あたしの、水着姿?」
「すげぇよ、美女三人の水着姿!」「はち切れんばかりのグラマーだぜ!」「ハァハァ、ロリの魅力が堪らないっ!」「未熟ボディ!子供と大人の間!万歳\(^д^)/」「もう主神の信仰なんていらなーい」「私も魔物になってピチピチな身体が欲しい〜」
「隊長、千人がリリムに魅了され堕落、さらに隙に浸かれ捕縛者が続出」
「捕縛だと?魔力塊か?触手か?」
「髪の毛よ」
「髪の毛だとーーうわっ!」「隊長!?きゃあっ」
「貴男が討伐隊を率いる隊長ですわね?私の名は魔界第十九王女アンジェラ、隊長とお話があります」
「話だと?どうせ降参して魔物になれ、だろう?」
「いいえ、逆ですわ。撤退してほしいの」
「撤退?笑わせるな」
「……クリア」
「準備万端やんねアンジェ姉、『クリアハンド』、兵士達を宙に釣り上げるやんね」
「うわぁー」「浮いてる」「まるで見えない手に掴まれたようだわー!」
「千人と千人」
「どういう意味だ?」
「私の『髪』と、妹の『手』によって拘束された兵士の数ですわ。もし撤退するならば、全員を解放してあげますわ」
「ふざけた事を。動ける者達全員でリリムを始末せよ」
「「「「「「「「うおおぉぉ!!!」」」」」」」」
「カフェオレ、バルーンからの、着ぐるみ」
『オッケェビューティ、オレも突撃するよォ!』
「何かが特効してきた!しかも一人で」「あれは人?鎧?魔物?」
『着ぐるみだよォ!ワーシープの毛を食らェ喰らェ』
「もふっ、この毛は、何だか眠くなってーー」「毛フカフカ……グ〜」「こっち来るな!」
『目標千人!よい子もォ悪い子もォ眠れェ寝れェ』
「カフェオレ、無理しないで」
「ビューティ!女暗殺者が接近中よ!」
「判ってる」
「貴様が人形使いだな?」
「ちょっと違う、図鑑変化"テンタクル゙」
「変化した!?」
「触手による、捕縛」バシッ
「縛られた」
「手足は、封じた」
「まだ口がある」ガブッ
「痛っ」
「いいぞV-181、そのまま噛みちぎれ」
「隊長さん、まだ話は終わってませんよ?」
「この期に及んで、まだ取引か?」
「屈辱だよな、リリムである貴様が人間に噛まれるなんてな?」カジカジ
「結構、見下し癖、あるわね、貴女」
「リリムなんかに誉められたくない!」
「誉めてない、素質を、視てる」
「素質だと?」
「ヴァンパイアの、素質」
ズボ
「!?ゲホッ、ゲホッ、触手が口に入ってーー」
「貴女に、魔力を、飲ませた」
「魔力?ああ身体が熱い……」
「貴女の影を、変えてあげる」
「ハウッ!背中から蝙の羽が生えてぇ、アンッ!歯が尖って牙にぃーー」
「生まれ変わるわ、ヴァンパイアにね」
「血が欲しいィィィィ」
「V-181が魔物化したぞ!」「ヴァンパイアだと!?」
「御姉様ぁ喉が乾くよぉ、血、いや魔力を下さい」
「どうぞ、魔力を、御上がり」
「いただきますぅ」ゴクゴク
「何だよ!V-181、暗殺者としての誇りは?」
「貴男、彼女の事が好きなのね?」
「え?」
「ビューティ、投げ飛ばすから受け取って」ブン
「うわぁー」ガシッ
「ほら、餌が来たよ」
「ふぅ……下等生物の血は御法度だが……御姉様からの献上なら別だ」カプッジュルルル…
「ぐわぁ、あっ、吸血されてる〜」
「プハッ、美味だったぞΚ-10」
「V-181を堕落させるとは、リリム恐るべし」
「オナニー、二人を、知ってるの?」
「その名で呼ぶな第二十王女、女暗殺者はV-181、男はΚ-10、暗殺部隊の先輩後輩だ」
「Κ-10、カトウ、下等くんか」
「何てリリムだ」「一瞬で魔物化とは」「迂闊に接近できん」
「妹達には、手出しさせない、もし触れれば、正当防衛として、魔物化させる」
「ビューティが妹達を守る間、クリアは兵士達を抑えて」
「判ったやんね」
「突撃ー!」
「させないやんね!『クリア拳骨・閻魔様風』」
ポカッ「痛い!」ポカッ「地味に痛い」
「殆ど魔物化されてないのにこうも苦戦するとは」
「まだ間に合います。今すぐ撤退をしてください」
「何故貴様らはこんな回りくどいことをする?我々全員を堕落させれば済むだろう」
「出来る限り被害を僅少にしたいから」
「……魔物娘らしく無い理由だな」
「今、魔王城はピリピリムードなの。ここで一気に魔物化して事態が終息させても「教団兵一万人が魔王城を襲撃した」という事実がどうしても残ってしまう。そうなれば過激派の魔物達がエネミス帝国を襲撃、最悪周囲の町や村までもが被害に会う可能性もあるわ。だから何もせず証拠も残さず撤退して欲しい。魔物化した兵士の身柄は保証するわ」
「だから、身を引けと?」
「ええ」
「……残念だったな、我が帝国は砂漠のど真ん中にある孤立無援の国だ」
「孤立無援……!?」
「未来無き国に失う物は無い、交渉は決裂だ!」
「アンジェ姉、足止めも限界やんね!」
「討伐!」「討伐!」「討伐!」「討伐!」「討……何だあれは?」「ドラゴンだ!」「不気味な姿をしたドラゴンだ」「炎を吐いたぞ」「ぎゃあっ、熱い、熱い」「股間が疼く!」「身体が火照ってぇ……」「やめて、押し倒さないで!」「炎を浴びた女性兵五百、男性兵五百を襲ってます」「何故ドラゴンの炎で欲情する?」
「それはドラゴンの炎ではない、ジャバウォックのブレスじゃ」
「誰だ?」
「空に魔物娘を確認、アリスが二名……何なのあの二人は?」
「どうした?」
「普通のアリスとは何か違う……」
「確かに二人共、図鑑で見た姿とは多少違うが……片や三つ編みと黒いフードを着用、片や女王のような服に、白髪,黒角,赤い瞳、奴らリリムと同じ特徴を持つアリ……ス……リリムだと!?」
「失礼な人達ですね。女王様をアリス扱いするとは」
「良い、許す。ドロシーよ、そなたの風で奴らの理性を吹き飛ばせ」
「女王様、正確にはシルフの風ですよ?」
「ドロシーよ、見ない間に随分と堅くなったのう」
「何百年も生きていれば、多少頑固になりますよ」
「空に向かって矢を放てぇ!」
「ハートのお姉様」
「あぶない!」
「短気な方々ですね、突風よ、吹き飛ばせ」
「きゃ!突風!?」
「矢が吹き飛んだだと?」
「お子様ですね、この程度で驚くなんて。翠の風よ、竜巻を起こせ」
「竜巻が発生した」
「みどりいろだ」
「竜巻が襲ってくるぞ」「巻き込まれる」「きゃあっ!」「いゃあん♪」「あはぁ♪」
「この竜巻で千の理性が吹き飛びました」
「愉快じゃのう。次は余の番じゃ」
「あの〜女王様」
「無闇に魔物化させたら後処理が大変やんね?」
「まずその前に杖を自動詠唱モードにするのじゃ」
「「聞く耳無し(涙)」」
「準備完了じゃ。ラヴとピーシュよ、暫く杖を預ける」
「あれ、この杖」
「すごくかるい」
「これで両手で『硬貨』と『聖杯』が使えるのじゃ、その杖を決して討伐隊に奪われてはならぬぞ!」
「オイ、今の聞いたか?」「聞いた、あの杖を奪うぞ」「杖を寄越せ」「神輿を崩すぞ」「まずは解除班が邪魔な結界を解く」
「よそ見は禁物じゃ『金貨兵』よ、妹達を守れ」
「何だあの黄金兵、勇者クラスの強さダアッ!」「兵士達を次々と切り刻んでゆグワッ!」「傷口が疼くよぉ」「気を付けろ、あの剣は魔界銀の性質を持ーーうわぁぁ」「子宮が疼くのぉ、エッチしたいのぉ」「今はそんな場合じゃーー」
「お次は聖杯から媚薬を散布するのじゃ」
プシャァァ
「桃色の鉄砲水が噴射!?」「何故聖杯から大量の水が出るの?」「う〜股間がギンギンしてきた」「あたしも〜我慢出来ない」
「流石女王、金貨兵と媚薬だけで累計二千人位発情したな。ん?あの藍色のジャバウォック、何か苦しんでるな?」
「はぁっ、はぁっ」
「バージャよ、そやつは余の洗礼に抵抗してるのじゃ、ドラゴンとしての誇りを失うのを恐れてな」
「ふーん……」
ヒソヒソ…「成る程」
「どうした?ドロシーよ」
「女王様、シルフからの報告です。兵士達が投石機を召喚したそうです」
「投石機の準備は万端かーっ?」
「準備万端です」
「縄を切れーっ!奴等に巨岩をたたき込めーっ!」
ブン!
「投石ならぬ投岩!?」
「このタイミングで投石か、いい判断だ」
「正気?あの重量じゃ味方も無事じゃ済まないわよ!」
「堕落済及び寸前の者など構うな。無論、儂も含めてな」
「バージャよ、受けとめるのじゃ」
「女王に言われずともそのつもりだ!ふん」ガシッ!
「受け止めた」
「ジャバウォック強〜い」
「はぁはぁ……」
「投石を容易く受け止めただと!?」
「見ているか藍色のジャバウォック!これが愛する者を守る強さであり、ジャバウォックの誇りだ!」
「はぁはぁ……守る、強さ」
「ウォッカさん?」
「ウォッカ〜?」
「……ウォッカ」
「あれが、ジャバウォック」
「ふっ、確かに岩石を一人で受けとめたのは褒めてやるーー」
「だが、投石がたったの一回だけとは限らんぞ」
ブオンッ!
「二度目の、投石、女王様!」
「困ったのう、バージャは手が離せんし、『杖』は貸し出し中、『聖杯』や『硬貨』では間に合わぬ、ならばーー」
「女王様、それは?」
「ビューティ、これは余の『剣』じゃ」
「それ、只の、ペーパーナイフ」
「ビューティ!あのデク人形を避難させなさい!」
『もう戻ってるよォ!』
「早っ!」
「そなたらは幸運じゃ、余の『剣』を見れるのじゃから」
ハートの女王は、ナイフに魔力を込め、縦一線に、軽く振る
ただ、それだけ、なのに
ナイフの先から、衝撃波が放たれ
岩石が、縦二つに割れた事に
後で気付いた。
「うわぁ!」「きゃあっ」「投石機がバラバラに!?」「痛くない?だけど」「傷が疼くよぉ♪」
何故なら、投石兵千人の巻き添えが、印象的だったから。
「結界を解除確認」「これで杖を奪える」「俺達の勝ちだ!」
「しまった、目を離した隙に」
「離してよ!」
「つえはわたさない」
「このガキが!」ブンッ
「きゃあっ」
「させない!」ガシッ
「ウォッカさん!」
「ドラゴンが拳を受けとめた?」
「アタシはドラゴンではない、誇り高きジャバウォックだ!」ゴォッ
「桃色のブレス!?ーー身体が火照るぅぅ」
「メストカゲ、よくも仲間を」
「しまった」
「ちっ!」ガキンッ!キリキリ…
「O-721、お前もか」
「俺をその名を呼ぶなぁ!」ゲシッ
「ぐはっ」
「貴様、テキーラ様を裏切る気か!」
「勘違いするな!俺はただーー」
「矢を放て!」ピュン!
「弓矢!?」
「勇者様逃げて〜」
「オナニー!」
「ここまでか……」
「「だ、だめー!」」
カッ!
「ガキ二人が持つ杖から光が」「何だこの格好は!」「何で私達がリリムと同じ水着を着てるの?」「男も水着って誰得だよ!」
「兵士千人の水着ショーとは、不思議な事が起こっておるのう」
「「ハートのお姉様」」
「ラヴとピーシュよ、よく最後まで杖を保守したのう。魔法陣の準備万端じゃ」
『転送魔法陣、準備カンリョウ』
「空に、巨大魔法陣?」
『女王サマ、起動ノタメノ、サインクダサイ』
「カキカキと、魔法陣発動じゃ」
「「「「「「「「「「うわぁぁぁぁぁァァァァァァァァーー」」」」」」」」」」
「転送完了じゃ、思ったより時間が掛かったのう」
「時間が掛かったって」
「まだ十分も経ってないんよ?」
※O-721視点※
「うぐぐ……」
「しっかりして、矢が刺さってーーない?」
「矢先が吸盤だ〜?」
「……」
「あれ?ホントだ、何故か知らんが助かった……」
パシィッ
※続く※
O-721「……第二十王女?」
14/03/03 20:40更新 / ドリルモール
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