読切小説
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最近同じクラスメイトのアイツが女子に見えるんだが?
なあ、この学校って共学だったっけ?

いや、男子校なのは知ってるよ

周りは筋肉自慢だの体育会系がいたり、この引き締まったケツを見てみろといった漢共に君達のお尻が引き締まるなら、ボクのお尻はその真逆だね、ってふくよかなお尻を見せる男子もいたり

知的な眼鏡男子かま自慢げに知識を語っている時に別の男子がさりげなくエロの知識を語ったらそいつが真っ赤にしたり

授業中にもかかわらず弁当食べる野郎もいれば、それに便乗して紅茶を飲んだりする男子もいる

ドアの間に黒板消しを挟むイタズラをするやんちゃ盛りもいるんだよなー。この間マジで黒板消しトラップに引っかかった男子がいさ、そん時のチョークの粉がまるでキノコの胞子みたいにブワッと散らばってさ、思わず笑っちまったよ

体育倉庫の掃除中に服の中にボール二つを入れて巨乳アピールする奴もいたり、そういや昨日の鳩村にも、萎んだボールを入れてるの?ちょっと胸が膨らんでるぞ〜ってからかったら、それはまだ鳩胸だよ、と別の男子が言ってきて、鳩村もこくこく頷きながら必死で胸を膨らませる仕草をしたっけ?

たまに真戸崎のような女の子のような可愛い顔立ちの子もいるけど、そいつも僕は男子トイレでズボンをずり下げて立ちションする立派な男です!と必死にアピールしたりしてさ
それを聞いた男子が君も素質がありそうだね?と一緒に男子トイレに連れていかれたな〜

そんな男子ばかりが集まるまさに典型的な男子校が今俺たちが通う学校だよ



だけど最近、クラスメイトのアイツが女子に見えてさ



ほら、さっきの会話でちょくちょく出てきた男子のことだよ

容姿は男子制服を着用しているのに、立ち振る舞いは紳士っぽくて

だけど、その、顔立ちが美少女にも見えなくてさ

クスッと笑うだけでも、ドキドキしてさ

そんな男子が掃除中に習字で使う筆が入った荷物を棚から下ろそうとしたら、荷物の重さによろけてきたからさ、咄嗟に庇うように身体同士接触したら


上にキノコが二つあるのに、下のキノコが生えていなかったんだ

だけど、その時は怪我は大丈夫かってそいつに聞いたら、大丈夫だよ、むしろ君がボクの筆下ろしのせいで怪我をしなくてよかったって言いながら何事もなかったかのように立ち上がって、荷物を運ぶ後ろ姿にドキッしたよ

別にそいつのお尻がふくよかだったからドキッとしたわけじゃないぞ、本当に後ろ姿にドキッとしただけだ

まるで、御伽話に出てくる帽子屋のようにーー

え、例えが意味深?



だって、そいつ、帽子を被ってるんだぜ!



ふーん、君はボクの男子生徒たちに対するアプローチの自覚ーー
というより、ボクが帽子を被っていることに気づいているんだね



ある日不思議の国に迷い込んだボクが、男子としてのしがらみから解放してくれた女王様の恩に報いるため、この学校を不思議に染めようと決意して数ヶ月

他の生徒達にはボクの変化に気づかれないようごく自然に胞子を振り撒いて

女体への願望が強かったり、帽子屋の素質がありそうな男子をさりげなくオトしてきたんだ

あの日の掃除中に筆下ろしーーじゃなかった棚卸しで倒れそうになって君が助けた時、君が荷物を運ぶボクのお尻じゃなく後ろ姿に見惚れていたのは知ってたさ

なぜなら、キノコの胞子で意識をお尻に向けないようにしていたから

だから君がボクがふくよかなお尻を見せつけた話をしたときに、あの時胞子を振り撒くのを忘れていたのかなって思って君達の会話を聞いていたけど

まさかそれ以前からボクの狂った行動に気づくなんてーーいや、当然と言うべきだろうね

え?いつから話を聞いていたのかって?

そんなの最初から聞いていたよ?紅茶を飲みながらね

安心して、君達の会話はボク達だけの秘密さ
君こそボクの親友(フィアンセ)にふさわしい

ふふ、椅子から立てない?

だって、ボクのキノコから振り撒く胞子で君自身が椅子だと言う認識になっているから

当然座るのは、ボ・ク・だ・よ

うん、ティーカップから伝わる紅茶の熱と親友(フィアンセ)の膝の温もりを感じながらティータイムを楽しむのは実に最高だ

え、異常すぎる?

男子同士なら空気椅子耐久チャレンジしたり、おっとこんなところに椅子が〜って座ってる男子の膝に乗っかったりするのは当然のことじゃないか

ふふふ、ボクの美しさに見惚れた?或いは顔からかかる吐息に熱くなった?それとも学生服越しから伝わる二つのキノコーーもといオッパイの感触に興奮した?

だって、さっきから、キミのズボンからキノコが盛り上がっているから

恥ずかしがらないで、キノコが盛り上がるくらい男子としては当然のことだよ

学校にこっそりグラビア雑誌を持ってきてキノコビンビンにしたり、それを思わず見ちゃってキノコがピクンとしたり、授業中にグラビアモデルの娘を考えていたのか、教科書を読みながらキノコの先っぽから透明なシロップがじわじわ搾り出されるのを匂いで感じた時はこのボクも興奮して子宮内の菌糸がネチョネチョ糸を引いていたよ。あぁ中には昼休みにトイレに駆け込んでキノコから白いミルクをピュッと飛ばした男子もいたね、必死に掃除して誤魔化していたけど、帽子屋のボクにはバレバレだったよ

そんな男子なら当たり前のことをボクはもう出来ないのさ

ほら、

帽子屋になったボクは、

股間に溝が出来て、

キノコが奥に引っ込んでしまった

確かに興奮するとピクピクするけど、それはキノコの先端だけ

君が言うように女子に見えるのは当然さ

だけど、女子に見えるだけじゃ、証明にはやならないよね?

だから、君のキノコを、君の男子としての証を、ボクの中に収めてほしい

よい、しょと、

だ、大丈夫、この、食紅は、ボクが帽子屋であることを受け入れた時に、いつかは流す、覚悟の食紅だと認識してたよ

親友(フィアンセ)であるキミだからこそ、流す覚悟を決めたから

んっ、いいよ。君のキノコが、ボクの子宮の中の菌糸が絡み合うのがわかるよ

気の合う男子生徒同士、絡み合うのも男子校では、当然のこと、だから


さて、さっきからボク達の行為に見惚れているキミ、彼の会話に疑問を感じたキミもわずかながら自覚がありそうだね


入っておいで


紹介するよ
帽子屋として板がついてきた鳩村くんと
帽子屋としての第一歩を踏み出した真戸崎くんだよ

女王様から頂いたチカラで、ごく自然なアプローチで彼らをボクと同じ帽子屋にならないかと誘ったんだ

鳩村くんの男子制服から突き出た大きな胸が素敵でしょ?
そのうち肩が縮んで、腰が広がって、お尻もふくよかになって体型が女子らしくなる
なのに男子制服を着用しているって唆られるよね

真戸崎くんはあえて可愛らしい見た目はそのままで男子制服を着用しているよ
キノコはもう無いのにまだ自分は男子だと言ってるけど、これからも男子を貫くか、或いは心が女子になっちゃうか楽しみで仕方ないよ

だけど、周囲の人間達は二人の変化にすら気づかない

なぜなら二人が被ってる帽子の形をしたキノコのおかげで周りの男子達は気づくことなく、自分達と同じ男子として接するのだから

さぁ、キミはどっちの親友(フィアンセ)になる?

なんなら二人共選んでもいいよ


これからもさりげなくこの男子校で新たな帽子屋と親友(フィアンセ)を増やしていけばいいから


おわり
25/08/10 17:20更新 / ドリルモール

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