お茶会は欠席させてもらいます
ここは不思議の国
どこにでもいるようでどこにでもいない帽子屋一家
父親と母親、二人はごく自然に運命的な果たし、ごく自然に夫婦になりました
そんな二人の間にごく自然に当然のように交わりながら恵まれた愛の結晶といえるふたりーー
いえ、さんにんの子供達
「住民達の淫猥な会話を聞きながら、ボクのキノコをバキバキにしてくれるマーラ様に感謝します」
お茶会に出席しては淫らな話に耳を傾けて、キノコや割れ目を弄る男性と女性、両方の性に性転換出来る体質を持つ突然変異のインキュバス
「おなかすいた〜こうちゃだけじゃおなかいっぱいにならないよ〜おかしまだ〜？」
お茶会に出席しても紅茶を飲むより、食べ物を食べるのが大好きな、水分よりカロリーを欲する突然変異の末妹
「またお茶会かよ・・・眠い」
そしてお茶会を常時欠席するマッドハッターとしてはある意味最も突然変異といえる長姉
長姉は今日もお茶会を欠席して、村の外れにて一人で紅茶の材料を採取しています
「よし、今日の分の紅茶の葉と水の採取完了だな」
「お、丁度いいところにマッドハッターがいるぞ」
「あの〜もしよかったらお茶会に」
...…‥‥ﾌｯ
「・・・あれ？さっき誰かいたような？」
「気のせいだろ、それより早くお茶会に出席だ。今日は親戚の娘さんが針金を曲げればフックになるというアイデアを閃いた記念のパーティーだ」
「ふん、胞子だけで存在を忘れる程度で俺をお茶会に誘そうとは。来世で出直せ」
長姉は生まれついての多種多様な魔術を使いこなす才能と頭のキノコから振りまく胞子を飛ばして、他の住民からの認識を消すことで例えお茶会を欠席しても誰も気にしていないのです
長姉がそこまでしてお茶会を欠席する理由は
ひとりが好きだから
生まれつき他人と関わるのが面倒な性格で、ひとりでのんびり過ごすのが好きな長姉は自分の部屋のベッドでくつろぎながら、通信端末の動画配信を見て、自分で煎れた紅茶を飲んで、昼寝をする、ひとりティータイム、略してひとティ
「歌手の新曲動画、三時間前に上がっていたのか、この動画は再生時間短い・・最後に突然画面が変わる動画の可能性があるな無視だ」
ｺﾝｺﾝ
突然のノックに ﾋﾞｸｯ! っとします
「お茶会よ〜」
「・・・・・ふぅ・・・なんだ、オフクロか」
声から母だと気づいた長姉は落ち着きを取り戻し
ｺﾝｺﾝ 「お茶会よ〜」
「全くまぎわらしい。オバケがノックしたのかと思ったぞ」
と母親の誘いをスルーして動画を見続けます
ｺﾝｺﾝ 「お茶会よ〜」
ｺﾝｺﾝ 「お茶会よ〜」
・・・・・
・・・
・・
「ふん、しつこく勧誘するのを諦めたか」
誘われなくなったことにも気にもとめることなく動画視聴を再開するも
ｺﾝｺﾝ 「廊下のホコリを掃除した記念のお茶会よ〜」
ｺﾝｺﾝ 「洗濯物を干せた記念のお茶会よ〜」
ｺﾝｺﾝ 「夕食のシチュー煮込み中記念のお茶会よ〜」
しつこく急かす訳でなく家事の合間に、さりげなくお茶会に誘う母親
ｺﾝｺﾝ 「今から一時間後に媚薬の雨が降る(ry
「あー！うるせーな！いま動画を見ている最中！だからお茶会には出席しない！」
「あら、やっと返事をくれたわ。一番上の子がノックに反応してくれた記念パーティーを(ry
「そんなことを記念にするな！ホント、記憶消去しても都合よく記憶が戻ったり、記憶を失ったままでもさりげなく家族になろうとお茶会に誘ったり、透明になっても胞子ばら撒いて足跡を追跡したり、認識阻害しても違和感を感じて見つけたり、遠くへ移動してもワープの仕掛けで追いついたり、異空間に逃げても不思議なギミックで同じ異空間まで入り込んで紅茶セットを用意したり、どれだけ手段を用いてもさりげなくお茶会に誘おうとしやがってー！」
「だってあなたがお茶会に出席すれば盛り上がるわ。抜群のスタイルで男女問わず魅了されるわよ」
「ふん、大きな胸しか興味がない住民なら、無視だ無視」
「なら、胸をぺったんこにすればいいわ。魔術で肉体を変えるなんてモーニングティータイム前でしょ？」
「そういう問題じゃない」
「そうそう、この前のお茶会で不思議の国の仕掛けで胸が縮んでね、ついでに巨乳になった夫の胸をもみ揉みモミしながらの交わりは新鮮だったわよ」
「それ、さりげなく言う事？ 聞いてて恥ずかしいけど」
「とりあえずドアを開けて話をしましょ？」
(面倒だな。いっそのこと、身体をペシャンコのヒラヒラにしてドアの隙間から逃げ込むか？)
長姉は脱出方法を考えながら、片手でドアノブを回してーー
「はいはい、ドアなら開けてやる」
「久しぶりに顔を合わせて話が出来るなんてモチベが上がるわ」
ーーもう片手で自らの身体に魔法陣を刻み
「開けるだけで、モチベなんて上がらないからな！」
ドアを開けると同時に自らの身体をペシャンコーーと見せかけて小さく縮ませます
妖精よりも小さく、小さくーー
「あら？ どこにいるの？ ひょっとして透明になったのかしら」
母が娘を探している隙に部屋から出る長姉
「もしかして胸だけペシャンコにするつもりが身体までペシャンコになったりして」
(鋭い、身体を小さくする魔術に切り替えて正解だったか。このまま転移魔術で遠くまでーーいや、ここは脚力を強化する魔術で風呂場まで逃げ込む！)
「どこか遠くへワープしてるかもしれないわ」
コカトリスも追い抜くほど速い脚力で、米粒並に縮んだ身体で廊下を駆け抜け風呂場に逃げ込みます
「はぁはぁ・・・ゼェぞぇ・・・暑い」
自らにかけた魔術を解除して元の大きさに戻ります
魔術で肉体を強化したといえ、全力疾走すれば全身汗かくのは当然のことです
「シャワー浴びるか・・・家族の誰かが入ってこないように扉の施錠と認識阻害の結界を展開」
ｻｧｧｧｧｧ
流れる水流に身を清めながら、鏡越しで母に評価された？スタイル抜群の身体を眺めます
女性としては長身でありながら形が整った膨らみ、くびれから見える綺麗な臍
シャワーの水滴が丸みを帯びたお尻から美しい軌道を描きながらながれ、細く長い足をスムーズに進むことで、芸術のような光景が形成されるのです
裸体だけでも美しい長姉の身体に男性用燕尾服を着用すれば
シャツ越しでもわかる膨らみとシャツから見える臍とぴっちりしたズボンと形が整ったお尻が浮き上がり
男装していても女性らしさを兼ね備えた姿は男女問わず魅了する魅力的なスタイルとなるでしょう
「・・・鏡がノリノリで解説してる⁉︎」
と、長姉がツッコミを入れます
「ツッコミまでも解説してる!?」
今日一日のあなたの行動や母親とのやりとりを解説していましたよ
「ここは不思議の国、鏡がシャワー中にスタイルを解説、いや一日中の行動を解説していても不思議じゃないのか」
もうバレましたので、ここで失礼します
※
「・・・もう喋らないのか。とりあえず、これでゆっくり出来るな。ん、外が騒がしいぞ」
俺は魔術で声を拾いあげると
「今日は家族総出で一番上の娘を探す記念パーティーを開きましょう」
「たまには家族だけのお茶会も悪くはないか」
「あの抜群のスタイルがボク達家族の独り占めに出来る思うと興奮する」
「え〜さがすのやだ〜いちばんうえのおねえちゃんきらい〜つまみぐいしてへやにこもるからキライ」
「先に見つけたら、おやつはパンケーキに生クリームとフルーツ大盛りにしてあげるわ」
「ホント？だったらがんばってさがす！」
「よりによって家族総出のかくれんぼパーティーかよ」
いくら魔術で隠蔽してるといえ家族総出で捜索されたら、見つかるのも時間の問題だと思った俺は今度こそ転移魔術を使って遠くへワープ
「えーっ！目の前に全裸の巨乳が！」
「む、転移先に迷い人がいたか」
「全裸の美女が現れたならやることはひとつ！」
豊満な胸に飛びかかる迷い人に俺はごく自然に
ｽｯ 「グヘッ」
避けた
「おのれ、全裸でワープしてきたら、当然誘っている筈だろう」
「風呂上がりなだけだ」
俺は身体からキノコを生やして服を形成
「美女が服を着たならやることはひとつ！」
「・・・すでに不思議の国の狂気に染まっているな」
明らかに脱がそうとしている股間が臨戦態勢の迷い人に、冷静に魔術を詠唱する
「まずは胸をはだけさせーーうぉ！」
迷い人が飛びかかる瞬間を狙って、風の魔術で迷い人を飛ばすーー
「ぬぁおおお」ﾄﾞﾝｯ「きゃっ」
ーー通りすがりのマーチヘアに向かって
「あらあら、これって風が運んでくれた偶然？ だけど必然、なら当然、交わらなくちゃ」
「おおっ、目の前に柔らかい胸があるならやることはひとつ！」
迷い人は妄想炸裂のマーチヘアの胸を揉みしだき、マーチヘアも彼を無理矢理押し倒す
「ふん、計算通りだな」
俺は黙って去ろうと
「オハヨウゴザイマス〜」
後ろを向いたら、逆さまのオバケが飛び出して
ぎゃああああああ！
一目散に逃げる
オバケが出たぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ
逃げる
逃げる！
とにかく逃げる！！！
後に木の上で昼寝していたドーマウスが逆さ吊りで挨拶しただけと気づくが、その瞬間の俺はオバケだと認識していた
頭のいい俺は計算高い
だからオフクロの考えを読んで逃げ出したし、転移先に住民と出くわす可能性も想定していたし、風の魔術で迷い人を飛ばした先に魔物娘がいるだろうと読んでいた
しかし、振り返ったら目の前でドーマウスが逆さまに挨拶するのは想像だにしなかった
俺にも計算出来ない想定外のこと、いわばホラー系統が苦手だ
ゾンビやゴーストのような魔物娘ではなく、単純に怖い話や脅かすようなことが苦手だ
当然、毎回ツッコミを入れたくなるハプニングが起こり、会話の最中に切り出す意味不明な話題やごく自然にエッチな誘惑をするのが日常茶飯事のお茶会も苦手なのだ
「はぁはぁ……ここはどこだ」
無我夢中で走ったので、方向を見失うのは当然のことだ
ｻｧｧｧｧｧ
突如降り注ぐ、シャワー・・ではなく媚薬の雨
俺は近くの木に雨宿り
「いきなり、媚薬の雨かよ、いや確かオフクロの会話に雨が降ると言ってたな」
ドロっとしたピンク色の雨を眺めながら母の会話を思い出していると、昔のことをふと思い出すーー
お茶会に出たくないと家出して、不思議の国をふらふら、歩いて、見て、出会って、奇妙な体験をしながら雨宿りしていると
やっと見つけたと言って、オフクロがごく自然に手を伸ばす
俺はつい手を出してオフクロと一緒に帰路につく
どうしてここにいるとわかったの？とオフクロにきくと
愛する子供を見つけるのは当然のことよと返す
俺は、いみがわからないと思ったが
雨で濡れた身体から伝わる暖かい温もりに、これが母親というものなのかと思ったんだっけーー
「俺もいつか、子供を持つようになったらオフクロの気持ちがわかるのかな・・・」
ｺﾝｺﾝ 「お茶会よ〜」
オフクロが木のふちをノックして俺を呼んだ
何故居場所がわかったのか理由は聞かなかった
計算高い俺は聞くまでもないと思ったからだ
だって、答えはさっきの思い出の中にあるとーー
※
「さて、家族全員揃ったところでお茶会を開きましょう」
「家族五人のお茶会は久しぶりだな」
「今日はどんなエッチな話になるのかな〜ああん、想像するだけアソコがﾋﾞﾝﾋﾞﾝのﾇﾙﾇﾙだよ」
「きょうのおやつはフルーツおおめ、おおめだからいっぱいたべるぞー」
「盛り上がってるところ悪いけどさ」
ようやく家に戻った俺は両親と弟と妹の前で宣言
「お茶会は欠席させてもらう」
「そうなの、なら『お茶会は欠席させてもらいます』記念のパーティーに変更ね」
「それも悪くないな」
「部屋に戻ってナニするつもりなの!?」
「いただきまーす」
家族の反応をスルーして部屋に戻る
「ひとりで動画を見ながらティータイムが一番だな」
そう寝転び動画を見ているとーー
『お茶会よ〜』
画面の中からオフクロが現れる
『悪いがそっちのお茶会にこちらから『出席』することにした』
次にオヤジが現れ
『ねぇ聞いてよ、家族総出のかくれんぼパーティーの最中に、いろんな人に出会って、エッチなハプニングに巻き込まれたんだよ』
弟が頬を赤く染めながら話を始めて
『はむはむ、おはなしはきくけど、もぐもぐ、つまみぐいしちゃだめだから』
妹も食べながら、会話に参加する
『ふふっ、なんなら通話を切ってもいいのよ？』
オフクロは画面越しで微笑みながら言う
「・・・ふっ、今はそんな気分じゃないよ。ようこそ俺のお茶会へ」
まずは迷い人との出会いと、オバケに驚いたこと、ついでに鏡の解説もごく自然にさりげなく話そう
end
どこにでもいるようでどこにでもいない帽子屋一家
父親と母親、二人はごく自然に運命的な果たし、ごく自然に夫婦になりました
そんな二人の間にごく自然に当然のように交わりながら恵まれた愛の結晶といえるふたりーー
いえ、さんにんの子供達
「住民達の淫猥な会話を聞きながら、ボクのキノコをバキバキにしてくれるマーラ様に感謝します」
お茶会に出席しては淫らな話に耳を傾けて、キノコや割れ目を弄る男性と女性、両方の性に性転換出来る体質を持つ突然変異のインキュバス
「おなかすいた〜こうちゃだけじゃおなかいっぱいにならないよ〜おかしまだ〜？」
お茶会に出席しても紅茶を飲むより、食べ物を食べるのが大好きな、水分よりカロリーを欲する突然変異の末妹
「またお茶会かよ・・・眠い」
そしてお茶会を常時欠席するマッドハッターとしてはある意味最も突然変異といえる長姉
長姉は今日もお茶会を欠席して、村の外れにて一人で紅茶の材料を採取しています
「よし、今日の分の紅茶の葉と水の採取完了だな」
「お、丁度いいところにマッドハッターがいるぞ」
「あの〜もしよかったらお茶会に」
...…‥‥ﾌｯ
「・・・あれ？さっき誰かいたような？」
「気のせいだろ、それより早くお茶会に出席だ。今日は親戚の娘さんが針金を曲げればフックになるというアイデアを閃いた記念のパーティーだ」
「ふん、胞子だけで存在を忘れる程度で俺をお茶会に誘そうとは。来世で出直せ」
長姉は生まれついての多種多様な魔術を使いこなす才能と頭のキノコから振りまく胞子を飛ばして、他の住民からの認識を消すことで例えお茶会を欠席しても誰も気にしていないのです
長姉がそこまでしてお茶会を欠席する理由は
ひとりが好きだから
生まれつき他人と関わるのが面倒な性格で、ひとりでのんびり過ごすのが好きな長姉は自分の部屋のベッドでくつろぎながら、通信端末の動画配信を見て、自分で煎れた紅茶を飲んで、昼寝をする、ひとりティータイム、略してひとティ
「歌手の新曲動画、三時間前に上がっていたのか、この動画は再生時間短い・・最後に突然画面が変わる動画の可能性があるな無視だ」
ｺﾝｺﾝ
突然のノックに ﾋﾞｸｯ! っとします
「お茶会よ〜」
「・・・・・ふぅ・・・なんだ、オフクロか」
声から母だと気づいた長姉は落ち着きを取り戻し
ｺﾝｺﾝ 「お茶会よ〜」
「全くまぎわらしい。オバケがノックしたのかと思ったぞ」
と母親の誘いをスルーして動画を見続けます
ｺﾝｺﾝ 「お茶会よ〜」
ｺﾝｺﾝ 「お茶会よ〜」
・・・・・
・・・
・・
「ふん、しつこく勧誘するのを諦めたか」
誘われなくなったことにも気にもとめることなく動画視聴を再開するも
ｺﾝｺﾝ 「廊下のホコリを掃除した記念のお茶会よ〜」
ｺﾝｺﾝ 「洗濯物を干せた記念のお茶会よ〜」
ｺﾝｺﾝ 「夕食のシチュー煮込み中記念のお茶会よ〜」
しつこく急かす訳でなく家事の合間に、さりげなくお茶会に誘う母親
ｺﾝｺﾝ 「今から一時間後に媚薬の雨が降る(ry
「あー！うるせーな！いま動画を見ている最中！だからお茶会には出席しない！」
「あら、やっと返事をくれたわ。一番上の子がノックに反応してくれた記念パーティーを(ry
「そんなことを記念にするな！ホント、記憶消去しても都合よく記憶が戻ったり、記憶を失ったままでもさりげなく家族になろうとお茶会に誘ったり、透明になっても胞子ばら撒いて足跡を追跡したり、認識阻害しても違和感を感じて見つけたり、遠くへ移動してもワープの仕掛けで追いついたり、異空間に逃げても不思議なギミックで同じ異空間まで入り込んで紅茶セットを用意したり、どれだけ手段を用いてもさりげなくお茶会に誘おうとしやがってー！」
「だってあなたがお茶会に出席すれば盛り上がるわ。抜群のスタイルで男女問わず魅了されるわよ」
「ふん、大きな胸しか興味がない住民なら、無視だ無視」
「なら、胸をぺったんこにすればいいわ。魔術で肉体を変えるなんてモーニングティータイム前でしょ？」
「そういう問題じゃない」
「そうそう、この前のお茶会で不思議の国の仕掛けで胸が縮んでね、ついでに巨乳になった夫の胸をもみ揉みモミしながらの交わりは新鮮だったわよ」
「それ、さりげなく言う事？ 聞いてて恥ずかしいけど」
「とりあえずドアを開けて話をしましょ？」
(面倒だな。いっそのこと、身体をペシャンコのヒラヒラにしてドアの隙間から逃げ込むか？)
長姉は脱出方法を考えながら、片手でドアノブを回してーー
「はいはい、ドアなら開けてやる」
「久しぶりに顔を合わせて話が出来るなんてモチベが上がるわ」
ーーもう片手で自らの身体に魔法陣を刻み
「開けるだけで、モチベなんて上がらないからな！」
ドアを開けると同時に自らの身体をペシャンコーーと見せかけて小さく縮ませます
妖精よりも小さく、小さくーー
「あら？ どこにいるの？ ひょっとして透明になったのかしら」
母が娘を探している隙に部屋から出る長姉
「もしかして胸だけペシャンコにするつもりが身体までペシャンコになったりして」
(鋭い、身体を小さくする魔術に切り替えて正解だったか。このまま転移魔術で遠くまでーーいや、ここは脚力を強化する魔術で風呂場まで逃げ込む！)
「どこか遠くへワープしてるかもしれないわ」
コカトリスも追い抜くほど速い脚力で、米粒並に縮んだ身体で廊下を駆け抜け風呂場に逃げ込みます
「はぁはぁ・・・ゼェぞぇ・・・暑い」
自らにかけた魔術を解除して元の大きさに戻ります
魔術で肉体を強化したといえ、全力疾走すれば全身汗かくのは当然のことです
「シャワー浴びるか・・・家族の誰かが入ってこないように扉の施錠と認識阻害の結界を展開」
ｻｧｧｧｧｧ
流れる水流に身を清めながら、鏡越しで母に評価された？スタイル抜群の身体を眺めます
女性としては長身でありながら形が整った膨らみ、くびれから見える綺麗な臍
シャワーの水滴が丸みを帯びたお尻から美しい軌道を描きながらながれ、細く長い足をスムーズに進むことで、芸術のような光景が形成されるのです
裸体だけでも美しい長姉の身体に男性用燕尾服を着用すれば
シャツ越しでもわかる膨らみとシャツから見える臍とぴっちりしたズボンと形が整ったお尻が浮き上がり
男装していても女性らしさを兼ね備えた姿は男女問わず魅了する魅力的なスタイルとなるでしょう
「・・・鏡がノリノリで解説してる⁉︎」
と、長姉がツッコミを入れます
「ツッコミまでも解説してる!?」
今日一日のあなたの行動や母親とのやりとりを解説していましたよ
「ここは不思議の国、鏡がシャワー中にスタイルを解説、いや一日中の行動を解説していても不思議じゃないのか」
もうバレましたので、ここで失礼します
※
「・・・もう喋らないのか。とりあえず、これでゆっくり出来るな。ん、外が騒がしいぞ」
俺は魔術で声を拾いあげると
「今日は家族総出で一番上の娘を探す記念パーティーを開きましょう」
「たまには家族だけのお茶会も悪くはないか」
「あの抜群のスタイルがボク達家族の独り占めに出来る思うと興奮する」
「え〜さがすのやだ〜いちばんうえのおねえちゃんきらい〜つまみぐいしてへやにこもるからキライ」
「先に見つけたら、おやつはパンケーキに生クリームとフルーツ大盛りにしてあげるわ」
「ホント？だったらがんばってさがす！」
「よりによって家族総出のかくれんぼパーティーかよ」
いくら魔術で隠蔽してるといえ家族総出で捜索されたら、見つかるのも時間の問題だと思った俺は今度こそ転移魔術を使って遠くへワープ
「えーっ！目の前に全裸の巨乳が！」
「む、転移先に迷い人がいたか」
「全裸の美女が現れたならやることはひとつ！」
豊満な胸に飛びかかる迷い人に俺はごく自然に
ｽｯ 「グヘッ」
避けた
「おのれ、全裸でワープしてきたら、当然誘っている筈だろう」
「風呂上がりなだけだ」
俺は身体からキノコを生やして服を形成
「美女が服を着たならやることはひとつ！」
「・・・すでに不思議の国の狂気に染まっているな」
明らかに脱がそうとしている股間が臨戦態勢の迷い人に、冷静に魔術を詠唱する
「まずは胸をはだけさせーーうぉ！」
迷い人が飛びかかる瞬間を狙って、風の魔術で迷い人を飛ばすーー
「ぬぁおおお」ﾄﾞﾝｯ「きゃっ」
ーー通りすがりのマーチヘアに向かって
「あらあら、これって風が運んでくれた偶然？ だけど必然、なら当然、交わらなくちゃ」
「おおっ、目の前に柔らかい胸があるならやることはひとつ！」
迷い人は妄想炸裂のマーチヘアの胸を揉みしだき、マーチヘアも彼を無理矢理押し倒す
「ふん、計算通りだな」
俺は黙って去ろうと
「オハヨウゴザイマス〜」
後ろを向いたら、逆さまのオバケが飛び出して
ぎゃああああああ！
一目散に逃げる
オバケが出たぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ
逃げる
逃げる！
とにかく逃げる！！！
後に木の上で昼寝していたドーマウスが逆さ吊りで挨拶しただけと気づくが、その瞬間の俺はオバケだと認識していた
頭のいい俺は計算高い
だからオフクロの考えを読んで逃げ出したし、転移先に住民と出くわす可能性も想定していたし、風の魔術で迷い人を飛ばした先に魔物娘がいるだろうと読んでいた
しかし、振り返ったら目の前でドーマウスが逆さまに挨拶するのは想像だにしなかった
俺にも計算出来ない想定外のこと、いわばホラー系統が苦手だ
ゾンビやゴーストのような魔物娘ではなく、単純に怖い話や脅かすようなことが苦手だ
当然、毎回ツッコミを入れたくなるハプニングが起こり、会話の最中に切り出す意味不明な話題やごく自然にエッチな誘惑をするのが日常茶飯事のお茶会も苦手なのだ
「はぁはぁ……ここはどこだ」
無我夢中で走ったので、方向を見失うのは当然のことだ
ｻｧｧｧｧｧ
突如降り注ぐ、シャワー・・ではなく媚薬の雨
俺は近くの木に雨宿り
「いきなり、媚薬の雨かよ、いや確かオフクロの会話に雨が降ると言ってたな」
ドロっとしたピンク色の雨を眺めながら母の会話を思い出していると、昔のことをふと思い出すーー
お茶会に出たくないと家出して、不思議の国をふらふら、歩いて、見て、出会って、奇妙な体験をしながら雨宿りしていると
やっと見つけたと言って、オフクロがごく自然に手を伸ばす
俺はつい手を出してオフクロと一緒に帰路につく
どうしてここにいるとわかったの？とオフクロにきくと
愛する子供を見つけるのは当然のことよと返す
俺は、いみがわからないと思ったが
雨で濡れた身体から伝わる暖かい温もりに、これが母親というものなのかと思ったんだっけーー
「俺もいつか、子供を持つようになったらオフクロの気持ちがわかるのかな・・・」
ｺﾝｺﾝ 「お茶会よ〜」
オフクロが木のふちをノックして俺を呼んだ
何故居場所がわかったのか理由は聞かなかった
計算高い俺は聞くまでもないと思ったからだ
だって、答えはさっきの思い出の中にあるとーー
※
「さて、家族全員揃ったところでお茶会を開きましょう」
「家族五人のお茶会は久しぶりだな」
「今日はどんなエッチな話になるのかな〜ああん、想像するだけアソコがﾋﾞﾝﾋﾞﾝのﾇﾙﾇﾙだよ」
「きょうのおやつはフルーツおおめ、おおめだからいっぱいたべるぞー」
「盛り上がってるところ悪いけどさ」
ようやく家に戻った俺は両親と弟と妹の前で宣言
「お茶会は欠席させてもらう」
「そうなの、なら『お茶会は欠席させてもらいます』記念のパーティーに変更ね」
「それも悪くないな」
「部屋に戻ってナニするつもりなの!?」
「いただきまーす」
家族の反応をスルーして部屋に戻る
「ひとりで動画を見ながらティータイムが一番だな」
そう寝転び動画を見ているとーー
『お茶会よ〜』
画面の中からオフクロが現れる
『悪いがそっちのお茶会にこちらから『出席』することにした』
次にオヤジが現れ
『ねぇ聞いてよ、家族総出のかくれんぼパーティーの最中に、いろんな人に出会って、エッチなハプニングに巻き込まれたんだよ』
弟が頬を赤く染めながら話を始めて
『はむはむ、おはなしはきくけど、もぐもぐ、つまみぐいしちゃだめだから』
妹も食べながら、会話に参加する
『ふふっ、なんなら通話を切ってもいいのよ？』
オフクロは画面越しで微笑みながら言う
「・・・ふっ、今はそんな気分じゃないよ。ようこそ俺のお茶会へ」
まずは迷い人との出会いと、オバケに驚いたこと、ついでに鏡の解説もごく自然にさりげなく話そう
end
23/08/10 21:58更新 / ドリルモール