読切小説
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おうちでナニする?

ハァはぁ‥

ボクは息を荒げながら、片手を動かす。

幾度かの往復動作を繰り返し、疲労が蓄積することで動きがぎこちなくなったら、もう片方の手に役目を譲る

ペースを落とさず刺激される器官はやがて絶頂に達する

絶頂の証として長い期間蓄積していたら体液が放出、異臭と共に周囲に飛散

膨張の役目を終えた器官は収縮をする

あっ‥また‥

全身が熱さが伝わり、身体の変化を感じる

全身の皮膚が滑りを帯び

体液から放たれる匂いが、異臭から香ばしい香りへと認識を改める

まるで自分の中にある魔物娘が目覚めたかのように、自分の精がたまらなく美味しそうに思えてくる

そんな自分を慰めた器官の収縮は止まることなくーー




「パパとママは今日もおうちでエッチするの?」

ボクは食事中のパパとママにたずねる
ちなみに食事といっても家族四人普通に晩御飯を食べているだけで交わっているわけじゃない

じゃないけど……

「はい、あーん」

ママは自分のシチューをスプーンで掬ってパパに食べさせている
パパもパパで当然のようにママが差し出すシチューをぱくり

「美味しい?」
「ああ」
「隠し味は、ぼくのキノコの胞子と、愛情だよ」

ザ・ラブラブ夫婦の指標

ちょっと鬱陶しいけどボクにとっての目標
いつかボクも運命の人とあんな風に……

「今夜もベッドでしよう」

ママがパパにウインクするので、ボクは妄想をやめて言う

「そろそろ下の方の食事なんだね。ならいつも通り妹の世話はボクに任せて、パパとママがエッチの最中にお腹空いたと割り込まないために寝かせるーー」

「今日はぼく達がこの娘を寝かせるよ」



「え?」



ママの思わぬ返答にボクはポカンとしていると
 


「溜まっているでしょ?」



ぎくっ

「な、なんでわかるの?」
「これでも母親だよ?息子のキノコの匂いからどれくらい禁欲してるかわかるのは当然だよ」
「さ、流石、精の匂いには敏感だね、あはは……」
「ちなみに娘のお腹も満足してないよ」

「おかわり」

妹が両親におかわりをせがむ

ちなみに『お腹空いた』は空腹の意味で、精でなくご飯を食べる。そもそも妹はまだ三歳

魔物娘は十歳になる頃には性交可能だけどーー

「ぼく達のシチューもたべる?」
「わーい、父ちゃん母ちゃん大好き」

今の妹は性欲より食欲が旺盛

というより、さっきシチュー大盛りを平らげたばかり

痩せ型のボクには食べきれるのは無理な量

確かに性欲より食欲旺盛な妹が横にいる状況で、自分を慰めるのは問題無さそうだけど……流石に妹の前でナニもかも許されるわけじゃない

今は妹にとってはボクがお兄ちゃん



同時に、『お姉ちゃん』でもある



「はい、紅茶だよ」

ママがボクに紅茶入りのポットを渡す

「ありがとう、ママ」
「キノコは水分を欲しがるのは当然のことだよ。あとは、ぼくの帽子」

ママは被ってる帽子を脱いでボクに渡す
帽子というより正確には巨大な『キノコ』
つばの裏側が襞になって、菌糸がたれているのが立派なキノコである証拠

「魔物化する前に被るのもよし、食べるのもよし、胞子をくんかくんかするのもよしの優れもの、そう、ナニをするのも自由」

「いいの?このキノコを貰っても」
「いいよそもそもそれはさっき生やしたばっかりのキノコだから、んっはぁ、また射精したね、あっ頭が気持ちいいっ」

ママの頭からぽこぽこって新たなキノコが生える

「ああん、ああっ、はぁはぁ、産まれる、ぼくの頭から、キノコが産まれるよ!」

キノコが形を整え帽子の形になるのを眺めながら、ボクは両親が座位で交わっていたことに気づく

いつの間に!?

「えへへ、息子が溜まっているな〜と思ったら我慢できずに交わっちゃっいました」

ママがテヘッと舌を出す
紳士というより淑女のように

「地がでてるよ」
「はっ、つい人間だった頃の一面が」

パパの指摘にママ赤面

「それも魅力的だよ」
「うん、そうだね」

ママがシチュー鍋を担ぐと

「ほら、おかわりよ。ついてきて」
「うん!」

シチュー鍋から香る匂いで妹を寝室へ誘う

無論パパに担がれながらの駅弁スタイルで

「相変わらずボクの両親はすごい、の一言では片付けられない、それが不思議の国クオリティ」

ボクは帽子とポットを片手に自室へ向かう


ここは不思議の国

ハートの女王が作り出した、不思議なことが起こる国

この国に迷い込んだ男女は最初は次々起こる不思議なことに戸惑うけどやがてそれを受け入れ、女は性欲に満ちた魔物娘に、男は性欲旺盛なインキュバスへと変わる

魔物娘とインキュバスは交わり、いつか魔物娘を産み、その子ども達もこの国にやってきた男女を不思議な世界へ誘う



ただ近代になって不思議の国は変わりつつある
 


特殊なゲートの設置により、以前より異界から自由に行き来可能になった

アリスの数もここ数年で増加し、以前はアリスから産まれるのサキュバスだったのが、アリスからアリスが産まれるようになった

遠隔通信でのお茶会によって遅刻することもないし
出前専門の部隊が増えたことで、食べ物や飲み物の手配もスムーズに済むようになった



そして魔物娘から男子ーーボクのようなインキュバスが産まれるようになった



ただ、産まれたと言ってもまだまだ少ないほうだし
魔物化によって魔物娘として第二の生を生きるのが殆ど


ここは不思議の国


トラップや食事の効果で男が魔物娘になるのは不思議じゃないし、魔物娘の快楽に溺れて元に戻れなくなるのも不思議の国クオリティ


だけどボクは魔物娘として生きるのは無理だと思う



なぜなら



「はぁ、パパとママの座位を、あんなのを見せられたら下の血液が溜まってきちゃった……」

パジャマのズボンを脱ぎ、パンツを見る

それはパンツの生地が伸びるか穴が空きそうなほど盛り上がる直立したモノ

ボクはパンツを下げようと腰回りの生地を持って下へずり下げようとするけど、伸びた突起引っかかって中々下がらず、前部分を伸ばす

伸び切る前に開放された生地は根元へ戻されるが、三角ラインが築かれることなく根元の盛り上がりを象徴させる。

布地で圧迫されたそれは

インキュバスの象徴であるキノコ

勃起した男性器

女性のパンティ特有のきめ細やかな繊維の快楽に刺激されたのか、透明な液体を滲ませている

まだまだ発育途中のキノコはおへそに届きそうなくらいの長さを誇る

「はぁ、なんて立派な勃キノコ」

だってこんなにも立派なキノコを知ってしまったら

「かたぁい、ビクビクしてるぅ、あったかい……」

失いたくないという気持ちのほうが強いから

「だけど、ちょっとの間お別れだね」

これからナニをするのかというと、この立派なキノコを縮ませる禁じられた遊び

快楽と引き換えの戯れ

ボクはママから貰った帽子を顔に近づけ、香ばしくも優しい匂いがする胞子を嗅覚で

「そこだよ」
「はむっ、キノコ、おいし」


壁越しから聞こえる嬌声を聴覚で

トクン、ドクン、ビクン

熱と脈動を触覚で

(あの感じだとママはパパのキノコを咥えているところ)

「ほら、ぼく達でキノコサンドを作ってよ」
「上と下の襞をサンドイッチして、くれませんか?」


(あ、ママが二人に分裂した。分身薬?それともつい〜んトラップ?)

流石に視覚は目を閉じて、両親の営みを脳内でイメージする

今回はママから貰った帽子から出る胞子を吸っているので、いつもより甘美な妄想が出来る

(普段の紳士っぽいママと、時々見せる淑女のママがパパを取り合ってる、どっちが好みのタイプなの?って……でもパパは決まって、どっちも好きだよって言うから二人のママもポッと顔を赤く染めるの。勝負として二人のママがパパのキノコをペロペロ舐め合うの。堂々と舐める紳士なママと、恥ずかしそうに舐める淑女なママ、それぞれ波長が違う快楽にパパは耐え切れずーー


あっ、もう出る)



ボクはパパのキノコが精が漏れる場面を想像しながら
 


射精



最早淫夢で漏れても不思議じゃないくらい、溜まっていた精は短時間の刺激だけで放出



射精の勢いで尿道口から放出される白濁液は周囲を濡らす

精を失った身体は不思議の国の魔力で犯され身体に変化が訪れる

身体全体に脂肪がつき、丸みを帯び

ささやかながらも胸がぷくっと小さな隆起を作り、乳首も出っ張る

放出される精と身体から発せられる魔力を、魔物娘として感じ始めるようになったら、仕上げとばかりに性器に変化が訪れる

股間の当たりにある皮膚の縫い目が糸を引くように開き、現れたのは桃色の空洞
縮むようにキノコが収まる

「はぁっ、ああん、頭が、気持ちいい」

下のキノコが引っ込む代わりに頭の中のキノコがニョキニョキ顔を出す

「変わる、かわる、カワル、魔物娘になっちゃうーー!」

頭から生えたキノコが形を整えて、帽子となる

ボクはインキュバスから魔物娘へと性転換を果たす



ママと同じマッドハッターへと



射精したら魔物化する



前にお医者さんから告げられたボクが魔物化する条件

正確には体内に保有していた精を失うことで体内の魔力濃度が上がりそれによって魔物化するらしい

両親を含めた里の住民の大半は驚くどころか大歓迎で、新たな可能性と言ってくれたのは覚えてる

そもそも魔物娘の母親から産まれたインキュバスの時点で突然変異だけど


はぁはぁ

鏡を見つめると映し出される少女の身体

ちなみにさっき説明した五感のうち

最後の味覚は

「ごくごく、紅茶美味しい」

キノコの魔物娘として、水分を補給するための紅茶と

「ペロッ、こんなに出して、勿体ない」

身体に飛び散った自分の精で味わう

「自分の、体内にあった、精だから、これで不味かったら、問題だけどね」

飛び散った精を舐め終わったら

引っ込んだキノコをもう一度外気に晒す作業だ。

「全然膨らんでない、ママはあんなに大きいのに」

ボクは改めて鏡の前でマッドハッターとなった全身を観察しながらため息を漏らす

下が引っ込んでも上は出っ張らないなんて主神様は不公平だ

スレンダーボディを好む人にはオカズにはなるだろうけど

ボクには元の身体が一番だ

さて

次は女の子のナニをする番だ

「こうして、開いて、っと」

ボクは襞をひらいてピンクの小さなキノコに指をあてがう

キノコといっても傘の部分だから、指先で刺激を与える

ん、たぁ、あっ、んふ、

地面から顔を出したキノコが育てるように、地上から出るように、刺激を与える

キノコの傘がピクンとピクンと、勃起、ビクンビクンと伸びて

アッー!

ふたなりキノコの完成

しかし、元々のキノコ半分くらいの長さ

半分男で半分女だから当然だけど

仕上げにふたなりキノコを男性用キノコへと変える

つまり元の身体に戻るための行為
 
クチュクチュ

左手で膣を弄り

シュッシュッ

右手でキノコを掴んで擦る

グチュグチュ

膣に刺激を与え、分泌液を出し

シコシコ

キノコに刺激を与えることで身体の奥に眠る精の生成機能を促す

グチャグチャ
スコスコ

「はぁっはあっ」

鏡を見ると興奮した少女の姿、股間にキノコを生やしているのを除けば、欲情した魔物娘

そんな自分の姿をオカズにしつつ、男と女、両方の快感を味わいながら、

もう、行く、イク

いくゥゥゥェぅぅぅ!!

女の絶頂の証として襞から愛液が水飛沫のように溢れ出す

鯨が潮を噴き出すように

男の絶頂の証として、キノコが脈動し、先端から透明な液体が漏れ出す

男性器本来の役目を取り戻すように

奥に眠る精の生成機能が刺激されたことにより、失った精を再生成してゆくのを身体で感じ始める

精と魔力の比率が変わり、精力が強くなることで身体が変化ーーいや、本来の姿を取り戻す

溢れ出した愛液が粘りけを帯びて、それによって襞同士が癒着し、思いだしたかのように精と精子を産み出す陰嚢が浮き出る

剥き出し状態のピンクのキノコが増長し、肌色に変色

魔物娘を誘う立派な男性型へと形を変える

はぁはぁ、

「よしよし、おやすみ」
「どう?眠ってる?」


(あっ、パパとママ、妹を寝かしつけてたんだ)

自分の身体をオカズにすることに夢中でいつの間にか隣の行為が中断してることに気づかなかった

「ああ、ぐっすりとな」
「じゃあ、続きをしようか」


妹を寝かしたパパがママに押し倒される

「ふふっ」

今夜はまだまだ楽しめそう

壁越しから微かに聞こえる嬌声を耳にしながら思う

ボクはまだまだナニも満足していない



「はぁはぁ、出ちゃう」



「ああ……出る出る、縮んじゃう」



「んっ、ボクの精、美味しい」



「はぁはぁ、帽子で襞をこするの、最高、あっ、キノコが膨らむ」



「やあん、男と女、両方の快楽、一粒で二度美味しいよぉ」 



「おかえり、ボクのキノコ、そしてまたお別れだよ……」



ナニもかも満足し切るまで、このループからはヌケ出しそうにはない



おしまい
21/08/10 20:48更新 / ドリルモール

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