初登校
※氷の城※
俺は果てしない氷の通路を走る
重厚な氷の扉を開け、氷の広間の中心に眠る人間が一人
誰もがその可愛さに惹かれるであろうお姫様
ピンク色の髪、先祖代々から継承されるドレス
幼き頃より結ばれることを約束された俺の婚約者、リコ姫
城の氷よりも青い瞳が閉じられているのが未だに姫が眠り続けている証
このコーン王子が姫を長い眠りから解放させます――
言い伝えによれば口付けだけでは目覚めはしない
姫を象徴する衣を脱がし、その身体を穢さなくてはならないのだ
コーンならもいいよ――
動かない唇から声を発する
わたしのからだ、好きに使っても――
俺はシワひとつないドレスに手をかけ、白い肌を外気に晒す
スカートを捲りあげ、姫の秘めたる象徴に、俺は息を飲む
行きますよ、リコ姫――
うん、たっぷり穢して、わたしの目を覚まして――
目を覚まして――
※不思議の国・翠玉都市※
※コーン視点※
「コーン、目を覚まして!」
『お待たせしました〜終点〜不思議学園〜不思議学園〜』
「むにゃむにゃ、リコがそう言うなら〜」
「寝てないで起きてよ」ユサユサ
「ほらほら〜腰を振るぞ〜」
「寝言言ってないで起きて」ユサユサ
「ん……ここは?氷の城じゃないの?俺は王子としてリコ姫を犯してた筈じゃ?」
「氷の城じゃなくて魔界豚ばすの中だよ。コーンずっと寝てたよ。みんなばすを降りてるよ。はやく降りよう」
「そうか……あと五分」
「だから二度寝しないで、セックスなら学校帰りでしてあげるから」
「じゃあ眠りながらで」
「う〜だから寝たらダメ」
「夢の中でセックス出来るからさ」
「も〜ドーマウスじゃないんだから」
『終点でーす、終点でーす』
「ぐー」
『終点でーす……ぽちっ』
プシュー
「ぎゃあー!なんだこの匂いは、眠気が覚めるぅー!」
『不思議の国のハプニングの一つ『オコスメル』〜『オコスメル』〜ドーマウスの眠気が吹っ飛ぶ程の強烈な匂い〜匂い〜』
「こっちが怒るぞ!」
『終点なのに眠るやつが悪い〜悪い〜』
「なめやがって!」
「このままじゃコーンが喧嘩しちゃう、おかーさんがくれた道具の中に……あった、えい」
「せっかく気持ちよく寝ていたのに……まぁいいか、何だこりゃ?身体にカタツムリが貼り付いてるぞ」
「『シズネイル』だよ、このカタツムリのぬるぬるが怒りを鎮める作用があるの」
『終点に着いたら回送になるので〜降りてください〜降りてください〜っていうかはやく降りろ。子作りしたいから』
「まさかのおじゃま虫〜怒りたくても怒りが起きね〜」
「ごめんなさい、今すぐ降りますから、二人分です」チャリン
『あはぁ〜中に出して孕ませて〜孕ませて〜』バコスコバコスコ
夫を椅子代わりにしているジャブジャブの運転手をじっとみながら、俺はリコを連れて下車、出入口の穴が塞がり、魔界豚が発車する
豚の身体をより一層ガタガタ揺らして――
「あ、鞄がない……でも、頭の帽子は忘れてないからいいか」
「はい、鞄」
「リコが持ってたのか」
「コーンがばすの中に置き忘れるかもって昨日おかーさんが言ってたから」
「お袋の奴、そこまで俺の行動を読んでいたのか、流石マッドハッターだな」
「も〜下手したら入学初日から忘れ物するなっておかーさんに叱られ……どうしたの?わたしをじっと見つめて」
「いつもの格好じゃないなと思ってさ」
「わたしが着ているのはお姫様でも燕尾服でもない不思議学園の女子制服だよ。入学式前から何度も見てるでしょ?」
「だけど、こうして見ると可愛いし似合ってる」
「ありがとう、コーンの男子制服もすごく似合ってて見てるだけでドキビュウきゃっ!」
突然の突風に被ってる帽子を押さえるリコ
「危なかった、大事な帽子が飛ばされなくて」
「白か……」
俺はそんなリコのスカートが捲れる瞬間を見逃さなかった
「う〜見ないでよ」
くんくん、風で運ばれるリコの匂いが香ばしい、特にリコが履いてる女物のパンツに染み付いた匂いが俺の性欲をそそる
今までは二人で同じブリーフを共有して性交の度に交換しあうことで、互いの汁を感じあっていた
親父が「せめて学校に通う時くらいは、ね?」ってリコに女物の下着を履かせるのは正直どうかと思ったが、案外女物の下着も悪くはなさそうだ。汁の染み具合がいつもより多く感じる
「う〜どうしてパンツが見えたの?どんなことをしても中身が見えない筈なのに」
そう、その女子制服のスカートは本人が望まぬ限り中身が見えない鉄壁素材で作られている
事実俺がリコをあらゆる体位にさせてもスカートの中身が見えず、あまりにもしつこすぎたのかとうとうお袋に注意され、「コーンもスカートを履きたいの?」の一言でスカート観察を諦めた
しかし、それが今日、突然の突風によってスカートが捲れ、ようやく秘密の花園を見ることが――
「はっ!」
「どうしたの、今回の『しまった』風に驚いて」
「今のが親父が言ってた入学式当日で起こるハプニング『スカー突風』だったのか!」
「それって確かおとーさんがわたしによく話してるスカートの中が見えるほどの強烈な風が吹くっていう不思議の国のハプニングの一つ……」
「俺としたことが撮影のタイミング逃したー!この日は女子制服を着た生徒に対して、少なくとも一回はその突風が襲うから、リコのスカートが捲れるその瞬間を映像におさめてくれって親父から必死で頼まれたのにー!」ダンダン!
「ああ……だからおとーさん、昨日は『刑示板』の撮影機能は問題ないか?ってしつこく聞いてたんだね」
「ただこの目に焼きつけるだけで終わってしまったー!」
「はい、紅茶」
リコが鞄から紅茶入りの水筒を差し出す
「お菓子もあるから、ね?」
俺を元気づけようとしてるリコの行為に
「……そうだな、気をとりなおして何か食うか。これは子供化クッキー、これは大人化ケーキ、んでこのキャンディは……犬化紅茶で作ったキャンディだな」
「へぇー、見ただけでわかるんだ」
「色々食ってると飾り付けや香りとかで何となくわかるんだよ。あれ?知らないお菓子があるぞ、バケツ?」
「それはこの前のお茶会でチェシャ猫さんから貰った『ツケバ飴』と言って、噛み砕くと――」
「ガリッ」
「あ」
ドバー
「って何だこの滝のような水は!?」
「噛み砕くとバケツをひっくり返したような雨が降るから注意してって言おうとしたの」
「そのまんまじゃねーか、っていうか何故持ってきた」
「夫婦同士口移しで舐めあえば楽しいってチェシャ猫さんが言うから、つい……」
サァァァ…
「やっと止んだか……畜生、リコとエッチしてないのにびしょ濡れになっちまった」
「こんなこともあるかと思って『乾粕』を用意したよ。食べれば服が一気に乾くよ」モグモグ
「これあんま好きじゃねーけどな。興奮して濡らした下着も乾いちゃうし」モグモグ
「服が乾いて、さっぱり」
「ったくチェシャ猫め、何を考えてるのやら」
「コーン、不思議の国のハプニングは楽しむのが大事っておかーさんから」
「違う、俺がいいたいのは、どうして媚薬の雨じゃないんだー!ここはお互いに興奮してこの場でセックスするとこだろうがぁ!」
「怒るところそっちなんだ……気を取り直して、学園に入ろう」
※不思議学園※
「ここが不思議学園の桜並木か、十月なのに桜が満開だね。風になびいて花びらが散ってる」
「みんな俺やリコと同じ制服を着ているな」
俺とリコは桜並木を歩きながら登校する生徒達を見渡す
「今日から後輩が出来るのか〜」
「うふふ、早くからかいたいわ」
「なぁヤろうぜ」
「くすくす、梟の警備員さんがじっと見てるから、今は放置プレイよ?」
「起きろもうすぐ入学式だぞ?」
「zzz」
「入学式の生徒会挨拶はマッドハッター生徒会で決まりだな、キリッ」
「いやいや、少しはジャバウォックとしてのプライドは無いの?」
固有種は勿論のこと
「分子、準備万端だな?」
「はい、ワイ番長。例のアイテムはこの胸元に」
「あの生徒会共に一泡ふかせてやりしょう」
「シャティ、『ま』が抜けてるぞ」
「すんせん」
固有種以外の種族も通学している
「やぁん」
「『スカー突風』よ」
風でスカートが捲れても平然とする女子生徒
「あの女子生徒、ウサギ柄のパンツか」
「あいつはノーパンだぜ」
捲れるスカートの中身を見ながら股間をもっこりさせる男子生徒
そんな彼等が通学するのだ
この不思議学園に――
「それにしてもこの学園で何を学ぶんだ?料理の作り方?麗人作法?まさか女同士のセックスを学ぶなんてないよな?」
「それはコックおねーさんが通ってた料理学校やコルヌおねーさんが通ってた『白百合の花園』で学ぶことだよ。この不思議学園では不思議なハプニングや仕掛け、あと……卑猥な言葉も学ぶっておかーさんが言ってた」
「不思議のハプニングなんて、いつも体験してるっーの」
「でも日々、新しいハプニングが提案されたり、未知のお菓子やアイテムが生み出されているよ」
「確かに『ツケバ飴』なんて初めて聞いた」
「そういう新しいモノをこの学園で学ぶの、あとわたし達は十三、おかーさんがいうにはチュウガクセイになる歳だから、勉強して友達を作って、楽しい青春を過ごしなさいって」
「俺は勉強よりも部活動に興味があるかな」
「新入生のみんな、部活は我がサッカー部に入ろう、試合で様々なハプニングに出くわしエッチをしよう」
「消える魔球、燃える魔球、何でも打って打ちまくるチャレンジ精神のある奴、野球部で汗水を流そう、勿論汁でも構わん!」
「青春ならバレー部、魔物娘の力を込めたスパイクで相手を丸裸にするのです」
「不思議の国の三大球技がバチバチ火花を散らしているぜ。それ以外の部活も面白そうだ」
「新入生諸君、ボディービル部に入って、身体を鍛えてみないか?」ムキィ
「男女の垣根を越えた素晴らしい肉体が手にはいるわよ」モリッ
「人虎もびっくりのすげぇ筋肉だな。リコも一緒に入るか?」
「うーん、わたしが大人になった姿を見て失神しそうになったおとーさんのことだから、ムキムキのわたしを見たら、失神プラスヘル様が来そうだからパス。むしろわたしは文化系に入りたいな」
「手芸部に入りませんか?素敵な小物を彼氏彼女にプレゼントしましょう」
「発明部で『貨兵』競技のナンバーワンを目指そう」
「美術部で芸術的な作品を創作しよう」
「文芸部では今注目の『絵のない不思議な絵本』の執筆及び朗読をやっています」
「サバト部でお兄ちゃんと幼女の背徳を学ぶのじゃ」
「堕落部で背徳に満ちた性春を送るのです」
「恋愛部でエロス様の愛に包まれましょう」
「死霊部でヘル様のご加護を」
「TS部で異性の楽しさを学ぼ♪」
「一応、エッチな部活動もあるにはあるんだね。特にTS部」
「リコ、TS部には入るなよ」
「入らないよ」
「寒天食ったり、目薬さして魔物化した男達を見つめてただろ?あと股間にキノコ生やした女も」
「ちょっと目に入っただけだよ。早く入学式に行こう、案内の看板にも行先が書いてあるから」
リコが俺の手を握って歩くが
「リコ、今日はやけに張り切ってるじゃねーか。そんなにここに来るのが楽しみだったのか?」
俺の何気ない言葉に歩みを止める
「……コーン、わたしが不思議の国に来る前、どんな生活してたか知ってるよね?」
俺は一瞬言葉に詰まる
「……確か、貴族の家を転々としていた……だよな」
リコを傷つけないよう言葉を選ぶ
「うん、前の世界のときは仕事ばかりで、字の書き方や読み方を学ぶどころかろくに遊ぶことすら出来なかった――」
俺に向かって振り返るリコ
「だからコーンと一緒に勉強が出来て、コーンと一緒に部活動して、コーンと一緒に遊べると思うとわくわくするの」
一瞬、俺の目の前に桜が咲いたような気がした
舞い散る桜の花弁を背景に、リコのピンク色の髪がそよ風に揺れ、青空を思わせる青い瞳が輝き、その微笑みがオレの目に焼きつく
「……いい顔しやがって。こっちも嬉しくなるだろ」
また、撮影しそこねたな
※続く※
俺は果てしない氷の通路を走る
重厚な氷の扉を開け、氷の広間の中心に眠る人間が一人
誰もがその可愛さに惹かれるであろうお姫様
ピンク色の髪、先祖代々から継承されるドレス
幼き頃より結ばれることを約束された俺の婚約者、リコ姫
城の氷よりも青い瞳が閉じられているのが未だに姫が眠り続けている証
このコーン王子が姫を長い眠りから解放させます――
言い伝えによれば口付けだけでは目覚めはしない
姫を象徴する衣を脱がし、その身体を穢さなくてはならないのだ
コーンならもいいよ――
動かない唇から声を発する
わたしのからだ、好きに使っても――
俺はシワひとつないドレスに手をかけ、白い肌を外気に晒す
スカートを捲りあげ、姫の秘めたる象徴に、俺は息を飲む
行きますよ、リコ姫――
うん、たっぷり穢して、わたしの目を覚まして――
目を覚まして――
※不思議の国・翠玉都市※
※コーン視点※
「コーン、目を覚まして!」
『お待たせしました〜終点〜不思議学園〜不思議学園〜』
「むにゃむにゃ、リコがそう言うなら〜」
「寝てないで起きてよ」ユサユサ
「ほらほら〜腰を振るぞ〜」
「寝言言ってないで起きて」ユサユサ
「ん……ここは?氷の城じゃないの?俺は王子としてリコ姫を犯してた筈じゃ?」
「氷の城じゃなくて魔界豚ばすの中だよ。コーンずっと寝てたよ。みんなばすを降りてるよ。はやく降りよう」
「そうか……あと五分」
「だから二度寝しないで、セックスなら学校帰りでしてあげるから」
「じゃあ眠りながらで」
「う〜だから寝たらダメ」
「夢の中でセックス出来るからさ」
「も〜ドーマウスじゃないんだから」
『終点でーす、終点でーす』
「ぐー」
『終点でーす……ぽちっ』
プシュー
「ぎゃあー!なんだこの匂いは、眠気が覚めるぅー!」
『不思議の国のハプニングの一つ『オコスメル』〜『オコスメル』〜ドーマウスの眠気が吹っ飛ぶ程の強烈な匂い〜匂い〜』
「こっちが怒るぞ!」
『終点なのに眠るやつが悪い〜悪い〜』
「なめやがって!」
「このままじゃコーンが喧嘩しちゃう、おかーさんがくれた道具の中に……あった、えい」
「せっかく気持ちよく寝ていたのに……まぁいいか、何だこりゃ?身体にカタツムリが貼り付いてるぞ」
「『シズネイル』だよ、このカタツムリのぬるぬるが怒りを鎮める作用があるの」
『終点に着いたら回送になるので〜降りてください〜降りてください〜っていうかはやく降りろ。子作りしたいから』
「まさかのおじゃま虫〜怒りたくても怒りが起きね〜」
「ごめんなさい、今すぐ降りますから、二人分です」チャリン
『あはぁ〜中に出して孕ませて〜孕ませて〜』バコスコバコスコ
夫を椅子代わりにしているジャブジャブの運転手をじっとみながら、俺はリコを連れて下車、出入口の穴が塞がり、魔界豚が発車する
豚の身体をより一層ガタガタ揺らして――
「あ、鞄がない……でも、頭の帽子は忘れてないからいいか」
「はい、鞄」
「リコが持ってたのか」
「コーンがばすの中に置き忘れるかもって昨日おかーさんが言ってたから」
「お袋の奴、そこまで俺の行動を読んでいたのか、流石マッドハッターだな」
「も〜下手したら入学初日から忘れ物するなっておかーさんに叱られ……どうしたの?わたしをじっと見つめて」
「いつもの格好じゃないなと思ってさ」
「わたしが着ているのはお姫様でも燕尾服でもない不思議学園の女子制服だよ。入学式前から何度も見てるでしょ?」
「だけど、こうして見ると可愛いし似合ってる」
「ありがとう、コーンの男子制服もすごく似合ってて見てるだけでドキビュウきゃっ!」
突然の突風に被ってる帽子を押さえるリコ
「危なかった、大事な帽子が飛ばされなくて」
「白か……」
俺はそんなリコのスカートが捲れる瞬間を見逃さなかった
「う〜見ないでよ」
くんくん、風で運ばれるリコの匂いが香ばしい、特にリコが履いてる女物のパンツに染み付いた匂いが俺の性欲をそそる
今までは二人で同じブリーフを共有して性交の度に交換しあうことで、互いの汁を感じあっていた
親父が「せめて学校に通う時くらいは、ね?」ってリコに女物の下着を履かせるのは正直どうかと思ったが、案外女物の下着も悪くはなさそうだ。汁の染み具合がいつもより多く感じる
「う〜どうしてパンツが見えたの?どんなことをしても中身が見えない筈なのに」
そう、その女子制服のスカートは本人が望まぬ限り中身が見えない鉄壁素材で作られている
事実俺がリコをあらゆる体位にさせてもスカートの中身が見えず、あまりにもしつこすぎたのかとうとうお袋に注意され、「コーンもスカートを履きたいの?」の一言でスカート観察を諦めた
しかし、それが今日、突然の突風によってスカートが捲れ、ようやく秘密の花園を見ることが――
「はっ!」
「どうしたの、今回の『しまった』風に驚いて」
「今のが親父が言ってた入学式当日で起こるハプニング『スカー突風』だったのか!」
「それって確かおとーさんがわたしによく話してるスカートの中が見えるほどの強烈な風が吹くっていう不思議の国のハプニングの一つ……」
「俺としたことが撮影のタイミング逃したー!この日は女子制服を着た生徒に対して、少なくとも一回はその突風が襲うから、リコのスカートが捲れるその瞬間を映像におさめてくれって親父から必死で頼まれたのにー!」ダンダン!
「ああ……だからおとーさん、昨日は『刑示板』の撮影機能は問題ないか?ってしつこく聞いてたんだね」
「ただこの目に焼きつけるだけで終わってしまったー!」
「はい、紅茶」
リコが鞄から紅茶入りの水筒を差し出す
「お菓子もあるから、ね?」
俺を元気づけようとしてるリコの行為に
「……そうだな、気をとりなおして何か食うか。これは子供化クッキー、これは大人化ケーキ、んでこのキャンディは……犬化紅茶で作ったキャンディだな」
「へぇー、見ただけでわかるんだ」
「色々食ってると飾り付けや香りとかで何となくわかるんだよ。あれ?知らないお菓子があるぞ、バケツ?」
「それはこの前のお茶会でチェシャ猫さんから貰った『ツケバ飴』と言って、噛み砕くと――」
「ガリッ」
「あ」
ドバー
「って何だこの滝のような水は!?」
「噛み砕くとバケツをひっくり返したような雨が降るから注意してって言おうとしたの」
「そのまんまじゃねーか、っていうか何故持ってきた」
「夫婦同士口移しで舐めあえば楽しいってチェシャ猫さんが言うから、つい……」
サァァァ…
「やっと止んだか……畜生、リコとエッチしてないのにびしょ濡れになっちまった」
「こんなこともあるかと思って『乾粕』を用意したよ。食べれば服が一気に乾くよ」モグモグ
「これあんま好きじゃねーけどな。興奮して濡らした下着も乾いちゃうし」モグモグ
「服が乾いて、さっぱり」
「ったくチェシャ猫め、何を考えてるのやら」
「コーン、不思議の国のハプニングは楽しむのが大事っておかーさんから」
「違う、俺がいいたいのは、どうして媚薬の雨じゃないんだー!ここはお互いに興奮してこの場でセックスするとこだろうがぁ!」
「怒るところそっちなんだ……気を取り直して、学園に入ろう」
※不思議学園※
「ここが不思議学園の桜並木か、十月なのに桜が満開だね。風になびいて花びらが散ってる」
「みんな俺やリコと同じ制服を着ているな」
俺とリコは桜並木を歩きながら登校する生徒達を見渡す
「今日から後輩が出来るのか〜」
「うふふ、早くからかいたいわ」
「なぁヤろうぜ」
「くすくす、梟の警備員さんがじっと見てるから、今は放置プレイよ?」
「起きろもうすぐ入学式だぞ?」
「zzz」
「入学式の生徒会挨拶はマッドハッター生徒会で決まりだな、キリッ」
「いやいや、少しはジャバウォックとしてのプライドは無いの?」
固有種は勿論のこと
「分子、準備万端だな?」
「はい、ワイ番長。例のアイテムはこの胸元に」
「あの生徒会共に一泡ふかせてやりしょう」
「シャティ、『ま』が抜けてるぞ」
「すんせん」
固有種以外の種族も通学している
「やぁん」
「『スカー突風』よ」
風でスカートが捲れても平然とする女子生徒
「あの女子生徒、ウサギ柄のパンツか」
「あいつはノーパンだぜ」
捲れるスカートの中身を見ながら股間をもっこりさせる男子生徒
そんな彼等が通学するのだ
この不思議学園に――
「それにしてもこの学園で何を学ぶんだ?料理の作り方?麗人作法?まさか女同士のセックスを学ぶなんてないよな?」
「それはコックおねーさんが通ってた料理学校やコルヌおねーさんが通ってた『白百合の花園』で学ぶことだよ。この不思議学園では不思議なハプニングや仕掛け、あと……卑猥な言葉も学ぶっておかーさんが言ってた」
「不思議のハプニングなんて、いつも体験してるっーの」
「でも日々、新しいハプニングが提案されたり、未知のお菓子やアイテムが生み出されているよ」
「確かに『ツケバ飴』なんて初めて聞いた」
「そういう新しいモノをこの学園で学ぶの、あとわたし達は十三、おかーさんがいうにはチュウガクセイになる歳だから、勉強して友達を作って、楽しい青春を過ごしなさいって」
「俺は勉強よりも部活動に興味があるかな」
「新入生のみんな、部活は我がサッカー部に入ろう、試合で様々なハプニングに出くわしエッチをしよう」
「消える魔球、燃える魔球、何でも打って打ちまくるチャレンジ精神のある奴、野球部で汗水を流そう、勿論汁でも構わん!」
「青春ならバレー部、魔物娘の力を込めたスパイクで相手を丸裸にするのです」
「不思議の国の三大球技がバチバチ火花を散らしているぜ。それ以外の部活も面白そうだ」
「新入生諸君、ボディービル部に入って、身体を鍛えてみないか?」ムキィ
「男女の垣根を越えた素晴らしい肉体が手にはいるわよ」モリッ
「人虎もびっくりのすげぇ筋肉だな。リコも一緒に入るか?」
「うーん、わたしが大人になった姿を見て失神しそうになったおとーさんのことだから、ムキムキのわたしを見たら、失神プラスヘル様が来そうだからパス。むしろわたしは文化系に入りたいな」
「手芸部に入りませんか?素敵な小物を彼氏彼女にプレゼントしましょう」
「発明部で『貨兵』競技のナンバーワンを目指そう」
「美術部で芸術的な作品を創作しよう」
「文芸部では今注目の『絵のない不思議な絵本』の執筆及び朗読をやっています」
「サバト部でお兄ちゃんと幼女の背徳を学ぶのじゃ」
「堕落部で背徳に満ちた性春を送るのです」
「恋愛部でエロス様の愛に包まれましょう」
「死霊部でヘル様のご加護を」
「TS部で異性の楽しさを学ぼ♪」
「一応、エッチな部活動もあるにはあるんだね。特にTS部」
「リコ、TS部には入るなよ」
「入らないよ」
「寒天食ったり、目薬さして魔物化した男達を見つめてただろ?あと股間にキノコ生やした女も」
「ちょっと目に入っただけだよ。早く入学式に行こう、案内の看板にも行先が書いてあるから」
リコが俺の手を握って歩くが
「リコ、今日はやけに張り切ってるじゃねーか。そんなにここに来るのが楽しみだったのか?」
俺の何気ない言葉に歩みを止める
「……コーン、わたしが不思議の国に来る前、どんな生活してたか知ってるよね?」
俺は一瞬言葉に詰まる
「……確か、貴族の家を転々としていた……だよな」
リコを傷つけないよう言葉を選ぶ
「うん、前の世界のときは仕事ばかりで、字の書き方や読み方を学ぶどころかろくに遊ぶことすら出来なかった――」
俺に向かって振り返るリコ
「だからコーンと一緒に勉強が出来て、コーンと一緒に部活動して、コーンと一緒に遊べると思うとわくわくするの」
一瞬、俺の目の前に桜が咲いたような気がした
舞い散る桜の花弁を背景に、リコのピンク色の髪がそよ風に揺れ、青空を思わせる青い瞳が輝き、その微笑みがオレの目に焼きつく
「……いい顔しやがって。こっちも嬉しくなるだろ」
また、撮影しそこねたな
※続く※
18/10/07 22:51更新 / ドリルモール
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