第一話
※魔王城地下※
※アイリス視点※
「うんしょ、うんしょ、うーん出てこないよ。おにいちゃん」
「アイリスもっと奥まで入れるんだ。そうしないと多分出ない」
「わかった。うんしょ、うんしょ、きついよおにいちゃん」
「頑張れアイリス、もっと奥まで入れる感じで」
「うんしょ、うんしょ、あっ透明なのが出てきた」
「その調子だアイリス」
「えいっえいっ、やったーいっぱい出たよ。おにいちゃん」
「初めてにしては上出来だ。こんなに沢山出るなんてビックリだよ」
「えへへ、じゃあ周りの汚れをとるね」
「アイリスは掃除も上手だな。将来が楽しみだ」
「おにいちゃんのそれ、大きい」
「僕もびっくりだよ。想像以上の大きさだ」
「アイリスちゃん。どうしたやんね」
「クリア先生、見てください、おにいちゃんのこれ、こんなに大きい」
「おお、これが二人の努力の結晶やんね?」
「妹のおかげです」
「えへへ、あっまだ汚れが残ってるからお掃除してあげる」
「アイリスは掃除が上手だな」
「あっ待つやんね。そんなに刺激を与えたらーー」
「え、あれ?色が赤黒くなって、急に膨れて……きゃっ」
「アイリス!」
「アイリスちゃん」
「けほっけほっ、口の中に入っちゃった」
「ごめんアイリス。僕がしっかりしていれば」
「心配ないんよ、少量なら害はないやんね」
「良かった」
「ごめんなさい。おにいちゃんとの愛の結晶が台無しになっちゃった」
「最初のうちは失敗するのが当たり前やんね。だからいい汗をかくくらい二人で頑張るやんね」
「はい、クリア先生。おにいちゃんのために頑張ります」
「あはは、僕の体力持つかな?」
「さあ、張り切って再開やんね」
「魔宝石の発掘を」
Сクリア視点С
「なあ、クリア」
「どうしたんデュイン隊長?」
「アイリス達の会話、何か卑猥じゃなかったか?」
「何言ってるやんね。アイリスちゃんはお兄ちゃんと協力して地面から魔宝石を沢山掘り出して、アイリスが一番大きな魔宝石の土汚れを掃除してたら魔力が注がれて破裂して、魔宝石の欠片が口に入っただけやんね」
「その通りだ。だがクリアの解説が無ければ勘違いする奴がーー」
「何々?」
「なんなの?」
「うわ、ラヴにピーシュ。脅かすな」
「何の話、デュイン姉ちゃん」
「まじょのおねえちゃんとなにしてたの?」
「何でもない、お前たちは作業を続けろ」
「はーい」
「まっておねえちゃん」
「魔王様の頼みとはいえ、リリム二人の世話は大変だ」
「娘二人をウチが率いる魔宝石採掘に参加させてほしいと頼まれたら頑張るしかないやんね♪」
※アイリス視点※
「私達も混ぜて」
「まぜて」
「うん、いいけど」
「君たちは?サバトでは見ない顔だけど」
「ラヴです」
「ピーシュです」
「アリスのアイリスです」
「兄のニキスです」
「ふたりそろってーー」
「ピーシュ!」
「ごめんおねえちゃん」
「皆には内緒って言ったよね?」
「どうしたの?ピーシュちゃん」
「今、何か言おうとしたよね?」
「何でもないよ、それより一緒に掘ろう」
「ほろう」
「まあいいか、アイリス四人でやろう」
「うん、おにいーー」
「アイリス?」
「……」
「アイリス?」
「……ウサギさん」
「ウサギ?」
「待ってウサギさーん」
「アイリス何処行くの?」
「ウサギさーん……」
「アイリス何処に行くんだろ?」
「さあ?」
※※※
「ウサギさーん」
「アイリスどうしたんだ」
「おにいちゃん、ウサギさん見なかった?」
「全然」
「おかしいな」
「帰ろうアイリス。皆心配してるよ」
「うん」
「あれ、ここどこだ?」
「さっきまで洞窟だったのに?」
「奇妙な場所だな」
「奇妙で悪かったわね」
「きゃ」
「うわ」
「アリスと旦那様ね」
「メシャスさん?」
「メシャス?懐かしい名前ね。でも違う。我はシャーシャ。この不思議の国を案内するチェシャ猫よ」
※魔王城地下※
※レーサ視点※
「クリア、サバトにも戻ってないよ」
「サバトにもいないん?」
「デュイ、戻ったぞ」
「パーズ、そっちはどうだった?」
「レーサに聞いてみたが心当たりは無い。今、ダクス達が城内でアイリスを探してる」
「ねえ、アイリスに何があったの?」
結論からいえば私はデュイン隊長に状況の説明を求めた。
「レーサ、落ち着いて聞いてほしい。アイリスが魔宝石採掘中にいなくなった」
「はぁ?アイリスが行方不明?何か心当たりはないの?」
「あの、すみません」
「えっと」
子供二人が会話に割り込んだ。
「誰あんた達?今は忙しいの、子供に構ってる暇は無いわ」
「私達アイリスが」
「どこかにいくのみたの」
「見た?何であんたらが知っモゴモゴ」
誰かに口を塞がれたように急に喋れなくなった。
「ラヴ、ピーシュ、話してほしいやんね」
「うん、アイリスは急に」
「うさぎさんといってーー」
二人の証言は理解不能だった。
うさぎ
追い掛ける
アリス
しかし、デュイン隊長らは動揺していた。
まるでアイリスの居場所が判ったかのように。
「あの兄妹は、不思議の国に行ったやんね?」
不思議の国
その言葉を私は、とある猫から聞いたことがある。
「まさかこんなにも早く不思議の国に導かれるなんて……」
背後から聞き覚えのある声がした。
とある猫ーーチェシャ猫のメシャスが現れた。
※不思議の国※
※アイリス視点※
「君たちもあの二人のイチャイチャに興味があるのね。いやらしい子たち」
シャーシャさんの言うとおり、私とおにいちゃんは目の前のエッチな光景から目が離せません。
男の人と見たことがない魔物娘がハダカになってお互いのあそこを擦り合わせています。
「ウフフ、さあ貴方たちも服を脱ぎ脱ぎしてハダカになろうか?」
「おにいちゃん、脱がせて」「うん、わかっーーだめだ。アイリス」
「どうしたの?おにいちゃん。何で止めるの?」
「僕たちの目的を忘れたのか?お城を目指すんだろ」
「おしろ?」
「お城にいるハートの女王に会って、アイリスを真のアリスにしてもらうんだ」
「しんのアリス?」
「真のアリスになれば僕との交わりを忘れなくなる。もう覚えてないことに悩まずに済むんだ」
「そうだった。ごめんなさい」
「わかったなら行こうアイリス。シャーシャさん引き続き案内お願いします」
「オッケー任せておいて」
「ほらアイリス。手を繋いで」
「うん」
私はおにいちゃんと手を繋ぎながら、白くて赤いおしろを目指します。
※魔王城地下※
※レーサ視点※
「不思議の国を案内する?」「そう、そのためには……あっ丁度二人が来たわね」
「メシャスさん、言われた通り連れてきました」
「ルプス、アイリスを探してたはずじゃ、ダクスその兎は?」
「ワーラビットのトビラちゃんです」
「彼女の察知能力なら不思議の国の入口が見つかるわ……」
「良かった。今から増員を集めてーー」
「いつイクか?今すぐよ!」
「どうして?行く方法があるなら、まずは準備を整えたほうがいいのに」
「不思議の国は異界だから何時でも入口が開くとは限らないの……」
「入口?」
「アイリスちゃんが入った入口……それを今から探す……完全に閉じてしまう前に……」
メシャスが肉球をトビラの頭に当てる。
するとトビラの耳がぴくっと動いて、ぴょんぴょん跳ねだした。
「トビラが入口を見つけたわ……」
メシャスは肉球から魔力紐を取出すと、隊長達を囲むように輪を作った。
「ここはあたし達年長組に任せて、レーサ達は留守番してて……」
「どうしてですか?」
「ぼくたちもアイリスを探すよ」
「ダメよ。不思議の国は魔物娘と男が淫乱となって交じり合う国。それは元の世界に帰る事を忘れるほど……貴女達は魔物娘としてまだ未熟だから行けば発狂確実よ」
「ここはウチらに任せるやんね」
「僕も出来る限りのことはするよ」
「予告しよう。兄妹は必ず連れてかえる」
「君たちはそこで待っててくれ」
クリア夫妻とデュイン隊長夫妻が私達に言うと、メシャスと共にトビラの後を追った。
ダクスは祈り、ルプスは頭を下げて彼らを見送る。 私は彼らの背中を見ながらーー
全力で彼らを追い、魔力紐を掴んだ。
「レーサ、何のつもりだ!?」
「デュイン隊長、私も行くわ、アイリスとニキスを助けにね」
「ええ!!留守番するんじゃなかったの?」
「ペドリー驚きすぎ。私は元勇者よ」
「不思議の国はレーサが考えてる程甘くはないぞ」
「パーズ副隊長がどんなに否定しても、私は仲間を放っておけない」
「そうね、レーサがいれば色々助かるやんね」
「クリアちゃん……」
「よし、レーサも案内してあげる」
「ありがとうございます。メシャスさん」
私達はアイリスとニキスを連れて帰るため、不思議の国へ向かう。
※ダクス視点※
「ああ、堕落神様。レーサ達にご加護を」
レーサ達がとうとう見えなくなりました。
私達に出来ることは皆が無事に帰ってくることを祈るだけ。
「大丈夫、あの人たちならきっと出来る。ぼくは確信する」
「ルプス……そうね、私達は地上に戻ってご飯の支度をしましょう。ラヴちゃん、ピーシュちゃん、お姉さんたちと一緒に行きましょう?」
私はラヴちゃんの手を繋ごうとします。
しかし、ラヴちゃんは手を握りません。
「どうしたの?一緒に帰りましょう」
「私も……アイリスを助けに行く」
「助けるって駄目よ。危ないわよ」
「わたしもたすけにいく」
「ピーシュちゃんも?」
「そもそも私達がアイリスを止めていればこんなことにならかった」
「ラヴちゃん達のせいじゃないわよ」
「もうとつぜんいなくなるなんてこりごり」
「だから行く、不思議の国に」
ラヴちゃんとピーシュちゃんがレーサ達の後を追うように走りだしました。
「待って二人とも!」
「行かないでよ!」
私とダクスは慌てて二人を追い掛けます。
しかし段々二人の姿が見えなくなりました。
「消えた……?」
ああ、堕落神様教えて下さい。二人は何故消えたのですか?
後に私はその答えを聞くことになります。
堕落神様ではなく、レーサの口から。
二人共、不思議の国に密入国したことを。
※不思議の国・城門※
※アイリス視点※
「やっと、おしろに着いた」
「大変な道のりだったよ」
「へぇーまさか一日でたどり着くなんてね」
「どうもありがとうございます」
「シャーシャさん案内感謝します」
「二人ともよく頑張ったわね。庭園をくぐればお城に入れるわ。我はこれから大事な試合があるから。じゃあね」
「さようなら」
「お元気で」
※庭園※
「白いバラがいっぱいだ」
「美しい薔薇だね。ん?あの二人何してるんだろ?」
私達はチェシャ猫と男の人の所に行きます。
「チェル、そっちは塗り終わった?」
「まだ白が残ってるニャ」
「あのー」
「うわ!」
「ニャーごめんニャさい女王様。極刑だけは勘弁してニャ、あれ?女王様じゃニャい」
「どうして白いバラを赤く塗ってるの?」
「女王様が庭園の白い薔薇を全て赤い薔薇に植え替えろと」
「それも二時間いニャいで」
「二時間!?ここの薔薇全部?」
「二時間では無理なので、植え替える代わりに白い薔薇を赤く塗っているのです」
「お願いニャ黙ってほしいニャ」
「おにいちゃん、手伝ってあげよう」
「そうだね、僕達も手伝います」
「ありがとう助かるよ」
「残り一時間ニャ」
「バラをぬりぬり」
「白を赤に」
「ほぅ、何をしているのじゃ?」
白い髪のアリスが声をかけてきました。
「白いバラを赤く塗ってるの」
「ほぅ、余にも塗らせておくれ」
私はその娘にペンキを渡します。
「これなら間に合うかも」
「女王様に叱られニャくて済むニャ」
「ほぅ、白いバラを赤く塗れば余に叱られずに済むのか」
「はい」
「そうです……ニャー!女王様ニャ!?」
「えっ女王様?」
「まだ一時間しか経ってないはずじゃ?」
「二時間以内じゃったが途中で気が変わったわ」
「あわわ……」
「ごめんニャさい」
「何、白いバラを全て赤いバラに植え替えろと言ったが途中で気が変わったわ。許そう……じゃがペンキで誤魔化すというのは気に入らん。余は嘘と隠し事が嫌いじゃ、よって四人ともーー」
「極刑じゃ!」
※続く※
※アイリス視点※
「うんしょ、うんしょ、うーん出てこないよ。おにいちゃん」
「アイリスもっと奥まで入れるんだ。そうしないと多分出ない」
「わかった。うんしょ、うんしょ、きついよおにいちゃん」
「頑張れアイリス、もっと奥まで入れる感じで」
「うんしょ、うんしょ、あっ透明なのが出てきた」
「その調子だアイリス」
「えいっえいっ、やったーいっぱい出たよ。おにいちゃん」
「初めてにしては上出来だ。こんなに沢山出るなんてビックリだよ」
「えへへ、じゃあ周りの汚れをとるね」
「アイリスは掃除も上手だな。将来が楽しみだ」
「おにいちゃんのそれ、大きい」
「僕もびっくりだよ。想像以上の大きさだ」
「アイリスちゃん。どうしたやんね」
「クリア先生、見てください、おにいちゃんのこれ、こんなに大きい」
「おお、これが二人の努力の結晶やんね?」
「妹のおかげです」
「えへへ、あっまだ汚れが残ってるからお掃除してあげる」
「アイリスは掃除が上手だな」
「あっ待つやんね。そんなに刺激を与えたらーー」
「え、あれ?色が赤黒くなって、急に膨れて……きゃっ」
「アイリス!」
「アイリスちゃん」
「けほっけほっ、口の中に入っちゃった」
「ごめんアイリス。僕がしっかりしていれば」
「心配ないんよ、少量なら害はないやんね」
「良かった」
「ごめんなさい。おにいちゃんとの愛の結晶が台無しになっちゃった」
「最初のうちは失敗するのが当たり前やんね。だからいい汗をかくくらい二人で頑張るやんね」
「はい、クリア先生。おにいちゃんのために頑張ります」
「あはは、僕の体力持つかな?」
「さあ、張り切って再開やんね」
「魔宝石の発掘を」
Сクリア視点С
「なあ、クリア」
「どうしたんデュイン隊長?」
「アイリス達の会話、何か卑猥じゃなかったか?」
「何言ってるやんね。アイリスちゃんはお兄ちゃんと協力して地面から魔宝石を沢山掘り出して、アイリスが一番大きな魔宝石の土汚れを掃除してたら魔力が注がれて破裂して、魔宝石の欠片が口に入っただけやんね」
「その通りだ。だがクリアの解説が無ければ勘違いする奴がーー」
「何々?」
「なんなの?」
「うわ、ラヴにピーシュ。脅かすな」
「何の話、デュイン姉ちゃん」
「まじょのおねえちゃんとなにしてたの?」
「何でもない、お前たちは作業を続けろ」
「はーい」
「まっておねえちゃん」
「魔王様の頼みとはいえ、リリム二人の世話は大変だ」
「娘二人をウチが率いる魔宝石採掘に参加させてほしいと頼まれたら頑張るしかないやんね♪」
※アイリス視点※
「私達も混ぜて」
「まぜて」
「うん、いいけど」
「君たちは?サバトでは見ない顔だけど」
「ラヴです」
「ピーシュです」
「アリスのアイリスです」
「兄のニキスです」
「ふたりそろってーー」
「ピーシュ!」
「ごめんおねえちゃん」
「皆には内緒って言ったよね?」
「どうしたの?ピーシュちゃん」
「今、何か言おうとしたよね?」
「何でもないよ、それより一緒に掘ろう」
「ほろう」
「まあいいか、アイリス四人でやろう」
「うん、おにいーー」
「アイリス?」
「……」
「アイリス?」
「……ウサギさん」
「ウサギ?」
「待ってウサギさーん」
「アイリス何処行くの?」
「ウサギさーん……」
「アイリス何処に行くんだろ?」
「さあ?」
※※※
「ウサギさーん」
「アイリスどうしたんだ」
「おにいちゃん、ウサギさん見なかった?」
「全然」
「おかしいな」
「帰ろうアイリス。皆心配してるよ」
「うん」
「あれ、ここどこだ?」
「さっきまで洞窟だったのに?」
「奇妙な場所だな」
「奇妙で悪かったわね」
「きゃ」
「うわ」
「アリスと旦那様ね」
「メシャスさん?」
「メシャス?懐かしい名前ね。でも違う。我はシャーシャ。この不思議の国を案内するチェシャ猫よ」
※魔王城地下※
※レーサ視点※
「クリア、サバトにも戻ってないよ」
「サバトにもいないん?」
「デュイ、戻ったぞ」
「パーズ、そっちはどうだった?」
「レーサに聞いてみたが心当たりは無い。今、ダクス達が城内でアイリスを探してる」
「ねえ、アイリスに何があったの?」
結論からいえば私はデュイン隊長に状況の説明を求めた。
「レーサ、落ち着いて聞いてほしい。アイリスが魔宝石採掘中にいなくなった」
「はぁ?アイリスが行方不明?何か心当たりはないの?」
「あの、すみません」
「えっと」
子供二人が会話に割り込んだ。
「誰あんた達?今は忙しいの、子供に構ってる暇は無いわ」
「私達アイリスが」
「どこかにいくのみたの」
「見た?何であんたらが知っモゴモゴ」
誰かに口を塞がれたように急に喋れなくなった。
「ラヴ、ピーシュ、話してほしいやんね」
「うん、アイリスは急に」
「うさぎさんといってーー」
二人の証言は理解不能だった。
うさぎ
追い掛ける
アリス
しかし、デュイン隊長らは動揺していた。
まるでアイリスの居場所が判ったかのように。
「あの兄妹は、不思議の国に行ったやんね?」
不思議の国
その言葉を私は、とある猫から聞いたことがある。
「まさかこんなにも早く不思議の国に導かれるなんて……」
背後から聞き覚えのある声がした。
とある猫ーーチェシャ猫のメシャスが現れた。
※不思議の国※
※アイリス視点※
「君たちもあの二人のイチャイチャに興味があるのね。いやらしい子たち」
シャーシャさんの言うとおり、私とおにいちゃんは目の前のエッチな光景から目が離せません。
男の人と見たことがない魔物娘がハダカになってお互いのあそこを擦り合わせています。
「ウフフ、さあ貴方たちも服を脱ぎ脱ぎしてハダカになろうか?」
「おにいちゃん、脱がせて」「うん、わかっーーだめだ。アイリス」
「どうしたの?おにいちゃん。何で止めるの?」
「僕たちの目的を忘れたのか?お城を目指すんだろ」
「おしろ?」
「お城にいるハートの女王に会って、アイリスを真のアリスにしてもらうんだ」
「しんのアリス?」
「真のアリスになれば僕との交わりを忘れなくなる。もう覚えてないことに悩まずに済むんだ」
「そうだった。ごめんなさい」
「わかったなら行こうアイリス。シャーシャさん引き続き案内お願いします」
「オッケー任せておいて」
「ほらアイリス。手を繋いで」
「うん」
私はおにいちゃんと手を繋ぎながら、白くて赤いおしろを目指します。
※魔王城地下※
※レーサ視点※
「不思議の国を案内する?」「そう、そのためには……あっ丁度二人が来たわね」
「メシャスさん、言われた通り連れてきました」
「ルプス、アイリスを探してたはずじゃ、ダクスその兎は?」
「ワーラビットのトビラちゃんです」
「彼女の察知能力なら不思議の国の入口が見つかるわ……」
「良かった。今から増員を集めてーー」
「いつイクか?今すぐよ!」
「どうして?行く方法があるなら、まずは準備を整えたほうがいいのに」
「不思議の国は異界だから何時でも入口が開くとは限らないの……」
「入口?」
「アイリスちゃんが入った入口……それを今から探す……完全に閉じてしまう前に……」
メシャスが肉球をトビラの頭に当てる。
するとトビラの耳がぴくっと動いて、ぴょんぴょん跳ねだした。
「トビラが入口を見つけたわ……」
メシャスは肉球から魔力紐を取出すと、隊長達を囲むように輪を作った。
「ここはあたし達年長組に任せて、レーサ達は留守番してて……」
「どうしてですか?」
「ぼくたちもアイリスを探すよ」
「ダメよ。不思議の国は魔物娘と男が淫乱となって交じり合う国。それは元の世界に帰る事を忘れるほど……貴女達は魔物娘としてまだ未熟だから行けば発狂確実よ」
「ここはウチらに任せるやんね」
「僕も出来る限りのことはするよ」
「予告しよう。兄妹は必ず連れてかえる」
「君たちはそこで待っててくれ」
クリア夫妻とデュイン隊長夫妻が私達に言うと、メシャスと共にトビラの後を追った。
ダクスは祈り、ルプスは頭を下げて彼らを見送る。 私は彼らの背中を見ながらーー
全力で彼らを追い、魔力紐を掴んだ。
「レーサ、何のつもりだ!?」
「デュイン隊長、私も行くわ、アイリスとニキスを助けにね」
「ええ!!留守番するんじゃなかったの?」
「ペドリー驚きすぎ。私は元勇者よ」
「不思議の国はレーサが考えてる程甘くはないぞ」
「パーズ副隊長がどんなに否定しても、私は仲間を放っておけない」
「そうね、レーサがいれば色々助かるやんね」
「クリアちゃん……」
「よし、レーサも案内してあげる」
「ありがとうございます。メシャスさん」
私達はアイリスとニキスを連れて帰るため、不思議の国へ向かう。
※ダクス視点※
「ああ、堕落神様。レーサ達にご加護を」
レーサ達がとうとう見えなくなりました。
私達に出来ることは皆が無事に帰ってくることを祈るだけ。
「大丈夫、あの人たちならきっと出来る。ぼくは確信する」
「ルプス……そうね、私達は地上に戻ってご飯の支度をしましょう。ラヴちゃん、ピーシュちゃん、お姉さんたちと一緒に行きましょう?」
私はラヴちゃんの手を繋ごうとします。
しかし、ラヴちゃんは手を握りません。
「どうしたの?一緒に帰りましょう」
「私も……アイリスを助けに行く」
「助けるって駄目よ。危ないわよ」
「わたしもたすけにいく」
「ピーシュちゃんも?」
「そもそも私達がアイリスを止めていればこんなことにならかった」
「ラヴちゃん達のせいじゃないわよ」
「もうとつぜんいなくなるなんてこりごり」
「だから行く、不思議の国に」
ラヴちゃんとピーシュちゃんがレーサ達の後を追うように走りだしました。
「待って二人とも!」
「行かないでよ!」
私とダクスは慌てて二人を追い掛けます。
しかし段々二人の姿が見えなくなりました。
「消えた……?」
ああ、堕落神様教えて下さい。二人は何故消えたのですか?
後に私はその答えを聞くことになります。
堕落神様ではなく、レーサの口から。
二人共、不思議の国に密入国したことを。
※不思議の国・城門※
※アイリス視点※
「やっと、おしろに着いた」
「大変な道のりだったよ」
「へぇーまさか一日でたどり着くなんてね」
「どうもありがとうございます」
「シャーシャさん案内感謝します」
「二人ともよく頑張ったわね。庭園をくぐればお城に入れるわ。我はこれから大事な試合があるから。じゃあね」
「さようなら」
「お元気で」
※庭園※
「白いバラがいっぱいだ」
「美しい薔薇だね。ん?あの二人何してるんだろ?」
私達はチェシャ猫と男の人の所に行きます。
「チェル、そっちは塗り終わった?」
「まだ白が残ってるニャ」
「あのー」
「うわ!」
「ニャーごめんニャさい女王様。極刑だけは勘弁してニャ、あれ?女王様じゃニャい」
「どうして白いバラを赤く塗ってるの?」
「女王様が庭園の白い薔薇を全て赤い薔薇に植え替えろと」
「それも二時間いニャいで」
「二時間!?ここの薔薇全部?」
「二時間では無理なので、植え替える代わりに白い薔薇を赤く塗っているのです」
「お願いニャ黙ってほしいニャ」
「おにいちゃん、手伝ってあげよう」
「そうだね、僕達も手伝います」
「ありがとう助かるよ」
「残り一時間ニャ」
「バラをぬりぬり」
「白を赤に」
「ほぅ、何をしているのじゃ?」
白い髪のアリスが声をかけてきました。
「白いバラを赤く塗ってるの」
「ほぅ、余にも塗らせておくれ」
私はその娘にペンキを渡します。
「これなら間に合うかも」
「女王様に叱られニャくて済むニャ」
「ほぅ、白いバラを赤く塗れば余に叱られずに済むのか」
「はい」
「そうです……ニャー!女王様ニャ!?」
「えっ女王様?」
「まだ一時間しか経ってないはずじゃ?」
「二時間以内じゃったが途中で気が変わったわ」
「あわわ……」
「ごめんニャさい」
「何、白いバラを全て赤いバラに植え替えろと言ったが途中で気が変わったわ。許そう……じゃがペンキで誤魔化すというのは気に入らん。余は嘘と隠し事が嫌いじゃ、よって四人ともーー」
「極刑じゃ!」
※続く※
13/12/12 23:02更新 / ドリルモール
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