連載小説
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第二話
※不思議の国・極刑場※



「アイリス!」
「おにいちゃん……あれ?ここどこ」

「わからない気付いたら……雨?」
「雨だ、暖かくてポカポカする。体も頭もポカポカする」

「アイリス……」
「おにいちゃん……」



※不思議の国・競技場※
※レーサ視点※



「メシャスさんまだ観るの?」
「ええ、後半もあるわよ」

 結論から言えば私達は試合観戦していた。

「前半から観てるけど、一体何の競技ですか?これ」
「言ったでしょ十一人の選手が球蹴する競技。別世界では[サッカー]と呼ばれてるわ」

『チェシャ猫と旦那様の試合は白熱しております。解説のマーチヘアのマッチさん如何でしょうか?』
『何時でも実況さんに挿入て貰う準備OKデス』

「はぁ、城迄の一番安全な道程と聞いてたのに」
「仕方ないわよ今は兵士達が見張ってるから。試合終了迄ゆっくり観戦しましょう」



妻チーム対夫チームの試合現在得点は百十万六千八百八対百十万六千八百七!妻が一点リードしてます!
さぁ後半戦キックオフです!
背番号妻@がボールを蹴りながら相手ゴールへ進むが背番号夫5の選手が前に出てブロックする。
これは抜けきれないと判断したのか妻@は妻Eにパス妻Eがゴールを目指すが夫6がボールを奪おうとする!早速夫婦同士激突だ!

『背番号が同じ選手は夫婦デス』

妻Eは爪で夫6のズボンを引き裂いた!股間丸出しだ!あっと妻Eがボールを味方に渡してズボンを脱いで自らの性器を夫6の股間に入れた!

『試合中の下半身露出はエッチがしたいという合図デスお互い淫らに腰振ってるデス』

性交中でも試合は止まらないボールを託された妻Cが上がって行くしかし相手も黙ってはいないぞ?夫8と夫10が魔法を使って鎖付きの鉄球と鉄槍を出してきた!
夫8は鉄球を振り回し夫10は鉄槍を持って走りだした!遠心力と助走の勢いを利用して投げた!鉄球と鉄槍相手フィールドへ向かって勢いよく飛ぶ!

『鉄球と鉄槍は魔界銀を混ぜているから怪我しないデスついでに白い液体も一緒に飛ばしてほしかったデス』

鉄球と鉄槍はそのまま相手フィールドに落下さあ両者の記録は?

ハンマー投げ四十メートル
槍投げ六十メートル
合計百メートル
夫チーム百点

百点入った!これで百十万六千八百八対百十万六千九百七!夫チーム逆転だ!

『この調子で妻も寝取って逆転デス』

だが同じく妻チームも黙ってはいないぞ?妻Iが刺さった鉄槍を抜いた!妻Gも鉄球の鎖を外しておおっと砲丸投げの構えをとった!それに合わせて妻Iが槍を抱えて走りだす!夫チーム三名が妨害するためにブリッツで妻Iを攻める!それを読んでいたのか妻チームがブロック!妻DFHと夫579が互いの体を激突させる!おっと興奮したのか押し倒して互いの生殖器を激突させる!

『実況の生殖器を私にも激突させて欲しいデス』

妻Iの進撃は止まらない三組の情事を目前にして槍を地面に刺してその勢いを利用して高く飛んだ!彼らの屍を飛び越えて!槍投げと思ったのか夫10が呆気にとられる!
ここで砲丸投げの体制をとっていた妻Gが鉄球を放った!これは砲丸投げと棒高跳びのダブルプレー!ん?妻Aが走りだしてるぞ?そのまま走って大きく飛んだ!ダブルプレーと思われていたが何と走り幅跳びを加えてのトリプルプレーだった!いやこれはただ飛んだわけじゃない着地する地点には夫2が立っている!妻Aが夫2を着地倒した!同時に妻Iも夫10にダイーブ!

『日頃の練習成果が出たデス愛する夫を押し倒してエッチする練習デス』

さあ鉄球が地面に落ちてから記録が測定されるがなんてことだ!落下地点に夫8が立っている!妻Gの顔が真っ青だ!当たっても大丈夫とはいえ夫に向けての投てきは妻としての失態だ!夫8逃げてー!だが夫8は逃げようともせず魔法でバットを出し鉄球目がけてフルスイング!当たったージャストミート!鉄球は高く高く飛んで競技場の外へ何ということだ場外スリーランホームランだ!既にズボンを脱ぎ交じり中の妻AIが火照った顔を瞬間冷凍したくらいに真っ青になる!ここで記録が出たぞ!

棒高跳び百六十センチ
走り幅跳び百四十センチ
砲丸投げ測定不能
スリーランホームラン三点
合計三百三点
夫チームのホームランにより得点は全て夫チームに移ります
よって夫チーム三百三点

妻の作戦が裏目に出た!腹いせに夫とより激しく交じり合う!

『夫8が妻Gを抱きしめたデス作戦とはいえ妻を心配させたことに罪悪感を感じたのデス妻Gが夫8に仲直りの口付けをしながら互いのズボンを脱がせて立ちプレイデス』

さあ選手半分以上性交しての試合再開!点差を付けられた妻チーム逆転の糸口なるか?夫34が妻@のボールを奪おうと前に出るが妻BCも夫34の前に出て妻Bの一本背負いと妻Cの大外刈だ!技ありと決まり手で妻チーム二点獲得!

『両選手ともズボンを脱いで第二ラウンド開始デス』

さぁ試合は大詰め主将かつ夫婦同士の一騎打ち!主将の意地とプライドを掛けてボールを奪い合うさぁ残り時間は少ないぞおっと妻@が夫1を抱きしめたこのままボールではなく貞操の奪い合いに入るのか?

『いけーイケーデス』

だが違うようだこれは大きくジャンプしたあ!ボールを足に挟み抱き合ったまま飛んで横に四回転して今度は縦に四回転したまさか妻@改めシャーシャ選手は伝説の技『メシャス』を決めるつもりか?

『ボールと相手選手を抱き締めつつ横と縦空中四回転をしながらシュートを決める高難易度の技デス過去にメシャス選手がこの技を決めて逆転勝利をしたことから彼女の名前をとったのデス』

そして回転しながら相手ゴールへ向かってシュート!キーパーの手に届かずゴール!見事に着地が決まった!同時に試合終了のホイッスルが鳴る!
得点は百十万六千八百十一対百十万七千二百十!審査員四名の持ち点は百点!もし審査員全員が満点を出せば逆転勝利だ!さあ掲示板に点数が表示された!

100 100 100 100

満点だぁ!最終得点は百十万七千二百十一対百十万七千二百十!妻チーム逆転勝利に会場中が拍手を送ってます!

『目と股から涙が溢れて止まらないデス』

シャーシャ選手と夫がユニフォームを脱ぎ熱い口付けで互いの唾液を交換した!審判も審査員も観客達も興奮して乱交騒ぎだ!

『もう我慢できないデス実況と子作りデスえーいっ♪』



「兵士たちも乱交を始めたから今なら競技場を出られるわ」
「無駄に長かったわ……」

「細かいことを気にしたらここではやっていけないわ皆、競技場を出れば城は目と鼻の先よ」
「はーい……」


※城門※


「……やっと着いた」
「変ね……」

「メシャスさん?」
「そこの兵士さん……」

「何だ?」
「いつもより警備兵が少ないけど?……」

「今、兵士の殆どが極刑と密入国者の対応をしてる」
「密入国者?」

「突然この城に入ってきた二人組だ。今頃女王様が密入国者に尋問をしているはずだ」
「ありがとさぁ行くわよ」

「あの、極刑とか密入国者とか気にならないの?」
「んー極刑と言っても死ぬわけじゃないし、密入国者がいても問題無いわよ。何せ貴女達は優秀なメンバーだから」

「女王様との対面、これからが本番やんね……」
「大丈夫よクリア、あたしが女王様を説得するから、レーサちゃんは女王様を見て「あれが女王様?まだ子供じゃない」と口に出さなければいいわよ」

 事前にフラグを折られた気がした。


※女王の間※


「女王様お久しぶりです。メシャスです」
「メシャス、約束通り戻ってきてくれて余は嬉しいぞ」

「光栄です……ですが今回は他に用があって戻ってきました」
「他とは?」

「ここに導かれてきたアイリスとニキスを連れて帰りたいのです……」
「アイリスとニキス……それはこの兄妹のことかの?」

 女王様がいつの間にか杖を持ち床を叩く。

『おにいちゃぁん』
『アイリスぅ』

 突如二人が交じり合う様子が映し出された。

「アイリス、ニキス!?あんた、二人に何をしたの?」
「何って極刑じゃよ」

「極刑って、ただ交じってるだけじゃない?」
「そうじゃ、二人には媚薬の雨に打たれながら、百年間気持ち良く交わってもらうのじゃ」

「百年って……長すぎるわ!」
「長い?劣の体内時計は壊れとるのか?」

「劣って誰よ!」
「お主のことじゃ劣」

「私はレーサよ!」
「まだここの住民にもなっとらん奴には、栗,弟,院,兄,兎,劣で充分じゃ」

「何その略称!私は伴侶募集中の勇者レーサよ」
「……嘘つくな[元]勇者の間違いじゃろ」

「え?急に雰囲気が?」
「レーサ認めなさい!自分が元勇者であることを!」

「メシャスさん、何で?」
「いいから!」

「わかったわ……元勇者です」
「女王様、彼女の無礼お許しを」

「許す……そうじゃ、そなたらにも尋問をしよう。余の問いに皆が正直に答えることが出来たらあの兄妹を解放しよう」
「本当なの?」

「余は嘘と隠し事は嫌いじゃ。劣,栗,院,兄,弟,兎の順に答えよ。まずは三日前何をした?」
「へ?」

「答えよ三日前の事じゃ」
「えっと、ハーレムの国を案内されました」

「次」
「え、それでいいの?」

「正直に答えたからの、次」
「服の注文やんね」
「新人研修だ」
「同じく新人研修です」
「サバトの長代理をしました」
「……」

「兎よ、なぜ黙る?」
「女王様、その兎は無口なので彼女に洗礼をお願いします」

「成る程」

 女王が杖の先端をトビラに向けると、

『マーチヘア』

 黒い塊がトビラに放たれた。

「…………………きっ……キモチイイ」

 艶やかな叫び声と共にトビラの姿が変わる。

 髪と脚がピンクに染まり

 白い体毛が抜け落ち

 白山と割れ目の入った頂上が姿を現す

 寸胴だった腰も括れ

 目の輝きにハート

 野兎の面影は無く

 兎を模した美女がいた

「トビラよ。生まれ変わった気分は?」
「気持ちいいですぅ」

「ならば改めて答えよ。三日前何をした?」

「三日前は柴様から人参を沢山くれたですぅ上の口や下の口から人参を白いドレッシングと一緒に食べさせてくれたですぅ」

「そうか、そなたらは正直に答えた」
「嬉しくて溢れちゃうですぅ」

「じゃがーー二人は解放せん」
「……待って、正直に答えたら解放するんじゃ無かったの?」

「尋問をした者の中に嘘をついた者がおった。それだけじゃ」
「何言ってるの?あんた私達に正直に答えたと言ったばかりじゃない!」

「じゃが、この密入国者二人が嘘をついた」

 女王様が杖をつく。

「出してよ!」
「だして」

 球体に閉じ込められた少女二人が姿を表した。

「ラヴちゃん!」
「ピーシュ!何でお前たちが?」

 クリアとデュイン隊長が叫ぶ。

「改めて問おう。二人は三日前何をした?」
「何度言えば判るの?三日前はピーシュちゃんと遊んでただけよ!」
「おねえちゃんとはしってただけ」

「……まだ嘘をつくのか?往生際の悪いリリムたちじゃーー皆の者集まれ」

 女王の一声。

「うそ……」

 その一声で、私達の周りに兵士が一斉に集まってきた。

「ざっと千人越えてるじゃない……きゃっ」

 驚くのも束の間私達は動けなくなった。
 魔力紐に縛られて。

「女王様に逆らっちゃダメよ貴女達は優秀な人材だから」
「メシャス……さん?」

 メシャスとトビラが女王の側に立つ。

「メシャス、約束通り不思議の国の住民に相応しい人材を六人も連れてくるとはの」
「光栄です女王様」
「私は柴様の妻に相応しい?光栄ですぅ女王様ぁ」

「メシャス……さん?何で、何で裏切ったの?」

「しいて言うなら気まぐれ?トビラ、生まれ変わった貴女の力でレーサ達を投獄させて」
「先輩、紐が股に食い込んですぅ」

「紐に貴女の愛液を染み込ませているの気持ち良い?」
「はい、汁が溢れてくるですぅ」

 魔力紐から魔法陣が浮かびあがる。

「転移魔法陣、あの液体の効果やんね」
「流石クリアちゃん、魔女なのが勿体ないわね次会うときは魔女の殻を破った姿が見たいな」

「メシャスさん、まさか……予告する!明日太陽が頂点に昇りきる頃に姿を現す!」

 デュイン隊長の言葉を最後に、私達は牢屋へ転送された。



※続く※
13/12/12 23:01更新 / ドリルモール
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■作者メッセージ
次回

 帽子に隠した素顔
 ここは俺達に任せて先に行け
 ラヴとピーシュの秘密

の三本です。

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