ハーレムの案内猫と純愛の勇者一行
魔王城・廊下
メシャス視点
あたしはチェシャ猫のメシャス。ハーレムの案内猫として、パール様一家の様子を天井から見守ってるわ
特に見守ってるのは、十年振りに帰ってきたパール様と柴様の愛の結晶
ダイヤちゃん
彼女が幼い頃から、妹のように見守っている
今は旦那様を探す旅をしているけど、まだ見つかっていないみたい……。
あたしとしては旦那様はあの弟分ーーダイヤちゃんの兄がいいと思う
昔はあたしを見つけるたびに「シャスねえ、シャスねえ」と子猫のようによってきた弟
今では立派な大人になって、お嫁さんを三人もゲットしてるわ
まあ、結婚はお互いの同意が必要だから、あたしは口を出さず見守るだ・け
「皆様、食堂に到着しました」
回想の迷路に迷い込んでる間に、食堂に到着したみたい
キキーモラの煌羅ちゃんが扉を開けて、パール様達を先に食堂に入れているわ
さて、柴様と煌羅ちゃんの為にキキーモラを食堂に連れていかなくちゃ
柴様との甘くてエロチックな行為を煌羅ちゃんに見せ付けて……あれ?今、あたしに向かって礼をしたような……気のせいよね
翌日
魔王城・訓練場
ダイヤちゃん達を見送ったあたしは、訓練場へと向かったわ
そこで研修を受けていたのは、昨日魔王城に攻め込んできた勇者一行
今では女は魔物娘に、男はアルプになったのを除いて、彼女たちの旦那様
人間の時のしがらみから解放されて昨晩は旦那様とあんなことやこんなことをして初めてを捧げて赤と白が混じった液を垂れ流したと思うとぞくぞくするわ
その時の痛みと熱さは、一生忘れられない思い出に……あ。
迂濶だったわ、例外がいるようね……。
「きーっ、婿候補を四人じゃなく五人にすべきだったわ」
ハンカチを噛みながら、三組のカップルを羨ましそうに見ているレッサーサキュバスはともかく……。
三組のうち、アリスだけがどこか淋しそうな顔をしていたわ……。
魔王城・食堂
「あーっ、悔しい、悔しいっ、せっかく魔物娘になれたのに、肝心の旦那様がいないなんてっ、悔しすぎて涙が出ちゃうわ」
「まあまあ、落ち着いてください」
「レーサ、感情的になったら寄ってくる男も寄ってこないよ。一流のレディならもっとお淑やかにならなくちゃ」
元勇者一行のうち魔物娘四人は研修を終え食事をしながら話をしているわ
話といっても、レッサーサキュバスのレーサが愚痴り、ダークプリーストとアルプが彼女を宥めているけどね
ちなみに旦那様達の方は研修を続けている。まあ、教官があの太陽の勇者だから仕方ないけどね
「一流のレディって……ルプスあんたは元々男でしょ!」
「そうだっけ?もう男だった頃なんて遠い昔に思えるよ、今はこんなに立派な膨らみが……」
アルプのルプスは、自分の胸に手を当てる。執事服では隠せない弾力が、女に生まれ変わった喜びを彼女に伝えているわ
「きーっ、婿候補第一位にするほどの美形だったあんたが、何で顔はそのままで下とって上つけてんのよ、しかも上の量は私よりも多いじゃない!」
「まあまあ、落ち着いてください」
「ダクス、あんたもあんたよ、禁欲主義の聖職者だったあんたが、今は性欲主義の性職者に鞍替え?」
「確かに昨日までの私は主神に身を捧げた聖職者でした。ですがあのメイドさんがくれた贈り物、堕落の果実を味わった瞬間、声が聞こえたのです。堕落神様の声が」
ダークプリーストのダクスが感謝をこめて祈りを捧げているわ
「あのメイドさんには感謝しないとね。ぼくをこんな素敵な身体に変えるきっかけとなる果実をくれた、あのクールビューティーなメイドさんに」
「……あのメイド、本当にクールビューティーなのかしら?」
レーサはあのメイドに疑問を抱いている。確かにあのメイドーー煌羅ちゃんはただ者ではなさそうだ……。最初は気のせいかと思っていたけど、昨日からずっとあたしの存在に気付いていた……。
「……レーサちゃん羨ましそうだね」
今まで口を閉ざしていた少女ーーアリスのアイリスが口を開いた……。
あたしは煌羅ちゃんのことを一旦保留にして、彼女の話に聞き耳を立てる……。
「どうしたのよ?アイリス。何か落ち込んでるけど」
「……だって相手がいないから」
「アイリス、それ嫌味?あんたには実の兄で、今は旦那様であるお兄ちゃんいるじゃない」
「ううん、旦那様じゃないよ、まだおにいちゃんとはエッチしてないから」
「どうして?お兄ちゃんの方は昨夜は実の妹とのお楽しみは最高だったって言ってたわよ?」
「……………ないの」
「どうしたの、はっきり言いなさい」
「……覚えてないの、昨日のこと」
「何、可笑しなこと言ってるの?ヤリ過ぎて記憶が飛んだ?」
「ううん、昨日のことは少しだけなら覚えてる。おにいちゃんが私に好きだっていったことや、これからは兄妹じゃなく夫婦だって言ってくれたことも」
アイリスちゃんは一旦、喋るのを止めて、口を開いた。口に出すのを怖がるかのように……。
「でも、肝心の……エッチをしたことだけは覚えてないの……」
「えー、恋人募集中の私が言うのもなんだけど、大事な純潔を捧げた記憶が無いなんてありえないわよ、純血とか出なかったの?ねえ、答えなさいよ」
アイリスちゃんは、もう喋りたくないと口を紡ぐ……。
対して、レーサはアイリスちゃんの気持ちを知らずか、あるいは彼女が普通のサキュバスでは無いことを知らないのか、急かし続ける……。
あたしは魔力紐をちぎり、隠蔽を解いて彼女達の前に姿を現した……。
「その娘は普通のサキュバスじゃないわよ」
「なっ!」
「え?」
「誰?」
「……!?」
あたしの登場にレーサ達は驚いてる
おっと、意地悪な性格が出てきちゃった……あたしは気を取り直して自己紹介をする……。
「ようこそ不思議の国……じゃなかった魔物娘の世界へ。あたしはメシャス。パール様と柴様が収めるハーレムの国を案内するチェシャ猫よ」
魔王城・ハーレム部屋前
「着いたわ、ここがあたしの旦那様、柴様がいるハーレムの国よ」
あたしは、レーサ率いる魔物娘四人をパール様と柴様の部屋の前へと案内したわ
「堅そうな扉ね」
「真っ赤だね」
「ああ、堕落神様。禁断の領域に立ち入ることをお許しください」
「ここに、私と同じアリスがいるの?」
「ええ、アリスだけじゃないわ、ダークプリーストやアルプもいるわよ。今後のためにも同じ種族の性交は参考になるわよちなみにレッサーサキュバスは現在募集中よ」
「へーそーなんだー」
レーサは素っ気なく言いつつも身体をくねらせている。うふふっ
「さ、開けるわよ」
今、禁断の扉が開かれるわ
「アッー!アッー!許してください、パール様」
「ウフフ♪許して欲しかったら誓いなさい。見た目で魔物を判断しません。と♪」
「はい、見た目で魔物を判断しませんっ!」
「誰が誓ってるのか判らないわ♪」
「アッー!私、ガーゴイルのゴイルは、見た目で魔物を判断しませんっ!」
「声が小さいわ♪もっと色っぽく♪」
「アッー!アッー!アアンわたしぃがーごいるのごいるわぁ」
「あ、間違えた」
あたしはわざとらしく扉を閉じたわ
「いやいや、今の何?下半身がう……角が二本生えた女の人が鞭みたいなもので石像?をたたいてたけど!?」
「彼女は柴様の本妻でハーレムの主、バイコーンのパール様よ。丁度調教の真っ最中だったわね」
あたしは反対側、青い扉にハーレムがいることを説明するわ
レーサのツッコミを無視して、あたしは肉球から紐を出してわっかを作り、レーサ達に輪の中に入るよう指示したわ
「その紐は決して放しちゃだめよ。迷子になりたくなければね」
四人全員が紐を握ったのを確認し、あたしは扉に手を添える。すると青い扉は自然と開かれ、隙間から桃色の煙と紫色の魔力が放たれる……。
「これより案内しますは『ハーレムの国』、大陸全土からジパング、果ては霧の大陸まで、時には妖精の国や万魔殿、不思議の国に入り、東奔西走で集めた魔物娘達が柴様の妻として酒池肉林の日々を送っています。是非とも下半身をキュンキュンさせて下さい」
今、ハーレムの国への扉が開かれる。
真相と共に。
※魔王城・ハーレム部屋内部※
※レーサ視点※
結論から言えば、私、レーサは、魔物は人を食らうという教団から教え込まれた常識を改めて自覚したと思う。性的な意味で。
「左手に見えますのはダークプリースト、堕落神の教えを広め、人間を堕落させる役目を持ちーー」
ハーレムの国の案内をしているチェシャ猫のメシャスが地上で男に抱かれている性職者の説明をしている。
「ああ、堕落神様、私はとても見ていられません」
台詞とは裏腹に、ダクスは片手で眼鏡の位置を直しながら、人間を堕落させることを忘れた性職者を眺める。
「次はアルプの紹介です」
宙に浮かぶ私達は、ハーレムの海を渡る。
「右手に見えますのが、アルプの群れでございます。アルプはインキュバスになるはずの男性が、突然変異でサキュバスになった特殊な魔物娘でーー」
もはや宙に浮いてることがどうでも良くなってきた。
「アルプは一般のサキュバス同様、容姿性格は千差万別で、あそこにいる柴様二人は、小さな胸で男の心を残すアルプの乳首と、女となる悦びに目覚めた大きな胸のアルプの乳首を吸っています」
「質問です、別の柴様二人に後ろから犯されている二人のアルプに生えているのは雄茎ですか?」
「いい質問ですねルプスさん。あの二人はアルプ候補の双子です。立派なアルプになるために柴様二人で後ろの穴からーーアッー!見てください双子に角と翼と尻尾が生えました雄茎が枯れ、雌花が開花する貴重な瞬間です開花したての雌花に柴様の雄茎がーーおや、双子の片方は雄茎が枯れることなく雌花が開花しています。あれはふたなーー」
それより相手の男が皆同じ顔なのが気になる。分身薬の影響らしいが、昨日魔物娘になったばかりだからさっぱりわからん。
「あちらに見えますのが、レッサーサキュバス用のスペースです」
メシャスの指差す方向に私は首を向けた。
「壁に拘束具?」
なんだ見間違いか。
「あそこにレッサーサキュバスを拘束させ、一日一回柴様から放たれる精を受けとめるのです。それがサキュバスになるまで繰り返されます」
「見間違いじゃねぇ!待て待て、そんなんじゃサキュバスになるまで時間が掛かるわよ!」
「レッサーは精を注げばすぐにサキュバスになる儚き花弁ですので今から拘束されますか?」
「拘束なんて嫌よ!」
「大丈夫、拘束に嫌悪感を抱かなくなるよう、パール様が親切に調教してくれます」
「お断りよ、私は愛する人と契りを結ぶような純粋な愛を求めているの!」
「純粋な愛……わかりました。強制はしません。迷子になりたくなければ紐は放さないように……」
「迷子ね。そんな人がいたら、是非顔を見てみたいわ」
「最後はアリスです……」
「私と同じ、女の子だ」
眠っていたり、処女の証を流してたり、容姿は違えどアイリスと同じ少女が数人いた。
「近づきます、紐を放さないで……」
私達はアリスの群れに降下する。
「おにぃおにぃ」
アリスの一人が叫びながら気絶した。
「うーん……」
今度は別のアリスが目を覚ます。
「あれ?私、何してたっけ?」
状況を理解いないかのように、彼女が呟く。
「うーん、きゃっ」
彼女の目覚めに気付いた男が獣のように彼女を襲い、
何の躊躇いもなく、純潔を奪った。
「ちょっと、あんた!」
私は男の卑劣な行為を止めようとした。
「あっ、あっ、気持ちいい」
だが、彼女は何の抵抗もなく受け入れていた。
生涯で一度の大事な純潔が、無情にも奪われてるはずなのに。
「これが、アリスの特性……?」
これが、アイリスが覚えていない真相ーー?
※エピローグへ※
メシャス視点
あたしはチェシャ猫のメシャス。ハーレムの案内猫として、パール様一家の様子を天井から見守ってるわ
特に見守ってるのは、十年振りに帰ってきたパール様と柴様の愛の結晶
ダイヤちゃん
彼女が幼い頃から、妹のように見守っている
今は旦那様を探す旅をしているけど、まだ見つかっていないみたい……。
あたしとしては旦那様はあの弟分ーーダイヤちゃんの兄がいいと思う
昔はあたしを見つけるたびに「シャスねえ、シャスねえ」と子猫のようによってきた弟
今では立派な大人になって、お嫁さんを三人もゲットしてるわ
まあ、結婚はお互いの同意が必要だから、あたしは口を出さず見守るだ・け
「皆様、食堂に到着しました」
回想の迷路に迷い込んでる間に、食堂に到着したみたい
キキーモラの煌羅ちゃんが扉を開けて、パール様達を先に食堂に入れているわ
さて、柴様と煌羅ちゃんの為にキキーモラを食堂に連れていかなくちゃ
柴様との甘くてエロチックな行為を煌羅ちゃんに見せ付けて……あれ?今、あたしに向かって礼をしたような……気のせいよね
翌日
魔王城・訓練場
ダイヤちゃん達を見送ったあたしは、訓練場へと向かったわ
そこで研修を受けていたのは、昨日魔王城に攻め込んできた勇者一行
今では女は魔物娘に、男はアルプになったのを除いて、彼女たちの旦那様
人間の時のしがらみから解放されて昨晩は旦那様とあんなことやこんなことをして初めてを捧げて赤と白が混じった液を垂れ流したと思うとぞくぞくするわ
その時の痛みと熱さは、一生忘れられない思い出に……あ。
迂濶だったわ、例外がいるようね……。
「きーっ、婿候補を四人じゃなく五人にすべきだったわ」
ハンカチを噛みながら、三組のカップルを羨ましそうに見ているレッサーサキュバスはともかく……。
三組のうち、アリスだけがどこか淋しそうな顔をしていたわ……。
魔王城・食堂
「あーっ、悔しい、悔しいっ、せっかく魔物娘になれたのに、肝心の旦那様がいないなんてっ、悔しすぎて涙が出ちゃうわ」
「まあまあ、落ち着いてください」
「レーサ、感情的になったら寄ってくる男も寄ってこないよ。一流のレディならもっとお淑やかにならなくちゃ」
元勇者一行のうち魔物娘四人は研修を終え食事をしながら話をしているわ
話といっても、レッサーサキュバスのレーサが愚痴り、ダークプリーストとアルプが彼女を宥めているけどね
ちなみに旦那様達の方は研修を続けている。まあ、教官があの太陽の勇者だから仕方ないけどね
「一流のレディって……ルプスあんたは元々男でしょ!」
「そうだっけ?もう男だった頃なんて遠い昔に思えるよ、今はこんなに立派な膨らみが……」
アルプのルプスは、自分の胸に手を当てる。執事服では隠せない弾力が、女に生まれ変わった喜びを彼女に伝えているわ
「きーっ、婿候補第一位にするほどの美形だったあんたが、何で顔はそのままで下とって上つけてんのよ、しかも上の量は私よりも多いじゃない!」
「まあまあ、落ち着いてください」
「ダクス、あんたもあんたよ、禁欲主義の聖職者だったあんたが、今は性欲主義の性職者に鞍替え?」
「確かに昨日までの私は主神に身を捧げた聖職者でした。ですがあのメイドさんがくれた贈り物、堕落の果実を味わった瞬間、声が聞こえたのです。堕落神様の声が」
ダークプリーストのダクスが感謝をこめて祈りを捧げているわ
「あのメイドさんには感謝しないとね。ぼくをこんな素敵な身体に変えるきっかけとなる果実をくれた、あのクールビューティーなメイドさんに」
「……あのメイド、本当にクールビューティーなのかしら?」
レーサはあのメイドに疑問を抱いている。確かにあのメイドーー煌羅ちゃんはただ者ではなさそうだ……。最初は気のせいかと思っていたけど、昨日からずっとあたしの存在に気付いていた……。
「……レーサちゃん羨ましそうだね」
今まで口を閉ざしていた少女ーーアリスのアイリスが口を開いた……。
あたしは煌羅ちゃんのことを一旦保留にして、彼女の話に聞き耳を立てる……。
「どうしたのよ?アイリス。何か落ち込んでるけど」
「……だって相手がいないから」
「アイリス、それ嫌味?あんたには実の兄で、今は旦那様であるお兄ちゃんいるじゃない」
「ううん、旦那様じゃないよ、まだおにいちゃんとはエッチしてないから」
「どうして?お兄ちゃんの方は昨夜は実の妹とのお楽しみは最高だったって言ってたわよ?」
「……………ないの」
「どうしたの、はっきり言いなさい」
「……覚えてないの、昨日のこと」
「何、可笑しなこと言ってるの?ヤリ過ぎて記憶が飛んだ?」
「ううん、昨日のことは少しだけなら覚えてる。おにいちゃんが私に好きだっていったことや、これからは兄妹じゃなく夫婦だって言ってくれたことも」
アイリスちゃんは一旦、喋るのを止めて、口を開いた。口に出すのを怖がるかのように……。
「でも、肝心の……エッチをしたことだけは覚えてないの……」
「えー、恋人募集中の私が言うのもなんだけど、大事な純潔を捧げた記憶が無いなんてありえないわよ、純血とか出なかったの?ねえ、答えなさいよ」
アイリスちゃんは、もう喋りたくないと口を紡ぐ……。
対して、レーサはアイリスちゃんの気持ちを知らずか、あるいは彼女が普通のサキュバスでは無いことを知らないのか、急かし続ける……。
あたしは魔力紐をちぎり、隠蔽を解いて彼女達の前に姿を現した……。
「その娘は普通のサキュバスじゃないわよ」
「なっ!」
「え?」
「誰?」
「……!?」
あたしの登場にレーサ達は驚いてる
おっと、意地悪な性格が出てきちゃった……あたしは気を取り直して自己紹介をする……。
「ようこそ不思議の国……じゃなかった魔物娘の世界へ。あたしはメシャス。パール様と柴様が収めるハーレムの国を案内するチェシャ猫よ」
魔王城・ハーレム部屋前
「着いたわ、ここがあたしの旦那様、柴様がいるハーレムの国よ」
あたしは、レーサ率いる魔物娘四人をパール様と柴様の部屋の前へと案内したわ
「堅そうな扉ね」
「真っ赤だね」
「ああ、堕落神様。禁断の領域に立ち入ることをお許しください」
「ここに、私と同じアリスがいるの?」
「ええ、アリスだけじゃないわ、ダークプリーストやアルプもいるわよ。今後のためにも同じ種族の性交は参考になるわよちなみにレッサーサキュバスは現在募集中よ」
「へーそーなんだー」
レーサは素っ気なく言いつつも身体をくねらせている。うふふっ
「さ、開けるわよ」
今、禁断の扉が開かれるわ
「アッー!アッー!許してください、パール様」
「ウフフ♪許して欲しかったら誓いなさい。見た目で魔物を判断しません。と♪」
「はい、見た目で魔物を判断しませんっ!」
「誰が誓ってるのか判らないわ♪」
「アッー!私、ガーゴイルのゴイルは、見た目で魔物を判断しませんっ!」
「声が小さいわ♪もっと色っぽく♪」
「アッー!アッー!アアンわたしぃがーごいるのごいるわぁ」
「あ、間違えた」
あたしはわざとらしく扉を閉じたわ
「いやいや、今の何?下半身がう……角が二本生えた女の人が鞭みたいなもので石像?をたたいてたけど!?」
「彼女は柴様の本妻でハーレムの主、バイコーンのパール様よ。丁度調教の真っ最中だったわね」
あたしは反対側、青い扉にハーレムがいることを説明するわ
レーサのツッコミを無視して、あたしは肉球から紐を出してわっかを作り、レーサ達に輪の中に入るよう指示したわ
「その紐は決して放しちゃだめよ。迷子になりたくなければね」
四人全員が紐を握ったのを確認し、あたしは扉に手を添える。すると青い扉は自然と開かれ、隙間から桃色の煙と紫色の魔力が放たれる……。
「これより案内しますは『ハーレムの国』、大陸全土からジパング、果ては霧の大陸まで、時には妖精の国や万魔殿、不思議の国に入り、東奔西走で集めた魔物娘達が柴様の妻として酒池肉林の日々を送っています。是非とも下半身をキュンキュンさせて下さい」
今、ハーレムの国への扉が開かれる。
真相と共に。
※魔王城・ハーレム部屋内部※
※レーサ視点※
結論から言えば、私、レーサは、魔物は人を食らうという教団から教え込まれた常識を改めて自覚したと思う。性的な意味で。
「左手に見えますのはダークプリースト、堕落神の教えを広め、人間を堕落させる役目を持ちーー」
ハーレムの国の案内をしているチェシャ猫のメシャスが地上で男に抱かれている性職者の説明をしている。
「ああ、堕落神様、私はとても見ていられません」
台詞とは裏腹に、ダクスは片手で眼鏡の位置を直しながら、人間を堕落させることを忘れた性職者を眺める。
「次はアルプの紹介です」
宙に浮かぶ私達は、ハーレムの海を渡る。
「右手に見えますのが、アルプの群れでございます。アルプはインキュバスになるはずの男性が、突然変異でサキュバスになった特殊な魔物娘でーー」
もはや宙に浮いてることがどうでも良くなってきた。
「アルプは一般のサキュバス同様、容姿性格は千差万別で、あそこにいる柴様二人は、小さな胸で男の心を残すアルプの乳首と、女となる悦びに目覚めた大きな胸のアルプの乳首を吸っています」
「質問です、別の柴様二人に後ろから犯されている二人のアルプに生えているのは雄茎ですか?」
「いい質問ですねルプスさん。あの二人はアルプ候補の双子です。立派なアルプになるために柴様二人で後ろの穴からーーアッー!見てください双子に角と翼と尻尾が生えました雄茎が枯れ、雌花が開花する貴重な瞬間です開花したての雌花に柴様の雄茎がーーおや、双子の片方は雄茎が枯れることなく雌花が開花しています。あれはふたなーー」
それより相手の男が皆同じ顔なのが気になる。分身薬の影響らしいが、昨日魔物娘になったばかりだからさっぱりわからん。
「あちらに見えますのが、レッサーサキュバス用のスペースです」
メシャスの指差す方向に私は首を向けた。
「壁に拘束具?」
なんだ見間違いか。
「あそこにレッサーサキュバスを拘束させ、一日一回柴様から放たれる精を受けとめるのです。それがサキュバスになるまで繰り返されます」
「見間違いじゃねぇ!待て待て、そんなんじゃサキュバスになるまで時間が掛かるわよ!」
「レッサーは精を注げばすぐにサキュバスになる儚き花弁ですので今から拘束されますか?」
「拘束なんて嫌よ!」
「大丈夫、拘束に嫌悪感を抱かなくなるよう、パール様が親切に調教してくれます」
「お断りよ、私は愛する人と契りを結ぶような純粋な愛を求めているの!」
「純粋な愛……わかりました。強制はしません。迷子になりたくなければ紐は放さないように……」
「迷子ね。そんな人がいたら、是非顔を見てみたいわ」
「最後はアリスです……」
「私と同じ、女の子だ」
眠っていたり、処女の証を流してたり、容姿は違えどアイリスと同じ少女が数人いた。
「近づきます、紐を放さないで……」
私達はアリスの群れに降下する。
「おにぃおにぃ」
アリスの一人が叫びながら気絶した。
「うーん……」
今度は別のアリスが目を覚ます。
「あれ?私、何してたっけ?」
状況を理解いないかのように、彼女が呟く。
「うーん、きゃっ」
彼女の目覚めに気付いた男が獣のように彼女を襲い、
何の躊躇いもなく、純潔を奪った。
「ちょっと、あんた!」
私は男の卑劣な行為を止めようとした。
「あっ、あっ、気持ちいい」
だが、彼女は何の抵抗もなく受け入れていた。
生涯で一度の大事な純潔が、無情にも奪われてるはずなのに。
「これが、アリスの特性……?」
これが、アイリスが覚えていない真相ーー?
※エピローグへ※
13/11/29 23:03更新 / ドリルモール