読切小説
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四つの試練と這い上がる幼夫婦
※不思議の国・競技場※
※リコ視点※


「すごい、四つん這いだらけだ」

わたしは選手達の四つん這いにびっくり。

「今日の競技は四つん這いレースだからな」

コーンも彼女たちと同じように堂々と四つん這いの姿勢をとっています。

「コーンもすごいよ、四つん這いで走ることに何の躊躇も無いなんて」
「優勝して、一歩でもコルヌに近づくためだ」
「そうだよね、コーンのお姉さんは競技場の大スターだからね」

わたしは実況席に視線を移します。

実況を務めるコルヌおねーさん、そして解説はこの国の主であるハートの女王様。

「女王様が直々にレースを見届けてくれるなんて」
「オレは嫌な予感しかしねー」

『レースが始まります。各選手は所定の位置につき、四つん這いの妻の背中に騎乗してください』

コルヌおねーさんの指示に、夫達が四つん這いの妻の背中に乗っていくので、わたしもコーンに跨ります。


『それでは、四つん這いレース』


『スタート』


※第一の試練※


「うおおおおお!」

コーンが手足を交互に前に出し、猛スピードでトップに躍り出ます。

『先頭を走るのは、リコちゃん&コーン夫妻だ』

「すごい、あっという間に差が開いちゃった」
「家で練習した甲斐があっただろ?」
「練習って言っても」



(いいぞ、その調子で腰を動かすんだ!)
(コーン、出ちゃうよ)
(その姿勢で中出ししろ)



大会告知から数週間、部屋の中で四つん這いプレイしていたことを思い出します。

『今大会の最年少でありながら、最前線で突っ走る!』

「う〜、目立ちすぎだよ」

わたし達は穴だらけの道へと足を踏み入れます。

『コーン&リコ夫妻が第一の試練に突入、その穴一つ一つがヨツンバウェイにある魔のカーブを再現していて、穴に飛び込めば触手の森へとワープするぞ』
『余の類まれなる魔術の才なら、仕掛けの大量複製など朝飯前じゃ』

「リコ、穴を避けながら走るから振り落とされるなよ!」
「うん!」


コーンが穴を迂回しようとしますが

「あれ?」

不思議な引力が働いて

「おっと!」
「どうしたのコーン、穴を避けるんじゃなかったの?」
「すまん、避けようと思ったんだけど、変な力が働いて」

それから穴に近づくたび、穴に引き寄せられそうになります。

「またかよ、さっきから穴に引きずられるような嫌な感覚は!」
「う〜ピクニックで、食べようとしたおにぎりが坂をころころ転がって、そのまま巨大な穴に落ちた時のことを思い出すよ」

進むに連れて穴の数は多くなり、引力が強くなる一方

これが、数々の魔物を触手の森へと誘ったヨツンバウェイの魔のカーブの力。

「がんばってコーン」
「負けてたまるかぁぁぁ!」


わたし達は穴の引力に打ち勝ち第一の試練を突破しました。


「はぁはぁ…どうだ参ったか」

コーンは息を切らしながらスピードを緩めます。


『トップに続く形で、選手が次々と魔のカーブへと足を踏み入れます』


「そうか、わたしだけじゃなかったんだ」

わたしは後ろを振り返り

「皆さん、気をつけてください」

二番手のチェシャ猫さんと旦那さんに向かって叫びます。

「その穴は危険です」

二人が走るコースの先には一つの穴、あのままだと――

「まるで引っ張られるかのように」



ぴょいーん♪



「穴へと落ちて、え?」

一瞬状況が理解できませんでした。

チェシャ猫の夫妻は目の前の穴へ飛び込んだからです。

必死に足掻いて落ちたのならまだわかりますが

彼らにはその素振りが全く無かったのです。


続いて他の夫婦も穴だらけの道へと入りますが

ぴょいーん♪

全員

ぴょいーん♪

何の躊躇いもなく

ぴょいーん♪

穴の中へと

ぴょいーん♪

落ちていきます。

ぴょいーん♪
ぴょいーん♪
ぴょいーん♪
ぴょいーん♪
ぴょいーん♪

まるで最初から飛び込むつもりだったかのように

ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪ぴょいーん♪

次々と

『事故率最多死亡率は安定のゼロ%の魔のカーブ。参加者の半分が穴へと飛び込んだようだね』
『今頃は触手の森で淫らな戯れを愉しんでいるのじゃろう』

「はぁはぁ……思ったより体力を使った、っていうか……のど渇いた」
「コーン、今すぐ水分を補給してあげる」
「頼む」

ちょっと恥ずかしいけど

わたしは走行中のコーンのズボンを脱がします。

転落しないよう慎重に

パンツを脱がし、見えるのはピンク色に光る膣口

そこにわたしのキノコを挿入

腰をリズムよく小刻みに振ってピストンを行い

「はぁはぁ……もうすぐだよ」

キノコから精を放ちコーンの子宮に注ぎ

「うぉぉぉ!体力が蘇ってキター!」

数週間の練習も強ち無駄じゃなかったと実感します。

『どうやらリコちゃんがコーンへの給水を行ったようです』
『マッドハッターにとって夫の精は紅茶と同じくらい重要な水分なのじゃ』

コーンは猛スピードで、追い抜かれた分の距離を取り戻そうとしますが

「ほうほうほうほう!」
「あんあんあんあん♪」

四つん這いのチェシャ猫がバックで突かれながら、わたし達を追い抜きました。

『何と挿入しつつ、速度を速める夫婦もいるようです。』
『バック挿入のピストンを反動に、どんどん距離を詰めたようじゃな』
『レベルが違うということですね』

そんな、わたし達は性交によって減速したのに。

『じゃがリスクもある。性交に夢中になりルール違反を犯すというリスクがな』
『おや、一部の選手が妻を正上位または騎乗位の体勢で交わっていますよ?』
『あーあ、四つん這いレースなのに、四つん這いじゃなくなったら』
『係員が止めに入った!レース中の性交において魔物娘が四つん這いの姿勢を崩すと失格となります』
『奥さんと交わるなら四つん這いでバックじゃ』
『なんと最初の試練だけで半分以上が脱落しました。このまま会場へ戻る頃には何名生き残っているのでしょうか?全く予想がつきません』
『それが不思議の国クオリティじゃ』

「大分、追い抜かれちゃったね」
「これから追い抜けばいい」
「うん」


※第二の試練※


競技場を抜け、草原へと足を踏み入れます。

一見、奇妙な花と場違いな建造物が並ぶ不思議の国ならよく見かける光景ですが

「金色のタマゴ?」

ただいつもと違うのは各所に金色に光るタマゴが設置されていることだけ

「ちっ、一気に追い抜きたいところだけどな、あのタマゴが怪しすぎてスピードがだせねえ」

コーンの言うとおり怪しいです。

「あんっ、不思議と心が落ち着く、もっとシて」

草原のあちこちに選手が魔物娘を四つん這いで犯している時点で

最初はわたしたちのように水分補給をしていると思いましたが

「あれはガチで交わってるぞ」
「そうなの?」
「見ろよ、夫の顔を」

「ぐへへへへ」
「ああん、あん」

「うひひひひ」
「そこは、だめっ」

夫はみんな狂った表情で、妻を犯しています。

「それより、前方にマーチヘアがいる、追い抜くからしっかり掴まってろ!」
「うん」

前方のマーチヘアを追い越そうとした瞬間

パリン


何かが割れる音


パシャ

液体のようなものがマーチヘアの身体に降りかかり

「うっ……ああああああああ!!!!」

マーチヘアに跨る夫に異変が

モミモミ「ああんっ!」ジュパジュパ

突如妻の巨乳を揉みしだき、ウサ耳をしゃぶりはじめます。

その手で妻の腰を乱暴に掴み

大きなキノコをズニュッと突きたて

パンパンパンパン

その場で淫らな性交を始めました。

「もっと、もっと、パンパンしてぇ!」

彼女もレース中であることを忘れたかのように急停止、その場で夫に交わりを促しています。


「何が起こってるの…?」


『選手が次々とコカトリスのフェロモンを液体に凝縮した『金の卵』の餌食になっています』
『不思議の国に住むメンドリーというコカトリスがガンダルヴァの芳香から香水を作られるのを参考に自らのフェロモンを抽出して作り出したのじゃ』
『香水として使われる物ですが、最大のポイントは魔物娘が放つ匂いをコカトリスのそれに変質させること』
『匂いに充てられたオスや夫が、他の事を全て投げ出してそのメスを追いかけ、自らの欲望を捻じ込み、蹂躙したくてたまらなくなるのじゃ』
『犯される魔物娘もコカトリスと同じように強い幸福を感じるようです』
『愉快じゃのう、一日一瓶、一年掛けて香水を献上させた甲斐があったのじゃ』
『当の本人は強引に抽出されるのかなと心配していたようですけどね』
『瓶は卵の殻のように極薄じゃから、遠慮せんでも、その手で、その膝で、瓶を割るとよい。そして愛する夫に犯されるという安心感に包まれるのじゃ。ほっほっほっほ』

コース上に設置されているスピーカーから女王様の笑い声が響きます。

「女王め、常に楽しいことや淫らなことを求めやがって」
「う〜女王様のいじわる〜」
「ただ、意地悪なことばかりじゃないけどさ。前にオレ達に執行した『バロメッツの刑』がそうだったように」
「下半身にバロメッツの果肉を取り込む刑だよね…果肉の弾力で腰が勝手に動いちゃって」
「ベッドの上で弾みながら、リコのキノコがオレの子宮を何度も突く感覚は気持ちよかったぜ?」
「確かに気持ちよかったけど」



(はぁはぁ、リコのキノコがオレの中をノックしてる)ギシギシ
(あうあう、コーンの中も気持ちいいよ)パンパン



はっきりと覚えている分、恥ずかしさもタケリダケ以上だよ〜

「お、コース上に瓶を発見、ルートを変えるぞリコ」
「うん」

コーンがルートを変えようと左手を左に伸ばそうとして

コン

雑草で隠れていた、別の金の卵に当たり

カン

岩に跳ね返り

視界に金色に輝く卵がコーンの頭上に落下

このまま浴びたらコーンが

いや、わたしが我を忘れてコーンを

パンッ

わたしは、その手で瓶を弾き飛ばしました。

手の甲に金色の液体が付着

ペロッ

コーンに付着しないよう香水を舐めとります。生卵とゆで卵が混じったような味がします。

『この香水はメスの匂いを、オスを凶暴化させる匂いへと変えますが』
『じゃが、逆にオスが香水を使用しても、メスは凶暴化せん』
『リコちゃんの咄嗟の判断は正しかったということですね』
『マーチヘアは媚薬を飲もうが飲まんが常に発情して夫を襲いたい欲求があるように、どのみち大して変わらんのじゃろう』

「リコ、匂いきつくないか?」
「ううん、平気」
「無理して香水を飲まなくても良かったんだぜ…」

コーンはわたしを気遣っていますが

「参加したからにはコーンと一緒に完走したい、それに…」
「それに?」

わたしはズボンを下ろし、そのキノコをコーンにあてがい

「自分の意思でコーンと繋がりたいから」

中へ挿入します。

『コカトリスのフェロモンに充てられ二十名の選手が脱落、これで参加者は約三分の一になりました』
『後に後悔する者もおるじゃろう。ここで理性を失って交わった方がマシだったとな』
『女王様も気まぐれですね、彼等をこのレースに雇うなんて』
『そうじゃ、次の試練でそれが実感することになるのじゃ』


※第三の試練※


次に足を踏み入れたのは、岩山が多い平地。

「変な看板が多いな」

丸い看板には、2桁の数字、斜め線、赤い下地に白い横線が一本など、奇妙なデザインが施されています。

「これが、お袋が言っていた『きせいひょうしき』なのか?」
「わたしがいた世界でもこんな看板みたことないよ」

おかーさん曰く、別の世界ではこの看板……標識によって交通安全が守られているようです。

わたしは、とある標識に目が止まります

赤い斜め線をバックに矢印がもう片方の矢印を避けるように進んでいる標識



ビュン!



「ひゃっほう!」

マーチヘアに騎乗する男の人が私たちを追い越しました。

まるでわたし達という矢印を避けるように進んだ矢印のように

「へへん、ガキだからって手加減しないぜ」「ああん、追い抜く姿も素敵よ〜」

「ちっ、追い越された、オレもまけてられるか!」

コーンがスピードを上げようとしたそのとき


う〜 う〜 う〜


サイレンを鳴らしながら白バイ警官が現れました。

「はいそこのマーチヘアとまって〜」

わたし達を追い抜いたマーチヘアに停車を命じます。

「君、この標識の意味解ってる?」
「さあ?」「意味が解ってないのも素敵よ〜」
「追い越し禁止の標識だよ。失格だ」
「はぁ?ちょっと追い越しただけじゃねーか?」「抗議する所も素敵よ〜」
「だめだ、走行を止めてコースを出なさい」

白バイ警官は聞く耳を持ちません。

「追い越し禁止の標識だったのか…」
「追い抜かなくて良かったね…」

う〜 う〜 う〜
う〜 う〜 う〜
う〜 う〜 う〜
う〜 う〜 う〜

その間にサイレンを鳴らしながら、白バイを操縦する警官と婦警が現れ

「スピード違反だ」
「ここは駐停車禁止よ」
「指定方向以外で進行したわね?」
「車両進入禁止の看板が見えなかったのか?」

選手に対して交通違反を取り締まります。

「すみませんでしたぁ!教習所行きは勘弁してください!」

中には四つん這いの姿勢で土下座をする男性や

「ねぇ?これで許して」チラッ

白バイ警官(男)に色仕掛けをする魔物娘もいますが

「四つん這い土下座してもダ・メ」
「っていうか夫がいながら、他の男に色目を使うのはありえないだろ?魔物娘が夫へ向ける愛情や欲望は揺らがないはずだろ」

非情にも失格のキップが切られます。

『愉快じゃのう、面白いように取締りが行われているのじゃ』
『最悪の場合は教習所行き、さらに暫くの間四つんばい歩行禁止となります』
『余が執行する極刑とはまた違った面白さを奴らが執行してくれるのじゃ』
『不思議の国では珍しい職務に忠実な白バイ警官、どんな嘆願を聞き入れず、ハプニングが起きても職務を全うするその精神、感服ものだよ』

「くそっ、標識が多すぎて頭が混乱しそうだ、エロありのハプニングには慣れているのによ!」
「コーン…」



(コーンはマッドハッターとしてはまだまだ半人前ですぐ焦っちゃう所があるわ、だからリコが支えてあげて)



わたしはおかーさんの言葉を思い出します。

「コーン」
「リコ?」
「わたしが看板を見るから、コーンは走行することに専念して」
「……わかった」


「数字の標識があった、スピードを落として」
「ああ」トコトコ


「前方に四つん這いのドーマウスがうとうとしながら走ってる、追い越すか?」
「待って、白バイ警官が見張っているよ」


「喉が渇いた…」
「ここは駐車禁止のゾーンだから少し我慢して……あそこに交わっている夫婦が、あそこなら補給できるよ」
「こい…」
「いくよ」ズニュッズニュッ「出すよ?」
「んあっ、腹が満たされてゆく」


『ちゃんと交通ルールを守る夫婦もおるようじゃのう』
『ここで試されるのは夫と妻の日頃のコンビネーション、妻が興奮して勝手に走っても、逆に夫が調子に乗って妻を走らせては、いずれ検問に引っかかるのがオチ』
『普段からどれだけお互いと会話し、身体を交わし、愛しているかが試されるのじゃ』

「コーン、あそこに最終検問所と書いてある」

婦警が棒のような物を使って夫婦に何かしらの確認を行っています。

「精神状態、正常と確認、通っていいよ」

婦警からGOサインを出され、チェシャ猫が四つん這いで走り出します。

「はーい、そこのバイク、停車して」

婦警の指示通り、一旦停車して

「これに息を吐いて」

差し出された棒のような物に息を吹きかけます。

「異常なし」

続いてコーンにも確認を取り「異常なし」と診断

「精神状態、正常と確認、通っていいわよ、次」

そのままGOサインが出されました。

「何だったのかな?」
「さあ?」

「はーい、そこのバイク、停車して」

わたし達の後続からジャバウォック夫妻がやってきますが


「ぐははは、泣け、喚け」パチンパチン


夫はゲス顔で、ジャバウォックの尻を叩き

「あん、もっと、もっと」

妻もアヘ顔で、尻叩きを強要します。
口から垂れる涎がだらしなく感じます。

「奥さん、凄くイッちゃってるよ」
「見ろよ、お尻から、水滴がぼたぼた落ちてる」

「息吐いて〜」
「うへへ」ハァー
「あはん」フゥー

すると棒の先が赤く点滅

「精神状態、異常と確認。ヤリすぎて興奮したようね、失格よ」

「しっかくだってさ〜うへへ」ギュ-
「やあん、乳首抓られてる♪」

当の夫婦は聞く耳を持っていません。

『淫らに襲いながら運転をする淫襲(いんしゅう)運転は禁物じゃぞ?他の者に迷惑をかけるからのう』
『ここでようやく選手全員が第三の試練を通過しました。試練は残すところあと一つ、この試練を突破して競技場へ戻ってくる夫婦はいるのか!?』


※第四の試練※


わたし達は湿地帯へと足を踏み入れます。

「コーン、地面は泥濘だけど大丈夫」
「どろりとした媚薬の池で泳いでいるから、これくらいのぬるぬる平気さ」
「そうだったね、たまにわたしを池の中に誘うよね」



(やだぁ、ぬるぬるした手で、シコシコしないでぇ)
(へっへっへ、口では嫌がってるけど、キノコは正直に猛っているぜ?)
(あっ!)ビュッ
(おっ、白いネバネバが出てきてますますぬるぬるに♪)



コーンからキノコがネバリタケに変わるほどぬるぬるの液体を浴びながら、全身を擦られたことを思い出していたら…わたし達の周囲から触手が現れ

「きゃっ」

一斉に襲い掛かってきました。

「よっと」

間一髪のところでコーンが回避。

「ここは野生化した触手が多いところか、レース中であるオレ達にお構いなく陵辱するつもりだろな」

その触手は、わたしに目掛けて襲い掛かり

「おっと」

コーンは避けますが、別の触手がわたしを襲います

「コイツら、さっきからリコだけを狙ってやがる」
「多分、マン・マリオネットだよ」
「何!?こいつらが例の男を襲うタイプの触手か」
「正確には触手に寄生された男性が、妻を触手で犯すことしか考えられなくなるの。本来なら触手の森の奥に生息しているけど」
「ここは不思議の国、野生として現れても不思議じゃねーってことか」


現に近くにいる選手の一組が、触手に操られた夫が妻を乱暴に犯しています。

「あはぁん、もっと媚薬粘液入り精液を飲ませてぇ」

勿論四つん這いで。


触手の一本がわたしの目先まで接近

ガブッ

コーンは身体を起こして、触手に噛み付き、指揮のテンタクルが一旦触手を後退させます。

「リコに、指一本触れさせねぇ!オレはリコを犯すのが大好きなんだ!」
「コーン…」
「毎日毎日、お菓子や薬や道具を使って、リコを悦ばせている」
「う〜」
「だがどうしてもリコに勝てない食物がある」


「タケリダケだ」


「タケリダケだと力比べで負けて、逆にオレが喘ぎ声をあげてしまう…」

コーンの悔しそうな顔…

「確かに交わりとしては嬉しい…だけど勝負としては嬉しくない…」

「でも!」

拳を地面に叩き付け、ベチャッと音を立て、泥のしぶきが飛び散ります。

「オレは諦めねぇ!タケリダケを食べても力比べで勝利して、リコに喘ぎ声をあげさせる!いつかきっと!」

コーンは触手たちに向かって

「つまりリコを陵辱していいのはオレだけだ!」

自身の想いを伝えます。

「わかったか!」



テンタクルが、マン・マリオネット達を撤退させてゆきます。

『何ということでしょう、触手達が道を譲りました』
『愉快じゃのう、あそこまで攻めに徹底しておったら、触手達は身を引くのは当然じゃ』

「リコ、スパートをかけるぜ」
「うん」

『じゃが、あのテンタクル共が納得しても、別の刺客達がやってくる』

女王様の言うように、野生化した触手がまだまだいます。

コーンは華麗に、触手をかわしていきます。

「コーン、もう直ぐ湿地帯を抜けるよ」

出口前に魔物化したテンタクルが一人

両手から触手が波のように襲い掛かります

「ダイブして避けてやるよ!」

触手が接近するタイミングを見計らい、大きくダイブ

「よし、ゴールは目前だ」
「うん」



コーンが地面に着地する姿勢に入り



コキッ


「え?」

急にバランスを崩して、転倒するわたしに

ポフッ

テンタクルが、わたしの上に触手を広げ転倒の衝撃を和らげます。

「あ、ありがとう、テンタクルさん」

無事に至らずに済んだと思った矢先



「いててて…」



コーンが右手首を押さえながら横たわっています

「コーン!?大丈夫」
「た、大したことねぇ、泥濘かと思ったら硬い地面だっただけだ。それより、レースを続けようぜ」

コーンは四つん這いの体勢を取りますが

「いてっ」

バランスを崩して倒れこみます。

「多分手首を捻ったんだよ」
「しょうがない、立って走る」
「それじゃ失格になっちゃうよ、四つん這いの体勢で走るのがこの競技のルールだから」
「くそっ、もう少しで完走できるところなのに」
「……コーン」
「リコ、その体勢は」
「乗って」


※競技場※


『選手達が次々とここに戻り、ゴールします』

ざわ、ざわざわ
ざわざわ、ざわ

『おや、観客が何やら騒いでいるようです』

「おい、あれ」「競技場に入ってきたあの夫婦」「レース開始時のトップバッターだった」「でも待って、あの二人……さっきと逆じゃない」「そうなの?」「夫よ」「夫が妻を背中に乗せて四つん這いになってるわ」


『ほぅ、夫が妻を乗せて四つん這いとはのう』


「夫が四つん這い?」「ルール違反だ」「すぐに止めさせろ」「取り押さえるぞ」

『……』
『女王様、杖を持って何を?まさか…』

「君たち、ルール違反で失格だ」ぴょいーん♪
「取り押さえるぞ」ぴょいーん♪

ぴょいーん♪
ぴょいーん♪

『おおっと、女王様が生み出した穴に係員が次々と飛び込んでゆく、二人を撤収させるのでは無かったのか!?』


「はぁ、ハァ」
「リコ、無理するな、ここはオレがイテテ」
「コーンがこの日のために、ずっと頑張ってきたから今度はわたしが、頑張る番」
「膝と掌、痛くないのか?」
「痛くないといったらウソになるけど…」


「でもそれ以上に背中にコーンの温もりを感じるの」


「リコ…」
「これが四つん這いなんだね。コーンと一緒ならどこまでも行けるよ」

『最早彼等の歩行を止める者はいません』
『遠慮せずに進むがよい、困難から這い上がり、一歩、また一歩、一歩ずつ進むのじゃ』
『四つん這いだけど』

「…ばれ」

「がんばれ」

「がんばって!」


「頑張って、リコちゃん」「そうだ、頑張れ!男だろ!」「ファイトだー」「もう少しだー!」


「すげぇ、こんなにも応援してくれるなんて」
「うん、これが不思議の国、皆が楽しく幸せに暮らす、夢の国」

『ゴールはもうすぐだ』



『手を』



『腰を』



『膝を』



『足を』



『身体の全てがゴールラインを越えます』

『ゴール、コーン&リコ夫妻無事完走しました。ただし夫が四つん這いで走ったため、競技ルール上失格となります』
『失格じゃから記録には残らんが、最早その必要はない』
『二人も、ボクも、女王様も、そして観客も、今回のレースを記憶として残ることでしょう』

「頑張ったね」「小さいながら凄いぞ」「よくやったー」「感動したわ」

鳴り止まない声援を耳にしながら、わたしは地面に向けた顔を上げ、みんなの方を見ます。

コーンも照れながらケガしていない左手で観客に手を振ります。

「とお!」

わたし達の目の前に、女王様が現れます。

「うわっ!びっくりした」
「転移魔術で移動で驚くとは、マッドハッターとしてはまだまだ半人前じゃな」
「う、うるせイテテ」
「ほれ、手を出すのじゃ、怪我しているほうの右手を」
「変なことしないよな…手を触手に変えるとか?」
「疑う元気があるならさっさと手を出せ、これは命令じゃ」

コーンはしぶしぶ右手を出すと、女王様の杖から淡い光が放ち

「あれ?治ってる」
「余は類まれなる魔術の才なら、手首の捻りくらい即治せるのじゃ」

「ありがとうございます女王様、コーンのケガを治してくれて」
「何、余を楽しませてくれた褒美じゃよ」

ここは不思議の国

飛び込んじゃう穴、理性を失う香水、厳しい警官、野生化した触手という不思議なことや物が沢山ある異界

そして、ここの住人たちは、とてもエッチでとても優しい。

わたし、この国に来て良かった。


※おわり※
15/04/28 05:32更新 / ドリルモール

■作者メッセージ
おはようございます。
ドリルモールです。


今日は4月28日、四(4)つん這(28)いで、四つん這いの日です。
自分なりの四つん這いを書いてみました。


ここまで読んでくださいまして本当にありがとうございます。

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