読切小説
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白濁の噴出物と最高の贈り物
※不思議の国・タマゴの里※
※シャンプ視点※


今日はホワイトデー、いわば第二のバレンタインデー。
里ではいつも通りお茶会が開かれているけど、今日はホワイトデーらしくマッドハッターとその夫達がホワイトチョコを全身にかけて舐めまわしたりしているわ。


「今日こそは絶対に男をゲットしてみせる」
「この日のために徹夜して買ったのよ」


カウとベレは別の意味で燃えているようね。


「戻ってきたぞシャンプ」


と、あたしの夫が仕事から戻ってきた。


「ホワイトデーの荷物運びの仕事を済ませたぞ」
「お疲れ様リンス。ここしばらくは荷物の運搬ばっかりだったでしょ」

なーに、これくらい平気さと、あたしの夫は高らかに自慢する。

「いいな、シャンプさんは」
「当然のように夫婦で会話してさ」

カウとベレが羨ましそうに見ている。

「そうでもないわよ。アホなところが玉に瑕よ」

あたしのその言葉にリンスはええっ!と驚きの反応を見せる。

「玉に傷!?アホだと金玉をケガするのか!?」

あたしは、はぁーとため息をつきながら、股間を押さえて震えているリンスを宥める。

「玉は金玉じゃなくて宝石よ。それにリンスは立派なインキュバスだから、ちょっとのケガも直ぐに治るわ」
「ほっ、良かった。金玉にダメージを受けるとすごく痛いんだよな〜」


「リンスさんって、思った以上のアホね」
「流石のマーチヘアもあそこまで曲解はしない……と思う」


囁くカウとベレ。
あたしは、わかったでしょ?と言う。

「夫婦で暮らすというのは、淫らにエッチをする訳じゃないの。時には愛する人のフォローで一苦労することもあるのよ」

「それでも羨ましいな。恋愛が成就できて」
「カウ、だからこそ今年はこのプレゼントに決めたのよ」

「プレゼントって何だ?」

「リンスさん、いい質問ね」
「これよ」

カウとベレが取り出したのは、卵型の瓶。
それぞれハート型とスペード型の栓がされた瓶の中には黄金の液体がゆらりと揺れている

「ガンダルヴァの香気から作られた香水よ。徹夜で並んで買った限定五十二個の品よ」
「嗅げば適当な女を犯す獣へと変える香水『金の卵』とは違って、ごく自然に男をゲットできるわ」

カウとベレはにやけた笑みを浮かべながら、香水を見つめている。

「二人とも想い人が見つかるといいわね」

あたしは微笑みながら二人に言う。

「えへへへへ、来訪者の仲良し男性コンビを見かけたら」
「ふひひひひ、この香水で男二人の性欲を掻き立ててぇ」

あたしの激励をスルーして、自分たちの世界に入り込んでいるようね。

「あの二人、ニヤニヤしてちょっと気持ち悪いぞ」
「しーっ、リンス、黙って見守るのはマッドハッター及びその夫として当然のマナーよ」
「わかった、男は黙って見守る」
「二人とも、待っていても男は寄ってこないわよ。外に出て来訪者を探しに行ったら」

「そうね、こっちからアプローチしなくちゃね」
「さり気なく接して、隙を見て処女を捧げるわ」

帰ってくる頃には四人でお出迎えしてねと、カウは里を離れ
カウ&ベレ、ホワイトデー結婚おめでとうパーティーの準備をお願いねと、ベレは言い残して里を飛び出したわ。


「二人ともいつもより張り切ってるな〜」
「今日はホワイトデーだからね。バレンタインデーでのチョコのお返しとして相手が求める物を渡す日よ」
「でも、あの二人は夫を探してるんだろ?」
「ただ、不思議の国ではお返し関係なしに想い人にプレゼントを渡したり、彼氏をゲットするためのプレゼントを用意するけどね」


「はい、あーん」
「あーん、ぱくっ、チョコおいし〜」

「じゃあ、お返しに僕にも熱いホワイトチョコを頂戴」
「上の口と下の口、どっちでも食べれるようにしてやる」


「里の住人の大半が全身にホワイトチョコをかけて、互いに食べあっている」
「当然、ホワイトチョコと一緒に精液をいただくけどね」


「もっと白く染めてあげ……あれ?」

キノコ型のタンクのチューブを握るが、ホワイトチョコは一切出ない。


「白いのがなくなったぞ」
「大変、補充用のタンクがあと一つしか無いわ」

「えっ、そうなの?もっと白に染まりたかったのにな」
「弱ったな、まぁ別に無くても困らないけど、あるかないかで言えばあったほうがいいけど」


表情や仕草には出していないが、マッドハッター達は内心慌てふためいているようだ。

「じゃあ、あたしとリンスが補充してきます」
「隣町に行って分けてもらうのか?」
「隣町もホワイトデーで忙しいから、直接原料を採取しに行くわよ」
「行くってどこへ?」
「お菓子が連なる火山地帯、菓山地帯よ」


※タマゴの里南側※


「そういえば、昨日は朝から晩までお菓子や玩具、宝石類とかプレゼント用の荷物を運んだけど、マッドハッターも宝石とかプレゼントを渡すのか?」

菓山地帯行きのワープスポットへと向かう途中、リンスがそう呟いた。

「プレゼントを渡すこともあるわよ、マッドハッターらしいプレゼントをね」

あたしは頭に被っているキノコを指す。

「自分の帽子を人間の女性に被せてマッドハッターにするの」
「知ってるぞ、マッドハッターの帽子は実はキノコだろ、人間の女性が被るとキノコが胞子を流し込んで寄生させるんだ」

リンスは自信満々に答えたあと、あれ?と首をかしげる

「でも何でわざわざ帽子を被せたがるんだ?この国に滞在すれば放って置いても魔物化するはずだろ?」
「ローパーやスライムキャリアといった寄生タイプの魔物は本能的に仲間を増やしたい欲求があるの」
「じゃあシャンプも仲間を増やしたいのか?」
「そうね、あたしも人間の女性をマッドハッターにしたい気持ちは……まあ無くもないわ」

あたしは人間だった頃のことを思い出しながら答える。

「じゃあ人間の男性も……そっか、男はマッドハッターにはなれないか」
「男にも被せるつもりよ。勿論仲間を増やすためにね」
「あれ?確かマッドハッターのキノコって男が被るとただの帽子になるだけで寄生はしないはずだろ?ただの帽子になったら仲間が増やせないじゃないか」


リンスが首を捻っている間に、目的地へ到着。


「話はここまで、ワープスポットに到着したわ」
「大きい切り株があるぞ、ところでシャンプ、ワープ方法は何だ?」
「菓山地帯行きのワープ方法わね」

あたしはリンスに前屈みになるよう促す。
リンスの大きな後頭部に手を持っていって

「もふっ!」

下腹部をリンスの顔に押し付けたわ。

「切り株の上で、自身の股間を夫の顔に埋めるの、夫のほうは股間から発せられる匂いを一分間嗅ぐの」

それが仕掛けが発動する条件よ、と続けながらあたしは自分の股間が夫の顔に接触しているのを感じ取る。

フー!フー!

「慌てないで、落ち着いて、深呼吸して」

フー、フー、フー……フォー!フォー!フォー!

「そうよリンス、その調子で嗅ぎなさい。妻の匂いを嗅ぐのは夫として当然のことよ」

リンスの鼻息が、膣を刺激する。


ああん、とっても気持ちいい。膣の中が徐々に湿るのを感じるわ。


だけど、夢のような長い時間はあっという間に終わる。


パァー


切り株から淡い光が放ち、光の柱が森の一部を覆い尽く――


※菓山地帯※


周囲に甘い匂いが立ち込める。

あたしは、リンスの顔を引き剥がすと、リンスは驚いた顔をする。

「あれ?森が火山になってるぞ?」
「菓山地帯へと転送したのよ。行きましょ」
「もう匂い嗅ぎはしないのか?」
「あれは仕掛けを発動するための条件よ」
「もっと嗅ぎたかったのに」

リンスは残念そうにあたしについてくる。

「里に戻ったら、好きなことをいっぱいシてあげるから」
「はーい、おっあそこにカップルがお茶を楽しんでいるぞ」


「紅茶をどうぞ」
「んーうまい」


「ここでもカップルがラブラブしてるんだな。暑いのに」
「夫婦の愛はこの程度の暑さでは、バテないのよ」


「今日は素敵なホワイトデーだよ」
「いつも通り繋がっているけど、いつもより気持ちいいよ」


そんなラブラブなカップルの中に孤立している男が一人。


「うう……いいな、ホワイトデーのお返しができて」


「あの男、メソメソ泣いているぞ?」
「多分、バレンタインデーでチョコが貰えないままホワイトデー当日を迎えた来訪者ね」
「バレンタインデーの時もたくさん来訪者がきただろ?」
「ホワイトデーでも恋焦がれる来訪者が不思議の国に招待されるのよ」


「にゃおーん」
「うわっ、なんだお前!っていうかここはどこだ!?」


「当然、バレンタインデーの時のように不思議の国の住人達が来訪者の前に現れるわ」


「ここは不思議の国、アタシは案内役のチェシャ猫よ」
「不思議の国!?」
「君は運がいいわね。ここには恋人が欲しくてうずうずしている女の子が多いわよ」
「はぁ?何を馬鹿なことを」

「このプレゼントもらってくれるかい?」「抜け駆けしないでくださいムニャムニャ私がプレゼントをあげるのです〜ムニャムニャ」「このブラウニー食べたら、舌も身体もトロットロにとろけちゃうわよ?」「我が魔力を込めた魔宝石の指輪をくれてやろう」

「こ、ここは……天国ですか?」
「不思議の国よ」


「餌に釣られた魔界鯉のように一気に群がるわね」
「無理矢理押し付けてるようにしか見えないぞ」


『こんなにも素敵な美少女達が貴方の為に差し出しているのよ、受け取るのが筋じゃないの?』


「でた、あれはえっと、チェシャ猫の吹き込む奴」
「チェシャ猫の囁きは不思議の国に戸惑う者の心に溶け込んでゆくの。例えそのつもりが無くても、その言葉に誘導されるかのように実行してしまう」


『全部じゃなくていいのよ。直感で美味しそうだなと思ったり、欲しいなと思うものを選んで』


「じゃあ……そこの女の子が作ったクッキーをいただくよ」
「あ、ありがとうございます」


『ほらほら、貰ったからにはちゃんと食べなきゃイケないよ』


「……ぱくっ」
「美味しいですか?」
「うん、美味しい、すごく美味しい、市販のクッキーよりも断然美味しい」
「そ、そうなのですか、よかった……」

「良かったねアリスちゃん」「おめでとうムニャムニャカップル成立です〜ムニャムニャ」「カップル成立=エッチするのね!?」「その少女を選んだ自身の英断を誇るが良い」

「フラれたのにもかかわらず祝福してるぞ?」
「お茶会でも住人に夫が出来た記念で一層盛り上がるでしょ?彼氏をゲットするために躍起になる住人も多いけど、ちゃんとカップル成立を祝ってくれる住人もいるのよ」
「でも、カウとベレは必死だったぞ?ガンダルなんちゃらの香水で男をゲットしてやるとかさ」
「あの二人はマッドハッターとしては半人前といったところね。そもそもガンダルヴァの香水は男をゲットするというよりも……」


語っている最中に、男に変化が現れ始めたことに気づく。


「あー、何だか、頭がぽーっとしてきて、下腹部が熱くて、きつい」


『ズボンがきついなら、下着ごと下ろして、開放してあげましょうね』


チェシャ猫の誘導により、男は自らズボンを脱ぎ、膨張した男性器を披露する。


「きゃっ……」
「ごめん、可愛い子の前で」
「いえ、あまりにも大きかったから、びっくりしただけです」

アリスがスカートの裾を握り

「じゃあ、あたしのからだもみてください」


スカートをゆっくりとたくし上げ、小さな生足、白いパンツ、そして上半身を披露する。


『見て、アリスちゃんが可愛い裸を見せているわ』


「うんうん、未発達の乳房から浮き出るピンク色の乳首が見える」


『じゃあ、白いパンツを脱がしてあげましょうね』


男はアリスのパンツを優しく脱がす。

処女の襞が顕わになり、襞がうっすらと濡れている。


『ねえ、ビンビンになったソレをアリスちゃんの濡れた部分にあてがってみない?』


「で、でも」


『美味しいクッキーをくれたお返しがしたいのでしょ?』


「そうだよ、お返しをしなきゃいけないんだ」


「おおっ、一瞬躊躇ったかと思ったら、再開したぞ」
「両腕でアリスちゃんを持ち上げたまま挿入。駅弁スタイルね」


「いくよ」
「きてください…」

小さな襞に、大きな男性器がゆっくりと入り込む。

「あっ、いい。これがセックスなんですね」
「はぁはぁ、持ち上げたままヤルのはちょっとキツイ」
「奥まで入り込んで、コツンコツンと感じます」
「はっ、赤いのが流れてる?まさかこれって」


『気にしなくていいのよ。これから何度でも見れるから』


「もう、出そう。だけど、手の方も限界」
『じゃあ、思い切ってその手を離してみたら?』
「でも、そしたらこの娘が尻餅ついちゃうよ」
『大丈夫、ちゃんとアタシが支えてあげるから』
「信じていいんだね……ごめん、もう限界」


「あっ!あいつ、手を離しやがった」
「結合が解けるわ」


「きゃっ」
「キャッチ!」

チェシャ猫がアリスに尻餅をつかないよう支える。

「でるぅ」ビュクン、ビュクン、ビュッビュッ
「わっ!」
「大丈夫よ。アリスちゃんの全身が白く染まるよう支えてあげるからね」


「チンコから精液がビュルビュル出て、アリスの全身に振りかかってる。まさにホワイトデーだ」
「アリスちゃんも、顔を真っ赤にしながら精液を指で掬って食べているわ」


アリスは小さな手で、再度男の精液を搾る。
抵抗力は無くなったのだろうか、男性器から精液がビュッと飛び出す。


「これからもあの男の精液が噴火するわけだ。火山地帯だけに」



ドーン!


音を立てて、地面の盛り上がった部分から噴火


どーん!


さらに噴火


「って本当に噴火したぞ!何かが流れ出してる!?」


「ここは溶岩の代わりに、男女の絡みによって放出される魔力に反応してお菓子の原料が噴出するの」
「ペロリ……これはイチゴジャム」

「交わりが強ければ強いほど、噴出する量も桁違いに跳ね上がるの」
「こっちは、ゼリービーンズが連続して噴出している」

「だけど一説ではカップルがイチャイチャしている光景を側から見た住人及び来訪者の想いに反応して噴出するとも言われているわ」


「だからこの現象を皆はこう呼んでいるの――」



「 「リア充爆発しろ!」 ってね」




「そうか、あれが噂に聞くリア充が爆発する瞬間なのか〜」

リンスが一人で納得している間にあたしは目的の物が噴出されるスポットを探す。
ふと、温泉のひとつに目がとまる。

「ここの温泉から噴出される原料はホワイトチョコレート……ここでシましょう」


※温泉・ウンディーネの湯※


「温泉に入るから脱いで」
「えっ!?洗うの」

突然のことにリンスは戸惑っているようだが、それは想定の範囲内。

「ちゃんと洗ってあげるから、お風呂嫌いはある程度克服しているでしょ?」
「確かにそうだけどさ〜」

リンスが呟いている間にあたしはリンスの服を脱がせる。

「別に服を着たまま入浴しても特に問題ないだろ?」

と、リンスが本来は口に出すまでも無いとでも言うかのように、サラリと話す姿に。

「服の上からじゃ、まともに洗えないでしょう?」

あたしはそんなリンスの狂気じみた考えを否定するかのように、次々と服を剥ぎ取りすっぽんぽんにした。

数週間ぶりだろうか。

リンスの全裸を見るのは。

抱きつきたくなるような丈夫な胸板。

日々荷物の運搬をしているため自然に鍛えられた筋肉。

そして、あたしの腕と同じ太さを持つ猛々しく膨張した男性器。

転送の際にあたしの股間の匂いを嗅いだ影響なのだろう。

ソレは臍にも届く程の高さにまで勃起していた。

あたしも燕尾服を脱ぐと、細身の身体をリンスに晒す。

ごくりと、リンスが息をのむ音が聞こえる。

図鑑のマッドハッターと比べると大きくはない胸だが、人間だった頃よりも肌はスベスベになり、余分な脂肪が無い細身の身体。

この細い身体で今からリンスの巨大な体を包み込むと思うと興奮するが、あたしはマッドハッター。

すぅー、はぁー

軽く深呼吸して落ち着きを取り戻す。

「ウンディーネの天然水のシャワーで洗うわよ」

シャー

シャワーの蛇口をひねり、水のシャワーがあたしの身体に注がれる。

「次はリンスの番よ」

シャー

リンスの身体にシャワーを浴びせる。

「お〜チンコにシャワーが注がれる〜そういえば身体を洗うのは久しぶりだったな」

シャワーの刺激で、リンスの男性器が震る。
心なしか少し大きくなったかな?
あたしはリンスの男性器に顔を近づけ、そこから香る匂いを嗅ぐ――





やっぱり泡で洗う必要がありそうね。





「どうだ?魔物娘は男性の精の匂いを嗅げば我を忘れて襲い掛かると聞いたことがあるぞ」


リンスがどや顔する中、あたしは息を整える。


「襲う?何を言っているの?」


あたしは得意の泡魔術で、掌から泡を出し


「夫婦一緒に繋がるのは当然のことでしょ?」


泡でリンスの男性器を優しく包み始める。


キャンサーが他の匂いを落とし、綺麗になったところで自らの魔力を刷り込むように。


あたしもリンスの身体にこびりついた汗や垢を洗い落とす。


余分な香りが無くなり、純粋に愛する夫の精の匂いが香る。


精の匂いを嗅げばすぐにも飛び付き貪るが


「もっと、あたしの泡を刷り込ませてあげる」


常に夫との交わりで頭がいっぱいのマッドハッターにとっては些細なこと。


まず股間の前に身体中をマッサージするように擦る。


「はあ、シャンプの指先が心地いい」


伊達に十年以上付き合ってはいない。


「あはは、そこはくすぐったい」


既にこの手は、この指は、


「そこは敏感すぎるからスルーしてもいいよー」


リンスの身体を知り尽くしている。


「ふぅー、仕事の疲れが癒されるなー」


鼠径部をゆっくりと擦り、玉を優しくイヤらしく刺激すれば



「立派なタケリダケの完成よ」



魔力が流れるように血液が男性器に集中し、痙攣と膨張を繰り返しているわ。


「ゆっくりと刺激してあげるわ」


改めて両手で泡を生み出し、熱の籠った暴力的な陰茎を冷たい泡で優しく包み擦る。


ゆっくり、ゆっくり


「はぁー、はぁー」
「先端から透明なローションが出てきたわ」


ローションを指で掬い、それを潤滑油にして塗り込む。


ねちゃねちゃと音をたてながら少しずつ刺激の速度を早める。


それに比例するかのように陰茎はより痙攣する。


「もう、出そう」
「もうなの?しょうがないわね」


あたしは立ち上がり、我慢の限界が近い陰茎を自らの襞にあてがう。


アリスちゃんが男性から挿入される瞬間を思い出しながら


「んっ、入ってる」


陰茎の先端があたしの子宮の入口に到達したと同時に、リンスは果てる。


噴火のような熱く、蒸気の暑さよりも遥かに暑い体温が全身を包む。


「はぁはぁ、うっ、き、気持ちいい」


頭が掻き回されるような感触。


精を受けた身体が反応し、新たなキノコが生える。


「いつ見ても、頭からキノコが生える瞬間は不思議だな〜」
「それよりも見て、大地があたし達の交わりに嫉妬したみたい」


どーん どーん どくどくどくどく


放出された魔力に反応したのか、周囲の地面からホワイトチョコレートが噴出している。



だけど、あたしはあえてリンスの性器に残っている精液を搾り出す。

「リンス、射精が終わったら、ホワイトチョコをタンクに詰めるわよ」


※入浴終了※


「白いのがいっぱい出たな」
「そうね、こんなにいっぱい出ちゃったね」

あたしはリンスが所持している白いものを詰め込んだ二つの丸いタンクを見る。
タンクの中は白くてドロドロしたものがユラユラと揺れている。

「そういうシャンプも白いのが詰まっているぞ、まるで妊娠しているみたいだ」
「もう、リンスったら」

あたしが抱えている白いチョコレート入りのタンクを見てうっとりする。


「なぁ、シャンプ。男女がこっちを見ているぞ?」

リンスの言うとおり、男女がこちらをじっと見ていたわ。

「リア充爆発しろと思っている男女か?」
「うーん。見た目的にカップルっぽいけど」



「なあ、君、マッドハッターだろ?」



男のほうが声をかけてきた。

「頼む、帽子を譲ってくれ」

どうやら、あたしの帽子を欲しているみたい。

「案内役のチェシャ猫から聞いたんだ。ホワイトデーの日に想い人にプレゼントを渡せば恋愛が成就すると」

男は恋人と思われる女性を見ながら言い、女性の方も不安そうに男を見守っている。
あの様子だとまだ不思議の国に適応していないようね。
男の方はチェシャ猫に吹き込まれたのか、不思議の国の狂気に充てられたのかは判らないけど、既に恋人を魔物化する気でいるようだ。

「いいわよ。丁度新しい帽子を生み出したところだったから」

先程、リンスとの交わりで産み出した帽子を男に差し出す。

「ありがとう、早速被せるよ」
「待って、その前に自分で被ってみて」
「えっ、でも男が被ると普通の帽子になるんじゃ……?」
「百聞は一見にしかずよ」

男が帽子をかぶると、菌糸が消え、裏地が変化して、普通の帽子へと変わる。

「やっぱり普通の帽子になったぞ」
「次はそれを彼女に被せてみて」

男がしぶしぶ女に帽子を被せると、女性が帽子を押さえこむようにしゃがみ込む。

「うっ、あああ あああ 」

最初は抵抗していたが、やがて落ち着いてきたのかゆっくりと立ち上がり

「はぁはぁ、あれ?頭がスッキリしてきたわ」

女が被っている帽子には消えたはずの菌糸が復活しており、裏地には襞が見える。
表情のほうも先ほどと打って変わって、落ち着いている。

「おめでとう、彼女はマッドハッターになったわ」
「どういうことだ、またキノコに戻るなんて」
「普通の帽子になった後に人間の女性に被せると、キノコに戻って寄生するの」


「さっきから頭の中があなたのことでいっぱいなの、あなたのキノコでいっぱいにして」


「さらに想い人の精が混じった状態で被せると、キノコに精が混ざってより性的な思考を持つマッドハッターとなると言われているわ」

「そ、そうだったのか」
「このまま脱がすわね」

男は納得している間にも女がさりげなく男のズボンを下ろし、キノコをそそり立たせている。


「リンス、戻るわよ」
「いいのか?最後まで見届けなくても」
「いいのよ、あたしは帽子を差し出しただけだから」


振り向けば、女の顔は既に白く染まっていた。



「末永くお幸せに」



※タマゴの里※



「よし、タンクの補充完了よ」

あたしとリンスはタンクの設置を終えると、里のマッドハッターたちがタンクに群がる。

「白いのが出る出る」
「よーし、『ホワイトチョコ補充記念パーティー』として盛り上げるぞ」
「そうだね」


「あっ、カウとベレが戻ってきたぞ、でも二人だけだ」
「どうしたの二人ともやけに早いわね?」

カウとベレは元気のない声で答える。

「それがガンダルヴァの香水を身体に振りかけて」
「片っ端から男達に声を掛けてみたけど」
「君たちのような女性を汚すわけにはいかないって」
「無理矢理手を出すのは禁忌に触れそうな気がするって」

カウとベレは叫ぶように

「「男をゲットするどころか、避けるようになったのよ!」」

互いに抱きつき泣きじゃくる。

「大丈夫よ、二人とも」

あたしは、二人を諭すように言う。

「そんなに慌てなくても、いつかは想い人に出会えるわよ。あたしのようにね」

「シャンプさん」
「シャンプさん」

「ちょうどホワイトチョコの補充が終わったから、お茶にしたらどうかな?」

「そうね、ベレ、紅茶をたらふく飲むわよ」
「紅茶の上にホワイトチョコをトッピングしてやるわ」

カウとベレは紅茶のポットとカップを持って、タンクへと向かう。
去り際にガンダルヴァの香気が香る。

「いつか、二人にも想い人に処女を捧げるよう願っているわ」

それにしても、ガンダルヴァの香りって、いい香りね。
香ばしい香りに子宮が疼いてくるわ。

「あーっ!しまった!」
「どうしたの?リンス」
「俺、シャンプにプレゼントを用意してなかったんだ!」

あたしはくすくす笑い

「わざわざプレゼントを渡さなくても、充分プレゼントは貰っているわ」

リンスを抱きしめる。

「リンスと出会えたことが最高のプレゼントよ」
「そういわれると照れちゃうな」
「ねぇ、今度はリンスの白いのであたしの体を、汚してくれる?」

あたしはリンスの巨体をそっと押し倒し、お互いにズボンを脱がしあい。


あれだけ射精したにも関わらず、未だに膨張する性器をあたしの膣に宛がい――



あたし達のホワイトデーはまだまだ終わらない。



※おわり※
15/03/14 00:25更新 / ドリルモール

■作者メッセージ
ドリルモールです。

不思議の国のホワイトデーのお話。
何とか書き上げました……。


次は、ケット・シー読切もしくは『麗人達』の続きを書く予定です。


ここまで読んでいただき誠にありがとうございます。

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