読切小説
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星覆い隠す外套と認識のランタン
※星空山・豪雪地帯※
※サンディ視点※


世界のどこかにある高い高い山


まるで星空を貫くような高さを誇るその山の一角に、一年中吹雪が舞う場所がありました


これは人が住めない筈の地帯に住む魔物娘の一族のお話



はじめまして ウェンディゴのサンディです


今日は雪山で遭難しているとある男性を助けるべく、彼の跡を追っています


『――そっちじゃないですよ』


わたしは後ろからこっそりと彼に囁きます


「またこの声か」


彼はわたしの声しか認識いないようで、姿は認識していません

わたし達、ウェンディゴは雪山で遭難した人達を無事下山すべく、姿を見せずに声を掛けて正しいルートへと誘導するのです


『――こっちの道なら安全に行けますよ』


直接姿を現さないよう、こっそりと道案内するのがわたし達ウェンディゴの役目です

こうして、何人のも遭難者の命を救ってきたのが、わたし達の誇りです

中には助けてくれたお礼として、わたし達の集落に来てくれた人もいるようです

この前も友達のエンディちゃんが助けた男の人が集落にやってきたのです!

男の人がエンディちゃんにフードの中を見せてと優しく頼まれて、エンディちゃんはフードを恐る恐る開けると、その人がエンディちゃんを押し倒して、覆い被せるように二人は――キャッ♥

わたしもあんな風に素敵が恋が出来たらいいけど、わたしは男の人はちょっと苦手なのです従来のウェンディゴ以上に

何故なら男の人を間近で見たことは殆どありませんから

ウェンディゴと結婚した旦那様の多くがフードの中へと隠ってしまうからです

わたしはパパの顔をよく知らなくて、ママの頭を片手で掴む大きな手と、巨大な棒とそこから流れ落ちる白く汚れた体液を認識しているくらいで

事実、エンディちゃんの旦那となった人もあれ以来顔を見ていなせん

見た感じは優しいお兄さんと呼べる、好青年だったのに


『――そっちじゃありませんよ』

今日は調子が悪いのかな


その人は中々誘導してくれません

「誰だ! 俺を呼ぶ声は!」

エンディちゃんの時とは対照的にガラの悪そうなお兄さんが叫びます

その人は周囲を何度も、睨むように見るのでわたしは見つかるのかとドキッとします

やっぱり男の人は苦手だよ

それにどちらかと言えば大きな動物さんが好きだし

何も言わず、怒鳴らず、優しく接してくれるから好き

あーあ、毎年大きな大きな魔界豚さんがわたしの集落に遊びにくるのが楽しみだったな

大きな豚――名前は確かトンスケの上からメイドさんが黒髪の女の子抱えてくるからいつも驚いて腰抜かしちゃって

お嬢様のような女の子が籠いっぱいに詰め込んだ恋の果実とかをお裾分けしてもらって、村長さんや結婚してる人達は喜んでたべてて、わたしも一口丸ごと食べて美味しいと思った、他の人に分け与えたいくらいに

だけど一昨年はメイドさんから別れを告げられて暫くはここに来ることはありませんって言われて、がっかりだったよ、なんて日だ!と思ったよ

メイドさんと一緒の女の子が夫探しの旅に出るって言うから仕方がないとは思ったけど

もっとその娘とお話したかったな……

ううん、そんなこと言っても仕方がない!

いつものように影からこっそりと――


あれ?



倒れてる



どうしたの? つんつん つんつん



動かない



ど、どうしよう。昔ママから注意されてたんだっけ

人間の男はわたし達と違って寒さに弱いって

このままじゃ、この人が


そうだ、確かこの近くに洞穴が



ズルズル…


※ディーゴ視点※



俺の名はディーゴ


トォーク領にある教団国家、ギヤーツ教国の一兵士だ


今回はこの豪雪地帯の調査任務にあたっていた工作員の行方を追って豪雪地帯へ向かうことになった


上層部の報告によれば、その工作員は一旦は雪山を降りたらしいが、「案内してくれた女の子にお礼が言いたいと」と近くにある街で通信したのを最後に連絡が途絶えたらしい

当初はその街にすむ魔物娘に襲われた可能性もあったが、街の住人達等はそいつは山へ向かったとの目撃情報が次々と出てきた

魔物娘ならまだしも人間も同じ証言しているから信憑性がある


自警団の集会所にて、何故か男物の服を着て両腕に鎌を装備した女から 「これで迷わない」 と親切にも豪雪地帯行きの地図を貰い


港の船着き場で、石板から取り出した恋愛小説らしき本を読んでいた人魚から 「これあげるから邪魔しないで、今丁度、人間の女の子がマインドフレイアにあたしを魔物にしてと股間をグッチュグチュさせながら頼み込むシーンに入っ(ry」 と魔導式のランタンを無理矢理渡されて


途中で立ち寄った街外れの教会に住む分厚い丸眼鏡をかけたシスターから 「女の子の服を無理矢理剥がしちゃダメよ♥」 とよくわからん忠告は受けたが、雪山へ向かう無謀なことをする俺をからかっているのだろうと思う



そして、俺は意気揚々と豪雪地帯を登る

工作員の奴は大方、調子に乗ってまた遭難したのだろう

山に戻らず素直に帰還すれば良かったものの

仮に手遅れだとしても工作員の自己責任だということで、俺に責任が追及されることもないし

うまく工作員を救出出来れば、連続任務達成記録更新、昇進確定だ!





いや、そもそも俺はなぜこんなに長ったらしい語りをしているのだろうか?



そもそも俺は――雪山をさまよって――女の子の声が聞こえてきたんだ――可愛らしい女の子の声で山を下りる道案内をされて


でも俺は怖くなって――そいつの声を無視して出鱈目な方向へと歩いて――寒さのあまりとうとう力尽きて





ここで俺は覚醒する


目の前には目元をフードで隠した女の子らしき顔が見えた


※洞穴内※
※サンディ視点※


「ここは…」


どうやら目を覚ましたようです

幸いにも彼が持っていた魔導式のランタンのおかげでこの人の体を暖めることが出来ました


「君は――」


まずい! 顔が見られちゃう

わたしは慌ててランタンの灯りを消して、顔を見えにくくします

わたしは喉元をトントン叩きながら彼に告げる


「ドウモ、雪の中デ、あなたを発見シテ、助けたものデス」トントン


こうやって喉元を叩きながら喋れば、彼はわたしをさっきの声の人だとは思わないでしょう


「そうか、誰か知らんが感謝する」
「イエ、人間を助けるのは、当然のことデス」トントン
「そういう君も人間だろ、ダミ声だけど」
「そ」 「ソウデスネ、わたしも人間デス」トントン
「ところで君はここに住んでいるのか?」
「ハイ、この近くの集落に住んでイマス」トントン
「そうか、一つ聞きたいことがあってな」
「ドウゾ、帰り道なら案内シマス」トントン
「それよりもまず、この男を探しているのだが」


と、彼はポケットから魔導写真を取り出す

写真に写っていたのは、優しいお兄さんと呼べる、好青年


「アレ?」トントン
「知っているのか?」
「知っているも何モ」トントン 「友達のインディちゃんが道案内した人ですよ」
「そうか、ならばそいつと会わせてくれ!」
「ちょっと落ち着いてください」
「俺は今すぐにでもこいつを連れて帰らねばならん、昇進がかかっているんだ!」
「こんな吹雪の中じゃ危険ですよ」
「心配ない、君はこの豪雪地帯に詳しいんだろ?」
「確かにそうですけど」
「それにさっき、俺に声を掛けてきたじゃないか、その可愛らしい声で俺を道案内して――あれ?」
「確かに道案内しようとしましたけど、結果的にうまくいかなくてこうして洞穴の中へ避難させて――あ」


わたし、喉元をトントンするの、忘れてる


「君か、後ろから俺に囁いた謎の声は」
「イエ、ナントノコトヤラサッパリ」トントン
「誤魔化さなくていいから、とにかく、俺をその集落へ案内してくれ」


男の人が周囲を見渡しています


「どこにいるんだい?」

洞穴の中は薄暗いため、わたしを探すのに苦労しているようです

「あった、このランタンなら」

と、男の人が先ほど消したランタンに灯りを灯すと

「ようやく君を認識できた、早速道案内を頼む」


そう言って男の人がじりじりとわたしに近づいてきます

「頼むよ、昇進がかかっているんだ」

まるでわたしを襲うかのように


わたしは思わず後退り


「そんな照れないで、昇進したら君にもお礼をするから」


さらに後退り


「どうした、もしかして今お礼が欲しいのか?」


また後退り


「遠慮しないで」


後退り


「フードで顔が隠れてよく見えないな」


後退


「もっと顔をよく見せて」





「さあ」パサッ


彼はわたしのフードを軽く下ろして、顔が露になります


「結構可愛い顔をしてるじゃないか」
「そ、そうですか?」
「そんなに可愛いのにフードで隠すなんて勿体ない」


手はやがて首から下、フードをとめるボタンへと手にかけ

ボタンを外し、フードが落ちて、華奢な体が露になります


「細くて、腕もお腹もプニプニしてる」
「やっ」

わたしの貧相な胸を優しく揉み、腕や腹、そして

「濡れてるよ」

何の躊躇もなく掌でわたしの下腹部を触り


「やん♥」プシュッ シャァァ


慣れない快感で達してしまいます


「暑くなってきたな」


洞穴の外は吹雪いているにも関わらず、彼は服を脱ぎ始めます


ズボンを脱ぐと


「熱い」


大きく膨張し、熱を帯びた男性器がわたしの目の前に――


「厚い、熱い、暑い」

彼は男性器を鎮めようと必死にしごきますが、益々膨張していくだけ

厚みを増す男性器からの熱により、洞穴全体が暑くなりそう

このままじゃ、わたしも倒れちゃう


「――あの」
「はぁはぁ!」


わたしは腰を下ろし、両足を上げ

「そんなに苦しいなら」
「はぁはぁ!」


小さな指先で、わたしの下腹部の襞を開きます


「わたしで良ければ」
「はぁはぁ――」






「ウォオォオ!」



獣のような叫び声をあげながら、その膨張した男性器を、開ききった襞の中へと挿入さ――


「ああんっ♥」


お腹を貫くような槍がわたしの膣を子宮を埋めつくしてゆくぅ♥

パンパン!と何度も突かれてゆくぅ♥

子宮を突き破って、お腹を刺すような痛みなのに、気持ち良さが上回って――厚くて、熱くて、暑いよぉ♥


ビュルルルル


と思ったのに、それ以上に熱を持った体液がわたしを襲っちゃった♥

それでも未だに獣のような声を上げながら、衰えることのない突きを繰り返えされるよぉ♥

ママが嬉しそうにパパの体液を垂れ流しながら交わる気持ちがわかった気がするぅ♥


ビュルルル


あんっまた体液が――



※そして※

※ウェンディゴの集落※


こうして、わたしは彼――ディーゴと結婚しました

今ではわたしの集落で暮らしています

彼も最初は昇進どころか追放は免れないかと困っていたが、今ではわたしといる方がいいって♥


そんなある日のこと――


「フードの中にいる夫を見たいって?」
「お願い、ディーゴがどうしても確認したいって」
「しょうがないわね。友達のよしみよ」
「ありがとう」
「って言うか、サンディも夫のイケメン顔を見たいのでしょ?」
「うっ、強ち間違ってないかも……ううん、今はディーゴ一筋よ!」
「はいはい、オープンよ」チラッ
「どうディーゴ? 本人で間違いない?」


『暗くてよく見えん』


「ですよねー、二人とも夫をフードの中に覆い隠してるからね」
「そうだわディーゴ、あのランタンを使ってみたら」
「んっ、もう…エッチがしたいの? いいわよ♥」

エンディちゃんの顔が崩れ、足の間から体液が垂れ始めます

そういえば、ウェンディゴの行為を間近で認識した男性は正気を失って――


『よし、ランタン点灯』



ピカッ





『ウオァォォ!』ズボッ
『ウッホッォ!』パァンパァン!



「「あんっ♥」」



※おわり※
15/06/27 01:06更新 / ドリルモール

■作者メッセージ
夜分に失礼します。
ドリルモールです。



 四時間掛けてウェンディゴを書いたぞ!



 と衝動的に書けたのは彼女を一目見て正気を失ったのかもしれません。



 キャラクター紹介、今回はウェンディゴのサンディです。





キャラクター紹介
【名前】サンディ
【性別】女
【年齢】18
【種族】ウェンディゴ
【容姿】全身及び目元を隠す小さな外套→図鑑の大きな外套+ディーゴ
【一人称】わたし
【口調・口癖】普段はですます口調を心がけてるが、気を抜くとそれがなくなる
【能力・特技】囁き
【概要】
 星空山の豪雪地帯にあるウェンディゴの集落出身にウェンディゴの少女

 行方不明の工作員を探す途中で遭難したディーゴを助けた際に、声と外見の魅力に惑わされたディーゴに襲われ夫婦となる

 その後、星空山に近くにある街スターシャンにて、シー・ビショップの立ち会いの下、結婚式をあげた

【補足事項】
 ウェディング後も、ディーゴとたっぷりと繋がった。

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