ドラゴン・ア・ゴーゴー
「失せろ、人間共。そして、二度と来るな」
「クソ!撤退だ!撤退しろ!!」
火傷を負った腕を庇うように教団の男が叫ぶと、その部下達もまるで蜘蛛の子を散らすように洞窟から逃げていく。
その光景を冷めた目で見つめ、すっかり荒らされた住処を見回しドラゴンのトゥルソは深いため息を吐いた。
偉大な魔物、ドラゴン。他の魔物と比べ、尋常ではない魔力をその身に宿す彼女達は恐れられると同時に、一部の地域では神として崇められている。
しかし、トゥルソは神として崇められているどころか、人類の敵…魔物として忌み嫌われる存在であった。昔からこの土地はトゥルソの縄張りであり、彼女はここで静かで平和な生活を送っていた。それをここ最近、教団と呼ばれる連中が近くの街に現れトゥルソを討とうと兵士を送ってくるようになったのだ。
すでに2桁にも上る討伐団が彼女の住処に攻めてきたが、トゥルソはそれらを全て追い返している。中には勇者と名乗る者もいたが、彼女には敵わなかった。元々、ドラゴンは人間が相手できるような魔物ではない。トゥルソが本気を出せば人間など一瞬で灰にする事が出来るのだが、トゥルソは一度も教団兵の命を奪った事は無かった。人間の命を奪う事を考えるだけで吐き気がする。それも新しい魔王となったサキュバスの影響だったが、どうでもよかった。
「……チッ」
かつては宝石や絵画が並び綺麗に装飾された住処だったが、今ではすっかり殺風景になってしまった。それも頻繁にやってくる教団兵から守るために隠したためだ。
剣や魔法、トゥルソ自身の炎によって部屋は見るも無残な状態だ。さっきまでの戦闘の残り香が漂い、トゥルソは頭痛を覚えた。
「……」
ここにいても気が滅入るだけだ。しばらく外で過ごし、気が向いたら戻ってくればいい。そう自分に言い聞かせ、トゥルソは大きな翼を広げるとそのまま洞窟から飛び去った。
「ふぅ〜…」
トゥルソは洞窟から出ると、近くの山の頂上に腰を落ち着けた。ここは彼女のお気に入りの場所だった。他の魔物娘もいない、まして人間もいるはずのない彼女だけの空間。季節が変わればそれぞれの四季特有の景色が視界に広がり、決して飽きる事の無いこの場所は一番の宝物と言っても過言ではない。
黒い甲殻が日光を反射し、鈍く輝く。白い肌に太陽の光を浴びながら、トゥルソは気持ち良さそうに横になった。
トゥルソは他のドラゴンと違って緑色の鱗や甲殻ではなく、黒い鱗と甲殻を持っていた。彼女の母は緑色だった事から突然変異なのだろうがトゥルソはそれを特に気にしていない。それどころか、自分が何か特別な存在に思えるのでこの黒を気に入っている。
「んー…は、あぁぁ…」
草の香りを肺いっぱいに吸い込み、温かな光に包まれていたが、不意に気配を感じトゥルソは勢い良く起き上がるとそのまま振り向いた。
そこには男が立っていた。
長身でがっしりとした体、薄い髭が口周りを覆い、トゥルソを見つめる眼は野生の獣を連想させる。薄汚れた服から、この男が教団の兵では無い事が分かる。それでも油断はできず、心を許す事もできない。
この男が街から来たのならば、トゥルソの事を知っているはずだ。教団ですら手こずる魔物を倒したとなれば恐らく最高の名誉と一生かかっても使いきれない財を与えられるはずだ。そのためならば何でもするだろう。人間の欲深さをトゥルソはよく知っている。
「…ここまで来るとは驚いたぞ」
威嚇を込めた声色に男も多少怯むかと考えたが、男は動きを見せずただ立ち尽くしている。眉間にしわを寄せたその顔からは何を考えているのか分からない。
「ふん、まぁいい。どうせ貴様も私の首を取りに来たのだろう?」
「……うん?」
「とぼけるなッ!ただで貴様を帰すわけにはいかんッ!貴様の体にも刻みこんでやる、ドラゴンに歯向かうという事がどれだけ愚かな事かをなッ!」
そう吠えると同時にトゥルソは巨大な翼で空気を叩き、男へ一直線に向かった。
殺すつもりは無いが、無事に帰すつもりも無い。この男を見逃せば調子に乗った連中が後から続々とここに来るだろう。それを防ぐためにも圧倒的な力で叩き伏せ、あの街の人間達に知らしめてやるのだ。ドラゴンに挑む事が愚かだという事を。そして、トゥルソ自身がそっとしておいてほしいという事を。
風のような速さで男に迫り、トゥルソは黒い剛腕を男に振り下ろした。もちろん全力ではない。ある程度、手加減をしている。手加減とはいえ人間相手には充分すぎる。
しかし、男はトゥルソが反応するよりも速く振り下ろされた腕を流し、トゥルソの腹に掌打を叩きこんだ。
「ぅがッ…!」
すさまじい衝撃が内臓を伝わり、背骨を通し全身に広がった。トゥルソは驚愕と痛みに目を白黒させ、一瞬思考が止まる。男はその隙を見逃さず、背負い投げの要領でトゥルソを地面に叩きつけた。
勝負は驚くほどあっけなく、一瞬で終わりを告げた。
「ぐあッ!あ、ぐ…!」
呻くトゥルソに男は馬乗りになるとトゥルソは動けなくなっていた。彼女の頭をある現実が占めていたからだ。
人間に負けた。手加減していたとはいえ、誇り高いドラゴンが人間に負けてしまった。
痛み以上の衝撃がそこにはあった。
それと同時にトゥルソの奥底に眠っていた魔物娘としての本能が目を覚ました。
目の前のオスに負けた。
私より強いオス。
私は彼より弱いメストカゲ。
この男の子を孕まされるだけのモノ。
そう考えるとトゥルソは跨っている男をただただ見上げる事しかできなかった。
(ちょっと…やりすぎたかな?)
襲ってきたドラゴンを倒し、跨りながらゴウマはやりすぎたと感じていた。
彼は世界中を旅する武人であった。故郷に残した家族達は彼が強くなるために旅立ったと信じ、寄る街々でもそういう目で見られ、激励の言葉を何度もかけられた。
しかし、ゴウマは強くなる事にこれっぽっちも興味は無かった。そんな彼が本気で強くなるための旅などするはずもない。
ゴウマの目的は『魔物娘を嫁にする事』だった。
彼の故郷は親魔物領であり、友人や道場の仲間達は皆魔物娘の嫁がいた。種族は違うが、どの嫁も美しく、健気に尽くしたり、いたぶりつつも深い愛情を与えてくれる女性ばかりだった。
しかし、ゴウマには運が向かず、故郷では魔物娘を嫁にもらう事は出来なかった。
魔物娘の嫁を貰うためにゴウマは旅を始めたのだ。それも幼女体系の魔物娘を。彼はロリコンではないが、幼女体系が好きな男だった。
しかし、彼には嫁が出来なかった。船が魔物娘達に襲われても彼だけ何も無く何処かの浜へたどり着き、森で襲われれば他の冒険者達が交わっている中、1人だけ穴にはまって魔物娘達に気が付かれないなんて事もある。さっきもそうだ。同じジパングから来た3人の冒険者と一緒にいたのだが、途中でデーモンに襲われ、その3人と離れ離れになってしまったのだ。
そんな調子で気が付けばゴウマは既に30前半の歳になっていた。
「お、おい…大丈夫か…?」
ドラゴンはジッとゴウマを見上げ、何も言わない。ただ男を見つめるだけだった。気のせいか頬が赤くなっているような気がしないでもない。
男はバツが悪くなり、立ち上がるとドラゴンに手を差し伸べた。
「すまん…やりすぎた。立てるか…?」
ドラゴンは差し出された手と男を交互に見つめ、その手を掴み立ち上がった。さっきの戦闘で気が付けなかったが、目の前のドラゴンがかなりの美貌の持ち主である事にゴウマは気が付いた。
淡い紫色のセミロング、整った顔立ち。黒い甲殻や鱗は聞いた事があるドラゴンとはだいぶ違う。ゴウマの掌にも収まりそうにない胸は並の巨乳ではない。気の強そうな目は男を捉え、端が下がっている。気のせいだと思っていたがその頬はやはり赤く染まっていた。
「大丈夫か…?痛いところはないか?」
「…うん」
ゴウマの言葉にドラゴンは素直に頷く。それにゴウマは違和感を覚えた。先ほどまでの攻撃的な態度からは今の素直な反応は考えにくいが、気のせいだろうか?
「おい、本当に大丈夫か…?」
「…うん、大丈夫」
何か調子が狂う。
照れくさいとは違う何と言えばいいのか分からない何かが胸にはりつく。ゴウマがそんな何かに悩んでいると、ドラゴンが口を開いた。
「名前…」
「ん?」
「名前、何て言うの?私はトゥルソ」
「俺か?俺は…ゴウマだ」
「ゴウ、マ…ゴウマ…ゴウマ」
その名の響きを味わうようにトゥルソは何度もゴウマの名前を呟く。
そして
「ゴウマ!ゴォマァーッ♪」
トゥルソはゴウマに抱きついた。
「うぉ!?」
抱きつかれた勢いでゴウマは地面に倒され、その上にトゥルソが跨る。さっきとは逆だ。体を強く打ったものの、大した痛みは無い。今はそれ以上にこの状況に頭が付いてこなかった。
トゥルソはゴウマを押し倒したまま抱きつき、ゴウマの胸に嬉しそうに頬ずりをしている。先ほどまでの高圧的な態度や不機嫌そうな表情が嘘のように、今は子犬のようにゴウマに甘えていた。
(ど、どうなって…そういえば、確かドラゴンって…)
何かの本で読んだ事はあったが、ドラゴンは自分を負かした男を自らより強いオスと認め、従順で素直なメストカゲとなってしまうというのだ。トゥルソもさっきの戦闘でゴウマを強いオスと認めてしまったのだろう。
「んん〜♪ゴウマ、ゴウマァァ♪」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
「なぁに?」
トゥルソはニコニコと笑い、ゴウマを見上げてくる。まるで子どものように無邪気な笑みを浮かべるトゥルソにゴウマは熱いモノを感じた。
(くッ!落ち着け、俺!…俺が好きなのは幼女だ。幼女の魔物娘と…)
「…ちゅ」
不意に、唇に湿ったものを感じる。何をされたのか分からずゴウマはしばらく固まっていたが、上目づかいに見つめてくるトゥルソがペロッと舌を出すのを見てキスされた事に気が付いた。
「えへへ、隙あり♪」
(あ、俺の負けだわ。これ)
悪戯っぽく笑うトゥルソにゴウマは彼女に惚れた自分がいる事を自覚した。
それからしばらくして
「それでね!いーっぱいやっつけたんだよ!あ、でもね!誰も死なせたりはしなかったの!」
「そ、そうか。トゥルソは優しいんだな」
「えへへ♪」
教団の兵士を倒した話を得意げに話すトゥルソの頭をゴウマが撫でてやると、トゥルソは嬉しそうに目を細める。撫でてくるゴウマの手の感覚をトゥルソは味わっていた。
あれからどのくらい経ったか分からないが、座り込んだゴウマの足に座りトゥルソはずと抱きついていた。ゴウマの首に腕を回し、腰に足を回しながら抱きつく様はいわゆるだいしゅきホールドである。自分の話をしながら、時々ゴウマの首を舐め、耳を甘噛みしてくるトゥルソに地上の王者の面影は微塵も無い。
魔物娘の嫁を貰う。その目的をゴウマは達成したが、これからどうするべきか。
トゥルソの話ではこの山を降りた街は反魔物領なので、寄る事は出来ない。そうなると、親魔物領まで行かなければならないが、恐らくは遠いだろう。反魔物領の近くに親魔物領があるとは考えにくい。しかし、いつまでもここにいるわけにはいかない。いつ教団兵が攻めてくるか分からないのだ。
どうしたものか、とゴウマが悩んでいると
「ね〜、ゴウマァ…」
トゥルソが甘えた声でゴウマを呼ぶ。
「どうした?」
「あのね、トゥルソね、水浴びしたいの」
「み、水浴び?」
「うん。でね…ゴウマも行こ?」
抱きついてくる力が強くなる。
それどころじゃない、とゴウマは言いかけたが言葉を止めた。少なくとも、この場所から離れる事なら問題は無い。問題はその水浴びを何処でやるかだ。
「その水浴びは…どこでやるんだ?」
「えっと…ちょっと遠い湖なの」
「どれぐらい遠いんだ?」
「山を4つ超えるくらいだよ?」
山を4つ超える事をちょっとと言える当たり、価値観のズレを感じたがそれほどの距離ならば一時的に腰を落ち着ける事が出来るだろう。
その後の事はそこで考えればいい。
「よし、分かった。行こうか」
「ホント!?やったー♪」
そう言うが否や、トゥルソはゴウマを抱き抱えると勢いよく飛びあがり、空を駆け抜けた。
「ちょ、トゥルソ!は、はや、速い!はやすぎいぃぃやぁぁぁぁぁぁッ!!!」
4つの山が残像のように飛んでいき、数分でゴウマはトゥルソの言う湖に降り立った。
山の中にぽっかりと開けたその場所の中央にはすっかり暮れて赤くなった空を映しキラキラと反射する湖だけがあり、その光景はまるで1枚の絵のようだった。
しばらく休ませてもらったゴウマは服を脱ぐとトゥルソに手をひかれ、湖に入っていく。湖は思ったより深くなく、ゴウマの腰ほどの水位しかなかった。水は思った以上に透き通っており、時々小さな魚が足下を通り過ぎていく。
いつの間にかトゥルソの体を覆っていた黒い鱗や甲殻は無くなっていた。不思議に思ったが、魔法やゴウマの知らない不思議な力で消しているのかもしれない。ほぼ人間に近くなったその体は胸も尻も肉付きが良く、腰は優雅なカーブを描いてくびれている。
ゴウマはトゥルソを後ろから抱き締め、彼女の体を手で、舌で味わっていた。
水を手ですくい、トゥルソの体にかけるとそれを馴染ませるようにゆっくりと愛撫する。
「ん、あふぅ…ゴォマァ」
ゴウマの指が生き物のようにトゥルソの胸を這いまわる。指先で先端を押すと、トゥルソは恥ずかしそうに身をよじる。トゥルソの反応を楽しみながら、ゴウマは掌で乳房を持ち上げ、親指と人差し指で乳首を挟んで弄ってやるとトゥルソの目が切なさそうに細められ、桜色の唇から熱い息が漏れた。
「はぁ、あッ…んん♪」
「トゥルソの胸はすごいな…揉んでいるだけで気持ち良いよ」
「ふあぁ…トゥルソもぉ…トゥルソも気持ち良いよぉ♪」
トゥルソは背中越しに振り向くと、ゴウマにねだるように舌を突き出す。それに答えるようにゴウマも舌を伸ばし、トゥルソの舌と絡める。互いに相手の舌を舐め、誰もいないん湖には2人の舐め合う音が響く。
「トゥルソ、足を開いてくれ」
ゴウマがそう言うとトゥルソは素直に足を開いた。トゥルソの股は既に愛液で濡れ湿っている。ゴウマの指がトゥルソの秘所を器用に開き、中指の腹で最も敏感な部位を弄りまわす。
「んあぁ、くぅ!ゴ、ォマァァ♪」
トゥルソは全身に広がっていく快感に切なげな嗚咽をもらした。ゴウマは秘所をまさぐる手を止めず、トゥルソの白い首筋についばむようなキスをする。
いつの間にか秘所を貫いて円を描くようにかき回すゴウマの指から逃れるように、トゥルソは腰を前に引いた。
「んんぐぅ…!それ!それダメぇ!」
「こんなにグショグショなのに、ダメも何もないだろ」
「そ、そんなこと…あぁ、んんん♪」
トゥルソはそう言いつつもそれ以上逃げようとはせず、ゴウマの動きに身を委ねていた。
自分の動きに淫らに反応し、ビクンと揺れるトゥルソにゴウマは我慢が出来なくなっていた。
「トゥルソ…」
「ゴウマァ、あ♪」
ゴウマは指による愛撫を止め、トゥルソの丸い尻を掴むと既に痛いほど勃起した肉棒をトゥルソの秘所に押し当てた。
押しつけられるオスの欲望とも言えるそれをトゥルソは敏感に感じ取ると、挿入をねだるように自ら腰を動かし、手を伸ばして竿をゆっくりと握った。その感触にトゥルソは嬉しそうに微笑み、この後の行為を考えると体は熱く燃え、秘所からは愛液が溢れだす。
「ん、ゴウマぁ…もう我慢できないよォ♪」
トゥルソが挿入を求めて甘い声を出す。ゴウマの欲望を更に高めようと握った手をゆっくりと上下に動かす。
「俺もだ、トゥルソ」
背筋にゾクゾクとした妙な快感を覚え、ゴウマは一気に奥まで捻じ込んだ。
「あ、あぁぁぁーッ!!」
艶めかしい喘ぎ声がトゥルソの喉から溢れだす。肉棒が最奥を突くとトゥルソの体がビクンと跳ねる。それだけで軽く達したのか、トゥルソは肩で息をしながら、だらしなく舌を垂らしていた。
それに構わず、ゴウマは動き始める。ゴウマが打ちつけるように腰を動かすと、トゥルソはそれを受け入れていた。湖に肉を打つパンパンという音と、蜜壺をかき回すズチュッとした音が響く。トゥルソの秘所は熱く、肉壁が射精を促すように蠢きゴウマの肉柱を責め立てる。
気を抜けば今にも射精してしまいそうな感覚にゴウマは眩暈を感じつつも動きを止めなかった。
「ぐ!トゥルソの中、最高だ…!」
「んあぁ!ゴウマ!すごく、すごく気持ちいいのぉ♪」
トゥルソは髪を振り乱して叫ぶ。自ら腰を動かし、器用にゴウマの肉棒を締めつけてくる。
トゥルソはゴウマに支配されている感覚に酔っていた。
欲望をぶつけられ、全てを塗り替えていくような快感に体は熱くなり、オスに媚びるように口からは淫らな言葉が溢れ出る。自分がドラゴンや地上の王者などではなく、ゴウマというオスの子を孕むためのメストカゲになったと思うとトゥルソの思考はドロドロに溶けていった。後ろから犯され、心身ともにマゾヒズム的な快楽が染まっていく。
「あぁ、いい!いいのぉ!」
トゥルソがみっともないほど露骨な声を上げ、濡れた肉柱が自分の秘所を責め立てる快楽を味わった。突くたびにタプタプと揺れる大きく丸い果実のような胸には5本の指が食い込み乱暴に責め立てる。
「あ、ぎ!ッあぁぁぁぁ!!」
痛みはあるものの、それすらトゥルソの体は快楽に感じて火を注ぐ。すっかり濡れた秘所からはゴウマの欲望が出たり入ったりするたびに愛液がビシャッと飛び散る。
ゴウマが力強く腰を打ちつけると、柔らかい尻肉とぶつかりより強く乾いた音が響いた。
「あぁ!ん、ひぐぅ!えぁ、ああぁぁぁッ!!」
トゥルソの口からは言葉にならない歓喜の声が溢れ出る。後ろから責められ、甲高い喘ぎ声をもらしつづける。
それはあまりにも淫らな姿であった。
ゴウマもそれを見て、より強く激しく欲望が燃え上がるのを覚えつつ、動きを速めた。
「あぁ!はぁぁぁ!」
「ぐッ、トゥルソ!げ、限界だ!」
ゴウマが腰を前後に動かしながら叫ぶ。
「ひぅん!トゥルソも…トゥルソもぉ!一緒に!ね、ゴウマ!一緒にぃぃぃ!」
雌犬のように後ろから責められるトゥルソも同じように叫ぶ。軽い絶頂に何度か達しているのか、何度も背筋を反らしている。
「ぐ、うぅぅ!」
ゴウマは肉棒を引き抜く寸前まで腰を引くと、一気に奥まで突き入れた。
「ひあ!あ、あぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
トゥルソが絶頂の悲鳴をあげると同時に、トゥルソの中でゴウマは果てた。
まるで花火のように飛び散るそれはトゥルソの秘所に溢れ、子宮を白く染めていく。熱い精液に満たされていく快感に身を委ねながら、トゥルソは目を閉じうっとりとした顔で自分が完全なメストカゲになった事を感じていた。
お互いがお互いの体を味わい、満足すると湖から上がり岸辺で抱き合っていた。ゴウマがトゥルソの肩から背中、尻までのラインをなぞるとトゥルソはくすぐったそうに笑い、身をよじらせる。
トゥルソも負けじと、ゴウマの体を優しく爪でなぞる。
「なぁ、トゥルソ」
しばらくそうしていたが、ゴウマはトゥルソの瞳を覗き込んだ。
トゥルソもゴウマの瞳を覗き返し、無邪気な笑みを浮かべる。
「なぁに?」
「…俺の故郷、ジパングに俺と来てくれないか?」
ゴウマの言葉にトゥルソは目を見開き、やがて嬉しそうに細めた。
「うん!えへへ、ゴウマにはドキドキさせられっぱなしだね♪」
「ん、そうか?」
「そうだよ。だから、これからもずっと、ずーっとドキドキさせてね♪」
そう言うトゥルソの顔は太陽が霞むほど眩しい笑顔だった。
おわり
「クソ!撤退だ!撤退しろ!!」
火傷を負った腕を庇うように教団の男が叫ぶと、その部下達もまるで蜘蛛の子を散らすように洞窟から逃げていく。
その光景を冷めた目で見つめ、すっかり荒らされた住処を見回しドラゴンのトゥルソは深いため息を吐いた。
偉大な魔物、ドラゴン。他の魔物と比べ、尋常ではない魔力をその身に宿す彼女達は恐れられると同時に、一部の地域では神として崇められている。
しかし、トゥルソは神として崇められているどころか、人類の敵…魔物として忌み嫌われる存在であった。昔からこの土地はトゥルソの縄張りであり、彼女はここで静かで平和な生活を送っていた。それをここ最近、教団と呼ばれる連中が近くの街に現れトゥルソを討とうと兵士を送ってくるようになったのだ。
すでに2桁にも上る討伐団が彼女の住処に攻めてきたが、トゥルソはそれらを全て追い返している。中には勇者と名乗る者もいたが、彼女には敵わなかった。元々、ドラゴンは人間が相手できるような魔物ではない。トゥルソが本気を出せば人間など一瞬で灰にする事が出来るのだが、トゥルソは一度も教団兵の命を奪った事は無かった。人間の命を奪う事を考えるだけで吐き気がする。それも新しい魔王となったサキュバスの影響だったが、どうでもよかった。
「……チッ」
かつては宝石や絵画が並び綺麗に装飾された住処だったが、今ではすっかり殺風景になってしまった。それも頻繁にやってくる教団兵から守るために隠したためだ。
剣や魔法、トゥルソ自身の炎によって部屋は見るも無残な状態だ。さっきまでの戦闘の残り香が漂い、トゥルソは頭痛を覚えた。
「……」
ここにいても気が滅入るだけだ。しばらく外で過ごし、気が向いたら戻ってくればいい。そう自分に言い聞かせ、トゥルソは大きな翼を広げるとそのまま洞窟から飛び去った。
「ふぅ〜…」
トゥルソは洞窟から出ると、近くの山の頂上に腰を落ち着けた。ここは彼女のお気に入りの場所だった。他の魔物娘もいない、まして人間もいるはずのない彼女だけの空間。季節が変わればそれぞれの四季特有の景色が視界に広がり、決して飽きる事の無いこの場所は一番の宝物と言っても過言ではない。
黒い甲殻が日光を反射し、鈍く輝く。白い肌に太陽の光を浴びながら、トゥルソは気持ち良さそうに横になった。
トゥルソは他のドラゴンと違って緑色の鱗や甲殻ではなく、黒い鱗と甲殻を持っていた。彼女の母は緑色だった事から突然変異なのだろうがトゥルソはそれを特に気にしていない。それどころか、自分が何か特別な存在に思えるのでこの黒を気に入っている。
「んー…は、あぁぁ…」
草の香りを肺いっぱいに吸い込み、温かな光に包まれていたが、不意に気配を感じトゥルソは勢い良く起き上がるとそのまま振り向いた。
そこには男が立っていた。
長身でがっしりとした体、薄い髭が口周りを覆い、トゥルソを見つめる眼は野生の獣を連想させる。薄汚れた服から、この男が教団の兵では無い事が分かる。それでも油断はできず、心を許す事もできない。
この男が街から来たのならば、トゥルソの事を知っているはずだ。教団ですら手こずる魔物を倒したとなれば恐らく最高の名誉と一生かかっても使いきれない財を与えられるはずだ。そのためならば何でもするだろう。人間の欲深さをトゥルソはよく知っている。
「…ここまで来るとは驚いたぞ」
威嚇を込めた声色に男も多少怯むかと考えたが、男は動きを見せずただ立ち尽くしている。眉間にしわを寄せたその顔からは何を考えているのか分からない。
「ふん、まぁいい。どうせ貴様も私の首を取りに来たのだろう?」
「……うん?」
「とぼけるなッ!ただで貴様を帰すわけにはいかんッ!貴様の体にも刻みこんでやる、ドラゴンに歯向かうという事がどれだけ愚かな事かをなッ!」
そう吠えると同時にトゥルソは巨大な翼で空気を叩き、男へ一直線に向かった。
殺すつもりは無いが、無事に帰すつもりも無い。この男を見逃せば調子に乗った連中が後から続々とここに来るだろう。それを防ぐためにも圧倒的な力で叩き伏せ、あの街の人間達に知らしめてやるのだ。ドラゴンに挑む事が愚かだという事を。そして、トゥルソ自身がそっとしておいてほしいという事を。
風のような速さで男に迫り、トゥルソは黒い剛腕を男に振り下ろした。もちろん全力ではない。ある程度、手加減をしている。手加減とはいえ人間相手には充分すぎる。
しかし、男はトゥルソが反応するよりも速く振り下ろされた腕を流し、トゥルソの腹に掌打を叩きこんだ。
「ぅがッ…!」
すさまじい衝撃が内臓を伝わり、背骨を通し全身に広がった。トゥルソは驚愕と痛みに目を白黒させ、一瞬思考が止まる。男はその隙を見逃さず、背負い投げの要領でトゥルソを地面に叩きつけた。
勝負は驚くほどあっけなく、一瞬で終わりを告げた。
「ぐあッ!あ、ぐ…!」
呻くトゥルソに男は馬乗りになるとトゥルソは動けなくなっていた。彼女の頭をある現実が占めていたからだ。
人間に負けた。手加減していたとはいえ、誇り高いドラゴンが人間に負けてしまった。
痛み以上の衝撃がそこにはあった。
それと同時にトゥルソの奥底に眠っていた魔物娘としての本能が目を覚ました。
目の前のオスに負けた。
私より強いオス。
私は彼より弱いメストカゲ。
この男の子を孕まされるだけのモノ。
そう考えるとトゥルソは跨っている男をただただ見上げる事しかできなかった。
(ちょっと…やりすぎたかな?)
襲ってきたドラゴンを倒し、跨りながらゴウマはやりすぎたと感じていた。
彼は世界中を旅する武人であった。故郷に残した家族達は彼が強くなるために旅立ったと信じ、寄る街々でもそういう目で見られ、激励の言葉を何度もかけられた。
しかし、ゴウマは強くなる事にこれっぽっちも興味は無かった。そんな彼が本気で強くなるための旅などするはずもない。
ゴウマの目的は『魔物娘を嫁にする事』だった。
彼の故郷は親魔物領であり、友人や道場の仲間達は皆魔物娘の嫁がいた。種族は違うが、どの嫁も美しく、健気に尽くしたり、いたぶりつつも深い愛情を与えてくれる女性ばかりだった。
しかし、ゴウマには運が向かず、故郷では魔物娘を嫁にもらう事は出来なかった。
魔物娘の嫁を貰うためにゴウマは旅を始めたのだ。それも幼女体系の魔物娘を。彼はロリコンではないが、幼女体系が好きな男だった。
しかし、彼には嫁が出来なかった。船が魔物娘達に襲われても彼だけ何も無く何処かの浜へたどり着き、森で襲われれば他の冒険者達が交わっている中、1人だけ穴にはまって魔物娘達に気が付かれないなんて事もある。さっきもそうだ。同じジパングから来た3人の冒険者と一緒にいたのだが、途中でデーモンに襲われ、その3人と離れ離れになってしまったのだ。
そんな調子で気が付けばゴウマは既に30前半の歳になっていた。
「お、おい…大丈夫か…?」
ドラゴンはジッとゴウマを見上げ、何も言わない。ただ男を見つめるだけだった。気のせいか頬が赤くなっているような気がしないでもない。
男はバツが悪くなり、立ち上がるとドラゴンに手を差し伸べた。
「すまん…やりすぎた。立てるか…?」
ドラゴンは差し出された手と男を交互に見つめ、その手を掴み立ち上がった。さっきの戦闘で気が付けなかったが、目の前のドラゴンがかなりの美貌の持ち主である事にゴウマは気が付いた。
淡い紫色のセミロング、整った顔立ち。黒い甲殻や鱗は聞いた事があるドラゴンとはだいぶ違う。ゴウマの掌にも収まりそうにない胸は並の巨乳ではない。気の強そうな目は男を捉え、端が下がっている。気のせいだと思っていたがその頬はやはり赤く染まっていた。
「大丈夫か…?痛いところはないか?」
「…うん」
ゴウマの言葉にドラゴンは素直に頷く。それにゴウマは違和感を覚えた。先ほどまでの攻撃的な態度からは今の素直な反応は考えにくいが、気のせいだろうか?
「おい、本当に大丈夫か…?」
「…うん、大丈夫」
何か調子が狂う。
照れくさいとは違う何と言えばいいのか分からない何かが胸にはりつく。ゴウマがそんな何かに悩んでいると、ドラゴンが口を開いた。
「名前…」
「ん?」
「名前、何て言うの?私はトゥルソ」
「俺か?俺は…ゴウマだ」
「ゴウ、マ…ゴウマ…ゴウマ」
その名の響きを味わうようにトゥルソは何度もゴウマの名前を呟く。
そして
「ゴウマ!ゴォマァーッ♪」
トゥルソはゴウマに抱きついた。
「うぉ!?」
抱きつかれた勢いでゴウマは地面に倒され、その上にトゥルソが跨る。さっきとは逆だ。体を強く打ったものの、大した痛みは無い。今はそれ以上にこの状況に頭が付いてこなかった。
トゥルソはゴウマを押し倒したまま抱きつき、ゴウマの胸に嬉しそうに頬ずりをしている。先ほどまでの高圧的な態度や不機嫌そうな表情が嘘のように、今は子犬のようにゴウマに甘えていた。
(ど、どうなって…そういえば、確かドラゴンって…)
何かの本で読んだ事はあったが、ドラゴンは自分を負かした男を自らより強いオスと認め、従順で素直なメストカゲとなってしまうというのだ。トゥルソもさっきの戦闘でゴウマを強いオスと認めてしまったのだろう。
「んん〜♪ゴウマ、ゴウマァァ♪」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
「なぁに?」
トゥルソはニコニコと笑い、ゴウマを見上げてくる。まるで子どものように無邪気な笑みを浮かべるトゥルソにゴウマは熱いモノを感じた。
(くッ!落ち着け、俺!…俺が好きなのは幼女だ。幼女の魔物娘と…)
「…ちゅ」
不意に、唇に湿ったものを感じる。何をされたのか分からずゴウマはしばらく固まっていたが、上目づかいに見つめてくるトゥルソがペロッと舌を出すのを見てキスされた事に気が付いた。
「えへへ、隙あり♪」
(あ、俺の負けだわ。これ)
悪戯っぽく笑うトゥルソにゴウマは彼女に惚れた自分がいる事を自覚した。
それからしばらくして
「それでね!いーっぱいやっつけたんだよ!あ、でもね!誰も死なせたりはしなかったの!」
「そ、そうか。トゥルソは優しいんだな」
「えへへ♪」
教団の兵士を倒した話を得意げに話すトゥルソの頭をゴウマが撫でてやると、トゥルソは嬉しそうに目を細める。撫でてくるゴウマの手の感覚をトゥルソは味わっていた。
あれからどのくらい経ったか分からないが、座り込んだゴウマの足に座りトゥルソはずと抱きついていた。ゴウマの首に腕を回し、腰に足を回しながら抱きつく様はいわゆるだいしゅきホールドである。自分の話をしながら、時々ゴウマの首を舐め、耳を甘噛みしてくるトゥルソに地上の王者の面影は微塵も無い。
魔物娘の嫁を貰う。その目的をゴウマは達成したが、これからどうするべきか。
トゥルソの話ではこの山を降りた街は反魔物領なので、寄る事は出来ない。そうなると、親魔物領まで行かなければならないが、恐らくは遠いだろう。反魔物領の近くに親魔物領があるとは考えにくい。しかし、いつまでもここにいるわけにはいかない。いつ教団兵が攻めてくるか分からないのだ。
どうしたものか、とゴウマが悩んでいると
「ね〜、ゴウマァ…」
トゥルソが甘えた声でゴウマを呼ぶ。
「どうした?」
「あのね、トゥルソね、水浴びしたいの」
「み、水浴び?」
「うん。でね…ゴウマも行こ?」
抱きついてくる力が強くなる。
それどころじゃない、とゴウマは言いかけたが言葉を止めた。少なくとも、この場所から離れる事なら問題は無い。問題はその水浴びを何処でやるかだ。
「その水浴びは…どこでやるんだ?」
「えっと…ちょっと遠い湖なの」
「どれぐらい遠いんだ?」
「山を4つ超えるくらいだよ?」
山を4つ超える事をちょっとと言える当たり、価値観のズレを感じたがそれほどの距離ならば一時的に腰を落ち着ける事が出来るだろう。
その後の事はそこで考えればいい。
「よし、分かった。行こうか」
「ホント!?やったー♪」
そう言うが否や、トゥルソはゴウマを抱き抱えると勢いよく飛びあがり、空を駆け抜けた。
「ちょ、トゥルソ!は、はや、速い!はやすぎいぃぃやぁぁぁぁぁぁッ!!!」
4つの山が残像のように飛んでいき、数分でゴウマはトゥルソの言う湖に降り立った。
山の中にぽっかりと開けたその場所の中央にはすっかり暮れて赤くなった空を映しキラキラと反射する湖だけがあり、その光景はまるで1枚の絵のようだった。
しばらく休ませてもらったゴウマは服を脱ぐとトゥルソに手をひかれ、湖に入っていく。湖は思ったより深くなく、ゴウマの腰ほどの水位しかなかった。水は思った以上に透き通っており、時々小さな魚が足下を通り過ぎていく。
いつの間にかトゥルソの体を覆っていた黒い鱗や甲殻は無くなっていた。不思議に思ったが、魔法やゴウマの知らない不思議な力で消しているのかもしれない。ほぼ人間に近くなったその体は胸も尻も肉付きが良く、腰は優雅なカーブを描いてくびれている。
ゴウマはトゥルソを後ろから抱き締め、彼女の体を手で、舌で味わっていた。
水を手ですくい、トゥルソの体にかけるとそれを馴染ませるようにゆっくりと愛撫する。
「ん、あふぅ…ゴォマァ」
ゴウマの指が生き物のようにトゥルソの胸を這いまわる。指先で先端を押すと、トゥルソは恥ずかしそうに身をよじる。トゥルソの反応を楽しみながら、ゴウマは掌で乳房を持ち上げ、親指と人差し指で乳首を挟んで弄ってやるとトゥルソの目が切なさそうに細められ、桜色の唇から熱い息が漏れた。
「はぁ、あッ…んん♪」
「トゥルソの胸はすごいな…揉んでいるだけで気持ち良いよ」
「ふあぁ…トゥルソもぉ…トゥルソも気持ち良いよぉ♪」
トゥルソは背中越しに振り向くと、ゴウマにねだるように舌を突き出す。それに答えるようにゴウマも舌を伸ばし、トゥルソの舌と絡める。互いに相手の舌を舐め、誰もいないん湖には2人の舐め合う音が響く。
「トゥルソ、足を開いてくれ」
ゴウマがそう言うとトゥルソは素直に足を開いた。トゥルソの股は既に愛液で濡れ湿っている。ゴウマの指がトゥルソの秘所を器用に開き、中指の腹で最も敏感な部位を弄りまわす。
「んあぁ、くぅ!ゴ、ォマァァ♪」
トゥルソは全身に広がっていく快感に切なげな嗚咽をもらした。ゴウマは秘所をまさぐる手を止めず、トゥルソの白い首筋についばむようなキスをする。
いつの間にか秘所を貫いて円を描くようにかき回すゴウマの指から逃れるように、トゥルソは腰を前に引いた。
「んんぐぅ…!それ!それダメぇ!」
「こんなにグショグショなのに、ダメも何もないだろ」
「そ、そんなこと…あぁ、んんん♪」
トゥルソはそう言いつつもそれ以上逃げようとはせず、ゴウマの動きに身を委ねていた。
自分の動きに淫らに反応し、ビクンと揺れるトゥルソにゴウマは我慢が出来なくなっていた。
「トゥルソ…」
「ゴウマァ、あ♪」
ゴウマは指による愛撫を止め、トゥルソの丸い尻を掴むと既に痛いほど勃起した肉棒をトゥルソの秘所に押し当てた。
押しつけられるオスの欲望とも言えるそれをトゥルソは敏感に感じ取ると、挿入をねだるように自ら腰を動かし、手を伸ばして竿をゆっくりと握った。その感触にトゥルソは嬉しそうに微笑み、この後の行為を考えると体は熱く燃え、秘所からは愛液が溢れだす。
「ん、ゴウマぁ…もう我慢できないよォ♪」
トゥルソが挿入を求めて甘い声を出す。ゴウマの欲望を更に高めようと握った手をゆっくりと上下に動かす。
「俺もだ、トゥルソ」
背筋にゾクゾクとした妙な快感を覚え、ゴウマは一気に奥まで捻じ込んだ。
「あ、あぁぁぁーッ!!」
艶めかしい喘ぎ声がトゥルソの喉から溢れだす。肉棒が最奥を突くとトゥルソの体がビクンと跳ねる。それだけで軽く達したのか、トゥルソは肩で息をしながら、だらしなく舌を垂らしていた。
それに構わず、ゴウマは動き始める。ゴウマが打ちつけるように腰を動かすと、トゥルソはそれを受け入れていた。湖に肉を打つパンパンという音と、蜜壺をかき回すズチュッとした音が響く。トゥルソの秘所は熱く、肉壁が射精を促すように蠢きゴウマの肉柱を責め立てる。
気を抜けば今にも射精してしまいそうな感覚にゴウマは眩暈を感じつつも動きを止めなかった。
「ぐ!トゥルソの中、最高だ…!」
「んあぁ!ゴウマ!すごく、すごく気持ちいいのぉ♪」
トゥルソは髪を振り乱して叫ぶ。自ら腰を動かし、器用にゴウマの肉棒を締めつけてくる。
トゥルソはゴウマに支配されている感覚に酔っていた。
欲望をぶつけられ、全てを塗り替えていくような快感に体は熱くなり、オスに媚びるように口からは淫らな言葉が溢れ出る。自分がドラゴンや地上の王者などではなく、ゴウマというオスの子を孕むためのメストカゲになったと思うとトゥルソの思考はドロドロに溶けていった。後ろから犯され、心身ともにマゾヒズム的な快楽が染まっていく。
「あぁ、いい!いいのぉ!」
トゥルソがみっともないほど露骨な声を上げ、濡れた肉柱が自分の秘所を責め立てる快楽を味わった。突くたびにタプタプと揺れる大きく丸い果実のような胸には5本の指が食い込み乱暴に責め立てる。
「あ、ぎ!ッあぁぁぁぁ!!」
痛みはあるものの、それすらトゥルソの体は快楽に感じて火を注ぐ。すっかり濡れた秘所からはゴウマの欲望が出たり入ったりするたびに愛液がビシャッと飛び散る。
ゴウマが力強く腰を打ちつけると、柔らかい尻肉とぶつかりより強く乾いた音が響いた。
「あぁ!ん、ひぐぅ!えぁ、ああぁぁぁッ!!」
トゥルソの口からは言葉にならない歓喜の声が溢れ出る。後ろから責められ、甲高い喘ぎ声をもらしつづける。
それはあまりにも淫らな姿であった。
ゴウマもそれを見て、より強く激しく欲望が燃え上がるのを覚えつつ、動きを速めた。
「あぁ!はぁぁぁ!」
「ぐッ、トゥルソ!げ、限界だ!」
ゴウマが腰を前後に動かしながら叫ぶ。
「ひぅん!トゥルソも…トゥルソもぉ!一緒に!ね、ゴウマ!一緒にぃぃぃ!」
雌犬のように後ろから責められるトゥルソも同じように叫ぶ。軽い絶頂に何度か達しているのか、何度も背筋を反らしている。
「ぐ、うぅぅ!」
ゴウマは肉棒を引き抜く寸前まで腰を引くと、一気に奥まで突き入れた。
「ひあ!あ、あぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
トゥルソが絶頂の悲鳴をあげると同時に、トゥルソの中でゴウマは果てた。
まるで花火のように飛び散るそれはトゥルソの秘所に溢れ、子宮を白く染めていく。熱い精液に満たされていく快感に身を委ねながら、トゥルソは目を閉じうっとりとした顔で自分が完全なメストカゲになった事を感じていた。
お互いがお互いの体を味わい、満足すると湖から上がり岸辺で抱き合っていた。ゴウマがトゥルソの肩から背中、尻までのラインをなぞるとトゥルソはくすぐったそうに笑い、身をよじらせる。
トゥルソも負けじと、ゴウマの体を優しく爪でなぞる。
「なぁ、トゥルソ」
しばらくそうしていたが、ゴウマはトゥルソの瞳を覗き込んだ。
トゥルソもゴウマの瞳を覗き返し、無邪気な笑みを浮かべる。
「なぁに?」
「…俺の故郷、ジパングに俺と来てくれないか?」
ゴウマの言葉にトゥルソは目を見開き、やがて嬉しそうに細めた。
「うん!えへへ、ゴウマにはドキドキさせられっぱなしだね♪」
「ん、そうか?」
「そうだよ。だから、これからもずっと、ずーっとドキドキさせてね♪」
そう言うトゥルソの顔は太陽が霞むほど眩しい笑顔だった。
おわり
15/10/26 00:57更新 / ろーすとびーふ泥棒