連載小説
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文化祭

「よくぞここまで来たわね!勇者、相楽(さがら)よ!!」
「リリム、ジェナ・・!!」
「どうしたの?私を前にして震えているの?」
「違う!これは怒りだ!!」
「怒り・・?」
「そうだ!!何がよくぞここまで来た、だ!
魔王城に入る為と言われて探させられたものは大変だったんだぞ!」
「何っ!?それは・・!!」
相楽は 一枚の紙を 取り出した!
「これを手に入れるために俺は様々な苦労を強いられた!
苦手な人付き合いをさせられ、時には魔物とすらも触れ合った。
そして、お前と先々で出会い戦い時に助けられる内に
俺のお前を倒すという目的はいつしか、
ある言葉を告げ、これに名前を書いてもらう目的に変わっていった!」
「ある、言葉っ・・まさか!!」
「そしてこの言葉を告げるためには、
この道具が必要だと教会の長に教わった!」
相楽は きれいな指輪を ジェナに見せた!
「そ、それは・・その輝きは・・!」
ジェナは 驚いている!
「行くぞジェナ!これが、俺の気持ち!」
相楽は 息を吸い込んだ!
ジェナは身構えている!
「お前がリリムだとか俺が勇者だなどは関係ない!
俺は、おまえが好きだ!ジェナ、お前が、欲しいぃぃっ!!」(ガチ告白)
「・・・・その覚悟に応えるわ!
私の答えはイエスよ!!相楽さん!!」(ガチ答え)

 劇にかこつけて告白をする者達が、毎回居る。

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「はい、こちらでございますね。」
「あ、ありがとうございます。」
「ではごゆっくりお楽しみください。」
「キキちゃん!こっちちょっと頼まれてくれる〜?」
「わかりました!・・それでは失礼致します。」
スタスタ・・

〜〜カウンター奥〜〜
「こっちは後二分くらいで飲み頃・・
こっちは、もう少しかかるな・・」
「キキーモラ、キキただいま戻りました!
アヌビス1、ご命令を!!」
「お待ちのお客様に、
一分遅れの詫びとしてカップケーキをお渡しして。
あの人はこのくらいの焼き加減が好きだから。」
「は!キキ、確かに引き受けました。
・・お好きなんですね、あそこの彼の事。」
グラッ・・
「そ、そんなことはないぞ!」
「じゃあ何で今皿を落としかけたんですか、ネレさん。」
「これはあれだ、たまたま手元が狂っただけ!」
「そうですか、ではあの方にご奉仕して差し上げても」
「だ、駄目だ!あれは、あの、ほら、お客様だぞ!」
「・・お客様に奉仕するのは当然ですよ?」
「へ・・?あっ・・!!」
「ふふ、本当にお好きなんですねあの方が。」
「う・・だ、だが今の私はここの管理者だ。
それ以上でもそれ以下でもない!」
「分かってますよ、ネレさん。
・・休憩時間で一時閉店したらあの方に来るように言っておきますね。」
「・・キキ。」
「はい、何でしょう?アヌビス1。」
「・・恩に着るぞ。」
「いえいえ、それくらいのことは。
がんばってる管理者への、お礼という奴ですよ。」

喫茶、芽生える友情。


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「占い所スフィンクス・・入ってみよう。」
「はふぅ・・んゃ、お客さんかにゃ。」
「・・少し教えて欲しいことがある。」
「ふむ、言ってみるがいいにゃ。
生活上の悩みかにゃ、それとも勉強かにゃ?」
「いや、違う・・恋の悩みだ。」
「恋、かにゃ。
にゃ〜るほど、その暗い顔はもしかして振られたのかにゃ?」
「顔についてはここの暗さが原因だと思うし、
残念だが振られるどころかまだ告ってすらいない。」
「ふにゃ?にゃら、一体・・」
「俺が聞きたいのは、どうやったら振り向いてくれるかって事だ。」
「そうかにゃ・・」
(既に思いを寄せる人が居るのね・・くぅ、また失敗にゃ。
そんにゃ人を籠絡するのは悪いしにゃぁ・・
占いと偽って謎かけのつもりが、にゃんでこうも裏目に出るかにゃぁ・・)
「・・少し、その人について喋っても?」
「うん、良し。
あ〜・・出来ればどの辺りが好きとか構わないかにゃ?」
(でもこうにゃったら根掘り葉掘り聞いてやるにゃ!
それにこの人は、にゃんだか放っておいたら大変そうだし。)
「・・それは、占いに関係する事か?」
「ん〜ん、単にゃる興味にゃ。
言いたくないにゃら別に・・」
「いや、言わせてもらうよ。
その人は、いつも気だるそうな仕草をしていて、
先生から早くしろって怒られても、
仕方ないなあ、って言って結局スピードを変えない人なんだが、
悩んでる人や困ってる人に親身になって話を聞いてくれる人だ。
いや、魔物娘か・・」
「ほほう・・種類は何かにゃ?
ドラゴンかにゃ?だったらツンデレに萌えたかにゃ?
それとも性格通りの、ワーシープ?ホルスタウロス?」
「いや、その・・猫科で・・」
「ね、こかにゃ・・。
ま、まあ確かにそれにゃらウチに聞くのも仕方にゃい・・にゃはは・・
・・んふん、で!その人は恋愛に対してどんな感じっぽいの?
やっぱり、気まぐれな猫ちゃんタイプ?」
「いや・・なんというか、奥手なんだ。
その上優しいっつうか臆病っつうかなもんだから、
その人に好きな人がいるって分かるとすぐに手を引っ込めちゃうんだ。」
「ふむ・・んで、その優しいところに惹かれてしまった、と。」
「ああ、まあ、そんなところ。
・・ああそうそう、いつもアヌビスと一緒に居る。」
「・・もしかして、スフィンクス?」
「ああ、その通り。
んで、その人なんだけど・・」
「そっかぁ・・スフィンクスかぁ・・羨ましいにゃあ・・」
「えっと、今日の文化祭で占いをしてて・・」
「うにゃあ!?今日の文化祭、ウチ以外に占いしてるスフィンクスはいないはずにゃ!!」
「・・うん、その・・つまり・・えっと・・」
「・・もしかして、好きにゃのって、ウチ?」
「・・はい。」
「・・た・・」
「え?」

「我が世の春が来たあああああぁぁあぁぁあ!!」

計画が潰れるものの結局は幸せになる者達。

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前日、運営部にて。

「この案は、危険すぎる!!」

{文化祭の日のセックス禁止}

「一緒に独身を戦っているお前が、なんでセックス禁止なんかをする!?」
「文化祭で交わる者たちは、イチャイチャすることしか考えていない!
だから、禁止すると宣言した!」
「それでは皆が家にボイコットして文化祭が楽しめなくなる!
俺たちには冬が来てしまう!」
「目の前でイチャイチャされた時のあの苦しみ存分に思い出せ!!」
「情けない奴!!そうやってお前は人の幸せを妬むことしかしないんだ!」
「何を・・!!」
バタン!!

「うるさいですよ!放課後とはいえもっと静かに・・!!」
「独男同士の間に入らないで下さい、エキドナ先生、リリム先生!!」
「なっ・・」
「俺はお前ほど急ぎすぎもしなけりゃ、恋路に絶望もしちゃいない!!」
「ですからうるさいと」
「「先生方!ならば今すぐ、私達に恋人を授けて見せろ!!」」
「・・良いの?」
「・・へ?」
「・・私とこの人・・所謂行き遅れだけど・・。
ふふ・・良いのね?」
「・・・・・・・」

結局この案は通らなかったらしい。


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「はいよハーピーちゃん、銀の腕輪。
ドワーフちゃんの作った逸品だ、大事にな!」
「はい、ありがとうございます!」

「全部回れたか?」
「うん、一応行きたかったところは回ったかな。
・・でも凄いよね、この品揃え。」
「・・この辺り、運営の方でもどうするか困ってたらしいしな。
まあ、この激戦具合じゃ仕方ないか。」
「言っちゃあれだけどカオスな品揃えだよね。
牛乳、腕輪、指輪、鞭、手錠。
さらには媚薬、本、コップ、たこ焼き、お好み焼き・・」
「たこ焼きやってんのって、スキュラだって本当か?
俺は刑部狸の焼きそば買いに行って聞いたんだが・・」
「うん、すっごい歪な笑顔で応対するって評判だよ?」
「商売としてどうなんだそれ・・」
「他には、牛乳屋さん。
ホルスタウロスさんとバフォメットさんの二人が受付なの!
こっちはバフォメットさんのチラチラ隣を見るのが可愛くってさ!」
「へ、へえ・・本を売ってるのは?」
「えっとね・・確か・・ワームちゃん、オーガさん、ウシオニさん!」
「脳筋ばっかりじゃないか・・」
「手錠とか鞭の方はね、まあ予想通りと言えばそうだけど、
ダークエルフさんとか、ダークエンジェルさんとか!
そうそう、実演販売もしてたよ!」
「じ、実演・・?!大丈夫なのかそれは」
「うん、大丈夫そうだよ!本人たちも嬉しそうに叩かれたり縛られたりしてたし!」
「・・そ、そうか・・。」
「媚薬は魔女ちゃんとかリッチさん。
絵になってて結構素敵だったよ。」
「確かに、その辺なら似合いそうだよな・・。」
「もっとあるんだよ?他にはね・・男向けのエロ本とか」
「マジ!?それって単なる自殺行為じゃね!?」
「案の定売れないかと思いきや・・なんと!
カップルに大人気なの!」
「ええ!?ウソだろ!?」
「いやいや、これにはちゃあんとした理由があってね・・?
プレイの内容とか言葉遣いとかで、結構お世話になるらしいよ。」
「魔物娘すげえな・・お前も、買ったりしたのか?」
「うん、えっとね・・これ!お兄ちゃんプレイって奴で・・」
「ふふ、そりゃあ楽しそうだな・・」

カオスな品目の買い物、及びなんだかんだでそれに慣れている人たち。


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「劇の時間ってさ、長いから眠くなるよな・・。」
「私は君と一緒だから眠くならないよ?」
「やめろって、恥ずかしいから。
・・あ、でもこのクノイチが主演の劇って1分51秒だってさ。」
「凄いね・・でも、城を壊すまでってどういうことなんだろ」
「さあな・・お、はじま」

ペポゥ
「?」

ズザーズザーズザーズザーズザーズザーズザーズザー
「スライディング!?」
ムッホ、ムッムッホァイ
「い、今凄いスピードでカーテンを壊すことなく・・!!」
いつもの曲
「お、曲が変わ・・なんだあの動き・・」
「キシン流奥義!!」
「すげ・・分身してる・・あれが、クノイチ・・。」
ヴォー・・・・・・プリッ・・・・
「NKT・・」「NKT・・」
「皆何を言って」
デレデレデェェェェン

「「「IGAAAAAAAAAAAAAAA!!」」」
「!?」
「TAKEDA TAKESHI」
「?!」
しまむらゾーン
「・・・・・・・・は?」
「・・・・・・」
「よう!」
「あ、あ?」
ドゥゥゥゥゥゥン・・
「以上、劇、ここまでテンプレを終わります、礼!」

「・・凄い劇だったね。」「う、うん・・」



        THE END
14/05/25 17:41更新 / GARU
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■作者メッセージ
文化祭か・・楽しいんだろうなぁ・・(遠い目)

これは、下手なネタでも数打ちゃ当たる、そんなゲスい考えで出来ています。

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