一線越えた日
騎士団食堂にて。
騎士団長の妻がノームであること等により、
余るほどの食料があるここではバイキング形式で食事がとれる。
騎士団全員でも食べきれない量が穫れるため、
名目上は騎士団用となっているものの、一般の人々も来る
ちょっとしたレストランのようになっていた。
「あそこに座ってるのって君のお義姉さんだよね?」
食堂で自分の分の取り分を皿についで一人で食事をとっていると
俺とは別の隊の隊長ヘイムが話しかけてきた。
傍らには彼女のウンディーネもいる。
彼が指さしている方向を見ると、女性がいた。
蛇体を人体に変えてはいるが、その長い髪と独特の雰囲気
そして卵を好んで食べている姿は紛れもなく姉さんだ。
「はい、そうですけど・・。
何ですかヘイム隊長、姉が何か迷惑でも・・。」
姉さんなら厄介事の類だろう。
そう思って言うと、彼は苦笑を浮かべる。
「君の中でお義姉さんの印象はどうなってるんだい?
魔法の事で聞きたいことがあってね。
レヴィナさんはその手のことに詳しいと聞いたから。」
「失礼ですけど、それなら直接聞いたらどうです?
姉さんが答えるのを渋るようには思えませんけど。」
そう言うと、彼はその穏やかな表情を崩さずに続けた。
「勿論そのつもりだよ。
君に聞いたのは確認と単純な興味からだ。
ああ、勘違いされないように言うと、
レヴィナさんが君のことを良く話すものだから、どんな人なのだろうとそれだけ。」
「俺、隊長とは初対面じゃないですよ?」
不思議に思いそう言うと
さっきまで黙っていたウンディーネが、微笑と共に答える。
「普段の様子が見たかったようです。
マスターは任務外のベリクさんは見たことがないそうで。」
言われてみれば、確かにヘイム隊長と日常会話を交わしたことはない気がする。
別の隊とは言え、それはそれで珍しいことでもあった。
「はあ・・それでどうでした?」
抜き打ちテストをされたような、微妙な気持ちになりながら
あやふやな問いを投げる。
「うーん・・なんて言うんだろう、普通?
強いて言うならあまり動じるタイプではないってくらいかな。」
返ってきたのは、当たり障りのないものだった。
良くもなく悪くもなくと言ったところだろうか。
そう思っていると、ヘイム隊長はこちらに背を向けて歩きだした。
どうやら用事は済んだらしい。
「・・姉さんって結構凄かったんだな。」
視線を義姉に向けながら一人呟く。
その義姉はと言うと、隊長を相手に態度を変えていなかった。
それどころか、逆に手玉に取っているようで
隊長が何度か慌てたような素振りを見せる。
それがどうにも姉さんらしくて、ふっと笑みがこぼれた。
食事が済み、いつもの任を終えて
部屋に戻ってみると当然のように姉さんがいた。
ご丁寧に人間のままで、M字開脚をして手招きをしている。
シチュエーションさえ合っていれば、最高に淫猥だったろうが、
この状況においては単なるおかしなものにしかならなかった。
ともかく俺は自分の机に体重を預けた後、
未だ手招きを続ける姉さんに問う。
「・・何やってんの姉さん。」
「興奮するでしょ?」
恥じらうことなく即答する姉さん。
我が姉ながら、これはひどい。
「時と場所を考えてくれよ。
確かにエロいとは思うけど、今この状況でするポーズじゃないだろ。」
そこまで言うと、やっと姉さんはポーズを止め体を蛇体に戻す。
「あら、一応エロいとは思うのね。
あなたのことだから、
また変なことを私がやってるとしか思ってないと思ってたわ。」
「八割方正解だけどな。
と言うか、姉さん程の美人なら何やったってそこそこエロいだろ。」
「美人だなんて・・照れるわ、私。」
そう言うと姉さんは全く照れくさく無さそうな様子で
わざとらしく体をくねらせる。
それでもそれなりに美しく映るのだから尚更性質が悪い。
慣れておいて良かった、と内心呟きつつ俺は話題を変えた。
「で、姉さん。
俺の部屋に入って来てるのはもう良いとして。
今日は何だってあんなポーズしてたんだ?」
「ん〜?あなたが襲ってこないかなぁと思って。
獣と化した弟に襲われるのも良いじゃない?」
あんたは獣をひれ伏させる方だろ、と思うものの口には出さず、
代わりに少しだけ褒めてみる。
「いくらあんなポーズされたからって、即座に襲うほど俺は飢えてない。
目の保養なら十分できてるからな。」
「・・あら、もしかして私の事かしら?」
きょとんとする姉さん。
そこまで驚いたような風ではないが、目を丸くしている様子から
そう言われると予想してはいなかったようだ。
「目の保養・・まぁ、確かに自信はあるけれど。
あんなあからさまなので、目の保養?」
さらに不思議そうに首を傾げる姉さん。
子供っぽい仕草が大人な雰囲気とのギャップで、結構かわいい。
しかし説明しようとすると俺も俺で恥ずかしいのだが
ここは、勇気を出すべきところだ。
「あー・・だから。
姉さん程の美人ならって言っただろ?
何やったってどのみち可愛かったり綺麗だったりするって事だよ。」
クサい言い方だけどな、
と付け加え言い終わった瞬間、姉さんは急に抱きついてきた。
いつもの姉さんらしからぬ凄い笑顔で。
(こういうのが一番破壊力あるんだよな・・姉さんは)
そんなことを考えていると姉さんが顔を上げる。
「やっとデレてくれたのね!
ポーズを取ってみても普通に反応してくるから、
姉さんのことただの変人みたいに見てるかと思ってたわ!」
うん、確かに「ただの」変人とは思っていないが。
それにしても、心地が良い。
後ろに回されている両手は勿論のことだが、
姉さんの雰囲気に包まれていることも。
なんだかんだ言って、俺も姉さんが好きなのだ。
それを表に出すとからかわれるから、言わないだけで。
「あー・・悪いんだけどちょっと離れてくれる?
任務終わったばっかで汗くさいから風呂入りたい。」
「むう・・分かったわ。
でも、沸かしてないはずだけど?」
渋々、といった様子で体を離し当然の疑問を口にする姉さん。
確かに帰ってきたばかりで風呂が沸いている訳がない。
だが、同じく騎士団勤めである姉さんにはわかるはずだ。
「・・あ、もしかして大浴場に行くつもり?」
「大当たりだ、姉さん。
今の時間帯なら、そこまで混んでないだろうしな。」
そう、この騎士団には大浴場があるのだ。
混浴で未婚既婚問わずに入れるため、
時たま大欲情と化す危険な風呂場ではあるが。
「じゃあ私も行くわ。
可愛い弟を魔の手から守るためにも。」
姉さんを敵に回そうとする奴が居ないのだから問題はないだろ、
と内心ツッコみながらも俺は嬉しかった。
ナンパをしてくる奴が居ないわけではないし、
姉さんのリラックスした顔も見れるからだ。
・・目の保養にもなるしな。
「この状況・・どう思う?」
「ええ、危険でしょうね。」
大浴場、木造の露天風呂にて中を見ながら呟く。
そこには未婚の男が5、6人。
他に既婚の者も多数居るが、交わり始めていた。
仮にもエキドナと暮らし続けてきたので、魔力の流れくらいはわかる。
今魔力は大浴場に満ち始めていた。
いつ、爆発(性欲的な意味で)してもおかしくない状況だ。
そこで交わり始めるとどうなるか。
答えは簡単で、文字通り連鎖反応をするのだ。
だが、どうして愛を止めることができようか、
いや、止められるはずもない(反語)。
ともかく、のんびりしても居られなさそうだ。
「早いうちに出ないと・・姉さ・・っ」
そう思い姉さんに早く出ようと伝えようとした瞬間、
股間に柔らかい感触が。
その元を辿ってみると俺の背後から綺麗な手が伸びていた。
「ちょ、ちょっと姉さん・・!早く、出なっ・・っ・・」
「あら・・どうして早く出ないといけないの?
せっかくよ・・私たちも参加しましょう?」
手はそのままで、耳元に甘く囁かれる。
囁かれたこと自体はこの間と殆ど一緒だというのに、
俺はそれ以上動くことが出来なかった。
理由は分かりきっている・・姉さんが本気になったのだ。
以前の囁きや部屋でのあのポーズは、姉さんにとって遊び、
つまりはイタズラレベルである。
だが、今回は違う。
「ふふ・・あなたの我慢してる今の顔、素敵よ・・。
そういうの見ると、どうしたくなると思う?」
「どうなるって・・そんなの、分かるわけ・・」
言った瞬間、姉さんのもう片方の腕が、
脇腹を段々と這い上がり、撫でさすってきた。
それだけでも体が震えそうになるが、
姉さんは追撃とばかりに乳首周辺を指でこねまわしてくる。
ビクッと体が跳ね、俺は気づけば喘いでいた。
「っ・・う、あ・・姉さ・・」
「あら、硬くなってるわ。
もしかしてもうそんなに感じちゃってるの?」
こちらの顔を覗き込みながらそう言う姉さん。
その顔はほんのり紅く、
口元にはそこはかとなくいやらしい笑みが浮かんでいる。
それだけでなく、魔力が流れ込んでくるのがわかった。
それらが俺の理性を削り取っていく。
少しずつ・・姉さんが欲しいと感じるようになっていく。
「そう言えばベリク、あなたの部屋にあるそういう本は、
本棚の裏も含めて全部読んだんだけど。」
「ね、姉さん・・?」
姉さんのことだから読んではいるだろうとは思ったが、
まさか、本棚の裏まで読まれていたとは。
しかし、それがどうしたというのだろう。
(ま、まさか・・怒ってる・・!?)
体に巻き付かれた為痛みが襲ってくるかと思ったが、
その締め付けはそこまで強くない。
しっかりと逃げられないようにしてはあるものの、
体が痛む程ではなかった。
(・・そういえば、お気に入りにこういうシチュエーションあったな。
あれは写真立ての裏に仕込んであるんだっけ。)
ふと思い出し姉さんに訊く。
「ね、姉さん・・もしかして、写真立ての裏のも読んだ?」
「ええ、というか読んだからこうしているのだけど?」
返ってきたのは予想通りの返事。
どうやら、姉さんは俺のエロ本中の行動をしてきているらしい。
俺がそれに気づいたと同時に、姉さんは俺の両手を握り横に開き
露天風呂の床に押しつけ、蛇体で覆い被さってきた。
これも、あの本の中にあったものだ。
「あの本だけ、折り返しがしわになってるんだもの。
相当な回数読み込んでる事ぐらい分かるわよ。」
そう言って微笑む姉さん。
恥ずかしくなって視線を逸らすが、
俺の体を捕まえている姉さんからは逃げられなかった。
「あら、赤くなった。
ふふ、意外と恥ずかしがり屋なのね。
私の弟なんだから、こういうのあまり恥ずかしくないと思ってたけど。」
優しい笑みを崩さないままの姉さんの顔が迫る。
段々と近づくにつれ、俺はもう姉さんから目を逸らせなくなっていた。
鼻同士が触れ合うくらいの距離まで近づくと止まり、
姉さんはさらにその笑みを深くした。
「ふふ・・本気の姉さんはどう?
流石のあなたでも、欲情しちゃうかしら。」
「・・っ・・うっ・・」
図星であったため何も言葉を返すことが出来ず、
加えられ続ける快感にただ身を震わす。
「ねえ、ベリク。
・・姉さんの中に、入れてみたい?」
「なぁっ・・!?」
限界近くまで膨らんだ俺の性器を感じたのか、
姉さんはついにそんな事を言い出した。
いつもだったら冗談のはずのその言葉は、
確実に俺の思考に毒のように染み込んでくる。
姉さんと、交わる。
それは自分にとって、少なくとも嫌悪感を抱くものではない。
それどころか望んでいたことでもある。
「い、入れたい・・」
欲望と誘惑に負け、その言葉を口にする。
対して姉さんは満足げに微笑むと、
「やっとそう言ってくれたわね、でもまだお預けよ。」
俺に口づけてきた。
舌はまだ入って来てはいないものの、
唇の感触や洗い立ての髪の毛の匂いが心地良い。
期待は裏切られたがこれはこれで良いものだ。
「はむっ・・む、ぅ・・ふふ・・
目がトロンとしてきたわ、可愛い・・。」
何回か唇を触れ合わせた後、姉さんは一旦口を離しそう言った。
「しょうがないだろ、姉さんのキス・・上手いんだから。」
対して俺も、少し照れつつ返す。
すると姉さんは目に更なる欲情を宿し、微笑みつつ言った。
「あら、上手いだなんて嬉しいわ。
それじゃあ・・もっと気持ちよくしてあげるわね。」
そして再び重なってくる唇。
今度は舌まで入り込んできた。
「んむ、れう・・んふ・・ん・・」
入り込んできた長い舌は、
口の中を不規則に動き回った後、俺の舌へ絡んできた。
姉さんの長い舌が、俺の舌をなぞり触りたくって来る。
「は、あむ、ん・・姉、さん・・。」
その感覚に体がブルリと震えるが、
まるでそれすらも自分の物だと言うかのように
姉さんは俺の体をしっかりと押さえ込んだ。
既に指先すら動かせなくなっている俺は、
送り込まれてくる快感を、目を閉じ享受する。
段々と頭がぼんやりして来たところで、
やっと舌先は口の中から退いていく。
「は、ぁ・・はあ・・姉、さん・・。」
やっとの思いで、それだけを口にした。
姉さんはそんな俺の耳元へ顔を寄せる。
鼻にかかった髪の毛の匂いにうっとりとしていると、
姉さんはこう囁いた。
「そろそろ、お預けはやめにしましょう。」
「姉さ・・ぁっ!?」
姉さんの言葉が終わるかどうかのタイミングで、
俺の体に痺れるような快感が走った。
姉さんが気持ちよさそうにしているのを見てやっと、
俺はその原因を理解する。
ついに姉さんに犯されるときが来たのだ。
「ん、はぁ・・おっきい・・ふふ。
かき分けて、入ってくるの、良いわ・・。」
「く、うっ・・は、ぁ・・」
姉さんが俺を包んでいる蛇体を揺らす度に、
俺のモノが姉さんの中に飲み込まれていくのが分かった。
程なくして、それは完全に飲み込まれる。
姉さんの中はいやらしく蠢き、俺のモノをゆっくりと刺激してきた。
姉さんは気持ちよさそうに時折吐息をもらす。
対して俺は、まだ動かれていないのにもうどうにかなりそうだった。
ゆっくりと高められているので、確実に限界へ近づいていく。
ところが、姉さんはここまで来てさらにこんな事を言った。
「じゃあ・・そろそろ、本気で・・ね。」
「ぇっ・・く、うあぁっ・・!!」
いったい何を、そう思ったときにはもう、
俺の体は姉さんに揺らされ始めていた。
体全てを姉さんに支配されているため、
姉さんが動く度に俺も動かされる。
「だ、駄目っ、ねえさ・・俺もう・・ふあぁっ・・!」
俺の体を包み込んでいる蛇体が上下に動いたとき、
まるで巨大なオナホールに包まれているかのような感触に、
俺はあっけなく姉さんの中に精を吐き出した。
それから少しの間俺は気を失っていたらしい。
可愛い。
射精後気を失っている弟を見て、そう思う。
口をだらしなく開け、よだれまで垂れている。
「ふふ・・ちょっと、やりすぎちゃったかしら。」
腕の拘束を解き、ベリクの体を抱き締めると意識が戻ってきたのか
この子は微かに目を開けた。
「ね、え・・さん・・。」
息も絶え絶えで焦点も定まらない様子で、それでも抱き付いてくるベリク。
それがまた可愛くて、私は舌を入れてキスをした。
「む・・れう、ん・・ふ・・ん・・。」
「ねえさ・・ん・・もっと、犯してぇ・・おかしくしてよ・・」
キスが終わった後、いきなりこんな事を言われる。
・・私を悶えさせて殺すつもりなの?この弟は。
ともかく可愛い弟の願いを叶えなくては。
そう思い、再び体を揺すり始める。
「あ・・♥姉さん・・♥」
すぐにベリクは蕩けたような表情になり、私を見上げた。
・・でも、これで終わりじゃないのよ?
「気持ち良いかしら・・?じゃあ、これもつけてあげるわ・・あむぅ・・。」
腰を振りながら、ベリクの口の中で舌を這いずり回らせる。
ここでベリクは、思わぬ反撃を繰り出してきた。
自由になっているその腕で、私の体を抱き締めてきたのだ。
それだけで幾分か私は敏感になってしまった気さえする。
それを差し引いても、この状況は私にとって魅力的過ぎた。
いつもは、好意を見せはすれど素直にぶつけてはくれないベリク。
そのベリクが、私を求めてくれているのだ。
だから・・もう抑えなど効かなかった。
「はぁ・・♥ベリクぅ・・♥♥は、あ・・むぅ・・」
「姉さん、姉さぁん・・!!」
もう理性なんていらない・・弟と繋がって居たい!
唯一つそれだけを思い、ひたすらに体と口を動かし続ける。
自らの尻尾で包まれた私と弟の体が、尻尾を動かす度に触れ合い、
その感触がまた、私を高めていく。
「気持ち良い・・きもちいよ、姉さん・・!!」
ハアハアと息を荒げ、舌を口の中に戻すこともせずに
だらしない顔で私を見上げてくるベリク。
その表情がまた可愛くて、私はもうイきそうになる。
最後とばかりにもう一度弟の体を抱き締めた。
その時、限界を迎えた私の頭は真っ白に弾け飛んだ。
「姉さんっもう一回、出、るっ!
駄目っ、気持ちよすぎるよっ・・くぅ、んぁっ、
あっ、がっ、あああぁああぁ・・っ・・♥」
「良い、良いわよっ♥♥姉さんの中にぃっ♥
ドピュドピュって、あなたの精っ♥♥♥
は、あぁああ、ああぁぁん、はぁあああぁ♥♥」
最も愛しく思う弟の精が私の中に、流れ込んでくる。
心はもっと、もっとと弟を求めていたのだが、
射精が収まりきらない内にベリクの体を抱き締めた時、
私の体から力が抜けていくのを感じていた。
どうやら、先に体力の限界が来てしまったらしい。
「あ・・姉、さ、ん・・・・」
ベリクは先に気絶してしまったようだ。
目を閉じ、それでも腕は私の体に回されている。
「っ・・ふふ・・ほんと、可愛い、んだから・・♥」
それを見て満足感に包まれながら私も意識を手放した。
・・俺達は今、風呂から上がって部屋に戻り、
二人揃ってベッドに潜り込んでいた。
布団の中で、姉さんと向き合いながら話す。
「姉さん・・俺、とうとう一線越えたんだよな。」
「ええ・・どうかしら?近親相姦は気持ちよかった?」
「姉さんがエロ過ぎだったのは覚えてる。」
「あら、ベリクだってあんなに可愛い事言ってたわよ?」
そう言われて赤面し目を逸らす。
「んもぅ、そんなところがまた可愛いんだから。」
姉さんはそう言い抱きついて来た。
対して俺は「苦しいって」と言いつつも、
引き剥がそうとはしない。
代わりに少しだけ、その手の輪を押し広げた後、
姉さんの目は見ずに短く言った。
「大好きだよ、姉さん。」「え?」
予想通り聞き返してくる姉さんに、
敢えて答えずに寝返りを打って目を閉じる。
「・・姉さんも、あなたのこと大好きよ。」
そう言い抱き締めてくる姉さんの腕の暖かさを感じながら、
俺は背を向けたままで「知ってるよ」と返した。
騎士団長の妻がノームであること等により、
余るほどの食料があるここではバイキング形式で食事がとれる。
騎士団全員でも食べきれない量が穫れるため、
名目上は騎士団用となっているものの、一般の人々も来る
ちょっとしたレストランのようになっていた。
「あそこに座ってるのって君のお義姉さんだよね?」
食堂で自分の分の取り分を皿についで一人で食事をとっていると
俺とは別の隊の隊長ヘイムが話しかけてきた。
傍らには彼女のウンディーネもいる。
彼が指さしている方向を見ると、女性がいた。
蛇体を人体に変えてはいるが、その長い髪と独特の雰囲気
そして卵を好んで食べている姿は紛れもなく姉さんだ。
「はい、そうですけど・・。
何ですかヘイム隊長、姉が何か迷惑でも・・。」
姉さんなら厄介事の類だろう。
そう思って言うと、彼は苦笑を浮かべる。
「君の中でお義姉さんの印象はどうなってるんだい?
魔法の事で聞きたいことがあってね。
レヴィナさんはその手のことに詳しいと聞いたから。」
「失礼ですけど、それなら直接聞いたらどうです?
姉さんが答えるのを渋るようには思えませんけど。」
そう言うと、彼はその穏やかな表情を崩さずに続けた。
「勿論そのつもりだよ。
君に聞いたのは確認と単純な興味からだ。
ああ、勘違いされないように言うと、
レヴィナさんが君のことを良く話すものだから、どんな人なのだろうとそれだけ。」
「俺、隊長とは初対面じゃないですよ?」
不思議に思いそう言うと
さっきまで黙っていたウンディーネが、微笑と共に答える。
「普段の様子が見たかったようです。
マスターは任務外のベリクさんは見たことがないそうで。」
言われてみれば、確かにヘイム隊長と日常会話を交わしたことはない気がする。
別の隊とは言え、それはそれで珍しいことでもあった。
「はあ・・それでどうでした?」
抜き打ちテストをされたような、微妙な気持ちになりながら
あやふやな問いを投げる。
「うーん・・なんて言うんだろう、普通?
強いて言うならあまり動じるタイプではないってくらいかな。」
返ってきたのは、当たり障りのないものだった。
良くもなく悪くもなくと言ったところだろうか。
そう思っていると、ヘイム隊長はこちらに背を向けて歩きだした。
どうやら用事は済んだらしい。
「・・姉さんって結構凄かったんだな。」
視線を義姉に向けながら一人呟く。
その義姉はと言うと、隊長を相手に態度を変えていなかった。
それどころか、逆に手玉に取っているようで
隊長が何度か慌てたような素振りを見せる。
それがどうにも姉さんらしくて、ふっと笑みがこぼれた。
食事が済み、いつもの任を終えて
部屋に戻ってみると当然のように姉さんがいた。
ご丁寧に人間のままで、M字開脚をして手招きをしている。
シチュエーションさえ合っていれば、最高に淫猥だったろうが、
この状況においては単なるおかしなものにしかならなかった。
ともかく俺は自分の机に体重を預けた後、
未だ手招きを続ける姉さんに問う。
「・・何やってんの姉さん。」
「興奮するでしょ?」
恥じらうことなく即答する姉さん。
我が姉ながら、これはひどい。
「時と場所を考えてくれよ。
確かにエロいとは思うけど、今この状況でするポーズじゃないだろ。」
そこまで言うと、やっと姉さんはポーズを止め体を蛇体に戻す。
「あら、一応エロいとは思うのね。
あなたのことだから、
また変なことを私がやってるとしか思ってないと思ってたわ。」
「八割方正解だけどな。
と言うか、姉さん程の美人なら何やったってそこそこエロいだろ。」
「美人だなんて・・照れるわ、私。」
そう言うと姉さんは全く照れくさく無さそうな様子で
わざとらしく体をくねらせる。
それでもそれなりに美しく映るのだから尚更性質が悪い。
慣れておいて良かった、と内心呟きつつ俺は話題を変えた。
「で、姉さん。
俺の部屋に入って来てるのはもう良いとして。
今日は何だってあんなポーズしてたんだ?」
「ん〜?あなたが襲ってこないかなぁと思って。
獣と化した弟に襲われるのも良いじゃない?」
あんたは獣をひれ伏させる方だろ、と思うものの口には出さず、
代わりに少しだけ褒めてみる。
「いくらあんなポーズされたからって、即座に襲うほど俺は飢えてない。
目の保養なら十分できてるからな。」
「・・あら、もしかして私の事かしら?」
きょとんとする姉さん。
そこまで驚いたような風ではないが、目を丸くしている様子から
そう言われると予想してはいなかったようだ。
「目の保養・・まぁ、確かに自信はあるけれど。
あんなあからさまなので、目の保養?」
さらに不思議そうに首を傾げる姉さん。
子供っぽい仕草が大人な雰囲気とのギャップで、結構かわいい。
しかし説明しようとすると俺も俺で恥ずかしいのだが
ここは、勇気を出すべきところだ。
「あー・・だから。
姉さん程の美人ならって言っただろ?
何やったってどのみち可愛かったり綺麗だったりするって事だよ。」
クサい言い方だけどな、
と付け加え言い終わった瞬間、姉さんは急に抱きついてきた。
いつもの姉さんらしからぬ凄い笑顔で。
(こういうのが一番破壊力あるんだよな・・姉さんは)
そんなことを考えていると姉さんが顔を上げる。
「やっとデレてくれたのね!
ポーズを取ってみても普通に反応してくるから、
姉さんのことただの変人みたいに見てるかと思ってたわ!」
うん、確かに「ただの」変人とは思っていないが。
それにしても、心地が良い。
後ろに回されている両手は勿論のことだが、
姉さんの雰囲気に包まれていることも。
なんだかんだ言って、俺も姉さんが好きなのだ。
それを表に出すとからかわれるから、言わないだけで。
「あー・・悪いんだけどちょっと離れてくれる?
任務終わったばっかで汗くさいから風呂入りたい。」
「むう・・分かったわ。
でも、沸かしてないはずだけど?」
渋々、といった様子で体を離し当然の疑問を口にする姉さん。
確かに帰ってきたばかりで風呂が沸いている訳がない。
だが、同じく騎士団勤めである姉さんにはわかるはずだ。
「・・あ、もしかして大浴場に行くつもり?」
「大当たりだ、姉さん。
今の時間帯なら、そこまで混んでないだろうしな。」
そう、この騎士団には大浴場があるのだ。
混浴で未婚既婚問わずに入れるため、
時たま大欲情と化す危険な風呂場ではあるが。
「じゃあ私も行くわ。
可愛い弟を魔の手から守るためにも。」
姉さんを敵に回そうとする奴が居ないのだから問題はないだろ、
と内心ツッコみながらも俺は嬉しかった。
ナンパをしてくる奴が居ないわけではないし、
姉さんのリラックスした顔も見れるからだ。
・・目の保養にもなるしな。
「この状況・・どう思う?」
「ええ、危険でしょうね。」
大浴場、木造の露天風呂にて中を見ながら呟く。
そこには未婚の男が5、6人。
他に既婚の者も多数居るが、交わり始めていた。
仮にもエキドナと暮らし続けてきたので、魔力の流れくらいはわかる。
今魔力は大浴場に満ち始めていた。
いつ、爆発(性欲的な意味で)してもおかしくない状況だ。
そこで交わり始めるとどうなるか。
答えは簡単で、文字通り連鎖反応をするのだ。
だが、どうして愛を止めることができようか、
いや、止められるはずもない(反語)。
ともかく、のんびりしても居られなさそうだ。
「早いうちに出ないと・・姉さ・・っ」
そう思い姉さんに早く出ようと伝えようとした瞬間、
股間に柔らかい感触が。
その元を辿ってみると俺の背後から綺麗な手が伸びていた。
「ちょ、ちょっと姉さん・・!早く、出なっ・・っ・・」
「あら・・どうして早く出ないといけないの?
せっかくよ・・私たちも参加しましょう?」
手はそのままで、耳元に甘く囁かれる。
囁かれたこと自体はこの間と殆ど一緒だというのに、
俺はそれ以上動くことが出来なかった。
理由は分かりきっている・・姉さんが本気になったのだ。
以前の囁きや部屋でのあのポーズは、姉さんにとって遊び、
つまりはイタズラレベルである。
だが、今回は違う。
「ふふ・・あなたの我慢してる今の顔、素敵よ・・。
そういうの見ると、どうしたくなると思う?」
「どうなるって・・そんなの、分かるわけ・・」
言った瞬間、姉さんのもう片方の腕が、
脇腹を段々と這い上がり、撫でさすってきた。
それだけでも体が震えそうになるが、
姉さんは追撃とばかりに乳首周辺を指でこねまわしてくる。
ビクッと体が跳ね、俺は気づけば喘いでいた。
「っ・・う、あ・・姉さ・・」
「あら、硬くなってるわ。
もしかしてもうそんなに感じちゃってるの?」
こちらの顔を覗き込みながらそう言う姉さん。
その顔はほんのり紅く、
口元にはそこはかとなくいやらしい笑みが浮かんでいる。
それだけでなく、魔力が流れ込んでくるのがわかった。
それらが俺の理性を削り取っていく。
少しずつ・・姉さんが欲しいと感じるようになっていく。
「そう言えばベリク、あなたの部屋にあるそういう本は、
本棚の裏も含めて全部読んだんだけど。」
「ね、姉さん・・?」
姉さんのことだから読んではいるだろうとは思ったが、
まさか、本棚の裏まで読まれていたとは。
しかし、それがどうしたというのだろう。
(ま、まさか・・怒ってる・・!?)
体に巻き付かれた為痛みが襲ってくるかと思ったが、
その締め付けはそこまで強くない。
しっかりと逃げられないようにしてはあるものの、
体が痛む程ではなかった。
(・・そういえば、お気に入りにこういうシチュエーションあったな。
あれは写真立ての裏に仕込んであるんだっけ。)
ふと思い出し姉さんに訊く。
「ね、姉さん・・もしかして、写真立ての裏のも読んだ?」
「ええ、というか読んだからこうしているのだけど?」
返ってきたのは予想通りの返事。
どうやら、姉さんは俺のエロ本中の行動をしてきているらしい。
俺がそれに気づいたと同時に、姉さんは俺の両手を握り横に開き
露天風呂の床に押しつけ、蛇体で覆い被さってきた。
これも、あの本の中にあったものだ。
「あの本だけ、折り返しがしわになってるんだもの。
相当な回数読み込んでる事ぐらい分かるわよ。」
そう言って微笑む姉さん。
恥ずかしくなって視線を逸らすが、
俺の体を捕まえている姉さんからは逃げられなかった。
「あら、赤くなった。
ふふ、意外と恥ずかしがり屋なのね。
私の弟なんだから、こういうのあまり恥ずかしくないと思ってたけど。」
優しい笑みを崩さないままの姉さんの顔が迫る。
段々と近づくにつれ、俺はもう姉さんから目を逸らせなくなっていた。
鼻同士が触れ合うくらいの距離まで近づくと止まり、
姉さんはさらにその笑みを深くした。
「ふふ・・本気の姉さんはどう?
流石のあなたでも、欲情しちゃうかしら。」
「・・っ・・うっ・・」
図星であったため何も言葉を返すことが出来ず、
加えられ続ける快感にただ身を震わす。
「ねえ、ベリク。
・・姉さんの中に、入れてみたい?」
「なぁっ・・!?」
限界近くまで膨らんだ俺の性器を感じたのか、
姉さんはついにそんな事を言い出した。
いつもだったら冗談のはずのその言葉は、
確実に俺の思考に毒のように染み込んでくる。
姉さんと、交わる。
それは自分にとって、少なくとも嫌悪感を抱くものではない。
それどころか望んでいたことでもある。
「い、入れたい・・」
欲望と誘惑に負け、その言葉を口にする。
対して姉さんは満足げに微笑むと、
「やっとそう言ってくれたわね、でもまだお預けよ。」
俺に口づけてきた。
舌はまだ入って来てはいないものの、
唇の感触や洗い立ての髪の毛の匂いが心地良い。
期待は裏切られたがこれはこれで良いものだ。
「はむっ・・む、ぅ・・ふふ・・
目がトロンとしてきたわ、可愛い・・。」
何回か唇を触れ合わせた後、姉さんは一旦口を離しそう言った。
「しょうがないだろ、姉さんのキス・・上手いんだから。」
対して俺も、少し照れつつ返す。
すると姉さんは目に更なる欲情を宿し、微笑みつつ言った。
「あら、上手いだなんて嬉しいわ。
それじゃあ・・もっと気持ちよくしてあげるわね。」
そして再び重なってくる唇。
今度は舌まで入り込んできた。
「んむ、れう・・んふ・・ん・・」
入り込んできた長い舌は、
口の中を不規則に動き回った後、俺の舌へ絡んできた。
姉さんの長い舌が、俺の舌をなぞり触りたくって来る。
「は、あむ、ん・・姉、さん・・。」
その感覚に体がブルリと震えるが、
まるでそれすらも自分の物だと言うかのように
姉さんは俺の体をしっかりと押さえ込んだ。
既に指先すら動かせなくなっている俺は、
送り込まれてくる快感を、目を閉じ享受する。
段々と頭がぼんやりして来たところで、
やっと舌先は口の中から退いていく。
「は、ぁ・・はあ・・姉、さん・・。」
やっとの思いで、それだけを口にした。
姉さんはそんな俺の耳元へ顔を寄せる。
鼻にかかった髪の毛の匂いにうっとりとしていると、
姉さんはこう囁いた。
「そろそろ、お預けはやめにしましょう。」
「姉さ・・ぁっ!?」
姉さんの言葉が終わるかどうかのタイミングで、
俺の体に痺れるような快感が走った。
姉さんが気持ちよさそうにしているのを見てやっと、
俺はその原因を理解する。
ついに姉さんに犯されるときが来たのだ。
「ん、はぁ・・おっきい・・ふふ。
かき分けて、入ってくるの、良いわ・・。」
「く、うっ・・は、ぁ・・」
姉さんが俺を包んでいる蛇体を揺らす度に、
俺のモノが姉さんの中に飲み込まれていくのが分かった。
程なくして、それは完全に飲み込まれる。
姉さんの中はいやらしく蠢き、俺のモノをゆっくりと刺激してきた。
姉さんは気持ちよさそうに時折吐息をもらす。
対して俺は、まだ動かれていないのにもうどうにかなりそうだった。
ゆっくりと高められているので、確実に限界へ近づいていく。
ところが、姉さんはここまで来てさらにこんな事を言った。
「じゃあ・・そろそろ、本気で・・ね。」
「ぇっ・・く、うあぁっ・・!!」
いったい何を、そう思ったときにはもう、
俺の体は姉さんに揺らされ始めていた。
体全てを姉さんに支配されているため、
姉さんが動く度に俺も動かされる。
「だ、駄目っ、ねえさ・・俺もう・・ふあぁっ・・!」
俺の体を包み込んでいる蛇体が上下に動いたとき、
まるで巨大なオナホールに包まれているかのような感触に、
俺はあっけなく姉さんの中に精を吐き出した。
それから少しの間俺は気を失っていたらしい。
可愛い。
射精後気を失っている弟を見て、そう思う。
口をだらしなく開け、よだれまで垂れている。
「ふふ・・ちょっと、やりすぎちゃったかしら。」
腕の拘束を解き、ベリクの体を抱き締めると意識が戻ってきたのか
この子は微かに目を開けた。
「ね、え・・さん・・。」
息も絶え絶えで焦点も定まらない様子で、それでも抱き付いてくるベリク。
それがまた可愛くて、私は舌を入れてキスをした。
「む・・れう、ん・・ふ・・ん・・。」
「ねえさ・・ん・・もっと、犯してぇ・・おかしくしてよ・・」
キスが終わった後、いきなりこんな事を言われる。
・・私を悶えさせて殺すつもりなの?この弟は。
ともかく可愛い弟の願いを叶えなくては。
そう思い、再び体を揺すり始める。
「あ・・♥姉さん・・♥」
すぐにベリクは蕩けたような表情になり、私を見上げた。
・・でも、これで終わりじゃないのよ?
「気持ち良いかしら・・?じゃあ、これもつけてあげるわ・・あむぅ・・。」
腰を振りながら、ベリクの口の中で舌を這いずり回らせる。
ここでベリクは、思わぬ反撃を繰り出してきた。
自由になっているその腕で、私の体を抱き締めてきたのだ。
それだけで幾分か私は敏感になってしまった気さえする。
それを差し引いても、この状況は私にとって魅力的過ぎた。
いつもは、好意を見せはすれど素直にぶつけてはくれないベリク。
そのベリクが、私を求めてくれているのだ。
だから・・もう抑えなど効かなかった。
「はぁ・・♥ベリクぅ・・♥♥は、あ・・むぅ・・」
「姉さん、姉さぁん・・!!」
もう理性なんていらない・・弟と繋がって居たい!
唯一つそれだけを思い、ひたすらに体と口を動かし続ける。
自らの尻尾で包まれた私と弟の体が、尻尾を動かす度に触れ合い、
その感触がまた、私を高めていく。
「気持ち良い・・きもちいよ、姉さん・・!!」
ハアハアと息を荒げ、舌を口の中に戻すこともせずに
だらしない顔で私を見上げてくるベリク。
その表情がまた可愛くて、私はもうイきそうになる。
最後とばかりにもう一度弟の体を抱き締めた。
その時、限界を迎えた私の頭は真っ白に弾け飛んだ。
「姉さんっもう一回、出、るっ!
駄目っ、気持ちよすぎるよっ・・くぅ、んぁっ、
あっ、がっ、あああぁああぁ・・っ・・♥」
「良い、良いわよっ♥♥姉さんの中にぃっ♥
ドピュドピュって、あなたの精っ♥♥♥
は、あぁああ、ああぁぁん、はぁあああぁ♥♥」
最も愛しく思う弟の精が私の中に、流れ込んでくる。
心はもっと、もっとと弟を求めていたのだが、
射精が収まりきらない内にベリクの体を抱き締めた時、
私の体から力が抜けていくのを感じていた。
どうやら、先に体力の限界が来てしまったらしい。
「あ・・姉、さ、ん・・・・」
ベリクは先に気絶してしまったようだ。
目を閉じ、それでも腕は私の体に回されている。
「っ・・ふふ・・ほんと、可愛い、んだから・・♥」
それを見て満足感に包まれながら私も意識を手放した。
・・俺達は今、風呂から上がって部屋に戻り、
二人揃ってベッドに潜り込んでいた。
布団の中で、姉さんと向き合いながら話す。
「姉さん・・俺、とうとう一線越えたんだよな。」
「ええ・・どうかしら?近親相姦は気持ちよかった?」
「姉さんがエロ過ぎだったのは覚えてる。」
「あら、ベリクだってあんなに可愛い事言ってたわよ?」
そう言われて赤面し目を逸らす。
「んもぅ、そんなところがまた可愛いんだから。」
姉さんはそう言い抱きついて来た。
対して俺は「苦しいって」と言いつつも、
引き剥がそうとはしない。
代わりに少しだけ、その手の輪を押し広げた後、
姉さんの目は見ずに短く言った。
「大好きだよ、姉さん。」「え?」
予想通り聞き返してくる姉さんに、
敢えて答えずに寝返りを打って目を閉じる。
「・・姉さんも、あなたのこと大好きよ。」
そう言い抱き締めてくる姉さんの腕の暖かさを感じながら、
俺は背を向けたままで「知ってるよ」と返した。
14/02/23 10:32更新 / GARU
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