切っ掛け
「・・・よし、朝の瞑想も終わりだ。
そろそろ、グラリスも起こしてやるとするか。」
私はエクシア。
以前は闘技場の戦士だったのだが、今は単なる一人の男。
そうなる切っ掛けを作った妻グラリスをこれから起こしに行くところ。
「入っても構わないか・・返事がないな?
おい、入るぞ・・っ!?」
・・・起こしに行ったら、妻が朝っぱらから水着を着て鏡と睨めっこをしていた。
驚く私をよそにそのまま、グラリスはこちらに真っ赤な顔で振り向く。
「な・・なぁ、エクシア?似合うかなぁ・・?」
そう言う彼女は今、いつもは鎧やらで隠されている腰から胸までを露出していた。
代わりにその鍛えられ健康的で在りながら美しい体に纏っているのは
両胸を覆い隠しそれを繋ぐタイプの、所謂ビキニと言われる赤の水着だ。
(何とも美しい・・そして照れ顔が愛らしい・・その二つのコンビネーションはまさに・・ハッ!?)
一瞬茫然となってしまったが、我に返り感想を述べる。
「あ、ああ似合ってると思うぞ?」
「そ、そうか。
いやだがしかし、露出が多すぎると思うのだが・・」
「何を言っている、それは泳ぐときに着るものだ。
海水浴とやらでは大抵そのくらいの露出度だというぞ?」
実際に海水浴に行ったことは無いがな。と付け加えると彼女はこう言った。
「そうだ、海にいこうエクシア!お前も行ったこと無いのなら丁度いい!
二人で海に行って、楽しもう!私も行ったこと無いしな!」
「海・・ふむ、いいな。
私も行ってみたいと思っていたし、それに折角
水着があるのに行かぬというのも勿体無いな。」
「そうか!よし、では早速準備をしなくては!」
そう言って、着替えやらをまとめ始めるグラリス。
そんな彼女に記憶を探りつつ言う。
「ときにグラリス。
場所だが、ここより南に少々行った所に良い場所がある。
どうだ?お前が行ったと言っていた村と近いが。」
「ああ、近頃マンティスと元教団の男が婚約をした!
構わないぞ、あそこは結構良い所だし、何より戦士が結構いるからな!」
浮かれていると思ったがやはりこういう所はリザードマンらしい。
(まぁ、私も楽しみではあるのだがな。
あの辺りに良く来る竜騎士もいると言うし。)
考えつつ、武器をまとめる。
グラリスの事だ、きっと行く先々で手合わせをするだろう。
そう多くは無い荷物を持ち、ドアを閉める。
すると、グラリスは隣に並び手を繋いできた。
「なあエクシア。こう言うのを、新婚旅行って言うんだろう?」
「ああ、言うのだろうな。・・それがどうかしたか?」
グラリスを見ると黙ったままで口をこちらに向け目をつむっている。
・・ああ、そういうことか。
「ふ・・ん・・っ・・これが欲しいなら言えば良いだろうに。」
「たまには、そっちからしてこないかなぁ、と期待してみただけだ。」
「期待どうりだっただろう?」「ん〜60点だな、少し間があった。」
やはりバレていたか。
ならばと、荷物を腰や肩に括りつけ彼女を持ち上げる。
所謂お姫様抱っこだ。
(・・意外と軽いな・・剣だか鱗だかで重いと思ったんだが・・)
「これなら、何点だ?」「ん・・99点だ、雰囲気が無かった。」
「なかなかに厳しい採点基準だな。」
「だが、お前がずっとしてくれるならば100点もあるぞ?」
「ふ・・分かった、ただし村に着くまでだからな。」
そう言ってグラリスを抱いたまま歩き続ける。
空には太陽がまぶしく光り輝いている。
だがしかし、両腕に抱えられている彼女の笑顔の方が私には眩しく思えた。
そろそろ、グラリスも起こしてやるとするか。」
私はエクシア。
以前は闘技場の戦士だったのだが、今は単なる一人の男。
そうなる切っ掛けを作った妻グラリスをこれから起こしに行くところ。
「入っても構わないか・・返事がないな?
おい、入るぞ・・っ!?」
・・・起こしに行ったら、妻が朝っぱらから水着を着て鏡と睨めっこをしていた。
驚く私をよそにそのまま、グラリスはこちらに真っ赤な顔で振り向く。
「な・・なぁ、エクシア?似合うかなぁ・・?」
そう言う彼女は今、いつもは鎧やらで隠されている腰から胸までを露出していた。
代わりにその鍛えられ健康的で在りながら美しい体に纏っているのは
両胸を覆い隠しそれを繋ぐタイプの、所謂ビキニと言われる赤の水着だ。
(何とも美しい・・そして照れ顔が愛らしい・・その二つのコンビネーションはまさに・・ハッ!?)
一瞬茫然となってしまったが、我に返り感想を述べる。
「あ、ああ似合ってると思うぞ?」
「そ、そうか。
いやだがしかし、露出が多すぎると思うのだが・・」
「何を言っている、それは泳ぐときに着るものだ。
海水浴とやらでは大抵そのくらいの露出度だというぞ?」
実際に海水浴に行ったことは無いがな。と付け加えると彼女はこう言った。
「そうだ、海にいこうエクシア!お前も行ったこと無いのなら丁度いい!
二人で海に行って、楽しもう!私も行ったこと無いしな!」
「海・・ふむ、いいな。
私も行ってみたいと思っていたし、それに折角
水着があるのに行かぬというのも勿体無いな。」
「そうか!よし、では早速準備をしなくては!」
そう言って、着替えやらをまとめ始めるグラリス。
そんな彼女に記憶を探りつつ言う。
「ときにグラリス。
場所だが、ここより南に少々行った所に良い場所がある。
どうだ?お前が行ったと言っていた村と近いが。」
「ああ、近頃マンティスと元教団の男が婚約をした!
構わないぞ、あそこは結構良い所だし、何より戦士が結構いるからな!」
浮かれていると思ったがやはりこういう所はリザードマンらしい。
(まぁ、私も楽しみではあるのだがな。
あの辺りに良く来る竜騎士もいると言うし。)
考えつつ、武器をまとめる。
グラリスの事だ、きっと行く先々で手合わせをするだろう。
そう多くは無い荷物を持ち、ドアを閉める。
すると、グラリスは隣に並び手を繋いできた。
「なあエクシア。こう言うのを、新婚旅行って言うんだろう?」
「ああ、言うのだろうな。・・それがどうかしたか?」
グラリスを見ると黙ったままで口をこちらに向け目をつむっている。
・・ああ、そういうことか。
「ふ・・ん・・っ・・これが欲しいなら言えば良いだろうに。」
「たまには、そっちからしてこないかなぁ、と期待してみただけだ。」
「期待どうりだっただろう?」「ん〜60点だな、少し間があった。」
やはりバレていたか。
ならばと、荷物を腰や肩に括りつけ彼女を持ち上げる。
所謂お姫様抱っこだ。
(・・意外と軽いな・・剣だか鱗だかで重いと思ったんだが・・)
「これなら、何点だ?」「ん・・99点だ、雰囲気が無かった。」
「なかなかに厳しい採点基準だな。」
「だが、お前がずっとしてくれるならば100点もあるぞ?」
「ふ・・分かった、ただし村に着くまでだからな。」
そう言ってグラリスを抱いたまま歩き続ける。
空には太陽がまぶしく光り輝いている。
だがしかし、両腕に抱えられている彼女の笑顔の方が私には眩しく思えた。
13/08/17 17:50更新 / GARU
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