うるさい奴
ん・・朝か。
さて、とりあえず起きるとするｋ
「我が婿よ！
朝の挨拶、すなわち、おはようという言葉を
つつしんで贈らせてもらおう！」
・・やはり寝るか。
布団に戻ろうとする。
その肩を、がしっと掴まれた。
「待て待て婿よ！
そんなに起き抜けに私の顔を見るのが嫌だったか！？」
「・・いや別に。」
「嘘を言うなルダ、お前がそう言うときは
大概私に不満があるときであろう！」
「・・いや、ただ眠かっただけだ。」
「・・本当か？では、一緒に・・」
・・勝手にしろよ。
俺の名前はルダ、元傭兵で、それとは関係ないが背は高い方。
傭兵の所に元とつくのは
さっきからうるさいこいつのせいでほぼ廃業状態だからだ。
そのうるさいこいつは
俺の・・まぁ・・居候、というか恋人？の
ジャバウォックで、名前をレヴィという。
性格は、とにかくうるさい、面倒、構って欲しくてたまらない。
・・後は、淫乱、とかか。
姿だけなら間違いなく疑い無く美人なんだがな・・。
「ふふん、では早速お前を抱きしめてぇ・・」
そう言って俺の肩の上から手を回そうとするレヴィ。
正直暑苦しいので俺はそれを払いのけた。
「・・おい、抱きつくな暑い。」
ぶっきらぼうに言い放つ。
「良いではないか、私とお前は愛を紡いだそんな」
だが、こいつは気にした様子もなくそう言う。
頼むから、恥ずかしいことを真顔で言うのは止めろ。
・・やっぱり起きるか。
そう思って俺は身を起こしベッドから立ち上がる。
そんな俺を寂しそうな目で見るレヴィ。
・・お前な、仮にもドラゴン族だろうがよ。
「あ！？お、おい、もう起きてしまうのか？」
「ん、ああ・・いつまでも寝てるってのもダメだろ。」
「そうか・・まぁ、お前がそう言うなら仕方ないよな。
では、私も起きるとしよう！
お前とはいつだって一緒に居たいのでな！」
そう言って同じく立ち上がるレヴィ。
だから、何でそうお前は・・まぁ良い、いつものことだしな。
時が過ぎ、昼。
俺は床に座り拳にはめる用の武具を磨いていた。
もはや一ヶ月に一度使うかどうかという感じのものだが、
オーガの使用にも耐えるらしいサイクロプス印の逸品でもある。
というか、磨かないとレヴィがうるさい。
少し前までは命を預けていた物だから、
なんだかんだで俺が落ち着かんというのもあるが。
埃をあらかた払い終わり、ふうと一息をつく。
俺がこれを磨いている間ずっとレヴィは近くにいた。
うざったくちょっかいをかけてくるでもなく、
ただただ俺の隣に座り込み、俺とこれを見ている。
いつもの事ではあったのだが、
何となく気になって今日は訊いてみた。
「・・なぁ、こんなの見てて楽しいのか？」
するとこいつはきょとんとした顔で首を傾げた後、
笑顔になりこう言った。
「うむ、楽しいぞ！
逸品が見事になっていくのもあるが、
何よりお前の真剣な顔を見ることができるからな！」
それは曇りや偽りのない言葉。
何だってこいつは、バカ正直にそんなことを言えるのか。
「・・そうかよ。」
そんなことをされては、
そう言ってそっぽを向く他無くなってしまう。
・・こういうのは傭兵時代には無縁だったのだ。
だから・・っ、ああもう！
軽く頭を振って考えを中断する。
自分がどうして戸惑っているかなんて知っている。
知っては、いるのだが。
・・こいつ程とは言わずとも、もっと俺が口が上手かったなら。
そう思わずにはいられない。
「・・ルダ。」
そんな俺に、隣から優しい声音で声がかけられた。
なんだ、と言ってそちらを見る。
ポム。
いきなり、頭に手を乗せられた。
・・子供扱いか？そういうガラではないのだが。
と、軽く怒りを込めて視線を送る。
「クク、気にするな・・これは私がしたかっただけだ。」
が、やはりこいつは意に介さない。
頭に乗せられた手は、
ゴツゴツした鱗に覆われてはいるが温かくて、心地良い。
少なくとも、払いのける気にはなれなかった。
せめてもの抵抗で視線を逸らす・・すると。
「・・そうだ、ルダ、お前はそれで良い。
お前はそのままで良いのだ、私に合わせる必要はない。」
そんなことを言われた。
・・図星だった、憎らしいほどに。
「・・誰が、お前に合わせるって言うんだ？」
何とかそう言い返す。
・・顔が、熱い。
頭に乗せられた手のせいだろう。
「ふふ、お前以外に誰が居る？と、そうではなくてだな。
お前はそのままで良いという話だ。
でなくば私が愛をお前に囁き続けられぬでな。
それに、ぶっきらぼうながらも、
私の事を考えてくれるところも好きなのだぞ、私は。」
・・チッ。
思わず舌打ちする。
どうしてこいつは、俺に対してこんなにも素直なのだ。
せめて、憎まれ口の一つでも言ってくれれば。
そうすれば、手慣れた対応の仕方が出来るのに。
なのに、こいつは。
レヴィを見る。
にやけている癖に、やけに頼もしく思えるいつもの顔だ。
ゴツゴツした逞しい腕。
俺を組み伏せ、時に抱え。
・・俺を甘えさせてくれる、腕だ。
強く振る舞っている俺を抱き寄せありのままにさせてくれ、
思うさま蹂躙して俺の弱いところまで受け入れてくれた腕。
・・まったく、これじゃ甘えん坊だな。
そんなことを考えてしまったもんだから。
「・・昼飯食うぞ、レヴィ。」
照れ隠しにそう言って一旦俺は流れを断ち切った。
夜。
風呂に入りそろそろ寝ようかという所で、
レヴィがいきなり俺の目の前に仁王立ちしてきた。
「するぞ！ルダ！」
そしていきなりそんなことを言う。
・・ああ、うんそうだよな。
お前、ジャバウォックだからな。
・・だが、ちょっと意地悪してみたくもあるな。
「・・何をするんだ？」
わざとそう訊いてみる。
・・ほかの奴なら恥ずかしがったりするんだろうが、
俺が聞きたいのはそんな言葉じゃない。
「無論！ナニをするに決まっていよう！」
聞きたかったのは、こういうこいつの素直すぎる言葉だ。
こういうこいつの言葉を・・。
「断る、そういう気分じゃねえ。」
そう言って、断ってやる・・もちろん、本心じゃない。
何で断るのか、それは。
「ふふん、聞く耳持たんよ！お前がそうでなくとも、
私はそういう気分なのだからな！」
こうやって、無理矢理してくるこいつを見るためだ。
なんだかんだで無理矢理されるのは・・
「というわけで・・ほいっと！」
・・っておい！
「何いきなり俺をお姫様抱っこしてんだよ！？」
これまではそんなことしなかったろ？！
戸惑う俺に、こいつは笑う。
「ッハハ、これは奇怪なことを言う。
本心ではこのように私に好き勝手されたがっている癖に♪」
満面の笑み。
しかも、当たっていた。
「ばっ・・！！違えよ！ってか降ろせ、恥ずかしいだろ！」
じたばた暴れようとする、が。
「あむっ。」
っ・・あ・・っ。
耳を甘噛みされてしまい、俺は大人しくさせられてしまった。
「はむ・・んふふ、良い顔だぞルダ・・あむっ。」
「っ・・るせえ・・っ・・。」
噛まれるその度に、背筋がゾクリとして体に力が入らなくなる。
「どうした？さっきまでの威勢が嘘のようだな・・♪」
楽しそうなレヴィの顔。
黙ってろ、力強くそう言いたかったが
甘噛みによる快感の残滓で俺はそれができない。
それどころか。
「っ・・黙ってろ、馬鹿・・っ。」
そう言ってレヴィの胸を力の入らない手で叩いてしまった。
言っておくとこいつは、俺のこう言うところが好きらしい。
当然、それをされたレヴィは。
「〜〜〜っ！ルダは可愛いなぁ！もはや辛抱たまらん！」
そう言って、猛スピードで俺をベッドまで運び始めた。
・・別に、そうされたかったからこうしたんじゃない。
「ふふ、そおらっ」
服を剥ぎ俺をベッドにやや乱暴に寝かせた後、
そう言ってこいつは、俺の肩をその両腕で布団に押しつけてくる。
当然俺は抵抗しようとするが、もとより力の差は歴然、
快感が抜けきらない状態では抵抗にすらならない。
「ふふ・・どうした？この程度で抵抗しているつもりか？」
にやにやと笑いながらそう言い、
今度は体ごと覆い被さり、さらに強く布団に押しつけてくるレヴィ。
圧力は強くなったものの、それを苦には感じない。
むしろ、こいつの体の柔らかい感触が押しつけられ、
俺は快に近い何かを感じていた。
「ぐ・・っ。」
とりあえず、もぞもぞと動いて抵抗の形を取ってはいるが、
俺自身から抵抗しようという意志がずるずると抜け落ちている以上、
まさしく形だけになっている。
そんな俺に、こいつはさらに興奮したらしく。
「っふ・・本、当に可愛い・・あむっ・・。」
体を俺に押しつけたまま、俺の口に自分のそれを重ねてきた。
いや、重ねる、というのは正しくない。
「っむ！？む、むじゅっ、りゅむ・・っ・・」
いきなり、舌を入れて俺の口の中を舐め始めたのだから。
むしろ、奪うという表現が正しいだろう。
「じゅむ、む、むりゅ、あぁむぅ・・」
こいつは口の中を、
上の歯の裏から下の歯の裏まで、執拗に舐め回した。
「りゅぷ・・あっぶ・・んびゅ・・」
かと思うと、俺の舌を自分の舌で弄んでくる。
そんなことをされてしまった俺は。
「んぷはっ・・はっ、はっ・・れ、レヴィっ・・っ・・」
下半身の一部をムクムクと大きくしつつそう言いながら、
自分でも分かる程熱くなった顔で、
レヴィの顔を見つめるしか出来なくなってしまう。
眼光だけは辛うじて鋭くしているとしても、
きっと、俺の顔はとんでもなく甘えていることだろう。
だって、俺は更なる快楽をレヴィから与えられることを、
・・望んでいるんだから。
もちろん、過去に体を重ねたことのあるレヴィには、
俺が望んでいる事など丸分かりだったようで。
「分かっているさ、ルダ・・。
もっと、気持ちよくしてほしいのだろう？」
そう言ってこいつは、下半身だけを持ち上げる。
そして、腰を動かし狙いを定めるように細かく動かすと、
一気に下ろした。
その結果。
「はぅぁっ！？くんっ、うあっ、ああああっ！！」
俺は軽く飛びかけた。
下半身から甘い快楽がこみ上げてくる。
「ぁ、あぅ、あっ・・」
情けない声が抑えることも出来ず口から漏れる。
グチュグチュといういやらしい音に、否応無く高まってくる。
俺をそんな風にしたレヴィはというと。
「はぁ・・良い・・何度味わっても良いなぁ、お前のは・・♥」
そんなことを言って、だらしなく顔を歪ませていた。
舌なめずりをするのがその淫らさに拍車をかけている。
しかも、膣内をゆっくり動かして常にやわやわ俺のモノをなぶった。
が、それだけでこの淫乱竜が満足など出来るわけないのは
俺が一番良く知っている。
きっと、まもなくこいつは腰を動かし始め・・っ！
「ぅ・・あぁっ・・！！」
思っている側から始まった。
こいつは、腰を動かし俺のこれ以上無いほど固くなったそれを
自分の膣でしごき始めた。
「はっ、はっ、はっ、はぁっ・・♥」
しかも、俺の体を布団に押しつけながらだ。
こいつは、俺がこうされるのが一番感じることを、知っている。
それは、こいつがそう言うことに関しては
一級の感性を持つからというだけではない。
俺がこいつに、初めて犯されたときも、同じようにしてきた。
そのときは、ただ単に
動けなくして好き放題シてやろうという考えだったらしい。
だが、それが俺には効いた。
強く、一人だけで孤独に傭兵業を続けていた俺の隠し持っていた、
心から誰かに屈したいという欲望に効いたのだ。
それ以来。
「はっ、はっ、ははっ、ルダぁ・・♥
気持ちよさそうにしているではないかぁ・・♥」
俺を犯すときはこういう風に、
無理矢理な、軽く強姦じみたやり方をとってくれている。
俺がおかしくなるくらい・・
強がる仮面がぽろりと剥がれ落ちるくらいの快楽を俺にくれている。
「だぁっ・・誰、が・・っ・・」
でも、俺はギリギリまで強がる。
下半身からの快感が、俺の体を跳ね上げそうになったとしても。
それは魔界の英雄譚にありがちな、屈したくないという欲求からではない。
むしろ、屈したいから・・限界まで行ってから、
レヴィに打ち崩されたいから強がり、耐えるのだ。
相手がレヴィだからこそ、心から俺が屈することを、
こいつが許してくれたからこそそうするのだ。
そして、そのときは来る。
「うあっ・・」
軽く俺の体がピクンと跳ねた。
それはもしかしたら俺の心が限界まで来たことを伝えるために、
俺の体がレヴィに出したサインなのかもしれない。
事実、レヴィは。
「ふふ、そうかルダ。
そろそろ一思いに崩して欲しいか・・！」
そう言って、俺の口を再度奪った。
そうすれば、俺が、俺の心が崩れることを知っているから。
体を支配され、口を蹂躙し、
心を犯せば俺がどうなってしまうか知っているから。
グチュリ、という音を立てレヴィの膣が俺のに噛みついた瞬間。
「は、っうあっ、がああああぁぁぁあっ・・！！」
「んっ・・んはぁ・・♥」
勢いのよい射精と共に強がる俺が壊れて、本当の俺が剥き出しにされる。
レヴィにいじめて欲しい、そう思う方の俺の心が出てくる。
無論、強がる方も残ってはいた。
レヴィの膣に精が吸われていく
暖かく穏やかなその快楽を甘受しようとするのは、
どちらの心も同じだったが。
でも、その先の考え方が違った。
強がる心は、射精「させられた」と考え、
なんとか抵抗にならない抵抗をしようとするのに対し。
甘える心は、射精「させられたい」と考え、
こいつをその気にさせることをいってしまうのだ。
・・で、俺の体はというと。
「はぁっ・・レヴィぃ・・まだ・・足りねえっ・・
もっと・・もっとおかしくしてくれよぉっ・・」
十中の十、甘える方を選ぶ。
強がる心が、何て事を言ってんだ俺は！と言うのが滑稽に思える。
本当は、犯されたくて壊されたくてたまらない癖に。
それはそうと、甘えられたレヴィは、
「ああ、ああ！勿論だ！勿論だとも！
お前の心と体をグチャグチャにしてやるっ♪」
そう言ってさらに苛烈に、俺を犯し始める。
口内をいたぶり、肌をスリスリと擦りつけ、
甘い吐息を俺の顔面に吐きかけて。
ここまで来ると、強がる心すらもが、屈したい、と思い始める。
つまり、俺の全てがレヴィに堕とされる事を望むのだ。
ここからが、俺にとっては本番。
全てをレヴィに委ねるべく、こちらからも積極的に舌を絡めていく。
「あむ・・むじゅ・・う・・」
ぬるぬるしたレヴィの口の中。
攻撃的なレヴィの舌に差し出すように俺のそれを絡める。
「む・・んふ、あむじゅ・・りゅ・・」
俺の意図を理解してか、はたまた俺が乗り気になったのを喜んでか、
こいつはさっきより強く俺の舌を舐めてきた。
舌までも力強いこいつの舌使いに、俺の顔と心はとろけていく。
もっと・・もっと欲しい・・気持ちよくして欲しい・・。
激しくなっていく舌と膣と腕の中、そんなことを思ったからなのか。
ぎゅっ。
俺の腕は勝手に、それでいて自然かつ正確に、
レヴィの柔らかい胴体に抱きついていた。
体の力は抜けているというのに、やけにしっかりと。
それが、レヴィに火を点けたらしい。
「あ・・っ♥ルダ・・ルダぁ・・！！」
そう言って肩から手を外しこいつは、
俺の頭を抱え込み、その豊かな胸へと押しつけた。
頬に触れる柔らかな二つの膨らみが、安心する・・するのだが、
俺はそれどころではなかった。
「あ・・あはぁ・・あぅあっ、あっ・・♥」
下半身からの快楽が体全体を冒し尽くし、
俺の精神はレヴィに犯される事以外考えられなくなっている。
レヴィの肌が俺の肌に触れる度に、
舌先で耳をチロチロとなぞられる度に、
俺の我慢は限界へ近づいていく。
「あ、あくぅ・・っ・・」
俺は腕に力をキュッと込め、鳴いてしまった。
それが、レヴィの最後のスイッチになる。
「ルダっ、ルダあっ♥♥」
そう連呼すると、レヴィは俺の体を苦しいくらいに抱きしめた。
同時に、膣肉が亀頭にむしゃぶりつく。
そんなことをされて、耐えられるわけ・・っ！
「あ、あうっ、ああぁあぁぁあああ・・っ・・！！」
俺は二度目の射精をした。
分かったのはそれだけだった。
体が、感じ取れないくらい気持ちよかったのもある。
でも、一番の原因は。
「レヴィぃ・・大好きだぁっ・・♥」
そんな事を言ってしまったからだ。
口からいきなり出てしまったのだ、止めようもない。
・・言っておくと、俺はそんな事滅多に言わない。
いつも、気持ちよければレヴィに抱きつくという行動で示す。
言葉にするのが億劫なのではない。
そうするのが、俺の性に合っているからだ。
でも、言ってしまった。
いつも言わない、そんな事を。
で、どうしてそれが原因になったかというと。
「んぁ・・っ・・ん・・んん・・っ・・？
へ・・？ル・・ルダぁ・・？今なんと・・？」
戸惑うレヴィに、もう一回言う。
「っ・・何度も・・言わせんなぁっ・・！！
大好きだって・・言ったんだよ・・っ！！」
その乱暴な言い方は、レヴィが大好きな俺の言い方で。
内容はジャバウォックとしての、
女としてのレヴィが一番喜ぶ事だったわけで。
「っ・・あっ・・うああっ・・くうんああっ！！
ルダ・・ッ・・ルダ、ルダッ、ルダあッ、ルダあぁあっっ！！！」
「お、おい、レ・・ヴィぃっ・・！？」
こうなるのは当然だった。
膣をやたらめったら動かし、
しかもそのくせ動かし方は気持ちいい。
レヴィが、交わるためだけに生きているような種族なのだから、
当然と言えばそうなのだが、
それでもここまでのものは味わったことがない。
「お、おいっ、は、うあっ、ああっ！！」
頭ががなり、何も感じ取れなくなりそうなのに、
快楽だけはしっかりと体が感じ取っていく。
「ルダぁ、ルダああっ、ルダ、ルダあっ、ルダあああッ！！！
ルダルダっ、ルぅダあぁッ！！」
俺がそんなになっている間にもレヴィは、
狂ったように俺の名前を連呼しながら、
その滅茶苦茶な腰の動きを加速させていった。
・・ていうかっ、この動き、ヤバいっ・・！！！
やめ・・ちょ・・っ、体も、意識も、心ももたねぇ・・っ！！
駄目っ、駄目だっ、ダメっ、あっ、これ、良いっ・・！！
「レヴィぃ・・俺っ、ダメに、なっちまうからっ・・！
レ、ヴィぃぃっ・・！！このままじゃぁっ・・！」
抗議の声を上げる。
でも、それも今のレヴィを煽ることにしかならない。
「あ、ああっ、良いんだ、良いんだぞルダっ、
私が、私だけが、私の全てを使ってっ、
お前をダメにして、お前を私の、私のものにして、
お前の全てを受け入れてやるからッ・・！！」
早口でそうまくし立てると、さらにこいつは激しく動いた。
俺が・・壊れるのを、期待するかのように。
俺が、悶え震えるのを期待するように。
・・こいつは・・俺の快楽も喘ぎも崩壊も、
全てを受け入れるつもりなんだ・・あの時のように・・。
そう思った瞬間、俺の精神は瓦解を受け入れた。
良いじゃないか・・レヴィになら・・良い、よ・・
体全体が甘く激しい快楽で満たされていくのがわかる。
それこそ、実のところ俺が求めているものであることも知っている。
だから・・。
「良いっ、良いぞ、レヴィっ・・俺の全部っ、
お前にやるからっ・・！頼む・・お願い・・
壊してくれ・・俺の全部を・・ッ！！」
そう言って、全てを明け渡す。
体から力が抜ける。
腕がポトリとレヴィの体から落ちる。
瞬間レヴィと目が合う。
「ルダぁ・・うん・・分かったぞ・・！」
「はぁ・・レヴィ・・愛してるから・・っ」
グチュ、ニュクリ。
あうああぁぁっ・・・！！
あ・・ああっ、俺、今・・レヴィに壊されかけてる・・♥
俺の全部が、レヴィのものに、なってくぅっ・・♥♥
「ルダぁっ、ルダっ、ルダああぁぁあっぁあああぁッ！！！！」
あっ、来るっ、俺っ、壊れるっ！
レヴィにっ♥完全に奪われるっ・・♥♥♥
ドピュッ、ピュピュルーッ！！！
「あっ、ルダっ！？ルダああああぁぁぁあぁぁぁああ！！！」
「あっ、レ、ヴィッ、レヴィいぃいいいぃいいぃッ！！」
「・・ご機嫌いかがかな？我が婿よ！」
目を覚まして聞いたのは、そんな言葉だった。
・・ま、こいつらしいと言えばそうなんだよな。
「・・最高ってことに、しといてやる。」
もう俺は、強がる仮面を被りなおしていた。
でも、今俺がそれを被った理由は。
「それはなによりだよ、ルダ。
私も最高だ・・ルダ・・そして、愛しているよ、ルダ・・。」
そう言って抱きしめてくるレヴィ。
「・・そうかよ。」
大好きなゴツゴツした腕を受け入れつつ、応える。
被った理由は、こいつが好きだと言ってくれたからだ。
こいつか好きだと言ってくれた仮面ならば。
例えそれまでは望まずとも自然と身についてしまった、
忌々しいとすら思えていたものであっても。
俺が心から、大好きだと、愛していると思った者が
好きだと言ってくれたものなのだから、
わざと被ってやるのも・・悪くはない、そう思えただけだ。
こいつが・・うるさくてやけに素直で、
そのくせ優しくて人の心の中を察することの出来て、
淫乱で力強いジャバウォックが・・
俺にとって最高の女が・・レヴィが、好きだと言ってくれたのだから。
さて、とりあえず起きるとするｋ
「我が婿よ！
朝の挨拶、すなわち、おはようという言葉を
つつしんで贈らせてもらおう！」
・・やはり寝るか。
布団に戻ろうとする。
その肩を、がしっと掴まれた。
「待て待て婿よ！
そんなに起き抜けに私の顔を見るのが嫌だったか！？」
「・・いや別に。」
「嘘を言うなルダ、お前がそう言うときは
大概私に不満があるときであろう！」
「・・いや、ただ眠かっただけだ。」
「・・本当か？では、一緒に・・」
・・勝手にしろよ。
俺の名前はルダ、元傭兵で、それとは関係ないが背は高い方。
傭兵の所に元とつくのは
さっきからうるさいこいつのせいでほぼ廃業状態だからだ。
そのうるさいこいつは
俺の・・まぁ・・居候、というか恋人？の
ジャバウォックで、名前をレヴィという。
性格は、とにかくうるさい、面倒、構って欲しくてたまらない。
・・後は、淫乱、とかか。
姿だけなら間違いなく疑い無く美人なんだがな・・。
「ふふん、では早速お前を抱きしめてぇ・・」
そう言って俺の肩の上から手を回そうとするレヴィ。
正直暑苦しいので俺はそれを払いのけた。
「・・おい、抱きつくな暑い。」
ぶっきらぼうに言い放つ。
「良いではないか、私とお前は愛を紡いだそんな」
だが、こいつは気にした様子もなくそう言う。
頼むから、恥ずかしいことを真顔で言うのは止めろ。
・・やっぱり起きるか。
そう思って俺は身を起こしベッドから立ち上がる。
そんな俺を寂しそうな目で見るレヴィ。
・・お前な、仮にもドラゴン族だろうがよ。
「あ！？お、おい、もう起きてしまうのか？」
「ん、ああ・・いつまでも寝てるってのもダメだろ。」
「そうか・・まぁ、お前がそう言うなら仕方ないよな。
では、私も起きるとしよう！
お前とはいつだって一緒に居たいのでな！」
そう言って同じく立ち上がるレヴィ。
だから、何でそうお前は・・まぁ良い、いつものことだしな。
時が過ぎ、昼。
俺は床に座り拳にはめる用の武具を磨いていた。
もはや一ヶ月に一度使うかどうかという感じのものだが、
オーガの使用にも耐えるらしいサイクロプス印の逸品でもある。
というか、磨かないとレヴィがうるさい。
少し前までは命を預けていた物だから、
なんだかんだで俺が落ち着かんというのもあるが。
埃をあらかた払い終わり、ふうと一息をつく。
俺がこれを磨いている間ずっとレヴィは近くにいた。
うざったくちょっかいをかけてくるでもなく、
ただただ俺の隣に座り込み、俺とこれを見ている。
いつもの事ではあったのだが、
何となく気になって今日は訊いてみた。
「・・なぁ、こんなの見てて楽しいのか？」
するとこいつはきょとんとした顔で首を傾げた後、
笑顔になりこう言った。
「うむ、楽しいぞ！
逸品が見事になっていくのもあるが、
何よりお前の真剣な顔を見ることができるからな！」
それは曇りや偽りのない言葉。
何だってこいつは、バカ正直にそんなことを言えるのか。
「・・そうかよ。」
そんなことをされては、
そう言ってそっぽを向く他無くなってしまう。
・・こういうのは傭兵時代には無縁だったのだ。
だから・・っ、ああもう！
軽く頭を振って考えを中断する。
自分がどうして戸惑っているかなんて知っている。
知っては、いるのだが。
・・こいつ程とは言わずとも、もっと俺が口が上手かったなら。
そう思わずにはいられない。
「・・ルダ。」
そんな俺に、隣から優しい声音で声がかけられた。
なんだ、と言ってそちらを見る。
ポム。
いきなり、頭に手を乗せられた。
・・子供扱いか？そういうガラではないのだが。
と、軽く怒りを込めて視線を送る。
「クク、気にするな・・これは私がしたかっただけだ。」
が、やはりこいつは意に介さない。
頭に乗せられた手は、
ゴツゴツした鱗に覆われてはいるが温かくて、心地良い。
少なくとも、払いのける気にはなれなかった。
せめてもの抵抗で視線を逸らす・・すると。
「・・そうだ、ルダ、お前はそれで良い。
お前はそのままで良いのだ、私に合わせる必要はない。」
そんなことを言われた。
・・図星だった、憎らしいほどに。
「・・誰が、お前に合わせるって言うんだ？」
何とかそう言い返す。
・・顔が、熱い。
頭に乗せられた手のせいだろう。
「ふふ、お前以外に誰が居る？と、そうではなくてだな。
お前はそのままで良いという話だ。
でなくば私が愛をお前に囁き続けられぬでな。
それに、ぶっきらぼうながらも、
私の事を考えてくれるところも好きなのだぞ、私は。」
・・チッ。
思わず舌打ちする。
どうしてこいつは、俺に対してこんなにも素直なのだ。
せめて、憎まれ口の一つでも言ってくれれば。
そうすれば、手慣れた対応の仕方が出来るのに。
なのに、こいつは。
レヴィを見る。
にやけている癖に、やけに頼もしく思えるいつもの顔だ。
ゴツゴツした逞しい腕。
俺を組み伏せ、時に抱え。
・・俺を甘えさせてくれる、腕だ。
強く振る舞っている俺を抱き寄せありのままにさせてくれ、
思うさま蹂躙して俺の弱いところまで受け入れてくれた腕。
・・まったく、これじゃ甘えん坊だな。
そんなことを考えてしまったもんだから。
「・・昼飯食うぞ、レヴィ。」
照れ隠しにそう言って一旦俺は流れを断ち切った。
夜。
風呂に入りそろそろ寝ようかという所で、
レヴィがいきなり俺の目の前に仁王立ちしてきた。
「するぞ！ルダ！」
そしていきなりそんなことを言う。
・・ああ、うんそうだよな。
お前、ジャバウォックだからな。
・・だが、ちょっと意地悪してみたくもあるな。
「・・何をするんだ？」
わざとそう訊いてみる。
・・ほかの奴なら恥ずかしがったりするんだろうが、
俺が聞きたいのはそんな言葉じゃない。
「無論！ナニをするに決まっていよう！」
聞きたかったのは、こういうこいつの素直すぎる言葉だ。
こういうこいつの言葉を・・。
「断る、そういう気分じゃねえ。」
そう言って、断ってやる・・もちろん、本心じゃない。
何で断るのか、それは。
「ふふん、聞く耳持たんよ！お前がそうでなくとも、
私はそういう気分なのだからな！」
こうやって、無理矢理してくるこいつを見るためだ。
なんだかんだで無理矢理されるのは・・
「というわけで・・ほいっと！」
・・っておい！
「何いきなり俺をお姫様抱っこしてんだよ！？」
これまではそんなことしなかったろ？！
戸惑う俺に、こいつは笑う。
「ッハハ、これは奇怪なことを言う。
本心ではこのように私に好き勝手されたがっている癖に♪」
満面の笑み。
しかも、当たっていた。
「ばっ・・！！違えよ！ってか降ろせ、恥ずかしいだろ！」
じたばた暴れようとする、が。
「あむっ。」
っ・・あ・・っ。
耳を甘噛みされてしまい、俺は大人しくさせられてしまった。
「はむ・・んふふ、良い顔だぞルダ・・あむっ。」
「っ・・るせえ・・っ・・。」
噛まれるその度に、背筋がゾクリとして体に力が入らなくなる。
「どうした？さっきまでの威勢が嘘のようだな・・♪」
楽しそうなレヴィの顔。
黙ってろ、力強くそう言いたかったが
甘噛みによる快感の残滓で俺はそれができない。
それどころか。
「っ・・黙ってろ、馬鹿・・っ。」
そう言ってレヴィの胸を力の入らない手で叩いてしまった。
言っておくとこいつは、俺のこう言うところが好きらしい。
当然、それをされたレヴィは。
「〜〜〜っ！ルダは可愛いなぁ！もはや辛抱たまらん！」
そう言って、猛スピードで俺をベッドまで運び始めた。
・・別に、そうされたかったからこうしたんじゃない。
「ふふ、そおらっ」
服を剥ぎ俺をベッドにやや乱暴に寝かせた後、
そう言ってこいつは、俺の肩をその両腕で布団に押しつけてくる。
当然俺は抵抗しようとするが、もとより力の差は歴然、
快感が抜けきらない状態では抵抗にすらならない。
「ふふ・・どうした？この程度で抵抗しているつもりか？」
にやにやと笑いながらそう言い、
今度は体ごと覆い被さり、さらに強く布団に押しつけてくるレヴィ。
圧力は強くなったものの、それを苦には感じない。
むしろ、こいつの体の柔らかい感触が押しつけられ、
俺は快に近い何かを感じていた。
「ぐ・・っ。」
とりあえず、もぞもぞと動いて抵抗の形を取ってはいるが、
俺自身から抵抗しようという意志がずるずると抜け落ちている以上、
まさしく形だけになっている。
そんな俺に、こいつはさらに興奮したらしく。
「っふ・・本、当に可愛い・・あむっ・・。」
体を俺に押しつけたまま、俺の口に自分のそれを重ねてきた。
いや、重ねる、というのは正しくない。
「っむ！？む、むじゅっ、りゅむ・・っ・・」
いきなり、舌を入れて俺の口の中を舐め始めたのだから。
むしろ、奪うという表現が正しいだろう。
「じゅむ、む、むりゅ、あぁむぅ・・」
こいつは口の中を、
上の歯の裏から下の歯の裏まで、執拗に舐め回した。
「りゅぷ・・あっぶ・・んびゅ・・」
かと思うと、俺の舌を自分の舌で弄んでくる。
そんなことをされてしまった俺は。
「んぷはっ・・はっ、はっ・・れ、レヴィっ・・っ・・」
下半身の一部をムクムクと大きくしつつそう言いながら、
自分でも分かる程熱くなった顔で、
レヴィの顔を見つめるしか出来なくなってしまう。
眼光だけは辛うじて鋭くしているとしても、
きっと、俺の顔はとんでもなく甘えていることだろう。
だって、俺は更なる快楽をレヴィから与えられることを、
・・望んでいるんだから。
もちろん、過去に体を重ねたことのあるレヴィには、
俺が望んでいる事など丸分かりだったようで。
「分かっているさ、ルダ・・。
もっと、気持ちよくしてほしいのだろう？」
そう言ってこいつは、下半身だけを持ち上げる。
そして、腰を動かし狙いを定めるように細かく動かすと、
一気に下ろした。
その結果。
「はぅぁっ！？くんっ、うあっ、ああああっ！！」
俺は軽く飛びかけた。
下半身から甘い快楽がこみ上げてくる。
「ぁ、あぅ、あっ・・」
情けない声が抑えることも出来ず口から漏れる。
グチュグチュといういやらしい音に、否応無く高まってくる。
俺をそんな風にしたレヴィはというと。
「はぁ・・良い・・何度味わっても良いなぁ、お前のは・・♥」
そんなことを言って、だらしなく顔を歪ませていた。
舌なめずりをするのがその淫らさに拍車をかけている。
しかも、膣内をゆっくり動かして常にやわやわ俺のモノをなぶった。
が、それだけでこの淫乱竜が満足など出来るわけないのは
俺が一番良く知っている。
きっと、まもなくこいつは腰を動かし始め・・っ！
「ぅ・・あぁっ・・！！」
思っている側から始まった。
こいつは、腰を動かし俺のこれ以上無いほど固くなったそれを
自分の膣でしごき始めた。
「はっ、はっ、はっ、はぁっ・・♥」
しかも、俺の体を布団に押しつけながらだ。
こいつは、俺がこうされるのが一番感じることを、知っている。
それは、こいつがそう言うことに関しては
一級の感性を持つからというだけではない。
俺がこいつに、初めて犯されたときも、同じようにしてきた。
そのときは、ただ単に
動けなくして好き放題シてやろうという考えだったらしい。
だが、それが俺には効いた。
強く、一人だけで孤独に傭兵業を続けていた俺の隠し持っていた、
心から誰かに屈したいという欲望に効いたのだ。
それ以来。
「はっ、はっ、ははっ、ルダぁ・・♥
気持ちよさそうにしているではないかぁ・・♥」
俺を犯すときはこういう風に、
無理矢理な、軽く強姦じみたやり方をとってくれている。
俺がおかしくなるくらい・・
強がる仮面がぽろりと剥がれ落ちるくらいの快楽を俺にくれている。
「だぁっ・・誰、が・・っ・・」
でも、俺はギリギリまで強がる。
下半身からの快感が、俺の体を跳ね上げそうになったとしても。
それは魔界の英雄譚にありがちな、屈したくないという欲求からではない。
むしろ、屈したいから・・限界まで行ってから、
レヴィに打ち崩されたいから強がり、耐えるのだ。
相手がレヴィだからこそ、心から俺が屈することを、
こいつが許してくれたからこそそうするのだ。
そして、そのときは来る。
「うあっ・・」
軽く俺の体がピクンと跳ねた。
それはもしかしたら俺の心が限界まで来たことを伝えるために、
俺の体がレヴィに出したサインなのかもしれない。
事実、レヴィは。
「ふふ、そうかルダ。
そろそろ一思いに崩して欲しいか・・！」
そう言って、俺の口を再度奪った。
そうすれば、俺が、俺の心が崩れることを知っているから。
体を支配され、口を蹂躙し、
心を犯せば俺がどうなってしまうか知っているから。
グチュリ、という音を立てレヴィの膣が俺のに噛みついた瞬間。
「は、っうあっ、がああああぁぁぁあっ・・！！」
「んっ・・んはぁ・・♥」
勢いのよい射精と共に強がる俺が壊れて、本当の俺が剥き出しにされる。
レヴィにいじめて欲しい、そう思う方の俺の心が出てくる。
無論、強がる方も残ってはいた。
レヴィの膣に精が吸われていく
暖かく穏やかなその快楽を甘受しようとするのは、
どちらの心も同じだったが。
でも、その先の考え方が違った。
強がる心は、射精「させられた」と考え、
なんとか抵抗にならない抵抗をしようとするのに対し。
甘える心は、射精「させられたい」と考え、
こいつをその気にさせることをいってしまうのだ。
・・で、俺の体はというと。
「はぁっ・・レヴィぃ・・まだ・・足りねえっ・・
もっと・・もっとおかしくしてくれよぉっ・・」
十中の十、甘える方を選ぶ。
強がる心が、何て事を言ってんだ俺は！と言うのが滑稽に思える。
本当は、犯されたくて壊されたくてたまらない癖に。
それはそうと、甘えられたレヴィは、
「ああ、ああ！勿論だ！勿論だとも！
お前の心と体をグチャグチャにしてやるっ♪」
そう言ってさらに苛烈に、俺を犯し始める。
口内をいたぶり、肌をスリスリと擦りつけ、
甘い吐息を俺の顔面に吐きかけて。
ここまで来ると、強がる心すらもが、屈したい、と思い始める。
つまり、俺の全てがレヴィに堕とされる事を望むのだ。
ここからが、俺にとっては本番。
全てをレヴィに委ねるべく、こちらからも積極的に舌を絡めていく。
「あむ・・むじゅ・・う・・」
ぬるぬるしたレヴィの口の中。
攻撃的なレヴィの舌に差し出すように俺のそれを絡める。
「む・・んふ、あむじゅ・・りゅ・・」
俺の意図を理解してか、はたまた俺が乗り気になったのを喜んでか、
こいつはさっきより強く俺の舌を舐めてきた。
舌までも力強いこいつの舌使いに、俺の顔と心はとろけていく。
もっと・・もっと欲しい・・気持ちよくして欲しい・・。
激しくなっていく舌と膣と腕の中、そんなことを思ったからなのか。
ぎゅっ。
俺の腕は勝手に、それでいて自然かつ正確に、
レヴィの柔らかい胴体に抱きついていた。
体の力は抜けているというのに、やけにしっかりと。
それが、レヴィに火を点けたらしい。
「あ・・っ♥ルダ・・ルダぁ・・！！」
そう言って肩から手を外しこいつは、
俺の頭を抱え込み、その豊かな胸へと押しつけた。
頬に触れる柔らかな二つの膨らみが、安心する・・するのだが、
俺はそれどころではなかった。
「あ・・あはぁ・・あぅあっ、あっ・・♥」
下半身からの快楽が体全体を冒し尽くし、
俺の精神はレヴィに犯される事以外考えられなくなっている。
レヴィの肌が俺の肌に触れる度に、
舌先で耳をチロチロとなぞられる度に、
俺の我慢は限界へ近づいていく。
「あ、あくぅ・・っ・・」
俺は腕に力をキュッと込め、鳴いてしまった。
それが、レヴィの最後のスイッチになる。
「ルダっ、ルダあっ♥♥」
そう連呼すると、レヴィは俺の体を苦しいくらいに抱きしめた。
同時に、膣肉が亀頭にむしゃぶりつく。
そんなことをされて、耐えられるわけ・・っ！
「あ、あうっ、ああぁあぁぁあああ・・っ・・！！」
俺は二度目の射精をした。
分かったのはそれだけだった。
体が、感じ取れないくらい気持ちよかったのもある。
でも、一番の原因は。
「レヴィぃ・・大好きだぁっ・・♥」
そんな事を言ってしまったからだ。
口からいきなり出てしまったのだ、止めようもない。
・・言っておくと、俺はそんな事滅多に言わない。
いつも、気持ちよければレヴィに抱きつくという行動で示す。
言葉にするのが億劫なのではない。
そうするのが、俺の性に合っているからだ。
でも、言ってしまった。
いつも言わない、そんな事を。
で、どうしてそれが原因になったかというと。
「んぁ・・っ・・ん・・んん・・っ・・？
へ・・？ル・・ルダぁ・・？今なんと・・？」
戸惑うレヴィに、もう一回言う。
「っ・・何度も・・言わせんなぁっ・・！！
大好きだって・・言ったんだよ・・っ！！」
その乱暴な言い方は、レヴィが大好きな俺の言い方で。
内容はジャバウォックとしての、
女としてのレヴィが一番喜ぶ事だったわけで。
「っ・・あっ・・うああっ・・くうんああっ！！
ルダ・・ッ・・ルダ、ルダッ、ルダあッ、ルダあぁあっっ！！！」
「お、おい、レ・・ヴィぃっ・・！？」
こうなるのは当然だった。
膣をやたらめったら動かし、
しかもそのくせ動かし方は気持ちいい。
レヴィが、交わるためだけに生きているような種族なのだから、
当然と言えばそうなのだが、
それでもここまでのものは味わったことがない。
「お、おいっ、は、うあっ、ああっ！！」
頭ががなり、何も感じ取れなくなりそうなのに、
快楽だけはしっかりと体が感じ取っていく。
「ルダぁ、ルダああっ、ルダ、ルダあっ、ルダあああッ！！！
ルダルダっ、ルぅダあぁッ！！」
俺がそんなになっている間にもレヴィは、
狂ったように俺の名前を連呼しながら、
その滅茶苦茶な腰の動きを加速させていった。
・・ていうかっ、この動き、ヤバいっ・・！！！
やめ・・ちょ・・っ、体も、意識も、心ももたねぇ・・っ！！
駄目っ、駄目だっ、ダメっ、あっ、これ、良いっ・・！！
「レヴィぃ・・俺っ、ダメに、なっちまうからっ・・！
レ、ヴィぃぃっ・・！！このままじゃぁっ・・！」
抗議の声を上げる。
でも、それも今のレヴィを煽ることにしかならない。
「あ、ああっ、良いんだ、良いんだぞルダっ、
私が、私だけが、私の全てを使ってっ、
お前をダメにして、お前を私の、私のものにして、
お前の全てを受け入れてやるからッ・・！！」
早口でそうまくし立てると、さらにこいつは激しく動いた。
俺が・・壊れるのを、期待するかのように。
俺が、悶え震えるのを期待するように。
・・こいつは・・俺の快楽も喘ぎも崩壊も、
全てを受け入れるつもりなんだ・・あの時のように・・。
そう思った瞬間、俺の精神は瓦解を受け入れた。
良いじゃないか・・レヴィになら・・良い、よ・・
体全体が甘く激しい快楽で満たされていくのがわかる。
それこそ、実のところ俺が求めているものであることも知っている。
だから・・。
「良いっ、良いぞ、レヴィっ・・俺の全部っ、
お前にやるからっ・・！頼む・・お願い・・
壊してくれ・・俺の全部を・・ッ！！」
そう言って、全てを明け渡す。
体から力が抜ける。
腕がポトリとレヴィの体から落ちる。
瞬間レヴィと目が合う。
「ルダぁ・・うん・・分かったぞ・・！」
「はぁ・・レヴィ・・愛してるから・・っ」
グチュ、ニュクリ。
あうああぁぁっ・・・！！
あ・・ああっ、俺、今・・レヴィに壊されかけてる・・♥
俺の全部が、レヴィのものに、なってくぅっ・・♥♥
「ルダぁっ、ルダっ、ルダああぁぁあっぁあああぁッ！！！！」
あっ、来るっ、俺っ、壊れるっ！
レヴィにっ♥完全に奪われるっ・・♥♥♥
ドピュッ、ピュピュルーッ！！！
「あっ、ルダっ！？ルダああああぁぁぁあぁぁぁああ！！！」
「あっ、レ、ヴィッ、レヴィいぃいいいぃいいぃッ！！」
「・・ご機嫌いかがかな？我が婿よ！」
目を覚まして聞いたのは、そんな言葉だった。
・・ま、こいつらしいと言えばそうなんだよな。
「・・最高ってことに、しといてやる。」
もう俺は、強がる仮面を被りなおしていた。
でも、今俺がそれを被った理由は。
「それはなによりだよ、ルダ。
私も最高だ・・ルダ・・そして、愛しているよ、ルダ・・。」
そう言って抱きしめてくるレヴィ。
「・・そうかよ。」
大好きなゴツゴツした腕を受け入れつつ、応える。
被った理由は、こいつが好きだと言ってくれたからだ。
こいつか好きだと言ってくれた仮面ならば。
例えそれまでは望まずとも自然と身についてしまった、
忌々しいとすら思えていたものであっても。
俺が心から、大好きだと、愛していると思った者が
好きだと言ってくれたものなのだから、
わざと被ってやるのも・・悪くはない、そう思えただけだ。
こいつが・・うるさくてやけに素直で、
そのくせ優しくて人の心の中を察することの出来て、
淫乱で力強いジャバウォックが・・
俺にとって最高の女が・・レヴィが、好きだと言ってくれたのだから。
14/11/15 18:00更新 / GARU