とあるサキュバスの暇つぶし
我輩はサキュバスである。名前はまだない。
……冗談です。ちゃんとマリーって名前があります。
ともかく私は魔界生まれの魔界育ち、どこにでもいるごく平凡なサキュバスである。
私の今の住処は反魔物領にある洞窟。なんでこんな住みにくくて危険な所にいるのかと言うと、理由は簡単、男探しだ。
反魔物領にいれば、おのずと人間から目をつけられるし、何もしなくてもただいるだけで勇者が討伐しに来たりする。要するに、洞窟の中でゴロ寝してるだけでも男がやってくるというわけ。
本当に討伐されちゃうリスクもあるけど、私はサキュバス。魔王様が代替わりして以来、私たちサキュバスはそれ以前に比べてかなり高位の魔物になっている。だから、そこらの冒険者や勇者にはそうそう負けることはない。
……そう思ってここに引っ越して来てはや4ヶ月。私は既にやる気を失っていた。
なぜなら。
「貴方がサキュバスね!貴方の悪事は全てお見通しよ!覚悟しなさい!!」
……どういうわけか、女しか来ないのである。
「くっ、この!放しなさい!!」
とりあえずバインドの魔法で自由を奪っておく。もうこれで7人目だ。
なんなんだこれ。嫌がらせか。嫌がらせなのか。
…いや、どっちにしろHして仲間にするだけだし、女の子とするのもそれはそれで気持ちいいんだけど、これだけ男が来ないとだんだん嫌になってくる。
「私をどうするつもり!?」
勇者がわめく。正直うるさい。さっさとHしてもっと可愛い声をあげさせたいけど、さすがに7人目となるとモチベーションが上がらない。勇者って大抵同じことしか言わないから、すぐに飽きる。
大体どうするつもりって、サキュバスなんだからそう言うことするつもりに決まってるでしょうに。今時魔物が人を殺すなんて思ってるのは教会の連中くらい…
あ、いい事思いついた。
「…うふふ、ご所望なら殺してあげてもいいわよ?」
「…くっ…!」
出来るだけ邪悪な笑顔を浮かべつつ、いたぶるような口調で言う。
無論、殺す気はさらさらない。
「心配しなくても殺したりなんかしないわ。だってあなた、可愛いんですもの。殺すにはもったいない…」
「…な、何を言って…んっ!」
唇を強引に奪って、舌を口の中に押し入れる。
「んっ…ちゅ…ちゅる……んちゅ………」
「むんんっ?!う、んん、ん……んん…」
舌で丹念に口内を犯しつつ、魔力を含んだ唾液を送り込んでいく。
始めは戸惑う素振りを見せていた彼女も、次第に抵抗の力を失っていくように見える。
「ちゅ、ちゅっ…ぷはぁ♪」
「ん、んっ…っ、はぁ、はぁ…」
銀色の糸を引いて離れていく私と彼女の口。
息を荒げ、彼女は前の方に崩れ落ちる。
それを私が体で受け止める。
「っ、あ、わ…わたしに…何をした…の…?」
彼女の頬はすっかり紅潮し、目もとろんとしてしまっている。体にも思うように力が入っていないようだ。
「…ふふ、私の魔力がたっぷり入った唾液を飲ませてあげただけよ。おいしかったでしょ?体が疼いて仕方ないでしょう?」
「…く、わ、私は、こんなことじゃ…」
私の言葉になおも食ってかかる彼女。
…そんなことより、出来れば私の台詞の説明臭さに突っ込んで欲しかったんだけど…やっぱり勇者って余裕が足りてない。
「そう言ってられるのも今のうちよ?えいっ☆」
「…なっ、私の鎧が?!」
魔法で彼女の鎧と服だけを消し飛ばし、彼女の発育途上な裸体が露わになる。
…原理は気にしてはいけない。魔法とスケベ心の力を舐めてはいけない。
ご都合主義こそがこの世の真理だ。
「まだまだ子供だけど、やっぱりいい体してるわぁ…ぺろっ♪」
「…な、んっ、んひゃあぁっ!」
可愛らしい乳首をひと舐めすると、甘い声が上がる。
それから指先で同じ所をくりくりしてあげる。
「あら、可愛い♪」
「んひ、な、なんなのっ、さっきから、なんのつもり…ひゃあん!」
「うふふ、じゃあ教えてあげる。貴女の事が気にいったの。すごく可愛いから。だから、貴女は殺さずに、私と同じサキュバスにしてあげる」
「え…」
彼女の表情が一気に凍りつく。…よし、この辺りがいじめ所だ。
「そうよ。貴女は勇者から、邪悪で淫らな魔物になるの。そして魔王様にその身を捧げて、この世に破滅と混沌をもたらす手助けをしてもらうわ」
「…そ、そんなこと誰が…あんんっ!」
…自分で言ってて恥ずかしくなってきた。何よ破滅と混沌って。そんな物もたらして魔王様にも私達にも何の得があるってのよ。こんなこと真顔で言える教会の連中って万年中二病なのかしら。
…要するに、今やっていることはマンネリ打破のための小芝居なのである。
あえて教会が言っているような邪悪な魔物像を演じることで、もしかしたらいつもと違った反応が得られるかもしれない…という期待の下、私は赤面を隠しつつアレコレ彼女をいじめているのだ。
そろそろいつもと違う感じの反応がでてきたし、結構うまくいくかもしれない。
「ほら、これを見て」
ゆらりと尻尾を前に突き出して、彼女に見せつける。
「これは私の尻尾。この尻尾をあなたのソコに突っ込んで、中にぴゅーぴゅーっていっぱい私の魔力混じりの体液を注いであげれば、貴女はすぐにサキュバスに生まれ変わるわ。もちろん、すっごく気持ちいいわよ」
「…うあ、や、やめ…」
さっきまでの威勢の良さはどこへやら、彼女は怯えた表情で私の尻尾を見つめる。
「大丈夫よ。嫌がってる貴女に無理矢理しちゃうほど私は冷たくないわ。貴女が我慢できなくなって、自分からこの尻尾を挿れてぐちゃぐちゃに犯して欲しいって言うまで、貴女を変えるのは我慢してあげる」
「…なっ、ふざけないで!私は貴女みたいな魔物には屈しない!」
「ふふふ。その威勢、いつまでもつかしらねぇ。それじゃ…ぺろっ♪」
「…ふああっ!」
勢いを取り戻した彼女の股に顔を突っ込んで、大事な所をぺろぺろ舐める。もちろん魔力のオマケ付きだ。
乳首より敏感な部分を舐められて、彼女はまた声を上げる。
「…ふふ、どうかしら。気持ちいい?…れろぉ」
「ひゃっ、く、くぅ、き、気持ち…よく…なんか……あぁ!」
彼女は必死で耐えているらしいが、それでもまだ声が漏れる。体は正直とはよく言った物だ。
「ぺろ…ねえ、サキュバスになればいつでもこんな快楽が得られるのよ?素敵でしょ?ほら、強情張ってないで」
「んんっ、はあっ!いや…魔物なんか…!」
「もう、意地っ張りねえ…」
こんな風に強情張られるのも気分的には悪くないわね。意外と新鮮かも。
…じゃ、次は屈服する所でも…
「…それじゃ、素直になって貰いましょうか♪えいっ♪」
「っ!もがっ!ぐうっ!」
尻尾を彼女の口の中に突っ込んで、激しく出し入れする。
歯や舌に擦れるたび、激しい電流のような快感が伝わってくる。
程なく、私は限界に達する。
「んあぁっ♪いい、いいわよぉ、すっごく!ふあっ♪で、でる!でるでるでる!しっぽ、でちゃうぅぅぅ♪」
…びゅるるるるっ!
「ふああぅぅぅっ!」
「…むっ!?ぐう、ぐううううぅぅ!」
激しい放出感とともに、私の尻尾の先から大量の淫液が吹き出す。
彼女はそれを吐き出すことも出来ず、どんどん飲み下していく。
「…っふう、ふう…どうかしら♪」
「い、いきなりなにを……っ!?う、うあ、うああああああああああああっ!」
彼女はいきなり叫び出したかと思うと、手を股間に伸ばして凄まじい勢いでおまんこを掻き回し始める。
…効果覿面♪
「ふあぁ、なに、なにこれっ!からだ、かららがぁぁぁ!
あついぃ!あちゅいよおおお!」
「うふふ、気にいってくれたみたいね。
…今のは私の体液。魔力は一切含んでない、ただの媚薬よ。ただし、生まれたての赤ちゃんでも発情しちゃうくらい強烈な…ね♪」
さすがにこれは言い過ぎだけど、お年頃の女の子くらいならイチコロだ。
まるで覚えたてのお猿さんみたいに、休みなくオナニーする彼女。
その顔に、だんだん焦りの表情が見えてくる。
「うう、ふぁぁっ!な、なんで?!いけない!さっきからずっと、きそうなのに!こない!いけないぃぃぃぃ!」
「当たり前よ。さっき服を消す魔法をかけた時、ついでにイきたくても私にいじってもらわないとイけない呪いをかけたんだから」
「うあ、あああ!おねがい!わらしのここ、なめて!いかせて!」
「あらあらはしたないわよ勇者様。どうしよっかなー。もう舌は飽きちゃったし、尻尾なら挿れてあげてもいいけどぉ?ほらほら」
随分可愛くなっちゃったわねえ。もうあと一息かしら。
…そんなことを考えつつ、尻尾を誘うようにゆらゆらとゆらめかせる。
「い、いや!しっぽはいや!いきたい、いきたいけど、まものに、さきゅばすになるの、いやあああ!」
「もう、そんなつれないこと言わないの。ほらっ」
「………っっっっ!いっ!いぁっ!ひゃっ!ひぎっ!」
尻尾の先で彼女のお豆をつんつん突いたり、くりくり押し付けたりして刺激する。勿論、ギリギリの所でイけなくなるように手加減して。
「ひっ、ひぃっ、ひぎぃぃぃぃぃぃぃぃ!があああああああ!」
喘ぎ声が獣じみた叫び声に変わってきた。流石にもう限界だろう。
「ほらほら、挿れなきゃいつまでたってもイけないわよ?そろそろ諦めたら?一言私をサキュバスにしてくださいって言えば楽になれるのよ?」
「ぎぃぁっ!ああああ、いやあ、いやああああああ!」
それでも彼女は拒否する。どうも思ったより意思が強いみたい。大した物だ。
…何か突破口はないものか…そうだ。
「ねえ勇者様、もしかして好きな男の子なんている?」
「うううううう…えっ、な、なにを」
いきなり戸惑った様子を見せる彼女。憶測も何もない苦し紛れの一言だったけど、どうも図星らしい。
「ふふ、いるみたいね。どんな子?」
「うあ、あ、おさ、な、おさななじみ」
「あらあら、よくあるパターン」
「あぅ、およめさんに、なるって、やくそくして…
でも、わたし、ゆうしゃだから…たびに、でなくちゃ」
頭がもうまともに働いていないのか、自分から辿々しく語り続ける。
…随分泣かせる話じゃないの。ほんっと教会の連中って空気読めないわね。
「いい事教えてあげる。サキュバスになれば、もう旅なんかする必要無くなるわ。ずっとその子と一緒にいられるのよ」
「…いっしょ、に?」
「そう、一緒に。その子を貴女のものにできるわ」
「わたしの、もの…」
彼女の瞳から意志の光が消えていく。
「貴女は勇者として選ばれた人間。でも、それはあくまで周りが決めた事。そんな事に振り回されて、自分の好きな人とも結ばれない。
…サキュバスになれば、もうそんな事気にしなくていい。自分の好きなようにに生きていけるわ。素敵だと思わない?」
「わたしが、すきなように…」
私の言う事を反芻するように、彼女はただ言葉を繰り返す。いい感じで響いてきている様だ。
…もっとも、これは私の本心でもある。勇者なんて周りに振り回されてるだけの役職、私ならまっぴら御免だ。
まだ魔物として好きに生きていく方が、彼女にとっても幸せだろう。
「…さあ、どうする?いまここでサキュバスになる?それとも、その子を諦めてまた旅を続けるの?」
…一瞬の沈黙の後。
「…な、なる!なるのぉ!わたしさきゅばすになるぅ!」
勇者は、とうとう陥落した。
「…それじゃあ、いまこの場で魔王様に絶対の忠誠を誓いなさい」
…そんなもん誓われたって魔王様も困るだけだろうにとは思いつつ、私は彼女に最後の宣告を迫る。
「は、はひぃっ、ちかいますぅ、わらしは、これからずっと、まおうさまにちゅうせいをちかいまふぅ!」
「もっとはっきり」
「あああああっ、ちかいます!わたしは、わらしは、これからさき、えいえんにまおうさまのしもべれす!まおうさまに、ちゅうせいを、ちかいますぅ!」
…やった、やり遂げた。特に意味は無いけど、やってやった。
このご時世にこんな事する私はバカ以外の何者でも無いだろう。でもこれ、結構楽しい。私って思いの外Sっ気強かったのかも。
…それじゃ、仕上げと行きますか。そろそろいじめるのも終わりにしよう。
「ああああ、しっぽ、しっぽぉ、はやくぅ、はやくいれてくらさいぃ。いっぱいいっぱいきもひよくしれくらさいぃ」
彼女は既に唾液と愛液でどろどろの入り口を手でくぱぁと開き、挿入を懇願する。
その姿に、さっきまでの愚直なほどに意志を通し続けた勇者の面影はない。
「うふふ、そう言ってくれて嬉しいわ。じゃ…挿れるわよっ!」
…ずぶぅっ!ぶちっ!
「…くうぅっ!」
「あっ、あひゃあああああっ♪きたあ!はいってきたあああああああああああっ!」
口の中とはまた違った、柔らかく湿り蕩けた感覚。
どうやら初めてだったらしく、中からは蜜とともに血も垂れ落ちてくる。
…ちょっと可哀想な事しちゃったかも。
しかしそんな事は気にしていない様子で、向こうの方は激しく腰を振って快楽を与えてくる。
「ああっ、貴女の腰使い、とってもいやらしい!いいわ、いいわよ!」
「ふあぁぁ、きもちいいっ、きもちいいれすっ!しっぽ、おくまでずんずんきてましゅう!くらさい、もっとくらさい!もっとずぼずぼしてくらさい!わらしのなか、いっぱいかきまぜて、ぐちゃぐちゃにしてくらさい!」
「はあぁっ、いいわ!もっと犯してあげるっ!」
「っっっっ!ひゃ、ひああああああああああああああああ!!!きてるぅ、すぼずぼきてるぅ!」
「うふふふっ、随分はしたなくなっちゃってぇ!
…うぁっ、あっ、私も、くる、そろそろ、くる!」
尻尾に膣内を掻き回されて、彼女は爛れ切った笑みを浮かべて悶える。
一方の私も次第に快感が高まってきた。限界が近いのか、彼女を変える瞬間を待ちわびるように、尻尾が熱をもって膨らんでくる。
「あひぃぃ、しっぽ、あつくなってるう!で、でるんれしゅね!だすんれすね!はやくぅ、はやくらしてくらさい!はやくわらしをえっちなまものにしてくらさいぃぃぃ!」
彼女の方もそれに感づいたらしく、媚びた声を上げながら腰の振りをさらに速くしていく。
尻尾の根元から熱いものがこみ上げてくる。
「ああっ、くる!もうくる!もうでちゃうううう!」
「きてぇ、きてくらさい!」
…どぷどぷっ!
「ん、はああああああ!」
「…ひああああああああああああああ!あちゅいいいっ!とけるう、おなか、とけるううううううううう!いく!いっちゃう!
…いくうううううう!」
大量の魔力を体液ごと膣内に注ぎこむと、彼女は簡単に達した。
それと同時に、彼女の全身からめきめきと音が立つ。変化が始まったのだ。
「あぅぅぅぅぅ…わらひ、かわってりゅぅぅ…きもちぃぃ…」
快楽にどっぷり浸って、自分の変化を嬉々として受け入れる彼女。
そんな姿を、私は何となく感慨深い気分で見つめていた。
「…うふふ、すっかり変わったわね」
「はいぃ、わらし、まものに、さきゅばすになっちゃいましたぁ」
行為が終わって数十分後。彼女は完全に魔物と化していた。
手足や胸を覆い隠すように桃色の体毛が生え、小ぶりながらも角や翼、尻尾もついている。
発展途上だった体つきは、豊満な胸とお尻が激しく自己主張する、男を誘うのに相応しいものとなった。
「気分はどうかしら?」
「いいれしゅ、きもちいいれす。さいこうれすぅ。ゆうしゃなんかやってたのがばかみたいれすぅ」
「うふふ、そうよねぇ。人間の体じゃこんな快楽は味わえないものねぇ。ほらっ」
「あにゃぁぁぁぁぁ♪らめれすぅ、しっぽびんかんれすぅ♪さわっちゃらめぇぇぇ♪」
まだ変化の快感が抜け切っていないのか、舌は回っていないし、表情も蕩けきってしまっている。
生えたての尻尾を手で擦ってあげると、あられもない声を上げてよがった。
「おねぇさまぁ、わらしをまものにしてくらさって、ありがとうごらいますぅ」
「いいのよ。気にしなくて」
「わかりましたぁ。じゃあ、さっそくめいれいをくらさい。わらしはまおうさまとおねぇさまのしもべれす。どんなめいれいにもしたがいましゅぅ」
…しまった。まだ勘違いさせたままだった。
どうしよっかな。このままにしておくのも可哀想だし……
「それじゃ、貴女に命令を与えるわ」
「はい」
「…貴女はこれから、魔物として幸せに生きなさい」
「…ふぇ?」
どういうことかわからないという風に、彼女はきょとんとした表情になる。
「なんれれすか、おねぇさま。わらしはしもべれす。まおうさまのために、もっとわるいことをしなくちゃいけないんれすよね?」
「…ごめんね、あれは冗談。私達が求めてるのは破滅と混沌なんかじゃなくて、単なる幸せよ。貴女があんまり純粋だったから、からかってみただけよ」
「え、れも…わからないれす。じゃあ、わらしはどうすればいいれすか。おしえてくらさい」
「…だから、貴女も幸せになればいいのよ。貴女、好きな子いるんでしょ?もう勇者なんかやらなくていいんだから、押しかけて自分のものにしちゃえばいいじゃない」
「…あっ、そう、らっら。…あはぁ、らんど、らんどぉ。だいしゅきぃ」
思い出すだけで興奮してしまっているのか、彼女は想い人の名前を呼びながら自分の尻尾をおまんこに突っ込んで自慰を始める。…すっかり可愛くなっちゃって。
「あぁ、おねぇさまぁ。あらためて、ありがとうごらいますぅ」
「いいってこと。…あ、それと」
「あん、なんれすか?」
「…まだ貴女の名前聞いてなかったわ。なんて言うの?」
「えへへ、そうれした。わらし、ローズっていいましゅ」
「…ローズ。ローズね」
「はいぃ。おねぇさまは?」
「私は、マリー。出来れば、覚えておいて」
…普段仲間にした子の名前なんて聞かないけれど、なんだかこの子は気になった。
こんな変なことも、関係のきっかけになるのかもね。
「…はい、おぼえましゅ。
…それじゃお姉さま、わら…私、もう行きますね」
「ええ、行ってらっしゃい」
今度ははっきりした口調で話すと、ローズはまだ少し小さな翼をはためかせて、遠い空に向かって飛んで行った。
なんだか久し振りに清々しい気持ちを抱えて、今日の一日は終わった。
「…私も早く、幸せになる相手見つけないとね」
今度はきっとうまくいくはず、そんな気持ちになった。
数ヶ月後。
「…くっ、放せ!私はこんな事では屈しないぞ!」
「(これで15人目…)」
現実は、残酷だった。
……冗談です。ちゃんとマリーって名前があります。
ともかく私は魔界生まれの魔界育ち、どこにでもいるごく平凡なサキュバスである。
私の今の住処は反魔物領にある洞窟。なんでこんな住みにくくて危険な所にいるのかと言うと、理由は簡単、男探しだ。
反魔物領にいれば、おのずと人間から目をつけられるし、何もしなくてもただいるだけで勇者が討伐しに来たりする。要するに、洞窟の中でゴロ寝してるだけでも男がやってくるというわけ。
本当に討伐されちゃうリスクもあるけど、私はサキュバス。魔王様が代替わりして以来、私たちサキュバスはそれ以前に比べてかなり高位の魔物になっている。だから、そこらの冒険者や勇者にはそうそう負けることはない。
……そう思ってここに引っ越して来てはや4ヶ月。私は既にやる気を失っていた。
なぜなら。
「貴方がサキュバスね!貴方の悪事は全てお見通しよ!覚悟しなさい!!」
……どういうわけか、女しか来ないのである。
「くっ、この!放しなさい!!」
とりあえずバインドの魔法で自由を奪っておく。もうこれで7人目だ。
なんなんだこれ。嫌がらせか。嫌がらせなのか。
…いや、どっちにしろHして仲間にするだけだし、女の子とするのもそれはそれで気持ちいいんだけど、これだけ男が来ないとだんだん嫌になってくる。
「私をどうするつもり!?」
勇者がわめく。正直うるさい。さっさとHしてもっと可愛い声をあげさせたいけど、さすがに7人目となるとモチベーションが上がらない。勇者って大抵同じことしか言わないから、すぐに飽きる。
大体どうするつもりって、サキュバスなんだからそう言うことするつもりに決まってるでしょうに。今時魔物が人を殺すなんて思ってるのは教会の連中くらい…
あ、いい事思いついた。
「…うふふ、ご所望なら殺してあげてもいいわよ?」
「…くっ…!」
出来るだけ邪悪な笑顔を浮かべつつ、いたぶるような口調で言う。
無論、殺す気はさらさらない。
「心配しなくても殺したりなんかしないわ。だってあなた、可愛いんですもの。殺すにはもったいない…」
「…な、何を言って…んっ!」
唇を強引に奪って、舌を口の中に押し入れる。
「んっ…ちゅ…ちゅる……んちゅ………」
「むんんっ?!う、んん、ん……んん…」
舌で丹念に口内を犯しつつ、魔力を含んだ唾液を送り込んでいく。
始めは戸惑う素振りを見せていた彼女も、次第に抵抗の力を失っていくように見える。
「ちゅ、ちゅっ…ぷはぁ♪」
「ん、んっ…っ、はぁ、はぁ…」
銀色の糸を引いて離れていく私と彼女の口。
息を荒げ、彼女は前の方に崩れ落ちる。
それを私が体で受け止める。
「っ、あ、わ…わたしに…何をした…の…?」
彼女の頬はすっかり紅潮し、目もとろんとしてしまっている。体にも思うように力が入っていないようだ。
「…ふふ、私の魔力がたっぷり入った唾液を飲ませてあげただけよ。おいしかったでしょ?体が疼いて仕方ないでしょう?」
「…く、わ、私は、こんなことじゃ…」
私の言葉になおも食ってかかる彼女。
…そんなことより、出来れば私の台詞の説明臭さに突っ込んで欲しかったんだけど…やっぱり勇者って余裕が足りてない。
「そう言ってられるのも今のうちよ?えいっ☆」
「…なっ、私の鎧が?!」
魔法で彼女の鎧と服だけを消し飛ばし、彼女の発育途上な裸体が露わになる。
…原理は気にしてはいけない。魔法とスケベ心の力を舐めてはいけない。
ご都合主義こそがこの世の真理だ。
「まだまだ子供だけど、やっぱりいい体してるわぁ…ぺろっ♪」
「…な、んっ、んひゃあぁっ!」
可愛らしい乳首をひと舐めすると、甘い声が上がる。
それから指先で同じ所をくりくりしてあげる。
「あら、可愛い♪」
「んひ、な、なんなのっ、さっきから、なんのつもり…ひゃあん!」
「うふふ、じゃあ教えてあげる。貴女の事が気にいったの。すごく可愛いから。だから、貴女は殺さずに、私と同じサキュバスにしてあげる」
「え…」
彼女の表情が一気に凍りつく。…よし、この辺りがいじめ所だ。
「そうよ。貴女は勇者から、邪悪で淫らな魔物になるの。そして魔王様にその身を捧げて、この世に破滅と混沌をもたらす手助けをしてもらうわ」
「…そ、そんなこと誰が…あんんっ!」
…自分で言ってて恥ずかしくなってきた。何よ破滅と混沌って。そんな物もたらして魔王様にも私達にも何の得があるってのよ。こんなこと真顔で言える教会の連中って万年中二病なのかしら。
…要するに、今やっていることはマンネリ打破のための小芝居なのである。
あえて教会が言っているような邪悪な魔物像を演じることで、もしかしたらいつもと違った反応が得られるかもしれない…という期待の下、私は赤面を隠しつつアレコレ彼女をいじめているのだ。
そろそろいつもと違う感じの反応がでてきたし、結構うまくいくかもしれない。
「ほら、これを見て」
ゆらりと尻尾を前に突き出して、彼女に見せつける。
「これは私の尻尾。この尻尾をあなたのソコに突っ込んで、中にぴゅーぴゅーっていっぱい私の魔力混じりの体液を注いであげれば、貴女はすぐにサキュバスに生まれ変わるわ。もちろん、すっごく気持ちいいわよ」
「…うあ、や、やめ…」
さっきまでの威勢の良さはどこへやら、彼女は怯えた表情で私の尻尾を見つめる。
「大丈夫よ。嫌がってる貴女に無理矢理しちゃうほど私は冷たくないわ。貴女が我慢できなくなって、自分からこの尻尾を挿れてぐちゃぐちゃに犯して欲しいって言うまで、貴女を変えるのは我慢してあげる」
「…なっ、ふざけないで!私は貴女みたいな魔物には屈しない!」
「ふふふ。その威勢、いつまでもつかしらねぇ。それじゃ…ぺろっ♪」
「…ふああっ!」
勢いを取り戻した彼女の股に顔を突っ込んで、大事な所をぺろぺろ舐める。もちろん魔力のオマケ付きだ。
乳首より敏感な部分を舐められて、彼女はまた声を上げる。
「…ふふ、どうかしら。気持ちいい?…れろぉ」
「ひゃっ、く、くぅ、き、気持ち…よく…なんか……あぁ!」
彼女は必死で耐えているらしいが、それでもまだ声が漏れる。体は正直とはよく言った物だ。
「ぺろ…ねえ、サキュバスになればいつでもこんな快楽が得られるのよ?素敵でしょ?ほら、強情張ってないで」
「んんっ、はあっ!いや…魔物なんか…!」
「もう、意地っ張りねえ…」
こんな風に強情張られるのも気分的には悪くないわね。意外と新鮮かも。
…じゃ、次は屈服する所でも…
「…それじゃ、素直になって貰いましょうか♪えいっ♪」
「っ!もがっ!ぐうっ!」
尻尾を彼女の口の中に突っ込んで、激しく出し入れする。
歯や舌に擦れるたび、激しい電流のような快感が伝わってくる。
程なく、私は限界に達する。
「んあぁっ♪いい、いいわよぉ、すっごく!ふあっ♪で、でる!でるでるでる!しっぽ、でちゃうぅぅぅ♪」
…びゅるるるるっ!
「ふああぅぅぅっ!」
「…むっ!?ぐう、ぐううううぅぅ!」
激しい放出感とともに、私の尻尾の先から大量の淫液が吹き出す。
彼女はそれを吐き出すことも出来ず、どんどん飲み下していく。
「…っふう、ふう…どうかしら♪」
「い、いきなりなにを……っ!?う、うあ、うああああああああああああっ!」
彼女はいきなり叫び出したかと思うと、手を股間に伸ばして凄まじい勢いでおまんこを掻き回し始める。
…効果覿面♪
「ふあぁ、なに、なにこれっ!からだ、かららがぁぁぁ!
あついぃ!あちゅいよおおお!」
「うふふ、気にいってくれたみたいね。
…今のは私の体液。魔力は一切含んでない、ただの媚薬よ。ただし、生まれたての赤ちゃんでも発情しちゃうくらい強烈な…ね♪」
さすがにこれは言い過ぎだけど、お年頃の女の子くらいならイチコロだ。
まるで覚えたてのお猿さんみたいに、休みなくオナニーする彼女。
その顔に、だんだん焦りの表情が見えてくる。
「うう、ふぁぁっ!な、なんで?!いけない!さっきからずっと、きそうなのに!こない!いけないぃぃぃぃ!」
「当たり前よ。さっき服を消す魔法をかけた時、ついでにイきたくても私にいじってもらわないとイけない呪いをかけたんだから」
「うあ、あああ!おねがい!わらしのここ、なめて!いかせて!」
「あらあらはしたないわよ勇者様。どうしよっかなー。もう舌は飽きちゃったし、尻尾なら挿れてあげてもいいけどぉ?ほらほら」
随分可愛くなっちゃったわねえ。もうあと一息かしら。
…そんなことを考えつつ、尻尾を誘うようにゆらゆらとゆらめかせる。
「い、いや!しっぽはいや!いきたい、いきたいけど、まものに、さきゅばすになるの、いやあああ!」
「もう、そんなつれないこと言わないの。ほらっ」
「………っっっっ!いっ!いぁっ!ひゃっ!ひぎっ!」
尻尾の先で彼女のお豆をつんつん突いたり、くりくり押し付けたりして刺激する。勿論、ギリギリの所でイけなくなるように手加減して。
「ひっ、ひぃっ、ひぎぃぃぃぃぃぃぃぃ!があああああああ!」
喘ぎ声が獣じみた叫び声に変わってきた。流石にもう限界だろう。
「ほらほら、挿れなきゃいつまでたってもイけないわよ?そろそろ諦めたら?一言私をサキュバスにしてくださいって言えば楽になれるのよ?」
「ぎぃぁっ!ああああ、いやあ、いやああああああ!」
それでも彼女は拒否する。どうも思ったより意思が強いみたい。大した物だ。
…何か突破口はないものか…そうだ。
「ねえ勇者様、もしかして好きな男の子なんている?」
「うううううう…えっ、な、なにを」
いきなり戸惑った様子を見せる彼女。憶測も何もない苦し紛れの一言だったけど、どうも図星らしい。
「ふふ、いるみたいね。どんな子?」
「うあ、あ、おさ、な、おさななじみ」
「あらあら、よくあるパターン」
「あぅ、およめさんに、なるって、やくそくして…
でも、わたし、ゆうしゃだから…たびに、でなくちゃ」
頭がもうまともに働いていないのか、自分から辿々しく語り続ける。
…随分泣かせる話じゃないの。ほんっと教会の連中って空気読めないわね。
「いい事教えてあげる。サキュバスになれば、もう旅なんかする必要無くなるわ。ずっとその子と一緒にいられるのよ」
「…いっしょ、に?」
「そう、一緒に。その子を貴女のものにできるわ」
「わたしの、もの…」
彼女の瞳から意志の光が消えていく。
「貴女は勇者として選ばれた人間。でも、それはあくまで周りが決めた事。そんな事に振り回されて、自分の好きな人とも結ばれない。
…サキュバスになれば、もうそんな事気にしなくていい。自分の好きなようにに生きていけるわ。素敵だと思わない?」
「わたしが、すきなように…」
私の言う事を反芻するように、彼女はただ言葉を繰り返す。いい感じで響いてきている様だ。
…もっとも、これは私の本心でもある。勇者なんて周りに振り回されてるだけの役職、私ならまっぴら御免だ。
まだ魔物として好きに生きていく方が、彼女にとっても幸せだろう。
「…さあ、どうする?いまここでサキュバスになる?それとも、その子を諦めてまた旅を続けるの?」
…一瞬の沈黙の後。
「…な、なる!なるのぉ!わたしさきゅばすになるぅ!」
勇者は、とうとう陥落した。
「…それじゃあ、いまこの場で魔王様に絶対の忠誠を誓いなさい」
…そんなもん誓われたって魔王様も困るだけだろうにとは思いつつ、私は彼女に最後の宣告を迫る。
「は、はひぃっ、ちかいますぅ、わらしは、これからずっと、まおうさまにちゅうせいをちかいまふぅ!」
「もっとはっきり」
「あああああっ、ちかいます!わたしは、わらしは、これからさき、えいえんにまおうさまのしもべれす!まおうさまに、ちゅうせいを、ちかいますぅ!」
…やった、やり遂げた。特に意味は無いけど、やってやった。
このご時世にこんな事する私はバカ以外の何者でも無いだろう。でもこれ、結構楽しい。私って思いの外Sっ気強かったのかも。
…それじゃ、仕上げと行きますか。そろそろいじめるのも終わりにしよう。
「ああああ、しっぽ、しっぽぉ、はやくぅ、はやくいれてくらさいぃ。いっぱいいっぱいきもひよくしれくらさいぃ」
彼女は既に唾液と愛液でどろどろの入り口を手でくぱぁと開き、挿入を懇願する。
その姿に、さっきまでの愚直なほどに意志を通し続けた勇者の面影はない。
「うふふ、そう言ってくれて嬉しいわ。じゃ…挿れるわよっ!」
…ずぶぅっ!ぶちっ!
「…くうぅっ!」
「あっ、あひゃあああああっ♪きたあ!はいってきたあああああああああああっ!」
口の中とはまた違った、柔らかく湿り蕩けた感覚。
どうやら初めてだったらしく、中からは蜜とともに血も垂れ落ちてくる。
…ちょっと可哀想な事しちゃったかも。
しかしそんな事は気にしていない様子で、向こうの方は激しく腰を振って快楽を与えてくる。
「ああっ、貴女の腰使い、とってもいやらしい!いいわ、いいわよ!」
「ふあぁぁ、きもちいいっ、きもちいいれすっ!しっぽ、おくまでずんずんきてましゅう!くらさい、もっとくらさい!もっとずぼずぼしてくらさい!わらしのなか、いっぱいかきまぜて、ぐちゃぐちゃにしてくらさい!」
「はあぁっ、いいわ!もっと犯してあげるっ!」
「っっっっ!ひゃ、ひああああああああああああああああ!!!きてるぅ、すぼずぼきてるぅ!」
「うふふふっ、随分はしたなくなっちゃってぇ!
…うぁっ、あっ、私も、くる、そろそろ、くる!」
尻尾に膣内を掻き回されて、彼女は爛れ切った笑みを浮かべて悶える。
一方の私も次第に快感が高まってきた。限界が近いのか、彼女を変える瞬間を待ちわびるように、尻尾が熱をもって膨らんでくる。
「あひぃぃ、しっぽ、あつくなってるう!で、でるんれしゅね!だすんれすね!はやくぅ、はやくらしてくらさい!はやくわらしをえっちなまものにしてくらさいぃぃぃ!」
彼女の方もそれに感づいたらしく、媚びた声を上げながら腰の振りをさらに速くしていく。
尻尾の根元から熱いものがこみ上げてくる。
「ああっ、くる!もうくる!もうでちゃうううう!」
「きてぇ、きてくらさい!」
…どぷどぷっ!
「ん、はああああああ!」
「…ひああああああああああああああ!あちゅいいいっ!とけるう、おなか、とけるううううううううう!いく!いっちゃう!
…いくうううううう!」
大量の魔力を体液ごと膣内に注ぎこむと、彼女は簡単に達した。
それと同時に、彼女の全身からめきめきと音が立つ。変化が始まったのだ。
「あぅぅぅぅぅ…わらひ、かわってりゅぅぅ…きもちぃぃ…」
快楽にどっぷり浸って、自分の変化を嬉々として受け入れる彼女。
そんな姿を、私は何となく感慨深い気分で見つめていた。
「…うふふ、すっかり変わったわね」
「はいぃ、わらし、まものに、さきゅばすになっちゃいましたぁ」
行為が終わって数十分後。彼女は完全に魔物と化していた。
手足や胸を覆い隠すように桃色の体毛が生え、小ぶりながらも角や翼、尻尾もついている。
発展途上だった体つきは、豊満な胸とお尻が激しく自己主張する、男を誘うのに相応しいものとなった。
「気分はどうかしら?」
「いいれしゅ、きもちいいれす。さいこうれすぅ。ゆうしゃなんかやってたのがばかみたいれすぅ」
「うふふ、そうよねぇ。人間の体じゃこんな快楽は味わえないものねぇ。ほらっ」
「あにゃぁぁぁぁぁ♪らめれすぅ、しっぽびんかんれすぅ♪さわっちゃらめぇぇぇ♪」
まだ変化の快感が抜け切っていないのか、舌は回っていないし、表情も蕩けきってしまっている。
生えたての尻尾を手で擦ってあげると、あられもない声を上げてよがった。
「おねぇさまぁ、わらしをまものにしてくらさって、ありがとうごらいますぅ」
「いいのよ。気にしなくて」
「わかりましたぁ。じゃあ、さっそくめいれいをくらさい。わらしはまおうさまとおねぇさまのしもべれす。どんなめいれいにもしたがいましゅぅ」
…しまった。まだ勘違いさせたままだった。
どうしよっかな。このままにしておくのも可哀想だし……
「それじゃ、貴女に命令を与えるわ」
「はい」
「…貴女はこれから、魔物として幸せに生きなさい」
「…ふぇ?」
どういうことかわからないという風に、彼女はきょとんとした表情になる。
「なんれれすか、おねぇさま。わらしはしもべれす。まおうさまのために、もっとわるいことをしなくちゃいけないんれすよね?」
「…ごめんね、あれは冗談。私達が求めてるのは破滅と混沌なんかじゃなくて、単なる幸せよ。貴女があんまり純粋だったから、からかってみただけよ」
「え、れも…わからないれす。じゃあ、わらしはどうすればいいれすか。おしえてくらさい」
「…だから、貴女も幸せになればいいのよ。貴女、好きな子いるんでしょ?もう勇者なんかやらなくていいんだから、押しかけて自分のものにしちゃえばいいじゃない」
「…あっ、そう、らっら。…あはぁ、らんど、らんどぉ。だいしゅきぃ」
思い出すだけで興奮してしまっているのか、彼女は想い人の名前を呼びながら自分の尻尾をおまんこに突っ込んで自慰を始める。…すっかり可愛くなっちゃって。
「あぁ、おねぇさまぁ。あらためて、ありがとうごらいますぅ」
「いいってこと。…あ、それと」
「あん、なんれすか?」
「…まだ貴女の名前聞いてなかったわ。なんて言うの?」
「えへへ、そうれした。わらし、ローズっていいましゅ」
「…ローズ。ローズね」
「はいぃ。おねぇさまは?」
「私は、マリー。出来れば、覚えておいて」
…普段仲間にした子の名前なんて聞かないけれど、なんだかこの子は気になった。
こんな変なことも、関係のきっかけになるのかもね。
「…はい、おぼえましゅ。
…それじゃお姉さま、わら…私、もう行きますね」
「ええ、行ってらっしゃい」
今度ははっきりした口調で話すと、ローズはまだ少し小さな翼をはためかせて、遠い空に向かって飛んで行った。
なんだか久し振りに清々しい気持ちを抱えて、今日の一日は終わった。
「…私も早く、幸せになる相手見つけないとね」
今度はきっとうまくいくはず、そんな気持ちになった。
数ヶ月後。
「…くっ、放せ!私はこんな事では屈しないぞ!」
「(これで15人目…)」
現実は、残酷だった。
11/02/02 15:20更新 / 早井宿借