連載小説
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日常 3
翌朝、騒がしい音で目が覚めた。

「なんだ、なんかさわが…」

目の前には首だけがなくなった凜が天井からぶら下がっていた

「ぎゃあああああああああああああああああああああああああ」


と少しの間意識を失う。

「…い、いや、ちょとまって、こんなことで意識失ってたら無限ループだぜ…」

としっかりと見てみると、屋根裏へと続く扉に顔をはさんだまま、下半身だけが飛び出している状態。

「なにこれ、首吊り自殺!?」

てか、マジで大丈夫なの??

てことで下半身を引っ張ってみた。

「ふぇ、何かすっごく引っ張られ…っていだだああああああああ!!!首!首挟まってるからこれは本当に危ないよ!?…けふっ」

と扉が崩れて落ちてくると、凜の角が太ももに豪快に突き刺さった。

「おんぎゃああああああああああああああっ!!!」

そして、結局二人は意識を失ってしまった…。

「いやいや、だから無限ループだって」

崩れ落ちてしまっている凜を置いてけぼりにして、階段を下りてみると、騒がしい音がはっきりと声に聞こえてきた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「お、冷蔵庫にプリンが九個あったよー?」

「ちょうどいい!テーブルに出してみんなで食べよっ!」

「あ、野菜もいっぱいあるー」

「じゃあ、あたし野菜炒め作るから、ご飯よそって…」

「「「はーい」」」

「いや「はーい」じゃねぇぇよ!!!。何んで人の家で楽しく家族ごっこやってるの!?それ俺のプリン!それ俺の野菜炒めぇぇぇ!!!」

八人のゴブリンに拳骨を喰らわせる。

泣きそうな表情を浮かべながら八人は正座する。

「騒がしいなぁ…って、あんた達!?どうしてここに?」

「あ、リーダー!」

八人うちの一人が二階を見上げて声を上げる。

「リーダー…ってことは、こいつら凜の群れってこと?」

「そーそー!」

凜は満面の笑みで頷くと、八人と楽しそうに再会を果たして、九人でプリンを食べ始めた。

「だから、それ俺のプリィィィィィィン!!」

丁度良く九人にプリンを食べられてしまった。

ハピ子さんの手作りプリン食べたかった…。

「群れのみんなが来たってことは、凜は群れに帰るってこと?」

「そうですよリーダー!リーダーが迷子になってからやっと見つけたんですから」

「リーダー集落に戻りましょうよー!」

「うーん…というか、集落はどこにあるの?」

「この家の隣にある木の隣です」

この家の隣にある木の隣って…。

「なんだかんだいって集落隣にあるんじゃねぇぇか!?行き倒れてた意味がわかんねぇーよ!?」

てゆうかこいつらも隣にいるのに探すのに時間かけすぎだろ!?

「そんなに近かったの、あはは…」

苦笑いな凜。

「でも、私はこの家に住むわ」

俺の意思は!?

「…リーダーそれはつまり…」

「そうね、試練に挑むってことよ」

「し、試練って?」

「集落を出て、一人立ちが出来るかどうかの試練よ」

「へぇー、そんなのあるんだ」

そういうところはしっかりしているんだな。

「ではリーダー!今から集落へ参りましょう」

「そうね…今から出発しないと長いたびになりそうだからね」


「隣だっつってんだろ」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

凜は少し身支度をしてから、出発しようとした。

「頑張ってね凜。勝っても負けても運命に従わないと!」

「何言ってるの?篠も一緒についてくるの!」

「えっ!?マジで?」

「大丈夫、リュックには私の着替えが入っているから。篠はそのまま行っても大丈夫」

「全然大丈夫じゃないわ!!」

てことで、俺も身支度をして出発すると、五分ぐらいでついた。

「さすが、隣…。にしてもいっぱいいるなぁー。ゴブリン」

みんな似たり寄ったりで見分けがつかなくなりそう。

たまに髪形違ったりするけど…。

凜がホブゴブリンでよかった…。

「とりあえず、村長に会いに行くわ、それから試練の始まりよ」

「そ、そうか…」

試練、試練というのだからとても厳しいものなんだろうな…。

一体、どんな乗り越えるべき壁が待っているというのだ。

「村長!お久しぶりです!」

「お、おぉー!!凜じゃないか。よく戻ったな。大変だっただろう?」

そん、村長…村長…。

村長だけゴブリンじゃねええええええええ!?

村長 オークなんですけど!?ここの集落 馬鹿しかいねーのか!?

「なんで村長オークなの?」

驚きつつ凜へ聞いてみると。

「えっ?何言ってるの?村長がオークなわ、け…オークじゃん!?」

エエエエエエエエエエエエエエエエ

「まぁいいわ、今更オークだろうがゴブリンだろうがメデューサだろうが関係ないわ」

いや、あるだろ!?最後に至ってはみんな石化しちまうぞ!?

「ふん、君…、よくオークと見破ったな」

見破ったもなのにも、全くちげーだろ!?身長からして!?

どうしてだろう、俺が正解のはずなのに、周りみんなゴブリンだと思っているからだろうか、俺が異常なのかと思ってしまう。

「まぁいい…凜、それで何の用だ?」

「村長、私はここの集落を出ます」

「ほぅ…」

村長は俺をチラッと見てから納得したように頷いた。

「私はこの人、篠といくつもの戦場を駆け巡り、いくつもの困難を乗り越えてきました」

「そんな経験した覚えないけど!?いつの話!?教えろ!」



「いいだろう…では掟に従い、試練を提示する」


ゴクリッと二人がつばを飲み込む。

「ここの集落にいる全員vsそこの人間で缶蹴りをやってもらう!」

「えっ、何で俺がやることになってんだ!?」

「元々そうよ…?」

さも当然のように凜は言う。

俺が連れてこられたのはそれが理由か…。

「そんな話聞いて無いけど!?集落には何人いるの?」

「50人」

「無理だろっーが!50vs1なんてただのいじめじゃねぇーか!」

「問答無用!この試練を乗り越えなければ凜を連れて行くことは認めない!!」

てゆうか隣に集落あるんだから通えばいいじゃん…。

でも、この状況で言えるわけがなかった。

「わかったよ、50人缶蹴りで見つければいいんだろう?…」

50人斬りとかじゃなくてよかったのかもしれない。

「よーし、それではみんなぁ!これから試練一 50人缶蹴りを始めるぞー!」

という村長掛け声に、一斉にゴブリン達が集まってきた。

「ほう、久しいな50人缶蹴り」

「腕が鳴るぜー」

「あたしはこのためにいくつもの戦場を駆け巡ってきたのよ?」

缶蹴り程度で戦場を駆け巡るなんて何て奴だ…。

「私なんか、この日のために剣豪といわれるまで上り詰めたのよ」

缶蹴りってなんだっけ!?

「おいおぃ…缶蹴りって殺し合いとかじゃないだろうな?」

「普通の缶蹴りよ」

「よかったぁ…」

ホッと胸を撫で下ろして、村長が缶を用意した。

「では、凜、お前が蹴るんだ」

凜が蹴るのか!?

だとしたら絶対俺が有利になるように蹴ってくれるはzu…。

凜は力強く足を振り下ろした


「えいっ」

あー、缶が青空を越えて星になっちゃったー。

「おまっ、何してんだ!?そこは近くに蹴ったりするだろう!?あれどうやって取りに行くんだよ!?」

すると…。

「うにゃあああああああああああ」

という叫び声が遠くの方で響いた。

それを合図にするかのように、50人のゴブリンは逃げ始めた。

「え、叫び声…?」
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13/05/02 22:08更新 / paundo2
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■作者メッセージ
てことでお早めに更新でございます。
これからもんむす・くえすとの追加MOBの製作に励むので…。
ちょと更新は一旦休止いたします。twitterとかブログなんかで製作情報書いておりますので、よろしければチェックしてくださいな。
それでは、また!

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