連載小説
[TOP][目次]
記録1 自信が持てないレッサーサキュバス中編
次の日の生徒会室

「で、昨日なにされたの?」

「お前は逃げれていいよな...ハハハ、俺の貞操が...」

「遂にお前にも嫁さんができたか...おめでとう‼」

「ふざけんな、俺を生贄にしたからにはちゃんと情報もってきたよな」

そうすると春陽はリュックからルーズリーフでまとめられている資料を取り出した。

「もちろん、お前の貞操より重要なモンもってきたぞ」

「俺の貞操への差別だぞ」

そうこうしてると誰か来たみたいだ。

「やあ、二人とも」

そこにいたのは最近来ていなかったルイ先輩だった。

「こんにちは、ルイ先輩」

「こんちはー、最近来てなかったけどどーかしたんですか?」

そうするとルイ先輩は申し訳なさそうな顔をして。

「いやぁ、実は主張の激しい子に付きまとわれちゃってね、二日ほど逃げていたんだ。まあ、最後は茉莉ちゃんがガツっと言ってくれて事なきを得たけどね」

流石のモテ男、こんなのが日常茶飯事だなんて、茉莉先輩も苦労してそうだなぁ。

「で、その資料が茉莉ちゃんが言ってた恋愛相談関係かい?」

「はい、そろそろジュリア先輩と茉莉先輩も来ると思いますし、作戦会議手伝ってくださいね」

「勿論、僕だって生徒会の一員だからね」

ああ、一時はどうなるかと思ったけど先輩みたいな常識人が増えるのは心強い。ルイ先輩だったらジュリア先輩にも強く出てくれそうだし。

なんか凄い嫌な予感がする...これは多分ジュリア先輩が来る。

「こんちゃ〜、蓮君いるよね〜。昨日は楽しかったね♡」

「こんにちは、ってルイ君がいるー。会いたかった〜♡」

チクショウあのツヤツヤした肌は頭にくる。

「あー、今頭にくるとか考えてる〜。昨日は優しく抱いてくれたのに〜」

「堂々と嘘つくのやめてください。あとナチュラルに思考を読むのもやめてください」

「愛し合う二人は以心伝心ってものよ」

「断じて愛してません」

「フフフ〜、照れちゃって〜、とっても可愛い」

「ハイハイ、二人とも、イチャイチャするのは後にしてくださいねー」

「イチャイチャなんてしてねえょ、とにかく今は恋愛相談の事に集中しましょうよ」

ここでやっとみんな集まった本題を話し合うことができる。いつものことながら疲れる。

「そうね、この続きは後ってことで。切り替えて、春陽君、成果はどれ位?」

こんなやり取りもうしたくないんだが...

「はい、ここに良いのそろってますよ」

魚屋みたいな謳い文句だな。

「魚屋みたいな謳い文句ね」

え、俺ジュリア先輩と同じ思考してんの!?

「何をそんな困惑してるの?でもその顔も可愛いなぁ」

「そっそんなことよりこっちに集中しましょうよ」

「なんか動揺してない?」

「全然、大丈夫ですから、心配いりませんよ」

「なら良かった...まずは」

「最初はこれとか、撫子ちゃんへの好感度」

「えっと、何々。好きだけど告白できないと...なんかデジャヴね」

「似たもの同士惹かれあったとかなのかなぁ」

「次は...ライバルの有力株とその子への好感度にしましょう」

「何々、陸上部マネージャーの黒井と女子部員の金子と...好感度の方は、ほぼゼロ、部内の友達って印象...可哀そうに」

どうやらよそからの妨害は心配しなくてもよさそうだ

「これは...もう手伝いしなくてもいいんじゃないかな」

「ルイ先輩、依頼主は告白する自身が無いらしくて」

「ふむ、じゃあこの調査結果を撫子さんに見せて相思相愛な事を知ってもらう事が最善かな?」

「まぁ、それ位しかする事も無いしね」

「結論も出たわけですし、これ以上話が無いなら今日は解散にしない?」

マズい、この流れはまたジュリア先輩に貞操を侵される

「僕はこのまま残って生徒会の仕事をしたいんだが、茉莉ちゃんも手伝ってくれるかい?」

「うん、手伝うよ」

生徒会は逃げ場にならない。ならば...

「春陽、久しぶりにラーメン食いに行かね?」

「俺は別にいいけどジュリア先輩をほっといていいのか」

「私は今日これから先生に呼ばれてるのよねぇ。残念」

やった、やった。今日は俺の貞操を守れる。

「だそうだし、久々に。。。

プルルル、プルルルル

その時急に誰かの電話だなった。

「あ、悪い電話が...はい、えっ、これからですか...わかりました...悪いな蓮今日に限って急用が入っちまった」

「急用ってなんでよ」

「それは守秘義務があって言えないな。まあ恨むなよ」

「別にいいよ、俺がどうこう言っても仕方ない事だろ」

「センキューな、じゃ俺はこれで。さよならです」

「じゃあな」

春陽を見送った所で俺も長居する理由が無くなったし帰るとするか

「じゃ、俺も帰りますね」

するとジュリア先輩は驚いた様子で

「えっ、私を待っててくれないの?」

「はい、何されるかわかんないので」

あんまり長居するとジュリア先輩に襲われそうだし早く帰ろう。

「とゆーことで帰ります、さよなら」

「もー、蓮君のケチー」「じゃーねー」

今の蓮には後日この時の仕返しと言わんばかりにピーをされ、少し後悔するのであった。

後編へ続く
21/03/29 05:35更新 / オリヴィエ
戻る 次へ

■作者メッセージ
こんにちは、オリヴィエです。読み切りと並走して書いてたら2週間もたっていました。年をとると時間の流れる速さが早いって本当だったんですね。多分次は読み切りの方をアップすると思います。誤字などがあったら優しく教えてください。ではさようなら。

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33