提灯の夜
形あるものはいつかは壊れる。 どんなに大切に使っていても、綻び、擦り切れ、いつかはどこかに無理が来る。 直しながら使ったとしても、いずれ最初の物とは別物になってしまうのだろう。 愛着を抱けば抱くだけ、別れが辛い物になってしまう。 ならば始めから使い捨てると決め、物と接すれば良いのか。 否。 愛着を抱き大切に使うからこそ、道具達も応えて手に馴染んでくれる。 言葉を交わさぬ信頼がそこにあろう。 物を使う時に敬意を評し、物を慈しんで使い 用を為さなくなった道具達には労いと共に暇を与える 勝手かもしれないが、それが物と物を作った職人に対する使い手の義務だと思っている しかし、やはり如何に言葉を飾ろうと別れというのは変わらない 別れを嫌い、別れを告げられぬまま去っていった優しい祖父へ物からの恩返し 綺麗な話でした 佐藤 敏夫 12/05/07 00:34
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感想ありがとうございます。読んでいてなるほどと思いました。「死」というものについて、自分なりに考えながら書きました。長くはないですし、文章も大したことはないですが、気に入っている作品です。
やまなし 12/05/07 19:46
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