到着、サマデント。
吹き抜ける潮風。
響き渡る波音。
賑わいをみせる港町。
「やっと・・・、着いた・・・。」
俺達はようやく第一の目的地である交易都市サマデントに到着した。
夢でも幻でもない。
本当にサマカンドに着いたのだ。
ふと今までの道のりを思い返してみる。
仲間も増えたし、たくさんの人にも出会った。
今までのことが走馬灯のように流れていく。
「ここがサマデントか。カイ、随分と嬉しそうだな。」
「嬉しくないはずがないさ。三週間以上かけてやっとここに来たんだぜ。」
「そんな旅の終わりみたいに言わないでください、カイさん。アタイ達の旅はカルカロス王国に着くまで続くんですよ。」
「ああ、そうだな。」
危うく最終回にする所だった。
まだまだ終わらんさ。
あ、別に「俺達の冒険はこれからだ」とか言って終わる気もないぞ。
しんみりとした気持ちを振り払い、前を向きなおす。
そうだ。まだまだ旅は続くんだ。
「ワタクシも初めて来たわぁ。」
「お兄ちゃん。早速、カルカロス王国がどこにあるか聞いてみようよ!」
「そうだな。すみませーん。」
近くにいる色んな人々にカルカロス王国について聞いてみる。
ほとんどの人間がその国について知っているようだ。
何でも砂漠の国だそうで、香辛料や絹織物などで有名らしい。
しかもこの大陸からそれほど離れていないグルベン大陸にあるそうだ。
ただカルカロス王国はグルベン大陸の中心部に位置しており、グルベン大陸の交易港オーズタスから一ヶ月半ほど歩かなければならないとも教えてくれた。
ここから行くと船の移動日数も含めて大体二ヶ月といったところだろうか。
「結構遠いんだな。」
「二ヶ月ねぇ・・・。ダーリンがセイオス村を出てきてここまで来るのに三週間って言ってたから・・・。およそ二倍の道のりって事ね。」
「楽しみだなぁ。ボク、色んな国の本が読みたいの。」
「アタイは色んな国の料理を食べてみたいですねぇ・・・。」
口々に自分がしたいことを言っていく。
もちろん俺は騎士になるためにカルカロス王国へ向かっているのだ。
師匠から継承したこの剣術で、最強の騎士の称号『パラディン』を得たいという願いもある。
それが小さい時からの夢であり、目標だった。
今まで誰にも言えなかった野心がついポロリと出てしまう。
「へぇ、カイが『パラディン』か。カイならなれるかもな。」
「ダーリンならなれるわよ。」
「でもさ、『パラディン』にはどうなるんですか?」
「うっ・・・。」
正直、俺も知らない。
調べても誰に聞いてもわからないのだ。
おそらく騎士になってから知らされるのだろう。
「ボクの持ってる本には・・・、書いてない。」
セシリアは自分の持っているリュックから本を取り出し、パラパラとページをめくった。
だが、知りたい情報が載っていないことに落胆の声を上げる。
どうやら自分で見つけるしかないようだ。
「じゃ、早速交易ギルドへ行ってグルベン大陸行きの船を探そう。ワタシ達全員で乗るには船代がいくらかかるのかもな。」
「待ってよぉ。ボク、お腹すいてきた・・・。」
「ワタクシも。」
「アタイも。」
エフィが「先にギルドへ行こう。」といった瞬間、彼女のお腹が大きく鳴る。
あ、エフィの顔が真っ赤になった。
俺は笑いながらこう言う。
「まず飯を食おう。エフィ、船はそれからだ。」
俺達は近くの定食屋に入り、そこで腹ごしらえをする。
「出航する船がない!?」
ギルドの受付の思いも寄らない返答に思わず聞き直す俺。
飯を食べ終えて交易ギルドへ来た俺達はグルベン大陸行きの船を探した。
ところがグルベン大陸行きどころか他のところへ行く船すらない。
一体どういうことだろうか?
「はい。あちらを見てください。」
そう言って受付は窓の外を指さす。
海の真ん中に巨大な渦潮ができているではないか。
渦潮が灯台と灯台の間にある出入り口をすっかりふさいでいた。
「あれはおそらくカリュブディスの仕業でしょう。一体ではあそこまで大きくなる事ないんですが、何体も群生しているとああいった現象が起きることがあるんです。こちらもどうにかしたいんですが、どうしようもなくって。」
困り果てたようにそう言う。
確かにあれじゃどうあがいても出航はできない。
「今海岸にシー・ビショップが来ていて、なんとか彼女にカリュブディスをよけてもらおうと話しているのですが・・・。『男を出さないとよけないわ。』とか言ってよけないそうです。」
「でも、カリュブディスはスキュラと一緒なんだよな?それじゃ連れて行く前に・・・。」
「今回はカリュブディスのみだそうです。更にここら辺は浅いので、スキュラが出ることは滅多にないんです。」
それを聞いたティタンがにやりと笑った。
彼女の笑みにゾクリときたのはおそらく気のせいではない。
自分の身に危険が迫っていることを本能が知らせたのだ。
そしてエフィにこっそり耳打ちをする。
エフィもティタンと同じ笑みに変わった。
「ねぇ、受付さん。ワタクシ達がもしカリュブディスをどけてきたら、船は出してもらえますか?」
「それはもちろん。きっと船の方達も喜んで乗せてくれると思いますよ。その時にはお代も頂きません。」
更にティタンの笑みが凶悪なものになる。
俺は反射的に逃げ出そうとしていた。
だが、しっかりエフィに襟をつかまれている。
な、何をする気だ・・・!?
「確か・・・。ちょっと前にセシリアは水中で呼吸のできる魔法薬が作れるって言ってたわね。」
「うん。1日だけだけど水中で呼吸をできるようにする薬は作れるよ。」
「カイ・・・。もうわかったよな。」
エフィの問いかけに俺はぶんぶん首を振る。
うっすらと予想はついているのだが、俺の全精神がその事実を認めることを拒否していた。
どうか俺の思い過ごしであってくれ。
「ダーリン。ちょっとお願いがあるの。」
「ナナナナ、ナンデゴワスカ?」
「ちょっと海まで行ってきて、カリュブディスの子供を作ってきてくれない?」
「はぁっ!!??ちょっ!!!!」
「もちろん。拒否権はない。」
エフィに剣を突きつけられる俺。
ううっ、横暴だ・・・。
必死で俺は最後の抵抗をする。
このままでは何十人俺の子供ができるかわからないからだ。
「いくらなんでも何体ものカリュブディスを相手にすることは無理っ!!死んでしまう!!」
そう言うとティタンはぐいっと見覚えのある皮袋を差し出す。
まさか、それは・・・。
開いてみると予想通り過ぎて逆に脱力してしまった。
中にはそう・・・。
「ハイ、デワスの実よ。」
やっぱりかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
もう俺に逃げ場はない。
最後の希望、テテスとセシリアにすがりつく。
二人とも申し訳なさそうに微笑んで、やんわりと俺を見捨てた。
「た、助けてくれ・・・。」
「あっははは・・・。ボクにはどうにもできないよ・・・。」
「カイさん、ごめんなさいっ!!」
ですよね。
もはや予想通り過ぎて、何も言えなくなる。
そう言うのはわかってました、ハイ。
俺は真っ白な灰になった俺は、半ば引きずられるような形で連れて行かれた。
「で、ではっ。お願いしますねっ!!!」
ペコリと頭を下げる受付さん。
しかしその声が肝心の俺に届くことはない。
皆・・・、俺達の冒険はこれからだっ!!
(応援ありがとうございました。
アカフネ先生の次回作にご期待ください。)
・・・なんて終わらせてくれるわけはない。
あれから数時間後、俺はシー・ビショップとともにカリュブディスが群生している所を目指して海中を泳いでいた。
俺の姿は水着であるパンツのみ。
気のせいか、シー・ビショップの視線を感じる。
おそらくいつもの勘違いだろう。
セシリアが作った水中で息ができる魔法薬の効果は本当だったようで、肺に水が入っても苦しくはない。
このままどこかへ逃げ出したい気分だ。
「あなたも大変ですね。」
シー・ビショップが苦笑しながらそう言う。
彼女がしっかりと俺の話を聞いてくれたので、つい愚痴を漏らしてしまった。
本当に申し訳ない。
シー・ビショップに恋して、そのまま帰ってこなかった男が大勢いると師匠から聞いていたが・・・。
なるほど、これは帰ってこなくなるわ。
包容力がある(決して胸のことではない)彼女に入れ込む男の気持ちが痛いほどわかる。
俺もその包容力(決して胸のことではない)に包まれたい。
「さて、もうすぐ着きますよ。」
大きな渦潮が見えてくる。
その中心あたりには何個もフジツボのような物体が張り付いていた。
あれがカリュブディス・・・。
「では、少し待っていてくださいね。彼女達と話をしてきます。」
そう言うと彼女はそのまま渦へと飛び込んだ。
事前に人間の男が来るという事は伝えてあるらしい。
シー・ビショップの姿が見えなくなり、俺は自分の準備を始める。
今のうちに食べておこうかな・・・。
取り分けたデワスの実を数粒、口にいれる。
舌をえぐるような苦味はいつまで経っても慣れないものだ。
吐き出しそうになりながら、噛み砕く。
苦味に耐えていると、シー・ビショップが戻ってきた。
渦の勢いもなくなっており、もうすぐ消えるだろう。
「皆さんがお待ちです。どうぞ、こちらへ。」
シー・ビショップの案内でカリュブディスの所まで連れて行かれる。
俺は案内されるがままについていくと、そこには5体のカリュブディスがフジツボのような物から上半身だけを出していた。
カリュブディスの姿はとても幼く、手を出していいのか本当に躊躇うほどだ。
「シー・ビショップさん。まさか・・・、その人が私達としてくれる人?」
「はい。お気に召しませんでしたか?」
「ううん!!思った以上に良いっていうか、逆にありがとうというか。」
「わぁ、このお兄さんが私達と!?」
「あ。でも、お持ち帰りはダメですよ。」
「むぅ・・・、わかっているけど。なんか惜しい事した・・・。」
「てっきり汚いおじさんが来ると思ってたからね。そんなの持ち帰りたくないもの。」
キャッキャッ騒ぐカリュブディス。
シー・ビショップと一緒にいるとまるで小学校みたいだな。
「なおこの約束はポセイドン様の下、正式に交わされたものです。破った場合は・・・、海の魔物ならどうなるかわかってますね?」
「「「「「は〜い。」」」」」
「よろしいです。では、はじめましょう。あと一つお願いがあるのですが。」
「俺にか?」
「はい。」
そう言うと顔を赤らめながらモジモジとし始める。
俺にお願いとは何だろうか・・・?
まあ、彼女のことだしそれほど無理なお願いでもないだろう。
さっき愚痴を聞いてもらった恩もあるしできる限り叶えてやろうと思った。
「あの・・・、私も混ぜてもらえ・・・ませんか?」
「んと・・・、何に?」
「この子達とする・・・、せ、セックスに・・・。」
「ああ、それなら・・・ってうぇぇぇぇ!!??」
またこのパターンか。
いつも俺はこのパターンだな。
パターン化してるものの、驚きの申し出に俺の声は裏返る。
断る理由もない俺は「別にかまわない」と承諾した。
カリュブディスも歓迎している。
「いいのか?そんな事で?」
「はい・・・。さっきから上半身裸のあなたの姿を見ていたら、どうにも我慢できなくなって・・・。」
そうしてカリュブディス達はフジツボから出てきて、俺の二の腕に抱きついてきた。
シー・ビショップは俺の海パンを下げた後、自分の修道服を脱い脱ぎ始める。
彼女の身体で目を引くのはそのむn・・・、包容力だ。
まず両手は二人のカリュブディスに導かれるまま、二人の秘所へ。
もう二人は俺の腰に抱きつくと俺のへそあたりを舐め始める。
のこった最後の一人は俺の前に秘部をくぱぁと広げ、「舐めてちょうだい」と言った。
シー・ビショップは立ち上がった俺のモノを遠慮がちに咥えている。
耳元では俺が肉壁を弄り回す二人のカリュブディスの色っぽい声が響いていた。
もう理性がどうとか考えてない。
目の前にある快楽に貪りつくことしかできなかった。
「じゃ、へそを舐めている二人とシー・ビショップ。」
「「は〜い?」」
「何でしょうか?」
「三人とも俺の前に来てくれ。」
「こう、でしょうか?」
「そうそう。」
シー・ビショップを真ん中として、三人が並ぶ。
俺はカリュブディス、シー・ビショップ、カリュブディスという順に硬くなった俺の肉棒を出しては入れる、出しては入れるを繰り返した。
種族によってモノを入れた感じは違う。
カリュブディスは根元から引っこ抜くみたいに奥へ奥へ引き込もうとするのだが、シー・ビショップはそのひだひだした中で締め上げてくるようだった。
快楽に身をゆだねると自然にだんだんと腰の動きが早くなる。
「くぅ・・・、まずは右のお前から出すぞっ。」
「うんっ。出してぇ・・・。ふやけるぐらいにいっぱい・・・。」
「くぅっ、うおぉ。」
「あんっ、ビュクビュクいってるよぉぉぉぉぉ。」
引きずり込まれる感触のまま、俺のモノから勢いよく吐き出す。
同時に身体中に快楽が突き抜けた。
中に出してやったカリュブディスの足がビクビク痙攣する。
どうやら彼女も絶頂を迎えたようだ。
満足げに顔をふやけさせている。
我慢する必要なんてないんだ・・・。
それから全員交互に何度も何度もたくさん中に出した。
デワスの実のおかげで肉棒は疲れ知らずである。
俺も今回は気にすることがないせいか、ただ一心に彼女達の中を味わい尽くしていた。
「で、出るぞぉ。」
「出ひてくらさぁい、もうお腹いっぱいに精子がはひってるのぉ・・・。」
もうシー・ビショップの顔は快楽の極みにまで昇っていた。
だらしなく舌を出しているし、目の焦点も会っていない。
カリュブディスもほとんど全員が同じような顔になっている。
俺の意識も遠くにあり、今自分がどんな顔をしているのかわからなかった
とてつもない快感と一緒にまたシー・ビショップの中に出す。
それと同時に俺の意識がブラックアウトした。
「ん・・・。」
目が覚めたときはどこかのベッドの上だった。
ここは・・・、宿屋か・・・。
急にドアが開く。
「ただいま〜。あ、カイ。起きてたのか。」
「ダーリン、おはよう。」
「お兄ちゃん、大丈夫!?」
「カイさん、平気ですか?」
四人は食べ物の袋を抱えて、部屋に入ってくる。
俺はどうやら気を失っていたようだ。
起きた後だというのにそれほど息子も元気がない。
まぁ、何十回と出したので当然といえば当然なのだが・・・。
立ち上がろうとベッドから降りる。
俺の身体は力なく床に倒れこんだ。
「・・・え?」
「ダーリン、頑張りすぎよぉ。すっかり腰も抜けてるし、気も失っていたそうよ。シー・ビショップの子が送ってくれなきゃ、ダーリンは今も海の中だったの。」
クスクス愉快そうに笑うティタン。
そうか、俺は気を失っていたのか。
道理でここまでの記憶がないわけだ。
「まったく。どれだけあいつ等を満足させたんだ?カリュブディスからこんなのまで届いてるぞ。」
「カリュブディスから?」
「ああ。とても満足したから、カイに渡してくれって。」
そう言ってエフィは一つの銀色に輝く指輪を手渡してくる。
指輪にはものすごく小さい青い宝石が点々と埋め込まれていた。
・・・なんだこれ?
「それは海の魔物が持っているマジックアイテム、海王の指輪だよ。さっきボクが調べてみたの。」
「海王の指輪?」
「そう。海の魔物がたまに持っているとてもレアなものらしいよ。お兄ちゃんはラッキーだね。それ、魔力を持っていない者も水系統の魔法を使えるようになるアイテムだよ。」
「へぇ、そんなのが・・・。」
俺は指輪に指を通し、念じてみる。
すると大きな水の玉が俺の目の前に出現した。
それが面白いように俺の意思で動く。
まるで俺のために作られたかのようにぴったりと俺の右手の中指にはまっていた。
「これでダーリン、魔法剣士ね。」
「あはははは・・・。」
青い宝石が夕日を浴びて煌く。
美しいその光は見る者を魅了するものがあった。
「明日、出航ですって。カイさん、それまではゆっくりしていてください。夕食も持って来ますので。」
「おう。」
俺は何とかベッドに戻る。
それからすぐに再度眠りにつくのに時間はかからなかった。
響き渡る波音。
賑わいをみせる港町。
「やっと・・・、着いた・・・。」
俺達はようやく第一の目的地である交易都市サマデントに到着した。
夢でも幻でもない。
本当にサマカンドに着いたのだ。
ふと今までの道のりを思い返してみる。
仲間も増えたし、たくさんの人にも出会った。
今までのことが走馬灯のように流れていく。
「ここがサマデントか。カイ、随分と嬉しそうだな。」
「嬉しくないはずがないさ。三週間以上かけてやっとここに来たんだぜ。」
「そんな旅の終わりみたいに言わないでください、カイさん。アタイ達の旅はカルカロス王国に着くまで続くんですよ。」
「ああ、そうだな。」
危うく最終回にする所だった。
まだまだ終わらんさ。
あ、別に「俺達の冒険はこれからだ」とか言って終わる気もないぞ。
しんみりとした気持ちを振り払い、前を向きなおす。
そうだ。まだまだ旅は続くんだ。
「ワタクシも初めて来たわぁ。」
「お兄ちゃん。早速、カルカロス王国がどこにあるか聞いてみようよ!」
「そうだな。すみませーん。」
近くにいる色んな人々にカルカロス王国について聞いてみる。
ほとんどの人間がその国について知っているようだ。
何でも砂漠の国だそうで、香辛料や絹織物などで有名らしい。
しかもこの大陸からそれほど離れていないグルベン大陸にあるそうだ。
ただカルカロス王国はグルベン大陸の中心部に位置しており、グルベン大陸の交易港オーズタスから一ヶ月半ほど歩かなければならないとも教えてくれた。
ここから行くと船の移動日数も含めて大体二ヶ月といったところだろうか。
「結構遠いんだな。」
「二ヶ月ねぇ・・・。ダーリンがセイオス村を出てきてここまで来るのに三週間って言ってたから・・・。およそ二倍の道のりって事ね。」
「楽しみだなぁ。ボク、色んな国の本が読みたいの。」
「アタイは色んな国の料理を食べてみたいですねぇ・・・。」
口々に自分がしたいことを言っていく。
もちろん俺は騎士になるためにカルカロス王国へ向かっているのだ。
師匠から継承したこの剣術で、最強の騎士の称号『パラディン』を得たいという願いもある。
それが小さい時からの夢であり、目標だった。
今まで誰にも言えなかった野心がついポロリと出てしまう。
「へぇ、カイが『パラディン』か。カイならなれるかもな。」
「ダーリンならなれるわよ。」
「でもさ、『パラディン』にはどうなるんですか?」
「うっ・・・。」
正直、俺も知らない。
調べても誰に聞いてもわからないのだ。
おそらく騎士になってから知らされるのだろう。
「ボクの持ってる本には・・・、書いてない。」
セシリアは自分の持っているリュックから本を取り出し、パラパラとページをめくった。
だが、知りたい情報が載っていないことに落胆の声を上げる。
どうやら自分で見つけるしかないようだ。
「じゃ、早速交易ギルドへ行ってグルベン大陸行きの船を探そう。ワタシ達全員で乗るには船代がいくらかかるのかもな。」
「待ってよぉ。ボク、お腹すいてきた・・・。」
「ワタクシも。」
「アタイも。」
エフィが「先にギルドへ行こう。」といった瞬間、彼女のお腹が大きく鳴る。
あ、エフィの顔が真っ赤になった。
俺は笑いながらこう言う。
「まず飯を食おう。エフィ、船はそれからだ。」
俺達は近くの定食屋に入り、そこで腹ごしらえをする。
「出航する船がない!?」
ギルドの受付の思いも寄らない返答に思わず聞き直す俺。
飯を食べ終えて交易ギルドへ来た俺達はグルベン大陸行きの船を探した。
ところがグルベン大陸行きどころか他のところへ行く船すらない。
一体どういうことだろうか?
「はい。あちらを見てください。」
そう言って受付は窓の外を指さす。
海の真ん中に巨大な渦潮ができているではないか。
渦潮が灯台と灯台の間にある出入り口をすっかりふさいでいた。
「あれはおそらくカリュブディスの仕業でしょう。一体ではあそこまで大きくなる事ないんですが、何体も群生しているとああいった現象が起きることがあるんです。こちらもどうにかしたいんですが、どうしようもなくって。」
困り果てたようにそう言う。
確かにあれじゃどうあがいても出航はできない。
「今海岸にシー・ビショップが来ていて、なんとか彼女にカリュブディスをよけてもらおうと話しているのですが・・・。『男を出さないとよけないわ。』とか言ってよけないそうです。」
「でも、カリュブディスはスキュラと一緒なんだよな?それじゃ連れて行く前に・・・。」
「今回はカリュブディスのみだそうです。更にここら辺は浅いので、スキュラが出ることは滅多にないんです。」
それを聞いたティタンがにやりと笑った。
彼女の笑みにゾクリときたのはおそらく気のせいではない。
自分の身に危険が迫っていることを本能が知らせたのだ。
そしてエフィにこっそり耳打ちをする。
エフィもティタンと同じ笑みに変わった。
「ねぇ、受付さん。ワタクシ達がもしカリュブディスをどけてきたら、船は出してもらえますか?」
「それはもちろん。きっと船の方達も喜んで乗せてくれると思いますよ。その時にはお代も頂きません。」
更にティタンの笑みが凶悪なものになる。
俺は反射的に逃げ出そうとしていた。
だが、しっかりエフィに襟をつかまれている。
な、何をする気だ・・・!?
「確か・・・。ちょっと前にセシリアは水中で呼吸のできる魔法薬が作れるって言ってたわね。」
「うん。1日だけだけど水中で呼吸をできるようにする薬は作れるよ。」
「カイ・・・。もうわかったよな。」
エフィの問いかけに俺はぶんぶん首を振る。
うっすらと予想はついているのだが、俺の全精神がその事実を認めることを拒否していた。
どうか俺の思い過ごしであってくれ。
「ダーリン。ちょっとお願いがあるの。」
「ナナナナ、ナンデゴワスカ?」
「ちょっと海まで行ってきて、カリュブディスの子供を作ってきてくれない?」
「はぁっ!!??ちょっ!!!!」
「もちろん。拒否権はない。」
エフィに剣を突きつけられる俺。
ううっ、横暴だ・・・。
必死で俺は最後の抵抗をする。
このままでは何十人俺の子供ができるかわからないからだ。
「いくらなんでも何体ものカリュブディスを相手にすることは無理っ!!死んでしまう!!」
そう言うとティタンはぐいっと見覚えのある皮袋を差し出す。
まさか、それは・・・。
開いてみると予想通り過ぎて逆に脱力してしまった。
中にはそう・・・。
「ハイ、デワスの実よ。」
やっぱりかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
もう俺に逃げ場はない。
最後の希望、テテスとセシリアにすがりつく。
二人とも申し訳なさそうに微笑んで、やんわりと俺を見捨てた。
「た、助けてくれ・・・。」
「あっははは・・・。ボクにはどうにもできないよ・・・。」
「カイさん、ごめんなさいっ!!」
ですよね。
もはや予想通り過ぎて、何も言えなくなる。
そう言うのはわかってました、ハイ。
俺は真っ白な灰になった俺は、半ば引きずられるような形で連れて行かれた。
「で、ではっ。お願いしますねっ!!!」
ペコリと頭を下げる受付さん。
しかしその声が肝心の俺に届くことはない。
皆・・・、俺達の冒険はこれからだっ!!
(応援ありがとうございました。
アカフネ先生の次回作にご期待ください。)
・・・なんて終わらせてくれるわけはない。
あれから数時間後、俺はシー・ビショップとともにカリュブディスが群生している所を目指して海中を泳いでいた。
俺の姿は水着であるパンツのみ。
気のせいか、シー・ビショップの視線を感じる。
おそらくいつもの勘違いだろう。
セシリアが作った水中で息ができる魔法薬の効果は本当だったようで、肺に水が入っても苦しくはない。
このままどこかへ逃げ出したい気分だ。
「あなたも大変ですね。」
シー・ビショップが苦笑しながらそう言う。
彼女がしっかりと俺の話を聞いてくれたので、つい愚痴を漏らしてしまった。
本当に申し訳ない。
シー・ビショップに恋して、そのまま帰ってこなかった男が大勢いると師匠から聞いていたが・・・。
なるほど、これは帰ってこなくなるわ。
包容力がある(決して胸のことではない)彼女に入れ込む男の気持ちが痛いほどわかる。
俺もその包容力(決して胸のことではない)に包まれたい。
「さて、もうすぐ着きますよ。」
大きな渦潮が見えてくる。
その中心あたりには何個もフジツボのような物体が張り付いていた。
あれがカリュブディス・・・。
「では、少し待っていてくださいね。彼女達と話をしてきます。」
そう言うと彼女はそのまま渦へと飛び込んだ。
事前に人間の男が来るという事は伝えてあるらしい。
シー・ビショップの姿が見えなくなり、俺は自分の準備を始める。
今のうちに食べておこうかな・・・。
取り分けたデワスの実を数粒、口にいれる。
舌をえぐるような苦味はいつまで経っても慣れないものだ。
吐き出しそうになりながら、噛み砕く。
苦味に耐えていると、シー・ビショップが戻ってきた。
渦の勢いもなくなっており、もうすぐ消えるだろう。
「皆さんがお待ちです。どうぞ、こちらへ。」
シー・ビショップの案内でカリュブディスの所まで連れて行かれる。
俺は案内されるがままについていくと、そこには5体のカリュブディスがフジツボのような物から上半身だけを出していた。
カリュブディスの姿はとても幼く、手を出していいのか本当に躊躇うほどだ。
「シー・ビショップさん。まさか・・・、その人が私達としてくれる人?」
「はい。お気に召しませんでしたか?」
「ううん!!思った以上に良いっていうか、逆にありがとうというか。」
「わぁ、このお兄さんが私達と!?」
「あ。でも、お持ち帰りはダメですよ。」
「むぅ・・・、わかっているけど。なんか惜しい事した・・・。」
「てっきり汚いおじさんが来ると思ってたからね。そんなの持ち帰りたくないもの。」
キャッキャッ騒ぐカリュブディス。
シー・ビショップと一緒にいるとまるで小学校みたいだな。
「なおこの約束はポセイドン様の下、正式に交わされたものです。破った場合は・・・、海の魔物ならどうなるかわかってますね?」
「「「「「は〜い。」」」」」
「よろしいです。では、はじめましょう。あと一つお願いがあるのですが。」
「俺にか?」
「はい。」
そう言うと顔を赤らめながらモジモジとし始める。
俺にお願いとは何だろうか・・・?
まあ、彼女のことだしそれほど無理なお願いでもないだろう。
さっき愚痴を聞いてもらった恩もあるしできる限り叶えてやろうと思った。
「あの・・・、私も混ぜてもらえ・・・ませんか?」
「んと・・・、何に?」
「この子達とする・・・、せ、セックスに・・・。」
「ああ、それなら・・・ってうぇぇぇぇ!!??」
またこのパターンか。
いつも俺はこのパターンだな。
パターン化してるものの、驚きの申し出に俺の声は裏返る。
断る理由もない俺は「別にかまわない」と承諾した。
カリュブディスも歓迎している。
「いいのか?そんな事で?」
「はい・・・。さっきから上半身裸のあなたの姿を見ていたら、どうにも我慢できなくなって・・・。」
そうしてカリュブディス達はフジツボから出てきて、俺の二の腕に抱きついてきた。
シー・ビショップは俺の海パンを下げた後、自分の修道服を脱い脱ぎ始める。
彼女の身体で目を引くのはそのむn・・・、包容力だ。
まず両手は二人のカリュブディスに導かれるまま、二人の秘所へ。
もう二人は俺の腰に抱きつくと俺のへそあたりを舐め始める。
のこった最後の一人は俺の前に秘部をくぱぁと広げ、「舐めてちょうだい」と言った。
シー・ビショップは立ち上がった俺のモノを遠慮がちに咥えている。
耳元では俺が肉壁を弄り回す二人のカリュブディスの色っぽい声が響いていた。
もう理性がどうとか考えてない。
目の前にある快楽に貪りつくことしかできなかった。
「じゃ、へそを舐めている二人とシー・ビショップ。」
「「は〜い?」」
「何でしょうか?」
「三人とも俺の前に来てくれ。」
「こう、でしょうか?」
「そうそう。」
シー・ビショップを真ん中として、三人が並ぶ。
俺はカリュブディス、シー・ビショップ、カリュブディスという順に硬くなった俺の肉棒を出しては入れる、出しては入れるを繰り返した。
種族によってモノを入れた感じは違う。
カリュブディスは根元から引っこ抜くみたいに奥へ奥へ引き込もうとするのだが、シー・ビショップはそのひだひだした中で締め上げてくるようだった。
快楽に身をゆだねると自然にだんだんと腰の動きが早くなる。
「くぅ・・・、まずは右のお前から出すぞっ。」
「うんっ。出してぇ・・・。ふやけるぐらいにいっぱい・・・。」
「くぅっ、うおぉ。」
「あんっ、ビュクビュクいってるよぉぉぉぉぉ。」
引きずり込まれる感触のまま、俺のモノから勢いよく吐き出す。
同時に身体中に快楽が突き抜けた。
中に出してやったカリュブディスの足がビクビク痙攣する。
どうやら彼女も絶頂を迎えたようだ。
満足げに顔をふやけさせている。
我慢する必要なんてないんだ・・・。
それから全員交互に何度も何度もたくさん中に出した。
デワスの実のおかげで肉棒は疲れ知らずである。
俺も今回は気にすることがないせいか、ただ一心に彼女達の中を味わい尽くしていた。
「で、出るぞぉ。」
「出ひてくらさぁい、もうお腹いっぱいに精子がはひってるのぉ・・・。」
もうシー・ビショップの顔は快楽の極みにまで昇っていた。
だらしなく舌を出しているし、目の焦点も会っていない。
カリュブディスもほとんど全員が同じような顔になっている。
俺の意識も遠くにあり、今自分がどんな顔をしているのかわからなかった
とてつもない快感と一緒にまたシー・ビショップの中に出す。
それと同時に俺の意識がブラックアウトした。
「ん・・・。」
目が覚めたときはどこかのベッドの上だった。
ここは・・・、宿屋か・・・。
急にドアが開く。
「ただいま〜。あ、カイ。起きてたのか。」
「ダーリン、おはよう。」
「お兄ちゃん、大丈夫!?」
「カイさん、平気ですか?」
四人は食べ物の袋を抱えて、部屋に入ってくる。
俺はどうやら気を失っていたようだ。
起きた後だというのにそれほど息子も元気がない。
まぁ、何十回と出したので当然といえば当然なのだが・・・。
立ち上がろうとベッドから降りる。
俺の身体は力なく床に倒れこんだ。
「・・・え?」
「ダーリン、頑張りすぎよぉ。すっかり腰も抜けてるし、気も失っていたそうよ。シー・ビショップの子が送ってくれなきゃ、ダーリンは今も海の中だったの。」
クスクス愉快そうに笑うティタン。
そうか、俺は気を失っていたのか。
道理でここまでの記憶がないわけだ。
「まったく。どれだけあいつ等を満足させたんだ?カリュブディスからこんなのまで届いてるぞ。」
「カリュブディスから?」
「ああ。とても満足したから、カイに渡してくれって。」
そう言ってエフィは一つの銀色に輝く指輪を手渡してくる。
指輪にはものすごく小さい青い宝石が点々と埋め込まれていた。
・・・なんだこれ?
「それは海の魔物が持っているマジックアイテム、海王の指輪だよ。さっきボクが調べてみたの。」
「海王の指輪?」
「そう。海の魔物がたまに持っているとてもレアなものらしいよ。お兄ちゃんはラッキーだね。それ、魔力を持っていない者も水系統の魔法を使えるようになるアイテムだよ。」
「へぇ、そんなのが・・・。」
俺は指輪に指を通し、念じてみる。
すると大きな水の玉が俺の目の前に出現した。
それが面白いように俺の意思で動く。
まるで俺のために作られたかのようにぴったりと俺の右手の中指にはまっていた。
「これでダーリン、魔法剣士ね。」
「あはははは・・・。」
青い宝石が夕日を浴びて煌く。
美しいその光は見る者を魅了するものがあった。
「明日、出航ですって。カイさん、それまではゆっくりしていてください。夕食も持って来ますので。」
「おう。」
俺は何とかベッドに戻る。
それからすぐに再度眠りにつくのに時間はかからなかった。
10/06/14 22:41更新 / アカフネ
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