最終訓練5:貪欲なる白虹の竜
竜騎士叙勲を終えた翌日、凱はいつもより早く目覚めた。
眠気を追い出すと、久しぶりの日課となる朝食作りに取り掛かり、瑞姫を起こさずに第零特殊部隊の隊舎に向かった。その途上、自分の朝食として作ったおにぎりを頬張っていたが。
隊舎に入ると早速アルトイーリスが待ち構えていたように出迎えた。
「この三ヶ月、よく頑張ったなガイ。昨日の行動には冷や冷やしたが、相手を自滅に追い込む機転は見事だった。私の鼻も高いというものだよ」
アルトイーリスは凱と瑞姫の成長を心から喜んでいた。
多数の反対勢力によって最終訓練と称したサバイバルを課された時、彼女に止める事は出来なかった。
凱を擁護したのは竜騎士団長アルトイーリス、「星泉」の二つ名を持つ龍・瑠珠(るじゅ)と「幻竜」の二つ名を持つドラゴン・シグニカの三人だけ。
反対勢力に次いで多かったのが、中立もしくは不干渉の立場を取った者達だった。
無用な争いを避けようと選択した者達が、望む望まないを問わず反対勢力を後押しする結果を招いたのだ。
事なかれ主義のような態度ではこの先、何かあった時に足を引っ張るだけにしかならない。
反対勢力以上に罰する必要があるとアルトイーリスは痛感させられた。
彼女は凱に「今日はもう戻ってミズキとゆっくり過ごせ。明日は女王陛下と共に会おう」と言い、隊舎から出て行かせた。
一人のドラゴンがアルトイーリスに話しかける。
「……よろしかったのですか?」
「あの二人は、この隊でおとなしくしている者達ではあるまい。辛気臭い別れをするより、こうした方が後腐れもない」
「隊長……」
「それに我らは……あの二人とまた会うことになる。私はそう信じている。さあ、我らも負けてはいられんぞ!」
アルトイーリスは話しかけて来たドラゴンに鍛錬を欠かさぬよう命令する。
こうして、第零特殊部隊から竜騎士として巣立った者として、凱と瑞姫の名が記録に残された――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
邸宅に戻された凱は余りにも静かすぎる雰囲気に違和感を覚える。
自室に戻ると瑞姫が待ちかねたように抱き付く。
「あのね、お兄さん。話があって――」
瑞姫によると、朱鷺子は朝の内にフロゥを伴って邸宅を引き払い、風星学園へ帰還したという。
突然の事で瑞姫は驚くが、何かを察したような表情をしながら「先に帰ってるから、『二人で』ごゆっくりどうぞ」と言い残し、異世界転移用のゲートを使って人間界に帰っていったのだ。
再び二人だけの広過ぎる邸宅の空気が流れる。
それでも二人は見つめ合いながら部屋を出て寝室に向かう。
その途上で熱烈な口づけを交わしながら……。
「はむっ……んむうっ……むっふ、ちゅむっ……はちゅるぅ……。んっんっんふぅう……」
グチュグチュと淫靡な音が響くのも厭わず、二人は激しく口唇を貪り合う。
舌と舌を絡め合い、口腔を吸引したりされたりで、二人はおよそ一週間ぶりの交尾を待ちきれない状態となっていた。
くちゅるぅ……。ちゅぶっ……、ぬちゅぅっ、ずちゅるぅぅ……。
ディープキスだけでも体内の猛りを感じる。
互いに唾液を交換し合い、口の端からはしたなく零れ落ちようともお構いなしだ。
唇が離されれば、唾液の糸が伸びて互いを繋ぐ。
「あぁ……、わたし、もう……我慢できない」
「もう少しだけ、我慢だよ。ベッドまでもう少しだから」
「いやあぁ、はやく、はやくぅぅっ!」
瑞姫は性欲を抑えるのが限界に来ていた。
何しろドラゴンが一週間もセックスを我慢させられているのだ。並みの魔物娘の比では無い程に性欲が爆発寸前に達しているのだから、無理もない話である。
凱は今にも襲いかかりそうな瑞姫を抱きつつ、彼女を引き摺るように寝室に連れ込む。
すると予想通り、瑞姫は凱を抑え込み、軽く飛びながらベッドの中央に飛び込んだ。
やっとこの時が来た、と安堵の表情を浮かべる瑞姫は制服っぽくアレンジした衣に手をかけ、それを脱ぎ捨てる。露わになったショーツも迷いなく外す。
透けるような、下手をするとワイトのように白い肌には殆ど膨らみの無い、なだらかな乳房が凱の視界に移り込む。呼吸に合わせてゆっくりと上下しながら、先端の桜色の大きな突起が固くキュンと尖る。小さな胸でありながら、乳首の尖り具合は痛々しいくらいだ。
身体は既に、しっとりと汗で湿り気を帯びている。
幼い顔立ちと幼さを十分に残した肢体に反した妖艶な表情が、アンバランスさを妖しく際立たせ、凱の内にある劣情が脈打つように反応していた。
柔肌を隠しもしない瑞姫ではあるが、凱が自分の身体に興奮している事を察すると、身体中がほんのりと赤みを帯びていく。
「わ……、わたしの、身体で……そんなに、なる……なんて」
見れば凱のズボンには股間のイチモツが固く屹立している。たまらず瑞姫は「こんなの邪魔」と下着ごと引き抜き、上着も遠慮なく脱がして全裸にさせる。
「もう……。お兄さんにはみんな……、ううん、わたしがいなくちゃダメだね♥ んっ、んんんんっ」
ちゅっぷ……、くちゅっ……、ちゅぅっちゅっちゅっちゅるる……、ぬぢゅぅっ、にゅちゅぅぅ……。
更に深いディープキスをしながら、瑞姫の掌が凱の肉棒に触れる。
ドラゴン属は掌や足裏の鱗が特殊で、伴侶との交尾となれば、この鱗は性的にも強力な武器となる。特に掌は伴侶の肉棒を優しく包み、扱き上げれば二度とオナホールで満足出来なくさせる程の性的興奮と快楽を与える。
もっとも、他の魔物娘にも何らかの似たような効果と手段があるので、ドラゴン属の専売特許ではないのだが。
唾液が淫らに零れ落ちるのも構わず、瑞姫は凱の肉棒を愛おしく扱き上げる。
肉棒から伝わる熱が瑞姫に愛欲の炎を燃え上がらせていく。
ペニスを擦られれば擦られる程、凱の中にある性感も増幅される。
包まれるような愉悦に流されるように、凱は自ら瑞姫の口腔に舌を挿し込んだ。
「――んぅ!? ふっむ……むっちゅ、ちゅるぱぁっ、むちゅる……、んむふぅぅ……」
一瞬驚いた表情を浮かべた瑞姫であったが、彼女も負けじとこれに応えて舌を絡み付ける。
互いの口を吸い合い、唾液と唾液を交換する下品で淫らな音を寝室中に響かせながら、激しい口づけは続く。
キスに合わせるように瑞姫の掌の動きは淫らで激しくなる。にゅじゅっにゅじゅっと肉槍が扱かれると、それだけで射精してしまいたくなるくらいの肉悦が凱の身体を駆け回る。
「んぐっ……、あ、あぁ……すご、い……」
官能の疼きが全身を支配し、射精衝動が増幅されていく。
もっと、もっともっともっと気持ち良くなりたい!――本能の訴えるがままに、より唇を貪りながら、凱自身も瑞姫の掌に合わせるかのように腰を振り始める。
「ん!? んぅ! んんんんんんん!」
瑞姫が手と唇を無理矢理離すと、少し不満な表情を浮かべる。
「もう……、お兄さんとはここで繋がるの! わたしの手に出すなんてイヤ!」
凱の腹付近に跨りながら瑞姫は秘所に手を宛がい、くぱぁと左右に広げる。
彼女の花弁が剥き出しになると、その花弁は肉汁に溢れ、膣中からは濃厚な牝汁がどろりと垂れて来る。
それはまるでご馳走を目の前にした子供が垂れ流す涎のようでもあった。
凱もまた、瑞姫の美しく艶めいているサーモンピンクの花弁に視線を奪われ、思わず息を飲むが、すぐにでも挿入したい衝動に襲われてしまっていた。
「ねえ……、挿れて? わたし達は、もう、誰にも邪魔されない。わたしはお兄さんのもの。お兄さんは……わたしのもの……」
ささやくように懇願しながら近づく瑞姫は遠慮する事も無く、肉槍を媚肉の海に沈めていく。
ずじゅっ、じゅぶるっ……にゅぶるるるぅ……!
「あぁん! あふうぅ、おおぉん! これぇ! これなのぉぉっ、これが欲しかったのおぉぉ♥ おにいさんのおちんぽおおおお♥」
瑞姫が歓喜の声を上げながら対面騎上位で腰を本能のままに動かすと、ギュギュッとペニスを押し潰すかのように蜜壺が収縮する。それに合わせるように、凱の射精衝動はますます高められていく。
「おおーッ、瑞姫ぃぃぃ! すごく、いいーっ!」
「わたしも、とてもいいよぉーッ!」
互いに嬌声を上げながら腰を振り合うと、愛液がとめどなく流れ、凱の下腹部を濡らし続ける。
そうしていく内に互いの限界はやって来た。
「あああ、もう……、もう我慢出来ない……! 出る……出るっ!」
「いいよぉ、出して、出してぇ! わたしの中に、出して……、うぅっ、あはぁぁ。欲しい、お兄さんの、赤ちゃんの種、欲しいぃっ♥」
淫らながらも可愛らしい声が射精を求めてくる。けれど、愛おしい人を求める姿に、脳髄のみならず心の奥底にまで染み込んでくるような感覚を覚えた。
「あがぁ! もう……我慢出来ない!! うぐっ、おああああああああっ!」
びゅぶるっ! どびゅるっ、びゅぶぶぶぶううううっ!
「あッ、あッ、あッあッああぁー♥」
弓なりに沿って、恍惚の表情を浮かべながら絶頂する二人。
多少の休憩こそあっても、一週間も我慢させられた瑞姫の性欲を鎮める為、凱は更に挑んでいくしかない。だから――
凱は瑞姫を四つん這いにさせ、置いてあったアルラウネの蜜を取り出して肛門にそれを塗りたくる。
「ひっ!? きゃぁぁ! お、お兄さん、何するの!? そこ、お尻だよぉ!」
「そうだけど?」
とぼけたかのように、アルラウネの蜜を瑞姫の菊孔に塗り込んでいく。
「あ、あ、あぁん! だめ……だめぇ……、やぁっ?! お…お尻でされたら! わたしっ…わらひぃぃぃぃ!!」
琥珀色をしたハチミツをたっぷりと塗りたくられた少女の肛門は、妖艶さを増してひくついていた。
時折身体をビクビク揺らしながら、瑞姫は何度も首をイヤイヤと振る。
拒否の姿勢に見えもするが、彼女の内心では凱との深い繋がりを求めている。
でも、いきなり異物を挿し込んでしまうと例え魔物娘と言えど肛門を使い物にならなくなる恐れが高い。
凱は誰に教えて貰った訳でも無く、瑞姫の菊孔に顔を近づける。
「あ! いやぁ、恥ずかしいよぉ……」
凱の顔が少女のヒップから離れた瞬間、勢いをつけて蜂蜜塗れの肛門に、凱の唇が吸いついた。
「はうぅーッ!」
瑞姫のアナルが甘やかなのは、塗りたくられた蜜のせいばかりではなかった。
切ない期待にヒクヒクと蠢いている肛門は、それ自体が甘くて官能的なパーツだ。
唾液に濡れた舌を挿入するならば、蜂蜜の助けは不要だった。
肛門の周囲にまぶされた甘い液体を綺麗に舐め取ってしまうと、改めて尻のすぼまりを舌先でくすぐり立てていく。
「ぅうぅぅッ、くすぐったい……♥」
全ての神経を尻穴の一点に集めた瑞姫は、過敏な肛門を這い回る異物の感触に戸惑うばかりの悦びを感じていた。生あたたかく湿ったベロがすぼまりを擦り立てていくだけで子宮が熱く疼き、我慢出来ずに身を捩りながら悶える。確かにくすぐったいのだが、それだけではない何かが舌先との接触面で次々に発生してきていた。
「あふうぅッ!」
それまでの表面を撫で回すような感覚が、明らかにに異なっていた。
極めて小さな渦を巻いている舌先は錐のように尖り、恥ずかしいすぼまりの中芯を狙って肛門に突き込まれようとしていた。
「ああーッ、きてきてーッ! わたしのお尻に、入ってきてーッ♥」
その言葉を合図に、肉の楔と化したベロが瑞姫の直腸に押し込まれてきた。
物理的な制約から、わずかに先端部分しか埋もれていない舌先ではあったが、少女は体を半分に割られてしまうような挿入感を覚えていた。それは指を突き入れたときとは比べものにならないまでに、悩ましくて気持ちのよい感じだった。
「ぅぁうぅ、いいッ、おしりのなか……いっぱいに、なってる……きゃぅん!」
ほんの先端しか埋まっていなかったベロが、更に深くまで体内に押し込まれると瑞姫の嬌声が響く。
柔らかな楔となった凱の舌が丸く尖って伸び出てくると、瑞姫の肛門が割り広げられていった。
生理的な限界いっぱいまで異物を押し込まれた瑞姫は、むず痒いようでくすぐったい――そんな不思議な快美感に突き上げられていた。
そうして思わず彼女は言ってしまう。
「もっと、もっと奥まで入れてぇッ」
最初の嬉しいショックをやり過ごした瑞姫はなおも激しい刺激を求めたが、それ以上ベロを突き込むのは物理的に無理だった。そこで凱は、深くまで舌を押し込みつつ、それをリズミカルに前後させ始める。
肛門粘膜を擦り立てるようにして、圧迫していたベロが出ていったかと思うとすぐに戻ってきていた。入口部分の狭い場所を無理やりに押し開き、深々とバックを抉った異物は、再びスポッと引き抜かれる――それが何度も何度も繰り返されていった。
丸くすぼめられたベロをしつこく肛門に出し入れされると、瑞姫は更に体を震わせて乱れていく。
「ああ、こんなの、初めてッ」
いきなりの事だったのに、彼女自身も分からないくらい、めくるめく快感に襲われていた。
張り裂けそうに押し広げられた肛門がきつく擦り立てられていたが、唾液と蜜をたっぷりと塗られたお陰で痛みは全く感じなかった。しかも挿入されている舌はかなり自在に変形するので、アスホールがいっぱいになっているかわりには動きがスムーズだった。
「わたしのお尻に、お兄さんのを……欲しいの」
瑞姫はそう言いながら凱に懇願する。
だがその期待は裏切られ、凱の指が慎重に瑞姫の肛門の周囲を徘徊する。
「そ……そんなぁ!」
「いきなりじゃダメだろ。それはいくら俺でも分かる。だから……大きく息を吐いて、それからゆっくり吸って。その呼吸に合わせて、ゆっくり、指を前後させるから」
凱の指の挿入がスタートした。
菊門の襞をめくり上げるようにして、指でソロリソロリと回し入れる。
「アウッ……痛い……っ、けど……」
人差し指を這わせて突っ込んでみると、蜜が潤滑油になったのか、菊孔は凱の指をぬるりと飲み込んでしまう。僅かな色素沈着を見せている肛門に指が押し込まれているのは、思いがけない程にショッキングなシーンだった。愛する少女のアナルに突き込んでいるだけなのに、凱は自分の肛門が責め立てられているような気分にさせられていた。
「え……!? あ、あーっ、何これぇー! 気持ちいいー、きもちいいよぉーッ♥」
指による肛門責めが瑞姫を突然よがらせる。
放射状の細皺を刻んだ菊穴が指の挿入と一緒に陥没していったかと思うと、ピンク色の肛門粘膜まで裏返しにするような勢いで指が引き出され、アスホールが裂けてしまいそうに広がっていた。
「はぁっ、んんっ」
後ろを侵す動きに、瑞姫はすすり泣きを洩らすのみ。
やがてとうとう耐えられなくなったのか、「くうぅっ!」とひとつ声を上げると、ぎゅうっと身体を強張らせて絶頂を迎えてしまう。
「お兄さんの、たくましいオチンチン、わたしの……いやらしい、お尻の、穴に……入れ、て。もうひとつの……初めてを、受け取って」
涙を浮かべる瑞姫の身を起こしながら、凱はそっと微笑む。
片手で位置を確かめると、少女の後ろの狭い口にいきり立った亀頭の先端を定めた。
「んっ、お兄さん……っ」
無意識かつ本能的な行動だろう。
背後からの脅威に這って前へと逃れようとする瑞姫だったが、凱が彼女の腰をがっしりと掴んで阻む。
「瑞姫。もう一度力を抜いて、ゆっくり息を吐くんだ」
「はっ、はい。ふうっ、……ふぁ、あああっっ?!」
次の瞬間、凱が押し込む動作と瑞姫の括約筋が弛まるタイミングが合致し、凱の起立した先端が瑞姫の排出器官に潜り込む。それを足掛かりに、ずりずりと侵入していく。
「くふっ、あ、ああ……」
瑞姫の呼吸に合わせ、締め付けが緩くなる瞬間を捕らえながら、蜂蜜と唾液の滑りを利用して腰を進めた。
きつい入り口付近を亀頭が通り抜けると、後は多少余裕が生まれ、そのまま根元まで挿入を果たす。
何度も身体を重ね合った二人が、初めての形で再び繋がった。
「ふあぁ、ああ、あ、あぁ」
瑞姫の身体がブルブルと揺れ動く。
まるで呼吸困難になったように口をぱくぱくと開けながら、短く息を荒げている。
「分かるよね。瑞姫のお尻に入ったよ」
「うあ、あ……ハァっ、はぁっ」
彼女の内部で、何かが壊れてしまったというような言葉になってさえいない音が、口から吐き出される。
瑞姫の全身には脂汗が浮かんでいた。
「あぅ、あ、ああっ……、お兄さんっ」
何度も息をついて、呼吸を落ち着かせようともがきながら、瑞姫はうわ言を洩らすように言った。
「おにいさん、のが、わたしの、なか、に……はいって、きて、る」
「そうだよ、瑞姫」
やはり息を荒くしながら、彼は告げる。
「これでやっと、完全に繋がったな」
辛そうに、それでも何とか視線を背後にいる愛おしい男性に向ける瑞姫に凱は宣言した。
「瑞姫の、恥ずかしい初めても、俺が貰った。だから瑞姫はもう、完全に、俺のモノだ」
「あ、あ……あっ」
彼の言葉に、瑞姫は目を見開く。
そしてその内容が徐々に心に染み込むと、瑞姫の顔は悦びと官能に満ちた笑顔で塗り潰された。
「は、はいっ。わらひは、ほんろうに、おにいひゃんのモノっ。わらしは……、わたひは、おにいさんの、ためだけの、オンナ……、いやらひい、婚約者らのぉっ♥」
感極まったように、もつれた舌で瑞姫が懸命に自分の心を伝える。
禁忌の部位に肉棒を受け入れた事から来る下半身から全身を襲う圧迫感すら、今の彼女にとっては歓びの証明でしかない。
「このまま動かしても平気か? あんまりつらいなら、今日はこれでやめるけど」
「ぁ、いやぁ、お願い……、やめないでっ、はあぁっ」
凱の言葉に、瑞姫はむせびながら懇願する。
その言葉を受けた凱は、肉槍で瑞姫の尻をゆっくりと抉り始めた。
「くはっ、はあぁ」
快感か苦悶か、どちらともつかない声を上げながら瑞姫は悶える。
幼さを残す美しい顔を歪め、口元から唾液をだらしなく垂らす。
全く意味を成さない音を肺から押し出しながら、必死に肉棒を受け止めていた。
〈これが、アナルセックスなのか……。すごい、キツイっ〉
膣とは全く種類が違う締めつけが荒々しい刺激となって下半身を痺れさせ、歯を食いしばりながら、込み上げる快楽を抑え付け、腰を振るう。
「はぁっ♥ うゥ……ぐすっ、ああ、あっ♥」
息遣いの中に混在する官能の艶が、凱の耳を捕らえて離さない。
彼は更に快感を生み出せるよう、肉棒で瑞姫の直腸内を擦りまくる。
女陰のものとは全く違う、めくるめく快感がお互いの身体の奥底を縦横無尽に駆け回る。
「ぁあ、わたし、イク、後ろでイッちゃうのっ。ひっ……ひあぁ、あひっ……やああっ、こんな、こんなぁ……イク……イッ、ク……おひり、で、イッ……んぁううううぅッ……!!」
快感の喘ぎ声というよりは呻き声を洩らしながら、竜の少女は絶頂へと至った。
「んぐぅ、ぁああ、んうぅっ!」
凱もそれに合わせて、腸内に欲望を迸らせた。愛する少女の身体で、まだ汚されていなかった場所に精液を撒き散らす。
倒錯の性交を終えた二人は絶頂の余韻のせいか、僅かに痙攣を続ける。
それでも二人に後悔などある筈が無い。
竜騎士としてだけでなく、将来結ばれるべき関係である事を深め、強めたのだから――
眠気を追い出すと、久しぶりの日課となる朝食作りに取り掛かり、瑞姫を起こさずに第零特殊部隊の隊舎に向かった。その途上、自分の朝食として作ったおにぎりを頬張っていたが。
隊舎に入ると早速アルトイーリスが待ち構えていたように出迎えた。
「この三ヶ月、よく頑張ったなガイ。昨日の行動には冷や冷やしたが、相手を自滅に追い込む機転は見事だった。私の鼻も高いというものだよ」
アルトイーリスは凱と瑞姫の成長を心から喜んでいた。
多数の反対勢力によって最終訓練と称したサバイバルを課された時、彼女に止める事は出来なかった。
凱を擁護したのは竜騎士団長アルトイーリス、「星泉」の二つ名を持つ龍・瑠珠(るじゅ)と「幻竜」の二つ名を持つドラゴン・シグニカの三人だけ。
反対勢力に次いで多かったのが、中立もしくは不干渉の立場を取った者達だった。
無用な争いを避けようと選択した者達が、望む望まないを問わず反対勢力を後押しする結果を招いたのだ。
事なかれ主義のような態度ではこの先、何かあった時に足を引っ張るだけにしかならない。
反対勢力以上に罰する必要があるとアルトイーリスは痛感させられた。
彼女は凱に「今日はもう戻ってミズキとゆっくり過ごせ。明日は女王陛下と共に会おう」と言い、隊舎から出て行かせた。
一人のドラゴンがアルトイーリスに話しかける。
「……よろしかったのですか?」
「あの二人は、この隊でおとなしくしている者達ではあるまい。辛気臭い別れをするより、こうした方が後腐れもない」
「隊長……」
「それに我らは……あの二人とまた会うことになる。私はそう信じている。さあ、我らも負けてはいられんぞ!」
アルトイーリスは話しかけて来たドラゴンに鍛錬を欠かさぬよう命令する。
こうして、第零特殊部隊から竜騎士として巣立った者として、凱と瑞姫の名が記録に残された――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
邸宅に戻された凱は余りにも静かすぎる雰囲気に違和感を覚える。
自室に戻ると瑞姫が待ちかねたように抱き付く。
「あのね、お兄さん。話があって――」
瑞姫によると、朱鷺子は朝の内にフロゥを伴って邸宅を引き払い、風星学園へ帰還したという。
突然の事で瑞姫は驚くが、何かを察したような表情をしながら「先に帰ってるから、『二人で』ごゆっくりどうぞ」と言い残し、異世界転移用のゲートを使って人間界に帰っていったのだ。
再び二人だけの広過ぎる邸宅の空気が流れる。
それでも二人は見つめ合いながら部屋を出て寝室に向かう。
その途上で熱烈な口づけを交わしながら……。
「はむっ……んむうっ……むっふ、ちゅむっ……はちゅるぅ……。んっんっんふぅう……」
グチュグチュと淫靡な音が響くのも厭わず、二人は激しく口唇を貪り合う。
舌と舌を絡め合い、口腔を吸引したりされたりで、二人はおよそ一週間ぶりの交尾を待ちきれない状態となっていた。
くちゅるぅ……。ちゅぶっ……、ぬちゅぅっ、ずちゅるぅぅ……。
ディープキスだけでも体内の猛りを感じる。
互いに唾液を交換し合い、口の端からはしたなく零れ落ちようともお構いなしだ。
唇が離されれば、唾液の糸が伸びて互いを繋ぐ。
「あぁ……、わたし、もう……我慢できない」
「もう少しだけ、我慢だよ。ベッドまでもう少しだから」
「いやあぁ、はやく、はやくぅぅっ!」
瑞姫は性欲を抑えるのが限界に来ていた。
何しろドラゴンが一週間もセックスを我慢させられているのだ。並みの魔物娘の比では無い程に性欲が爆発寸前に達しているのだから、無理もない話である。
凱は今にも襲いかかりそうな瑞姫を抱きつつ、彼女を引き摺るように寝室に連れ込む。
すると予想通り、瑞姫は凱を抑え込み、軽く飛びながらベッドの中央に飛び込んだ。
やっとこの時が来た、と安堵の表情を浮かべる瑞姫は制服っぽくアレンジした衣に手をかけ、それを脱ぎ捨てる。露わになったショーツも迷いなく外す。
透けるような、下手をするとワイトのように白い肌には殆ど膨らみの無い、なだらかな乳房が凱の視界に移り込む。呼吸に合わせてゆっくりと上下しながら、先端の桜色の大きな突起が固くキュンと尖る。小さな胸でありながら、乳首の尖り具合は痛々しいくらいだ。
身体は既に、しっとりと汗で湿り気を帯びている。
幼い顔立ちと幼さを十分に残した肢体に反した妖艶な表情が、アンバランスさを妖しく際立たせ、凱の内にある劣情が脈打つように反応していた。
柔肌を隠しもしない瑞姫ではあるが、凱が自分の身体に興奮している事を察すると、身体中がほんのりと赤みを帯びていく。
「わ……、わたしの、身体で……そんなに、なる……なんて」
見れば凱のズボンには股間のイチモツが固く屹立している。たまらず瑞姫は「こんなの邪魔」と下着ごと引き抜き、上着も遠慮なく脱がして全裸にさせる。
「もう……。お兄さんにはみんな……、ううん、わたしがいなくちゃダメだね♥ んっ、んんんんっ」
ちゅっぷ……、くちゅっ……、ちゅぅっちゅっちゅっちゅるる……、ぬぢゅぅっ、にゅちゅぅぅ……。
更に深いディープキスをしながら、瑞姫の掌が凱の肉棒に触れる。
ドラゴン属は掌や足裏の鱗が特殊で、伴侶との交尾となれば、この鱗は性的にも強力な武器となる。特に掌は伴侶の肉棒を優しく包み、扱き上げれば二度とオナホールで満足出来なくさせる程の性的興奮と快楽を与える。
もっとも、他の魔物娘にも何らかの似たような効果と手段があるので、ドラゴン属の専売特許ではないのだが。
唾液が淫らに零れ落ちるのも構わず、瑞姫は凱の肉棒を愛おしく扱き上げる。
肉棒から伝わる熱が瑞姫に愛欲の炎を燃え上がらせていく。
ペニスを擦られれば擦られる程、凱の中にある性感も増幅される。
包まれるような愉悦に流されるように、凱は自ら瑞姫の口腔に舌を挿し込んだ。
「――んぅ!? ふっむ……むっちゅ、ちゅるぱぁっ、むちゅる……、んむふぅぅ……」
一瞬驚いた表情を浮かべた瑞姫であったが、彼女も負けじとこれに応えて舌を絡み付ける。
互いの口を吸い合い、唾液と唾液を交換する下品で淫らな音を寝室中に響かせながら、激しい口づけは続く。
キスに合わせるように瑞姫の掌の動きは淫らで激しくなる。にゅじゅっにゅじゅっと肉槍が扱かれると、それだけで射精してしまいたくなるくらいの肉悦が凱の身体を駆け回る。
「んぐっ……、あ、あぁ……すご、い……」
官能の疼きが全身を支配し、射精衝動が増幅されていく。
もっと、もっともっともっと気持ち良くなりたい!――本能の訴えるがままに、より唇を貪りながら、凱自身も瑞姫の掌に合わせるかのように腰を振り始める。
「ん!? んぅ! んんんんんんん!」
瑞姫が手と唇を無理矢理離すと、少し不満な表情を浮かべる。
「もう……、お兄さんとはここで繋がるの! わたしの手に出すなんてイヤ!」
凱の腹付近に跨りながら瑞姫は秘所に手を宛がい、くぱぁと左右に広げる。
彼女の花弁が剥き出しになると、その花弁は肉汁に溢れ、膣中からは濃厚な牝汁がどろりと垂れて来る。
それはまるでご馳走を目の前にした子供が垂れ流す涎のようでもあった。
凱もまた、瑞姫の美しく艶めいているサーモンピンクの花弁に視線を奪われ、思わず息を飲むが、すぐにでも挿入したい衝動に襲われてしまっていた。
「ねえ……、挿れて? わたし達は、もう、誰にも邪魔されない。わたしはお兄さんのもの。お兄さんは……わたしのもの……」
ささやくように懇願しながら近づく瑞姫は遠慮する事も無く、肉槍を媚肉の海に沈めていく。
ずじゅっ、じゅぶるっ……にゅぶるるるぅ……!
「あぁん! あふうぅ、おおぉん! これぇ! これなのぉぉっ、これが欲しかったのおぉぉ♥ おにいさんのおちんぽおおおお♥」
瑞姫が歓喜の声を上げながら対面騎上位で腰を本能のままに動かすと、ギュギュッとペニスを押し潰すかのように蜜壺が収縮する。それに合わせるように、凱の射精衝動はますます高められていく。
「おおーッ、瑞姫ぃぃぃ! すごく、いいーっ!」
「わたしも、とてもいいよぉーッ!」
互いに嬌声を上げながら腰を振り合うと、愛液がとめどなく流れ、凱の下腹部を濡らし続ける。
そうしていく内に互いの限界はやって来た。
「あああ、もう……、もう我慢出来ない……! 出る……出るっ!」
「いいよぉ、出して、出してぇ! わたしの中に、出して……、うぅっ、あはぁぁ。欲しい、お兄さんの、赤ちゃんの種、欲しいぃっ♥」
淫らながらも可愛らしい声が射精を求めてくる。けれど、愛おしい人を求める姿に、脳髄のみならず心の奥底にまで染み込んでくるような感覚を覚えた。
「あがぁ! もう……我慢出来ない!! うぐっ、おああああああああっ!」
びゅぶるっ! どびゅるっ、びゅぶぶぶぶううううっ!
「あッ、あッ、あッあッああぁー♥」
弓なりに沿って、恍惚の表情を浮かべながら絶頂する二人。
多少の休憩こそあっても、一週間も我慢させられた瑞姫の性欲を鎮める為、凱は更に挑んでいくしかない。だから――
凱は瑞姫を四つん這いにさせ、置いてあったアルラウネの蜜を取り出して肛門にそれを塗りたくる。
「ひっ!? きゃぁぁ! お、お兄さん、何するの!? そこ、お尻だよぉ!」
「そうだけど?」
とぼけたかのように、アルラウネの蜜を瑞姫の菊孔に塗り込んでいく。
「あ、あ、あぁん! だめ……だめぇ……、やぁっ?! お…お尻でされたら! わたしっ…わらひぃぃぃぃ!!」
琥珀色をしたハチミツをたっぷりと塗りたくられた少女の肛門は、妖艶さを増してひくついていた。
時折身体をビクビク揺らしながら、瑞姫は何度も首をイヤイヤと振る。
拒否の姿勢に見えもするが、彼女の内心では凱との深い繋がりを求めている。
でも、いきなり異物を挿し込んでしまうと例え魔物娘と言えど肛門を使い物にならなくなる恐れが高い。
凱は誰に教えて貰った訳でも無く、瑞姫の菊孔に顔を近づける。
「あ! いやぁ、恥ずかしいよぉ……」
凱の顔が少女のヒップから離れた瞬間、勢いをつけて蜂蜜塗れの肛門に、凱の唇が吸いついた。
「はうぅーッ!」
瑞姫のアナルが甘やかなのは、塗りたくられた蜜のせいばかりではなかった。
切ない期待にヒクヒクと蠢いている肛門は、それ自体が甘くて官能的なパーツだ。
唾液に濡れた舌を挿入するならば、蜂蜜の助けは不要だった。
肛門の周囲にまぶされた甘い液体を綺麗に舐め取ってしまうと、改めて尻のすぼまりを舌先でくすぐり立てていく。
「ぅうぅぅッ、くすぐったい……♥」
全ての神経を尻穴の一点に集めた瑞姫は、過敏な肛門を這い回る異物の感触に戸惑うばかりの悦びを感じていた。生あたたかく湿ったベロがすぼまりを擦り立てていくだけで子宮が熱く疼き、我慢出来ずに身を捩りながら悶える。確かにくすぐったいのだが、それだけではない何かが舌先との接触面で次々に発生してきていた。
「あふうぅッ!」
それまでの表面を撫で回すような感覚が、明らかにに異なっていた。
極めて小さな渦を巻いている舌先は錐のように尖り、恥ずかしいすぼまりの中芯を狙って肛門に突き込まれようとしていた。
「ああーッ、きてきてーッ! わたしのお尻に、入ってきてーッ♥」
その言葉を合図に、肉の楔と化したベロが瑞姫の直腸に押し込まれてきた。
物理的な制約から、わずかに先端部分しか埋もれていない舌先ではあったが、少女は体を半分に割られてしまうような挿入感を覚えていた。それは指を突き入れたときとは比べものにならないまでに、悩ましくて気持ちのよい感じだった。
「ぅぁうぅ、いいッ、おしりのなか……いっぱいに、なってる……きゃぅん!」
ほんの先端しか埋まっていなかったベロが、更に深くまで体内に押し込まれると瑞姫の嬌声が響く。
柔らかな楔となった凱の舌が丸く尖って伸び出てくると、瑞姫の肛門が割り広げられていった。
生理的な限界いっぱいまで異物を押し込まれた瑞姫は、むず痒いようでくすぐったい――そんな不思議な快美感に突き上げられていた。
そうして思わず彼女は言ってしまう。
「もっと、もっと奥まで入れてぇッ」
最初の嬉しいショックをやり過ごした瑞姫はなおも激しい刺激を求めたが、それ以上ベロを突き込むのは物理的に無理だった。そこで凱は、深くまで舌を押し込みつつ、それをリズミカルに前後させ始める。
肛門粘膜を擦り立てるようにして、圧迫していたベロが出ていったかと思うとすぐに戻ってきていた。入口部分の狭い場所を無理やりに押し開き、深々とバックを抉った異物は、再びスポッと引き抜かれる――それが何度も何度も繰り返されていった。
丸くすぼめられたベロをしつこく肛門に出し入れされると、瑞姫は更に体を震わせて乱れていく。
「ああ、こんなの、初めてッ」
いきなりの事だったのに、彼女自身も分からないくらい、めくるめく快感に襲われていた。
張り裂けそうに押し広げられた肛門がきつく擦り立てられていたが、唾液と蜜をたっぷりと塗られたお陰で痛みは全く感じなかった。しかも挿入されている舌はかなり自在に変形するので、アスホールがいっぱいになっているかわりには動きがスムーズだった。
「わたしのお尻に、お兄さんのを……欲しいの」
瑞姫はそう言いながら凱に懇願する。
だがその期待は裏切られ、凱の指が慎重に瑞姫の肛門の周囲を徘徊する。
「そ……そんなぁ!」
「いきなりじゃダメだろ。それはいくら俺でも分かる。だから……大きく息を吐いて、それからゆっくり吸って。その呼吸に合わせて、ゆっくり、指を前後させるから」
凱の指の挿入がスタートした。
菊門の襞をめくり上げるようにして、指でソロリソロリと回し入れる。
「アウッ……痛い……っ、けど……」
人差し指を這わせて突っ込んでみると、蜜が潤滑油になったのか、菊孔は凱の指をぬるりと飲み込んでしまう。僅かな色素沈着を見せている肛門に指が押し込まれているのは、思いがけない程にショッキングなシーンだった。愛する少女のアナルに突き込んでいるだけなのに、凱は自分の肛門が責め立てられているような気分にさせられていた。
「え……!? あ、あーっ、何これぇー! 気持ちいいー、きもちいいよぉーッ♥」
指による肛門責めが瑞姫を突然よがらせる。
放射状の細皺を刻んだ菊穴が指の挿入と一緒に陥没していったかと思うと、ピンク色の肛門粘膜まで裏返しにするような勢いで指が引き出され、アスホールが裂けてしまいそうに広がっていた。
「はぁっ、んんっ」
後ろを侵す動きに、瑞姫はすすり泣きを洩らすのみ。
やがてとうとう耐えられなくなったのか、「くうぅっ!」とひとつ声を上げると、ぎゅうっと身体を強張らせて絶頂を迎えてしまう。
「お兄さんの、たくましいオチンチン、わたしの……いやらしい、お尻の、穴に……入れ、て。もうひとつの……初めてを、受け取って」
涙を浮かべる瑞姫の身を起こしながら、凱はそっと微笑む。
片手で位置を確かめると、少女の後ろの狭い口にいきり立った亀頭の先端を定めた。
「んっ、お兄さん……っ」
無意識かつ本能的な行動だろう。
背後からの脅威に這って前へと逃れようとする瑞姫だったが、凱が彼女の腰をがっしりと掴んで阻む。
「瑞姫。もう一度力を抜いて、ゆっくり息を吐くんだ」
「はっ、はい。ふうっ、……ふぁ、あああっっ?!」
次の瞬間、凱が押し込む動作と瑞姫の括約筋が弛まるタイミングが合致し、凱の起立した先端が瑞姫の排出器官に潜り込む。それを足掛かりに、ずりずりと侵入していく。
「くふっ、あ、ああ……」
瑞姫の呼吸に合わせ、締め付けが緩くなる瞬間を捕らえながら、蜂蜜と唾液の滑りを利用して腰を進めた。
きつい入り口付近を亀頭が通り抜けると、後は多少余裕が生まれ、そのまま根元まで挿入を果たす。
何度も身体を重ね合った二人が、初めての形で再び繋がった。
「ふあぁ、ああ、あ、あぁ」
瑞姫の身体がブルブルと揺れ動く。
まるで呼吸困難になったように口をぱくぱくと開けながら、短く息を荒げている。
「分かるよね。瑞姫のお尻に入ったよ」
「うあ、あ……ハァっ、はぁっ」
彼女の内部で、何かが壊れてしまったというような言葉になってさえいない音が、口から吐き出される。
瑞姫の全身には脂汗が浮かんでいた。
「あぅ、あ、ああっ……、お兄さんっ」
何度も息をついて、呼吸を落ち着かせようともがきながら、瑞姫はうわ言を洩らすように言った。
「おにいさん、のが、わたしの、なか、に……はいって、きて、る」
「そうだよ、瑞姫」
やはり息を荒くしながら、彼は告げる。
「これでやっと、完全に繋がったな」
辛そうに、それでも何とか視線を背後にいる愛おしい男性に向ける瑞姫に凱は宣言した。
「瑞姫の、恥ずかしい初めても、俺が貰った。だから瑞姫はもう、完全に、俺のモノだ」
「あ、あ……あっ」
彼の言葉に、瑞姫は目を見開く。
そしてその内容が徐々に心に染み込むと、瑞姫の顔は悦びと官能に満ちた笑顔で塗り潰された。
「は、はいっ。わらひは、ほんろうに、おにいひゃんのモノっ。わらしは……、わたひは、おにいさんの、ためだけの、オンナ……、いやらひい、婚約者らのぉっ♥」
感極まったように、もつれた舌で瑞姫が懸命に自分の心を伝える。
禁忌の部位に肉棒を受け入れた事から来る下半身から全身を襲う圧迫感すら、今の彼女にとっては歓びの証明でしかない。
「このまま動かしても平気か? あんまりつらいなら、今日はこれでやめるけど」
「ぁ、いやぁ、お願い……、やめないでっ、はあぁっ」
凱の言葉に、瑞姫はむせびながら懇願する。
その言葉を受けた凱は、肉槍で瑞姫の尻をゆっくりと抉り始めた。
「くはっ、はあぁ」
快感か苦悶か、どちらともつかない声を上げながら瑞姫は悶える。
幼さを残す美しい顔を歪め、口元から唾液をだらしなく垂らす。
全く意味を成さない音を肺から押し出しながら、必死に肉棒を受け止めていた。
〈これが、アナルセックスなのか……。すごい、キツイっ〉
膣とは全く種類が違う締めつけが荒々しい刺激となって下半身を痺れさせ、歯を食いしばりながら、込み上げる快楽を抑え付け、腰を振るう。
「はぁっ♥ うゥ……ぐすっ、ああ、あっ♥」
息遣いの中に混在する官能の艶が、凱の耳を捕らえて離さない。
彼は更に快感を生み出せるよう、肉棒で瑞姫の直腸内を擦りまくる。
女陰のものとは全く違う、めくるめく快感がお互いの身体の奥底を縦横無尽に駆け回る。
「ぁあ、わたし、イク、後ろでイッちゃうのっ。ひっ……ひあぁ、あひっ……やああっ、こんな、こんなぁ……イク……イッ、ク……おひり、で、イッ……んぁううううぅッ……!!」
快感の喘ぎ声というよりは呻き声を洩らしながら、竜の少女は絶頂へと至った。
「んぐぅ、ぁああ、んうぅっ!」
凱もそれに合わせて、腸内に欲望を迸らせた。愛する少女の身体で、まだ汚されていなかった場所に精液を撒き散らす。
倒錯の性交を終えた二人は絶頂の余韻のせいか、僅かに痙攣を続ける。
それでも二人に後悔などある筈が無い。
竜騎士としてだけでなく、将来結ばれるべき関係である事を深め、強めたのだから――
19/01/02 08:46更新 / rakshasa
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