メイドが求めていたもの
歓迎の食事会の翌日から、ロロティアは特別寮の専属メイドとして働いていた。
その技量は洗練されており、寮の清掃もそれほど時間を掛けずに終えている。
比較するなら、凱の技術は生きる為に本やネットを見て身に付けた我流の技術、対するロロティアは専門機関で身に付けるべくして身に付けた技術だ。
いずれにせよ、彼女のお陰で凱の負担が減ったのは事実。
二日後には午後の空き時間を利用し、風星支部の構成員達に料理や菓子作りの教室を開く余裕が出来ていた。
ロロティアは物陰から凱の背中を見つめていたのだが、当然ながら気配は凱に勘付かれてしまう。
「ロロティア……、さん?」
少し恥ずかしげに俯く彼女だったが、すぐに凱の前に姿を現す。
「私にも、その、教えて……欲しいんです」
「え、あ、うん。いいですよ?」
「それとお願いが――」
教えを乞うのと同時に願いがある、というロロティアの言葉を凱は待つ。
「私の事は、ロロティア……と呼び捨てにして下さい。私はご主人さまに仕える身ですから、丁寧な言葉も要りません」
「……それで、納得して貰えるなら…」
釈然としない気持ちを抱えつつ、凱はロロティアの願いを聞き入れた。
触れる物、作り上げていく物――
殆どを魔王城の中で過ごしたロロティアにとって、当たり前である筈の物全てが新鮮な物に映る。
魔王城には各地から取り寄せられる食材で溢れかえっており、それらは事務的に処理されていくと言っても良いだろう。
だからこそなのかもしれない。
自分達が触れる物に改めて触れる事で、どんな物かを自ら知る意欲が溢れて来るのだ。
メイドだけあって、ロロティアの習得速度は驚嘆に値するものだった。
出来上がったお菓子は持ち帰るかその場で食べるかを選ばせていたが、参加している支部構成員は皆、その場で食べる事を選択した。
お茶や紅茶、希望する者にはジュースも出し、賑やかな午後のひと時が過ぎて行く。
当然ながら瑞姫の愚痴はその度に増えるが……。
夕食後、凱はロロティアに頼まれ、レシピノートを貸した。
人間界で食べられる様々な料理の数々をロロティアは熱心に読み漁り、しかもノートの内容を自分流に書き写し始める。
だが、高校時代から換算して五年もの歳月をかけて書き上げたノートは10冊近くあり、これを一晩で書き上げるなどとても出来ない。
ロロティアは全ての仕事が終わった後、夜の時間帯を使い、それこそ寝る間も惜しんで書き写した。
時折休みを設けつつも睡眠不足に悩まされ、完全に写し終えるのに四日をかけてしまう事になったのだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ノートを写し終えた日の、更に翌日の朝――
ロロティアは欠伸を噛み殺しながら、寮内の掃除を終える。
昨夜は何故か眠りが浅かった。
三度、いや、四度も目を覚ました。
普段着同然に着こなす和服とメイドエプロンを組み合わせた姿は特別寮に住む者達にとって、最早お馴染となっている。
ロロティア本人が選んだ以上、皆それに口を挟む事はしない。
彼女は溜息をつきつつ自室を出た所で瑞姫と鉢合わせになった。
瑞姫は少し驚くも、ロロティアが切り出す言葉を受け止める。
「瑞姫さま、ご主人さまはどちらに?」
「お兄さんは今日仕事が休みだから、寮の前の庭にいるかもしれないですよ?」
瑞姫は自分の口臭を気にしているかのように口を押さえながら言った。
胃の腑に流し込んだ精液の臭いが込み上げてきているのではないか、と思って取った咄嗟の行動なのだが。
「では、そちらに行ってみますね」
言うと同時にロロティアは外に出て行く。
瑞姫がロロティアに、何の用事があるのかを聞こうとした矢先に、だ。
気付かないままに足早となっていたロロティアが出てみると、凱の姿がそこにあった。
彼は鍛錬を終えて、着替えの最中だった。
ご主人さまは……戦士なのですね、とロロティアはうっとりと凱を見つめた。
彼女にとって、凱は主であるマルガレーテの夫となる人間である以上に、自分の中で大きな存在となっていた。
真に仕える主とメイド、これが人間のルールに則れば完全に「禁断の関係」。
「メイドは家人(仕える家の人間)と恋愛をしてはならない」という暗黙のルールを敷いている家も多かった。
メイドを雇い入れる家の大半は高い地位、つまりは貴族位を持つ家だからだ。
だが、魔物娘にしてみれば主人とメイドという関係も愛し合う上でのフレーバーにしかならない。
だからこそ、ロロティアは凱に対する恋慕を早くも募らせている。
凱の体は引き締まっていた。
身長も平均の域を出ており、筋肉も相応に付いている。
だが、そこで止まる身体では無いだろう事を、彼から流れる気が物語っていた。
「――ん?」
凱は上着を着終えると、気配に気付いたのかロロティアに向き直る。
彼女の目を少し見た後、凱はロロティアを促しながら一緒にベンチに座った。
「ロロティア、今日はどうしたの?」
「……ご主人さまにお願いがあって参りました」
「お願い、って?」
ロロティアは熱に浮かされたように言葉に詰まっていた。
余程恥ずかしいのか、それとも何か別の感情が彼女の心を締め付けるのか…。
「ご主人さまにお願いがございます!」
ロロティアは立ち上がって凱に歩み寄り、同じ言葉を紡ぎながら彼の手に触れる。
その時、彼女の心が凱に宿る恐ろしいものを捉える。
怨みの血と無念の涙でその身を穢した凱の姿が、ロロティアの脳裏を掠めていた。
けれど、そんな恐怖以上のものが彼女の心を支配していく。
「私も、ご主人さまのご寵愛を頂きたく存じます」
「それは、どうして?」
ロロティアは息を呑んだ。
凱は彼女の目をしっかりと見据え、問い質す。
「分かりません。でも……、でも私は……、ご主人さまがいないと……辛いんです」
「どう辛いのか、聞かせてくれないかな?」
ロロティアは思わず目を逸らしてしまう。
「わ、分かりません、と申しました……」
「あ……。済まない。俺も無理に訊いちゃったな」
「そ、そんな……」
戸惑っていた。
ロロティアは自分自身がどうしてこんなにも辛くなるのか、何となく悟ってはいた。
けれどもそれが確証となるかは、彼女自身、疑わしく思っていたのも事実。
彼女は凱の手を思わず握り締める。
「ロロティア。君は理由を探してるのかい?」
「仮に理由を探していたとして、それはいけない事ですか?」
凱はその言葉に俯きながら考えると、意を決したように告げる。
「それとも……、抱かれる理由を探してるの?」
「そ……、それは……」
ロロティアは凱の視線から、今度は顔を逸らした。
その頬は上気立って赤く染まり、目にはうっすらと涙が浮かぶ。
凱の言葉に背筋からやがて身体全体がぞくぞくとしてくる。
抱かれる理由―――
本当はこの言葉を待っていたのだろうか。
心が激しく揺さぶられる。
「そうかも……知れません」
「そうか……」
凱はロロティアの手を逆に握り返す。
「今夜はロロティアの為に時間を作るよ」
「……」
「キキーモラの性質はそれなりに知ってる。もしダメなら無理する必要はないさ」
いいえ、とロロティアが口に出そうとした時――
「今日は何もしなくていい。ゆっくり、馴染んでいけばいいんだから」
凱はゆっくりと立ち上がって告げる。
「……今夜、部屋で待ってる。気持ちが落ち着いて、決心がついたなら来るといい」
ロロティアの肩に優しく手を置いた後、凱は特別寮に入っていく。
彼女もまた、凱に対する想いが膨れ上がり、激しく燃え上がろうとしていた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
その夜――
ロロティアは宛がわれた部屋を出て、歩いていた。
目指すは彼女自らが主と定めた、凱の部屋だ。
瑞姫とエルノールの言に従い、ベビードールと見紛うかのようなスケスケのスリップ一枚のみを纏った姿になって、足は確実に距離を縮める。
その胸は瑞姫と張り合える程の慎ましさがあった。
凱の面影が、会って数日しか経っていないロロティアの脳裏に浮かんでは消える。
その度に胸が疼痛を覚える。
同居している他の魔物娘と親しげに話している姿が浮かぶと特に…。
思考も熱に浮かされたように胡乱だ。
気が付くと彼女は凱の部屋の扉の前に到着していた。
胸が疼痛を伴いながら鼓動を速める。
〈これは私にとって正しい選択。きっと、そう……〉
ロロティアはそう心で呟くと、深呼吸をしながら気を鎮める。そしてノック。
どうぞ、との凱の声を聞き届けると、ロロティアは居ても立っても居られない思いで部屋に飛び込み、素早く扉を閉めた。
「……来たん、だね」
凱は椅子に座りながら出迎える。
考え事を振り払うかのように。
「来るように仰ったのは……、ご主人さまです」
「そうだったな……」
ふと憂いを浮かべながら、凱はロロティアに向かいの椅子に座るよう促す。
ロロティアもそれに従い、椅子に腰かける。
「ロロティア。君の本当の望みは何?」
「ご主人さまの傍でお仕えし……、ご主人さまの子を産み……、育てる事です」
「本当に、それを望むのかい?」
魔物娘の生き方を左右させる問いである以上、凱の顔もまた真剣だ。
ふざけようものなら痛い目を見るのだから。
最後とも言える念押しの問いにロロティアは黙って、されど確実に、ゆっくり頷く。
それはロロティアが、凱の妻になると決心した確かな証。
席を立ち、スリップ姿のまま抱きついてくるロロティアを、凱はしっかりと抱き寄せた。
魔物娘の体温は基本的に高めなのだが、薄い下着から直に触れる彼女の体温は更に高く、服の上からでも否応無く伝わってくる。
上気立つ身体の火照りを示すかのように、ロロティアの吐息は甘く激しい。
凱はロロティアの顔を自分と同じ目線に引き寄せ、そっと唇を重ね合わせる。
「ふ…ぅん…」
初めてのキスを承諾も無しに奪われていると言うのに、ロロティアの身体が熱く、淫らに興奮し始める。
「はぁん…ぅう、ご主人さまの身体がこんなにも…。私の肌に触れて欲しいから…、お召し物をお取りしましょう」
その手つきは無意識に淫靡で、さりとて健気であり鮮やか。
愛する男の全ての布を取り払って現われるのは、隆々とそそり立つ男根。
「まぁ……。こんなにもご立派なモノをお持ちになって♪ マルガレーテさまがご主人さまの妻となるのをお決めになった理由の一つがこれで分かりました。くすっ♪」
白く細い指がそっと男根に絡み、優しく撫で回す。
凱の身体の奥底で性的な興奮がじわりと湧き上がる。
それは例えるなら水からお湯になる際に、ゆっくりと火をかけて温めていく工程のように…。
「お立ちになって下さい、ご主人さま。ロロティアが、貴方さまの……熱い滾りを、鎮め……ます」
崩れるように膝立ちになり、猛る狂う肉棒に手を伸ばす。
「失礼致します………ンゥ……ッ」
言い終えるや否や、凱の股間すっぽりと顔を埋めるロロティア。
同時に熱い肉棒をいとも容易く口中に収めていた。
「んんぅ…っ! ロロ、ティ、ア……!」
あっという間に根元近くまで肉棒が呑みこまれている。
しかもロロティアはたっぷりと舌を使って、愛おしい男のイチモツを口中で満遍なく舐め回し、唇をすぼめてゆっくりと吐き出していく。
勿論、彼女の奉仕がこれで終わる訳は無い。
最後まで出さず、亀頭に差し掛かったとろで一旦止め、亀頭を唇を密着させ、そのくびれの部分までトレースするかのようにしつつ、舌で亀頭をねっとりと舐め回し、尿道口にキスする所まで吐き出していくと、吸い上げるように尿道口に熱い口づけをする。
「ちゅぅ……んっ、ぅ♪」
すると先程と同じ動作に戻る。
ごくゆっくりでいて、ねっとりと責め立てるディープスロート。
それを何度も何度も繰り返していく。
初めてとは思えない巧みさに翻弄される凱は思わず訊いてしまう。
「どこ……で、そん……な、の、を……?」
「ちゅぷぅ……っ。え……艶本(えんぽん:男女の性交渉を絵や文章で表現した本。要するにエロ本)……で、覚え、ました」
「くぅ……、凄く……上手……」
「あぁん、そんなぁ……、いつか私の夫となる方の為に、と思って……、その……、ね、ねぶりの、果実で…れ…、練習……してたんです……、あぁ……」
ロロティアの頬がたちまち紅潮するが、それもつかの間。
すぐさま凱の股間に顔を埋め、ディープスロートを再開したのだ。
それも今度は少し速度を上げつつ、口中では舌と唾液を丁寧に使い、愛情を込めて肉棒をねぶり上げる。
「ぐ……あぁ! もう……ダメ、だ……!」
凱の方も愛情を直接感じた事で一気に絶頂へと突きあげられていた。
刹那に解き放たれた熱い白濁がロロティアの口中を汚す。
「んっ! んぅっ! んんんんんっ!」
インキュバスとなった彼の鈴口から大量に噴出する白濁を苦も無く受け止め、しかも軽々と飲み込んでいく。
「ん……、ぷはぁ……。凄いですわ、ご主人さま。私が練習してた時よりも多くて、濃くて……。密かに、練習を重ねた甲斐が……ありました♪」
淫靡でありながら健気に尽くそうとするロロティアの笑顔に、凱はほだされつつあった。
だからこそ凱はロロティアの視線に合わせるようにしゃがみ込み、抱き寄せたのだ。
「きゃぁんっ! ご、ご主人さま……ぁ、な、何を……!」
「今度は俺が、するよ。君が欲しいんだ、ロロティア!」
自分の事が欲しい――
その口ではっきりと告げられ、一瞬戸惑うロロティアではあったが、それはすぐに彼女の身と心をときめかせ、甘く溶かしていく。
「あぁあ……、ご主人さま……、ぁぁ、ロロティアは……ロロティアはご主人さまを……お慕いしておりました」
首筋にキスをされ、全身が歓喜で震え上がる。
耳たぶを舐められ、甘噛みされると、熱い吐息が耳元を撫でつけ、体温が否応無く高まった。
無論それで終わらない。
凱がロロティアの全身にキスをし始めたのだ。
スリップの下では二つの乳首が切ない疼きを伴ってキュンと尖っている。
慎ましく膨らんだ胸の先はスリップを突き破らんとするかのようで、それを凱に見つけられてしまう。
乳首をスリップごと口に含まれ、舐め転がされたり、甘噛みされたり、吸い上げられたりと丹念な愛撫がロロティアの感度を一気に突き上げる。
「あっ! そんなっ! はぁっ、んぐ、ふ、は、はあぁぁぁぁん♪」
瑞姫の時よりもねっとりとした愛憮に、ロロティアは凱の頭を抱き、離さないようにしたがすぐさま限界に来た。
「んぅっ! あはぁあぁぁぁぁ! だ、だめえぇー! わた、しっ! ……イ、ク……アアァッ!!!!」
凱の顔面を自分の胸に押し付けるように抱き締め、下半身だけブリッジするような卑猥な格好で絶頂を迎える。
アクメの余韻でぐったりしたロロティアの秘所がはしたなく濡れそぼり、二枚の《肉羽(ラビア)》が蠢く。
その秘所に凱の指が攻め寄せて来た。
「んあぁっ! ご主人、さま……! そこはダメ……ダメぇ……あぁーん♪」
女陰を緩急つけながら弄られ、淫らな刺激が再び身体を襲う。
そうして男を迎え入れた事の無い膣口からは、淫蜜がこれでもかと溢れ出ている。
「うぅっ、うっ、ううぅぅん」
はしたない声を出してはいけないと思いつつも、僅か数日で恋した男の愛憮によって身体は切なげに震え、赤みを帯びた肌は浮き出た汗で艶めかしく輝く。
理性などたちまちの内に剥がれ落ち、ロロティアはより強く凱にしがみつきながら、喘ぎ声を響かせる。
指の動きに合わせて腰が淫らに浮き、漏れ出る吐息は更に甘みを増していく。
「ごひゅじんひゃまぁ……、や、やあぁん、私、こんにゃの……ひりゃ、にゃぁいぃ、あはぁぁ……♪」
メイドとして決して出してはいけないと思っていた媚びた声を無意識に漏らし、発情しっぱなしのメスと化していた。
これに応えるかのように、凱もロロティアの全身を淫らにまさぐり始める。
首筋、鎖骨、肩、更には微乳の裾と固く勃起した頂点を唇と舌でついばみ、舐め回していく。
同時に指は執拗に肉襞を弄り回し、陰核を捏ね回す。
蜜壺から出続ける淫汁は徐々にその色を白濁させ、卑猥な反応を見せる。
「もう…もうりゃめぇえぇぇ♪ ほひぃれひゅ……! ごひゅじんひゃまのをぉ、くりゃひゃいいぃ♪」
自らの手で両脚を更に開き、凱のそそり立つイチモツを待ち望む。
凱もまた、ロロティアの上にそっと覆い被さり、鈴口を陰唇にピタリと当てがい、ゆっくりと腰を押し込んでいく。
「っっ! ……んぐぅ!」
初めて故の苦痛にロロティアは表情を歪ませるも、すぐに笑顔に戻り、早く欲しいと目で懇願する。
凱はこれに応えるべく、更に腰を押し込んで一気に貫いた。
「ひっ……ぎぃっ! ……んぐ、ふぅぅ……」
スリップに包まれたままのロロティアの身体が身体がビクンッと浮き上がり、苦悶の呻きを上げる。
両手は痛みに耐えようとシーツを固く握りしめていた。
「こ……、これが…初めての……痛み……。私、は、ご主人さまの……ものに、なった、ん……ですね……」
彼女の目からは歓喜の涙が零れ落ち、凱の身体に両腕を回して強く抱きしめていた。
彼もそれに応えて、本格的に抽迭を開始すると、太い肉棒がロロティアの膣壁と媚粘膜を容赦無く抉る。
「ひっ、ひぃいいん! アアッ、くうッ! あっ、あはあぁッ!」
突如襲い来る衝撃と快感に、ロロティアは思わず甲高い声を上げてしまう。
予行演習をしていたとはいえ少し前まで男性経験の無かった彼女自身、これほどのものとは思ってもみなかったのだ。
一度感じた快楽を拒む理由は無いし、何よりも夫となる人に己の純潔を捧げる事が出来たのだ。
魔物娘にとってこれほど喜ばしく、幸せな事は無い。
「うふううぅッ、太い、太いのおぉ……あぁんっ! 当たってますぅ! ごひゅじんさまのが、奥にぃ! あはあぁっ!」
ロロティアの痴態に引きずられるように、凱の動きが更に激しさを増す。
太い腕でロロティアを抱き寄せ、亀頭で子宮口を小突くようにしてロロティアの最深部をノックする。
「おほおぅッ! うッ、ふうッ、んふううゥンンン!」
愛しの主に子宮を責められ、メイドはケダモノの様に喘ぐ。
言葉にならない嗚咽と共にだらだらと涎が口から零れるが、ロロティアにはそれを啜る余裕すらない。
凱も凱であまり余裕が無くなって来ていた。
肉槍にしっかりと貼り付き、かつ締め上げくるロロティアの蜜壺の快楽に負けつつあったのだから。
それでも彼は下腹部を引き絞って射精を僅かながら抑え、腰の動きを速めて膣道を掻き混ぜる。
互いの快楽が更に加速するが、先に達したのはロロティアだった。
「あっ、ダメ、来りゅっ……イヤぁ、許して……ゆるひて、ごめんにゃさい……ああっ、イク、イクぅううううう! ご主人さまぁ……あぁ……ァ!!」
凄まじい絶頂だった証とばかりにロロティアの膣から大量の潮が噴き出し、身体を震わせながら大量の飛沫を漏らしまくる。
その絶頂の様は淫らであり、まさしく魔物娘と言えた。
・・・
・・
・
「……ご主人さま、ロロティアは……やはり……淫らな、メイドでした……あぁ……んぅっ」
「……そうは思わない」
汗と唾液と愛液で汚れたスリップを纏ったままのロロティアは凱の上でそう言いながら悶える。
けれど凱は肯定とも否定とも取れる言葉を口にし、その言葉の意味を彼女は理解出来ないでいた。
初めての体験とは言え、もう一つの自分を知ってしまった以上、元に戻るなど出来はしない。
だが、彼女は一度目に奉仕を、二度目は身体そのもの求められ、己の純潔を捧げた。
彼女はメイドではなく、魔物娘でもなく、一匹の雌だった。
〈自分は本当に夫にすべき人に出会えた。マルガレーテさまが引き合わせて下さったこの方を、生涯の主として愛します〉
ロロティアが心の中で発した呟きは理性よりも快楽を求めさせた。
いや、心の底ではきっと、それを望んでいたのだろう。
淫らなメイド、と口にした時、彼女の身体の奥底から性的快感が湧き上がっていたのだから。
ロロティアは凱を見つめ、囁いた。
「私を……メイドとしてでなく、妻として……傍に置いて下さい……。愛してます、旦那さま――」
こうして、ロロティアは凱の六人目の婚約者となった――
その技量は洗練されており、寮の清掃もそれほど時間を掛けずに終えている。
比較するなら、凱の技術は生きる為に本やネットを見て身に付けた我流の技術、対するロロティアは専門機関で身に付けるべくして身に付けた技術だ。
いずれにせよ、彼女のお陰で凱の負担が減ったのは事実。
二日後には午後の空き時間を利用し、風星支部の構成員達に料理や菓子作りの教室を開く余裕が出来ていた。
ロロティアは物陰から凱の背中を見つめていたのだが、当然ながら気配は凱に勘付かれてしまう。
「ロロティア……、さん?」
少し恥ずかしげに俯く彼女だったが、すぐに凱の前に姿を現す。
「私にも、その、教えて……欲しいんです」
「え、あ、うん。いいですよ?」
「それとお願いが――」
教えを乞うのと同時に願いがある、というロロティアの言葉を凱は待つ。
「私の事は、ロロティア……と呼び捨てにして下さい。私はご主人さまに仕える身ですから、丁寧な言葉も要りません」
「……それで、納得して貰えるなら…」
釈然としない気持ちを抱えつつ、凱はロロティアの願いを聞き入れた。
触れる物、作り上げていく物――
殆どを魔王城の中で過ごしたロロティアにとって、当たり前である筈の物全てが新鮮な物に映る。
魔王城には各地から取り寄せられる食材で溢れかえっており、それらは事務的に処理されていくと言っても良いだろう。
だからこそなのかもしれない。
自分達が触れる物に改めて触れる事で、どんな物かを自ら知る意欲が溢れて来るのだ。
メイドだけあって、ロロティアの習得速度は驚嘆に値するものだった。
出来上がったお菓子は持ち帰るかその場で食べるかを選ばせていたが、参加している支部構成員は皆、その場で食べる事を選択した。
お茶や紅茶、希望する者にはジュースも出し、賑やかな午後のひと時が過ぎて行く。
当然ながら瑞姫の愚痴はその度に増えるが……。
夕食後、凱はロロティアに頼まれ、レシピノートを貸した。
人間界で食べられる様々な料理の数々をロロティアは熱心に読み漁り、しかもノートの内容を自分流に書き写し始める。
だが、高校時代から換算して五年もの歳月をかけて書き上げたノートは10冊近くあり、これを一晩で書き上げるなどとても出来ない。
ロロティアは全ての仕事が終わった後、夜の時間帯を使い、それこそ寝る間も惜しんで書き写した。
時折休みを設けつつも睡眠不足に悩まされ、完全に写し終えるのに四日をかけてしまう事になったのだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ノートを写し終えた日の、更に翌日の朝――
ロロティアは欠伸を噛み殺しながら、寮内の掃除を終える。
昨夜は何故か眠りが浅かった。
三度、いや、四度も目を覚ました。
普段着同然に着こなす和服とメイドエプロンを組み合わせた姿は特別寮に住む者達にとって、最早お馴染となっている。
ロロティア本人が選んだ以上、皆それに口を挟む事はしない。
彼女は溜息をつきつつ自室を出た所で瑞姫と鉢合わせになった。
瑞姫は少し驚くも、ロロティアが切り出す言葉を受け止める。
「瑞姫さま、ご主人さまはどちらに?」
「お兄さんは今日仕事が休みだから、寮の前の庭にいるかもしれないですよ?」
瑞姫は自分の口臭を気にしているかのように口を押さえながら言った。
胃の腑に流し込んだ精液の臭いが込み上げてきているのではないか、と思って取った咄嗟の行動なのだが。
「では、そちらに行ってみますね」
言うと同時にロロティアは外に出て行く。
瑞姫がロロティアに、何の用事があるのかを聞こうとした矢先に、だ。
気付かないままに足早となっていたロロティアが出てみると、凱の姿がそこにあった。
彼は鍛錬を終えて、着替えの最中だった。
ご主人さまは……戦士なのですね、とロロティアはうっとりと凱を見つめた。
彼女にとって、凱は主であるマルガレーテの夫となる人間である以上に、自分の中で大きな存在となっていた。
真に仕える主とメイド、これが人間のルールに則れば完全に「禁断の関係」。
「メイドは家人(仕える家の人間)と恋愛をしてはならない」という暗黙のルールを敷いている家も多かった。
メイドを雇い入れる家の大半は高い地位、つまりは貴族位を持つ家だからだ。
だが、魔物娘にしてみれば主人とメイドという関係も愛し合う上でのフレーバーにしかならない。
だからこそ、ロロティアは凱に対する恋慕を早くも募らせている。
凱の体は引き締まっていた。
身長も平均の域を出ており、筋肉も相応に付いている。
だが、そこで止まる身体では無いだろう事を、彼から流れる気が物語っていた。
「――ん?」
凱は上着を着終えると、気配に気付いたのかロロティアに向き直る。
彼女の目を少し見た後、凱はロロティアを促しながら一緒にベンチに座った。
「ロロティア、今日はどうしたの?」
「……ご主人さまにお願いがあって参りました」
「お願い、って?」
ロロティアは熱に浮かされたように言葉に詰まっていた。
余程恥ずかしいのか、それとも何か別の感情が彼女の心を締め付けるのか…。
「ご主人さまにお願いがございます!」
ロロティアは立ち上がって凱に歩み寄り、同じ言葉を紡ぎながら彼の手に触れる。
その時、彼女の心が凱に宿る恐ろしいものを捉える。
怨みの血と無念の涙でその身を穢した凱の姿が、ロロティアの脳裏を掠めていた。
けれど、そんな恐怖以上のものが彼女の心を支配していく。
「私も、ご主人さまのご寵愛を頂きたく存じます」
「それは、どうして?」
ロロティアは息を呑んだ。
凱は彼女の目をしっかりと見据え、問い質す。
「分かりません。でも……、でも私は……、ご主人さまがいないと……辛いんです」
「どう辛いのか、聞かせてくれないかな?」
ロロティアは思わず目を逸らしてしまう。
「わ、分かりません、と申しました……」
「あ……。済まない。俺も無理に訊いちゃったな」
「そ、そんな……」
戸惑っていた。
ロロティアは自分自身がどうしてこんなにも辛くなるのか、何となく悟ってはいた。
けれどもそれが確証となるかは、彼女自身、疑わしく思っていたのも事実。
彼女は凱の手を思わず握り締める。
「ロロティア。君は理由を探してるのかい?」
「仮に理由を探していたとして、それはいけない事ですか?」
凱はその言葉に俯きながら考えると、意を決したように告げる。
「それとも……、抱かれる理由を探してるの?」
「そ……、それは……」
ロロティアは凱の視線から、今度は顔を逸らした。
その頬は上気立って赤く染まり、目にはうっすらと涙が浮かぶ。
凱の言葉に背筋からやがて身体全体がぞくぞくとしてくる。
抱かれる理由―――
本当はこの言葉を待っていたのだろうか。
心が激しく揺さぶられる。
「そうかも……知れません」
「そうか……」
凱はロロティアの手を逆に握り返す。
「今夜はロロティアの為に時間を作るよ」
「……」
「キキーモラの性質はそれなりに知ってる。もしダメなら無理する必要はないさ」
いいえ、とロロティアが口に出そうとした時――
「今日は何もしなくていい。ゆっくり、馴染んでいけばいいんだから」
凱はゆっくりと立ち上がって告げる。
「……今夜、部屋で待ってる。気持ちが落ち着いて、決心がついたなら来るといい」
ロロティアの肩に優しく手を置いた後、凱は特別寮に入っていく。
彼女もまた、凱に対する想いが膨れ上がり、激しく燃え上がろうとしていた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
その夜――
ロロティアは宛がわれた部屋を出て、歩いていた。
目指すは彼女自らが主と定めた、凱の部屋だ。
瑞姫とエルノールの言に従い、ベビードールと見紛うかのようなスケスケのスリップ一枚のみを纏った姿になって、足は確実に距離を縮める。
その胸は瑞姫と張り合える程の慎ましさがあった。
凱の面影が、会って数日しか経っていないロロティアの脳裏に浮かんでは消える。
その度に胸が疼痛を覚える。
同居している他の魔物娘と親しげに話している姿が浮かぶと特に…。
思考も熱に浮かされたように胡乱だ。
気が付くと彼女は凱の部屋の扉の前に到着していた。
胸が疼痛を伴いながら鼓動を速める。
〈これは私にとって正しい選択。きっと、そう……〉
ロロティアはそう心で呟くと、深呼吸をしながら気を鎮める。そしてノック。
どうぞ、との凱の声を聞き届けると、ロロティアは居ても立っても居られない思いで部屋に飛び込み、素早く扉を閉めた。
「……来たん、だね」
凱は椅子に座りながら出迎える。
考え事を振り払うかのように。
「来るように仰ったのは……、ご主人さまです」
「そうだったな……」
ふと憂いを浮かべながら、凱はロロティアに向かいの椅子に座るよう促す。
ロロティアもそれに従い、椅子に腰かける。
「ロロティア。君の本当の望みは何?」
「ご主人さまの傍でお仕えし……、ご主人さまの子を産み……、育てる事です」
「本当に、それを望むのかい?」
魔物娘の生き方を左右させる問いである以上、凱の顔もまた真剣だ。
ふざけようものなら痛い目を見るのだから。
最後とも言える念押しの問いにロロティアは黙って、されど確実に、ゆっくり頷く。
それはロロティアが、凱の妻になると決心した確かな証。
席を立ち、スリップ姿のまま抱きついてくるロロティアを、凱はしっかりと抱き寄せた。
魔物娘の体温は基本的に高めなのだが、薄い下着から直に触れる彼女の体温は更に高く、服の上からでも否応無く伝わってくる。
上気立つ身体の火照りを示すかのように、ロロティアの吐息は甘く激しい。
凱はロロティアの顔を自分と同じ目線に引き寄せ、そっと唇を重ね合わせる。
「ふ…ぅん…」
初めてのキスを承諾も無しに奪われていると言うのに、ロロティアの身体が熱く、淫らに興奮し始める。
「はぁん…ぅう、ご主人さまの身体がこんなにも…。私の肌に触れて欲しいから…、お召し物をお取りしましょう」
その手つきは無意識に淫靡で、さりとて健気であり鮮やか。
愛する男の全ての布を取り払って現われるのは、隆々とそそり立つ男根。
「まぁ……。こんなにもご立派なモノをお持ちになって♪ マルガレーテさまがご主人さまの妻となるのをお決めになった理由の一つがこれで分かりました。くすっ♪」
白く細い指がそっと男根に絡み、優しく撫で回す。
凱の身体の奥底で性的な興奮がじわりと湧き上がる。
それは例えるなら水からお湯になる際に、ゆっくりと火をかけて温めていく工程のように…。
「お立ちになって下さい、ご主人さま。ロロティアが、貴方さまの……熱い滾りを、鎮め……ます」
崩れるように膝立ちになり、猛る狂う肉棒に手を伸ばす。
「失礼致します………ンゥ……ッ」
言い終えるや否や、凱の股間すっぽりと顔を埋めるロロティア。
同時に熱い肉棒をいとも容易く口中に収めていた。
「んんぅ…っ! ロロ、ティ、ア……!」
あっという間に根元近くまで肉棒が呑みこまれている。
しかもロロティアはたっぷりと舌を使って、愛おしい男のイチモツを口中で満遍なく舐め回し、唇をすぼめてゆっくりと吐き出していく。
勿論、彼女の奉仕がこれで終わる訳は無い。
最後まで出さず、亀頭に差し掛かったとろで一旦止め、亀頭を唇を密着させ、そのくびれの部分までトレースするかのようにしつつ、舌で亀頭をねっとりと舐め回し、尿道口にキスする所まで吐き出していくと、吸い上げるように尿道口に熱い口づけをする。
「ちゅぅ……んっ、ぅ♪」
すると先程と同じ動作に戻る。
ごくゆっくりでいて、ねっとりと責め立てるディープスロート。
それを何度も何度も繰り返していく。
初めてとは思えない巧みさに翻弄される凱は思わず訊いてしまう。
「どこ……で、そん……な、の、を……?」
「ちゅぷぅ……っ。え……艶本(えんぽん:男女の性交渉を絵や文章で表現した本。要するにエロ本)……で、覚え、ました」
「くぅ……、凄く……上手……」
「あぁん、そんなぁ……、いつか私の夫となる方の為に、と思って……、その……、ね、ねぶりの、果実で…れ…、練習……してたんです……、あぁ……」
ロロティアの頬がたちまち紅潮するが、それもつかの間。
すぐさま凱の股間に顔を埋め、ディープスロートを再開したのだ。
それも今度は少し速度を上げつつ、口中では舌と唾液を丁寧に使い、愛情を込めて肉棒をねぶり上げる。
「ぐ……あぁ! もう……ダメ、だ……!」
凱の方も愛情を直接感じた事で一気に絶頂へと突きあげられていた。
刹那に解き放たれた熱い白濁がロロティアの口中を汚す。
「んっ! んぅっ! んんんんんっ!」
インキュバスとなった彼の鈴口から大量に噴出する白濁を苦も無く受け止め、しかも軽々と飲み込んでいく。
「ん……、ぷはぁ……。凄いですわ、ご主人さま。私が練習してた時よりも多くて、濃くて……。密かに、練習を重ねた甲斐が……ありました♪」
淫靡でありながら健気に尽くそうとするロロティアの笑顔に、凱はほだされつつあった。
だからこそ凱はロロティアの視線に合わせるようにしゃがみ込み、抱き寄せたのだ。
「きゃぁんっ! ご、ご主人さま……ぁ、な、何を……!」
「今度は俺が、するよ。君が欲しいんだ、ロロティア!」
自分の事が欲しい――
その口ではっきりと告げられ、一瞬戸惑うロロティアではあったが、それはすぐに彼女の身と心をときめかせ、甘く溶かしていく。
「あぁあ……、ご主人さま……、ぁぁ、ロロティアは……ロロティアはご主人さまを……お慕いしておりました」
首筋にキスをされ、全身が歓喜で震え上がる。
耳たぶを舐められ、甘噛みされると、熱い吐息が耳元を撫でつけ、体温が否応無く高まった。
無論それで終わらない。
凱がロロティアの全身にキスをし始めたのだ。
スリップの下では二つの乳首が切ない疼きを伴ってキュンと尖っている。
慎ましく膨らんだ胸の先はスリップを突き破らんとするかのようで、それを凱に見つけられてしまう。
乳首をスリップごと口に含まれ、舐め転がされたり、甘噛みされたり、吸い上げられたりと丹念な愛撫がロロティアの感度を一気に突き上げる。
「あっ! そんなっ! はぁっ、んぐ、ふ、は、はあぁぁぁぁん♪」
瑞姫の時よりもねっとりとした愛憮に、ロロティアは凱の頭を抱き、離さないようにしたがすぐさま限界に来た。
「んぅっ! あはぁあぁぁぁぁ! だ、だめえぇー! わた、しっ! ……イ、ク……アアァッ!!!!」
凱の顔面を自分の胸に押し付けるように抱き締め、下半身だけブリッジするような卑猥な格好で絶頂を迎える。
アクメの余韻でぐったりしたロロティアの秘所がはしたなく濡れそぼり、二枚の《肉羽(ラビア)》が蠢く。
その秘所に凱の指が攻め寄せて来た。
「んあぁっ! ご主人、さま……! そこはダメ……ダメぇ……あぁーん♪」
女陰を緩急つけながら弄られ、淫らな刺激が再び身体を襲う。
そうして男を迎え入れた事の無い膣口からは、淫蜜がこれでもかと溢れ出ている。
「うぅっ、うっ、ううぅぅん」
はしたない声を出してはいけないと思いつつも、僅か数日で恋した男の愛憮によって身体は切なげに震え、赤みを帯びた肌は浮き出た汗で艶めかしく輝く。
理性などたちまちの内に剥がれ落ち、ロロティアはより強く凱にしがみつきながら、喘ぎ声を響かせる。
指の動きに合わせて腰が淫らに浮き、漏れ出る吐息は更に甘みを増していく。
「ごひゅじんひゃまぁ……、や、やあぁん、私、こんにゃの……ひりゃ、にゃぁいぃ、あはぁぁ……♪」
メイドとして決して出してはいけないと思っていた媚びた声を無意識に漏らし、発情しっぱなしのメスと化していた。
これに応えるかのように、凱もロロティアの全身を淫らにまさぐり始める。
首筋、鎖骨、肩、更には微乳の裾と固く勃起した頂点を唇と舌でついばみ、舐め回していく。
同時に指は執拗に肉襞を弄り回し、陰核を捏ね回す。
蜜壺から出続ける淫汁は徐々にその色を白濁させ、卑猥な反応を見せる。
「もう…もうりゃめぇえぇぇ♪ ほひぃれひゅ……! ごひゅじんひゃまのをぉ、くりゃひゃいいぃ♪」
自らの手で両脚を更に開き、凱のそそり立つイチモツを待ち望む。
凱もまた、ロロティアの上にそっと覆い被さり、鈴口を陰唇にピタリと当てがい、ゆっくりと腰を押し込んでいく。
「っっ! ……んぐぅ!」
初めて故の苦痛にロロティアは表情を歪ませるも、すぐに笑顔に戻り、早く欲しいと目で懇願する。
凱はこれに応えるべく、更に腰を押し込んで一気に貫いた。
「ひっ……ぎぃっ! ……んぐ、ふぅぅ……」
スリップに包まれたままのロロティアの身体が身体がビクンッと浮き上がり、苦悶の呻きを上げる。
両手は痛みに耐えようとシーツを固く握りしめていた。
「こ……、これが…初めての……痛み……。私、は、ご主人さまの……ものに、なった、ん……ですね……」
彼女の目からは歓喜の涙が零れ落ち、凱の身体に両腕を回して強く抱きしめていた。
彼もそれに応えて、本格的に抽迭を開始すると、太い肉棒がロロティアの膣壁と媚粘膜を容赦無く抉る。
「ひっ、ひぃいいん! アアッ、くうッ! あっ、あはあぁッ!」
突如襲い来る衝撃と快感に、ロロティアは思わず甲高い声を上げてしまう。
予行演習をしていたとはいえ少し前まで男性経験の無かった彼女自身、これほどのものとは思ってもみなかったのだ。
一度感じた快楽を拒む理由は無いし、何よりも夫となる人に己の純潔を捧げる事が出来たのだ。
魔物娘にとってこれほど喜ばしく、幸せな事は無い。
「うふううぅッ、太い、太いのおぉ……あぁんっ! 当たってますぅ! ごひゅじんさまのが、奥にぃ! あはあぁっ!」
ロロティアの痴態に引きずられるように、凱の動きが更に激しさを増す。
太い腕でロロティアを抱き寄せ、亀頭で子宮口を小突くようにしてロロティアの最深部をノックする。
「おほおぅッ! うッ、ふうッ、んふううゥンンン!」
愛しの主に子宮を責められ、メイドはケダモノの様に喘ぐ。
言葉にならない嗚咽と共にだらだらと涎が口から零れるが、ロロティアにはそれを啜る余裕すらない。
凱も凱であまり余裕が無くなって来ていた。
肉槍にしっかりと貼り付き、かつ締め上げくるロロティアの蜜壺の快楽に負けつつあったのだから。
それでも彼は下腹部を引き絞って射精を僅かながら抑え、腰の動きを速めて膣道を掻き混ぜる。
互いの快楽が更に加速するが、先に達したのはロロティアだった。
「あっ、ダメ、来りゅっ……イヤぁ、許して……ゆるひて、ごめんにゃさい……ああっ、イク、イクぅううううう! ご主人さまぁ……あぁ……ァ!!」
凄まじい絶頂だった証とばかりにロロティアの膣から大量の潮が噴き出し、身体を震わせながら大量の飛沫を漏らしまくる。
その絶頂の様は淫らであり、まさしく魔物娘と言えた。
・・・
・・
・
「……ご主人さま、ロロティアは……やはり……淫らな、メイドでした……あぁ……んぅっ」
「……そうは思わない」
汗と唾液と愛液で汚れたスリップを纏ったままのロロティアは凱の上でそう言いながら悶える。
けれど凱は肯定とも否定とも取れる言葉を口にし、その言葉の意味を彼女は理解出来ないでいた。
初めての体験とは言え、もう一つの自分を知ってしまった以上、元に戻るなど出来はしない。
だが、彼女は一度目に奉仕を、二度目は身体そのもの求められ、己の純潔を捧げた。
彼女はメイドではなく、魔物娘でもなく、一匹の雌だった。
〈自分は本当に夫にすべき人に出会えた。マルガレーテさまが引き合わせて下さったこの方を、生涯の主として愛します〉
ロロティアが心の中で発した呟きは理性よりも快楽を求めさせた。
いや、心の底ではきっと、それを望んでいたのだろう。
淫らなメイド、と口にした時、彼女の身体の奥底から性的快感が湧き上がっていたのだから。
ロロティアは凱を見つめ、囁いた。
「私を……メイドとしてでなく、妻として……傍に置いて下さい……。愛してます、旦那さま――」
こうして、ロロティアは凱の六人目の婚約者となった――
19/01/01 19:39更新 / rakshasa
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