連載小説
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生まれる想いは様々な形となりて・後編
同日夕方――

数日間の業務をアルマに委任した亜莉亜が学園長室にやって来た。
エルノールと凱が彼女を出迎える。

「よう来た。これからお主はサバトの支部について来て貰うぞ」
「サバトの支部、ですかー?」
「そうじゃ。ちと大掛かりなものじゃから、支部で行う事になったんじゃ」
「……と言う事は、サバトに入れって事になりますよねー?」

間延びした口調で鋭く切り込む亜莉亜に、エルノールは動じず答える。

「それはお主の意思次第じゃ。無理矢理入れるなど、わしは好かん。手頃な場所が支部しか無かったのも確かじゃがな」
「そうですかー。それじゃ、支部に案内してほしいですよー」
「軽いのか素直なのか、良く分からんのう、お主は……」

ニコニコと答える亜莉亜に思わず溜息を零すエルノールは、亜莉亜と凱を促し、サバトへの通路へと入って行く。

無言のままにサバト風星支部に到着した三人の目に飛び込むのは、万全の態勢を整えている構成員達の姿だった。

「エルノール様、儀式の準備は整っています! 何時でも御命令を!」

一様に凛々しい表情の構成員達。
団結力なら何処のサバト支部にも負けないという矜持の表れなのか。
自分が思っていたよりも遥かに強い構成員達の繋がりに、エルノールは感慨無量の面持ちになっていた。

「触媒の準備は出来ておるか?」
「何時でも運べるよう準備してます!」

この返答に大きく頷くと、開始の号令を出す。

「よし! 取り掛かるぞ! 各自、所定の位置に就け!」
「「「「「はい!!!!」」」」」
「兄上。儀式が始まったら、これに書いてある事を実行してくれ」

エルノールが凱に手紙を渡すのと同じくして、構成員達は整然と与えられた役割とその位置に就いて行く。

「鬼灯教諭、儀式は大掛かりとなる。暫く眠らせるから我慢してくれ」

言うが早いか、エルノールは亜莉亜に向けて少々強めの睡眠魔法を投射する。
亜莉亜は何かを言う暇も無くあっさりと眠りに落ち、エルノールの浮遊魔法によって魔法陣中央に運ばれていく。
そのタイミングに合わせて蛇、鹿、ドラゴン、そして兎の触媒が東西南北の位置に置かれていった。

触媒が魔法陣に反応し、様々な色に輝きだす。
同時にこれが儀式の合図となった。

「四方に来たりし獣達よ。我が下で一つに集い、新たな命となりて我が前に現せ!」

この言魂が魔法陣の輝きを妖しげにし、四つの触媒もオーラを纏いながら反応を示して行く。

一つ目に動き出したのは蛇の触媒としていた、脱皮した蛇の皮だ。
皮は魔物の魔力を受けて元の姿形を成し、亜莉亜に向かって動き出す。
向かう先は彼女の右腕。
蛇は右腕に巻きつくと、吸い込まれて消えて行った次の瞬間、二匹の黒い蛇となって右腕を交互に絡め取り、シャー! と威嚇する。

次に動いたのは鹿の触媒としていた、鹿の頭の剥製。
ひとりでに浮かび上がると、こちらは左肩に向けて浮遊し、蛇と同様に同化する。
鹿の頭は骨のような色合いと角ばった形に変化していき、角も母体を合わさるかのように縮小・変形し、大きな肩当てとなっていく。
更に左腕全体が骨を思わせるような形状に、まるで外骨格と一体化するかのように変化していった。
しかし、変化はこれだけに留まらない。
左腕が終わったと思いきや、今度は膝から下の両脚部が母体に合わせるように鹿の足を形成していくのだ。
形成された蹄に白い毛並みは、鹿のそれである。

鹿の触媒を移植し終えた次に動くのは、ドラゴンの爪と鱗。
古くなって抜け落ちた瑞姫の爪と鱗である。
これらは母体の腰辺りに飛来し、吸い込まれていった。

だが、数分経ってもドラゴンの力が顕現しない。
魔物化でドラゴンとなるならまだしも、外部から移植してその力を得ようと言うのだから、馴染ませるのにも時間はかかる。

エルノールの詠唱にも更なる力が入った。
僅かでも集中を乱せば、たちまち儀式は失敗に終わる上、亜莉亜の身に何が起こるか分からない。
更に魔力を込めた詠唱が場内に響き渡る。
その甲斐あってか、腰骨の辺りからゆっくりと、小さい翼と長めの尻尾が形成されていった。
だが、ここでかなりのロスが発生し、エルノールの身体は汗で彩られて来ている。

そうしていよいよ、最後の触媒である兎の足が動き出す。
ゆっくりと《亜莉亜(母体)》の上にやってくると、弾丸のように心臓へ下り、吸い込まれる。

亜莉亜の身体に四つの触媒が溶け込み、身体にも大きな変化が出始めた。
髪は金色に変色し、頭部からは白い兎の耳に加え、ほんの小さな角が姿を見せる。

亜莉亜は遂にキマイラへの魔物娘化を果たし、後は目覚めを待つばかりだった。

ようやく儀式を終え、エルノールは疲労困憊となりながらも構成員達に退去を命じた後、今にも倒れそうな足取りで凱がいる食堂に足を運んで行く――

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

時は遡り――
儀式が始まった頃、凱はエルノールから渡された手紙を開封した。
しかしその内容に思わず溜息が漏れる。

――竜皇国ドラゴニアから、魔界蜥蜴の肉を始めとした食材をお主の為に仕入れておいた。
  厨房にドラゴンステーキのレシピを置いてある。
  食糧庫にある食材も存分に使って料理し、それを食べて精力を蓄えよ――

これがエルノールが渡した手紙の中身だ。
瑞姫、エルノール、朱鷺子と三人の魔物娘と関係を持った身である以上、自ずと答えは出ようと言うもの。

彼は早速、食糧庫で追加の食材を選び、厨房へ運び込む。

魔界蜥蜴の肉はしっかり焼いてドラゴンステーキにし、ドラニオン、竜火草、テイルリーフ、まかいも、ネバリダケ、タケリダケをその付け合わせとして調理。
白米もこれに並行して炊いており、ステーキライスとして仕上げ、果物系の食材はデザートとして加工した。

自分で作り、これを自分で食べる。
見る者によっては滑稽に映るかもしれない。
だが凱にはそんな事を気にする暇は無かった。
自分で作らなければ食事を摂れない訳であり、自ずとその術も身につくものなのだ。
人目を気にせず堂々と料理し、堂々と食す事が今の彼に出来る事。

サバトの者が誰一人見に来ていなかったのが幸いしたのか、その食べ方は豪快そのものであり、わっしわっしとを咀嚼しつつ、他の付け合わせももりもりと平らげて行く。
噛めば噛むほど溢れ出る、旨みが凝縮された肉汁を出すドラゴンステーキに加え、食欲を香りと共に促進させるドラニオン、体温を上昇させると共に興奮状態に誘う竜火草、男性器を隆起させる効能を持つテイルリーフ、ほくほくとしたまかいも、ネバリダケによる粘性を持ったソース、タケリダケの程良い辛味、これらを内包する白米。
食材が凱の口から体内に運ばれ、その度に高まる精力は下手をすると近くの魔物娘を襲ってしまいかねない程になっていった。

デザートも平らげた事で食事を終え、ジュースで一服していると弱々しげに食堂に入るエルノールの姿が見えた。
儀式による精神的な疲労は著しく、凱に儀式の終了を伝えるべく己の足で伝えに来たのだ。
今にも倒れそうな状態の彼女を急いで支える凱だったが、エルノールはそのまま凱に言う。

「あ、に……うえ、終わった、ぞ。広間へ……行くんじゃ。そこで……最後、の仕上げ……を、やって、くるんじゃ……。鬼灯、教諭……、いや、アリアと契りを……交わすのじゃ。……既に……皆……、支部から……出て、行って……貰っておる……」

沸き上がる性欲をどうにか抑えつつもエルノールを部屋に運ぶと、凱は魔法陣のある広前へ歩を進めた。
魔法陣の中心には安らかな寝息を立てる亜莉亜がいる。
凱がその目に見た、魔物と化した彼女の姿は面影こそ人間の時と同じだ。
けれど髪の色が金色に変わっている事には流石に驚く

しかも、亜莉亜は精の匂いに鋭敏な魔物娘に変じている。
凱の中で異常なまでに猛り狂う精力から漂う匂い。
その匂いは魔物娘にしか分からない芳醇なものだ。
芳醇な精の匂いは亜莉亜の意識を現実に引き戻し、目覚めさせる。

「う……、うぅ〜ん」
「あ……」

暴発しかねない性欲を必死に抑える凱を尻目に、亜莉亜は寝ぼけ眼なままで周りを見渡し、自分の手を見つめる。

「んあれぇ〜? 凱くんですかぁ〜?」
「鬼灯……教諭……」

亜莉亜の目に、自分を心配げに見る凱の姿が入る。
凱は亜莉亜の目が空色に変わっている事に再び驚き、困惑していた。
彼の姿と己の心に宿る何かを悟った瞬間、亜莉亜を含めた四つの人格が答えと取るべき行動を瞬時に導く。
その動きは一瞬だった。

「!!!!」

一瞬の出来事に凱は全く反応出来なかった。
亜莉亜が咄嗟に凱を押さえこんでいたのだ。
以前、朱鷺子が凱を組み敷いたのと同じ状況である。
ギラギラと得物を狙う眼差しもまた、瑞姫、エルノール、朱鷺子と同じであった。

「んふふ〜♪ すごく〜いい〜においですよ〜〜♪」

亜莉亜は凱をいい臭いのする得物と評した。
余計に間延びしたセリフと今の状況とのギャップが激しいにも関わらず、だ。

「さあっ! こんなの邪魔ですよー!」

言うが早いか、凱の衣服を残らず左手の爪で鮮やかに切り裂き、あっという間に全裸にしてしまう。
凱に反撃の余地など与えない彼女の行動は、人間だった頃では信じられないくらいだ。
それでも凱は抵抗しようと声を上げようとした瞬間、亜莉亜は再び反撃に移った。

「むぐうぅぅっ!」

亜莉亜が凱の唇をキスで塞いだのだ。
驚きの声を上げる凱の声など全く無視するばかりか、舌で凱の唇をこじ開け、触手のように凱の舌に絡みつけていく。

「んんぅ、ふんむ、んうぅっ、ぬじゅ、ふぐ、んぷはぁ!」

己の思うがままに唇を貪ると、愛しい男に向けて告げる。

「凱くぅん、折角の男女の交わりですよ〜? 抵抗したらダメじゃないですか〜」
「………」

見透かすように告げられた言葉は、凱にとって少なからぬダメージとなる。
エルノールの言葉があっても、凱は抵抗感を完全に拭い去る事が出来ない。

一方、亜莉亜にしてみれば、そんな凱の逡巡する姿は許せない。
魔物化した事によって、恋愛に無縁だった彼女自身が心の奥底で真に求めていた理想の男性が今、目の前にいるのだ。

――逃がしはしない――

キマイラと化した女「達」の心中にあるのは、ただそれだけ。

亜莉亜は矢庭に立ち上がると、凱に向けて秘部を堂々と見せびらかす。
その秘部は愛撫も無しに愛液が滴り落ちている。
淫らな笑みを浮かべながら、亜莉亜は告げた。

「凱くんがハッキリしてくれないから〜、こんなになっちゃってるですよ〜?」

愛液でずぶ濡れな秘部を見せつけつつ、再び凱の身体の上に座り込むのだが、その位置は彼の剛直の上。
溜まりに溜まった精力が見事なまでの剛直となってそそり立っている。

「凱くんもすっかりその気なんですねぇ〜。我慢は身体に良くないですよぉ〜?」

ゆっくりと腰を下ろしながら、女陰が肉棒を飲み込んで行く様を見せつける。

「ほぉらぁ〜、凱くんのオチンポぉ……、あはぁぅ♪ 私のぉ、うぅん♪ オマンコにぃ、んあぅぅ♪ 入って…いく、ですよぉ〜、ひうぅん♪」

先に交わった三人とはまた違う、強烈かつ甘美な刺激。
魔物娘と言う抗い難い存在が凱の性的刺激を強めていく。
だが、彼にそれを熟考する余裕を与えられる事は無い。

亜莉亜はラビアが陰茎を完全に飲み込んだのをその身で確認すると、腰を徐々に激しく上下に動かし始めたのだ。

「っっっ!!」

喘ぐ間も無い、甘く激しい刺激が凱の脳髄を駆け巡る。
だが先に絶頂に達したのは亜莉亜だった。

「ひゃうううう! が、い、くんの、オチンポ……、ひゅごひゅぎいいい! ……ありあ……もう限、界……、んぃぎぃいいい! イクうううううう!」

一方的に刺激を求めた代償なのだろうか。
激しく痙攣すると凱の体にしなだれかかる。
熱い吐息が凱の胸で繰り返されると、突如、人が変わったように起き上がる。
そう、まさに変わっていた。
右目の色が金色になっているのだ。

「ふふふ……。ひさしぶり、ね……。が・い……」
「その口調はまさか……!」

時折途切れる口調はアリスのものだった。

「怖いもの……見るの……、やめてほしいなぁ……。さっき……みたい……に、いちゃいちゃ……しよ?」

以前の臆病さが滲み出た雰囲気とはまるで違い、腰をゆっくりと動かし、結合したままの生殖器を擦り合わせながら、悦楽に酔い始めている。
凱も必死で抵抗するが――

「だめだよぅ……、そんな、に…、意地、張らないでぇ……、え……えぃ」

アリスが右腕をおもむろに差し出すと、腕に巻き付いた二匹の黒い蛇が凱の左肩に牙を突き立て、毒を流し込む。

「うぐぁ!」
「がま、ん……しない……で? いっしょに……おぉん、きもち、よく、なろう、よぉぉ……は、あぁぁん……♪」

流し込まれた毒は当然ながら元は魔物の魔力そのものであり、人間に害を及ぼすものでは無い。
それどころか、男(この場合はオスと呼ぶべきか?)の体力と精力の回復、更には性的興奮を高める効果に転換される。

凱もその効果を否応無く体感していた。
漲る体力、増幅される精――
どちらも魔物娘の夫に絶対不可欠な要素だ。
ましてキマイラ相手に、この二つを欠かす事など論外。

「ほら……立って? ……楽しみ、ましょう?」

淫蕩な笑みを浮かべるアリスの言葉に、唯々諾々と従う凱。
彼が起き上がった途端、アリスは凱の腰を己の両脚で絡め取り、首を両腕に絡めてきた。
驚く凱を尻目に彼女は囁く。

「早く……立って? ……出来ない、よ?」

以前、初めて見せた時の臆病さが、彼女からは感じられない。
魔物化した影響なのか、いやに積極的だ。
言われるがままに立ち上がるが、凱はそこからどうすべきかが浮かばない。

因みに現状の体勢は四十八手の一つ「櫓立ち(俗に「駅弁体位」と呼ばれるもの)」の未完成形、と言った状態だ。

〈ええい、ままよ!〉

凱は心の中でそう呟くと、アリスの脚に片方ずつ腕を通し、彼女の膝と自分の肘を組み合わせ、尻を揉むかのように抱え込んだ。
これによって正式な櫓立ちの完成である。

「あぅうん♪ ひゅごいぃ……、これ……いい……よぉ〜♪」

勢いのままに腰を前後したり、回転させたり…。
その度に悦楽に溺れながら嬌声を上げるアリスの痴態は増して行く一方。
亜莉亜とはまた違った激しさを見せ、淫欲と快楽を貪っていく。

「んはっ! お……おぅ! おぉぉっ!」

身を任せながら悦楽に酔う姿はますます淫靡さを増していた。
しかもアリスは時折、自重を利用し、子宮をゴリゴリと押し付けている。
更にそれは絶頂への確実なサインでもあった。

「ひゅぎぃぃ! んいいい! しゅきぃ、ひゅきいいいいい! いっっぐううううう!」

その言葉と共に、アリスは身体を跳ね上げる。
顔を上に上げたまま硬直したかと思えば、新たな人格が凱の前に現われた。

「初めまして」

目の色も変わっている。
今度は右目が空色に戻った代わりに、左目が銀色に変わっているのだ。

「わたしはそうね、アリカとしましょうか。よろしくね、ガイ兄様♪」

前の二つの人格と違い、はっきりした口調でアリカと名乗る新たな人格。
けれど母体の子宮が二度の射精によって、満杯になってしまっているのを気にも留めず、アリカは腰を上下し始める。
それなのに凱の剛直は依然として衰えを見せていない。
事前に摂取した食材の効果が先程の毒に呼応している証拠でもある。

「あははは♪ こんなに元気じゃない♪ じゃあ、わたしは正常位でお願いするね♪」

母体に疲労感が全く見られず、そればかりか嬉々として交尾をせがむ。
これが魔物娘と言うものか、と瑞姫との初体験を反芻する凱だったが、それをアリカが察したらしい。

「あ、今、他のメスの事考えたでしょ」

すぅ、と視線が冷たくなる。
今は自分が独占している、と表情で語っているのだ。

「ガイ兄様はわたしだけのオス。今、他のメスに渡すなんて……イ・ヤ♪」

可愛らしさを自らアピールしつつ、脚はしっかり凱の腰に絡み付いていた。

「ほら、早くうぅ〜♪ あはぁん♪」

腰を回しながら交尾を求めるアリカに応えようと、ふわりと覆いかぶさりながら床に倒れ込む。

「え、あっ! ちょ! んっ……い、いきなり抱きついてくるなんてぇ……、お、夫のかじゃかみにも……、あっ、あぁん、あううぅん♪」

凱は正常位の体勢でそのまま腰をスライドし始める。
まるで有無を言わさぬように。

「ふぅっ……ふわあぁぁぁぁん! ひょこぉ! いいよぉ! きもちいひいぃぃぃ♪」

ピストンの最初の数往復は何とか堪えられる事が出来た。
だが、そこから先は流されるのみだった。
甘美な刺激がアリカの脳髄を絶えず駆け巡り、アリカはその刺激をあっさりと受け入れ、快楽に身を委ねたのだから。
その大きすぎる快感に、彼女の目の前が真っ白に染まっていく。

「に、い、さまぁっ! ふあぁっ、もっ、もう……うあっ、ダメェ……、わた、ひっ……ウウッ、イッ、クゥ……アア……イッちゃ……はううぅンン!」

アクメが迫ってる事をアリカが告げた直後、凱の抽迭が一気に力強さを増した。
すっかり蕩けた膣襞は勃起の逞しさを伝え、肉棒を離すまいと必死になっている。
だが、アリカの方は既に限界だった。

「ひっ……ひあぁ、あひっ……やああっ、こ、こんな、こんなぁ……イク……イック……イッ……んぐぁううううぅッ!!」

右脚をピンッと伸ばしながら、アリカは絶頂に達し、果ててしまった。
荒い息遣いを少ししたかと思うと、顔を凱に向き合わせる。

「やっと……出てこれたわ……。自分は、そうね、アリサ……としておこうかしら」

その目は右が金、左が銀と完全に変わっていた。
けれど彼女の眼はまっすぐに凱を見つめている。

「本当はこんな形で会いたく無かったです。こんないやらしい事しながらだなんて……うぅん♪ 多少は礼儀と言うものをですね、あふぅん♪」

説教をしているのだろうが、その度に身体が動いてしまい、尚且つ交尾したままの陰核と肉棒が擦れ合っているのだ。
これでは説得力など皆無である。

「こんな状態なんだ。する事は一つしかないし、説教なんて無粋だぞ?」
「ああぁあん!」

そう言いながら凱は肉槍を引き抜く。
アリサは喘ぎながら、軽い絶頂に達していた。

「全く……。それじゃ、こうしてやる」
「ひゃぁあぁ……!」

アリサを軽々とうつ伏せにし、左手で腰をロックすると、右手で固定した肉槍を膣口に当てると、そのまま一気に掻き分けて行った。

「んあぁあアアァアン! だめぇっ! こんな恥ずかしい事……、いけないよぉ!」
「そんな事言ってる割りには、腰回してるじゃないか」
「いやあぁ……、言わないでぇ……」

言葉責めになっている事に凱は思わず黙りこみ、挿入したままの陰茎を抽迭し始める。

「そ、こぉ……ああ、そこ、ひび、くぅ……。一番、奥……までぇ……アァ、イヤ、深いの、深いのォ……オおぉォ!」

先端が子宮口を小突く度に媚肉が蠕動し、凱の勃起を痛いほどに締め上げる。
開きっぱなしとなった唇からは、絶え間なく甘い吐息が溢れる。

凱のピストンの度に、膣道から泡立った淫蜜がとろりと糸を引いて床に垂れ落ちている。

「やぁ、やっ、これ変っ、来る、なんか来りゅう! やめ、やめへ……、こわりぇ、あっ、あぁっ! わたひ、おかひく、なる……ッ!」

涎をだらしなくこぼし続ける口からは舌が小さくはみ出し、背後の凱に訴える言葉も呂律も怪しい。
めくるめく快楽の中、己のはしたない子宮を熱いザーメンで溶かされる情景がアリサの中でイメージされる。
その途端、彼女の性感が急速に上昇し始めた。

「はううっ! はうっ、うっ、ううーっ! 熱いぃ……溶け、るぅ……お腹、溶かしゃれりゅう……っ! イヤ、イヤッ……はあああぁ……っ!!」

どくっ! どくんっ! びゅくん!

大量の白濁マグマがアリサの子宮を犯し、彼女は痙攣しながら果てた。
愛くるしい顔を艶めかしく歪め、アリサは生々しい嬌声を響かせながらアクメを迎えるのだった――
19/01/01 19:33更新 / rakshasa
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■作者メッセージ
後編だけで5カ月以上とは…。
自分の不甲斐なさを恥じる限りです…orz

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