ティーパーティーでの騒動から少しして、学園は夏休みを迎えようとしていた。

だが一事が万事、平穏とはいかなかった。
特別クラスではティーパーティーでの諍いを経て和解した者はいた。
だが一方で、件の第１グループにいた内の最も激しい争いを繰り広げた四人は結局、その後も一触即発の状態を解こうともしなかった。
そればかりか瑞姫、朱鷺子ら第５グループの生徒達に陰湿な報復を計画していた事が他の生徒に耳に入り、明るみとなった。
エルノールもこれには失望の念を隠す事は出来ず、四人を「反省の意思無し」として放校処分にすると共に、女子少年院や孤児院へ逆送していった。
これにより風星学園・特別クラスは46名となった。

瑞姫はそれ以来、家庭科の成績が伸び始め、朱鷺子は僅かではあるが明るい笑顔を見せるようになった。

やがてそれぞれの棟で終業式が行なわれ、生徒達は夏の思い出作りに奔走する。

だが、夏休みとなると朱鷺子を始めとした特別クラスの寮生達にとって、帰省先など無い。
十中八九、寮でこもりきりの生活をするだろう。
故に凱も少し心が浮かなかった。

だが凱はこの時点では一介の用務員に過ぎない。
相談を持ちかけても余計な介入となり、個人的な贔屓に繋がるだけ。
義妹がようやく自分の力で作る事が出来た友人達を放っておけなかったが、今は抑える事しか出来なかった。

それに特別クラスの生徒のほぼ全員が寮暮らしをしている現状もある。
幸い、特別クラスは夏休みも食堂を開いており、実質的に年中無休の状態。
更には浴場や洗濯場もあるので、生活する分には一応困らない…筈だ。

気持ちの切り替えも兼ね、夏休みに入る為の見回りと点検で図書室に赴いていた凱は不思議な本を見つける。
本棚の上の本当に目立たない位置に埃をかぶった状態で置いてあったのは、見るからに古ぼけた、少し分厚い本だったが、和紙で綴じられたその本には題名が何も書かれていなかった。

開いてみると漢字が並べ立てられており、その横に様々な武器や徒手空拳での構え、体裁きを取る人の絵が描かれており、教範的な物であると思われる物であるのは間違いない事だろう。

初めて見る書物だと言うのに、凱は妙な既視感を覚えていた。
図書室の所蔵を示す印やラベルがされていない事もまた不思議だった。
書物はまるで、凱とめぐり合う為に現われた物でもあったのかもしれない。

埃を取り払って己が手に抱え込み、図書室の見回りを終える。

まさかこの書物が後に凱の運命を定める物となろうとは、当の本人には思いもしなかった―――

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

終業式を終えた瞬間から、学園はもう夏休み一色である。
特別クラスでは教師陣は全員、休暇に入って……はいなかった。
下手な場所より居心地が良いせいか、特に亜莉亜はアパートが近くにあるせいでほぼ毎日通っている始末。

凱も用務員としての仕事がある以上、そうそう休めなかった。
とは言っても、周辺の清掃と巡回を済ませれば、午前中で仕事は終わってしまうが。

そこで彼は仕事の合間に見つけていた、人の来ない場所に行き、終業式の点検で見つけた例の本を開き始める。
やはり見た事も無い文字ばかりの文章では何をどう書いているのか、さっぱり分からない。
だが、そこに黒く丸い影が頭上に現れる。

「あ……、え……？　父さんの形見、が……？」

凱が生前の父から譲り受けていた黒い水晶球が、新しい持ち主の元に飛来したのだ。

ヴォン…ヴォン…と鳴動すると共に、凱の頭に何かが響き渡る。
その刹那、色々な世界、国々の文字が脳内に直接、滝のように流れ込む。

日本語、英語、ドイツ語、ロシア語、中国語、韓国語、アラビア語、フランス語――いや、それだけではない。

魔物娘達の住む世界の様々な国々の言語まで、凱の脳内に流れてくるのだ。
彼は声も出ない状態で蹲る。
許容量を無視した知識の詰め込みに脳が追いつかないのだから、無理も無い事だ。

身体が高熱を発し、脳が締め付けられるような激痛に苛まされる。
どれほどの時が経ったのか考える事さえ出来ない状態で、やがて意識を失っていった――

・・・
・・
・

冷たさを帯びたそよ風が凱の頬を撫でる。
彼がその風でようやく意識を取り戻した時には、日も落ち始める夕暮れ時だった。
何が起こったのか訳が分からない状態で、彼は暫く放心状態となる。

そこに魔物娘が一人、物珍しそうに凱の事を見ている。
彼女は闇そのものとも言える漆黒の球体に座りながら、何も無い場所で一人で座っている男を観察するようでもあった。
うっすらと紫がかった白い髪は若干ウェーブがかかったボブカットで、頭には漆黒の角が一対生えている。
身体に纏うはゴスロリが入った黒いドレス。

絶世の美女と形容すべき女性だが、そんな彼女が人間の女性である筈は無い。

彼女は魔王の娘――【リリム】。

その証として、薄紫の翼と尻尾が彼女に備わっている。
リリムが持つ最大の特徴はどんな男も欲情させる、魔王の娘達だけが持ち得る「魅了の力」。
余程意識しなければ垂れ流しも同然のその力に抗える男はまずいない。

ところが、そんな彼女が近くにいるにもかかわらず、目下の男は無反応なまま。

「わたくしの魅了の魔力に反応しない…？」

ポツリと出た本音に男はようやく反応し出す。

「んあ？　君、誰？」
「誰、じゃありませんわ。そう言うのは殿方から名乗るものでしてよ！」
「俺の事を上から見てたみたいだけど、何でそんな状態で俺から名乗らなきゃならんの？　おかしいよ、それ」

とぼけたような声に思わずムキになってしまうリリムに対し、凱は更に反論する。
ある意味正しい彼の反論に、リリムは何も言わない。

「ちくしょう、続きは明日だな。さて、と」

上にいるリリムなど眼中にないとばかりに、凱は立ち上がって背伸びする。

「わたくしはマルガレーテ。リリムのマルガレーテと申しますわ」

突然上から、リリムは名乗る。

「名乗ったのですから、貴方も名乗るべきではありませんの？」

調子を狂わされる凱はやれやれと言った風に答える。

「龍堂凱。これでいいだろ？」
「まあ……、いいですわ。見たところ、この学校の関係者かしら？」
「一応は用務員だ」
「そうですの……、分かりましたわ。では、またお会いしましょう」

マルガレーテと名乗ったリリムは、言うだけ言うと空高く飛び上がって消えて行った。

「何だったんだ、ありゃあ？」

訳が分からないままに出会った魔物娘はリリムと名乗っていたが、凱にとってみればどうでもいい事でしか無い。
日もすっかり沈んで夜となり、凱は早々に帰宅していく。

これが凱にとって、《リリム（マルガレーテ）》とのファーストコンタクトであった。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

一方、マルガレーテの心中は穏やかでは無かった。
魔王城に帰ってからと言うもの、ずっと浮かない顔をしており、彼女に同調する僅かな魔物娘達も声をかけづらい状態だった。

〈あの殿方、わたくしの魔力に反応しない筈が無いのでは…？　一体何者ですの？〉

リリムの魅了の魔力を受け付けない存在にマルガレーテは初めて出会った。
配下のオークの呼びかけに気付いたのはそれから少ししてからだ。

「マルガレーテ様！」
「へ？！　え、何時からそこにいらしてたの？」
「５分も前からです。魔王様が大至急来るように、とマルガレーテ様をお呼びになってるんですよ」
「お母様が！？」

驚いたマルガレーテは大慌てで玉座へと走っていく。
辿りついた玉座には、柔和ながらも圧倒的な威厳を放つサキュバスの姿がある。

「如何したのだ、マルガレーテよ。時間に遅れる事の無いお前が顔を出さんとは。珍しい事もあるものだな」
「……も、申し訳ありません、おかあ――いえ、魔王様」

魔物娘の長・魔王は娘に皮肉を言いつつ、心配したような口調でマルガレーテに言葉をかける。

「お前の様子が随分とおかしかったのでな。直接聞くべきと思って呼んだのだ」
「……」

マルガレーテはこれが前置きであるとすぐに分かった。
それ故に黙る。

「率直に訊こう。マルガレーテ、お前に何があったのだ？」

こう問われた以上、黙っている訳にはいかない。
マルガレーテは自分の魅了の魔力を受け付けなかった、一人の男の事を全て話した。

「リリムの放つ魅了に何の反応も示さない、か。面白い男ではないか、フフフフ」
「笑い事ではありませんわ！」
「お前はそれだけ人間を、いや、オスを知らんと言う事だ。我が娘達の中でも並ぶ者がおらぬ程の弓の使い手であるのにな」

黙るままのマルガレーテに魔王は続ける。

「良いか、マルガレーテよ。例え魅了を持ってしてもそれに反応を示さん男も稀におるのだ。かといって、そ奴がお前の夫に相応しいとは限らん。夫に迎える者はお前自身で見つけ、見極めなければならん。お前ならばそう言う者達から見繕うのも一つの方法であると思わんか？」
「わ……、分かりませんわ……」
「まあ、言って分かるのであれば苦労も無いのだがな。こればかりは母も手助けはしてやれん。自分の道は自分で作るものだ。万が一、その男が気になったのならば、お前の好きにすればよかろう。どうするかはこの母に問うのでは無く、お前自身が決めよ。分かったな？」
「は、はい。……魔王……様」

自分の道は自分で作れ――
つまり、夫を得る事は母である魔王の手を借りるのではなく、自分の意志と行動で行うべきもの、と言う事である。

「話は以上だ。暫くはゆっくりと、身も心も休ませると良かろう」
「……はっ」

言いようのない何かがマルガレーテの心を掻き乱す。
自室に戻っても、心のモヤモヤは晴れないまま。
配下の入室も一切禁じ、彼女は凱との出来事を反芻していた。

〈やはり、何かが引っ掛かりますわ……！〉

マルガレーテの心は一人の男の姿を鮮明に刻み込んでいる。

だから彼だけでも知ろう――
そう思い、マルガレーテはベッドに吸い込まれ、安寧の底に沈んでいく。

一人の魔王の娘が、自分の為に動き出す時が訪れた。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

翌日。

凱は何時ものように朝から学園に出勤し、清掃と巡回を午前中の内に終えた。

昼食は食堂の機材を間借りして済ませ、昨日の続きをしようと件の古書を開いた……のだが――
昨日と違うのは古書の文字が読めている事だった。
これに凱は驚きを隠せない。

見た目にはいつものように複雑怪奇な文様の如き文字が並べられている。
それがまるで、己の言語とばかりに分かるのだ。

凱は早速、一番最初に書かれていた呼吸法から学び始める。
書かれている息遣いを、彼はゆっくりと、されどしっかりと学び取っていく。
息を吸うと共に腹を凹ませ、息を吐くと共に腹を膨らませる、すなわち丹田呼吸法をより長くしっかり……。
生きる為の呼吸と武の為の呼吸は正反対。
けれど彼は半日で掴み取った。
気が身体の中を駆け巡る感覚に、凱は微かな手応えを感じずにはいられなかった。

次に取りかかったのは次の手順になっていた、「長兵器の基礎」と書かれた項目。
本に書かれている通りの動きをひたすら忠実にこなしていると、以前習った薙刀術と近い事に気付く。
夢中になって本を読み進め、身体に覚え込ませるのに一区切りつけた頃には辺りが暗くなっていた。
訓練に夢中になる余り、夜になっていた事に気付かなかったのだ。

大慌てで帰宅する彼を、校舎の屋上から見つめる影…。
影は凱が帰宅すると分かると、たちまち姿を消した。

それからと言うもの、凱は毎日、めはりずし（塩漬け（もしくは浅漬け）した高菜の葉でくるんだ弁当用のおにぎり。和歌山県と三重県にまたがる熊野地方の郷土料理）を作って学園に持参し、調理と食事の時間を節約して古書による鍛錬に勤しんだ。

一つ一つに記された構え、振り、足捌き、体裁き、武器術、拳法、掌法、功夫――
これらを乾いた砂が水を吸うように次々と覚えていった。
それもたった三週間でだ。

もっとも、時間を忘れて夜までやるのだから、瑞姫の機嫌が良い筈も無い。
彼女にしてみれば、夫になる人と一緒にいられる時間を失っているのだから。
学生と社会人の認識のずれと言えばそれまでかもしれない。
が、凱自身も取りつかれたように古書の技を身に付けている以上、あまり褒められたものでも無いだろう。

瑞姫の凱に対する恋心は募るばかりであり、それは自慰の回数を多くさせてしまってもいた。
大きな乳首を持った小さな双丘を左手で揉むと、掌の中で乳首が転がされ、敏感に刺激される。
右手でショーツの上から恥丘を擦り上げれば、敏感になった陰核が快楽を甘く淫らに増大させていく。

どうにもならないくらいに凱を欲する彼女はそのまま、その二つの刺激だけで絶頂の彼方へと突き上げられて行ったのだ…。
これが瑞姫の夏休み毎夜の出来事となってしまっている。

一方の凱は、この三週間で全ての技を習得した。
チャンバラごっこなどとは比べ物にならない、一つ一つが相手を確実に殺す為に練り上げたものばかりだ。
それが全て凱の体に刻み込まれ、動きも染み付いている。

最後の一週間は瑞姫の甘えるがままにさせた。
彼女はアルビノ故に登下校以外での外出は出来ず、家でまったりとする事しか出来ない。
それでも瑞姫にとって、凱と共に過ごす時間は十分にデートと言う感覚だ。
一緒にお菓子を作り、料理を手伝ったり、時にはただ一緒のベッドで寝ると言った事までした。

瑞姫はただひたすら大好きな人と、未来の夫と一緒にいられるだけで嬉しかったのだ。

一歩間違えればヤンデレ一直線となる程の一途な想いは、人によっては重過ぎるかも知れない。
だが、肉体関係が目的で心を弄ぶだけの浅ましいものとは訳が違う。

二人が互いに想い合うからこそ成り立つ関係。
それを真に知るのは両親と学園長の三人だけだ。
両親は二人の清らかで初々しい交際を温かく見守り、学園長もそんな二人の交際を黙認している。

しかし、二人の交際が将来、周囲を巻き込んでいく事をこの時誰一人、当人達でさえ知る由も無かった……。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

とある夜の事、就寝しようとする所に瑞姫がネグリジェを纏い、枕を持って凱の部屋に入って来た。

「ねえ、お兄さん。その……」

いつも以上に恥ずかしそうにする瑞姫の様子に凱は「どうした？」と問う。

「夏休みの前にね、黄泉先生とマリアナ先生から聞いたの」
「どんな事を？」
「本当に大好きな人とは、早くせ、せ……せ……」

瑞姫の顔がほんのりと朱に染まる。
凱も義妹の言葉に首を傾げる。

「は……早く、セ……セックス……、すべきだ、って……！」

その言葉に心臓が飛び出しそうになったのは言うまでもない。
性に関してオープン過ぎるオーガと堕落神の信徒であるダークプリースト。
その二人が保健体育を担当するのだから、授業内容は推して知るべきであろうか…。

「あ、あの二人……!!」
「だ、だって……授業で、習ったんだよ？　男の人と女の人が、愛し合って、子供を作る行為であると、同時、に、お互いが、気持ち良くなる、ため、の、ものだって……」

瑞姫の言葉は授業で習った際に教諭達が言った事であろう事は推察出来る。

「夏休みの宿題で、自分に好きな人が出来たら、どうしたいか……って作文があるの」
「そんな宿題が……」
「夏休みの宿題は何か一つが出来ればいいって言われてるの。わたしにはお兄さんっていう大事な人がいるし、わたしが出来るのは、その作文しかない……と思ったし……」

ふむ、と凱は思案し、告げる。

「分かった。明日、その宿題に付き合うよ。お前の想いの丈を文章にする練習もしていこう」
「うんっ、ありがとう」

瑞姫はそう言いながら、犬のようにぴったりとくっついてくる。
二人はそのままベッドに入り込み、安堵の息を漏らしつつ、あっという間に眠りへと落ちて行く――

・・・
・・
・

翌朝、二人はグラノーラとバナナで軽い朝食をとり、瑞姫の部屋に移動して宿題を開始する。
まずは瑞姫自身が凱に対してどれだけの想いを持っているのかを、とにかく文章にしていく事から始めた。

言葉を書き連ね、これを繋げ、文章として構成して行くのだ。
とは言っても、瑞姫が抱く想いは相当なものであった。

一番初めの出会いから始まり、ホットミルクを作って貰った事、許嫁になれた事、中学生になるまで会えなかった事、思い出してくれた時の嬉しさ、自分の家に養子として来てくれた事、母とは違った手料理の温かさ、一緒の学校に通えた幸運、一緒のベッドで眠れるようになった幸せ――

書き出せばきりが無い。
義妹の恋心は文章にすると更に熱烈で純粋なものであった。
しかも当の瑞姫の筆は止まる気配が無い。
用意していたノートが一冊では足りなくなる勢いであり、凱は慌てて予備のノートを出す始末。

その作業を終わらせるだけで昼も半ばになる有様だった。

「うぅ〜、お腹空いたぁ〜……」

腹の虫が派手に鳴り響き、恥ずかしそうにする瑞姫に苦笑しつつ、凱は冷蔵庫を見繕ってパスタを作り出し、それと並行して米を炊く準備も始める。
パスタはスープパスタにした。
キャベツとコーンスープの素を使って、かつ量を少し多めにして仕上げていた。
嬉しそうにパスタを頬張る瑞姫の姿に、心を解される気分になる凱。

食べ終わると休憩もそこそこに文章の添削や構成に入る。
再度の中断となったのは日が落ちて部屋が暗くなった頃であり、食事の後、最後の仕上げが終わったのは日が昇った翌朝の事である。

この時の共同作業は後に二人の身に新たな変化をもたらす、ほんの些細なきっかけでもあった――

■作者メッセージ
【黒宝玉】
本作オリジナルアイテムその２。

初代が作り出した「魔道具」の一つで、あらゆる言語を解する力を与える。
しかし、完成して間もなくして、どう言う訳か意思を持ってしまい、初代ことバフォさまの下から消え去ってしまう。

それから遥かな時と人の手を渡り歩き、凱の父の手元にやってくる。
その死後、形見として凱の手に渡った事で長い眠りから覚醒。
彼にあらゆる言語を解する力を与えた。

また、遥かな時の中であるものの封印を解く鍵になっていたらしい。


※サバト創始者について
初代とはサバト魔界本部の長にして、サバトを創始した最初のバフォメットの事であり、本作では便宜上、彼女を「初代（様）」と呼称する。