レッサーサキュバスさんが弟さんに襲われるお話
目が覚める。
ここは、何処?
…取り敢えず、女の子が長く居たら健康に悪いとこなのは確定的ね。
埃っぽい・黴臭い・暗いの三点セットだもの。
…誰か来る。
聞こえる足音は2つ、片方は180ぐらいの男、もう片方は…158の女性。
当てはまる人間は私の知り合いには一人も居ない。
一体誰だってのよ?、本当に赤の他人だったら怒鳴り散らしてやろっと。
「おーい、お嬢さん?、そろそろ起きてんだろう!」
『貴方ねぇ…、自分達が何なのかも説明してないじゃない。
お嬢さん?、私達が誰かを説明したいから、少し此方へ来てくれないかしら?』
…ふーん。
こんな事する割には結構常識的じゃない。
ま、流石にあんた等の前に出れない理由があるんだけどね?
『あのさー、私全裸なんですけど?
何?、うら若き乙女に恥掻かせて楽しいの?、大人ってのは勝手なんだねぇ』
『…だそうよ、貴方は持ち場に戻りなさい』
「うぃーす」
そうやる気の無さそうな声を上げながら去る男の足音を聞き、安心して声を上げる。
『そんで、あんたは誰さ?、何の目的?、どうして私の弟まで巻き込むわけ?』
『そんな一気に聞かれても流石に答え切れないわ。こっちに来てくれない?
あなたもこんな暗くてじめじめした所で立ち話なんていやでしょ?』
…むう。
確かに魅力的なお誘いだが、ユミルが心配だし…。
『その子も直に起きるでしょう、起きたらさっきの男に行かせるように伝えるからおいで』
『むう…、分かったわよ。行けば良いんでしょ行けば?』
一応信じては見るけど、罠な気しかしないなー…。
ええい、乗りかかった船!、どちらにしろ今の状況からは少しは改善される筈!
『そう、良い子ね。
鍵は既に開けておいたわ、そちら側から押し開けて』
『牢屋を押し戸にして良いの?、力強い人なら普通にバキッていくよ?』
ギィ…
『この牢屋は余り関係ないの、何故なら…。「スリプト」』
『うぇ?、…あ、眠…』
あーあ、やっぱり罠か。
まぁいいよ、余程酷い事じゃなければ私は脱出を諦めない。
この程度で、私とユミルが諦めるもんですか…!
あ、でも睡魔には勝てないかも…。
『…ここは、只の「選別場」だからね』
―――話は前作の(vωv)続きに戻って―――
「おーい、坊主」
「何ですか、失礼な看守さん」
はっきり言って、三日経ってもこの人には慣れる事は出来ない。
牢人の前でへらへらへらへら、話し掛ける時もへらへらへらへら。
はっきり言って嫌気が差す。
「失礼なは余計だっての。
多分そろそろ帰ってくるだろうから、掃除でもしといてやんな。ほれ」
「え?、…っとと」
格子窓の隙間から投げ入れられたのは小さな箒とボロ雑巾。
どうやらこの部屋の中を綺麗にしろと言うことらしい。
しかもその理由が、お姉ちゃんが戻ってくるから、だ。
…恐らく、お姉ちゃんがこの暗くてじめじめした部屋に文句を垂れたんだろう。
でも、何故突然そんな事を?
もしかして、想像してたよりかは多少マシな性格してる人なのかも…?
「あの、何故突然こんな…?」
「あー?いや、実はお前に言い忘れてたことがあってだな…。
実は、『お前さんを部屋に案内して来い』ってお上さんからのご命令があったんだがね。
そいつを言うのを忘れてた、いやー、悪い悪い」
…あ、駄目だ。
結局馬鹿だった。
「つったって、あの変人のことだ。
どうせ姉さんが犯されてんのを見せ付ける気だったんだろうよ。お前さん、そんなもん見たくは無いだろ?」
「……………」
…途轍もなくコメントしにくい。
確かに少し前までの僕だったら絶対に嫌だと答えるけど、今はちょっと…。
いや、結構見てみたい。それどころか寧ろ、僕がお姉ちゃんを。
って一体僕は何を考えて!?姉弟でなんて、そんなの駄目だよ…!。
「…おーい?、坊主?コメント無しかい?」
「え、ええ、まぁ」
「…お前さん、むっつりだねぇ」
「素が変態そうなあなたには言われたくないです!!」
「かはははっ、違いねぇ。
…っと、姉貴殿のご帰還だぜ!ゴミ纏めてこっちに渡しな!」
「!、はい」
やっと三日間の一人ぼっち生活も幕を閉じる時が来たか。
いや、厳密には朝から晩までこの人が居るし夜中にはヴェノマが襲いに来るから一人ぼっちの時間は殆ど無かったんだけど。
…でも、そんな事よりもまずお姉ちゃんが大丈夫か。
何かされた所為で、体を痛めていたりしないかを確認しなきゃ…!
「よう、嬢ちゃん。体の調子はどうだい?
弟殿が掃除してくれたみてーだし、しっかり休んで明日に備えなよ」
『…ん。あり、がと…』
「!、…呼び出しがあったら起こしてやっから、本当にしっかり休めよ」
『ど、したのさ?随分と、親切じゃない?
もしかして、惚れられちゃったかしら。生憎だけど、パスね』
ああ、良かった。喋り方がいつものお姉ちゃんだ。
…でも、声色がおかしい気がする。
何と言うか、普段よりもねっとりとしたような…。
そう、丁度ヴェノマとの事が終わった後の喋り方みたいな。
「はっは、他人のオンナに惚れるほど沸いてねーよ!
ほら、入んな。弟殿がお待ちだぜ」
『それじゃ、お言葉に……っ!?』
「?、どうした?」
『あ、あ、あ…』
「お姉ちゃん!?、どうかしたの?大丈夫!?」
『だ、だいじょ、ぶよ…。あぅ。
お姉ちゃんは寝るから、静かにしててね?』
「う、うん…」
とても大丈夫な顔には見えなかったけど…毛布のせいで影が出来ただけかな。
でも、何で全身を毛布で隠してるんだろう。
まるで、体を見られたくないみたいな…。
『あふっ、…それじゃあ、お休み。ユミル』
「うん、お休みなさい。お姉ちゃん」
「坊主も、もう就寝過ぎてるから早く寝てくれよ?
じゃないと、俺が寝れねぇんだから」
「あ、はい」
促されたからには寝ないわけには行かないだろう。
それに、僕もお姉ちゃんに取り敢えず異常が無い事が分かったら安心して眠くなって来た。
それじゃあ、今日はヴェノマには悪いけど、眠ろうかな…。
…すぅ
->凸(・ω・)凸<-
眠れない。
体中が熱い。火照るような、蒸しているような。
…或いは、そう。所謂変な気分。
頭の中がとろとろする、マトモな思考が出来なくなる。
分かっている。
自分が、もうとっくにマトモでは無い事を。
体中がふわふわする。
比喩的な意味と、自分自身に生えた体毛が。
ユミルには気付かれてないみたいだけど、私は本当におかしくなっている。
この牢屋に戻ってきた時のアレは、ニンゲンには分からないものだった。
この牢屋全体に広がる芳醇且つ爽快なあの何か。
当然私は知っている、知っているけど認識したくは無いの。
だってそれは、ユミルの…。
…お父さんもお母さんも、騎士なのに。
教団から魔界調査に遣わされた、ただの家族だったのに。
どうして、私は魔物になっちゃったんだろう。
どうして、それを幸せに思ってしまっているんだろう。
私達、これからどうなっちゃうのかな。
頭の中が混濁する。
元々私は考え事が得意なタイプじゃなかったのに、色々考えすぎた。
恐らく、私がこのままでいればユミルには被害はない。
ユミルの為だったら何だってやってやる。
だって、ユミルは私のものだから。
―…ひたり。
突然、冷たい床を裸足で歩くような音が聞こえた。
―…ひたり。
私の勘がまだマトモなら、恐らく12,3歳の子供。
―…ひたり。
その音は私達の近くに近付いて…―否。
私の傍に近付いて、そのまま覆い被さって来た。
『!?、だ、誰っ!?』
…もう理解している、蕩けた頭では認識できなかったけどこの足音と体重は。
紛れも無い、私の愛しい弟のモノ。
覆い被さって来た影がふうっ、と右耳に息を吐き、何かふわふわした口調で告げる。
「お姉ちゃん…、僕、わかんない…」
『な、何がわかんないの?、落ち着いてお姉ちゃんに話してみなさい』
そんな在り来たりな返答すらも辛かった。
ユミルの左手は蠢き、私の胸を刺激している。
そして右手では自身のモノを…。
普段だったら突き飛ばして拳骨一発で済むレベルの悪戯(された事は無いし多分その程度では済まないけども)。
だけど、魔物の価値観に染まり始めている頭では、それすらも欲情を誘うエッセンスに為るのだ。
「わかんないけど…、お姉ちゃんがほしい…」
『っ、欲しい…?』
今の一言だけでも股間は濡れる。
ニンゲンとしての価値観がまだ残っているから、それが異常だって事も分かる。
そして抵抗する間もなく、私は床に押し倒されていた。
「お姉ちゃんのおっぱい、こんなにおっきかったっけ…?」
『なっ、うっさいわね!?、成長したのよ一日で!』
「乳首おいしそう…、いただきます…♪」
『って、こらユミル!!、待ちなさっ…』
クプッ
『ひゃああああああ…!?』
「こりこり…、凄く硬くなってるよ?お姉ちゃん」
『なってない、かんちがいだからぁっ、そこ食べちゃやだぁぁ!』
「ふぅん…、えい(ガリッ」
『いだああああぁぁぁ!?』
いったぁ…。
私の弟は知らないうちに随分と人を虐めるのが上手くなったらしい。
…噛まれた割に痛みと気持ち良さが半々だったのはスルーな方向でお願いします。
『やめなさっ、ユミル!』
「お姉ちゃんなんか所々もふもふするね…、これ、毛?」
『っぐぅ!?、ち、ちがっ』
「嘘付いちゃだめだよお姉ちゃん、魔物化してる。
お姉ちゃんなら分かるでしょ?、僕が足手纏いにならないように勉強してた事。
レッサーサキュバスに酷似した姿をしてるよ、今のお姉ちゃん」
『う、うぅ…』
バレてしまった。
いや寧ろバレない方が可笑しかった、相手はユミルなんだ。
この子の努力も涙も全部知っている。魔物に対して敏感だったのも良く知っている。
「お姉ちゃんも、僕を誑かす魔物になったんでしょ?
じゃあ僕が、お姉ちゃんを浄化してあげないと」
『え…?、って、きゃああああああああ!?』
突然、ユミルに思いっきり足を持ち上げられた。
そして持ち上げられたまま無理矢理仰向けにされ、ユミルに組み敷かれる形になった。あ、尻尾生えてたんだ
当然、股間や胸などは完全に剥かれ、産まれたままの姿を晒すだけにもなっている。
そして私は気付いた。
ユミルの瞳がとろーんとしている事に。
そして魔法の知識があった私には気付けた事があった。
ユミルの目が、所謂「催眠」の魔法の掛かった人間と同じ、と言う事だ。
『ユミル!?、あんたいつの間に催眠なんか喰らって…!
何よその札!ジパングとか言うとこの奴にそっくり…、まさか?』
「ごちゃごちゃ五月蝿いよ、お姉ちゃん。今から浄化してあげるからね」
『やっ、やめなさい!離しなさい、ユミル!!』
「嫌だ、僕がお姉ちゃんを浄化しないと皆に殺されちゃうよ。
僕が浄化すればお姉ちゃんはずっと僕と一緒に居れる、そうでしょ?ねぇお姉ちゃん?」
『だ、だからって姉弟なのにこんな事…!』
「んっ」
『んむっ!』
どうやらユミルは強行手段に出るらしい。
騒げないように私の口をキスで塞いで、しっかりと腕を押さえつけて。
ぐちゅぐちゅと私の入り口にモノを擦り付けてくる。
暫く擦り付けたかと思えば、ぐいぐいと押し入る様に腰を寄せてくる。
そして、幾許かの時間の後、鈍く響くような痛みが下腹部から湧き出してきて―
―何かが
ミヂュッ
―裂けた
『…っぐ、あはぁ゛っ…!?』
「あああぁぁぁ、すごっ…、ぎちぎち言ってるよ、お姉ちゃんの中」
『誰の所為で言ってるか分かってんのあんた…!?、お姉ちゃんを犯すなんて普通の姉弟じゃ絶対ありえないからねって痛い、痛いってば!
せめて、喋ってる間くらい腰止めるとかっ、出来る、…わけないか』
「あ゛っ、だめだ、これ、でりゅ、でりゅっ!!」
ドプッ、ドグッ、ブプッ、ビュグッ
『はっ、え!?まさかとは思うけどっ、ちょ、何か熱っ、熱いの入ってきてる…♥』
処女を突き破られた痛みも素知らぬ顔で腰を振りたくる我が弟。
しかもそのまま、十突きも行かない間にどっぷりと膣内射精、早漏にも程がある。
あーでもすっごい幸せな気分…、なるほど私が欲しかったのはやっぱり精子か…。
自分の求めていた物が分かったとは言え、取り敢えず処女を破かれた仕返しをしなきゃいけないか。
…別に射精が早すぎて痛いのしか感じてないから気持ち良くなりたいとかそう言うのじゃないからね?勘違いしない。
「う、ぐぅ、はふっ…ふぁ、れ?」
『ユミル、あんたねぇ…、お姉ちゃんを魔物って分かってる上でレイプしといて、まさかその程度って事はないでしょうねぇ?』
「れ、い…?え、おねえちゃっ」
『搾り取ってやるから覚悟しなさいよ、えぇっ♪』
「やっ、うあ゛っ、お姉ちゃんっ、やめてええぇっ!!」
何よ、さっきまでとは打って変わって大人しいいつものユミルに戻っちゃって…?
って催眠解けたの!?、じゃあさっさと抜いてあげた方が。
……いや、抜いてもどっちにしろ私の処女を奪ったのはユミル。
なら仕返しの相手は変えなくても良いんだからこのままユミルを襲ってても悪い事なんてないよね…?
…んじゃあさっさとヌイてあげましょうかぁ♥
「いやあああっ!!、やめて、おねっあひゃあああぁ!!」
『やめてと言われてやめられるなら今頃私は売女やってるわよ!♪』
「何で、なんでおねえちゃんが魔物、にっ、やぁあああ…!」
ビュルルルッ、ビュ、ブククッ
『アハハハハァ♥、そうよほらぁ、魔物になったお姉ちゃんに精液捧げてんのよあんたはァ♪
ほらほら、まだ出るでしょうがっ、部屋に入ったときに感じた精液の匂いはまだまだこんな濃さじゃなかったよぉ!』
…あれ?
今なんて…?
『私の知らない間にっ、私以外の誰かに捧げたのと同じだけの精液っ!
それと同じぐらい出すまで絶対開放してあげないからねっ、こらぁ!!』
あれ?何コレ嫉妬かなにか?
…いや、違う。
ユミルが愛しい。ユミルを食べたい。ユミルに種付けして欲しい。
ユミルの全てが、欲しい。
『…あぁ、成る程ね♪』
「ひぐっ、えぐ、もうやだぁ…!」
『やだ?ふうん、私ユミルに嫌われちゃったのかなぁ?
お姉ちゃん悲しいなあ、ユミルのために何でもしてきたのに…』
「ふぐぅっ…、ふぇぇ…?」
『ユミルに嫌われちゃったら、私生きてけなくなっちゃうなぁ…?
魔物って言うのは精子が無いと生きていけないのは分かってるでしょぉ?
私、もうユミルの精子以外なんか不味過ぎて食べられないよぉ?食べたこと無いけど』
「えぅ、そ、そんな…!」
『お姉ちゃんが死ぬの…嫌?』
「そりゃあ、嫌だよっ。たった一人のお姉ちゃんなんだからぁ…ぁひぅ!」
『えへへ、嬉しい…♥
じゃあ、イルウェのこと大好きって言って?、お姉ちゃんじゃだめだよ?、ぜぇったいにイルウェって呼んでね?』
「え、おねえちゃっ…、あふぁ!」
『イ・ル・ウェ♪』
「い、イルウェ…だけど、僕達姉弟なのにっ、こんな事、だめぇ…っ!」
幾らなんでも強情すぎやしないかとも思うほどにセックスを拒絶する私の弟。
愛しくて愛しくて仕方ない、大切な弟。
拒絶の理由だって分かってる、この子は魔物に友達攫われたんだから。
…でも。
私が魔物になった事を拒絶する。
それが仕方ないことは分かってる、だから。
こんな事をしてちゃいけないのでは、とも思えてくる。
『…ユミル。私が死ぬのと、私とずっとこうやって生きていくの…、どっちが良いの?』
「そ、そんなの…」
『分かるよ、「どっちもヤダ」でしょ?
魔物になったお姉ちゃんの事なんかどうでも良いんでしょ?
…どうせ、アンタにだって番が出来ちゃってるんだから、諦めようと思えばどうにかなりそうなのよ』
「お、お姉ちゃん…?」
『…ごめんね、ユミル。
今抜いてあげるから、その番の人と幸せにね。
お姉ちゃんは、アンタのお陰でちゃんとしたサキュバスになれそうだから、心配しないで』
「……………」
幸い、こんな事をしてしまったにしては、心が軽い。
無意識のうちに、吹っ切れてしまえたのかもしれない。
ユミルに対する罪悪感なども募るが、その気になれば忘れられそうなものだ。
愛しくて仕方ないからこそ、私はこの子の幸せを願わなければいけないんだ。
あの公爵に頼んでこの子だけでも外に出してあげなければ。
この辺さえ抜ければ、近くは親魔物領ばかりらしいし。
それじゃ、せめて最後に別れのキスを…。
「お姉ちゃんの馬鹿っ!!」
ズグヂュッ
『お゛ぅっ!?』
しようとしたら、思いっきり下から突き上げられた。
ユミルの性格からして、こんなに大胆な事は出来ない筈だったのに。
「何がっ、どっちもヤダさっ!!僕がお姉ちゃんの事、嫌いになったりするわけないじゃんか!!
ましてや、どうでもいいだなんて…っ、そんな事を考えるぐらいなら、僕は死んでやるっ!!」
『っ、うぐぅぅっ♥、やめて、今にゃらっ、わひゅれられりゅからあぁ!』
「忘れる!?、言っておくけど僕はお姉ちゃんの事忘れる気なんて無いからね!
忘れてたまるもんですか!と言うかお姉ちゃんを手放す気なんて無いよ僕は!!」
『はっ、きゅううううぅっ…♥』
手放す気なんて無い、と言われた瞬間に体が一瞬麻痺したような気がした。
いや、厳密に言えば麻痺などではない。
幸福感が募って溢れ出して絶頂してしまった。
抵抗する気も何処かへ消し飛んでしまうほどに、強烈に。
「ああ、そうだよ!僕がお姉ちゃんを手放さなければ良いんだ!!
絶対に、絶対に大好きなお姉ちゃんを手放すもんか!」
『もう、やだぁぁっ♪大好きって言っちゃ、駄目だってばぁぁ!♪♪』
「じゃあどんな言葉でこの気持ちを伝えれば良いのさ!?、愛してる?好き?それとも結婚してくれって!?
もう言葉だけじゃ伝わらないから受け取ってよお姉ちゃん!!」
『ふぇぁ!?、だめ、今中出しされたら確実に…っ!』
「んむふぅぅっ!」
『んぎゅっ!?、むっ、ふぎゅううぅうっ!!♥』
しっかり抱き締められて、悲鳴さえ上げられない様にディープキスまでしてくる我が弟。
ぎゅうっ、と全身に力を込めながら、確りと子宮目掛けて種付けしてくる。
先程までとは比べ物にならないような量と濃さを持ったユミルの精子達が、私の胎内を蹂躙していく。
私の意識の隅すらも削り取るように、ユミルで頭が満たされていって。
ゆっくりと頭の中が白くぼやけていって。
『ふ、ふぐっ、ひゅぐぅうっ』
「…ぷはっ、お姉ちゃん…、大好きだよ」
沈み行く意識の中に、一言だけ呟いて。
『わっ、らひも、だいひゅき、らよ。ユミル♥』
私は、意識を手放した。
――――&――――
それから、次の日に公爵の所に行って、二人でここに仕えさせて貰える事になった。
公爵って言うのがリリムだってことを知らなかったユミルは物凄く驚いていたが、仕えさせてもらうという案を出してくれた看守さんには感謝をしたい。
どうやらこの屋敷自体が魔界の発生源で、尚且つ魔物化した勇者や教団兵の避難所のようなものだったらしい。
とは言え、それも60人程度いる中の3割程度らしいが。
あの「選別所」とやらも反抗的かどうかの確認のためらしい。
お母さんとお父さんも、お母さんが鎧の所為で魔物化した際にとある少女からここの噂を聞いたそうで、今では仲良くやらしく鍛錬所の教官やってる。
そして、私達の仕事と言うのがこれまた問題。
何と、服の問題で姉弟二人してメイド。
しかもユミルを襲ったダークスライムのヴェノマちゃんまで付いてきた。
『……………』
『ど、どしたのお姉さん…?こ、怖いなぁ…』
『…ユミルの童貞は、私の物だったのに…』
『う゛、…あ、そうだお姉さん?』
『何よ』
『あのー、私ふたなりに出来る薬とか性別反転する薬とか売ってる薬屋さんと付き合いがあるんですよね』
『ピクッ』
『…で、そのー、おクスリ無料であげますし、何発中出ししたりしてもちゃんと男の子に戻れるようになってる薬なので、それで処女奪ってあげるって言うのはどうでしょうか…?』
『…お尻の穴は?』
『しっかり拡張済みですd(`・ω・ ´)』
『貴方はお尻ね(` ・ω・´)b』
「…お姉ちゃん、ヴェノマ、凄く寒気がするんだけど、ちゃんと仕事してる…って。
お姉ちゃん料理!、火消して!!、焦げちゃう焦げちゃう!!
ヴェノマも!、パスタの吹き零れが体に付いてるけど熱くないの!?」
…と、まぁ一応いざこざも無く仲良くやってはいる。
因みにこの後公爵様とお母さんにこっ酷く叱られた。
まあ、それもきっかけでヴェノマちゃんとは悪戯仲間の親友みたいな感じでやってる。
『まあ、ユミル君』
「何?、見ての通りお皿洗いで忙しいんだけど?」
『これからもお姉様共々よろしくお願いします♪』
「…どうしたのさ、突然」
『いえいえ、その歳でお嫁さん二人は辛いかなーと思って♪』
「…そうでもないよ。僕は二人のことが大好きだから」
『…えへへ』
『有り難い限りね、でもお姉ちゃんもサキュバスになったからには昨日までと同じだとは思わないほうが良いわよ!』
「それでもいいよ、どんなに厭らしくなっても、お姉ちゃんはお姉ちゃんだしね」
こんな感じで、ユミルもすっかり魔物に抵抗が無くなった。
このまま行けば直ぐにインキュバスになると思われる。
これから、どれだけ幸せな一生になるのだろうか。
今までの人としての一生が楽しくなかったのかと言えば、そんな事は全く無い。
色んな人に出会って、色んな事を学んできた。
だけど、人として生きていた時は、こんな幸せな感情を感じた事は無かった。
大好きなユミルと、ずっと生きていける。
それだけでも、幸せで胸が張り裂けそうになった。
これからの幸せのために。
『ヴェノマ、ゴニョゴニョゴニョゴニョ…』
『…ふんふん、了解です♪』
三人で…、いや、私達家族で。
最後まで幸せに生きる為に。
『ゆ、ユミル?』
「何、お姉ちゃん?」
『『今後ともよろしくね、旦那様♥』』
これからずうーっと、宜しくね。ユミル♪
【とある教団兵達の愛の形】END
ここは、何処?
…取り敢えず、女の子が長く居たら健康に悪いとこなのは確定的ね。
埃っぽい・黴臭い・暗いの三点セットだもの。
…誰か来る。
聞こえる足音は2つ、片方は180ぐらいの男、もう片方は…158の女性。
当てはまる人間は私の知り合いには一人も居ない。
一体誰だってのよ?、本当に赤の他人だったら怒鳴り散らしてやろっと。
「おーい、お嬢さん?、そろそろ起きてんだろう!」
『貴方ねぇ…、自分達が何なのかも説明してないじゃない。
お嬢さん?、私達が誰かを説明したいから、少し此方へ来てくれないかしら?』
…ふーん。
こんな事する割には結構常識的じゃない。
ま、流石にあんた等の前に出れない理由があるんだけどね?
『あのさー、私全裸なんですけど?
何?、うら若き乙女に恥掻かせて楽しいの?、大人ってのは勝手なんだねぇ』
『…だそうよ、貴方は持ち場に戻りなさい』
「うぃーす」
そうやる気の無さそうな声を上げながら去る男の足音を聞き、安心して声を上げる。
『そんで、あんたは誰さ?、何の目的?、どうして私の弟まで巻き込むわけ?』
『そんな一気に聞かれても流石に答え切れないわ。こっちに来てくれない?
あなたもこんな暗くてじめじめした所で立ち話なんていやでしょ?』
…むう。
確かに魅力的なお誘いだが、ユミルが心配だし…。
『その子も直に起きるでしょう、起きたらさっきの男に行かせるように伝えるからおいで』
『むう…、分かったわよ。行けば良いんでしょ行けば?』
一応信じては見るけど、罠な気しかしないなー…。
ええい、乗りかかった船!、どちらにしろ今の状況からは少しは改善される筈!
『そう、良い子ね。
鍵は既に開けておいたわ、そちら側から押し開けて』
『牢屋を押し戸にして良いの?、力強い人なら普通にバキッていくよ?』
ギィ…
『この牢屋は余り関係ないの、何故なら…。「スリプト」』
『うぇ?、…あ、眠…』
あーあ、やっぱり罠か。
まぁいいよ、余程酷い事じゃなければ私は脱出を諦めない。
この程度で、私とユミルが諦めるもんですか…!
あ、でも睡魔には勝てないかも…。
『…ここは、只の「選別場」だからね』
―――話は前作の(vωv)続きに戻って―――
「おーい、坊主」
「何ですか、失礼な看守さん」
はっきり言って、三日経ってもこの人には慣れる事は出来ない。
牢人の前でへらへらへらへら、話し掛ける時もへらへらへらへら。
はっきり言って嫌気が差す。
「失礼なは余計だっての。
多分そろそろ帰ってくるだろうから、掃除でもしといてやんな。ほれ」
「え?、…っとと」
格子窓の隙間から投げ入れられたのは小さな箒とボロ雑巾。
どうやらこの部屋の中を綺麗にしろと言うことらしい。
しかもその理由が、お姉ちゃんが戻ってくるから、だ。
…恐らく、お姉ちゃんがこの暗くてじめじめした部屋に文句を垂れたんだろう。
でも、何故突然そんな事を?
もしかして、想像してたよりかは多少マシな性格してる人なのかも…?
「あの、何故突然こんな…?」
「あー?いや、実はお前に言い忘れてたことがあってだな…。
実は、『お前さんを部屋に案内して来い』ってお上さんからのご命令があったんだがね。
そいつを言うのを忘れてた、いやー、悪い悪い」
…あ、駄目だ。
結局馬鹿だった。
「つったって、あの変人のことだ。
どうせ姉さんが犯されてんのを見せ付ける気だったんだろうよ。お前さん、そんなもん見たくは無いだろ?」
「……………」
…途轍もなくコメントしにくい。
確かに少し前までの僕だったら絶対に嫌だと答えるけど、今はちょっと…。
いや、結構見てみたい。それどころか寧ろ、僕がお姉ちゃんを。
って一体僕は何を考えて!?姉弟でなんて、そんなの駄目だよ…!。
「…おーい?、坊主?コメント無しかい?」
「え、ええ、まぁ」
「…お前さん、むっつりだねぇ」
「素が変態そうなあなたには言われたくないです!!」
「かはははっ、違いねぇ。
…っと、姉貴殿のご帰還だぜ!ゴミ纏めてこっちに渡しな!」
「!、はい」
やっと三日間の一人ぼっち生活も幕を閉じる時が来たか。
いや、厳密には朝から晩までこの人が居るし夜中にはヴェノマが襲いに来るから一人ぼっちの時間は殆ど無かったんだけど。
…でも、そんな事よりもまずお姉ちゃんが大丈夫か。
何かされた所為で、体を痛めていたりしないかを確認しなきゃ…!
「よう、嬢ちゃん。体の調子はどうだい?
弟殿が掃除してくれたみてーだし、しっかり休んで明日に備えなよ」
『…ん。あり、がと…』
「!、…呼び出しがあったら起こしてやっから、本当にしっかり休めよ」
『ど、したのさ?随分と、親切じゃない?
もしかして、惚れられちゃったかしら。生憎だけど、パスね』
ああ、良かった。喋り方がいつものお姉ちゃんだ。
…でも、声色がおかしい気がする。
何と言うか、普段よりもねっとりとしたような…。
そう、丁度ヴェノマとの事が終わった後の喋り方みたいな。
「はっは、他人のオンナに惚れるほど沸いてねーよ!
ほら、入んな。弟殿がお待ちだぜ」
『それじゃ、お言葉に……っ!?』
「?、どうした?」
『あ、あ、あ…』
「お姉ちゃん!?、どうかしたの?大丈夫!?」
『だ、だいじょ、ぶよ…。あぅ。
お姉ちゃんは寝るから、静かにしててね?』
「う、うん…」
とても大丈夫な顔には見えなかったけど…毛布のせいで影が出来ただけかな。
でも、何で全身を毛布で隠してるんだろう。
まるで、体を見られたくないみたいな…。
『あふっ、…それじゃあ、お休み。ユミル』
「うん、お休みなさい。お姉ちゃん」
「坊主も、もう就寝過ぎてるから早く寝てくれよ?
じゃないと、俺が寝れねぇんだから」
「あ、はい」
促されたからには寝ないわけには行かないだろう。
それに、僕もお姉ちゃんに取り敢えず異常が無い事が分かったら安心して眠くなって来た。
それじゃあ、今日はヴェノマには悪いけど、眠ろうかな…。
…すぅ
->凸(・ω・)凸<-
眠れない。
体中が熱い。火照るような、蒸しているような。
…或いは、そう。所謂変な気分。
頭の中がとろとろする、マトモな思考が出来なくなる。
分かっている。
自分が、もうとっくにマトモでは無い事を。
体中がふわふわする。
比喩的な意味と、自分自身に生えた体毛が。
ユミルには気付かれてないみたいだけど、私は本当におかしくなっている。
この牢屋に戻ってきた時のアレは、ニンゲンには分からないものだった。
この牢屋全体に広がる芳醇且つ爽快なあの何か。
当然私は知っている、知っているけど認識したくは無いの。
だってそれは、ユミルの…。
…お父さんもお母さんも、騎士なのに。
教団から魔界調査に遣わされた、ただの家族だったのに。
どうして、私は魔物になっちゃったんだろう。
どうして、それを幸せに思ってしまっているんだろう。
私達、これからどうなっちゃうのかな。
頭の中が混濁する。
元々私は考え事が得意なタイプじゃなかったのに、色々考えすぎた。
恐らく、私がこのままでいればユミルには被害はない。
ユミルの為だったら何だってやってやる。
だって、ユミルは私のものだから。
―…ひたり。
突然、冷たい床を裸足で歩くような音が聞こえた。
―…ひたり。
私の勘がまだマトモなら、恐らく12,3歳の子供。
―…ひたり。
その音は私達の近くに近付いて…―否。
私の傍に近付いて、そのまま覆い被さって来た。
『!?、だ、誰っ!?』
…もう理解している、蕩けた頭では認識できなかったけどこの足音と体重は。
紛れも無い、私の愛しい弟のモノ。
覆い被さって来た影がふうっ、と右耳に息を吐き、何かふわふわした口調で告げる。
「お姉ちゃん…、僕、わかんない…」
『な、何がわかんないの?、落ち着いてお姉ちゃんに話してみなさい』
そんな在り来たりな返答すらも辛かった。
ユミルの左手は蠢き、私の胸を刺激している。
そして右手では自身のモノを…。
普段だったら突き飛ばして拳骨一発で済むレベルの悪戯(された事は無いし多分その程度では済まないけども)。
だけど、魔物の価値観に染まり始めている頭では、それすらも欲情を誘うエッセンスに為るのだ。
「わかんないけど…、お姉ちゃんがほしい…」
『っ、欲しい…?』
今の一言だけでも股間は濡れる。
ニンゲンとしての価値観がまだ残っているから、それが異常だって事も分かる。
そして抵抗する間もなく、私は床に押し倒されていた。
「お姉ちゃんのおっぱい、こんなにおっきかったっけ…?」
『なっ、うっさいわね!?、成長したのよ一日で!』
「乳首おいしそう…、いただきます…♪」
『って、こらユミル!!、待ちなさっ…』
クプッ
『ひゃああああああ…!?』
「こりこり…、凄く硬くなってるよ?お姉ちゃん」
『なってない、かんちがいだからぁっ、そこ食べちゃやだぁぁ!』
「ふぅん…、えい(ガリッ」
『いだああああぁぁぁ!?』
いったぁ…。
私の弟は知らないうちに随分と人を虐めるのが上手くなったらしい。
…噛まれた割に痛みと気持ち良さが半々だったのはスルーな方向でお願いします。
『やめなさっ、ユミル!』
「お姉ちゃんなんか所々もふもふするね…、これ、毛?」
『っぐぅ!?、ち、ちがっ』
「嘘付いちゃだめだよお姉ちゃん、魔物化してる。
お姉ちゃんなら分かるでしょ?、僕が足手纏いにならないように勉強してた事。
レッサーサキュバスに酷似した姿をしてるよ、今のお姉ちゃん」
『う、うぅ…』
バレてしまった。
いや寧ろバレない方が可笑しかった、相手はユミルなんだ。
この子の努力も涙も全部知っている。魔物に対して敏感だったのも良く知っている。
「お姉ちゃんも、僕を誑かす魔物になったんでしょ?
じゃあ僕が、お姉ちゃんを浄化してあげないと」
『え…?、って、きゃああああああああ!?』
突然、ユミルに思いっきり足を持ち上げられた。
そして持ち上げられたまま無理矢理仰向けにされ、ユミルに組み敷かれる形になった。あ、尻尾生えてたんだ
当然、股間や胸などは完全に剥かれ、産まれたままの姿を晒すだけにもなっている。
そして私は気付いた。
ユミルの瞳がとろーんとしている事に。
そして魔法の知識があった私には気付けた事があった。
ユミルの目が、所謂「催眠」の魔法の掛かった人間と同じ、と言う事だ。
『ユミル!?、あんたいつの間に催眠なんか喰らって…!
何よその札!ジパングとか言うとこの奴にそっくり…、まさか?』
「ごちゃごちゃ五月蝿いよ、お姉ちゃん。今から浄化してあげるからね」
『やっ、やめなさい!離しなさい、ユミル!!』
「嫌だ、僕がお姉ちゃんを浄化しないと皆に殺されちゃうよ。
僕が浄化すればお姉ちゃんはずっと僕と一緒に居れる、そうでしょ?ねぇお姉ちゃん?」
『だ、だからって姉弟なのにこんな事…!』
「んっ」
『んむっ!』
どうやらユミルは強行手段に出るらしい。
騒げないように私の口をキスで塞いで、しっかりと腕を押さえつけて。
ぐちゅぐちゅと私の入り口にモノを擦り付けてくる。
暫く擦り付けたかと思えば、ぐいぐいと押し入る様に腰を寄せてくる。
そして、幾許かの時間の後、鈍く響くような痛みが下腹部から湧き出してきて―
―何かが
ミヂュッ
―裂けた
『…っぐ、あはぁ゛っ…!?』
「あああぁぁぁ、すごっ…、ぎちぎち言ってるよ、お姉ちゃんの中」
『誰の所為で言ってるか分かってんのあんた…!?、お姉ちゃんを犯すなんて普通の姉弟じゃ絶対ありえないからねって痛い、痛いってば!
せめて、喋ってる間くらい腰止めるとかっ、出来る、…わけないか』
「あ゛っ、だめだ、これ、でりゅ、でりゅっ!!」
ドプッ、ドグッ、ブプッ、ビュグッ
『はっ、え!?まさかとは思うけどっ、ちょ、何か熱っ、熱いの入ってきてる…♥』
処女を突き破られた痛みも素知らぬ顔で腰を振りたくる我が弟。
しかもそのまま、十突きも行かない間にどっぷりと膣内射精、早漏にも程がある。
あーでもすっごい幸せな気分…、なるほど私が欲しかったのはやっぱり精子か…。
自分の求めていた物が分かったとは言え、取り敢えず処女を破かれた仕返しをしなきゃいけないか。
…別に射精が早すぎて痛いのしか感じてないから気持ち良くなりたいとかそう言うのじゃないからね?勘違いしない。
「う、ぐぅ、はふっ…ふぁ、れ?」
『ユミル、あんたねぇ…、お姉ちゃんを魔物って分かってる上でレイプしといて、まさかその程度って事はないでしょうねぇ?』
「れ、い…?え、おねえちゃっ」
『搾り取ってやるから覚悟しなさいよ、えぇっ♪』
「やっ、うあ゛っ、お姉ちゃんっ、やめてええぇっ!!」
何よ、さっきまでとは打って変わって大人しいいつものユミルに戻っちゃって…?
って催眠解けたの!?、じゃあさっさと抜いてあげた方が。
……いや、抜いてもどっちにしろ私の処女を奪ったのはユミル。
なら仕返しの相手は変えなくても良いんだからこのままユミルを襲ってても悪い事なんてないよね…?
…んじゃあさっさとヌイてあげましょうかぁ♥
「いやあああっ!!、やめて、おねっあひゃあああぁ!!」
『やめてと言われてやめられるなら今頃私は売女やってるわよ!♪』
「何で、なんでおねえちゃんが魔物、にっ、やぁあああ…!」
ビュルルルッ、ビュ、ブククッ
『アハハハハァ♥、そうよほらぁ、魔物になったお姉ちゃんに精液捧げてんのよあんたはァ♪
ほらほら、まだ出るでしょうがっ、部屋に入ったときに感じた精液の匂いはまだまだこんな濃さじゃなかったよぉ!』
…あれ?
今なんて…?
『私の知らない間にっ、私以外の誰かに捧げたのと同じだけの精液っ!
それと同じぐらい出すまで絶対開放してあげないからねっ、こらぁ!!』
あれ?何コレ嫉妬かなにか?
…いや、違う。
ユミルが愛しい。ユミルを食べたい。ユミルに種付けして欲しい。
ユミルの全てが、欲しい。
『…あぁ、成る程ね♪』
「ひぐっ、えぐ、もうやだぁ…!」
『やだ?ふうん、私ユミルに嫌われちゃったのかなぁ?
お姉ちゃん悲しいなあ、ユミルのために何でもしてきたのに…』
「ふぐぅっ…、ふぇぇ…?」
『ユミルに嫌われちゃったら、私生きてけなくなっちゃうなぁ…?
魔物って言うのは精子が無いと生きていけないのは分かってるでしょぉ?
私、もうユミルの精子以外なんか不味過ぎて食べられないよぉ?食べたこと無いけど』
「えぅ、そ、そんな…!」
『お姉ちゃんが死ぬの…嫌?』
「そりゃあ、嫌だよっ。たった一人のお姉ちゃんなんだからぁ…ぁひぅ!」
『えへへ、嬉しい…♥
じゃあ、イルウェのこと大好きって言って?、お姉ちゃんじゃだめだよ?、ぜぇったいにイルウェって呼んでね?』
「え、おねえちゃっ…、あふぁ!」
『イ・ル・ウェ♪』
「い、イルウェ…だけど、僕達姉弟なのにっ、こんな事、だめぇ…っ!」
幾らなんでも強情すぎやしないかとも思うほどにセックスを拒絶する私の弟。
愛しくて愛しくて仕方ない、大切な弟。
拒絶の理由だって分かってる、この子は魔物に友達攫われたんだから。
…でも。
私が魔物になった事を拒絶する。
それが仕方ないことは分かってる、だから。
こんな事をしてちゃいけないのでは、とも思えてくる。
『…ユミル。私が死ぬのと、私とずっとこうやって生きていくの…、どっちが良いの?』
「そ、そんなの…」
『分かるよ、「どっちもヤダ」でしょ?
魔物になったお姉ちゃんの事なんかどうでも良いんでしょ?
…どうせ、アンタにだって番が出来ちゃってるんだから、諦めようと思えばどうにかなりそうなのよ』
「お、お姉ちゃん…?」
『…ごめんね、ユミル。
今抜いてあげるから、その番の人と幸せにね。
お姉ちゃんは、アンタのお陰でちゃんとしたサキュバスになれそうだから、心配しないで』
「……………」
幸い、こんな事をしてしまったにしては、心が軽い。
無意識のうちに、吹っ切れてしまえたのかもしれない。
ユミルに対する罪悪感なども募るが、その気になれば忘れられそうなものだ。
愛しくて仕方ないからこそ、私はこの子の幸せを願わなければいけないんだ。
あの公爵に頼んでこの子だけでも外に出してあげなければ。
この辺さえ抜ければ、近くは親魔物領ばかりらしいし。
それじゃ、せめて最後に別れのキスを…。
「お姉ちゃんの馬鹿っ!!」
ズグヂュッ
『お゛ぅっ!?』
しようとしたら、思いっきり下から突き上げられた。
ユミルの性格からして、こんなに大胆な事は出来ない筈だったのに。
「何がっ、どっちもヤダさっ!!僕がお姉ちゃんの事、嫌いになったりするわけないじゃんか!!
ましてや、どうでもいいだなんて…っ、そんな事を考えるぐらいなら、僕は死んでやるっ!!」
『っ、うぐぅぅっ♥、やめて、今にゃらっ、わひゅれられりゅからあぁ!』
「忘れる!?、言っておくけど僕はお姉ちゃんの事忘れる気なんて無いからね!
忘れてたまるもんですか!と言うかお姉ちゃんを手放す気なんて無いよ僕は!!」
『はっ、きゅううううぅっ…♥』
手放す気なんて無い、と言われた瞬間に体が一瞬麻痺したような気がした。
いや、厳密に言えば麻痺などではない。
幸福感が募って溢れ出して絶頂してしまった。
抵抗する気も何処かへ消し飛んでしまうほどに、強烈に。
「ああ、そうだよ!僕がお姉ちゃんを手放さなければ良いんだ!!
絶対に、絶対に大好きなお姉ちゃんを手放すもんか!」
『もう、やだぁぁっ♪大好きって言っちゃ、駄目だってばぁぁ!♪♪』
「じゃあどんな言葉でこの気持ちを伝えれば良いのさ!?、愛してる?好き?それとも結婚してくれって!?
もう言葉だけじゃ伝わらないから受け取ってよお姉ちゃん!!」
『ふぇぁ!?、だめ、今中出しされたら確実に…っ!』
「んむふぅぅっ!」
『んぎゅっ!?、むっ、ふぎゅううぅうっ!!♥』
しっかり抱き締められて、悲鳴さえ上げられない様にディープキスまでしてくる我が弟。
ぎゅうっ、と全身に力を込めながら、確りと子宮目掛けて種付けしてくる。
先程までとは比べ物にならないような量と濃さを持ったユミルの精子達が、私の胎内を蹂躙していく。
私の意識の隅すらも削り取るように、ユミルで頭が満たされていって。
ゆっくりと頭の中が白くぼやけていって。
『ふ、ふぐっ、ひゅぐぅうっ』
「…ぷはっ、お姉ちゃん…、大好きだよ」
沈み行く意識の中に、一言だけ呟いて。
『わっ、らひも、だいひゅき、らよ。ユミル♥』
私は、意識を手放した。
――――&――――
それから、次の日に公爵の所に行って、二人でここに仕えさせて貰える事になった。
公爵って言うのがリリムだってことを知らなかったユミルは物凄く驚いていたが、仕えさせてもらうという案を出してくれた看守さんには感謝をしたい。
どうやらこの屋敷自体が魔界の発生源で、尚且つ魔物化した勇者や教団兵の避難所のようなものだったらしい。
とは言え、それも60人程度いる中の3割程度らしいが。
あの「選別所」とやらも反抗的かどうかの確認のためらしい。
お母さんとお父さんも、お母さんが鎧の所為で魔物化した際にとある少女からここの噂を聞いたそうで、今では仲良くやらしく鍛錬所の教官やってる。
そして、私達の仕事と言うのがこれまた問題。
何と、服の問題で姉弟二人してメイド。
しかもユミルを襲ったダークスライムのヴェノマちゃんまで付いてきた。
『……………』
『ど、どしたのお姉さん…?こ、怖いなぁ…』
『…ユミルの童貞は、私の物だったのに…』
『う゛、…あ、そうだお姉さん?』
『何よ』
『あのー、私ふたなりに出来る薬とか性別反転する薬とか売ってる薬屋さんと付き合いがあるんですよね』
『ピクッ』
『…で、そのー、おクスリ無料であげますし、何発中出ししたりしてもちゃんと男の子に戻れるようになってる薬なので、それで処女奪ってあげるって言うのはどうでしょうか…?』
『…お尻の穴は?』
『しっかり拡張済みですd(`・ω・ ´)』
『貴方はお尻ね(` ・ω・´)b』
「…お姉ちゃん、ヴェノマ、凄く寒気がするんだけど、ちゃんと仕事してる…って。
お姉ちゃん料理!、火消して!!、焦げちゃう焦げちゃう!!
ヴェノマも!、パスタの吹き零れが体に付いてるけど熱くないの!?」
…と、まぁ一応いざこざも無く仲良くやってはいる。
因みにこの後公爵様とお母さんにこっ酷く叱られた。
まあ、それもきっかけでヴェノマちゃんとは悪戯仲間の親友みたいな感じでやってる。
『まあ、ユミル君』
「何?、見ての通りお皿洗いで忙しいんだけど?」
『これからもお姉様共々よろしくお願いします♪』
「…どうしたのさ、突然」
『いえいえ、その歳でお嫁さん二人は辛いかなーと思って♪』
「…そうでもないよ。僕は二人のことが大好きだから」
『…えへへ』
『有り難い限りね、でもお姉ちゃんもサキュバスになったからには昨日までと同じだとは思わないほうが良いわよ!』
「それでもいいよ、どんなに厭らしくなっても、お姉ちゃんはお姉ちゃんだしね」
こんな感じで、ユミルもすっかり魔物に抵抗が無くなった。
このまま行けば直ぐにインキュバスになると思われる。
これから、どれだけ幸せな一生になるのだろうか。
今までの人としての一生が楽しくなかったのかと言えば、そんな事は全く無い。
色んな人に出会って、色んな事を学んできた。
だけど、人として生きていた時は、こんな幸せな感情を感じた事は無かった。
大好きなユミルと、ずっと生きていける。
それだけでも、幸せで胸が張り裂けそうになった。
これからの幸せのために。
『ヴェノマ、ゴニョゴニョゴニョゴニョ…』
『…ふんふん、了解です♪』
三人で…、いや、私達家族で。
最後まで幸せに生きる為に。
『ゆ、ユミル?』
「何、お姉ちゃん?」
『『今後ともよろしくね、旦那様♥』』
これからずうーっと、宜しくね。ユミル♪
【とある教団兵達の愛の形】END
12/12/24 01:57更新 / 荷重狐