ナゲキのキノコは誘う香り
とある休日の昼頃、俺こと耶麻田貴士はマンションの自室で寝そべり
ながら最近買ったマンガを読み漁っていた。何事もなく過ぎていく
日常に若干の倦怠感を感じつつだらけ続けていた頃……
ピンポーン
玄関のチャイムが鳴り、凛々しい少女の声がドアの向こうから
聞こえてきた。
「申し訳ありません。実家から送られてきた食材が一人では
食べきれない程なので、おすそ分けに参りました!」
「あっ、はーい」
俺は生返事をしつつ起き上がり、玄関に向かった。
がちゃり
ドアの向こうには見慣れた顔があった。
「おはようございます貴士さん、いつもすみません……うちの親は
何でか大量の食材を定期的に送ってくるのです。」
「いやぁいいよ、こっちだっていつも貰ってばかりで悪いねえ」
青白く滑らかな肌に、確かな意思を感じさせる金色の瞳。人ならざる
美しさを持つ彼女の名は『東山桜』。この辺りの女子高に通う高校
2年生で、落武者というアンデッドの魔物娘だ。無論魔物と言っても
「オレサマ オマエ マルカジリ」とか言いながら襲い掛かってくる
ようなことは無く、むしろ彼女は人間の比じゃないくらい勤勉で
真面目な女の子だ。
「そんで、中身はどんな物が入ってるのかな?」
「はい!これは<アンデッドハイイロナゲキタケ>というキノコで
名前と見た目は物騒ですけどとても美味しいんですよ!」
「はっはっは、名前はともかく見た目が物騒なキノコってなんだい」
俺はダンボールを開き中身を見る。
「ぐぇえ……」
「ね、物騒な見た目でしょう?」
灰色のキノコのカサにでかでかと浮き出ている模様、亡者が嘆く様を
キノコにプリントしたかのような柄に俺はビビった。そしてキノコが発する
気迫のような何かに2度ビビった。このキノコ、殺るといったら殺る凄味が
あるッ!……とでも訴えかけるかのように全神経がこの茸を食べるなと
囁きかける。
「見た目はアレですけどとてもおいしいんですよ!私の実家ではこれを
お吸い物にしたり、ちらし寿司にも使ってたりしたんですよ!
懐かしいなあ……」
だが桜ちゃんこの表情、仕草を見て、男としてここで引き下がれるか?
据え膳を食わずに礼儀すら守れぬ男を男と呼ぶだろうか?
否!断じて否!
俺は普段からこの娘からたまに食材を貰う事で、豊かな食生活を送ることが
出来ていた……この娘の大好物を貰いながら、それを突き放す事なんて
出来るわけがない!
「ありがとう桜ちゃん、美味しく食べるから」
「本当ですか!正直、人間の方にはこの見た目が受け付けないと思って
いたので不安だったのですが……喜んでいただけてよかっ」
ぐぅー……
桜ちゃんのお腹から、空腹を訴えかける腹の虫の叫びが聞こえた。
「あっ、へっ……申し訳ありません!私ったらはしたない真似を……」
そして赤面しながら涙目になるこのコンボ。正直反則である。
そして俺は思い立った。
「桜ちゃん、良かったらウチでご飯食べていく?」
「……え?」
この娘に最高のキノコ料理を食べさせてあげようと。
今まで俺の生活を支えてくれた彼女への惜しみない感謝、そしてなにより
この娘が俺の作る料理で笑顔になるその瞬間が見たい!そんな行き当たり
ばったりな言葉に、彼女は花が咲き誇るような笑顔を見せてくれた
「いいんですか!」
「おうよ!伊達や酔狂で青春を丸々料理の勉強に費やした訳じゃあないって!」
「私、お料理が苦手なんです。せっかくの大好物もろくに生かせないまま
どんどんと鮮度が落ちていくのかなって思ってたんですけど」
「貴士さんのおかげで、久々に美味しいご飯が食べられそうです!」
……家の中に入り、ワクワクしながら座椅子に座る桜ちゃんを一瞥した後
台所へと入る。ここは男の戦場だ……と知り合いのアマゾネスが言っていた。
そうしてこのアンデッドハイイロナゲキタケ……と言ったか、
見た目はアレだが、独特のバターのような香り……コレを和風料理にして
美味しくいただけるなんてどんな味なんだ?
今になってこの茸に関する特集が組まれていたのを思い出す。
……ヴァンパイアのお嬢さん辺りが好んでた洋風なきのこだ。
ん?和風でも洋風でも食べれるのか……そうだ!
多少創作料理になるが……
「完成したよ。名付けて鮭とナゲキ茸の和風クリームパスタ!」
「うわぁ……凄いです!」
目を輝かせながら全身で喜びを表す桜ちゃん。見かけはクールでお堅い印象を
持たせるような彼女だが、口を開くとその印象をぶち壊すような……
冷静で厳格に努めようとしてずっこけてる半人前の女の子だと思う。
ようはかわいい。
「それでは、いただきます!」
「クリームソースには昆布茶と、鮭はスモークサーモンを使ったんだよ。
ハイイロナゲキタケの香りを存分に」
「美味しいです!」
「あ……さいですか、喜んでもらえてうれしいよ。」
またやってしまった。俺は料理をふるまう時に蘊蓄やこだわりを口走る癖が
あるのだ。幸い食べるのに夢中だったらしく、桜ちゃんは嫌な顔一つしない。
「それじゃあ、俺もそろそろ頂くかな」
食べるのに夢中な桜ちゃんを眺めながら、まずはキノコとサーモンを切り崩し
パスタを絡めて頂きます。
「うん!茸の濃厚な香りとサーモンのスモーク臭、それらをクリームが
丸め込んでいて……」
あれ……なんか意識が…………?まさか……これは毒……!?
どさっ……
私は死んだ。パスタ(笑)
◆ ◆ ◆ ◆
「ごちそうさまでした!」
貴士さんが作ったパスタを無我夢中で食べ終わった。私は野菜と肉のごった煮
程度しか作ることができないので久々のきちんとした料理にありつくことが
出来た。
ああ、でも夢中で食べてたから汚い食べ方をしてたかもしれない
何かマナー違反でもしてたら嫌われてしまうかもしれない……そう考えると
急に気恥ずかしくなり、顔が火照ってしまう。きっと赤く染まっているんだろう。
「とても美味しかったです、私ったら夢中になって食べちゃ……て?」
反応が無い。
貴士さんはパスタの皿に頭を突っ伏したまま動いていなかった。
「……あっ、あれ?どうしたんだろう……」
ゆさゆさ
彼の肩を揺さぶる
ベシッ ベシッ
頭にチョップしてみる。
「お……起きない!息もしてない!」
貴士さんは全く動かず、息もしていないみたい……まさか、
「まさか茸に人間だけに効く毒があったの!?でも、お父さんは食べてたけど
何ともなく……」
困惑していた私だけど、急に別の考えが頭に浮かんできた
「貴士さん……おいしそう。」
彼の体から漏れ出るわずかな精気が、とても美味しそうに感じた……。
ふと、貴士さんの下腹部に目が行く。
勃起している。
何故?彼は呼吸すらしていない……それはつまり心臓が動いていないという事。
おちんぽが充血することで起きる勃起は起こり得ない。
……おっきい。
血液がどうこうとか関係ない。食べたい。ここから出てくる精液をお腹いっぱい
膣内に入れたい。
でも、いきなりこんな事をするのははしたない……
ずるっ
あっ、ズボンと下着、脱がせちゃった。
わたしのからだはかってにうごいて、たかしさんのおちんぽをそとにだしちゃった
「おちんぽ……おちんぽぉ♥♥♥」
◆ ◆ ◆ ◆
俺の意識が段々と元に戻っていく。いきなり気を失った時には驚いたが、
恐らくはあの茸は人間を眠らせる効力があるのではないか……そう考える
俺の体は徐々に五感を取り戻しつつある。
ちゅぷっ ちゅぷっ にゅるるっ
まず戻ってきた聴覚に水音が聞こえてくる
むわっ
次に戻った臭覚に生臭さと甘酸っぱい匂いが混ざった空気を感じる
れるれるっ
味覚が口の中にある甘い粘液と、舌が何かに弄ばれている感覚を伝える。
びくんっびくんっ!
股間から全身に電撃のような快楽の触感を伝えている……。
そして……目が開くと……
「ちゅむるるるううううぅぅっ♥」
桜ちゃんが俺の唇にむしゃぶりつきながら俺の上で腰を振る姿が目に入った。
意識が戻ったのと同時に、肉体に溜まっていた射精感が一気に解放された。
「うぅぅぅうう!?!?!?」
びゅるるるるっ びゅうう びゅうう びゅうう
「あっついの出てますぅ〜〜♥」
ペニスがはじけるような感覚と共に、精液が吐き出される。そのあまりの
快感とこの状況の異常さに、俺はただ桜ちゃんに蹂躙されるしかなかった。
ちゅるるぅ〜 ちゅっぽん
「はあ、はあ、気持ちいいですかぁ?」
「よ、よかったけど……何がどうなってこうなったんだ?」
「それは良かったぁ、それじゃあ続けましょうか♥」
駄目だ、全く人の話を聞いてない。桜ちゃんは再び前のめりになると
騎乗位の姿勢で腰を振りながら、いつの間にか肌蹴させられていた胸元、
乳首を両手でつまむ。
「ああっ、乳首は止めろ!男として大切な何かが!」
「止めてほしいんですか?」
くりくりっ
「イッギィ!!!!!!!!」
「気持ちよさそうに見えますけど♥」
ぱちゅっぱちゅっ ぱん ぱん
くにゅっくにゅっ
「あ゙あ゙あ゙ッ!!!」
「ほら♥ほら♥」
「ん゙ぼぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ッ!」
俺はただ彼女に与えられる快楽に身を震わせることしか出来ず
一方的に蹂躙されている。おかしい、明らかにいつもの桜ちゃんじゃない!
「いやめえええてぇぇ!」
思わず俺がそう叫ぶ
ピタッ
っと桜ちゃんは動きを止めた。
「……本当に嫌なんですか?」
「えっ」
彼女の声は震えていた。先ほどの惚けた顔はどこへやら、
酷くふさぎ込んだような顔になった。
「それはそうですよね、こんな青白い肌の屍に犯されるなんて……
でも、私……
貴方のことが好きだから……止められなくて。」
「……桜ちゃん。」
「私はもとからこういうのが好きで……でも主人になる男の人に
こんな加虐的なことをするなんて武士としてあってはならない事です」
「桜ちゃん!」
「……なんです?」
「何でいきなり犯されてるのかとか全く分かんないけどさ、
君がアンデッドだから嫌うなんて事を俺がするわけないだろ!」
「……アンデッドが嫌いじゃなくても、いきなり襲い掛かった挙句
こんな屈辱的なプレイをされるなんて」
「屈辱的なんかじゃない!これが君の愛なら、俺は喜んで受け入れる!」
「貴士さん……」
「桜ちゃん……」
「そんな事言われたら、もっと激しくしちゃいたくなるじゃないですか♥」
くりくりくりくりくりっ
ぐっぽ ぐっぽ ぐっぽ ぐっぽ
「おおおおぉぉおおおぉぉぉっ!?!」
両乳首を凄まじいスピードでこねくり回し、腰は回転するような動きを
取り入れながらペニスを膣に飲み込ませている。
こ、これはもう無理だ!!!
「もう出る!膣から出さないとっ……!」
ぐいっ
俺がそう思った瞬間、桜ちゃんは俺の足に自分の足を絡め、より激しくピストンを
し始める
ぐぷっぐぷっぐぽっぐぽっぐぽ
「安心してください、今日は危険日ですから一杯孕ませてくださいね♥」
「なっ……ちょっ」
流石に、学生相手に膣内射精をする訳にはいかない!
けどこんなに強い力で組み伏せられたら……ああ、もう……
「あっいぐぅぅうううううううう!!!!」
「好きです!いっぱい出して♥♥」
びゅるびゅるびゅるっ びゅーっ
「ああっ……、流石に高校生を相手に……」
射精が、学生を汚してしまった罪悪感や孕ませてしまう事への苦悩
などの一切を溶かしてペニスから吐き出させて、脳内を快楽によって
満たしていく……ああ、俺はもうだめかもしれない。
「まだまだしてくださいね♥かわいい子供を産みますから♥」
「ふ……ふぁい……」
薄れゆく意識の中、辛うじて窓の外を見た時にはすでに太陽は赤く染まり
暗い闇の中へとその身を沈ませていた。
まるで俺の理性が、魔物の快楽によって深い闇の中に堕ちていくのを
暗示しているように……。
◆ ◆ ◆ ◆
「ほんっとうに済みませんでした!!!」
「いや、いいよ」
あの嵐のような生命のやり取りから1日すぎた後、俺は理性の戻った桜ちゃんに
ひたすらに平謝りされていた。
「アレはひとえに私の知識不足が祟ったものでした!」
「まあ正直あの効果の偏りっぷりには驚かされたし……」
あのキノコの性質を家にあった『魔界キノコ図鑑』という本で調べてみたところ
『未婚の男性が食べると仮死状態になり、アンデッド属の魔物娘を引き寄せる
効果があるから、アンデッドの旦那様になりたい方には是非ともオススメ!』
だそうで……。
「いやいやいやいや!でも、あんないじめのようなエッチなんて……」
「まあ、アレも慣れたら癖になるというか……新しい性癖に目覚めそうに
なったよ、うん」
「……え」
桜ちゃんが獲物を見定めた野獣のような目つきに変わる。もしかして
地雷踏んだ?
「……ゴメンやっぱ今のなしで」
「貴士さん、私……もう」
「ここに居たのか桜!意中の相手がいたと聞いて送り付けた例のキノコ
ちゃんとは届いたか!」
その時扉が開き、桜ちゃんによく似た女性が現れた。彼女の顔を桜ちゃんが
認識した時、驚きを隠せない様子でこう叫んだ。
「お、お母さん!」
「彼が桜の思い人か。で、どうだ?流石にヘタレのお前でもキノコの効果には
抗えなかっただろう?彼とセックスはしたか?」
あ〜、全ては桜ちゃんのお母さんの手の上で踊らされていたという事か。
桜ちゃんはわなわなと肩を震わせながら崩れ落ちた。
「ところで君、名前はなんという?」
「や、耶麻田貴士です……桜ちゃん大丈夫ですかね」
「ああいや、桜を見てみろ、もうすぐ……」
桜ちゃんのほうに視線を向ける……、彼女は何処から取り出したか分からないが
刀を構えていた。あの構えはジパング地方における伝統剣術の類かな?
彼女は下を向いていた顔を実の母に向けて、殺気を露わにした。
「切り捨て御免ッ!!!」
桜ちゃんが自らの母親に飛び掛かる中、当の彼女は俺の顔を見ながらこう言った。
「桜の夫になるなら、この先嫌という程見る光景だ。しっかりと目に焼き付けて置け」
ニカッっと太陽のように笑う彼女の姿を見ると、これが彼女たちの日常なのだろうと
どうしようもないカルチャーショックに襲われた。
だが今はそれ以上に、この一騎打ちで俺の部屋がどんな惨劇に見舞われるのかが
恐ろしくてたまらなかった。
ながら最近買ったマンガを読み漁っていた。何事もなく過ぎていく
日常に若干の倦怠感を感じつつだらけ続けていた頃……
ピンポーン
玄関のチャイムが鳴り、凛々しい少女の声がドアの向こうから
聞こえてきた。
「申し訳ありません。実家から送られてきた食材が一人では
食べきれない程なので、おすそ分けに参りました!」
「あっ、はーい」
俺は生返事をしつつ起き上がり、玄関に向かった。
がちゃり
ドアの向こうには見慣れた顔があった。
「おはようございます貴士さん、いつもすみません……うちの親は
何でか大量の食材を定期的に送ってくるのです。」
「いやぁいいよ、こっちだっていつも貰ってばかりで悪いねえ」
青白く滑らかな肌に、確かな意思を感じさせる金色の瞳。人ならざる
美しさを持つ彼女の名は『東山桜』。この辺りの女子高に通う高校
2年生で、落武者というアンデッドの魔物娘だ。無論魔物と言っても
「オレサマ オマエ マルカジリ」とか言いながら襲い掛かってくる
ようなことは無く、むしろ彼女は人間の比じゃないくらい勤勉で
真面目な女の子だ。
「そんで、中身はどんな物が入ってるのかな?」
「はい!これは<アンデッドハイイロナゲキタケ>というキノコで
名前と見た目は物騒ですけどとても美味しいんですよ!」
「はっはっは、名前はともかく見た目が物騒なキノコってなんだい」
俺はダンボールを開き中身を見る。
「ぐぇえ……」
「ね、物騒な見た目でしょう?」
灰色のキノコのカサにでかでかと浮き出ている模様、亡者が嘆く様を
キノコにプリントしたかのような柄に俺はビビった。そしてキノコが発する
気迫のような何かに2度ビビった。このキノコ、殺るといったら殺る凄味が
あるッ!……とでも訴えかけるかのように全神経がこの茸を食べるなと
囁きかける。
「見た目はアレですけどとてもおいしいんですよ!私の実家ではこれを
お吸い物にしたり、ちらし寿司にも使ってたりしたんですよ!
懐かしいなあ……」
だが桜ちゃんこの表情、仕草を見て、男としてここで引き下がれるか?
据え膳を食わずに礼儀すら守れぬ男を男と呼ぶだろうか?
否!断じて否!
俺は普段からこの娘からたまに食材を貰う事で、豊かな食生活を送ることが
出来ていた……この娘の大好物を貰いながら、それを突き放す事なんて
出来るわけがない!
「ありがとう桜ちゃん、美味しく食べるから」
「本当ですか!正直、人間の方にはこの見た目が受け付けないと思って
いたので不安だったのですが……喜んでいただけてよかっ」
ぐぅー……
桜ちゃんのお腹から、空腹を訴えかける腹の虫の叫びが聞こえた。
「あっ、へっ……申し訳ありません!私ったらはしたない真似を……」
そして赤面しながら涙目になるこのコンボ。正直反則である。
そして俺は思い立った。
「桜ちゃん、良かったらウチでご飯食べていく?」
「……え?」
この娘に最高のキノコ料理を食べさせてあげようと。
今まで俺の生活を支えてくれた彼女への惜しみない感謝、そしてなにより
この娘が俺の作る料理で笑顔になるその瞬間が見たい!そんな行き当たり
ばったりな言葉に、彼女は花が咲き誇るような笑顔を見せてくれた
「いいんですか!」
「おうよ!伊達や酔狂で青春を丸々料理の勉強に費やした訳じゃあないって!」
「私、お料理が苦手なんです。せっかくの大好物もろくに生かせないまま
どんどんと鮮度が落ちていくのかなって思ってたんですけど」
「貴士さんのおかげで、久々に美味しいご飯が食べられそうです!」
……家の中に入り、ワクワクしながら座椅子に座る桜ちゃんを一瞥した後
台所へと入る。ここは男の戦場だ……と知り合いのアマゾネスが言っていた。
そうしてこのアンデッドハイイロナゲキタケ……と言ったか、
見た目はアレだが、独特のバターのような香り……コレを和風料理にして
美味しくいただけるなんてどんな味なんだ?
今になってこの茸に関する特集が組まれていたのを思い出す。
……ヴァンパイアのお嬢さん辺りが好んでた洋風なきのこだ。
ん?和風でも洋風でも食べれるのか……そうだ!
多少創作料理になるが……
「完成したよ。名付けて鮭とナゲキ茸の和風クリームパスタ!」
「うわぁ……凄いです!」
目を輝かせながら全身で喜びを表す桜ちゃん。見かけはクールでお堅い印象を
持たせるような彼女だが、口を開くとその印象をぶち壊すような……
冷静で厳格に努めようとしてずっこけてる半人前の女の子だと思う。
ようはかわいい。
「それでは、いただきます!」
「クリームソースには昆布茶と、鮭はスモークサーモンを使ったんだよ。
ハイイロナゲキタケの香りを存分に」
「美味しいです!」
「あ……さいですか、喜んでもらえてうれしいよ。」
またやってしまった。俺は料理をふるまう時に蘊蓄やこだわりを口走る癖が
あるのだ。幸い食べるのに夢中だったらしく、桜ちゃんは嫌な顔一つしない。
「それじゃあ、俺もそろそろ頂くかな」
食べるのに夢中な桜ちゃんを眺めながら、まずはキノコとサーモンを切り崩し
パスタを絡めて頂きます。
「うん!茸の濃厚な香りとサーモンのスモーク臭、それらをクリームが
丸め込んでいて……」
あれ……なんか意識が…………?まさか……これは毒……!?
どさっ……
私は死んだ。パスタ(笑)
◆ ◆ ◆ ◆
「ごちそうさまでした!」
貴士さんが作ったパスタを無我夢中で食べ終わった。私は野菜と肉のごった煮
程度しか作ることができないので久々のきちんとした料理にありつくことが
出来た。
ああ、でも夢中で食べてたから汚い食べ方をしてたかもしれない
何かマナー違反でもしてたら嫌われてしまうかもしれない……そう考えると
急に気恥ずかしくなり、顔が火照ってしまう。きっと赤く染まっているんだろう。
「とても美味しかったです、私ったら夢中になって食べちゃ……て?」
反応が無い。
貴士さんはパスタの皿に頭を突っ伏したまま動いていなかった。
「……あっ、あれ?どうしたんだろう……」
ゆさゆさ
彼の肩を揺さぶる
ベシッ ベシッ
頭にチョップしてみる。
「お……起きない!息もしてない!」
貴士さんは全く動かず、息もしていないみたい……まさか、
「まさか茸に人間だけに効く毒があったの!?でも、お父さんは食べてたけど
何ともなく……」
困惑していた私だけど、急に別の考えが頭に浮かんできた
「貴士さん……おいしそう。」
彼の体から漏れ出るわずかな精気が、とても美味しそうに感じた……。
ふと、貴士さんの下腹部に目が行く。
勃起している。
何故?彼は呼吸すらしていない……それはつまり心臓が動いていないという事。
おちんぽが充血することで起きる勃起は起こり得ない。
……おっきい。
血液がどうこうとか関係ない。食べたい。ここから出てくる精液をお腹いっぱい
膣内に入れたい。
でも、いきなりこんな事をするのははしたない……
ずるっ
あっ、ズボンと下着、脱がせちゃった。
わたしのからだはかってにうごいて、たかしさんのおちんぽをそとにだしちゃった
「おちんぽ……おちんぽぉ♥♥♥」
◆ ◆ ◆ ◆
俺の意識が段々と元に戻っていく。いきなり気を失った時には驚いたが、
恐らくはあの茸は人間を眠らせる効力があるのではないか……そう考える
俺の体は徐々に五感を取り戻しつつある。
ちゅぷっ ちゅぷっ にゅるるっ
まず戻ってきた聴覚に水音が聞こえてくる
むわっ
次に戻った臭覚に生臭さと甘酸っぱい匂いが混ざった空気を感じる
れるれるっ
味覚が口の中にある甘い粘液と、舌が何かに弄ばれている感覚を伝える。
びくんっびくんっ!
股間から全身に電撃のような快楽の触感を伝えている……。
そして……目が開くと……
「ちゅむるるるううううぅぅっ♥」
桜ちゃんが俺の唇にむしゃぶりつきながら俺の上で腰を振る姿が目に入った。
意識が戻ったのと同時に、肉体に溜まっていた射精感が一気に解放された。
「うぅぅぅうう!?!?!?」
びゅるるるるっ びゅうう びゅうう びゅうう
「あっついの出てますぅ〜〜♥」
ペニスがはじけるような感覚と共に、精液が吐き出される。そのあまりの
快感とこの状況の異常さに、俺はただ桜ちゃんに蹂躙されるしかなかった。
ちゅるるぅ〜 ちゅっぽん
「はあ、はあ、気持ちいいですかぁ?」
「よ、よかったけど……何がどうなってこうなったんだ?」
「それは良かったぁ、それじゃあ続けましょうか♥」
駄目だ、全く人の話を聞いてない。桜ちゃんは再び前のめりになると
騎乗位の姿勢で腰を振りながら、いつの間にか肌蹴させられていた胸元、
乳首を両手でつまむ。
「ああっ、乳首は止めろ!男として大切な何かが!」
「止めてほしいんですか?」
くりくりっ
「イッギィ!!!!!!!!」
「気持ちよさそうに見えますけど♥」
ぱちゅっぱちゅっ ぱん ぱん
くにゅっくにゅっ
「あ゙あ゙あ゙ッ!!!」
「ほら♥ほら♥」
「ん゙ぼぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ッ!」
俺はただ彼女に与えられる快楽に身を震わせることしか出来ず
一方的に蹂躙されている。おかしい、明らかにいつもの桜ちゃんじゃない!
「いやめえええてぇぇ!」
思わず俺がそう叫ぶ
ピタッ
っと桜ちゃんは動きを止めた。
「……本当に嫌なんですか?」
「えっ」
彼女の声は震えていた。先ほどの惚けた顔はどこへやら、
酷くふさぎ込んだような顔になった。
「それはそうですよね、こんな青白い肌の屍に犯されるなんて……
でも、私……
貴方のことが好きだから……止められなくて。」
「……桜ちゃん。」
「私はもとからこういうのが好きで……でも主人になる男の人に
こんな加虐的なことをするなんて武士としてあってはならない事です」
「桜ちゃん!」
「……なんです?」
「何でいきなり犯されてるのかとか全く分かんないけどさ、
君がアンデッドだから嫌うなんて事を俺がするわけないだろ!」
「……アンデッドが嫌いじゃなくても、いきなり襲い掛かった挙句
こんな屈辱的なプレイをされるなんて」
「屈辱的なんかじゃない!これが君の愛なら、俺は喜んで受け入れる!」
「貴士さん……」
「桜ちゃん……」
「そんな事言われたら、もっと激しくしちゃいたくなるじゃないですか♥」
くりくりくりくりくりっ
ぐっぽ ぐっぽ ぐっぽ ぐっぽ
「おおおおぉぉおおおぉぉぉっ!?!」
両乳首を凄まじいスピードでこねくり回し、腰は回転するような動きを
取り入れながらペニスを膣に飲み込ませている。
こ、これはもう無理だ!!!
「もう出る!膣から出さないとっ……!」
ぐいっ
俺がそう思った瞬間、桜ちゃんは俺の足に自分の足を絡め、より激しくピストンを
し始める
ぐぷっぐぷっぐぽっぐぽっぐぽ
「安心してください、今日は危険日ですから一杯孕ませてくださいね♥」
「なっ……ちょっ」
流石に、学生相手に膣内射精をする訳にはいかない!
けどこんなに強い力で組み伏せられたら……ああ、もう……
「あっいぐぅぅうううううううう!!!!」
「好きです!いっぱい出して♥♥」
びゅるびゅるびゅるっ びゅーっ
「ああっ……、流石に高校生を相手に……」
射精が、学生を汚してしまった罪悪感や孕ませてしまう事への苦悩
などの一切を溶かしてペニスから吐き出させて、脳内を快楽によって
満たしていく……ああ、俺はもうだめかもしれない。
「まだまだしてくださいね♥かわいい子供を産みますから♥」
「ふ……ふぁい……」
薄れゆく意識の中、辛うじて窓の外を見た時にはすでに太陽は赤く染まり
暗い闇の中へとその身を沈ませていた。
まるで俺の理性が、魔物の快楽によって深い闇の中に堕ちていくのを
暗示しているように……。
◆ ◆ ◆ ◆
「ほんっとうに済みませんでした!!!」
「いや、いいよ」
あの嵐のような生命のやり取りから1日すぎた後、俺は理性の戻った桜ちゃんに
ひたすらに平謝りされていた。
「アレはひとえに私の知識不足が祟ったものでした!」
「まあ正直あの効果の偏りっぷりには驚かされたし……」
あのキノコの性質を家にあった『魔界キノコ図鑑』という本で調べてみたところ
『未婚の男性が食べると仮死状態になり、アンデッド属の魔物娘を引き寄せる
効果があるから、アンデッドの旦那様になりたい方には是非ともオススメ!』
だそうで……。
「いやいやいやいや!でも、あんないじめのようなエッチなんて……」
「まあ、アレも慣れたら癖になるというか……新しい性癖に目覚めそうに
なったよ、うん」
「……え」
桜ちゃんが獲物を見定めた野獣のような目つきに変わる。もしかして
地雷踏んだ?
「……ゴメンやっぱ今のなしで」
「貴士さん、私……もう」
「ここに居たのか桜!意中の相手がいたと聞いて送り付けた例のキノコ
ちゃんとは届いたか!」
その時扉が開き、桜ちゃんによく似た女性が現れた。彼女の顔を桜ちゃんが
認識した時、驚きを隠せない様子でこう叫んだ。
「お、お母さん!」
「彼が桜の思い人か。で、どうだ?流石にヘタレのお前でもキノコの効果には
抗えなかっただろう?彼とセックスはしたか?」
あ〜、全ては桜ちゃんのお母さんの手の上で踊らされていたという事か。
桜ちゃんはわなわなと肩を震わせながら崩れ落ちた。
「ところで君、名前はなんという?」
「や、耶麻田貴士です……桜ちゃん大丈夫ですかね」
「ああいや、桜を見てみろ、もうすぐ……」
桜ちゃんのほうに視線を向ける……、彼女は何処から取り出したか分からないが
刀を構えていた。あの構えはジパング地方における伝統剣術の類かな?
彼女は下を向いていた顔を実の母に向けて、殺気を露わにした。
「切り捨て御免ッ!!!」
桜ちゃんが自らの母親に飛び掛かる中、当の彼女は俺の顔を見ながらこう言った。
「桜の夫になるなら、この先嫌という程見る光景だ。しっかりと目に焼き付けて置け」
ニカッっと太陽のように笑う彼女の姿を見ると、これが彼女たちの日常なのだろうと
どうしようもないカルチャーショックに襲われた。
だが今はそれ以上に、この一騎打ちで俺の部屋がどんな惨劇に見舞われるのかが
恐ろしくてたまらなかった。
17/04/09 18:35更新 / なめろう