転魔の書 ダークマター編
魔王城に向かう道のりにはいくつものパターンが存在する。
すべての道が魔王城に通じるわけではないが、しかし確実に魔王城に向かって侵攻が可能であると言われている道はいくつも存在し、教団の勢力下では「勇者の道」「英雄の足跡」などと呼ばれ、魔物の勢力下では「快楽の道」「魔界化の予定線」と言われる。
多くの勇者がその道を通って魔界に侵入し、そして帰らぬ人となった。
逆に多くの魔物がその道を通って魔界を広げ、魔王勢力の拡大に貢献した。
そんな「勇者の道」から離れた魔界にほど近い森の中。
そこで、女勇者レニー・スティルバーグとその従者アル・ワイルダーは野営していた。
村人が見かけた「黒い球状の奇怪な魔物」を討伐するために、旅を一時断念してこの森で捜索を開始したのだ。
「見つからなかったな。」
「そうね……いる気配はあるんだけど……」
アルの言葉にレニーが答える、周囲から感じられる強い魔物の気配から近くにいることは間違いないはずだが、二人が一日探しても影も形も見つけられなかった。
レニーは膝を抱えて座り込んだまま、足元の剣を足先でつついている。
「不安なのか?」
「まさか、あんたこそ怖いの?」
アルの質問を即否定し、逆に質問を返す、彼女に元気がないときにはアルはたいてい似たような質問をする。そうすると彼女は少し強がって、そしてその強がりを本音に変える。
「怖くはないけど、何か嫌な予感がする。」
「怖いんじゃない、正直に頼っていいのよあんたより強いこの私に。」
レニーは胸を張りながら冗談のようにそう口にする、確かにレニーはアルよりも強い、だからこそ彼女が勇者で彼が従者になっているのだ。
二人は同じ勇者養成機関の出身だった。
そしてレニーはその首席、アルは僅差でそれに次いで次席。二人とも今までに養成機関が輩出したどんな勇者よりも優秀な成績を叩きだしたために最も戦果を挙げる勇者として、それどころか世界を救い得る逸材として期待されていた。
しかし、そんな「期待の逸材」を面白く思わないものは少なくない。
彼女はとにかく強い、次席のアルがどうにか相手になる程度で、他の有象無象とは次元が違いすぎ、組手練習の時にはほとんどアルがつきっきりで相手をしているか、そうでなければ彼女は訓練場の隅で素振りをしていた。
彼女に比べて実力の大きく劣る他の候補生たちと深く交流してもお互い得られるものが少ないからこそとっていた行動だったのだが、同輩たちにはそれが面白くない。
さらに言えばアルと試合をした場合には下手をすれば指導者たちよりもずっと的を射た、しかもその上で理解しやすい指導をしてもらえるためアルは他の候補生から人気者だったのだから余計にレニーは周囲から嫌われる。
ほとんどの候補生たちは彼女を無視し、そして嫌がらせを繰り返すようになった。部屋にいない隙に服を破り、共同訓練ではわざと彼女が余るように集団で組み分けを操作する。
「レニー、もう寝ろ。俺は見張りしておくから。」
険しい顔になっていたレニーに向けて、アルはそう声をかける。
手元に大きなハルバードを用意して、いつでも戦えるようにしてある。
「変なことしないでよ?」
「しねーよ。」
冗談に即答するのもどうかと思う、しかしその気がないことはレニーも重々承知していた、宿に泊まっているとき以外いつもアルが見張りをしているのだからする気があれば今までも何度だってその機会はあったのだ。
「お休み。」
女性として望ましい性質と言えるのか微妙なところだが、レニーはどんな場所でも短時間で眠りにつく能力がある、どれだけ物音が煩かろうがどんなに明るかろうが関係ない。
眼を閉じて数秒で、レニーは寝息を立てはじめる。
そんな彼女の寝顔を、アルは優しい笑顔で見守っていた。
『本当むかつくよな』『強いだけじゃねーか』『アルが味方してなかったら俺たちで潰してやるのによ』『あんな奴勇者の器じゃねーよ』『何様のつもりだよ』『服破れたのぉ? だっさーいキャハハハハ』『さっさと魔界に特攻して死んでくれないかな。』『アル君とベタベタしやがって腐れビッチが』
声が聞こえる。レニーに嫌がらせをしてきた多くの同輩たちの声だ。嫌がらせをして、へらへら笑っていた彼女の敵たちの声だ。
誰よりも強い勇者になるために人一倍努力して、自分の幸せだって捨ててきた。
本当は恋もしたかったし、他の誰かと仲良くもなりたかった。
けれどもそれが強くなることへの足かせになるんじゃないか、自分を弱くすることにつながるのではないかと必死に耐えていた。
他人との交流だって避けて、ひたすらに自分を鍛えて、剣術しかとりえのなかった自分に期待してくれた人に、勇者になろうとする自分を応援してくれた人に、孤児だった自分を育ててくれた人に報いようとした。
どれだけ疎まれようが、どれだけ嫌がらせをされようが気にしなかった。
それこそが自分の使命だとすら思っていたからだ。
しかしそれに対して、無自覚であろうが文句を言うやつがいた。
一度、組手であぶれて素振りをしていた時に足を負傷したアルがレニーに声をかけてきたことがあった、話の内容は「自分の夢について」
「別にどうでもいいこと」と返答しても食い下がってきたアルに、レニーは自分の夢を嫌々語った。
「魔王を倒して世界を救う、そうすればみんなが幸せになれる。私が今までお世話になった人も……腹が立つけどここにいる私に嫌がらせしてきた奴も。」
そう答えたらアルは少しだけ悲しそうな顔で
「お前は? 世界を救ってみんなが笑顔ならそれでいいのか?」
最初言っている意味が分からなくて、レニーは首を傾げたことを良く覚えている。
「必死で戦って世界救ってみんなを幸せにして、お前の幸せはどうするんだ?」
そうやって、アルは聞き直した、その言葉に対して明確な答えを持っていなかったレニーは「そんなの後で考えるわよ。」と答えた。
「自分の幸せ諦めたら、世界は救えないぞ。」
そう言い切ったアルに、レニーは躊躇なく蹴りを入れていた。
知ったような口をきいて自分を全否定されたような、そんな怒りを感じた。
「あんたなんかに私の何がわかるのよ!!」
悲鳴に近い叫びをあげてレニーは跳び起きた。
何処から寝付いて夢を見たのかはわからないが、眠っていたらしい。
毛布を掛けてくれたらしき青年はレニーの正面に座ったまま、驚いた表情で彼女を見ている。腹立ち交じりにその顔を睨むと彼は困惑した表情を見せる。
怒っても仕方のないことと思う一方で、どうしても不愉快でたまらなくもあった。
「大丈夫」
「ちょっと散歩してくるわ。一人で。いいわね? 『一人で』」
声をかけてきたアルを目で制し、念を押してから剣を持って立ち上がる、彼は悪くない、それは分かっているはずなのにどうしてもイライラして、あてもなく森の中を歩きだす。
魔物がいることは分かっている、しかしレニーは自分が負けるところなど想像したこともなかった。いつだって強さを得るために、自分の幸せすら捨ててきたから。
しばらく歩いたところで後ろを振り向いてみても、アルは追ってきていない。
自分が一人になりたいと言ったくせに、レニーはそのことにもさらに苛立ちを覚えて近くの木を八つ当たり気味に切り倒した。
バキバキと大きな音を立てて木が倒れていく中で、レニーは強烈で不気味な「何か」が自分の存在を察知して向かってきていることに気が付いた。
馬鹿でかい物音を聞いたからだろう、ゆったりその存在感が大きくなるにつれて、レニーの耳には少女の喘ぎ声のようななまめかしい音も同時に届く。
「あはぁ………♥ んぁあ♪ いいの…いイのぉ……」
ざわざわと頭に響き、耳を不快にさせる甘い声。
そしてその主が姿を見せる、白い肌をした長い黒髪の少女が跨った黒い球体から生える触手に犯されているような魔物、ダークマター。
魔物であることを確信してレニーは躊躇なくそいつに切りかかった。
剣を抜きながら跳躍し、腹を狙い切り付ける。
しかし、剣はダークマターの女性部分に届く前に触手に絡め取られていた。
剣をはなし距離を取ろうとレニーが判断するより前に、触手は逃がさないと言わんばかりにレニーの手足を絡め取り、服の中にまで侵入する。
「お姉サん……乱暴ダなぁ…せっかク楽しんでたのに。」
ダークマターは少し頬を膨らませてレニーを見る。
「アンタが……依頼の魔物ね………」
レニーもダークマターを睨みつけるが、魔物は気にした様子も見せず捕えた人間の体を触手でまさぐっている。少し剣をひねり、剣も取り上げてしまう。
こいつを倒せば周辺の人々が魔界に怯える必要はひとまずなくなる、しかし今触手に絡め取られて身動きできないレニーには攻撃の手段がない。
「依頼? 何ソれ……そんなコとよりお姉サんも気持ち良くナろ? この子…上手ダよ?」
ダークマターが少しだけ腰をあげると、小さな陰唇にねじ込まれた太くたくましい触手の一本がレニーの視界に入る、しかもその触手は愛液に濡れながらピストンを続けている。
「っ!!?」
そのおぞましさにレニーは言葉を失う、その一方で触手は上手に服をはぎ取っていき、彼女のそれほど大きくはないが小さくは決してない乳房が露出させられ、スカートの下のショーツもするするとはぎ取られていく。
「くのっ! 脱がすなぁっ!!」
必死に抵抗するが触手と彼女の力では触手の方が上で数は触手の方が明らかに多い。ほとんど気にされることもなく触手のうち一番太くて卑猥な形をしたものがレニーの股間に宛がわれる。
「ひっ!? 無理無理!! そんなの無理っ! 裂けちゃう、お腹裂けるっ!!」
スカートの中に侵入するまでの短い時間しか見えなかったせいなのかそれはレニーの目には異常なまでに太く凶暴に映り、性体験もない彼女はそれに怯えてパニックに陥る。
「大丈夫だいジョうぶ、痛クない痛クない」
にこやかな笑顔を見せたダークマターに向けて抗議しようとレニーが口を開いた瞬間。
「いギぃっ!!」
みちみちと肉を裂くような音を立て、黒い触手が誰も使ったことのないまっさらなピンクの淫肉を強引に掻き分けていく。圧迫感のあまりに声を出すことすら出来ず、目をむいて体を弓なりにのけぞらせ、酸素を求め口をパクパクと開閉する。
(痛いっ!! 苦しいっ! なのになんで体熱くっ!!?)
体を壊されているのではないかと錯覚するほどの激痛に襲われているのに彼女の体は熱く火照り、快感を求めて疼く。浸食を始めた魔物の魔力が痛覚を和らげ快感を増幅しているのだ。
ずぷぷぷぷぷ ずにゅぅうううううううう
一度確かめるように奥まで進み処女膜を破った触手は今度は流れを変えて下がっていく。
「はぁっ………?」
終わったのか、そんな甘い考えがレニーの脳裏をよぎった瞬間
じゅぼぼぼっごづん!
「―――――――――――――――――――――――ッ!!!?」
一瞬のうちに意識がどこか遠くに飛んでいくほどの勢いで触手が膣内を押し広げながら子宮口を乱暴に打ち据える。声にならない悲鳴を上げたレニーの体は弓なりにのけぞり、その衝撃と快感の威力を如実に示す。
じゅぽっじゅぼっぼっぼっじゅぼん! ずっずっずずぅ ずん!
「ふぐぅっ! んっ!! あっくぅっ、はォっ!?」
触手は乱暴にしかし的確にレニーの弱い部分を理解して激しく責め立てる、必死に彼女が声を漏らすまいと歯を食いしばっても、その快感のあまりどうしても我慢をし切れない。
ずちゅっずっちゅ ずぱん! ずんっずっずっずっずっずっ!
激しく奥までかき回されたかと思ったら、浅いところをぐりぐりと何度も虐められて全く別の快感を押し込まれる、慣れることも許されずただ翻弄されるばかり。
ずにゅるるるっ! どちゅん!! ずぐっずぐっずぐっずぐっ
「んひぃいっ!! うァあああん! らめっおかしくなるぅ♥」
ずぶぢゅっずんずぷぷぷぷっ どぐっ!!
好き放題に蹂躙されているはずなのにそれが気持ち良くてたまらない。
乱暴なほどの強さで子宮を突かれるのもGスポットを虐められるのもすべてが快感に変わってしまう。
(犯されてるっ♪ ぐちゃぐちゃにされてるのにっ! 気持ちいいっ♥)
強い快感を脳髄に押し付けられるごとに、レニーの思考が溶けていく。触手が体をまさぐり、胸を揉みしだかれ引き締まったお尻に触手をなすりつけられても抵抗しないどころか気持ちよさそうにそれを受け入れる。
(気持ちいい……♪ けど足りない……もっと欲しいよぉ♥)
全身を触手に嬲られているというのにまだ貪欲に快楽を求めようとする。
「気持チ良サそうな顔シてるねお姉サん♥、気ニ入ッてくれた?」
「だめぇ……足りないぃ………」
快楽に満足できないレニーはそうダークマターに答える、するとダークマターも嬉しそうに「そっか、それなら私ト一緒ニなろうよ。」と言って、触手がレニーの体を引き寄せ、球体部分に跨らせる形で密着させる。
するとぬるぬると大量の触手が姿を現して、レニーの体に殺到する。
乳首に吸い付き、胸を搾り、首筋を舐めまわし、臍やわき腹を撫でまわし、尻穴にまで触手が侵入してなおレニーは何かが足りないと感じていた。
彼女の背中に密着しながらダークマターは
「お姉サん、好キな人イるの?」
その言葉に一瞬だけアルの顔が浮かんできて体を震えさせるが、
「いないわよぉ………いないのぉ…………」
すぐに首を振って否定する、ダークマターの質問に答えるよりも自分に言い聞かせるように。
「嘘ダよ、だってわかるもん。気ヅいてない? 私トお姉サん、一ツになって行ッてるんだよ? だから覚えてたことも、隠シてる気持チも全部ワかるの。」
ダークマターにそう言われてやっと、レニーは自分の髪が黒く染まり、ダークマターの少女の輪郭がぼやけていることに気が付いた。
「誰モ幸セに出来テないのに自分ガ幸セになるのはおかしい? そんなことないんだよ? だってお姉サんが幸セになったら周リのみんなも幸セに出来ルんだから。」
「え……?」
心がぐらつく音がして、その音がレニーの耳に届いた直後に彼女の頭に快感の電流が走った。膣内を抉りまわしていた触手が子宮まで入り込んだのだ。
「あ゙………かっ………」
「今スっごく気持チ良クて幸セだよね? この幸セを皆ニふりまけるんだよ?」
その言葉は魔物になりつつある彼女にも、そして「誰かを幸せにすること」を目標にしていた勇者としての彼女にもとても魅力的な言葉に聞こえた。
『だから、大好キなアルと幸セにエッチしに行コうよ、ほら♥』
最後の言葉は頭の中から聞こえた、幼い少女のダークマターの姿は完全に消え、そこに残ったのはすべてを「幸せ」で包みたいと切に願う堕ちた勇者だった。
レニーがいつまでたっても帰らず、心配で行動を始めたアルはレニーがダークマターと同化する光景を目撃していた。
彼が見つけた時にはすでに手遅れなほどに浸食が進行していて、彼女を助けるすべはないと確信していったんその場を離れた。頭の中を整理する時間が欲しかった。
レニーの従者として彼女と一緒に行動することが決まった時、アルに目をかけていた教官の一人が言った言葉を思い出す。
「レニーがもし魔物になるようなことがあれば……いいな、お前は彼女を『迷わず、確実に』殺せ。彼女ほどの実力を持った勇者が敵に取り込まれれば以後どれほどの脅威になるか分かったものではない。」
感覚としては話半分に聞いていた程度の言葉が今、現実になってしまった。いざなってみると、アルはその覚悟がなかったことを思い知る。
一緒に訓練をするうちに、彼女と言い争ったり殴り合ったりしているうちに彼女に対して愛おしさが芽生えていた、彼女を守りたいと本気で思っていた。
(殺せるのか? けど俺がレニーを殺す? ………無理だ。)
勇者の従者として判断するのなら殺すべきだ、どれほどの被害を生むのかわからない。
しかしアル・ワイルダーと言う人間として判断するのなら「それは無理」
愛しい少女を殺した先に何があるのかなど考えることもできない。
どれほど考えてもまともな答えは返ってこない、かといって彼女をこのまま放置することなどできるわけもない。
「みーつけた♥」
レニーが姿を現したとき、反射的に槍を捨てていた、戦うことなどできるはずがない、ましてや彼女を手にかけられるわけがない。それがアルの結論だった。
「アルぅ……わたしと一緒に、んぁっ♪ 幸せになろ?」
甘い声だけでも脳が解かされそうになるほど強い欲望と魔力の乗った声。
「ああ……ずっとそばにいる、もうお前を一人にしない。」
「うれしぃよ……ずっと一緒だからね♥」
レニーがアルの体に抱きつき、男性部分の黒い球体がアルの体に入り込んでいく。
それにより急激にインキュバス化したアルは、何の迷いもなく服を脱ぎ棄ててレニーを地面に押し倒しギンギンに怒張した肉棒を彼女の膣内に押し込む。
「はぁぅうううううううううううううううううん!!」
それだけで彼女はなまめかしい声を上げて絶頂する、しかしアルはそれに満足せず彼女の体を抱き上げると下から激しく突き上げる、今まで隠してきた愛情と、魔物の魔力によって覚醒させられた性欲が結びついて抑えることができない。
ずぱんっずちゅん! ぱんぱんぱんぱんぱん!!
労わることすらなくただ激しくレニーの体を貪るように味わう、しかしレニーはそれを受け入れて快楽に顔をとろけさせる。
ずぢゅん! ずぶっずぐっずっぷぬっぷ
獣欲に任せて激しく突き上げ、ゴリゴリと奥まで抉っては一度根元のあたりまで引き抜き、そしてもう一度今度は抜き差しを繰り返しながら奥まで徐々に押し進み、
ごつん!
「ふぅゔ――――――――――――――――――――――ッ!!」
奥まで到達するとレニーはくぐもった悲鳴を上げて快感に悶える。
しかしアルは奥が弱いことに気付いたらしく、彼女の体を強く抱きしめながらゴツゴツと何度も同じ場所を攻める、そしてよほど気持ちいいのか突かれるごとにレニーの顔から理性が薄れていく。
「アルっ! ありゅぅっ! らいしゅき、愛してるっ!!」
そんな言葉をレニーが放った瞬間、アルの中で最後の鎖が切れた。
「俺もお前を愛してるっ!! だから、出すぞ!!」
そう宣言して、アルは肉棒からせきを切ったように濃厚で多量の精液を放つ。
レニーも全身でアルに抱き着きながら、それを受け止めた。
どろりと彼女から濃厚な魔力があふれ出て、周囲に広がっていく。
「ねえアル……言ってたことの意味、分かったわよ?」
「は? 俺はお前に何か言ってたか?」
「言ったわよ、『自分の幸せ諦めたら世界は救えない』覚えてるわ。」
少し頬を膨らませて、彼に抱きしめられたまま彼女は語る。
「ここで私とあんたが幸せになれば………周りの皆も幸せにできるの。あの子が言ってたわ。」
顔を少しだけ赤く染めて、レニーはアルに
「だから、世界中の誰より幸せにして?」
そんなことを、我がままで傲慢だった少女が言ってのけたのだ、上目遣いで。
「ああ、約束する……世界中の皆に分けてやれるくらい幸せになろうな」
回答はそれしかなかった。
煌々と魔界を照らす、美しくも禍々しい闇の太陽がまた一つ。
全てを幸せにする、新しい快楽にまみれた聖戦が始まった。
すべての道が魔王城に通じるわけではないが、しかし確実に魔王城に向かって侵攻が可能であると言われている道はいくつも存在し、教団の勢力下では「勇者の道」「英雄の足跡」などと呼ばれ、魔物の勢力下では「快楽の道」「魔界化の予定線」と言われる。
多くの勇者がその道を通って魔界に侵入し、そして帰らぬ人となった。
逆に多くの魔物がその道を通って魔界を広げ、魔王勢力の拡大に貢献した。
そんな「勇者の道」から離れた魔界にほど近い森の中。
そこで、女勇者レニー・スティルバーグとその従者アル・ワイルダーは野営していた。
村人が見かけた「黒い球状の奇怪な魔物」を討伐するために、旅を一時断念してこの森で捜索を開始したのだ。
「見つからなかったな。」
「そうね……いる気配はあるんだけど……」
アルの言葉にレニーが答える、周囲から感じられる強い魔物の気配から近くにいることは間違いないはずだが、二人が一日探しても影も形も見つけられなかった。
レニーは膝を抱えて座り込んだまま、足元の剣を足先でつついている。
「不安なのか?」
「まさか、あんたこそ怖いの?」
アルの質問を即否定し、逆に質問を返す、彼女に元気がないときにはアルはたいてい似たような質問をする。そうすると彼女は少し強がって、そしてその強がりを本音に変える。
「怖くはないけど、何か嫌な予感がする。」
「怖いんじゃない、正直に頼っていいのよあんたより強いこの私に。」
レニーは胸を張りながら冗談のようにそう口にする、確かにレニーはアルよりも強い、だからこそ彼女が勇者で彼が従者になっているのだ。
二人は同じ勇者養成機関の出身だった。
そしてレニーはその首席、アルは僅差でそれに次いで次席。二人とも今までに養成機関が輩出したどんな勇者よりも優秀な成績を叩きだしたために最も戦果を挙げる勇者として、それどころか世界を救い得る逸材として期待されていた。
しかし、そんな「期待の逸材」を面白く思わないものは少なくない。
彼女はとにかく強い、次席のアルがどうにか相手になる程度で、他の有象無象とは次元が違いすぎ、組手練習の時にはほとんどアルがつきっきりで相手をしているか、そうでなければ彼女は訓練場の隅で素振りをしていた。
彼女に比べて実力の大きく劣る他の候補生たちと深く交流してもお互い得られるものが少ないからこそとっていた行動だったのだが、同輩たちにはそれが面白くない。
さらに言えばアルと試合をした場合には下手をすれば指導者たちよりもずっと的を射た、しかもその上で理解しやすい指導をしてもらえるためアルは他の候補生から人気者だったのだから余計にレニーは周囲から嫌われる。
ほとんどの候補生たちは彼女を無視し、そして嫌がらせを繰り返すようになった。部屋にいない隙に服を破り、共同訓練ではわざと彼女が余るように集団で組み分けを操作する。
「レニー、もう寝ろ。俺は見張りしておくから。」
険しい顔になっていたレニーに向けて、アルはそう声をかける。
手元に大きなハルバードを用意して、いつでも戦えるようにしてある。
「変なことしないでよ?」
「しねーよ。」
冗談に即答するのもどうかと思う、しかしその気がないことはレニーも重々承知していた、宿に泊まっているとき以外いつもアルが見張りをしているのだからする気があれば今までも何度だってその機会はあったのだ。
「お休み。」
女性として望ましい性質と言えるのか微妙なところだが、レニーはどんな場所でも短時間で眠りにつく能力がある、どれだけ物音が煩かろうがどんなに明るかろうが関係ない。
眼を閉じて数秒で、レニーは寝息を立てはじめる。
そんな彼女の寝顔を、アルは優しい笑顔で見守っていた。
『本当むかつくよな』『強いだけじゃねーか』『アルが味方してなかったら俺たちで潰してやるのによ』『あんな奴勇者の器じゃねーよ』『何様のつもりだよ』『服破れたのぉ? だっさーいキャハハハハ』『さっさと魔界に特攻して死んでくれないかな。』『アル君とベタベタしやがって腐れビッチが』
声が聞こえる。レニーに嫌がらせをしてきた多くの同輩たちの声だ。嫌がらせをして、へらへら笑っていた彼女の敵たちの声だ。
誰よりも強い勇者になるために人一倍努力して、自分の幸せだって捨ててきた。
本当は恋もしたかったし、他の誰かと仲良くもなりたかった。
けれどもそれが強くなることへの足かせになるんじゃないか、自分を弱くすることにつながるのではないかと必死に耐えていた。
他人との交流だって避けて、ひたすらに自分を鍛えて、剣術しかとりえのなかった自分に期待してくれた人に、勇者になろうとする自分を応援してくれた人に、孤児だった自分を育ててくれた人に報いようとした。
どれだけ疎まれようが、どれだけ嫌がらせをされようが気にしなかった。
それこそが自分の使命だとすら思っていたからだ。
しかしそれに対して、無自覚であろうが文句を言うやつがいた。
一度、組手であぶれて素振りをしていた時に足を負傷したアルがレニーに声をかけてきたことがあった、話の内容は「自分の夢について」
「別にどうでもいいこと」と返答しても食い下がってきたアルに、レニーは自分の夢を嫌々語った。
「魔王を倒して世界を救う、そうすればみんなが幸せになれる。私が今までお世話になった人も……腹が立つけどここにいる私に嫌がらせしてきた奴も。」
そう答えたらアルは少しだけ悲しそうな顔で
「お前は? 世界を救ってみんなが笑顔ならそれでいいのか?」
最初言っている意味が分からなくて、レニーは首を傾げたことを良く覚えている。
「必死で戦って世界救ってみんなを幸せにして、お前の幸せはどうするんだ?」
そうやって、アルは聞き直した、その言葉に対して明確な答えを持っていなかったレニーは「そんなの後で考えるわよ。」と答えた。
「自分の幸せ諦めたら、世界は救えないぞ。」
そう言い切ったアルに、レニーは躊躇なく蹴りを入れていた。
知ったような口をきいて自分を全否定されたような、そんな怒りを感じた。
「あんたなんかに私の何がわかるのよ!!」
悲鳴に近い叫びをあげてレニーは跳び起きた。
何処から寝付いて夢を見たのかはわからないが、眠っていたらしい。
毛布を掛けてくれたらしき青年はレニーの正面に座ったまま、驚いた表情で彼女を見ている。腹立ち交じりにその顔を睨むと彼は困惑した表情を見せる。
怒っても仕方のないことと思う一方で、どうしても不愉快でたまらなくもあった。
「大丈夫」
「ちょっと散歩してくるわ。一人で。いいわね? 『一人で』」
声をかけてきたアルを目で制し、念を押してから剣を持って立ち上がる、彼は悪くない、それは分かっているはずなのにどうしてもイライラして、あてもなく森の中を歩きだす。
魔物がいることは分かっている、しかしレニーは自分が負けるところなど想像したこともなかった。いつだって強さを得るために、自分の幸せすら捨ててきたから。
しばらく歩いたところで後ろを振り向いてみても、アルは追ってきていない。
自分が一人になりたいと言ったくせに、レニーはそのことにもさらに苛立ちを覚えて近くの木を八つ当たり気味に切り倒した。
バキバキと大きな音を立てて木が倒れていく中で、レニーは強烈で不気味な「何か」が自分の存在を察知して向かってきていることに気が付いた。
馬鹿でかい物音を聞いたからだろう、ゆったりその存在感が大きくなるにつれて、レニーの耳には少女の喘ぎ声のようななまめかしい音も同時に届く。
「あはぁ………♥ んぁあ♪ いいの…いイのぉ……」
ざわざわと頭に響き、耳を不快にさせる甘い声。
そしてその主が姿を見せる、白い肌をした長い黒髪の少女が跨った黒い球体から生える触手に犯されているような魔物、ダークマター。
魔物であることを確信してレニーは躊躇なくそいつに切りかかった。
剣を抜きながら跳躍し、腹を狙い切り付ける。
しかし、剣はダークマターの女性部分に届く前に触手に絡め取られていた。
剣をはなし距離を取ろうとレニーが判断するより前に、触手は逃がさないと言わんばかりにレニーの手足を絡め取り、服の中にまで侵入する。
「お姉サん……乱暴ダなぁ…せっかク楽しんでたのに。」
ダークマターは少し頬を膨らませてレニーを見る。
「アンタが……依頼の魔物ね………」
レニーもダークマターを睨みつけるが、魔物は気にした様子も見せず捕えた人間の体を触手でまさぐっている。少し剣をひねり、剣も取り上げてしまう。
こいつを倒せば周辺の人々が魔界に怯える必要はひとまずなくなる、しかし今触手に絡め取られて身動きできないレニーには攻撃の手段がない。
「依頼? 何ソれ……そんなコとよりお姉サんも気持ち良くナろ? この子…上手ダよ?」
ダークマターが少しだけ腰をあげると、小さな陰唇にねじ込まれた太くたくましい触手の一本がレニーの視界に入る、しかもその触手は愛液に濡れながらピストンを続けている。
「っ!!?」
そのおぞましさにレニーは言葉を失う、その一方で触手は上手に服をはぎ取っていき、彼女のそれほど大きくはないが小さくは決してない乳房が露出させられ、スカートの下のショーツもするするとはぎ取られていく。
「くのっ! 脱がすなぁっ!!」
必死に抵抗するが触手と彼女の力では触手の方が上で数は触手の方が明らかに多い。ほとんど気にされることもなく触手のうち一番太くて卑猥な形をしたものがレニーの股間に宛がわれる。
「ひっ!? 無理無理!! そんなの無理っ! 裂けちゃう、お腹裂けるっ!!」
スカートの中に侵入するまでの短い時間しか見えなかったせいなのかそれはレニーの目には異常なまでに太く凶暴に映り、性体験もない彼女はそれに怯えてパニックに陥る。
「大丈夫だいジョうぶ、痛クない痛クない」
にこやかな笑顔を見せたダークマターに向けて抗議しようとレニーが口を開いた瞬間。
「いギぃっ!!」
みちみちと肉を裂くような音を立て、黒い触手が誰も使ったことのないまっさらなピンクの淫肉を強引に掻き分けていく。圧迫感のあまりに声を出すことすら出来ず、目をむいて体を弓なりにのけぞらせ、酸素を求め口をパクパクと開閉する。
(痛いっ!! 苦しいっ! なのになんで体熱くっ!!?)
体を壊されているのではないかと錯覚するほどの激痛に襲われているのに彼女の体は熱く火照り、快感を求めて疼く。浸食を始めた魔物の魔力が痛覚を和らげ快感を増幅しているのだ。
ずぷぷぷぷぷ ずにゅぅうううううううう
一度確かめるように奥まで進み処女膜を破った触手は今度は流れを変えて下がっていく。
「はぁっ………?」
終わったのか、そんな甘い考えがレニーの脳裏をよぎった瞬間
じゅぼぼぼっごづん!
「―――――――――――――――――――――――ッ!!!?」
一瞬のうちに意識がどこか遠くに飛んでいくほどの勢いで触手が膣内を押し広げながら子宮口を乱暴に打ち据える。声にならない悲鳴を上げたレニーの体は弓なりにのけぞり、その衝撃と快感の威力を如実に示す。
じゅぽっじゅぼっぼっぼっじゅぼん! ずっずっずずぅ ずん!
「ふぐぅっ! んっ!! あっくぅっ、はォっ!?」
触手は乱暴にしかし的確にレニーの弱い部分を理解して激しく責め立てる、必死に彼女が声を漏らすまいと歯を食いしばっても、その快感のあまりどうしても我慢をし切れない。
ずちゅっずっちゅ ずぱん! ずんっずっずっずっずっずっ!
激しく奥までかき回されたかと思ったら、浅いところをぐりぐりと何度も虐められて全く別の快感を押し込まれる、慣れることも許されずただ翻弄されるばかり。
ずにゅるるるっ! どちゅん!! ずぐっずぐっずぐっずぐっ
「んひぃいっ!! うァあああん! らめっおかしくなるぅ♥」
ずぶぢゅっずんずぷぷぷぷっ どぐっ!!
好き放題に蹂躙されているはずなのにそれが気持ち良くてたまらない。
乱暴なほどの強さで子宮を突かれるのもGスポットを虐められるのもすべてが快感に変わってしまう。
(犯されてるっ♪ ぐちゃぐちゃにされてるのにっ! 気持ちいいっ♥)
強い快感を脳髄に押し付けられるごとに、レニーの思考が溶けていく。触手が体をまさぐり、胸を揉みしだかれ引き締まったお尻に触手をなすりつけられても抵抗しないどころか気持ちよさそうにそれを受け入れる。
(気持ちいい……♪ けど足りない……もっと欲しいよぉ♥)
全身を触手に嬲られているというのにまだ貪欲に快楽を求めようとする。
「気持チ良サそうな顔シてるねお姉サん♥、気ニ入ッてくれた?」
「だめぇ……足りないぃ………」
快楽に満足できないレニーはそうダークマターに答える、するとダークマターも嬉しそうに「そっか、それなら私ト一緒ニなろうよ。」と言って、触手がレニーの体を引き寄せ、球体部分に跨らせる形で密着させる。
するとぬるぬると大量の触手が姿を現して、レニーの体に殺到する。
乳首に吸い付き、胸を搾り、首筋を舐めまわし、臍やわき腹を撫でまわし、尻穴にまで触手が侵入してなおレニーは何かが足りないと感じていた。
彼女の背中に密着しながらダークマターは
「お姉サん、好キな人イるの?」
その言葉に一瞬だけアルの顔が浮かんできて体を震えさせるが、
「いないわよぉ………いないのぉ…………」
すぐに首を振って否定する、ダークマターの質問に答えるよりも自分に言い聞かせるように。
「嘘ダよ、だってわかるもん。気ヅいてない? 私トお姉サん、一ツになって行ッてるんだよ? だから覚えてたことも、隠シてる気持チも全部ワかるの。」
ダークマターにそう言われてやっと、レニーは自分の髪が黒く染まり、ダークマターの少女の輪郭がぼやけていることに気が付いた。
「誰モ幸セに出来テないのに自分ガ幸セになるのはおかしい? そんなことないんだよ? だってお姉サんが幸セになったら周リのみんなも幸セに出来ルんだから。」
「え……?」
心がぐらつく音がして、その音がレニーの耳に届いた直後に彼女の頭に快感の電流が走った。膣内を抉りまわしていた触手が子宮まで入り込んだのだ。
「あ゙………かっ………」
「今スっごく気持チ良クて幸セだよね? この幸セを皆ニふりまけるんだよ?」
その言葉は魔物になりつつある彼女にも、そして「誰かを幸せにすること」を目標にしていた勇者としての彼女にもとても魅力的な言葉に聞こえた。
『だから、大好キなアルと幸セにエッチしに行コうよ、ほら♥』
最後の言葉は頭の中から聞こえた、幼い少女のダークマターの姿は完全に消え、そこに残ったのはすべてを「幸せ」で包みたいと切に願う堕ちた勇者だった。
レニーがいつまでたっても帰らず、心配で行動を始めたアルはレニーがダークマターと同化する光景を目撃していた。
彼が見つけた時にはすでに手遅れなほどに浸食が進行していて、彼女を助けるすべはないと確信していったんその場を離れた。頭の中を整理する時間が欲しかった。
レニーの従者として彼女と一緒に行動することが決まった時、アルに目をかけていた教官の一人が言った言葉を思い出す。
「レニーがもし魔物になるようなことがあれば……いいな、お前は彼女を『迷わず、確実に』殺せ。彼女ほどの実力を持った勇者が敵に取り込まれれば以後どれほどの脅威になるか分かったものではない。」
感覚としては話半分に聞いていた程度の言葉が今、現実になってしまった。いざなってみると、アルはその覚悟がなかったことを思い知る。
一緒に訓練をするうちに、彼女と言い争ったり殴り合ったりしているうちに彼女に対して愛おしさが芽生えていた、彼女を守りたいと本気で思っていた。
(殺せるのか? けど俺がレニーを殺す? ………無理だ。)
勇者の従者として判断するのなら殺すべきだ、どれほどの被害を生むのかわからない。
しかしアル・ワイルダーと言う人間として判断するのなら「それは無理」
愛しい少女を殺した先に何があるのかなど考えることもできない。
どれほど考えてもまともな答えは返ってこない、かといって彼女をこのまま放置することなどできるわけもない。
「みーつけた♥」
レニーが姿を現したとき、反射的に槍を捨てていた、戦うことなどできるはずがない、ましてや彼女を手にかけられるわけがない。それがアルの結論だった。
「アルぅ……わたしと一緒に、んぁっ♪ 幸せになろ?」
甘い声だけでも脳が解かされそうになるほど強い欲望と魔力の乗った声。
「ああ……ずっとそばにいる、もうお前を一人にしない。」
「うれしぃよ……ずっと一緒だからね♥」
レニーがアルの体に抱きつき、男性部分の黒い球体がアルの体に入り込んでいく。
それにより急激にインキュバス化したアルは、何の迷いもなく服を脱ぎ棄ててレニーを地面に押し倒しギンギンに怒張した肉棒を彼女の膣内に押し込む。
「はぁぅうううううううううううううううううん!!」
それだけで彼女はなまめかしい声を上げて絶頂する、しかしアルはそれに満足せず彼女の体を抱き上げると下から激しく突き上げる、今まで隠してきた愛情と、魔物の魔力によって覚醒させられた性欲が結びついて抑えることができない。
ずぱんっずちゅん! ぱんぱんぱんぱんぱん!!
労わることすらなくただ激しくレニーの体を貪るように味わう、しかしレニーはそれを受け入れて快楽に顔をとろけさせる。
ずぢゅん! ずぶっずぐっずっぷぬっぷ
獣欲に任せて激しく突き上げ、ゴリゴリと奥まで抉っては一度根元のあたりまで引き抜き、そしてもう一度今度は抜き差しを繰り返しながら奥まで徐々に押し進み、
ごつん!
「ふぅゔ――――――――――――――――――――――ッ!!」
奥まで到達するとレニーはくぐもった悲鳴を上げて快感に悶える。
しかしアルは奥が弱いことに気付いたらしく、彼女の体を強く抱きしめながらゴツゴツと何度も同じ場所を攻める、そしてよほど気持ちいいのか突かれるごとにレニーの顔から理性が薄れていく。
「アルっ! ありゅぅっ! らいしゅき、愛してるっ!!」
そんな言葉をレニーが放った瞬間、アルの中で最後の鎖が切れた。
「俺もお前を愛してるっ!! だから、出すぞ!!」
そう宣言して、アルは肉棒からせきを切ったように濃厚で多量の精液を放つ。
レニーも全身でアルに抱き着きながら、それを受け止めた。
どろりと彼女から濃厚な魔力があふれ出て、周囲に広がっていく。
「ねえアル……言ってたことの意味、分かったわよ?」
「は? 俺はお前に何か言ってたか?」
「言ったわよ、『自分の幸せ諦めたら世界は救えない』覚えてるわ。」
少し頬を膨らませて、彼に抱きしめられたまま彼女は語る。
「ここで私とあんたが幸せになれば………周りの皆も幸せにできるの。あの子が言ってたわ。」
顔を少しだけ赤く染めて、レニーはアルに
「だから、世界中の誰より幸せにして?」
そんなことを、我がままで傲慢だった少女が言ってのけたのだ、上目遣いで。
「ああ、約束する……世界中の皆に分けてやれるくらい幸せになろうな」
回答はそれしかなかった。
煌々と魔界を照らす、美しくも禍々しい闇の太陽がまた一つ。
全てを幸せにする、新しい快楽にまみれた聖戦が始まった。
12/10/04 20:49更新 / なるつき