猫にマタタビ
ってことで美羽の家の前に着いたんだが、インターホンを押してもでてこない。
しかし、鍵はかかっていなかった。
何故だろうか、それが今の美羽の心情を表しているようで、俺は急ぎ足で美羽の部屋の前に向かった。
「…なぁ、いるんだろ」
とドア越しに言った。
ここで実はいませんでしたってオチはない、だって中から鼻をすする音が聞こえてくるんだから。
「開けてくれ」
暫らく間があってから「カチャッ」っと音がした。
「…入るぞ」
部屋の中はカーテンが閉まっていて薄暗かった。
だけど、ベッドの上で体育座りしている美羽の目と頬の赤さはわかった。
俺は美羽の横に座って話しはじめた。
「何で逃げたんだ?」
「…恥ずかしかったから」
「何で泣いてるんだ?」
「…泣いてない」
「お前ってそうやって意地張るよな」
美羽が素直だった頃のように頭を撫でた。
「…健司が、どっかいっちゃうから」グスッ
「別にどこへもいきやしねえよ。」
「だって、健司が泥棒猫に盗られたもん…」
「猫はお前だろ…。それと盗られてないし、そういう予定もないし。」
お、耳が立った。
「…でも、健司はラブレターの子にオッケーするんでしょ?」
「…しねえよ、だって他に好きな人がいるから…」
俺は美羽の目を見て言った。
一世一代の告白、胸がすげえドキドキして痛い。
「…そう」
あれ?耳がまた垂れちゃった。
もしかしてこれって断られてるのか?
そう混乱していると今度は美羽が話しはじめた。
「ねぇ、小学生のころに、私の耳をからかわれた時のこと覚えてる?」
「あ、ああ」
「あの時健司は皆に言ってくれたよね、「美羽の耳のほうが可愛いじゃん!」って」
「確かにそんなことを言った気がする」
「その日の帰り道に言ったことは覚えてる?」
「いや、覚えてない」
「貴方はね…、
『あんなことでいちいち泣いてちゃ駄目だ。強くならなくちゃ』
『強くなったらいいことあるの?』
『そりゃ、あんなことも言われないし、言われても泣かなくなって、俺が居なくても大丈夫になるだろ?』
『私が強くなったら健司ちゃんはどっかいっちゃうの?』
『勘違いすんなって、そういう事じゃないよ。でも、お前が強くなったらなぁ…、何してほしい?』
『…ずっと一緒に居てほしい!』
『なんだ、そんなんでいいのか?』
『んじゃぁ…、けっ、結婚してほしい!』
『いいぜ、そのかわりちゃんと強くなれよ?』
『うん!』
「よく覚えてるな」
「その日から私は強くなろうとしたわ。肉体的にも、勿論精神的にもね。でも、いつからだろうか強さと強がりを履き違えたのは…。」
「……」
「強気でいることに執着しすぎて、健司にキツく当たるって本末転倒よね」
「え?」
「健司と結婚するため、健司に好かれるために頑張っているのに貴方を前にするといつも素直になれない…」
これじゃ意味ないよねと美羽は自虐的に笑う。
「おい…」
「ごめんなさい、情に訴えるようなことしたわね。大丈夫!これからは貴方の恋をおうえ「おい!!」 …何よ?」
「お前って本当に勘違いが好きだよな」
「…なによ」グスッ
「俺が悪かった。やっぱりきちんと言わないとな」
「さっきから何言って…」
「俺が好きな人はお前なんだよ!!」
「ッー!?///」
「我が儘でさ、口がすげえ悪いけど、とても可愛くて、実は寂しがり屋な美羽が好きなんだよ!!」
「可愛い以外は余計じゃないの……?///」
「素直になったと思ったらこれだ…、で、まだ返事を貰ってないんだけど?」
「い、いわなくても分かるでしょ!?///」
頭を撫でてみた
「…し……き」ボソッ
「え?なんて?」
「私も好きだって言ってんのよ、バカ!!///」
まぁあれから一時間後、晴れて恋人同士になったわけで
ってか美羽の甘えっぷりが凄い
もう今までの分が爆発した感じ
ヤバいくらい可愛いんだよ、これが!!
それにしても美羽と恋人同士になれたのはいいんだが、どうも引っ掛かるところがある。
悩みながら膝の上に乗っている美羽の頭を撫でていると
「にゃぅ〜♪あ、そういえば手紙の子に放課後会わないといけないんじゃないの〜?」
「あー、そうだな。なんて断わろう…」
ん?待てよ。
「なんで美羽が放課後って知ってるんだよ!?」
「ほぇ?だって…
「あの二人は今頃どうなってんねやろうな〜?」
「心配ないでしょう。彼らならうまくやりますよ。」
しかし、鍵はかかっていなかった。
何故だろうか、それが今の美羽の心情を表しているようで、俺は急ぎ足で美羽の部屋の前に向かった。
「…なぁ、いるんだろ」
とドア越しに言った。
ここで実はいませんでしたってオチはない、だって中から鼻をすする音が聞こえてくるんだから。
「開けてくれ」
暫らく間があってから「カチャッ」っと音がした。
「…入るぞ」
部屋の中はカーテンが閉まっていて薄暗かった。
だけど、ベッドの上で体育座りしている美羽の目と頬の赤さはわかった。
俺は美羽の横に座って話しはじめた。
「何で逃げたんだ?」
「…恥ずかしかったから」
「何で泣いてるんだ?」
「…泣いてない」
「お前ってそうやって意地張るよな」
美羽が素直だった頃のように頭を撫でた。
「…健司が、どっかいっちゃうから」グスッ
「別にどこへもいきやしねえよ。」
「だって、健司が泥棒猫に盗られたもん…」
「猫はお前だろ…。それと盗られてないし、そういう予定もないし。」
お、耳が立った。
「…でも、健司はラブレターの子にオッケーするんでしょ?」
「…しねえよ、だって他に好きな人がいるから…」
俺は美羽の目を見て言った。
一世一代の告白、胸がすげえドキドキして痛い。
「…そう」
あれ?耳がまた垂れちゃった。
もしかしてこれって断られてるのか?
そう混乱していると今度は美羽が話しはじめた。
「ねぇ、小学生のころに、私の耳をからかわれた時のこと覚えてる?」
「あ、ああ」
「あの時健司は皆に言ってくれたよね、「美羽の耳のほうが可愛いじゃん!」って」
「確かにそんなことを言った気がする」
「その日の帰り道に言ったことは覚えてる?」
「いや、覚えてない」
「貴方はね…、
『あんなことでいちいち泣いてちゃ駄目だ。強くならなくちゃ』
『強くなったらいいことあるの?』
『そりゃ、あんなことも言われないし、言われても泣かなくなって、俺が居なくても大丈夫になるだろ?』
『私が強くなったら健司ちゃんはどっかいっちゃうの?』
『勘違いすんなって、そういう事じゃないよ。でも、お前が強くなったらなぁ…、何してほしい?』
『…ずっと一緒に居てほしい!』
『なんだ、そんなんでいいのか?』
『んじゃぁ…、けっ、結婚してほしい!』
『いいぜ、そのかわりちゃんと強くなれよ?』
『うん!』
「よく覚えてるな」
「その日から私は強くなろうとしたわ。肉体的にも、勿論精神的にもね。でも、いつからだろうか強さと強がりを履き違えたのは…。」
「……」
「強気でいることに執着しすぎて、健司にキツく当たるって本末転倒よね」
「え?」
「健司と結婚するため、健司に好かれるために頑張っているのに貴方を前にするといつも素直になれない…」
これじゃ意味ないよねと美羽は自虐的に笑う。
「おい…」
「ごめんなさい、情に訴えるようなことしたわね。大丈夫!これからは貴方の恋をおうえ「おい!!」 …何よ?」
「お前って本当に勘違いが好きだよな」
「…なによ」グスッ
「俺が悪かった。やっぱりきちんと言わないとな」
「さっきから何言って…」
「俺が好きな人はお前なんだよ!!」
「ッー!?///」
「我が儘でさ、口がすげえ悪いけど、とても可愛くて、実は寂しがり屋な美羽が好きなんだよ!!」
「可愛い以外は余計じゃないの……?///」
「素直になったと思ったらこれだ…、で、まだ返事を貰ってないんだけど?」
「い、いわなくても分かるでしょ!?///」
頭を撫でてみた
「…し……き」ボソッ
「え?なんて?」
「私も好きだって言ってんのよ、バカ!!///」
まぁあれから一時間後、晴れて恋人同士になったわけで
ってか美羽の甘えっぷりが凄い
もう今までの分が爆発した感じ
ヤバいくらい可愛いんだよ、これが!!
それにしても美羽と恋人同士になれたのはいいんだが、どうも引っ掛かるところがある。
悩みながら膝の上に乗っている美羽の頭を撫でていると
「にゃぅ〜♪あ、そういえば手紙の子に放課後会わないといけないんじゃないの〜?」
「あー、そうだな。なんて断わろう…」
ん?待てよ。
「なんで美羽が放課後って知ってるんだよ!?」
「ほぇ?だって…
「あの二人は今頃どうなってんねやろうな〜?」
「心配ないでしょう。彼らならうまくやりますよ。」
10/09/07 00:17更新 / 迷える子執事
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