二人のお節介
「ってか、何で白井が白川のアレルギーの有無なんか覚えてんねん?」
「沙耶様が風邪をひかれた時は何時も看病していますから」
「そこまですんのか…」
と渡部康太は少し驚いて言った。
「はい。それが白川家に代々仕えてきた白井家の義務なので」
僕はそのこと誇らしく思う
「でも、このクスリを欲しがるってことは義務感だけとちゃうやろ?」
「……はい、沙耶様の本当の気持ちを知りたいのです…。」
「そこまで白川はツンツンしとんのか。
八重曰く、女の子の前では少し素直になるらしいねんけどな。」
そういう康太と飯田さんは仲良さそうですね
「それはもう…。
本当に付き合ってるのかと疑問に思うくらいです…」
言ったそばから悲しくなってきました
「はぁ〜、西田もツンツンしてたけど付き合ってからデレデレ…というかデロンデロンやのにな…。
おっ、噂すれば」
「おっす」
「おはよー」
と伊藤健司とワーキャットの西田美羽さんが腕を組んで教室に入ってきた。
やっぱり一番仲良さそうなカップルは健司と西田さんですね
「おはよ、朝からベッタベタやのぅ」
「ん?康太居たのか。朝礼前に来るとか珍しいな。」
「せやな、自分らが早退して以来ちゃうか?」
「嫌なこと思い出させやがって…」
「どうどう、あのおかげで私は素直になれたんだから結果オーライだよ」
と康太を殴ろうとした健司を西田さんがおさめる。
「はぁ…、沙耶様もそんな風に素直になれる事件みたいなものがあれば薬なんかにたよらないのですが…」
思わず洩らしてしまう
「薬?なんのことなんだ?」
「ああ、これのことや」
康太が2粒の錠剤が入ったケースを健司の目の前で鳴らす。
「なんだこれ?」
「『素直になるクスリ』や、まぁ簡単に言えば自白剤やな」
「何故康太がんなもん持ってんだよ!?」
「知り合いに尋問官がおってな、少しくれてん」
「でも、本当に効くのですか?」
不安になってので聞いてみた。
「そう言うと思っとったよ。
これは一回一錠やから、2錠あるし1錠は誰かに試してみるか」
「はい!はーい!私やる!」
と西田さんが手を挙げる。
「美羽は今は素直だから効いてるか判らないだろうが」
健司がつっこむ。
「えへへ、それは健司への愛がそうさせてるんだよ!///」
「美羽…///」
「ケッ、お熱いのぉ」
「ならアタシ達も負けられないね〜」
といつの間に来ていたのか、アラクネの飯田八重さんが康太の首を後ろから腕をそっとまわす。
「ちょ、ちょっと、八重!
恥ずいからやめい!///」
康太が顔を真っ赤にして慌てた。
「で、何話してたの〜?」
「ああ、康太がじはくざ「ちょっと待てや!」
「なんだよ」
「いいから、健司は黙っとけ。丁度ええわ、さっきワイを恥ずかしめた罰や」ボソッ
なんだか、とても悪い顔してますね
「なぁ、八重、この前肩こりが酷いって言ってたやんな?」
「言ったね〜」
「丁度、アリ○ミン持ってるから飲まへんか?」
「おお〜!ちょうだい、ちょうだい!」
「ほら」
康太は自白剤とお茶を渡す。
「ありがと〜」
と躊躇もなく飲みだす飯田さん
少しは疑いましょうよ…
「あっ、白井。いい忘れてたんやけど、飲んだ後はちゃんとバラしといてな」
「え?何故です?」
「意識させるためや。そうしたほうが薬の回りがええねんて、おっちゃん言うてた。普通は何の薬かわかって飲むもんやからこんなことせんでええねんけど、今回はそれやと飲まへんから後でちゃんと言っといてな」
「わかりました」
「ねえねえ、何の話し?」
「八重、今飲んだのはアリ○ミンやない」
「え?」
「自白剤やねん」
「え、ええぇぇえ!?
何飲ませてんの!?」
「やから、言うたやん。自白剤や」
「いや、whatじゃなくてwhyよ!!」
「まぁ、5W1Hのどれでもええねんけど」
「ちょっ、なんか体が熱くなってきてるって!?」
「成分にアラルウネの蜜が含まれてるらしいわ
ってことは効いてきたみたいやな」
「っんぁ、は………んん……はぁ」
声が凄く艶めかしい…
「さぁて、ワイの質問に答えてもらおか〜?」
康太はニヤリと笑った。
「べ、別に…隠しごとなんてな……い」
「ほほう、んじゃこの頃そそくさに帰って何しとるんや?」
「そっ、それは……っ!」
「ほれほれ、言ってみ?」
「……マフラー…編んでるの…」
「へっ?
…あっ、ああ、そうやったんか」
「な、何で!?
話すつもりはなかったのに口から勝手に!?」
「あー、すまんな八重、無理矢理話させてしまって。
それと有り難うな。」
「別にいいけど…」
そんなことよりも自分が何故答えたのかが気になっている様子だった。
「と、まあこんなもんや。
どや?信じたか?」
「ええ。にしても凄い効能ですね。」
「個人差はあるやろな。
まぁ何度も何度も薬を飲ませたことを自覚させれば直ぐ効くわ。」
「わかりました」
「それとさっき言っようにアラルウネの蜜が入ってるから興奮作用があんねん。
数時間経てば自然と薬は抜けるから何もせんでええねんけど、学校で興奮状態に陥るのもなんやしちょっと八重の薬を抜いてくるわ。」
と飯田に肩を貸して教室を出て行った。
「…本当に自白剤ってあったんだね」
「俺もビックリした」
「右に同じくです」
三人で呆然としていると、丁度沙耶様が教室に入って来た。
「あっ、沙耶様!
何故今日は私を先によこしたのですか?」
「ど、どうだっていいでしょっ!?」
と逃げるように私を避けて自分の席に座られた。
「これはクスリが必要だな…」
「そうね…」
学園1のバカップルが同情の眼差しで見てきて心が痛みます…
〜〜〜〜〜
「ほら、気付け薬や。」
「ん…ありがと」
「しっかし、効くなぁこの『精力剤』」
「別に『精力剤』じゃなくても良かったんじゃない?」
「少しくらい体に異変が起きたほうがぽいやろ?」
と康太はニヤリと笑う。
「そうだけど、飲むほうはしんどいのよ?」
「すまんな。
これも白井と白川のためやと思って許してや」
「沙耶には素直になって欲しいしね。」
「ともかくいい演技やった。アドリブだって効いてたし」
「え?アドリブって?」
「何言ってんねん。マフラーのことや
いかにも秘密にしそうなことやから、皆もそれで信じたんちゃうか?」
「ああ、マフラーのことね。
だからあんまり驚かなかったんだ。それは本当のことだよ?」
「へ?」
「元来裁縫関係が得意だから
クリスマスプレゼントにと思って、さ…」
「た、確かにこの頃八重は早よ帰ってるけど、八重やったらマフラーなんか今から編まんでも1日あればできるやろ?」
「ただ作るだけなら造作もないけど…
あなたに贈るものだから、どんな色にしようかとか色々考えちゃって…///」
「く、薬抜けたんやったら帰るで!///」
康太はくるっと背を向けて教室へ歩く。
「あ、照れてる?」
と八重は笑いながらその背中を追い掛けた。
「沙耶様が風邪をひかれた時は何時も看病していますから」
「そこまですんのか…」
と渡部康太は少し驚いて言った。
「はい。それが白川家に代々仕えてきた白井家の義務なので」
僕はそのこと誇らしく思う
「でも、このクスリを欲しがるってことは義務感だけとちゃうやろ?」
「……はい、沙耶様の本当の気持ちを知りたいのです…。」
「そこまで白川はツンツンしとんのか。
八重曰く、女の子の前では少し素直になるらしいねんけどな。」
そういう康太と飯田さんは仲良さそうですね
「それはもう…。
本当に付き合ってるのかと疑問に思うくらいです…」
言ったそばから悲しくなってきました
「はぁ〜、西田もツンツンしてたけど付き合ってからデレデレ…というかデロンデロンやのにな…。
おっ、噂すれば」
「おっす」
「おはよー」
と伊藤健司とワーキャットの西田美羽さんが腕を組んで教室に入ってきた。
やっぱり一番仲良さそうなカップルは健司と西田さんですね
「おはよ、朝からベッタベタやのぅ」
「ん?康太居たのか。朝礼前に来るとか珍しいな。」
「せやな、自分らが早退して以来ちゃうか?」
「嫌なこと思い出させやがって…」
「どうどう、あのおかげで私は素直になれたんだから結果オーライだよ」
と康太を殴ろうとした健司を西田さんがおさめる。
「はぁ…、沙耶様もそんな風に素直になれる事件みたいなものがあれば薬なんかにたよらないのですが…」
思わず洩らしてしまう
「薬?なんのことなんだ?」
「ああ、これのことや」
康太が2粒の錠剤が入ったケースを健司の目の前で鳴らす。
「なんだこれ?」
「『素直になるクスリ』や、まぁ簡単に言えば自白剤やな」
「何故康太がんなもん持ってんだよ!?」
「知り合いに尋問官がおってな、少しくれてん」
「でも、本当に効くのですか?」
不安になってので聞いてみた。
「そう言うと思っとったよ。
これは一回一錠やから、2錠あるし1錠は誰かに試してみるか」
「はい!はーい!私やる!」
と西田さんが手を挙げる。
「美羽は今は素直だから効いてるか判らないだろうが」
健司がつっこむ。
「えへへ、それは健司への愛がそうさせてるんだよ!///」
「美羽…///」
「ケッ、お熱いのぉ」
「ならアタシ達も負けられないね〜」
といつの間に来ていたのか、アラクネの飯田八重さんが康太の首を後ろから腕をそっとまわす。
「ちょ、ちょっと、八重!
恥ずいからやめい!///」
康太が顔を真っ赤にして慌てた。
「で、何話してたの〜?」
「ああ、康太がじはくざ「ちょっと待てや!」
「なんだよ」
「いいから、健司は黙っとけ。丁度ええわ、さっきワイを恥ずかしめた罰や」ボソッ
なんだか、とても悪い顔してますね
「なぁ、八重、この前肩こりが酷いって言ってたやんな?」
「言ったね〜」
「丁度、アリ○ミン持ってるから飲まへんか?」
「おお〜!ちょうだい、ちょうだい!」
「ほら」
康太は自白剤とお茶を渡す。
「ありがと〜」
と躊躇もなく飲みだす飯田さん
少しは疑いましょうよ…
「あっ、白井。いい忘れてたんやけど、飲んだ後はちゃんとバラしといてな」
「え?何故です?」
「意識させるためや。そうしたほうが薬の回りがええねんて、おっちゃん言うてた。普通は何の薬かわかって飲むもんやからこんなことせんでええねんけど、今回はそれやと飲まへんから後でちゃんと言っといてな」
「わかりました」
「ねえねえ、何の話し?」
「八重、今飲んだのはアリ○ミンやない」
「え?」
「自白剤やねん」
「え、ええぇぇえ!?
何飲ませてんの!?」
「やから、言うたやん。自白剤や」
「いや、whatじゃなくてwhyよ!!」
「まぁ、5W1Hのどれでもええねんけど」
「ちょっ、なんか体が熱くなってきてるって!?」
「成分にアラルウネの蜜が含まれてるらしいわ
ってことは効いてきたみたいやな」
「っんぁ、は………んん……はぁ」
声が凄く艶めかしい…
「さぁて、ワイの質問に答えてもらおか〜?」
康太はニヤリと笑った。
「べ、別に…隠しごとなんてな……い」
「ほほう、んじゃこの頃そそくさに帰って何しとるんや?」
「そっ、それは……っ!」
「ほれほれ、言ってみ?」
「……マフラー…編んでるの…」
「へっ?
…あっ、ああ、そうやったんか」
「な、何で!?
話すつもりはなかったのに口から勝手に!?」
「あー、すまんな八重、無理矢理話させてしまって。
それと有り難うな。」
「別にいいけど…」
そんなことよりも自分が何故答えたのかが気になっている様子だった。
「と、まあこんなもんや。
どや?信じたか?」
「ええ。にしても凄い効能ですね。」
「個人差はあるやろな。
まぁ何度も何度も薬を飲ませたことを自覚させれば直ぐ効くわ。」
「わかりました」
「それとさっき言っようにアラルウネの蜜が入ってるから興奮作用があんねん。
数時間経てば自然と薬は抜けるから何もせんでええねんけど、学校で興奮状態に陥るのもなんやしちょっと八重の薬を抜いてくるわ。」
と飯田に肩を貸して教室を出て行った。
「…本当に自白剤ってあったんだね」
「俺もビックリした」
「右に同じくです」
三人で呆然としていると、丁度沙耶様が教室に入って来た。
「あっ、沙耶様!
何故今日は私を先によこしたのですか?」
「ど、どうだっていいでしょっ!?」
と逃げるように私を避けて自分の席に座られた。
「これはクスリが必要だな…」
「そうね…」
学園1のバカップルが同情の眼差しで見てきて心が痛みます…
〜〜〜〜〜
「ほら、気付け薬や。」
「ん…ありがと」
「しっかし、効くなぁこの『精力剤』」
「別に『精力剤』じゃなくても良かったんじゃない?」
「少しくらい体に異変が起きたほうがぽいやろ?」
と康太はニヤリと笑う。
「そうだけど、飲むほうはしんどいのよ?」
「すまんな。
これも白井と白川のためやと思って許してや」
「沙耶には素直になって欲しいしね。」
「ともかくいい演技やった。アドリブだって効いてたし」
「え?アドリブって?」
「何言ってんねん。マフラーのことや
いかにも秘密にしそうなことやから、皆もそれで信じたんちゃうか?」
「ああ、マフラーのことね。
だからあんまり驚かなかったんだ。それは本当のことだよ?」
「へ?」
「元来裁縫関係が得意だから
クリスマスプレゼントにと思って、さ…」
「た、確かにこの頃八重は早よ帰ってるけど、八重やったらマフラーなんか今から編まんでも1日あればできるやろ?」
「ただ作るだけなら造作もないけど…
あなたに贈るものだから、どんな色にしようかとか色々考えちゃって…///」
「く、薬抜けたんやったら帰るで!///」
康太はくるっと背を向けて教室へ歩く。
「あ、照れてる?」
と八重は笑いながらその背中を追い掛けた。
10/10/20 23:57更新 / 迷える子執事
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