夢の初ライブ
俺は今、緊張を解す為に楽屋でミュールとセックスしている。俺はミュールを抱いてからじゃないと全く歌えなくなったが、それでも満足している俺が心の何処かに居る。本音を言えばミュールさえ居れば歌えなくてもいい。だが、俺の夢を後押ししてくれたミュールの期待を裏切る事はしたくない。やっと掴んだチャンスだ、派手に決めてミュールにいいとこ見せてやる。今までの事を振り返りながら感謝の心を込めてミュールの膣内をこねくり回すように腰を動かす。
「あっ、やぁ!そこ弱いんだからグリグリしないで〜〜・・」
「本当は弱い所をグリグリされるのが好きなくせに」
「ダメッ!ダメだってばーー!もぅ・・イッちゃう!」
「ウッ!急に締め付けたら俺も・・・だ、出すぞ!」
ドクドクと精液を流し込まれた子宮は一滴も逃がすまいと蠢動し始める。大量の精液を子宮に収めようとミュールの下腹はぽっこりと膨らみだす。
「ハァハァ・・本当に不思議だな・・。その体のどこに貯まっていくんだか・・」
「あふぅ・・、ぅん、・・・そ、それは乙女の秘密なんだから・・。ね、もう一回する?」
「いや、もうすぐ時間だ。ミュールのおかげで掴んだ初ライブだ。派手に決めてくるから期待しててくれ!」
「うん!期待してるからね!いいとこ見せてよ!」
俺はミュールの膣から愚息を引き抜くとステージ衣装に着替えギターを抱える。俺には不似合いな衣装だな、と感じながらも最愛のミュールに期待されている以上は成果を見せてやりたい。
「ステージに連れていけないのは残念だが・・・」
「えっ?あたしも行くよ?姿消せるし」
「マジか!って、姿消せるんか!?」
「ぅ〜ん・・。姿を消せるんじゃなくて、相手に認識されないようにする、って感じかなぁ」
「それは俺も視えないって事か・・。少し残念だ「エッ?達也は視えるよ?あたしの旦那様だし、それにあたしの魔力もたっぷり混ざってるからね」・・・見え・・、よっしゃああああ!やる気出てきたぜ!」
本当に俺は御目出度いバカだな。ミュールが傍に居るってだけで興奮するんだから。だけど、それでいい。そして・・このライブが終わったら俺はミュールの国に行って歌い続けよう。
「さ、ミュール行こうか」
「うん!」
よし、最高でとびっきりのステージにしてやる。俺に期待してくれた友人達やバイト先の店長、そして両親に、そして最愛のミュールに。今夜だけの伝説を作ってやるから待っててくれ。俺はギターを抱えステージに飛び出す。
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ふぁ〜〜。眠いな。昨日の晩の路上ライブで変なパフォーマンスをしたせいか体がだるい。それどころか体中が痛いぞ。無理な体勢でギター弾いたのが不味かったか。今日バイトの日じゃなくて助かった。とりあえず朝飯食って新しい曲作りに励むか。
〜〜〜〜♪〜〜〜〜♪
朝早くに鳴る携帯って聞くと嫌な予感がするな。
「もしもし、岡崎ですが・・・」
「おー。岡崎、すまんけど今日の昼からバイト来れるか?」
バイト先からの電話だった。
「今日、俺休みなんですけど」
「それはわかってるんだが、倉庫係の子がな〜・・、さっき階段から落ちて怪我しちまってな。それで急遽呼び出したいって事だ」
「…俺じゃなくても近い人結構居るでしょ」
「それなんだがなー、さっきから電話掛けても全く出てこねぇ。あいつら解ってて携帯放置してやがる。んで、来れるか?」
「昼からなら別にいいですよ。もし今からと言ったら俺も携帯の電源落としますよ」
「すまんな。今は病院から電話掛けてるから昼から頼むわ。俺はちょい手続きしなきゃならんから・・と、そうだ。岡崎、昼前に来ないか?」
「11時頃っすか?」
「それぐらいでいいぞ。ちょっと前にいいもん手に入れたから早く来いよ」
「それ何ですか?」
「来てからの楽しみだ」
ツーー・・・プッ
11時か。まだ時間はあるしのんびり曲作りでもすっか。朝飯食う気も無くなったしギターでも弾こう。いつものようにギター片手に奏でてみるが気分が乗らない。こんな日はおとなしくしておこう。
時間はすぐに過ぎてしまう。ただぼぉ〜としてるだけでいつの間にか10時を過ぎていた。家でダラダラしてても時間の無駄だし、早めにバイト先に行く事にした。今から行っても10時半には着く。
「ちわーっす、店長居ます?」
「お〜、早かったな。まだ時間あるぞ?ちょいのんびりしとくか?」
「いやぁ〜・・、店長の『いい物』ってのが気になって早く来てしまいましたよ」
「そうだったな。バイト帰りの時にでも渡すから今日も頑張ってくれよ」
「うぃっす!」
少し時間が早かったがバイト先のスーパーで倉庫整理に入る。倉庫内の壁際に『注意一秒、怪我一生』という張り紙が張ってあった。張り紙あっても怪我人が出たら意味無いなと考えてしまう。それでも周囲に気を配って怪我しないようにするには越したことはない。働きはじめて1時間も経った頃、突然腹の虫が騒ぎ出した。そういや朝飯食って無いな、と思いだす。近くに居た店長が腹の音に気付いてこちらを向く。
「岡崎、すごい腹の音だな。飯食ってないのか?」
「ええ、まぁ、ちょっとダラダラとしてたので朝飯食ってなかったんすよ」
「あれか。また曲作りに励んでいたのか?夢追うのはいいがちゃんと飯は食えよ。夢を叶える前に栄養失調なんて笑えんからなー」
「いやいや、まじでダラダラしてただけっすよ」
「いやいや誤魔化さなくていい。いつかはTVに映るほどの有名なミュージシャンになりたいんだろ?お、そうだ。事務所に昨日の晩の売れ残りが置いてあるから食っていいぞ。少し早いが飯食ってこい」
「ありがとうっす!」
事務所で昨日の売れ残り弁当を食べはじめた俺だったが、どう見ても製造日が今日の明け方だ。まるで始めっから用意されてたような弁当だった。店長は昨日の売れ残りと言っていたが本当は今日の朝に買っていたのだろう。たぶん、これは俺に電話した後に買ったんだと思う。そう思うと涙が出てきた。いつの日かビッグになってこの店を宣伝してやるぜ、と心に誓う。ここでバイトを始めてもう4年になるが、その間ずっと店長は応援してくれていた。ここらで一発決めてやらないとな。俺は飯を食い終わるとすぐに倉庫に戻って店長に礼を言おうとしたが店長は居なかった。店長は店内巡回のほうに戻っていったようだ。
「すまねぇ、店長・・。絶対に売れて此処を宣伝すっからな・・」
それから閉店まで一人で倉庫作業をしていたが全く苦にならなかった。普通なら俺みたいなバカは鼻で笑われるか、誰にも相手されないのが相場だが此処の店長と仲間は俺を応援してくれる。それを思うだけで一人作業でも苦にならない。
「おかざきー、閉店作業に入るから出入り口マットの掃除頼むぞー」
「はーい、マットの後はトイレ掃除しますかー?」
「そっちも頼むわー。こっちはシャッター下ろしたら事務所で集計してるんで掃除終わったら来てくれー」
俺はマットの清掃を手早く終わらせトイレの掃除に移る。スーパーのトイレは結構汚れるので念入りに洗浄する。頑固な汚れはちょっときつめの洗剤でガシガシと力強く擦っていく。
「はぁ〜・・。なんとか汚れ落ちたな」
掃除を終え、店長が待つ事務所へと移動する。事務所では店長が一人で今日一日の売り上げ計算をこなしていた。
「早かったな、こっちももう終わるからちょっと待っててくれんか」
店長は素早く集計を終わらせると俺に冷たい袋を手渡してくる。
「田舎から届いたもんだが、俺よりお前が食ったほうがいいだろう。それと今日の日当分は袋の中に一緒に入れてあるからな。それじゃ、気を付けて帰るんだぞ」
それだけを言うと店長は店の電源を落としはじめた。俺は店長に感謝の言葉を残し帰宅する。そして帰り道、なんとなくこっそりと袋の中を確認すると今日の日当分が入った袋と妙に冷たい何かが紙袋にぐるぐる巻きにされている。とりあえずは家に戻ってから開けてみよう。
「ただいまー・・。親父ー、居ないのかー?」
「ん、帰ってきたか。ちょっと話しがある。こっちに来い」
親父がこういう事を言う時は必ずと言っていいほど説教だ。しかし、最近は別にやましい事をしている訳じゃないし説教を受ける原因も無い。よくわからないまま親父が待つ居間へ入る。
「達也・・。何故呼ばれたか・・わかるか・・?」
親父の額に青筋が見える。これはそうとう怒っているが原因がわからん。
「お前、・・昨日の晩に褌一枚で路上ライブしたそうだな・・・ん?」
「な、なななな・・なんの事だ・・」
「うちの同僚が帰宅途中に偶然にもお前が路上ライブをしているのを見たらしいが・・、褌一枚でギター振りまわしていたそうだな・・。呆れて物も言えん」
「いや・・そそそそれは・・ウケを狙おうとしただけで・・」
ガヅン!!
とんでもない勢いで脳天に拳を落とされた。
「このバカモンが!お前がギターに夢を託してるのはいいとして・・。だがな、人として情けない事をお前にさせる気は無い!次やったら・・わかってるな?」
「わぁったよ〜・・。あれはただ目立つだけにやった事だから二度とする気は無いよ」
「返事はハイだ!」
「は、ハイ!」
痛む頭の天辺をさすりながら居間のテーブルに店長から貰った紙袋を出して開けてみた。
「うぉぉぉぉっ!なんじゃこりゃあああああ!でっけぇ肉の塊が入ってる!」
「達也!なんでお前がこんな大きい肉を持ってるんだ!?」
「いや、今日バイトで急ぎの補充員が必要だったらしくて・・。んで、俺は今日休みだったんだけど行ったんよ。そしたら店長が田舎から何か届いたって・・。それで帰り際に店長から貰ったんだが」
「これは、・・・どう見ても高級肉だぞ。そんじょそこらで買えるもんじゃない。・・・達也、お前が期待されている証拠だぞ。この期待に絶対に応えろ。もし夢が潰れてもお前の努力は誰もが認めてるんだからな」
「・・わかったよ、親父。今度のオーディションなんとかして最終審査まで残ってやるよ!」
「なんとかしてじゃない!意地でも残れ!わかったな」
「ああ!」
「今日は豪勢にステーキを食うぞ!分厚く切れ達也!母さんビールをくれ!」
晩飯が豪華になった。普段なら絶対に食う事なんて無い分厚いステーキ肉。本当に店長には頭が上がらない。親父は親父で分厚いステーキ肉に御機嫌のようだ。店長に感謝しながら美味い肉を味わう。
「はぁ〜・・食った食った。こんな豪華な肉なんて一生食えないかと思ってたよ」
「・・・ところで達也。次に受けるオーディションはいつだ?」
「あ〜・・えと、次の日曜だ」
「絶対に残れよ・・」
「頑張るよ」
そして風呂に入り、部屋に戻ってすぐに新しい曲作りに精を出す。だが、何も浮かんでこない。浮かんできても陳腐な台詞ばかりで納得する曲にはならない。
「どうしたもんだか・・、こんな時、作詞家の人って何考えてんだろうなー」
結局、堂々巡りになるので今日は素直に寝た。
朝、いつも通りの時間に起きるとちょうど携帯が鳴る。
「もしもし、岡崎です・・」
「岡崎かー、今日は埋め合わせで休みでいいぞ。そのかわりに明後日は午前から入ってくれるか?」
「もちろんいいですよ。それと昨日はありがとうございました」
「なんの事だ?それよりもオーディション日曜なんだろ。その日は休みにしてやるから土曜まで出てくれんか?」
「いいっすよ!」
「それじゃ、明後日から土曜まで頼むぞ」
それだけを言うと店長は通話を切ってしまった。店長の恩が有難い。今日は火曜。日曜までに曲を作らないとな。だが、昨日から全く歌詞が浮かんでこない、浮かばないならいいが浮かんできても陳腐どころか聞くだけで馬鹿馬鹿しい言葉ばかり繋がって出てくる。外にでも出て気分転換するしか無い。今はまだ朝早い時間帯。だけど俺はなんとなく外に出たくなったので適当な服に着替えて宛も無く出掛けた。
「やっぱ朝早いとあんまし店開いてないな」
ぶらぶらと気ままに歩き、適当感覚で路地裏を出たり入ったりしては思い付いた言葉を歌詞にしてみる。
「あ〜〜〜、ダメだぁ。わけわかんねぇ台詞ばかりだ」
自分でも嫌になるぐらいの呆れた言葉ばかり口から出てくる。才能が全く無いんじゃないだろうかと自分自身を疑いたくなってきた。何かこう、インスピレーションが沸くようなイベントでも無いかと思い市街地から少し離れぶらぶらと歩く。
「ぉ?あんなとこにパチがあったのか?ここらへん滅多に来ないから知らなかったぞ。・・・ふ〜ん、パーラー・・出逢い?なんだそれ、ウケ狙いか?と、・・俺も褌一枚でやっちまったから言えないか」
店に入って適当に冷やかしでもするか、と思ったが店内で掃除をしている女性を見た途端に心臓が締め付けられるような、それでいて理解出来ない何かに魅了されるような気持ちになった。
「うおおお・・・すっげー美人じゃないか。あんないい女・・グラビアでも見た事ねえぞ。もしかしてどっかの事務所にでも所属してるかも・・それに乳でけえ・・・」
俺は誘導されるように、甘い蜜に群がる昆虫のようにフラフラと店内に入った。
「ぁ、本日は当店、パーラーDE☆A☆Iに御越しいただきありがとうございます」
俺の姿を確認した女性が声を掛けてきた。
「・・・!!見た目もすごいが声もすげー綺麗だ!一体どこの事務所に所属してるんだ・・」
「はい?」
「え?あっ!すんません!なんでもないです!」
心に思った事をストレートに口に出してしまった。店員が妙な目つきでこちらを見てくる。やばい、変人に思われてしまったか。
「あのぉ〜、貴方は歌手・・ですか?」
「えっ!いやいやいやいやいや!俺は歌手じゃないっすよ!はははは・・そんなわけないじゃないっすか」
「そう・・・ですか。声が綺麗でしたのでてっきりそうかと・・」
声が綺麗?そんなはずない。自分で言うのもなんだが美声にはほど遠い。TVの中で歌ってる連中と比べたら俺の声なんてチュンチュン無く雀程度の声だ。でも、こんな美人に言われるならちょっとぐらい浮かれてもいい。
「それでは当店で御満足頂けるよう・・」
店員の女性は店内の掃除を再び始めるが、俺は床のモップ掛けをしている女性の尻に目がくぎづけになる。
「あの〜、私に何か御用でしょうか?」
気付かれた。よっぽど凝視してたのか、俺。
「いや、なんでもないっす!」
俺は適当に店内をぐるぐる回り何か刺激のありそうな台を探し始めた。
「ふぅ〜、俺・・絶対に変人に見られてるだろうなー。だけど、・・いい乳に尻だったな・・しかも絶世の美女。今度時間あったらもう一回ここに来よう」
台を物色中に俺は気付いた、いや気付いてしまった。今の手持ちが7千円しか無い事に。昨日もらった日当分は日曜のオーディションに行く為に残さないといけない。どうしようか迷った。今ここでパチンコ打って負けようもんなら日曜のオーディションに行けなくなる。でも、もし運良く勝てたら食事付きになる。俺はひたすら悩んだ。今から家に戻って少しばかり持ってきてもいいがそうすると負け続けた時が怖い。だがここで『やっぱり辞めた』というのは些か無粋な気がしてくる。
「ええぃ!くそ!打ってやんよ!」
俺は直感頼りに身近にあった台に座った。座った台の名は『無限の楽園』。
「これに決める!この台が俺を呼んでるんだ!」
意味不明な言葉を発し打ち始める。しかし、打ってから後悔した。キャラクターがどう見ても幼女ばかり。ロリコンほいほいです、ありがとうございました。という雰囲気を持っている台だった。
「なんで俺こんな台打ってしまったんだろう・・。打ってしまったもんはしょうがない・・・。・・・?」
打ち始めてから数回転。俺は異変に気付く。キャラクター全てが俺を見てるような気がする。いや、こっちを見てる・・?ありえないな、そう思いながら黙々と打つ。
「・・・、やっぱりこっちを見てる気がするのは気のせいじゃないよな。なんかこっちに手を振ってるのまで居るし」
よくわからない妖精みたいなのが俺に手を振っている。他の良く似たキャラクターもこっちに手を振る。
「まぁ、可愛らしいからいいか」
きっとキャラクターの演出だろう、と。黙々と回す事20分。リーチがかかったがスルーしてしまう。パチンコはこんなもんだ、と納得し黙々と打つ。所持金をチラチラと確認しながら打ち続ける。やはり7千円では無理があるか。
「ねぇ、お兄ちゃん。あ・そ・ぼ♪」
思わず噴き出しそうになったがリーチがかかったので堪える。
「なんだ今のは・・。リーチ演出にしては変だろ」
画面中央でくるくる飛び回る妖精だったが樹にぶつかって目を回す。
「ぷっ・・、今の最高におもしろかったぞ」
その後もリーチが続けて来たが一向に当たらない。所詮こんなもんと諦めそうになったがどうしても当ててみたいとも思った。
「やばいなぁ・・、後2千円しか残ってねぇ。千円は交通費に残して置きたいから・・」
千円札一枚だけ財布から抜き取り後ろポケットに入れた後に残りの千円を投入し、ジャラジャラと玉が出てくるのを見つめた後に溜息を漏らす。
「何やってんだろうな、俺。当たらないっつうのに金つぎ込んで・・」
画面でくるくる回る妖精達。なかなか当たらないのは承知だがそれでも打ってしまう。こういうのにムキになって財産を食い潰すのが博打の怖い所。
「これで終わるか・・、お?おおおおおおおおおお?」
画面の上下のキャラクターが同じ動きで行進している。そして、それを追いかけるような形で真ん中のキャラクターが動き出した。
「こ、これって・・。もしかして当たる確立高いんじゃねぇか!?」
そしてピタリと止まる上下のキャラクター。画面真ん中に綺麗に止まってリーチになる。
「んん、なんだろ・・このキャラクター?」
妖精にしてはちょっと大きいような、でも見た目は妖精。全くわからないがリーチになったので良しとする。
「さぁ、貴方の感性はどこまで響き渡るの?」
突然の台詞に唖然としてしまう。まるで俺に問いかけてるような言葉だ。
「貴方だけの〜、思いを胸に〜♪」
そうそう・・、俺が歌いたいのはこんな曲なんだよ。んで、続きは
『忘れさせない、消せない記憶(メモリー)〜』
そうそう!これ!これなんだよ!
『いつか巡り会う為に 歌い続ける』
何故か俺も一緒に歌っている。が、どういう事なんだ。今、俺が一瞬で思い付いた言葉をそのまま一緒に歌ってやがる。ありえない、こんな事ってあるはずがない。このキャラクターが歌っている曲は俺が一瞬で想像した曲そのものだ。誰にも真似出来ないはず。俺は呆然と画面を見つめた。ひとしきり歌い終わった妖精がこちらに軽くウィンクすると
「貴方の感性届いたわ♪これからよろしくね」
・・・・揃っていた。縦一列に並んだ妖精が居る。暫く呆けていたが必死に残り少ない玉を入賞口に入れていった。だけど、玉が出る気配がしない。もしかして機械裏で玉が詰まってしまってるのか、と思ったが最後の玉が入賞口に入った瞬間、下の受け皿にカチャンと言う音と共に小さなコインが出てきた。
「????なんだこれ、・・じゃない!玉が出ねぇぞ!さっきの店員を呼ばなきゃ!」
そう思って席から立ち上がろうとしたら、いつのまに居たのか真後ろに店員が立っていた。
「幸運の金貨の獲得、おめでとうございます。これにて当店の営業時間を終わらせていただきます・・」
「ぇ?おい!ちょっと待ってくれ!この金貨がなんだって!?」
金貨を握り締め店員に意味を聞こうとしたが視界が一気に滲んでいく。意識が消える最中、店員が何かを言っているが聞き取れない。
「貴方の・・・人せぃ……みちび…あらん事を…」
意識が落ちる。最後に聞こえたアレは一体なんだったんだろう。そして今、俺がわかっているのは何も無い空き地で一人ポツンと立っている事だ。
「はっ!?なんだ!?・・そうだ、金貨だ!」
ポケットに手を突っ込むと何か硬い物に触れた。間違いなく、あの金貨だ。
「・・・・・・この金貨・・触ってるだけでテンションが上がってくる。今ならオーディション用の曲も作れそうな気がしてきた!」
俺は急いで家に帰りさきほど思いついた歌詞をもう一度歌ってみた。
「いける・・これならいけるかもしれない!日曜までに完璧に仕上げてみせる!」
それから俺は一心不乱に歌い続け違和感のある部分は少しづつ修正していった。
そして日曜日。俺は今オーディション会場で審査員全員の注目を浴びている。手ごたえはばっちりだ。今までの鬱憤を晴らすかのように俺は歌い続けた。そして結果発表の時、審査員の一人から最終選考に来てくれないかと言われた。
「よっしゃあーーーー!初めて最終まで残ったぜ!」
それもこれも、この金貨のおかげだ。持っているだけで不思議とテンションが上がって気後れせずに歌える。これは本当に幸運の金貨なんだ。
そして深夜、最終選考で歌う曲作りをしていると月の光が窓から差し込む。
「んー、いい満月だな。月の光で金貨も綺麗に光ってるぜ。この金貨には本当に感謝だ」
金貨に軽くキスをする。
「俺の幸運の女神ちゃん。次も頑張るから見ててくれよな!」
「うん!絶対に頑張ろうね!」
「ひぃぃ!今・・・金貨がしゃべっ・・・・た・・・」
「しっつれいね〜〜〜〜!あんなに情熱的なキスをしてくれたのにー!」
持っていた金貨からピンク色の煙が漏れ出す。
「なんあなんなんなんあ・・・なんだぁ!」
「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!」
「「・・・・・・・・」」
「古いネタだな・・おい」
ピンク色の煙の中から現れた美少女が古いネタを言いながら俺の前に現れた。
「な・・なによ!ちょっと古くてもいいじゃない!」
「・・・・ちょっとどころじゃないんだけどな・・」
頬を膨らませて抗議する美少女を他所に俺は布団に潜り込んだ。
「ちょっとおおおおおおおおお!なんで寝ちゃうのよ!こ〜〜〜〜〜〜んなに可愛い私が目の前に居るのに何もしないってどういう事よ!」
「ぅん、これは夢。そう、夢だ。俺は今寝てるんだから変な夢見てるのも納得出来る」
「こっち向きなさいよーー!」
あんまり五月蝿くされると親父が部屋に来るので大人しく少女のほうに向き直ると
「あたーーーーーーーーーーーーーーーーーーっく!!」
ガヅン!!
顔面に飛んできた。それも両拳をグーにして俺目掛けて飛んできた。両目に直撃を受けた俺はそのままベットの上で気絶しまう。
両目の痛みで意識が戻った時、俺の両腕、両足はベットの端に紐で固定されていた。それも裸状態で。しかも何故かさっきの少女が裸で俺の腹の上に乗ってやがる。
「おい、・・これは何の冗談だ?今外せば尻叩き程度で許してやるぞ?」
「へ〜・・、動けないのにどうやってお尻ペンペンするの〜?」
ニヤニヤと俺の腹の上で笑う少女。明らかに挑発している。
「いいかげんにしないと・・・おふぅ!!」
「いいかげんに〜、なぁ〜〜〜に〜〜?」
どこから取り出したのか俺の腕ぐらいある筆で俺の乳首をグリグリと擦る。強くもなく、弱くもなく絶妙な力加減で俺の乳首をグリグリと弄ぶ。
「くぅ・・ふぅぅ・・・!や・・やめろ・・」
「な〜に〜?きこえなーい」
腹の上の少女はわかってて言っている。こんな小さな少女にいいようにされているのに何故か怒りは湧いてこない。
「それじゃ〜、次はこっちにいってみよー♪」
体を反転させ小さな尻をこちらに向け何かをしようとしている。俺からだと、この少女の柔らかそうな尻しか見えない。これから何をされるのか。
「うぐぅ!そ、そこは・・あぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
「ほ〜らほら、元気にな〜れ」
少女が俺の亀頭を筆で撫でている。あまりの快感に先走り汁が少し漏れた。
「筆だけで気持ち良くてイッちゃうんだ〜。ここを〜こうすると〜ぴゅっぴゅしちゃうかなぁ〜」
「や、やめ・・・もう出る!」
びゅびゅっと音が出そうな勢いで飛び出る精液。それを嬉しそうに顔で受け止める少女。背徳感満載な状況だ。
「はぁはぁ・・、もう気が済んだか・・・」
「あはぁ・・・、いい匂い〜。もうちょっと出せるよね・・」
顔に付いた精液を舐めながら俺のチンコを股間の筋に擦りつける。ねちゃねちゃとした感触と幼い少女に犯されそうになっている心理的興奮で俺のチンコは元気を取り戻す。
「お兄さん、元気元気〜。それじゃ、お兄さんのオチンチン貰っちゃうね」
「え?ちょっと待て、・・今なんて言った?貰っちゃうって・・・まさか!」
「そのまさかだよ〜。お兄さんのオチンチン、私のオマンコに入れちゃうからね」
「入るわけないだろ!そんなちっちぇ穴に入るわけねぇ!」
「んふふふ〜、でも入っちゃうんだよね〜♪」
ずぶずぶと小さな穴に簡単に呑み込まれていく俺のチンコ。途中何かに引っ掛かったが、それを無視して少女は一気に腰を落とす。
「んはぁっ!・・・あぁん・・処女膜一気に破っちゃったぁ〜。破れた瞬間イキそうになっちゃった〜・・・」
小さな体に対して不釣合いな俺のチンコが根本まで全部入ってしまった。
「ぐぅぅ・・・!きつい・・、早く抜くんだ・・」
「はぁぁ・・、ぅん・・頑張って早くヌくね・・」
腰を上下に動かし時には前後にグラインドさせ俺に快感を与えてくる。根本まできっちり嵌ってしまった俺のチンコは成すすべも無く強烈な快感に弄ばれる。
「あぁ・・あふぅ、・・ぅんん。お兄さん気持ちイイ・・?」
「やめ・・るんだ・・。今なら間に合う・・、早く抜くんだ・・」
「わかったぁ〜・・・、もっと早くヌくね〜・・・」
どう理解したのか少女は亀頭がぎりぎり抜ける所まで腰を上げ、そして一気に落とす。ひたすらそれを繰り返す少女。
「うっ!おおっ!やめ・・・や、・・出るから・・ヤメロ・・」
「大丈夫・・だか・・ら。もっろ・・ひゃらくにゅくね〜・・・」
ジュパンジュパンと下品な音を立てながら腰を高速で落とす少女。俺の股間は少女の愛液で腰を落とすだけで音が鳴るほどびちゃびちゃになっている。これ以上されると俺の限界が訪れて膣に出してしまう。
「う、・・はっ・・はっ・・・・ダメだ・・出ちまう!」
「ぅ〜〜〜〜!・・出してぇ!早く満たしてーー!」
「ふうぅぅっ!!」
「んふぅぅ〜〜〜〜!きた〜〜〜・・・・、あちゅいのたっくさんでてりゅ〜」
やってしまった。こんな幼い少女に中出し。完全に犯罪者じゃないか。俺はこれから一体どうしたらいいんだ。俺の気も知らずに腹の上で満足顔でぐったりしてる少女。少女・・・?へ?背中に・・薄い羽みたいなのがある。
「お、おぃ!ぐったりしてるところ悪いがその羽は何だ!?」
「ふへぇ〜〜〜・・。羽〜?羽は羽だょ〜・・・」
「そういう事聞いてんじゃない!お前は一体誰なんだ!」
「わらしぃ〜・・、わらしは〜りゃなんし〜のみゅ〜るだょ〜」
「りゃ・・りゃなんしー・・みゅ〜る?なんだそれ?」
聞けばリャナンシーと言うのは芸術分野において最高の知識を有しており、自分に見合った最高の芸術家と番になる事を目的とする、らしい。もう一度言うが番になる事を目的とする、らしい!。だ。
「事情はわかったが、何故俺なんだ?それと・・、説明する時ぐらいチンコ抜けよ!」
「やだぁ〜〜〜!オチンチン入ってないと寂しいもん!」
「寂しいもん!じゃねぇよ。さっさと抜け!」
「・・・わかったょ〜・・。ヌけばいいんでしょ・・。ヌけば・・」
「え?ちょっと待て・・何か発音のニュアンスがおかしくなかったか・・?」
「じゃぁ、ヌくよ〜」
「ぉあああああああああああああ!」
この馬鹿妖精に朝までヌかれ意識が何度落ちたか。
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結局、朝までぶっとおしでセックスしてたわけだが、体がだるいかと思えばそうでもない。むしろ絶好調だ。この馬鹿妖精の説明でわかったがやればやるほど体が頑丈(?)になるらしい。主に夜の運動限定だが。それはそうと、夜中あれだけ騒いだというのに親父も母さんも何も言ってこなかったな。
「パパとママの事なら大丈夫だよ〜」
「・・・?パパ?ママ?」
「たっちゃんのパパとママ。やだっ、パパ、ママって呼んじゃった…///」
「なんかすげー嫌な予感がするんだが・・・」
俺は急ぎ居間に滑り込む。だが、別に何も変わっていない。なんだ、普通じゃないか。親父も母さんもいつも通りだ。
「達也、何してるんだ?早くミュールと飯食わんか」
「そうよ?いくら結婚したって言ってもミュールちゃんとやりすぎないようにね?」
「・・・・・・・・・」
結婚?どういうことだ?俺は独身で彼女すら居ないはず。
「パパ、ママ、おっはよう〜」
「あらあら、ミュールちゃん元気ね〜」
「ん、ミュールか。もう食事の用意は出来ているぞ」
「はぁ〜い♪」
なんなんだ。なんで当たり前のように家族になっているんだ。おかしいだろ。空気読めよ親父。
「達也、これからミュールと頑張ってミュージシャンを目指せよ?」
「そうよ〜、もうすぐ最終審査なんでしょう?頑張って合格しなさいよ」
俺は顔には出さず、いつものように朝飯を済ますとミュールを連れて部屋に篭る。
「ミュールとか言ったな。一体何故俺なんだ?それと・・うちの親に何した・・?」
「だって〜、達也からオーラみたいなのが見えてるんだもん。後ね、パパとママには私と達也が結婚してるように思わせてるの」
「はぁ?オーラ?それに結婚を思わせた?」
「うん〜、あのね、あのね!達也から一流の何かを感じるの!こう、・・・なんていうのか〜、今はまだ小さいんだけど〜、・・・絶対に一流になる!ってオーラが見えてるの〜」
「お・・俺が・・一流だと?そんなわけないだろ。先日やっと初めて最終審査に残れた俺に一流なんて・・」
「大丈夫だょ。私はリャナンシー、達也を絶対に一流にしてあげる!だから私を信じて!」
俺はミュールの目を見る。ミュールも真剣な表情でこちらを見返してくる。少しばかり悩んだが俺はミュールを信じる事にした。
「そういや、お前が幸運の金貨だった時、持ってるだけで何でも出来そうな気がしたしな」
「うんうん、そうでしょ、そうでしょ♪私の魔力が漏れてたからね。それに金貨の時ね、達也のポケットの中にずっと居たからオチンチンの匂いがダイレクトに気持ち良くて〜何度もイッちゃったんだよ〜」
ぅん、今わかった。こいつはちょっと変態だが信用出来る。何故かって?決まってるじゃないか、こいつは馬鹿正直すぎる。
「そっか、・・・お前は俺がオーディションを受けてる最中にチンコの匂いで欲情してたのか」
「うん!すっごく良かったよ!」
満面の笑みで答えてくるミュール。
こんな馬鹿だけど、無理やり犯されたけどミュールを信じてもいいかと思った。
「それじゃ、・・本当に俺に一流のオーラがあるってんなら鍛えてくれよ!」
「もちろんよ!あ、夜のほうも頑張って一流になってね♪」
ちょっとだけ夜の部が不安になったがこれからミュールと行けるとこまで行ってやろう。こいつを信じて、一流を目指してやる。
「ミュール!善は急げだ、今すぐやるぞ!」
「今からするの!・・もう、朝から元気なんだから・・」
「服を脱ぐな!!」
「あっ、やぁ!そこ弱いんだからグリグリしないで〜〜・・」
「本当は弱い所をグリグリされるのが好きなくせに」
「ダメッ!ダメだってばーー!もぅ・・イッちゃう!」
「ウッ!急に締め付けたら俺も・・・だ、出すぞ!」
ドクドクと精液を流し込まれた子宮は一滴も逃がすまいと蠢動し始める。大量の精液を子宮に収めようとミュールの下腹はぽっこりと膨らみだす。
「ハァハァ・・本当に不思議だな・・。その体のどこに貯まっていくんだか・・」
「あふぅ・・、ぅん、・・・そ、それは乙女の秘密なんだから・・。ね、もう一回する?」
「いや、もうすぐ時間だ。ミュールのおかげで掴んだ初ライブだ。派手に決めてくるから期待しててくれ!」
「うん!期待してるからね!いいとこ見せてよ!」
俺はミュールの膣から愚息を引き抜くとステージ衣装に着替えギターを抱える。俺には不似合いな衣装だな、と感じながらも最愛のミュールに期待されている以上は成果を見せてやりたい。
「ステージに連れていけないのは残念だが・・・」
「えっ?あたしも行くよ?姿消せるし」
「マジか!って、姿消せるんか!?」
「ぅ〜ん・・。姿を消せるんじゃなくて、相手に認識されないようにする、って感じかなぁ」
「それは俺も視えないって事か・・。少し残念だ「エッ?達也は視えるよ?あたしの旦那様だし、それにあたしの魔力もたっぷり混ざってるからね」・・・見え・・、よっしゃああああ!やる気出てきたぜ!」
本当に俺は御目出度いバカだな。ミュールが傍に居るってだけで興奮するんだから。だけど、それでいい。そして・・このライブが終わったら俺はミュールの国に行って歌い続けよう。
「さ、ミュール行こうか」
「うん!」
よし、最高でとびっきりのステージにしてやる。俺に期待してくれた友人達やバイト先の店長、そして両親に、そして最愛のミュールに。今夜だけの伝説を作ってやるから待っててくれ。俺はギターを抱えステージに飛び出す。
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ふぁ〜〜。眠いな。昨日の晩の路上ライブで変なパフォーマンスをしたせいか体がだるい。それどころか体中が痛いぞ。無理な体勢でギター弾いたのが不味かったか。今日バイトの日じゃなくて助かった。とりあえず朝飯食って新しい曲作りに励むか。
〜〜〜〜♪〜〜〜〜♪
朝早くに鳴る携帯って聞くと嫌な予感がするな。
「もしもし、岡崎ですが・・・」
「おー。岡崎、すまんけど今日の昼からバイト来れるか?」
バイト先からの電話だった。
「今日、俺休みなんですけど」
「それはわかってるんだが、倉庫係の子がな〜・・、さっき階段から落ちて怪我しちまってな。それで急遽呼び出したいって事だ」
「…俺じゃなくても近い人結構居るでしょ」
「それなんだがなー、さっきから電話掛けても全く出てこねぇ。あいつら解ってて携帯放置してやがる。んで、来れるか?」
「昼からなら別にいいですよ。もし今からと言ったら俺も携帯の電源落としますよ」
「すまんな。今は病院から電話掛けてるから昼から頼むわ。俺はちょい手続きしなきゃならんから・・と、そうだ。岡崎、昼前に来ないか?」
「11時頃っすか?」
「それぐらいでいいぞ。ちょっと前にいいもん手に入れたから早く来いよ」
「それ何ですか?」
「来てからの楽しみだ」
ツーー・・・プッ
11時か。まだ時間はあるしのんびり曲作りでもすっか。朝飯食う気も無くなったしギターでも弾こう。いつものようにギター片手に奏でてみるが気分が乗らない。こんな日はおとなしくしておこう。
時間はすぐに過ぎてしまう。ただぼぉ〜としてるだけでいつの間にか10時を過ぎていた。家でダラダラしてても時間の無駄だし、早めにバイト先に行く事にした。今から行っても10時半には着く。
「ちわーっす、店長居ます?」
「お〜、早かったな。まだ時間あるぞ?ちょいのんびりしとくか?」
「いやぁ〜・・、店長の『いい物』ってのが気になって早く来てしまいましたよ」
「そうだったな。バイト帰りの時にでも渡すから今日も頑張ってくれよ」
「うぃっす!」
少し時間が早かったがバイト先のスーパーで倉庫整理に入る。倉庫内の壁際に『注意一秒、怪我一生』という張り紙が張ってあった。張り紙あっても怪我人が出たら意味無いなと考えてしまう。それでも周囲に気を配って怪我しないようにするには越したことはない。働きはじめて1時間も経った頃、突然腹の虫が騒ぎ出した。そういや朝飯食って無いな、と思いだす。近くに居た店長が腹の音に気付いてこちらを向く。
「岡崎、すごい腹の音だな。飯食ってないのか?」
「ええ、まぁ、ちょっとダラダラとしてたので朝飯食ってなかったんすよ」
「あれか。また曲作りに励んでいたのか?夢追うのはいいがちゃんと飯は食えよ。夢を叶える前に栄養失調なんて笑えんからなー」
「いやいや、まじでダラダラしてただけっすよ」
「いやいや誤魔化さなくていい。いつかはTVに映るほどの有名なミュージシャンになりたいんだろ?お、そうだ。事務所に昨日の晩の売れ残りが置いてあるから食っていいぞ。少し早いが飯食ってこい」
「ありがとうっす!」
事務所で昨日の売れ残り弁当を食べはじめた俺だったが、どう見ても製造日が今日の明け方だ。まるで始めっから用意されてたような弁当だった。店長は昨日の売れ残りと言っていたが本当は今日の朝に買っていたのだろう。たぶん、これは俺に電話した後に買ったんだと思う。そう思うと涙が出てきた。いつの日かビッグになってこの店を宣伝してやるぜ、と心に誓う。ここでバイトを始めてもう4年になるが、その間ずっと店長は応援してくれていた。ここらで一発決めてやらないとな。俺は飯を食い終わるとすぐに倉庫に戻って店長に礼を言おうとしたが店長は居なかった。店長は店内巡回のほうに戻っていったようだ。
「すまねぇ、店長・・。絶対に売れて此処を宣伝すっからな・・」
それから閉店まで一人で倉庫作業をしていたが全く苦にならなかった。普通なら俺みたいなバカは鼻で笑われるか、誰にも相手されないのが相場だが此処の店長と仲間は俺を応援してくれる。それを思うだけで一人作業でも苦にならない。
「おかざきー、閉店作業に入るから出入り口マットの掃除頼むぞー」
「はーい、マットの後はトイレ掃除しますかー?」
「そっちも頼むわー。こっちはシャッター下ろしたら事務所で集計してるんで掃除終わったら来てくれー」
俺はマットの清掃を手早く終わらせトイレの掃除に移る。スーパーのトイレは結構汚れるので念入りに洗浄する。頑固な汚れはちょっときつめの洗剤でガシガシと力強く擦っていく。
「はぁ〜・・。なんとか汚れ落ちたな」
掃除を終え、店長が待つ事務所へと移動する。事務所では店長が一人で今日一日の売り上げ計算をこなしていた。
「早かったな、こっちももう終わるからちょっと待っててくれんか」
店長は素早く集計を終わらせると俺に冷たい袋を手渡してくる。
「田舎から届いたもんだが、俺よりお前が食ったほうがいいだろう。それと今日の日当分は袋の中に一緒に入れてあるからな。それじゃ、気を付けて帰るんだぞ」
それだけを言うと店長は店の電源を落としはじめた。俺は店長に感謝の言葉を残し帰宅する。そして帰り道、なんとなくこっそりと袋の中を確認すると今日の日当分が入った袋と妙に冷たい何かが紙袋にぐるぐる巻きにされている。とりあえずは家に戻ってから開けてみよう。
「ただいまー・・。親父ー、居ないのかー?」
「ん、帰ってきたか。ちょっと話しがある。こっちに来い」
親父がこういう事を言う時は必ずと言っていいほど説教だ。しかし、最近は別にやましい事をしている訳じゃないし説教を受ける原因も無い。よくわからないまま親父が待つ居間へ入る。
「達也・・。何故呼ばれたか・・わかるか・・?」
親父の額に青筋が見える。これはそうとう怒っているが原因がわからん。
「お前、・・昨日の晩に褌一枚で路上ライブしたそうだな・・・ん?」
「な、なななな・・なんの事だ・・」
「うちの同僚が帰宅途中に偶然にもお前が路上ライブをしているのを見たらしいが・・、褌一枚でギター振りまわしていたそうだな・・。呆れて物も言えん」
「いや・・そそそそれは・・ウケを狙おうとしただけで・・」
ガヅン!!
とんでもない勢いで脳天に拳を落とされた。
「このバカモンが!お前がギターに夢を託してるのはいいとして・・。だがな、人として情けない事をお前にさせる気は無い!次やったら・・わかってるな?」
「わぁったよ〜・・。あれはただ目立つだけにやった事だから二度とする気は無いよ」
「返事はハイだ!」
「は、ハイ!」
痛む頭の天辺をさすりながら居間のテーブルに店長から貰った紙袋を出して開けてみた。
「うぉぉぉぉっ!なんじゃこりゃあああああ!でっけぇ肉の塊が入ってる!」
「達也!なんでお前がこんな大きい肉を持ってるんだ!?」
「いや、今日バイトで急ぎの補充員が必要だったらしくて・・。んで、俺は今日休みだったんだけど行ったんよ。そしたら店長が田舎から何か届いたって・・。それで帰り際に店長から貰ったんだが」
「これは、・・・どう見ても高級肉だぞ。そんじょそこらで買えるもんじゃない。・・・達也、お前が期待されている証拠だぞ。この期待に絶対に応えろ。もし夢が潰れてもお前の努力は誰もが認めてるんだからな」
「・・わかったよ、親父。今度のオーディションなんとかして最終審査まで残ってやるよ!」
「なんとかしてじゃない!意地でも残れ!わかったな」
「ああ!」
「今日は豪勢にステーキを食うぞ!分厚く切れ達也!母さんビールをくれ!」
晩飯が豪華になった。普段なら絶対に食う事なんて無い分厚いステーキ肉。本当に店長には頭が上がらない。親父は親父で分厚いステーキ肉に御機嫌のようだ。店長に感謝しながら美味い肉を味わう。
「はぁ〜・・食った食った。こんな豪華な肉なんて一生食えないかと思ってたよ」
「・・・ところで達也。次に受けるオーディションはいつだ?」
「あ〜・・えと、次の日曜だ」
「絶対に残れよ・・」
「頑張るよ」
そして風呂に入り、部屋に戻ってすぐに新しい曲作りに精を出す。だが、何も浮かんでこない。浮かんできても陳腐な台詞ばかりで納得する曲にはならない。
「どうしたもんだか・・、こんな時、作詞家の人って何考えてんだろうなー」
結局、堂々巡りになるので今日は素直に寝た。
朝、いつも通りの時間に起きるとちょうど携帯が鳴る。
「もしもし、岡崎です・・」
「岡崎かー、今日は埋め合わせで休みでいいぞ。そのかわりに明後日は午前から入ってくれるか?」
「もちろんいいですよ。それと昨日はありがとうございました」
「なんの事だ?それよりもオーディション日曜なんだろ。その日は休みにしてやるから土曜まで出てくれんか?」
「いいっすよ!」
「それじゃ、明後日から土曜まで頼むぞ」
それだけを言うと店長は通話を切ってしまった。店長の恩が有難い。今日は火曜。日曜までに曲を作らないとな。だが、昨日から全く歌詞が浮かんでこない、浮かばないならいいが浮かんできても陳腐どころか聞くだけで馬鹿馬鹿しい言葉ばかり繋がって出てくる。外にでも出て気分転換するしか無い。今はまだ朝早い時間帯。だけど俺はなんとなく外に出たくなったので適当な服に着替えて宛も無く出掛けた。
「やっぱ朝早いとあんまし店開いてないな」
ぶらぶらと気ままに歩き、適当感覚で路地裏を出たり入ったりしては思い付いた言葉を歌詞にしてみる。
「あ〜〜〜、ダメだぁ。わけわかんねぇ台詞ばかりだ」
自分でも嫌になるぐらいの呆れた言葉ばかり口から出てくる。才能が全く無いんじゃないだろうかと自分自身を疑いたくなってきた。何かこう、インスピレーションが沸くようなイベントでも無いかと思い市街地から少し離れぶらぶらと歩く。
「ぉ?あんなとこにパチがあったのか?ここらへん滅多に来ないから知らなかったぞ。・・・ふ〜ん、パーラー・・出逢い?なんだそれ、ウケ狙いか?と、・・俺も褌一枚でやっちまったから言えないか」
店に入って適当に冷やかしでもするか、と思ったが店内で掃除をしている女性を見た途端に心臓が締め付けられるような、それでいて理解出来ない何かに魅了されるような気持ちになった。
「うおおお・・・すっげー美人じゃないか。あんないい女・・グラビアでも見た事ねえぞ。もしかしてどっかの事務所にでも所属してるかも・・それに乳でけえ・・・」
俺は誘導されるように、甘い蜜に群がる昆虫のようにフラフラと店内に入った。
「ぁ、本日は当店、パーラーDE☆A☆Iに御越しいただきありがとうございます」
俺の姿を確認した女性が声を掛けてきた。
「・・・!!見た目もすごいが声もすげー綺麗だ!一体どこの事務所に所属してるんだ・・」
「はい?」
「え?あっ!すんません!なんでもないです!」
心に思った事をストレートに口に出してしまった。店員が妙な目つきでこちらを見てくる。やばい、変人に思われてしまったか。
「あのぉ〜、貴方は歌手・・ですか?」
「えっ!いやいやいやいやいや!俺は歌手じゃないっすよ!はははは・・そんなわけないじゃないっすか」
「そう・・・ですか。声が綺麗でしたのでてっきりそうかと・・」
声が綺麗?そんなはずない。自分で言うのもなんだが美声にはほど遠い。TVの中で歌ってる連中と比べたら俺の声なんてチュンチュン無く雀程度の声だ。でも、こんな美人に言われるならちょっとぐらい浮かれてもいい。
「それでは当店で御満足頂けるよう・・」
店員の女性は店内の掃除を再び始めるが、俺は床のモップ掛けをしている女性の尻に目がくぎづけになる。
「あの〜、私に何か御用でしょうか?」
気付かれた。よっぽど凝視してたのか、俺。
「いや、なんでもないっす!」
俺は適当に店内をぐるぐる回り何か刺激のありそうな台を探し始めた。
「ふぅ〜、俺・・絶対に変人に見られてるだろうなー。だけど、・・いい乳に尻だったな・・しかも絶世の美女。今度時間あったらもう一回ここに来よう」
台を物色中に俺は気付いた、いや気付いてしまった。今の手持ちが7千円しか無い事に。昨日もらった日当分は日曜のオーディションに行く為に残さないといけない。どうしようか迷った。今ここでパチンコ打って負けようもんなら日曜のオーディションに行けなくなる。でも、もし運良く勝てたら食事付きになる。俺はひたすら悩んだ。今から家に戻って少しばかり持ってきてもいいがそうすると負け続けた時が怖い。だがここで『やっぱり辞めた』というのは些か無粋な気がしてくる。
「ええぃ!くそ!打ってやんよ!」
俺は直感頼りに身近にあった台に座った。座った台の名は『無限の楽園』。
「これに決める!この台が俺を呼んでるんだ!」
意味不明な言葉を発し打ち始める。しかし、打ってから後悔した。キャラクターがどう見ても幼女ばかり。ロリコンほいほいです、ありがとうございました。という雰囲気を持っている台だった。
「なんで俺こんな台打ってしまったんだろう・・。打ってしまったもんはしょうがない・・・。・・・?」
打ち始めてから数回転。俺は異変に気付く。キャラクター全てが俺を見てるような気がする。いや、こっちを見てる・・?ありえないな、そう思いながら黙々と打つ。
「・・・、やっぱりこっちを見てる気がするのは気のせいじゃないよな。なんかこっちに手を振ってるのまで居るし」
よくわからない妖精みたいなのが俺に手を振っている。他の良く似たキャラクターもこっちに手を振る。
「まぁ、可愛らしいからいいか」
きっとキャラクターの演出だろう、と。黙々と回す事20分。リーチがかかったがスルーしてしまう。パチンコはこんなもんだ、と納得し黙々と打つ。所持金をチラチラと確認しながら打ち続ける。やはり7千円では無理があるか。
「ねぇ、お兄ちゃん。あ・そ・ぼ♪」
思わず噴き出しそうになったがリーチがかかったので堪える。
「なんだ今のは・・。リーチ演出にしては変だろ」
画面中央でくるくる飛び回る妖精だったが樹にぶつかって目を回す。
「ぷっ・・、今の最高におもしろかったぞ」
その後もリーチが続けて来たが一向に当たらない。所詮こんなもんと諦めそうになったがどうしても当ててみたいとも思った。
「やばいなぁ・・、後2千円しか残ってねぇ。千円は交通費に残して置きたいから・・」
千円札一枚だけ財布から抜き取り後ろポケットに入れた後に残りの千円を投入し、ジャラジャラと玉が出てくるのを見つめた後に溜息を漏らす。
「何やってんだろうな、俺。当たらないっつうのに金つぎ込んで・・」
画面でくるくる回る妖精達。なかなか当たらないのは承知だがそれでも打ってしまう。こういうのにムキになって財産を食い潰すのが博打の怖い所。
「これで終わるか・・、お?おおおおおおおおおお?」
画面の上下のキャラクターが同じ動きで行進している。そして、それを追いかけるような形で真ん中のキャラクターが動き出した。
「こ、これって・・。もしかして当たる確立高いんじゃねぇか!?」
そしてピタリと止まる上下のキャラクター。画面真ん中に綺麗に止まってリーチになる。
「んん、なんだろ・・このキャラクター?」
妖精にしてはちょっと大きいような、でも見た目は妖精。全くわからないがリーチになったので良しとする。
「さぁ、貴方の感性はどこまで響き渡るの?」
突然の台詞に唖然としてしまう。まるで俺に問いかけてるような言葉だ。
「貴方だけの〜、思いを胸に〜♪」
そうそう・・、俺が歌いたいのはこんな曲なんだよ。んで、続きは
『忘れさせない、消せない記憶(メモリー)〜』
そうそう!これ!これなんだよ!
『いつか巡り会う為に 歌い続ける』
何故か俺も一緒に歌っている。が、どういう事なんだ。今、俺が一瞬で思い付いた言葉をそのまま一緒に歌ってやがる。ありえない、こんな事ってあるはずがない。このキャラクターが歌っている曲は俺が一瞬で想像した曲そのものだ。誰にも真似出来ないはず。俺は呆然と画面を見つめた。ひとしきり歌い終わった妖精がこちらに軽くウィンクすると
「貴方の感性届いたわ♪これからよろしくね」
・・・・揃っていた。縦一列に並んだ妖精が居る。暫く呆けていたが必死に残り少ない玉を入賞口に入れていった。だけど、玉が出る気配がしない。もしかして機械裏で玉が詰まってしまってるのか、と思ったが最後の玉が入賞口に入った瞬間、下の受け皿にカチャンと言う音と共に小さなコインが出てきた。
「????なんだこれ、・・じゃない!玉が出ねぇぞ!さっきの店員を呼ばなきゃ!」
そう思って席から立ち上がろうとしたら、いつのまに居たのか真後ろに店員が立っていた。
「幸運の金貨の獲得、おめでとうございます。これにて当店の営業時間を終わらせていただきます・・」
「ぇ?おい!ちょっと待ってくれ!この金貨がなんだって!?」
金貨を握り締め店員に意味を聞こうとしたが視界が一気に滲んでいく。意識が消える最中、店員が何かを言っているが聞き取れない。
「貴方の・・・人せぃ……みちび…あらん事を…」
意識が落ちる。最後に聞こえたアレは一体なんだったんだろう。そして今、俺がわかっているのは何も無い空き地で一人ポツンと立っている事だ。
「はっ!?なんだ!?・・そうだ、金貨だ!」
ポケットに手を突っ込むと何か硬い物に触れた。間違いなく、あの金貨だ。
「・・・・・・この金貨・・触ってるだけでテンションが上がってくる。今ならオーディション用の曲も作れそうな気がしてきた!」
俺は急いで家に帰りさきほど思いついた歌詞をもう一度歌ってみた。
「いける・・これならいけるかもしれない!日曜までに完璧に仕上げてみせる!」
それから俺は一心不乱に歌い続け違和感のある部分は少しづつ修正していった。
そして日曜日。俺は今オーディション会場で審査員全員の注目を浴びている。手ごたえはばっちりだ。今までの鬱憤を晴らすかのように俺は歌い続けた。そして結果発表の時、審査員の一人から最終選考に来てくれないかと言われた。
「よっしゃあーーーー!初めて最終まで残ったぜ!」
それもこれも、この金貨のおかげだ。持っているだけで不思議とテンションが上がって気後れせずに歌える。これは本当に幸運の金貨なんだ。
そして深夜、最終選考で歌う曲作りをしていると月の光が窓から差し込む。
「んー、いい満月だな。月の光で金貨も綺麗に光ってるぜ。この金貨には本当に感謝だ」
金貨に軽くキスをする。
「俺の幸運の女神ちゃん。次も頑張るから見ててくれよな!」
「うん!絶対に頑張ろうね!」
「ひぃぃ!今・・・金貨がしゃべっ・・・・た・・・」
「しっつれいね〜〜〜〜!あんなに情熱的なキスをしてくれたのにー!」
持っていた金貨からピンク色の煙が漏れ出す。
「なんあなんなんなんあ・・・なんだぁ!」
「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!」
「「・・・・・・・・」」
「古いネタだな・・おい」
ピンク色の煙の中から現れた美少女が古いネタを言いながら俺の前に現れた。
「な・・なによ!ちょっと古くてもいいじゃない!」
「・・・・ちょっとどころじゃないんだけどな・・」
頬を膨らませて抗議する美少女を他所に俺は布団に潜り込んだ。
「ちょっとおおおおおおおおお!なんで寝ちゃうのよ!こ〜〜〜〜〜〜んなに可愛い私が目の前に居るのに何もしないってどういう事よ!」
「ぅん、これは夢。そう、夢だ。俺は今寝てるんだから変な夢見てるのも納得出来る」
「こっち向きなさいよーー!」
あんまり五月蝿くされると親父が部屋に来るので大人しく少女のほうに向き直ると
「あたーーーーーーーーーーーーーーーーーーっく!!」
ガヅン!!
顔面に飛んできた。それも両拳をグーにして俺目掛けて飛んできた。両目に直撃を受けた俺はそのままベットの上で気絶しまう。
両目の痛みで意識が戻った時、俺の両腕、両足はベットの端に紐で固定されていた。それも裸状態で。しかも何故かさっきの少女が裸で俺の腹の上に乗ってやがる。
「おい、・・これは何の冗談だ?今外せば尻叩き程度で許してやるぞ?」
「へ〜・・、動けないのにどうやってお尻ペンペンするの〜?」
ニヤニヤと俺の腹の上で笑う少女。明らかに挑発している。
「いいかげんにしないと・・・おふぅ!!」
「いいかげんに〜、なぁ〜〜〜に〜〜?」
どこから取り出したのか俺の腕ぐらいある筆で俺の乳首をグリグリと擦る。強くもなく、弱くもなく絶妙な力加減で俺の乳首をグリグリと弄ぶ。
「くぅ・・ふぅぅ・・・!や・・やめろ・・」
「な〜に〜?きこえなーい」
腹の上の少女はわかってて言っている。こんな小さな少女にいいようにされているのに何故か怒りは湧いてこない。
「それじゃ〜、次はこっちにいってみよー♪」
体を反転させ小さな尻をこちらに向け何かをしようとしている。俺からだと、この少女の柔らかそうな尻しか見えない。これから何をされるのか。
「うぐぅ!そ、そこは・・あぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
「ほ〜らほら、元気にな〜れ」
少女が俺の亀頭を筆で撫でている。あまりの快感に先走り汁が少し漏れた。
「筆だけで気持ち良くてイッちゃうんだ〜。ここを〜こうすると〜ぴゅっぴゅしちゃうかなぁ〜」
「や、やめ・・・もう出る!」
びゅびゅっと音が出そうな勢いで飛び出る精液。それを嬉しそうに顔で受け止める少女。背徳感満載な状況だ。
「はぁはぁ・・、もう気が済んだか・・・」
「あはぁ・・・、いい匂い〜。もうちょっと出せるよね・・」
顔に付いた精液を舐めながら俺のチンコを股間の筋に擦りつける。ねちゃねちゃとした感触と幼い少女に犯されそうになっている心理的興奮で俺のチンコは元気を取り戻す。
「お兄さん、元気元気〜。それじゃ、お兄さんのオチンチン貰っちゃうね」
「え?ちょっと待て、・・今なんて言った?貰っちゃうって・・・まさか!」
「そのまさかだよ〜。お兄さんのオチンチン、私のオマンコに入れちゃうからね」
「入るわけないだろ!そんなちっちぇ穴に入るわけねぇ!」
「んふふふ〜、でも入っちゃうんだよね〜♪」
ずぶずぶと小さな穴に簡単に呑み込まれていく俺のチンコ。途中何かに引っ掛かったが、それを無視して少女は一気に腰を落とす。
「んはぁっ!・・・あぁん・・処女膜一気に破っちゃったぁ〜。破れた瞬間イキそうになっちゃった〜・・・」
小さな体に対して不釣合いな俺のチンコが根本まで全部入ってしまった。
「ぐぅぅ・・・!きつい・・、早く抜くんだ・・」
「はぁぁ・・、ぅん・・頑張って早くヌくね・・」
腰を上下に動かし時には前後にグラインドさせ俺に快感を与えてくる。根本まできっちり嵌ってしまった俺のチンコは成すすべも無く強烈な快感に弄ばれる。
「あぁ・・あふぅ、・・ぅんん。お兄さん気持ちイイ・・?」
「やめ・・るんだ・・。今なら間に合う・・、早く抜くんだ・・」
「わかったぁ〜・・・、もっと早くヌくね〜・・・」
どう理解したのか少女は亀頭がぎりぎり抜ける所まで腰を上げ、そして一気に落とす。ひたすらそれを繰り返す少女。
「うっ!おおっ!やめ・・・や、・・出るから・・ヤメロ・・」
「大丈夫・・だか・・ら。もっろ・・ひゃらくにゅくね〜・・・」
ジュパンジュパンと下品な音を立てながら腰を高速で落とす少女。俺の股間は少女の愛液で腰を落とすだけで音が鳴るほどびちゃびちゃになっている。これ以上されると俺の限界が訪れて膣に出してしまう。
「う、・・はっ・・はっ・・・・ダメだ・・出ちまう!」
「ぅ〜〜〜〜!・・出してぇ!早く満たしてーー!」
「ふうぅぅっ!!」
「んふぅぅ〜〜〜〜!きた〜〜〜・・・・、あちゅいのたっくさんでてりゅ〜」
やってしまった。こんな幼い少女に中出し。完全に犯罪者じゃないか。俺はこれから一体どうしたらいいんだ。俺の気も知らずに腹の上で満足顔でぐったりしてる少女。少女・・・?へ?背中に・・薄い羽みたいなのがある。
「お、おぃ!ぐったりしてるところ悪いがその羽は何だ!?」
「ふへぇ〜〜〜・・。羽〜?羽は羽だょ〜・・・」
「そういう事聞いてんじゃない!お前は一体誰なんだ!」
「わらしぃ〜・・、わらしは〜りゃなんし〜のみゅ〜るだょ〜」
「りゃ・・りゃなんしー・・みゅ〜る?なんだそれ?」
聞けばリャナンシーと言うのは芸術分野において最高の知識を有しており、自分に見合った最高の芸術家と番になる事を目的とする、らしい。もう一度言うが番になる事を目的とする、らしい!。だ。
「事情はわかったが、何故俺なんだ?それと・・、説明する時ぐらいチンコ抜けよ!」
「やだぁ〜〜〜!オチンチン入ってないと寂しいもん!」
「寂しいもん!じゃねぇよ。さっさと抜け!」
「・・・わかったょ〜・・。ヌけばいいんでしょ・・。ヌけば・・」
「え?ちょっと待て・・何か発音のニュアンスがおかしくなかったか・・?」
「じゃぁ、ヌくよ〜」
「ぉあああああああああああああ!」
この馬鹿妖精に朝までヌかれ意識が何度落ちたか。
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結局、朝までぶっとおしでセックスしてたわけだが、体がだるいかと思えばそうでもない。むしろ絶好調だ。この馬鹿妖精の説明でわかったがやればやるほど体が頑丈(?)になるらしい。主に夜の運動限定だが。それはそうと、夜中あれだけ騒いだというのに親父も母さんも何も言ってこなかったな。
「パパとママの事なら大丈夫だよ〜」
「・・・?パパ?ママ?」
「たっちゃんのパパとママ。やだっ、パパ、ママって呼んじゃった…///」
「なんかすげー嫌な予感がするんだが・・・」
俺は急ぎ居間に滑り込む。だが、別に何も変わっていない。なんだ、普通じゃないか。親父も母さんもいつも通りだ。
「達也、何してるんだ?早くミュールと飯食わんか」
「そうよ?いくら結婚したって言ってもミュールちゃんとやりすぎないようにね?」
「・・・・・・・・・」
結婚?どういうことだ?俺は独身で彼女すら居ないはず。
「パパ、ママ、おっはよう〜」
「あらあら、ミュールちゃん元気ね〜」
「ん、ミュールか。もう食事の用意は出来ているぞ」
「はぁ〜い♪」
なんなんだ。なんで当たり前のように家族になっているんだ。おかしいだろ。空気読めよ親父。
「達也、これからミュールと頑張ってミュージシャンを目指せよ?」
「そうよ〜、もうすぐ最終審査なんでしょう?頑張って合格しなさいよ」
俺は顔には出さず、いつものように朝飯を済ますとミュールを連れて部屋に篭る。
「ミュールとか言ったな。一体何故俺なんだ?それと・・うちの親に何した・・?」
「だって〜、達也からオーラみたいなのが見えてるんだもん。後ね、パパとママには私と達也が結婚してるように思わせてるの」
「はぁ?オーラ?それに結婚を思わせた?」
「うん〜、あのね、あのね!達也から一流の何かを感じるの!こう、・・・なんていうのか〜、今はまだ小さいんだけど〜、・・・絶対に一流になる!ってオーラが見えてるの〜」
「お・・俺が・・一流だと?そんなわけないだろ。先日やっと初めて最終審査に残れた俺に一流なんて・・」
「大丈夫だょ。私はリャナンシー、達也を絶対に一流にしてあげる!だから私を信じて!」
俺はミュールの目を見る。ミュールも真剣な表情でこちらを見返してくる。少しばかり悩んだが俺はミュールを信じる事にした。
「そういや、お前が幸運の金貨だった時、持ってるだけで何でも出来そうな気がしたしな」
「うんうん、そうでしょ、そうでしょ♪私の魔力が漏れてたからね。それに金貨の時ね、達也のポケットの中にずっと居たからオチンチンの匂いがダイレクトに気持ち良くて〜何度もイッちゃったんだよ〜」
ぅん、今わかった。こいつはちょっと変態だが信用出来る。何故かって?決まってるじゃないか、こいつは馬鹿正直すぎる。
「そっか、・・・お前は俺がオーディションを受けてる最中にチンコの匂いで欲情してたのか」
「うん!すっごく良かったよ!」
満面の笑みで答えてくるミュール。
こんな馬鹿だけど、無理やり犯されたけどミュールを信じてもいいかと思った。
「それじゃ、・・本当に俺に一流のオーラがあるってんなら鍛えてくれよ!」
「もちろんよ!あ、夜のほうも頑張って一流になってね♪」
ちょっとだけ夜の部が不安になったがこれからミュールと行けるとこまで行ってやろう。こいつを信じて、一流を目指してやる。
「ミュール!善は急げだ、今すぐやるぞ!」
「今からするの!・・もう、朝から元気なんだから・・」
「服を脱ぐな!!」
13/07/15 22:59更新 / ぷいぷい
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