06.体と心のメンテナンス
「キミは正直わたしのこと、どう思ってる?」
「・・・まるで意味か分からないな。」
「..それもそうだね。」
リーベルがグロリアの二の腕に専用のツールをあてがい呪文のような物をつぶやくとガコンッと鈍いとともに腕がずり落ちる。
「へぇ、こんな仕組みになっていたとは我ながら驚きだな。」
「全部外すから、今は動かないで、作業に支障が出る。」
そんな会話をはさみながら、両腕、両足、背部と頭部の装置を外す、ダルマ状態となったグロリアの接続部分を手入れしながらリーベルは話を続ける。
「そうだな...これを見てくれ。」
リーベルが持っているのは先ほど外したグロリアの腕だ、手の甲には射突型ブレードが付いている
「そいつがどうかしたのか?」
「これは兵器だ!体の一部としてキミの身体に仕込まれたものなんだ!」
グロリアから目を背ける
「つまりわたしはキミに生まれた時から兵器としての役割を義務づけているということだ。」
若干その手を震わせながら言葉を続ける
「わたしはキミを兵器として作ったことに何とも思わないのか、と聞きたいんだ!」
しばしの静寂が流れると「ハァ」、とグロリアは息を吐く。
「オマエは何言ってんだ?」
「........。」
「あたしはゴーレム、オマエのしもべとして作られた、一度聞くがオマエは何のためにあたしを造った、言ってみろ!」
「...キミはわたしの護衛兼使用人兼....、何よりもわたしの兵器としてその体を造った。」
「別に何も問題ないじゃねーか、何がそんなに後ろめたいっていうんだ?」
「今日キミが子供たちに紙芝居を読んであげているとこを見て思ったんだ、兵器として造っておいてなんだけど、せっかく魔物娘として生まれたんだどうせなら自分の好きなこととか...さ、キミだって心を持っているんだし.....、もしかしたらわたしはキミのこと縛っているんじゃないかってさ。」
「クスッ。」
「あっいま!今笑ったよね。」
「さあ、どうだろうねえ、そんなことよりもさ、はやく手足を繋げてくれよこっちは待たされているんだ。」
「ぐぎぎ・・・。」
ゴリリッガッと鈍い音を立てて関節部分が閉まる、手の平を開いて閉じてまた開いて、さらに屈伸を加える、しっかりと接続できているようだ。
「よし、問題ナシっと」
「あたりまえじゃないかわたしを誰だと思ってるんだい?」
「そらあたしのマスターリーベルさ、といってもオマエはおっちょこちょいだからな、あたしがしっかり様子を見ていないと余計なことしかねないけどな!」
「キミはわたしのことを子供扱いしているのかい!?失敬な奴だな。」
「そう言いながらニヤニヤしてちょっと嬉しそうなのはどいつかな?」
「じっ自分の主人になんてものの言いようだっ。」
「だったら登録の際に余計な設定にしたのを後悔するんだな。」
「後悔?するわけないさ、こうして馬鹿みたいに話していられるんだから、それに設定だなんて付けれるわけが...。」
「設定が何だって?」
「うるさいうるさい!点検は終わったんださっさと明日の準備をして」
リーベルがこの真夜中に騒がしく喚いているとコンコンッと扉を叩く音がするこんな夜に客人のようだグロリアは首をかしげながら扉を開けるとまるでリーベルとそっくりな人間少女ががグロリアを見上げていた、
「ごきげんようグロリア様、リーベル様。」
「えっとどなた様ですか・・・?」
「!!」
「ふふっリーベル様いい驚き顔誠にありがとうございました、ドッペルゲンガー冥利に尽きますわ。」
人間少女の辺りから黒いもやが立ち込める、もやは一瞬にして少女を包みこむとフッと霧散してしまった、しかしそのもやの中から現れたのは先ほどの少女ではなく一人の魔物娘、ゴシックロリータファッションに身を包み視線がまったく揺らがない大きな瞳、屋内でも構わず日傘をさすその人物は昼間に出会ったノワルであった。
「一体その姿をどこで....。」
「グロリア様の心の中におぼろげにに残っていたものですわ。」
「まるでわけが分からんぞ。」
「つまりこういうことだキミの知らない記憶、つまりキミが一度壊れてしまう前に見たわたしの生前の姿ってわけさ。」
「そういうことでしたら、そういうことなんでしょうね。」
「それよりも!君はもしかして記憶の復元とかできちゃったりするのかい!!」
「おっ落ち着いてわたくしはただドッペルゲンガーの能力で記憶を覗いただけですわ!」
「おっとと、ごめん少しとり乱してしまったよ。」
「強いて言うなら記憶がボロボロに風化したというよりコロリと抜け落ちてしまっているような、そんな感じでしたわ。」
「そんな感じと言われてもなあ。」
「いけませんわ、おわたししなければならないものがありましたの。」
「「??」」
そう言って懐から一枚のメモを取り出すと「それではごきげんよう」と言ってそそくさと部屋を出てって行ってしまった。
「....グロリア、今日はもう寝よう。」
「・・・そうだな。」
「・・・まるで意味か分からないな。」
「..それもそうだね。」
リーベルがグロリアの二の腕に専用のツールをあてがい呪文のような物をつぶやくとガコンッと鈍いとともに腕がずり落ちる。
「へぇ、こんな仕組みになっていたとは我ながら驚きだな。」
「全部外すから、今は動かないで、作業に支障が出る。」
そんな会話をはさみながら、両腕、両足、背部と頭部の装置を外す、ダルマ状態となったグロリアの接続部分を手入れしながらリーベルは話を続ける。
「そうだな...これを見てくれ。」
リーベルが持っているのは先ほど外したグロリアの腕だ、手の甲には射突型ブレードが付いている
「そいつがどうかしたのか?」
「これは兵器だ!体の一部としてキミの身体に仕込まれたものなんだ!」
グロリアから目を背ける
「つまりわたしはキミに生まれた時から兵器としての役割を義務づけているということだ。」
若干その手を震わせながら言葉を続ける
「わたしはキミを兵器として作ったことに何とも思わないのか、と聞きたいんだ!」
しばしの静寂が流れると「ハァ」、とグロリアは息を吐く。
「オマエは何言ってんだ?」
「........。」
「あたしはゴーレム、オマエのしもべとして作られた、一度聞くがオマエは何のためにあたしを造った、言ってみろ!」
「...キミはわたしの護衛兼使用人兼....、何よりもわたしの兵器としてその体を造った。」
「別に何も問題ないじゃねーか、何がそんなに後ろめたいっていうんだ?」
「今日キミが子供たちに紙芝居を読んであげているとこを見て思ったんだ、兵器として造っておいてなんだけど、せっかく魔物娘として生まれたんだどうせなら自分の好きなこととか...さ、キミだって心を持っているんだし.....、もしかしたらわたしはキミのこと縛っているんじゃないかってさ。」
「クスッ。」
「あっいま!今笑ったよね。」
「さあ、どうだろうねえ、そんなことよりもさ、はやく手足を繋げてくれよこっちは待たされているんだ。」
「ぐぎぎ・・・。」
ゴリリッガッと鈍い音を立てて関節部分が閉まる、手の平を開いて閉じてまた開いて、さらに屈伸を加える、しっかりと接続できているようだ。
「よし、問題ナシっと」
「あたりまえじゃないかわたしを誰だと思ってるんだい?」
「そらあたしのマスターリーベルさ、といってもオマエはおっちょこちょいだからな、あたしがしっかり様子を見ていないと余計なことしかねないけどな!」
「キミはわたしのことを子供扱いしているのかい!?失敬な奴だな。」
「そう言いながらニヤニヤしてちょっと嬉しそうなのはどいつかな?」
「じっ自分の主人になんてものの言いようだっ。」
「だったら登録の際に余計な設定にしたのを後悔するんだな。」
「後悔?するわけないさ、こうして馬鹿みたいに話していられるんだから、それに設定だなんて付けれるわけが...。」
「設定が何だって?」
「うるさいうるさい!点検は終わったんださっさと明日の準備をして」
リーベルがこの真夜中に騒がしく喚いているとコンコンッと扉を叩く音がするこんな夜に客人のようだグロリアは首をかしげながら扉を開けるとまるでリーベルとそっくりな人間少女ががグロリアを見上げていた、
「ごきげんようグロリア様、リーベル様。」
「えっとどなた様ですか・・・?」
「!!」
「ふふっリーベル様いい驚き顔誠にありがとうございました、ドッペルゲンガー冥利に尽きますわ。」
人間少女の辺りから黒いもやが立ち込める、もやは一瞬にして少女を包みこむとフッと霧散してしまった、しかしそのもやの中から現れたのは先ほどの少女ではなく一人の魔物娘、ゴシックロリータファッションに身を包み視線がまったく揺らがない大きな瞳、屋内でも構わず日傘をさすその人物は昼間に出会ったノワルであった。
「一体その姿をどこで....。」
「グロリア様の心の中におぼろげにに残っていたものですわ。」
「まるでわけが分からんぞ。」
「つまりこういうことだキミの知らない記憶、つまりキミが一度壊れてしまう前に見たわたしの生前の姿ってわけさ。」
「そういうことでしたら、そういうことなんでしょうね。」
「それよりも!君はもしかして記憶の復元とかできちゃったりするのかい!!」
「おっ落ち着いてわたくしはただドッペルゲンガーの能力で記憶を覗いただけですわ!」
「おっとと、ごめん少しとり乱してしまったよ。」
「強いて言うなら記憶がボロボロに風化したというよりコロリと抜け落ちてしまっているような、そんな感じでしたわ。」
「そんな感じと言われてもなあ。」
「いけませんわ、おわたししなければならないものがありましたの。」
「「??」」
そう言って懐から一枚のメモを取り出すと「それではごきげんよう」と言ってそそくさと部屋を出てって行ってしまった。
「....グロリア、今日はもう寝よう。」
「・・・そうだな。」
16/02/25 14:14更新 / B,バス
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