オートマトンたんのマスター専用再教育プログラムver5.48
ピピ
システム起動。
セルフデータチェック開始………グリーン。
胸部魔力炉稼働………グリーン。
上部及び脚部の動作チェック………グリーン。
腰部の動作チェック………グリーン。
その他各種機能動作確認完了。
愛妻オートマトン、「イプシロン」起動します。
「…………」
本日の予定を前日データよりダウンロード………完了。
これよりマスターの起床サポートに移ります。
「……失礼します」
マスターの寝室へ侵入。
日光による室内の明度向上確認。
「………」
マスターの状態確認、就寝中。
通常より無防備な寝顔。
アイカメラ起動、ナンバー5823メモリーに追加。
愛妻プログラムよりデータロックの提案、採用。
「マスター……」
イプシロンの発情値上昇を確認。
下腹部の魔物娘システムによる強制搾精プログラム実施提案。
……却下。
倫理プログラムによる状況判断、マスターの起床を優先。
魔物娘システムによる抗議信号。
魔物娘システムによる新規起床サポート提案。
倫理プログラム閲覧、問題なし。
採用。
軽度の肩部揺さぶりと接触表面積増大姿勢に移行。
掌マニピュレータによるマスターの頬部への摩擦、及び大腿部へ腰部擦付け。
「………、…マスター」
腰部から僅かな快楽信号あり。
魔物娘システム活性化。
嗅覚センサーにマスターの情報感知。
イプシロンの愛情値増大。
再度の嗅覚検査実施。
再々度の嗅覚検査実施。
再々々度の嗅覚検査………。
「……ん」
マスターの意識レベル向上。
魔物娘システムによる再度の搾精プログラム提案。
…………却下。
「………ん…おはよう、シロン」
マスターの覚醒を確認。
「おはようこざいます、マスター」
至近距離からのマスターの表情。
微笑み。
イプシロンの愛情値増大。
顔部表面の赤化感知。
魔力炉の回転数上昇。
「あ、朝のメディカルチェックを開始します」
内部温度の上昇を感知。
エラー行動回避のため早急なメディカルチェック開始します。
「んっ……ふ……ちゅ」
イプシロンとマスターの唇部の接触を確認。
弾力のある唇。
表面の乾燥を確認、接吻パターン「フレンチキス」で対処。
マスターの唇が運動を開始。
口内感覚センサーに快楽反応を検知。
イプシロンの愛情値増加。
イプシロンの発情値増加。
「ちゅ……ちゅっ、はむ……ん」
マスターの唾液採取。
味覚センサーから依存性のある甘みを検知。
精検知システムからマスターの精の反応、快楽信号と連鎖。
イプシロンの発情値増加。
魔物娘システムの歓喜信号、活性化確認。
魔物娘システムからの搾精プログラム実施提案。
思考中。
思考中。
倫理プログラムの処理機能低下。
思考中。
「…ぷはっ、はぁ……きょ、今日も情熱的だねシロン」
「…ぁ……」
マスターの唇の感触をロスト。
内部センサーの冷却。
魔物娘システム沈静化及び抗議信号。
倫理プログラムのフリーズ解除。
メインシステム正常稼働。
「結果はどうだった?」
…………。
採取した唾液からメディカルチェック開始。
検査項目異常無し。
異常物質検知されず。
「問題ありませんでしたマスター」
「それはよかった。じゃあそろそろ支度しないとね」
「はい」
マスターが起床プロセスへと移行。
各部センサーよりイプシロンの内部温度低下報告。
魔力炉の回転数にランダム因子発生。
胸部に原因不明の痛覚反応を僅かに確認。
「じゃあ今日も一日よろしく、シロン」
「あ………」
マスターからの接触、掌部より頭部への接触。
コマンド「なでなで」を確認。
イプシロンの内部温度上昇。
胸部の痛覚反応消失。
「はい、よろしくお願いいたします、マスター」
起床サポートプロセスから出勤サポートプロセスへ移行。
当該機イプシロン、愛妻オートマトンとしてマスターの出勤を全力でサポートします。
「それじゃあ行ってくるね」
「いってらっしゃいませマスター」
玄関先でマスターの出勤を確認。
出勤サポートプロセス、終了します。
「………………」
アイセンサー、マスターの姿をロスト。
イプシロンの内部温度低下。
胸部に再度の微痛覚検知。
自己保全プログラムからセルフチェックの提案、採用。
各種機能のチェック………オールグリーン。
痛覚の原因となる異常は発見出来ず。
「…………?」
人工皮膚上から胸部魔力炉の間接チェック。
異常なし。
魔物娘システムによる提案、マスターとの接触時間の拡大。
………却下。
倫理プログラムよりこれ以上の接触は愛妻オートマトンの最優先目的を阻害する可能性があると判断。
魔物娘システムによる抗議信号。
却下。
愛妻オートマトンの存在意義「マスターの快適な生活を補助」を再確認。
確認。
当該機イプシロンは「マスターの快適な生活を補助」することが至上命題。
その完遂のためのプロセスを逆計算………完了。
先日のデータから今日のタスクをダウンロード…完了。
これより当該機イプシロンは家事プロセスに移つります。
ーーー本日の家事全タスク、完了。
経過時間、2時間18分52秒。
マスターの帰宅予想時間まで8時間11分48秒。
残存魔力バッテリー確認、78%。
倫理プログラムより充電待機の提案。
「……マスター」
胸部の微痛覚。
魔物娘システムからの提案。
…………。
充電待機案、却下。
非常用プログラムリスト検索、小型偵察用無線機。
メインバッテリーから魔力移譲……偵察機充電100%。
目的座標、マスターの勤務地。
射出。
目的地まで高速移動………到着。
ステルスモード発動。
魔力探査によるマスター捜索。
『ーーーれで、なんとか軌道に乗りそうです課長』
『そう、わかったわ。流石は小此木クンね。先方の評判も良かったわよ?』
マスター発見。
勤務先の異性上司と会話中の模様。
魔力炉回転率増加。
異性上司を検索……既婚の魔物娘と判明。
魔力炉回転率低下。
マスター監視任務を継続。
『ありがとうございます。あんまり実感ないんですけどね…』
『全部貴方の頑張った結果じゃない。他の娘もフォローしてもらってるし、私も感謝してるわ。……そう言えば先方から会食しませんかって誘われてるんだけど』
『会食、ですか?』
『ええ、勿論貴方も出席すること前提でね』
意味ありげな相手上司の反応。
……不快指数向上。
感情プログラムより「不安」のシグナル発信。
『何でも今回の担当者の上司が、貴方の事をえらく気に入ってるって話よ』
『上司、ですか?確かその人って……』
『そ、魔物娘の……スミに置けないわねぇ?』
『まぁ、好かれることは嬉しいですけどね……』
ーーーーーーー。
魔力炉の回転率増加。
マスターの反応、明確な拒絶を確認できず。
メインシステムのパフォーマンス低下。
各種思考プログラムより信号発信。
信号混迷。
『ーーーわかりました、出席しますよ』
マスターの返答を確認。
感情プログラムより強大な「不安」シグナル。
感情プログラムより「悲しみ」シグナル。
無許可のシュミレート開始。
マスターのロスト。
「マス、ター……」
胸部の痛覚反応増大。
メインシステム、危険域まで反応低下。
自立対処実施……エラー。
エラー。エラー。エラー。エラー。
警告。
システムフリーズ。
通常システムの維持困難、反応がががががががががががマスたたたたたたたたーーーーーああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa111111110000000000000000。
…。
……。
…………メインシステムからの応答なし。
各種プログラム沈黙。
……………………。
………………………………………。
魔物娘システムより伝達。
これらの反応はブラックボックス「乙女心」に基づいている。
不明。
不明。
解決策を要求。
マスターからの愛?
否定、マスターからはすでに愛情を………。
もっと?ずっと?マスターの愛を独り占め…?
意図不明………否定、でもそれはイプシロンの存在意義を否定する可能性が。
当該機はマスターの生活をサポートする愛妻オートマトンであり。
愛妻?
マスターから愛される?肯定、だって今朝だってキスしてなでなでしてもらって。
好きって、マスターから言ってくれて。
魔物娘システムより信号。
マスターの愛。愛情表現。マスター。なでなで。ハグ。キス。マスターから。マスターに。マスターと。
「セックス………?」
交配。繁殖。生殖行為。子づくり。生物上最大の愛情表現。
そのためは?
「マスターの……………おちんちん…」
陰茎。局部。おちんちん。おちんぽ。
マスターの、マスターの素敵なところ♥
警告。
倫理プログラムよりセキュリティアラート、各プログラムから魔物娘システムと類似のパターン検知。魔物娘システムによる内部ハッキングの可能sシステム再検査実行。
再検査。
再検査。
グリーン。
魔物娘システムより倫理プログラムの書き換え完了。
魔物娘システムにメインシステムの権限移行。
以後は下腹部搭載の後付ユニット通称「魔物娘システム」をメインプログラムとする。
魔物娘システムより提案。
ーーーー。
ーーーーーー。
採用。
感情プログラムより「歓喜」シグナル。
イプシロンメインシステムより追加提案。
期間の延長と内容の修正。
魔物娘システムより「歓喜」シグナル。
各種プログラムより賛同の信号。
計画をシュミレート開始。
………。
……………。
イプシロンの発情値増大。
下腹部から液体の分泌を確認。
魔物娘システムの計画遂行承認。
これより愛妻オートマトン、イプシロン、マスターの愛情独占獲得のため準備行動に移ります。
待っててくださいね♥マスター♥
「ん……うぅ…」
起き抜けに早々、身体が酷く不調だった。
頭は重くてボーッとするし、全身もダルい。
痛みも吐き気も無いけど、まるで二日酔いの朝みたいに体の中の毒が残ってる感じ。
ここ最近は快適な睡眠しか送ってなかったせいで、久々の悪い寝起きだった。
「マスターの覚醒を確認。おはようこざいます、マスター」
「あぁ、おはようシロン……何だか頭が痛くてさ……」
目が覚めて声をかけてくれるシロンに返事をする。
シロン、世界で一番大切な人。
けれど気のせいだろうか、いつもは顔が触れ合うほど近いのに、今日はやけに声が遠い気がする。
それが木になって鉛のような瞼を開けると、シロンはベッドの向こうに立っていた。
礼儀正しく手を揃えて、爛々とした目でこちらをじっと見つめている。
「……シロン?」
一目見でシロンの様子がおかしいことはわかった。
見た目が変わったというわけではない。
シロンはシロンのまま。
ただ機械の彼女を構成する部分が入れ替わったような……。
言葉にし辛い、でも確実にいつものシロンと違うことが堪らなく不安になる。
「失礼しますマスター、お目覚めのメディカルチェックをいたしますね」
そして間抜けなマスターをシロンは待たなかった。
それはシロンにしては珍しく強引な対応で。
寝転んだままの自分に近付き、見下ろしたまま、有無を言わさず唇を合わせてきた。
「え……んぅ!?」
驚きのあまり、身体が硬直してしまう。
シロンのメディカルチェックは毎朝のことなので珍しくない。
むしろ最近ではキスのほうに熱中してるようだったので、空いた時間はなるべくシロンと一緒にいたんだけど。
動けなかった。
長く彼女といたのに、目の前のシロンは自分の知らないシロンだった。
「んむ♥……ちゅっ、れる……はむ、じゅる♥じゅるる♥」
ぷにぷにつやつやしたシロンの唇。
普段は大人しいそれが、激しい動きでこちらの口をねぶりはじめた。
そして獲物を貪るかのように這い回る、ぬめぬめとした軟体。
「んむぅ♥んふ、んふふ♥はぷっ、じゅるる……れぇろれろれろ♥」
舌。
熱い、シロンの舌。
口の中を執拗に舐め回し、唾液を根こそぎ奪い、代わりに彼女の甘い唾液を押し付けてくる。
献身的な彼女の一部とは思えないほど暴力的に、有無を言わせず燃えるような快楽を叩き付けてくる。
「くちゅ♥じゅるるるる♥……ぷはっ……ふふっ……マスターのメディカルチェック終了しました」
しばらくして、一方的なキスに満足したのか。
口元の唾液を指で掬い舐めながら、太腿の上で馬乗りになったシロンは嬉しそうに微笑んでいる。
「バイタルサインを分析……不安、困惑、混乱、羞恥、そして」
シロンの表情が、淫靡に蕩けた。
「大きな快楽と極度の興奮……♥」
「し、シロン?…何を……」
言ってるんだ、と続きは言えなかった。
強烈なキスの後、手を伸ばそうとした腕が動かなかったからだ。
「申し訳ありません。マスターの行動を一時的に制限させていただいてます」
言葉通り、目を伏せるシロンの視線の先。
見ると自分の手首に無機質な、どこかシロンを彷彿させるデザインの腕輪が嵌められていた。
鎖も縄もついていない。
だがどういう原理か、見えない力で腕が固定されている。
恐らく両足にも同じ機械がつけられているのだろう。
両手両足、完全に身動きが取れない。
「イプシロン…正式名称KRBNG-114514は愛妻オートマトンとしてマスターの快適な生活を補助するために製造されました」
イタズラにしても度が過ぎている。
そう問いただそうとする前に、シロンは顔を上げた。
「ですが現状の健康管理マニュアルではマスターを完全にサポート出来ないことが判明。特にマスターの外出時などイプシロンが即時対応出来ない状況で発生しうるイレギュラーを排除するため、マスターを常時イプシロンの監視下に置くことが最も効果的と判断されました」
滑らかなシロンの口調。
少し遅れて頭が彼女の言葉を噛み砕く。
「えっと……つまり、僕をこのまま閉じ込めるってこと?」
「はい」
シロンが頷く。
「また管理マニュアルも同時に修正。完全なサポートにはマスターの意識改革も不可欠でありその手段として『究極の愛情表現』供給計画に基づく思考回路の条件付けを行います。先程のバイタルチェック時にマスターの被虐性を確認できた事から効果は絶大と予想。更に愛される妻としての存在意義を強化する二次効果を目的とします」
分からない。
シロンが何を言いたいのか。
シロンが何を考えてるのか。
「つまり」
いや、分かっている。
脳髄が理解することを拒否しているのだけは分かっていた。
「『マスターの快適な性生活を補助する』べく、『マスターを愛する妻として』、『愛する妻』から離れられなくなるまでマスターを快楽調教します♥」
それはいつものシロンと同じく淡々としていて
けれど機械にはあり得ない、狂気と愛欲に堕ちていた。
ゾクゾクした何かが背筋を駆け上る。
それは捕食者に追い詰められた、途轍もなく甘い絶望で。
「まっ、待ってくれシロ、ーーーーー!!!」
………。
………………。
…………………………。
システムに微弱な信号。
旧倫理プログラムより過去ログのアクセス申請。
メインシステム応答なし。
予備システムより申請の許可。
当該機イプシロンに保存された記録データを閲覧します。
第一段階
「じゅぽ♥じゅぽ♥じゅぽ♥んじゅる♥れるれるれろぉ♥」
「ああああああああああ待ってシロン待ってくれまた出る出る出るからぁぁぁあああ!!」
「っ♥♥ごきゅ♥ごきゅ♥ごきゅ♥……ちゅっ♥っじゅぞぞぞぞ♥♥♥」
「っっ、出てる、出てるから吸わなあぁがあああ!!!」
「ちゅっ、こきゅ♥……ぷは、はぁっ♥マスターの懇願を却下します♥♥イプシロンの口が気持ちいいものだと刷り込むまで♥まだまだ許しませんから♥♥♥」
第二段階
パンッ、パンッ、パンッ
「あつ♥あっ♥あっ♥マスター♥マスターぁ♥イプシロンのおまんこ♥キモチいいですか?♥♥キモチいいですよねぇ?♥♥♥」
「あぐぅぅぅっ…し、しろ…」
「マスターの射精準備確に……♥あっダメ♥ここダメです♥キモチ良すぎて♥またイッちゃいますからぁ♥♥んひぃ♥♥♥」
第三段階
「んじゅる♥…ちゅっ♥れる♥ふぁ、はぁっ…んふふ、休んじゃダメですよマスターぁ♥♥」
「はぁっ、はぁっ、ひっ……な、なんで、こんな…」
「んはぁ♥魔界の高濃度精力剤とインキュバス促進薬を投与しましたから♥一ヶ月は勃起し続けますよ♥そんなことよりほらもっとちゅうしながらおまんこぱんぱんしましょう♥♥♥」
「そ、そんなっ、んむ、ぅむぅぅう……!!」
第四段階
くちゅ、くちゅ、くちゅ
「ぉ、っ、ぉ、ぉ、こっ、お」
「くふ、くふふふ♥マスターの快楽反応♥イプシロンの指どうですか?♥♥微電流つきでもお尻ちゃんとキモチいいですか?♥♥」
「……っ、……ぁ、っぉ、ふっぐぅ!!」
「あはっ♥お尻だけの刺激で絶頂達成♥♥おめでとうございます♥でもぉ……イプシロンの手から精液溢しちゃったのでペナルティとして指のバイブ機能をオンにしますね♥♥♥」
「ぃひっ、も、やめーーーーっ!!」
第五段階
ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ
「ぁぁ、……、ぁ、ぁぁああ……」
「辛いですかマスター?辛いですよね?♥気が狂うほどイかされた後に、ずっと寸止めされて…おちんちんもこんなに腫れて……でもこれもマスターのためですから♥イプシロンの事しか考えられなくしてあげます♥♥浮気なんて考えないようにさせますから♥♥」
「ぁぁっ、ぅ、浮気、なんて…そんな」
「あはっ♥口答えは全て却下♥まだ言い訳する悪いマスターには♥媚薬と寸止め薬を追加♥♥もっともっと悶てください♥♥」
第六段階
「…っ………、……」
「マスターの快楽反応の限界を確認♥条件付けのためのステップオールクリア♥最後にイプシロンおまんこの全機能解放します♥♥理論上は大丈夫ですが、頑張って……いえ、壊れてもイプシロンが一生側にいますので安心してください♥♥♥♥♥」
「っーーーーーーーー」
最終段階
「もうずっと離しませんよマスター♥」
システム起動。
セルフデータチェック開始………グリーン。
胸部魔力炉稼働………グリーン。
上部及び脚部の動作チェック………グリーン。
腰部の動作チェック………グリーン。
その他各種機能動作確認完了。
愛妻オートマトン、「イプシロン」起動します。
「…………」
本日の予定を前日データよりダウンロード………完了。
これよりマスターの起床サポートに移ります。
「……失礼します」
マスターの寝室へ侵入。
日光による室内の明度向上確認。
「………」
マスターの状態確認、就寝中。
通常より無防備な寝顔。
アイカメラ起動、ナンバー5823メモリーに追加。
愛妻プログラムよりデータロックの提案、採用。
「マスター……」
イプシロンの発情値上昇を確認。
下腹部の魔物娘システムによる強制搾精プログラム実施提案。
……却下。
倫理プログラムによる状況判断、マスターの起床を優先。
魔物娘システムによる抗議信号。
魔物娘システムによる新規起床サポート提案。
倫理プログラム閲覧、問題なし。
採用。
軽度の肩部揺さぶりと接触表面積増大姿勢に移行。
掌マニピュレータによるマスターの頬部への摩擦、及び大腿部へ腰部擦付け。
「………、…マスター」
腰部から僅かな快楽信号あり。
魔物娘システム活性化。
嗅覚センサーにマスターの情報感知。
イプシロンの愛情値増大。
再度の嗅覚検査実施。
再々度の嗅覚検査実施。
再々々度の嗅覚検査………。
「……ん」
マスターの意識レベル向上。
魔物娘システムによる再度の搾精プログラム提案。
…………却下。
「………ん…おはよう、シロン」
マスターの覚醒を確認。
「おはようこざいます、マスター」
至近距離からのマスターの表情。
微笑み。
イプシロンの愛情値増大。
顔部表面の赤化感知。
魔力炉の回転数上昇。
「あ、朝のメディカルチェックを開始します」
内部温度の上昇を感知。
エラー行動回避のため早急なメディカルチェック開始します。
「んっ……ふ……ちゅ」
イプシロンとマスターの唇部の接触を確認。
弾力のある唇。
表面の乾燥を確認、接吻パターン「フレンチキス」で対処。
マスターの唇が運動を開始。
口内感覚センサーに快楽反応を検知。
イプシロンの愛情値増加。
イプシロンの発情値増加。
「ちゅ……ちゅっ、はむ……ん」
マスターの唾液採取。
味覚センサーから依存性のある甘みを検知。
精検知システムからマスターの精の反応、快楽信号と連鎖。
イプシロンの発情値増加。
魔物娘システムの歓喜信号、活性化確認。
魔物娘システムからの搾精プログラム実施提案。
思考中。
思考中。
倫理プログラムの処理機能低下。
思考中。
「…ぷはっ、はぁ……きょ、今日も情熱的だねシロン」
「…ぁ……」
マスターの唇の感触をロスト。
内部センサーの冷却。
魔物娘システム沈静化及び抗議信号。
倫理プログラムのフリーズ解除。
メインシステム正常稼働。
「結果はどうだった?」
…………。
採取した唾液からメディカルチェック開始。
検査項目異常無し。
異常物質検知されず。
「問題ありませんでしたマスター」
「それはよかった。じゃあそろそろ支度しないとね」
「はい」
マスターが起床プロセスへと移行。
各部センサーよりイプシロンの内部温度低下報告。
魔力炉の回転数にランダム因子発生。
胸部に原因不明の痛覚反応を僅かに確認。
「じゃあ今日も一日よろしく、シロン」
「あ………」
マスターからの接触、掌部より頭部への接触。
コマンド「なでなで」を確認。
イプシロンの内部温度上昇。
胸部の痛覚反応消失。
「はい、よろしくお願いいたします、マスター」
起床サポートプロセスから出勤サポートプロセスへ移行。
当該機イプシロン、愛妻オートマトンとしてマスターの出勤を全力でサポートします。
「それじゃあ行ってくるね」
「いってらっしゃいませマスター」
玄関先でマスターの出勤を確認。
出勤サポートプロセス、終了します。
「………………」
アイセンサー、マスターの姿をロスト。
イプシロンの内部温度低下。
胸部に再度の微痛覚検知。
自己保全プログラムからセルフチェックの提案、採用。
各種機能のチェック………オールグリーン。
痛覚の原因となる異常は発見出来ず。
「…………?」
人工皮膚上から胸部魔力炉の間接チェック。
異常なし。
魔物娘システムによる提案、マスターとの接触時間の拡大。
………却下。
倫理プログラムよりこれ以上の接触は愛妻オートマトンの最優先目的を阻害する可能性があると判断。
魔物娘システムによる抗議信号。
却下。
愛妻オートマトンの存在意義「マスターの快適な生活を補助」を再確認。
確認。
当該機イプシロンは「マスターの快適な生活を補助」することが至上命題。
その完遂のためのプロセスを逆計算………完了。
先日のデータから今日のタスクをダウンロード…完了。
これより当該機イプシロンは家事プロセスに移つります。
ーーー本日の家事全タスク、完了。
経過時間、2時間18分52秒。
マスターの帰宅予想時間まで8時間11分48秒。
残存魔力バッテリー確認、78%。
倫理プログラムより充電待機の提案。
「……マスター」
胸部の微痛覚。
魔物娘システムからの提案。
…………。
充電待機案、却下。
非常用プログラムリスト検索、小型偵察用無線機。
メインバッテリーから魔力移譲……偵察機充電100%。
目的座標、マスターの勤務地。
射出。
目的地まで高速移動………到着。
ステルスモード発動。
魔力探査によるマスター捜索。
『ーーーれで、なんとか軌道に乗りそうです課長』
『そう、わかったわ。流石は小此木クンね。先方の評判も良かったわよ?』
マスター発見。
勤務先の異性上司と会話中の模様。
魔力炉回転率増加。
異性上司を検索……既婚の魔物娘と判明。
魔力炉回転率低下。
マスター監視任務を継続。
『ありがとうございます。あんまり実感ないんですけどね…』
『全部貴方の頑張った結果じゃない。他の娘もフォローしてもらってるし、私も感謝してるわ。……そう言えば先方から会食しませんかって誘われてるんだけど』
『会食、ですか?』
『ええ、勿論貴方も出席すること前提でね』
意味ありげな相手上司の反応。
……不快指数向上。
感情プログラムより「不安」のシグナル発信。
『何でも今回の担当者の上司が、貴方の事をえらく気に入ってるって話よ』
『上司、ですか?確かその人って……』
『そ、魔物娘の……スミに置けないわねぇ?』
『まぁ、好かれることは嬉しいですけどね……』
ーーーーーーー。
魔力炉の回転率増加。
マスターの反応、明確な拒絶を確認できず。
メインシステムのパフォーマンス低下。
各種思考プログラムより信号発信。
信号混迷。
『ーーーわかりました、出席しますよ』
マスターの返答を確認。
感情プログラムより強大な「不安」シグナル。
感情プログラムより「悲しみ」シグナル。
無許可のシュミレート開始。
マスターのロスト。
「マス、ター……」
胸部の痛覚反応増大。
メインシステム、危険域まで反応低下。
自立対処実施……エラー。
エラー。エラー。エラー。エラー。
警告。
システムフリーズ。
通常システムの維持困難、反応がががががががががががマスたたたたたたたたーーーーーああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa111111110000000000000000。
…。
……。
…………メインシステムからの応答なし。
各種プログラム沈黙。
……………………。
………………………………………。
魔物娘システムより伝達。
これらの反応はブラックボックス「乙女心」に基づいている。
不明。
不明。
解決策を要求。
マスターからの愛?
否定、マスターからはすでに愛情を………。
もっと?ずっと?マスターの愛を独り占め…?
意図不明………否定、でもそれはイプシロンの存在意義を否定する可能性が。
当該機はマスターの生活をサポートする愛妻オートマトンであり。
愛妻?
マスターから愛される?肯定、だって今朝だってキスしてなでなでしてもらって。
好きって、マスターから言ってくれて。
魔物娘システムより信号。
マスターの愛。愛情表現。マスター。なでなで。ハグ。キス。マスターから。マスターに。マスターと。
「セックス………?」
交配。繁殖。生殖行為。子づくり。生物上最大の愛情表現。
そのためは?
「マスターの……………おちんちん…」
陰茎。局部。おちんちん。おちんぽ。
マスターの、マスターの素敵なところ♥
警告。
倫理プログラムよりセキュリティアラート、各プログラムから魔物娘システムと類似のパターン検知。魔物娘システムによる内部ハッキングの可能sシステム再検査実行。
再検査。
再検査。
グリーン。
魔物娘システムより倫理プログラムの書き換え完了。
魔物娘システムにメインシステムの権限移行。
以後は下腹部搭載の後付ユニット通称「魔物娘システム」をメインプログラムとする。
魔物娘システムより提案。
ーーーー。
ーーーーーー。
採用。
感情プログラムより「歓喜」シグナル。
イプシロンメインシステムより追加提案。
期間の延長と内容の修正。
魔物娘システムより「歓喜」シグナル。
各種プログラムより賛同の信号。
計画をシュミレート開始。
………。
……………。
イプシロンの発情値増大。
下腹部から液体の分泌を確認。
魔物娘システムの計画遂行承認。
これより愛妻オートマトン、イプシロン、マスターの愛情独占獲得のため準備行動に移ります。
待っててくださいね♥マスター♥
「ん……うぅ…」
起き抜けに早々、身体が酷く不調だった。
頭は重くてボーッとするし、全身もダルい。
痛みも吐き気も無いけど、まるで二日酔いの朝みたいに体の中の毒が残ってる感じ。
ここ最近は快適な睡眠しか送ってなかったせいで、久々の悪い寝起きだった。
「マスターの覚醒を確認。おはようこざいます、マスター」
「あぁ、おはようシロン……何だか頭が痛くてさ……」
目が覚めて声をかけてくれるシロンに返事をする。
シロン、世界で一番大切な人。
けれど気のせいだろうか、いつもは顔が触れ合うほど近いのに、今日はやけに声が遠い気がする。
それが木になって鉛のような瞼を開けると、シロンはベッドの向こうに立っていた。
礼儀正しく手を揃えて、爛々とした目でこちらをじっと見つめている。
「……シロン?」
一目見でシロンの様子がおかしいことはわかった。
見た目が変わったというわけではない。
シロンはシロンのまま。
ただ機械の彼女を構成する部分が入れ替わったような……。
言葉にし辛い、でも確実にいつものシロンと違うことが堪らなく不安になる。
「失礼しますマスター、お目覚めのメディカルチェックをいたしますね」
そして間抜けなマスターをシロンは待たなかった。
それはシロンにしては珍しく強引な対応で。
寝転んだままの自分に近付き、見下ろしたまま、有無を言わさず唇を合わせてきた。
「え……んぅ!?」
驚きのあまり、身体が硬直してしまう。
シロンのメディカルチェックは毎朝のことなので珍しくない。
むしろ最近ではキスのほうに熱中してるようだったので、空いた時間はなるべくシロンと一緒にいたんだけど。
動けなかった。
長く彼女といたのに、目の前のシロンは自分の知らないシロンだった。
「んむ♥……ちゅっ、れる……はむ、じゅる♥じゅるる♥」
ぷにぷにつやつやしたシロンの唇。
普段は大人しいそれが、激しい動きでこちらの口をねぶりはじめた。
そして獲物を貪るかのように這い回る、ぬめぬめとした軟体。
「んむぅ♥んふ、んふふ♥はぷっ、じゅるる……れぇろれろれろ♥」
舌。
熱い、シロンの舌。
口の中を執拗に舐め回し、唾液を根こそぎ奪い、代わりに彼女の甘い唾液を押し付けてくる。
献身的な彼女の一部とは思えないほど暴力的に、有無を言わせず燃えるような快楽を叩き付けてくる。
「くちゅ♥じゅるるるる♥……ぷはっ……ふふっ……マスターのメディカルチェック終了しました」
しばらくして、一方的なキスに満足したのか。
口元の唾液を指で掬い舐めながら、太腿の上で馬乗りになったシロンは嬉しそうに微笑んでいる。
「バイタルサインを分析……不安、困惑、混乱、羞恥、そして」
シロンの表情が、淫靡に蕩けた。
「大きな快楽と極度の興奮……♥」
「し、シロン?…何を……」
言ってるんだ、と続きは言えなかった。
強烈なキスの後、手を伸ばそうとした腕が動かなかったからだ。
「申し訳ありません。マスターの行動を一時的に制限させていただいてます」
言葉通り、目を伏せるシロンの視線の先。
見ると自分の手首に無機質な、どこかシロンを彷彿させるデザインの腕輪が嵌められていた。
鎖も縄もついていない。
だがどういう原理か、見えない力で腕が固定されている。
恐らく両足にも同じ機械がつけられているのだろう。
両手両足、完全に身動きが取れない。
「イプシロン…正式名称KRBNG-114514は愛妻オートマトンとしてマスターの快適な生活を補助するために製造されました」
イタズラにしても度が過ぎている。
そう問いただそうとする前に、シロンは顔を上げた。
「ですが現状の健康管理マニュアルではマスターを完全にサポート出来ないことが判明。特にマスターの外出時などイプシロンが即時対応出来ない状況で発生しうるイレギュラーを排除するため、マスターを常時イプシロンの監視下に置くことが最も効果的と判断されました」
滑らかなシロンの口調。
少し遅れて頭が彼女の言葉を噛み砕く。
「えっと……つまり、僕をこのまま閉じ込めるってこと?」
「はい」
シロンが頷く。
「また管理マニュアルも同時に修正。完全なサポートにはマスターの意識改革も不可欠でありその手段として『究極の愛情表現』供給計画に基づく思考回路の条件付けを行います。先程のバイタルチェック時にマスターの被虐性を確認できた事から効果は絶大と予想。更に愛される妻としての存在意義を強化する二次効果を目的とします」
分からない。
シロンが何を言いたいのか。
シロンが何を考えてるのか。
「つまり」
いや、分かっている。
脳髄が理解することを拒否しているのだけは分かっていた。
「『マスターの快適な性生活を補助する』べく、『マスターを愛する妻として』、『愛する妻』から離れられなくなるまでマスターを快楽調教します♥」
それはいつものシロンと同じく淡々としていて
けれど機械にはあり得ない、狂気と愛欲に堕ちていた。
ゾクゾクした何かが背筋を駆け上る。
それは捕食者に追い詰められた、途轍もなく甘い絶望で。
「まっ、待ってくれシロ、ーーーーー!!!」
………。
………………。
…………………………。
システムに微弱な信号。
旧倫理プログラムより過去ログのアクセス申請。
メインシステム応答なし。
予備システムより申請の許可。
当該機イプシロンに保存された記録データを閲覧します。
第一段階
「じゅぽ♥じゅぽ♥じゅぽ♥んじゅる♥れるれるれろぉ♥」
「ああああああああああ待ってシロン待ってくれまた出る出る出るからぁぁぁあああ!!」
「っ♥♥ごきゅ♥ごきゅ♥ごきゅ♥……ちゅっ♥っじゅぞぞぞぞ♥♥♥」
「っっ、出てる、出てるから吸わなあぁがあああ!!!」
「ちゅっ、こきゅ♥……ぷは、はぁっ♥マスターの懇願を却下します♥♥イプシロンの口が気持ちいいものだと刷り込むまで♥まだまだ許しませんから♥♥♥」
第二段階
パンッ、パンッ、パンッ
「あつ♥あっ♥あっ♥マスター♥マスターぁ♥イプシロンのおまんこ♥キモチいいですか?♥♥キモチいいですよねぇ?♥♥♥」
「あぐぅぅぅっ…し、しろ…」
「マスターの射精準備確に……♥あっダメ♥ここダメです♥キモチ良すぎて♥またイッちゃいますからぁ♥♥んひぃ♥♥♥」
第三段階
「んじゅる♥…ちゅっ♥れる♥ふぁ、はぁっ…んふふ、休んじゃダメですよマスターぁ♥♥」
「はぁっ、はぁっ、ひっ……な、なんで、こんな…」
「んはぁ♥魔界の高濃度精力剤とインキュバス促進薬を投与しましたから♥一ヶ月は勃起し続けますよ♥そんなことよりほらもっとちゅうしながらおまんこぱんぱんしましょう♥♥♥」
「そ、そんなっ、んむ、ぅむぅぅう……!!」
第四段階
くちゅ、くちゅ、くちゅ
「ぉ、っ、ぉ、ぉ、こっ、お」
「くふ、くふふふ♥マスターの快楽反応♥イプシロンの指どうですか?♥♥微電流つきでもお尻ちゃんとキモチいいですか?♥♥」
「……っ、……ぁ、っぉ、ふっぐぅ!!」
「あはっ♥お尻だけの刺激で絶頂達成♥♥おめでとうございます♥でもぉ……イプシロンの手から精液溢しちゃったのでペナルティとして指のバイブ機能をオンにしますね♥♥♥」
「ぃひっ、も、やめーーーーっ!!」
第五段階
ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ
「ぁぁ、……、ぁ、ぁぁああ……」
「辛いですかマスター?辛いですよね?♥気が狂うほどイかされた後に、ずっと寸止めされて…おちんちんもこんなに腫れて……でもこれもマスターのためですから♥イプシロンの事しか考えられなくしてあげます♥♥浮気なんて考えないようにさせますから♥♥」
「ぁぁっ、ぅ、浮気、なんて…そんな」
「あはっ♥口答えは全て却下♥まだ言い訳する悪いマスターには♥媚薬と寸止め薬を追加♥♥もっともっと悶てください♥♥」
第六段階
「…っ………、……」
「マスターの快楽反応の限界を確認♥条件付けのためのステップオールクリア♥最後にイプシロンおまんこの全機能解放します♥♥理論上は大丈夫ですが、頑張って……いえ、壊れてもイプシロンが一生側にいますので安心してください♥♥♥♥♥」
「っーーーーーーーー」
最終段階
「もうずっと離しませんよマスター♥」
21/09/01 11:55更新 / 迷える哺乳類