連載小説
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前編
 今日はまだ7月になっていないのに、真夏のように暑い一日だった。それが夕方になるにつれて雲行きがあやしくなり、帰る途中でひどい豪雨に見舞われた。

「まいったなあ、朝の天気予報では晴れだったのに」

 僕はあいにく傘を持ってこなかったので、とりあえずバス停の屋根で雨宿りしようと、濡れる道路を走っていた。バス停では、すでに先客が長椅子に座っていた。
 
 僕と同じくらいの女子高生だろうか。かなりの美女だった。ボキャブラリーが不足している僕には他に表現しようがないが、モデル雑誌から出て来たかのような美少女だ。しかもクラスメイトのように、茶髪に染めていないし、ピアスもしていない。チャラついていないといおうか、大和撫子というのが現実にいるのなら、彼女のことをいうのだろうと想像できるような可憐な少女だった。

 彼女は薄いピンク色の和服を着ていた。雨に濡れていて、しっとりと身体にまとわりついていた。かなり発育がいいようで、お椀のような大きな乳房が、強調されるように際立っていた。しかもおなかはしっかりと引き締まっている。わかりやすく言うと、ボンキュッボンって奴だ。

 僕はバス停の直前で足をとめた。キモメンではないと思うが、あまり自分の顔に自信を持っていないのだ。見知らぬ美少女の傍に近寄ることに、羞恥心といおうか、躊躇いを感じた。僕は雨宿りをあきらめて速足で通り過ぎようとした。

 すると少女のほうで僕に気がついたようだ。
「雨、すごいですね」
 しずかにそっと言って、ほのかにほほ笑んだ。

「どうぞ、ここへ。一緒に雨宿りしましょう」
 そういって椅子の隣を明けてくれた。断る理由がないので、僕はすこし会釈をすると、借りて来た猫のように大人しく隣に座った。

 そしてお約束のように、彼女の胸元を横目でチラリと見た。すくなくともGカップはあるだろう。遠目でも巨乳だとわかっていたが、近くでよく見れば、かなり形のいいおっぱいだ。
 襟元がだらしなく緩んでいて、胸元の間まで露出している。生地はかなりの水量を含んでいて、乳首がつんととんがっているのが確認できた。

「うふ……」
 彼女ははにかむようにほほ笑んだ。
「おっぱい、好きなんですか?」
 
「いえ、その……」
 羞恥のあまり目をそらす。
「うそ。だってわたしのおっぱい、食い入るようにみてたじゃない」
 しまった。チラ見のつもりが、どうやらガン見していたらしい。

「ご、ごめんなさい。だいぶ濡れているなと思いまして、はい、タオルです。よかったら使ってください」
「あら、あなたのは?」
「僕は濡れていても大丈夫です。風邪にも強いですから、かまわず使ってください」

 構わずフェイスタオルを彼女に押し付けた。
「まあ、やさしいのね」
「はは、綺麗な方ですからね。下心もあるのですよ。……と、今のなし! 聞かなかったことにしてください!」

「決めた」
 彼女はいつの間にか僕の正面にまわっていた。
「え?」
「あなたに決めた」
「なにをですか?」

「あなたを夫に決めた」

「ええええ?」
 僕はひな壇のフリートーク芸能人のように、椅子から勢いよく立ち上がった。
「何言ってるんですか、あんた、初対面でしょう!」

「君、わたしのこと綺麗って言ったよね」
「言いましたけど」
「君、他に恋人いるの?」
「いませんけど」
「じゃあ、いいじゃない。結婚しましょうよ」
「軽い! そんなに簡単に決めていいの?」

「いいじゃない。それとも、わたしのこと嫌い?」
「嫌いじゃないですよ! すごく美人で、僕にはもったいない。……じゃなくて、僕たち出会ったばっかりじゃないか!」

「も〜う、固いなあ。固いのはち○ち○だけで十分よ」
「どこのセクハラ親父?」
「もう、しつこいなあ。えーい、意地っぱりな子は、こうだ!」
 彼女は急に僕の両手を取ると、自分のおっぱいにあてつけた。和服は思った以上に生地が薄いようで、まるで直に触っているような感触があった。
「どう? わたしのおっぱい柔らかいでしょう」

「やだあ」
 女の子たちの声が聞こえた。振りかえれば傘を差した女子高生たちが足早に立ち去っていくのが見えた。じっくりと凝視するリーマンのおっさんもいた。

「わかった! わかったから手を放して!」
「え、本当? わたしと結婚してくれる?」
「いや、そうじゃないけど!」
「だめ、わたしと結婚して。してくれるっていうまで離さないから」

「わかった! わかったから手を放して!」
「結婚する?」
「する!」
「絶対に?」
「絶対に!」

 すると、彼女はようやく手を放してくれた。ほっとしていると、彼女は、雨のしずくで輝く花のように、満面の笑顔を咲かせた。
「うれしい!」
 唇と唇をぶつかるように、はげしい口づけをしてきた。よけようと思えばよけられたが、僕はなぜかよけられなかった。彼女は強く唇を押しつけてきた。

 さらに僕の首に両腕を回し、ぎゅっと強く抱きしめた。大きなおっぱいが僕の貧弱な胴体に押し付けられた。毬のように大きく、マシュマロのように柔らかかった。
 ついで口の中に舌が侵入してきた。まるでそれ自体が意思をもっているように、僕の舌と口内をレロレロと嘗めまわしていく。
「ん……ちゅ…んちゅ……… ちゅ……ん……んちゅ……… 」

 彼女は唇を離した。
「君の唾液、とってもおいしいよ」
 そういうと、また唇を重ねてくる。

 それはさきほどのキスよりも執拗で、まるで吸い付くような口づけだった。
 息が続かなくなって、僕は彼女を突き放した。ぜいぜいと荒い息を立てた。
「ごめんなさい。わたしったら、つい夢中になってしまって」
 そう笑う彼女の顔は、まるで妖女のようにあでやかで、しかも穢れを知らない子どものように純粋だった。ぼくは口をぬぐうと、いきなり立ち上がって走りだした。

「待って!」
 彼女が叫んだが、僕はかまわず走り続けた。

 僕を好いてくれたことはうれしかった。
 でも怖くなって逃げだした。
 僕を好いてくれる女性なんていなかったから、女性に好意を持たれるという感覚がわからなかったのだ。
 わからなかったから、怖くなった。どうやって彼女と接していいのか、わからない。
 きっと僕は彼女のことを満足させられない。そんな魅力のある男だとは思っていない。だから訪れるであろう破局が、怖かった。

 走り続けること10分近く。僕は自宅のアパートへ帰って来た。両親とは仲がよくなくて、1Kの安アパートに、ひとりで住んでいる。仕送りだけはかろうじてもらっているけど、ここ1、2年ほど顔をあわせてもいない。さびしいながらも気ままなひとり暮らしを満喫していた。

「そういえば、タオルまだ洗ってなかったような……」
 ズボラな性格で、週に一度しか洗濯をしていなかった。あの子にタオルを一枚あげてしまったし、清潔なタオルはもう家にはなかった。しかたなく、コンビニで安くないフェイスタオルを買って、家にまた戻った。

 玄関のカギがなぜか開いていた。ドアを開くと、先ほどの美少女が正座をして僕を出迎えた。
「おかえりなさい」
「ただいま……じゃなくて、どうしてここがわかったの?」
「あなたの精子の気配を察知してね」
「精子の気配? てかカギ閉まってなかった?」
「それはこのヘアピンでちょいちょいと」
「どこのスネ○クですか!」
「こちらス○ーク、性欲を持て余す」

 彼女は僕をしっかりと抱きしめた。
「おねがーい。抱・い・て」
「抱いているのはあんたでしょ。てか離してよ」
「いや。お腹がすいてしかたがないの。お願いだから精子ちょうだい」
「3時のオヤツに精子? どこのエロ漫画だよ?」
「エロ漫画じゃなくてSSだよ」
「メタ発言はけっこうです!」

「も〜う、じれったいなあ! わたしはお腹すいてるの!」
 そういうと、強引に制服のズボンをトランクスごと引きずり下ろした。すると僕の愚息はすでに直立して硬さを伴っていた。だが悲しいかな勃起しても10センチ未満である。お粗末なことこの上ない。
「あれ〜、もう勃っちゃってるじゃない」
「は、恥ずかしいから見ないで!」
「ううん、君のお○ん○ん、とってもかわいいよ」

 彼女は妖艶にほほ笑むと、思いきり舌を出して僕自身を嘗めあげた。
 ぬちょぬちょと、大きな音をたてて、僕のそれをなめまわしているのだ。
 背筋に、電撃のような快楽が走った。僕は思わず唸った。

「ふふ、君のコレ、とってもおいしいよ」
「言わないで……」
 僕は女の子のように、震えながらじっとしている。彼女は僕のモノを思いきりほうばると、頭を激しく上下動させた。

 数分後、津波のような快感が高まってくるのを感じた。
「だめ、もうガマンできない。離して」
「いいの(ボジュボジュ)。そのままでいいから(ボジュボジュ)、出して(ボジュボジュ)」

「うっ!」
 唸り声をあげて、僕は派手に射精した。彼女の口から、汚い体液がはみ出て来た。
「あん、もったいない」
 彼女は手ですくうと、その体液も舌で嘗めまわした。そして喉でごくりと大きい音をたてて、体液を飲み干した。

「ああ、素敵……」
 彼女は恍惚とした表情で言った。僕はだいぶ体力を消費したため、肩で息をした。

「気持ちよかった?」
 彼女は僕の機嫌を伺うように、上目づかいをして言った。
「うん、すごく……」
 そういうのが精いっぱいだった。彼女は嬉しそうにほほ笑むと、
「よかった。じゃあ今度は私を気持ちよくさせてよ」
「えっ? もう一回?」
「そうよ。一回じゃ足りないわ」
「でも、出したばっかりだし、たぶん立たないよ」
「だいじょーぶ! わたしにまかせて!」

 いきなり僕の尻の穴に、人差し指をつっこんだ!
「あん!」思わず女の子みたいに叫んでしまった……
「こうやって、男のひとの敏感な場所を指でこりこりすると……」
 僕の愚息が再び勃起した。しかも先ほどよりもかなり大きくなっている。

「いい子ね。これならまだまだ楽しめそう」
 彼女はうれしそうに僕自身にキスをした。

「ま、待って!」
「どうしたの?」
「ぼ、僕こういうの初めてなんだ……」
「大丈夫よ! わたしがリードするから、君は何もしなくていいよ」

 そういうと、頭をそっと手をあてて、床に優しく寝かせてくれた。
「楽にして。天井のシミを数えていたら、すぐ終わるからね」
 彼女は和服を捲し立てると、僕の上にまたがった。
「そういうのは男のセリフでは……うっ!」

 宣言なしで、僕の物が彼女の中に差し込まれた。
 柔らかい。しかも贓物全体で僕自身をしっかりと締めつけてきている。

「女の子のナカはどう? 気持ちいい?」
「すごく熱い……でもいい」
「よかった。じゃあ、動くよ」

 彼女は大胆に腰を動かし始めた。その度に、快楽の波が僕の全身に押し寄せる。
 安いアパートなので、彼女が動くたびにギシギシと音が鳴る。彼女もまた艶めかしい声をあげていた。そのときになって、初めて玄関のドアがまだ閉まっていないのに気がついた。

「待って。玄関まだ閉まってないよ! 誰かに見られちゃう!」
「いいじゃない、見られたら見られたで。見せつけてあげようよ。私たちのSEX」
「待って! ドアを閉めて!」
「だ〜め、待たない」
「ドア閉めるだけだから!」
「いや。気持ちいの止められない。腰を止めたくなーい!」

 腰の動きは激しくなっていき、ギシアンもさらに大きくなっていく。僕は快楽に耐えられなくなった。
「あっ、いっちゃう! なかに出しちゃう!」
「いいよ。出して。わたしの中にいっぱい出して!」

「あっ!!!」
 悲鳴のような喘ぎ声をだして、彼女のおっぱいにしがみついた。
 ドクドクと、精液が漏れ出していくのが、感覚でわかった。ビクビク震えながら、僕は乳首にキスをした。彼女はやさしく僕の頭をなでてくれた。

「かわいい……やっぱり君は最高だよ」
 彼女は愛おしげに僕の額にキスをした。僕は赤ん坊のように、夢中になって乳首に吸い付いた。

「あっ……」
 10分近くおっぱいを吸い付いて、ようやく僕は我に返った。
「ご、ごめん。つい夢中になっちゃって……」
「いいのよ。いつだってわたしのおっぱいは君のものだからね。なんたって君はわたしの夫なんだもの」
「あはははh」
 乾いた笑いが漏れて来た。ここまでやってしまったからには、責任を取らなければならないだろう。

「そういえば君の名前をきいてなかったね。なんていうの?」
 僕が聞くと、彼女はニッコリ笑って首を横にふった。
「じつはね、わたしにはまだ名前がないの。だってわたし魔物娘だもの」
「まものむすめ?」
「そう、魔物娘。わたしはぬれおなご。よろしくね、愛しの旦那様」
 そういうと、僕の唇にキスをした。キスの味は精液の苦い味だった。
16/06/22 23:06更新 / ZZZ
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