迷い猫1匹と俺と
「ふぃ〜…寒い寒い。
こんな日にはさっさと家に帰るのが一番だな…っと」
季節は冬、もうそろそろクリスマスを迎える11月終わりの週、俺は学校から帰る為に何時も使っている帰り道を早足で帰っていた。
「よう、高崎(たかさき)の息子。
良い肉が入ったんだが、買ってくかい!」
「あんがと!
でも今日は寒いからさっさと帰るよ!」
「そうか、気をつけてな!」
「あいよ!
おっちゃんも気をつけてな!」
そうして俺は商店街を抜け、団地の坂の入り口に差し掛かった時だった。
「ん…あれは……?」
この世の中魔物娘は何処にでもいる存在だ。
そして、キャット属もその定義に当てはまるが、その魔物娘は何処か違った。
外見はモフモフの手足。これは獣人種には当たり前の事だ。
ただ、それ以外の何処かフワフワした服装に紫と黒の髪の毛。
この2つの特徴を持つ魔物娘を俺は知らなかった。
が、ゴミ捨て場に倒れ込んでいる所を見ると、俺は放ってはおけ無かった。
「よっと…って凄い軽いな」
…とりあえず、俺はこの娘を家に持って帰ることにした。
その娘が起きたのは、俺が自室でその娘に布団をかぶせてついでに鞄を机の上に置いたときだった。
「う、うぅん…あれ、ワタシ……ここ、は?」
「あ、ようやく起きた?」
「うん…オトコの人ともう少しで1つになれる所で起きた……」
ふむ、起きてそうそうイヤらしい発言をかましてくれたのは、魔物娘としては普通の事なのだろう…いや、俺は知らんが。
「あ、あはは…それよりも酷く汚れてるな…。
俺が飯作ってやるから、アンタはさっさと風呂に入って来てくれ」
「アンタじゃないよ」
「…へ?」
「アンタじゃなくてワタシにはシャムって名前があるの…」
「そっか…あ、俺稲司(とうじ)ヨロシク。
それじゃあシャム、風呂に入ってきなよ?」
だがその娘…じゃなかった。シャムは不思議なことを言い出した。
「フロ…って何?
オトコとオンナが1つになる所?」
「え…風呂って言ったらお風呂の事で…まぁ簡単に言えば温かい水で身体を流す所さ」
「ふぅん…水浴びをする所なんだ…。
じゃあトウジ、一緒に水浴びしよ?」
まだ若干寝ぼけてるって思いたいが、どうにもそんな様子じゃ無かったから俺はシャムを風呂場まで連れて行くと替えのシャツとバスタオルを置いてから話しかけようとすると、シャムは既に服を脱ぎ散らかして浴槽に飛び込まんとしていた。
「ふぅ…まぁ良いか」
そして俺はさっさと夕飯を作るべく、台所へと向かった。
「ねぇ、トウジトウジ〜、とりあえずカゴの中にあった服着たけど、これで良かったよねぇ〜?」
「ん?
ああ、大分ダボダボだろうけど我慢してn…ブヘェ!?」
確かに俺のTシャツは着ていた。
だが、ズボンは履いてなかった。まぁこれは、俺が渡してなかったから、悪いのは全面的に俺だ。
…で問題は、ズボンを履いていないのでは無く、Tシャツの方にあった。
「ちょ、おま、身体ぐらい拭いてから服着ろよ!!」
「え〜…だってぇ、トウジそんな事言ってなかったし?」
「いや俺言おうとはしたからな?
てか聞こうとしなかったのはシャムの方じゃないか」
結論から言うと、シャムが着ているシャツは透けているが幸いにも胸の先端は見えないし、股の部分も紫と黒のチェック柄の…いや、何も見えてないと言っておこう。
「ホラ、やっぱり言ってないじゃん。
…と言っても、ワタシが最後まで聞かなかったのも悪い訳だし……まぁ、ちょっとしたハプニングって事で♪」
「ハプニングて…どうでも良いからさっさと身体拭いてこい、俺はまた新しいシャツ出すから」
そう言って脱衣所まで無理矢理連れてくと、シャムを脱衣所に押し込み、俺は自分の部屋に新しくシャツを取りに行った。
「…早く、メシ作らないとな」
「で、トウジ。
この魔女ダレ?」
「ダレじゃねぇよ、この人は元々俺の家で雇った婆やだったけど、知り合いのバフォメットの力で魔女にしてもらったんだ」
「ふぅん…だからこの家って他の家よりもかなり大きかったんだ」
「今頃!?ねぇ、今頃!?」
「あらあら、2人とも仲が良いですねぇ。
私も何だか昔を思い出しちゃいますよ」
俺達は今、このだだっ広い武家屋敷のだだっ広い和室で小さい机の上に乗った食事を俺とシャム、婆やの3人で囲んでいる。
「さぁさぁ、せっかく稲司様が作ってくれた食事が冷めてしまいます。
さ、早く食べましょう?」
「そうですね、婆や。
それじゃあ、皆で」
「「「いただきます」」」
それから俺達3人は楽しくあれこれ会話しながら食事をしたのだった。
夕食の後、婆やと一緒に食器を片づけた俺は、いつもそうしている様に仏壇の前で手を合わせていた。
「父さん、母さん…俺、まだ婆やの力を貸して貰ってばっかりだけど…。
でも…でも、1人でもちゃんとやっていけてるから…ッ!
だからさ、安心して見守っててな…」
その時、仏壇の置いてある間の襖が開いた。
「あっ、いたいたトウジ…って、何してるの?」
「あぁ、シャムか…」
と、振り向くと、シャムは俺の方ではなく仏壇の方を見ていた。
「あの…トウジ、それって……」
シャムは何か言いたそうだったけど、最後まで言えずにそっぽを向いてしまった。
「あのさ、シャム…ちょっと軒先で話しでもしないか?」
その空気に耐えかねた俺の口は、勝手に言葉を話していた。
----------------------------------------------------------------------
ワタシとトウジは今、あの部屋から少し離れて庭に面した廊下、名前は知らないけど…と、兎に角、私達はお盆を挟んで座っていた。
「あのさ…シャム、俺の両親さ、昔に事故で亡くしてんだ」
トウジは本当は話したくはないだろう、過去の悲しい話を話してくれた。
過去、トウジがまだ小さくてトウジの両親が忙しかったが、1日だけ一緒に居られた。
そしてその日、トウジの我が儘で外食することになって家族で車に乗って行く途中に、後ろから来たトラックと、信号で止まっていた前のトラックと挟まれて亡くなった。
奇跡的にもトウジは助かったが、あの日からずっとトウジの心は何処か悲しく輝いているあの欠けた月のようにどこかぽっかりと空いていた。
「そっか…。
そっかそっか、じゃあワタシがここに居る訳がどうでも良いように思えてきちゃったなぁ…」
「へ?
シャムがここに居る…理由?」
「そう…そうなのです!
ワタシことシャムはこのセカイの住人では無く、ワンダーランド…即ち不思議の国の案内人なのですよ!」
そう…ワタシは不思議の国の案内人。
でも根っからの方向音痴が災いして、不思議の国からいつの間にか出てきてしまっていた。
「いやぁ、あの後食べ物を探したんだけど、なかなか見つからなくてさ…で、あの場所で行き倒れてたってワケ。」
「そっか…シャムも大変だったんだな」
「トウジほどじゃないよ…。
でもさトウジ…私達って境遇こそ違えど、何処か似ていない?」
「そうか…ってそういや俺達は1人ぼっちだもんな」
「でもね…でもね、私達、もう1人ぼっちじゃないと思うの」
「それって…どういう…ッ!?」
トウジが最後まで言い切る前に、ワタシはトウジの唇を奪っていた。
「ちょ…シャム、何をっ!」
「ワタシ…ね、トウジの事が好きだよ」
ワタシは好きって言ってしまったけど、トウジは恥ずかしさのあまりそっぽを向いてしまっていた。
「ねぇトウジ、こっち向いてよ」
と言いつつ、ワタシはトウジの顔の向いている方に移動した。
「でもな…シャム、俺達まだ初めてあってから1日も経ってないぞ?」
「そんなの関係無いよ?
それはトウジも良く知っている事じゃない?」
「それは…そうだが」
「もう…往生際が悪いよ、トウジ…。
もしかして私の事、キライ?」
そしてワタシはトウジの目をしっかりと見据えた。
「俺は…俺はさ、シャムの事…好きだ。
じゃないと、あの場所からここに連れてきてないだろ?」
「うん…うん、ワタシ嬉しいよ、トウジ!」
そして、ワタシ達はカップルになった。
「ねぇ、トウジ」
「何だい、シャム?」
ワタシ達は今トウジの部屋で一緒に1つの床に敷いたベット…布団に入っていた。
「ワタシ、もうガマンできないの…だから、ね?
トウジ、ワタシとシよ?」
「そうだな。
だけど、俺さ初めてだから…痛かったらゴメンな」
「ううん…ワタシだってハジメテだから、ね?
お互い様だよ♥」
そうしてワタシは起きるとトウジの方へと寄っていった。
「ねぇトウジ、まずはワタシの服、脱がして♥」
----------------------------------------------------------------------
シャムのお願いに俺は少し動揺してしまったが、それでも俺はシャムのお願いを叶えるべくシャツの裾に手を伸ばした。
「それじゃあシャム、両手を上げて」
「うん…♥」
シャムが手を上げると、俺はシャツをそのまま上に引っ張っていこうとしたが、胸の所でつっかえたのでそのまま強引に引っ張ると、それまで顔を見せるのを拒んでいた大きくても綺麗に形の整った胸が、一際大きくプルルンと揺れて顔を見せた。
「あぅっ…」
「ゴ、ゴメン、シャム」
「大丈夫…ちょっとくすぐったかっただけだから」
「そっか…じゃあ、最後までいくぞ?」
「うん、トウジ♥」
そうしてシャツを全部脱がすと、今度はシャムが俺のズボンを脱がせてくれて、お互い裸の状態のまま向き合っていた。
「とっても綺麗だよ、シャム」
「トウジだって、逞しい身体してる…。
これじゃあ、ますますトウジの事好きになっちゃうよ♥」
「そりゃあ、嬉しいな」
「フフ、ねぇトウジ、あの時のキスの続き、しよ?」
「ああ、勿論さ」
そうして俺達は身体を寄せ合うと、そのままどちらからともなく互いにキスをしていった。
「ちゅる…ちゅぱっ…トウジ、大好き♥」
「ああ、俺もだよ、シャム」
そうして俺達は、さっきみたいに口を付け合うだけでなく、互いの口の中に自分の舌を入れていった。
----------------------------------------------------------------------
ワタシ達がお互い十分にキスを堪能した後、ワタシの頭の中は既に蕩けていて、もうガマンが出来ない状態だった。
「トウジ、キスはここまでにして本番にシよ?」
「そうだな」
そうしてトウジは、既に愛液でビショビショになっているワタシのオマンコにトウジのオチンポをあてがうと、ゆっくりと入れていった。
「あはぁ、トウジのオチンポがワタシのオマンコの中に入ってきたぁ♥」
「うあっ…シャムのマンコの中、気持ち良いぞッ」
そうして、トウジのオチンポが徐々に入って来ている途中に、ワタシの初めてのシルシ…処女膜に突き当たった。
「シャム…お前の処女、奪うぞ?」
「うん、キて♥ワタシの処女膜を突き破ってキてぇ♥」
そうしてトウジは少し強めに押し込むと、ワタシの中で何かが裂ける感覚と共に、今まで感じたこと無かった痛みと快感が同時に押し寄せてきた。
「アガッ…痛、い…よぅ!?」
「大丈夫か、シャム!
あんまりにも無理なら抜くけど?」
「んっ…大丈夫、だけど…痛みが治まるまで、少しだけ…待って」
「分かったよ、シャム」
そして数分後、大分痛みが和らいできたから、ワタシはトウジに最後まで入れて欲しいと頼むと、トウジは快く聞いてくれた。
そしてトウジのオチンポが最後まで入ると、ワタシ達はキスをしながら互いが腰を打ち付け合った。
「あっ♥ああん♥んぁあっ♥
気持ち良いよトウジ♥」
「俺もだ、シャム。
くあっ、ダメだ、もう出そうだ」
「出して良いよっ、トウジ♥
ワタシの子宮、トウジのセーエキで一杯にしてぇ!」
「くっ、ダメだ、出るッ!」
そうしてワタシは互いに絶頂を迎える瞬間、キスをして絶頂を迎えた。
「ンンンーーーーツーーーーーンアァーーーーーッ♥♥」
----------------------------------------------------------------------
「なぁ、シャム、そういえば不思議の国に帰らなくて良いのか?」
互いにイった後、俺達は少し休憩がてらに話をしていた。
「うん、もう良いかなって。
どうせ帰り方なんて分かんないし。」
「それで良いのかよ…」
「うん♥
でもね、分かった所で帰る気も無いよ?」
「そりゃまた何で?」
「だってワタシは、トウジのいるこのセカイにずっと居たいと思っているからね♥」
「シャム…好きだよ」
「ワタシだってトウジの事大好きだよ♥」
----------------------------------------------------------------------
そうしてこの物語はここで終幕を迎える訳だ。
1匹の不思議の国から迷い出た猫と、家族を失った少年の行く末は、確実に幸せな方向へと進んでいった。
だが決して忘れないで欲しい。
ここで終わってしまったとしても、この幸せな物語は永遠に続くという事を………
〜Fin
こんな日にはさっさと家に帰るのが一番だな…っと」
季節は冬、もうそろそろクリスマスを迎える11月終わりの週、俺は学校から帰る為に何時も使っている帰り道を早足で帰っていた。
「よう、高崎(たかさき)の息子。
良い肉が入ったんだが、買ってくかい!」
「あんがと!
でも今日は寒いからさっさと帰るよ!」
「そうか、気をつけてな!」
「あいよ!
おっちゃんも気をつけてな!」
そうして俺は商店街を抜け、団地の坂の入り口に差し掛かった時だった。
「ん…あれは……?」
この世の中魔物娘は何処にでもいる存在だ。
そして、キャット属もその定義に当てはまるが、その魔物娘は何処か違った。
外見はモフモフの手足。これは獣人種には当たり前の事だ。
ただ、それ以外の何処かフワフワした服装に紫と黒の髪の毛。
この2つの特徴を持つ魔物娘を俺は知らなかった。
が、ゴミ捨て場に倒れ込んでいる所を見ると、俺は放ってはおけ無かった。
「よっと…って凄い軽いな」
…とりあえず、俺はこの娘を家に持って帰ることにした。
その娘が起きたのは、俺が自室でその娘に布団をかぶせてついでに鞄を机の上に置いたときだった。
「う、うぅん…あれ、ワタシ……ここ、は?」
「あ、ようやく起きた?」
「うん…オトコの人ともう少しで1つになれる所で起きた……」
ふむ、起きてそうそうイヤらしい発言をかましてくれたのは、魔物娘としては普通の事なのだろう…いや、俺は知らんが。
「あ、あはは…それよりも酷く汚れてるな…。
俺が飯作ってやるから、アンタはさっさと風呂に入って来てくれ」
「アンタじゃないよ」
「…へ?」
「アンタじゃなくてワタシにはシャムって名前があるの…」
「そっか…あ、俺稲司(とうじ)ヨロシク。
それじゃあシャム、風呂に入ってきなよ?」
だがその娘…じゃなかった。シャムは不思議なことを言い出した。
「フロ…って何?
オトコとオンナが1つになる所?」
「え…風呂って言ったらお風呂の事で…まぁ簡単に言えば温かい水で身体を流す所さ」
「ふぅん…水浴びをする所なんだ…。
じゃあトウジ、一緒に水浴びしよ?」
まだ若干寝ぼけてるって思いたいが、どうにもそんな様子じゃ無かったから俺はシャムを風呂場まで連れて行くと替えのシャツとバスタオルを置いてから話しかけようとすると、シャムは既に服を脱ぎ散らかして浴槽に飛び込まんとしていた。
「ふぅ…まぁ良いか」
そして俺はさっさと夕飯を作るべく、台所へと向かった。
「ねぇ、トウジトウジ〜、とりあえずカゴの中にあった服着たけど、これで良かったよねぇ〜?」
「ん?
ああ、大分ダボダボだろうけど我慢してn…ブヘェ!?」
確かに俺のTシャツは着ていた。
だが、ズボンは履いてなかった。まぁこれは、俺が渡してなかったから、悪いのは全面的に俺だ。
…で問題は、ズボンを履いていないのでは無く、Tシャツの方にあった。
「ちょ、おま、身体ぐらい拭いてから服着ろよ!!」
「え〜…だってぇ、トウジそんな事言ってなかったし?」
「いや俺言おうとはしたからな?
てか聞こうとしなかったのはシャムの方じゃないか」
結論から言うと、シャムが着ているシャツは透けているが幸いにも胸の先端は見えないし、股の部分も紫と黒のチェック柄の…いや、何も見えてないと言っておこう。
「ホラ、やっぱり言ってないじゃん。
…と言っても、ワタシが最後まで聞かなかったのも悪い訳だし……まぁ、ちょっとしたハプニングって事で♪」
「ハプニングて…どうでも良いからさっさと身体拭いてこい、俺はまた新しいシャツ出すから」
そう言って脱衣所まで無理矢理連れてくと、シャムを脱衣所に押し込み、俺は自分の部屋に新しくシャツを取りに行った。
「…早く、メシ作らないとな」
「で、トウジ。
この魔女ダレ?」
「ダレじゃねぇよ、この人は元々俺の家で雇った婆やだったけど、知り合いのバフォメットの力で魔女にしてもらったんだ」
「ふぅん…だからこの家って他の家よりもかなり大きかったんだ」
「今頃!?ねぇ、今頃!?」
「あらあら、2人とも仲が良いですねぇ。
私も何だか昔を思い出しちゃいますよ」
俺達は今、このだだっ広い武家屋敷のだだっ広い和室で小さい机の上に乗った食事を俺とシャム、婆やの3人で囲んでいる。
「さぁさぁ、せっかく稲司様が作ってくれた食事が冷めてしまいます。
さ、早く食べましょう?」
「そうですね、婆や。
それじゃあ、皆で」
「「「いただきます」」」
それから俺達3人は楽しくあれこれ会話しながら食事をしたのだった。
夕食の後、婆やと一緒に食器を片づけた俺は、いつもそうしている様に仏壇の前で手を合わせていた。
「父さん、母さん…俺、まだ婆やの力を貸して貰ってばっかりだけど…。
でも…でも、1人でもちゃんとやっていけてるから…ッ!
だからさ、安心して見守っててな…」
その時、仏壇の置いてある間の襖が開いた。
「あっ、いたいたトウジ…って、何してるの?」
「あぁ、シャムか…」
と、振り向くと、シャムは俺の方ではなく仏壇の方を見ていた。
「あの…トウジ、それって……」
シャムは何か言いたそうだったけど、最後まで言えずにそっぽを向いてしまった。
「あのさ、シャム…ちょっと軒先で話しでもしないか?」
その空気に耐えかねた俺の口は、勝手に言葉を話していた。
----------------------------------------------------------------------
ワタシとトウジは今、あの部屋から少し離れて庭に面した廊下、名前は知らないけど…と、兎に角、私達はお盆を挟んで座っていた。
「あのさ…シャム、俺の両親さ、昔に事故で亡くしてんだ」
トウジは本当は話したくはないだろう、過去の悲しい話を話してくれた。
過去、トウジがまだ小さくてトウジの両親が忙しかったが、1日だけ一緒に居られた。
そしてその日、トウジの我が儘で外食することになって家族で車に乗って行く途中に、後ろから来たトラックと、信号で止まっていた前のトラックと挟まれて亡くなった。
奇跡的にもトウジは助かったが、あの日からずっとトウジの心は何処か悲しく輝いているあの欠けた月のようにどこかぽっかりと空いていた。
「そっか…。
そっかそっか、じゃあワタシがここに居る訳がどうでも良いように思えてきちゃったなぁ…」
「へ?
シャムがここに居る…理由?」
「そう…そうなのです!
ワタシことシャムはこのセカイの住人では無く、ワンダーランド…即ち不思議の国の案内人なのですよ!」
そう…ワタシは不思議の国の案内人。
でも根っからの方向音痴が災いして、不思議の国からいつの間にか出てきてしまっていた。
「いやぁ、あの後食べ物を探したんだけど、なかなか見つからなくてさ…で、あの場所で行き倒れてたってワケ。」
「そっか…シャムも大変だったんだな」
「トウジほどじゃないよ…。
でもさトウジ…私達って境遇こそ違えど、何処か似ていない?」
「そうか…ってそういや俺達は1人ぼっちだもんな」
「でもね…でもね、私達、もう1人ぼっちじゃないと思うの」
「それって…どういう…ッ!?」
トウジが最後まで言い切る前に、ワタシはトウジの唇を奪っていた。
「ちょ…シャム、何をっ!」
「ワタシ…ね、トウジの事が好きだよ」
ワタシは好きって言ってしまったけど、トウジは恥ずかしさのあまりそっぽを向いてしまっていた。
「ねぇトウジ、こっち向いてよ」
と言いつつ、ワタシはトウジの顔の向いている方に移動した。
「でもな…シャム、俺達まだ初めてあってから1日も経ってないぞ?」
「そんなの関係無いよ?
それはトウジも良く知っている事じゃない?」
「それは…そうだが」
「もう…往生際が悪いよ、トウジ…。
もしかして私の事、キライ?」
そしてワタシはトウジの目をしっかりと見据えた。
「俺は…俺はさ、シャムの事…好きだ。
じゃないと、あの場所からここに連れてきてないだろ?」
「うん…うん、ワタシ嬉しいよ、トウジ!」
そして、ワタシ達はカップルになった。
「ねぇ、トウジ」
「何だい、シャム?」
ワタシ達は今トウジの部屋で一緒に1つの床に敷いたベット…布団に入っていた。
「ワタシ、もうガマンできないの…だから、ね?
トウジ、ワタシとシよ?」
「そうだな。
だけど、俺さ初めてだから…痛かったらゴメンな」
「ううん…ワタシだってハジメテだから、ね?
お互い様だよ♥」
そうしてワタシは起きるとトウジの方へと寄っていった。
「ねぇトウジ、まずはワタシの服、脱がして♥」
----------------------------------------------------------------------
シャムのお願いに俺は少し動揺してしまったが、それでも俺はシャムのお願いを叶えるべくシャツの裾に手を伸ばした。
「それじゃあシャム、両手を上げて」
「うん…♥」
シャムが手を上げると、俺はシャツをそのまま上に引っ張っていこうとしたが、胸の所でつっかえたのでそのまま強引に引っ張ると、それまで顔を見せるのを拒んでいた大きくても綺麗に形の整った胸が、一際大きくプルルンと揺れて顔を見せた。
「あぅっ…」
「ゴ、ゴメン、シャム」
「大丈夫…ちょっとくすぐったかっただけだから」
「そっか…じゃあ、最後までいくぞ?」
「うん、トウジ♥」
そうしてシャツを全部脱がすと、今度はシャムが俺のズボンを脱がせてくれて、お互い裸の状態のまま向き合っていた。
「とっても綺麗だよ、シャム」
「トウジだって、逞しい身体してる…。
これじゃあ、ますますトウジの事好きになっちゃうよ♥」
「そりゃあ、嬉しいな」
「フフ、ねぇトウジ、あの時のキスの続き、しよ?」
「ああ、勿論さ」
そうして俺達は身体を寄せ合うと、そのままどちらからともなく互いにキスをしていった。
「ちゅる…ちゅぱっ…トウジ、大好き♥」
「ああ、俺もだよ、シャム」
そうして俺達は、さっきみたいに口を付け合うだけでなく、互いの口の中に自分の舌を入れていった。
----------------------------------------------------------------------
ワタシ達がお互い十分にキスを堪能した後、ワタシの頭の中は既に蕩けていて、もうガマンが出来ない状態だった。
「トウジ、キスはここまでにして本番にシよ?」
「そうだな」
そうしてトウジは、既に愛液でビショビショになっているワタシのオマンコにトウジのオチンポをあてがうと、ゆっくりと入れていった。
「あはぁ、トウジのオチンポがワタシのオマンコの中に入ってきたぁ♥」
「うあっ…シャムのマンコの中、気持ち良いぞッ」
そうして、トウジのオチンポが徐々に入って来ている途中に、ワタシの初めてのシルシ…処女膜に突き当たった。
「シャム…お前の処女、奪うぞ?」
「うん、キて♥ワタシの処女膜を突き破ってキてぇ♥」
そうしてトウジは少し強めに押し込むと、ワタシの中で何かが裂ける感覚と共に、今まで感じたこと無かった痛みと快感が同時に押し寄せてきた。
「アガッ…痛、い…よぅ!?」
「大丈夫か、シャム!
あんまりにも無理なら抜くけど?」
「んっ…大丈夫、だけど…痛みが治まるまで、少しだけ…待って」
「分かったよ、シャム」
そして数分後、大分痛みが和らいできたから、ワタシはトウジに最後まで入れて欲しいと頼むと、トウジは快く聞いてくれた。
そしてトウジのオチンポが最後まで入ると、ワタシ達はキスをしながら互いが腰を打ち付け合った。
「あっ♥ああん♥んぁあっ♥
気持ち良いよトウジ♥」
「俺もだ、シャム。
くあっ、ダメだ、もう出そうだ」
「出して良いよっ、トウジ♥
ワタシの子宮、トウジのセーエキで一杯にしてぇ!」
「くっ、ダメだ、出るッ!」
そうしてワタシは互いに絶頂を迎える瞬間、キスをして絶頂を迎えた。
「ンンンーーーーツーーーーーンアァーーーーーッ♥♥」
----------------------------------------------------------------------
「なぁ、シャム、そういえば不思議の国に帰らなくて良いのか?」
互いにイった後、俺達は少し休憩がてらに話をしていた。
「うん、もう良いかなって。
どうせ帰り方なんて分かんないし。」
「それで良いのかよ…」
「うん♥
でもね、分かった所で帰る気も無いよ?」
「そりゃまた何で?」
「だってワタシは、トウジのいるこのセカイにずっと居たいと思っているからね♥」
「シャム…好きだよ」
「ワタシだってトウジの事大好きだよ♥」
----------------------------------------------------------------------
そうしてこの物語はここで終幕を迎える訳だ。
1匹の不思議の国から迷い出た猫と、家族を失った少年の行く末は、確実に幸せな方向へと進んでいった。
だが決して忘れないで欲しい。
ここで終わってしまったとしても、この幸せな物語は永遠に続くという事を………
〜Fin
13/12/07 04:37更新 / @kiya