読切小説
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星に…願いを♥
 七夕の日、町中で笹飾りのイベントや、メニューの追加、一般家庭でも希に笹を飾る子供達の姿も見られる。

 さて、この物語はこの"現代ジパング"におけるキャラクター達の七夕の出来事である……

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「さてと…これで笹は良しっと」

 とまぁ、何だかおっさん臭いセリフを吐いてみたけど、やっぱり俺には合ってないよな気がする……

「「篤人、晩ご飯できたy……」」

 そんな時、俺を呼ぶ2人の声が聞こえてきた。

「わぁ、凄い…」

「そういや今日って七夕だっけ?」

「そう言う事。だからこうして裏山から竹取って来たんだ」

 まぁ、俺を呼んだのは彼女兼嫁である紅葉と縁花だ。

「あっ…そうそう、晩ご飯出来ましたよ?」

 と、紅葉。

「今日は、私達が晩ご飯を作ったんだ」

 とまぁ、縁花。

「あぁ、分かった。
 んじゃコレ立てたら食べに行くよ」

「はい、じゃあ来るまで待ってますね」

「了解」

 ここ最近紅葉の口調が丁寧だけど、本人曰く

『だって此方の方がおしとやかじゃありませんか』

 だそうだ。

「よっこらせっと…これで終了っと。
 それじゃあ食べに行きますか」

「は〜い、お待たせしました。
 今日の晩ご飯のお稲荷と…」

「たぬき蕎麦だよ、篤人?」

 そう言って、晩ご飯を紅葉と縁花が持って来てくれた。

「おぉ、美味そう!!
 それじゃあ…」

「「「いただきます!!」」」

 

『俺と紅葉と縁花、何時までも幸せに暮らしたい   佐枝森』

『篤人君と、私。
 何時か2人きりで、床につけますように……キャ♥   紅葉』

『篤人と何時までも一緒に……。
 でも、商売で金儲けも……そして篤人とあんな事やこんな事……♥
縁花』

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「ねぇ修司、今日って七夕じゃない?」

「え、そうだっけ?」

 何故かナッツは、ドアの向こうから頭だけ出して俺と喋っていた。

「そうなんだよ?
 だから今日ね、僕……初めて浴衣着てみたんだ♥」

 そう言って俺の部屋に入ってくるナッツ。
 その浴衣は、紺色を基本色とし、要所要所に金魚をあしらってあった。
 ……正直性的に襲いたいと思ったのは、此処だけの秘密だ。

「…うん、似合ってるぞ?」

「エヘヘ……修司にそう言って貰えると嬉しいな♪
 それで何だけど、今日商店街の方に行ってみない?」

 フム、商店街か…今日は特にこれと言って用事がある訳でも無いし…

「おっけ、じゃあ直ぐ準備するから待っててくれ」

 そして、準備が済むと俺はナッツと一緒に商店街へと向かって行った。

「そういやさ、何で商店街に行こうと思ったんだ?」

「ん〜…色々あるけど、やっぱり一番は修司と一緒に居たかったからだよ?」

「…そっか、俺もナッツと一緒に居たいと常に思ってるけどな?」

 そう言った途端、ナッツの顔が急に赤くなった。
 …まぁ、さっき言ったことはウソではないし、俺も恥ずかしいっちゃ恥ずかしいんだが。

「…あ、ホラ修司、あそこで短冊を書くコーナーやってるよ、僕たちも行こう!!」

 そうして短冊コーナーに着いた俺達は、それぞれの願いを短冊に書いて笹へと吊した。

「そういや、ナッツは短冊に何を書いたんだ?」

「そう言う修司は何を書いたの?」

「ん?
 ん〜……秘密」

「えぇ〜、教えてよぉ。
 誰にも言わないからさ♪」

「だから、秘密だって」



『出来ることなら、ナッツと何時までも居たい   神也』

『何時までも…何時までも修司と一緒に……♥   夏木』

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「で、海における七夕って、どんな感じなんだ?」

「七夕…ですの?
 そうですわねぇ……地上における笹の代わりを海草でやってますわね」

「ふぇ、マジで?
 俺はてっきり地上い上がってくるものとばっかり……」

 俺は、今は海の底……即ちラナの家で一緒に暮らしている。

「そっか、海草に巻き付けるのか……なんかシュールだな」

「そうでも無いですわよ?
 地上とは違って、海の中ではそれはもう星が降ってくるみたいですのよ?」

「ほう、星が降ってくる…ねぇ?」

 実際には信じられないが、それでも見てみたいという好奇心は大いにある。

「それじゃあ、百聞は一見にしかずとも言うし、見に行ってみるか!!」

「はいですの♪」



『俺は、ラナと出会ってから幸せいっぱいの家庭を持つことが出来た。
 だからもう、願いなんていらない   南乃』

『私、愛する彼が居るだけで十分幸せですの♥
 だから、私達に子供を授けてくださいまし   ラナ』

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「七夕だろうが、あたし達には関係無いッ!!」

「いきなり何だよ…」

「だってアタシ達、出会ってまだ間もないし、それに七夕の準備もしてないし……」

「あ〜…そう思って、小っさいけど笹と短冊買ってきた」

 そう言いながら後ろ手に隠していた袋から、笹と短冊を取り出した。

「ふぁ…あ、あ……」

「へ?あ…?」

「ありがとう!!
 アタシ、翔平のこと大好きだよ!!」

「何言ってんだよ、そんなの既に分かりきってることじゃないか?
 ほら、もう夕方だし、さっさと飾っちまおうぜ?」

「うん、そうだな!!」

 そして俺達はそれぞれの願いを短冊に書き込むと、笹に掛けようとした。
 …掛けようとしたのだが、

「あれ、そういやこの短冊何処に掛ければ良いんだ?」

「そんなの何処でも良いじゃないか?
 さ、早く掛けよう?」

「はいはい、そうだな」



『ファストが家にやって来た。
 ただこれから肝心だと思うので、安全に過ごしたい   翔平』

『翔平のオチンチン、すっごく大きくてアタシの子宮をズポズポしちゃってるのさ。
 だから早く翔平の卵を……産みたいな♥     ファスト』

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「京谷、今日は何の日か知ってるか?」

「また突然に…今日って何の日だっけ?」

「忘れたとは言わせんぞ。
 今日は七夕だろう。」

 …あぁそういや今日って7月7日だっけか……?

「うん、ゴメンゴメン。
 ほら、頭撫でてあげるからさ」

「むぅ、そうやったって何も………もっともっとぉ」フリフリ

 …やっぱりヴァルシアは可愛いなぁ。

「そういやさ、七夕なんだったらやっぱり笹が必要だよね?
 ちょっくら倉庫から取ってくるよ」

「くぅん…もうナデナデしてくれないの……?」

「また後でやってあげるから、今は我慢してね?」

「うぅ〜……うん、分かった」シュン…

 で、笹を取ってきて『いざ短冊に願いを書かん!!』とした後、様々な飾りと共に、笹に掛けたわけだ。

「なぁ、ヴァルシア、俺達の出会いは確か七夕だったよな?」

「ああ、そうだな」

「確かあの時商店街の短冊コーナーでたまたま手が触れ合ったことがきっかけだったなぁ…」

「ふむ、そうだな…」


『何時も計画が台無しになってしまうけど、それでも俺はヴァルシアの事を愛してる。
 だから、何時までも、死ぬときもお前と一緒に……   京谷』

『ワンワンくぅ〜ん……はっ、私は何を…?
 私は…今、凄く幸せだ。
 だから、何時までも京谷と一緒に暮らせるなら、私は何も……京谷ぁ、私の頭、撫でて撫でて♥』

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 そして今晩この町に、新しいカップルが成立しようとしていた………


「はぁ…意気揚々と商店街にきてみたものの……何もすることがねぇ。
 まぁ、あっこにある短冊コーナーで何か書いていくか」



「う〜ん…去年は彼氏居なくて寂しかったなぁ……。
 …あそこにある短冊コーナーで私のお願いも叶えて貰おうかな?」





『俺はぽっちゃりが好きだ!!
 だから、ぽっちゃりな女の子とカップルになれますように!!
 追伸 神様、期待してるぜ!!        吉永』

『今年こそ…今年こそ、私にも彼氏が出来ますように!!
 こんな私ですけど、神様、宜しくお願いします!!  金寺』
13/07/09 11:01更新 / @kiya

■作者メッセージ
 はい、そんな訳で『現代ジパング』番外編でした!!

 いやぁ…あれですよ、気づいたら7月7日の1時間半後っていう……(見苦しい言い訳)

 まぁ、兎に角、今後とも宜しくお願いします!!

 ではノシ


追伸:は、願い?
   そんなもん決まっとる。
  
   『今年こそ彼女(魔物娘で希望アヌビス)を作る事!!』

   だよ!!

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