2話 クラスメイトは全員女子!?
その日の午後、俺は入学式へと参加した。
…参加したのは良いのだが、
「…ちょい待ち、これって…。」
俺は入学式に参加すべく、体育館へと向かった。
そこで待っていたのは……体育館を埋め尽くす女子、女子、女子である。
それはもう、ホントに…周りを見渡す限り女子ばっかりだ。
「…えっと、他に男子は…いるのか?」
そんな事を言った瞬間、恐らくその場の全員の女子が振り向いた。それも、人間とは何処か違う部分を持った少女、即ち魔物娘ばかりである。
例えば、何故か壺らしき物から頭と手足を出している少女。その他にも、黒耳にモフモフの手足の少女、異様なまでに周りに殺気を放っている少女に如何にも甘え上手なのに下半身サソリの少女だとか、とにかく多種多様なのである。
「…アレ?俺、何か間違えたこと言ったか?」
とりあえず再度周りを確認してみたが、やっぱり男子の姿が1人もいない。しかも殆どの女子から無駄にハートマークがでているオーラが出ている。
後は何かって?それはな、俺を奴隷として見るヤツに、『お前なんかいらない』ってオーラ出してるヤツだ。
「…うん、俺、入る高校間違えたかも。」
今更ながらにそんな後悔を感じてしまった。いや、あのさ、後悔さん、とりあえず先に旅だってみようか?
…ん、そんな事面倒だって?いやいや、そう言わずに、ね?
「これより第1回、エルフェンリート学園入学式を始める。
まず初めに、学校長の挨拶……。」
司会進行の…あれは、デュラハンの先生(?)が、プログラムを進める。
壇上に出てきたのは、お馴染み校長ことバフォ様である。
「ほいほい皆の衆。儂じゃ、皆のアイドルバフォ様じゃ!!
今日は儂のライブに「かあいい物は、おっ持ち帰りぃーーー!!」ぬおぉーーー!!何するのじゃーーーー!!」
校長が暴走したところで、嵐の如く壇上の端から現れた小さい女の子がそのまま校長を攫っていった。
「おいおいおいおい、何だったんだ今の。」
体育館内がざわつき始めたところだが、プログラムがどんどん進んで行く………。
入学式が終わった後、俺は教室割り当てがあると思ったがそんな事は無かった。
無かったと言うよりも、そもそもクラスが無いといった方が近いだろうか。教室自体はあるものの、生徒全員がそれぞれ気に入ったクラスに入っているのだ。
「さて、俺は何処のクラスに入ろうか…。」
そう悩んでいるものの、俺の後ろには他の魔物の女子達がぞろぞろと付いてきているがまぁ気にしない事にする。
「う〜ん、これ以上選ぶのもダルいし、あそこのクラスでいいか。」
とりあえず俺は、1年F組の教室に入った。
「うわ、あっぶね〜。ギリギリ後1つ席が残ってんじゃん。」
俺は残り1つの席につきながら、俺の後ろに付いてきた女子達に心の中で頭を下げながら前を見た瞬間、激しく後悔することになった。
「うわ、ヤバ。何でこの教室にあいつ等がいんだよ。」
あいつ等とは、俺が体育館に入ってきたときに他とは違うオーラを出していた2人である。
1人は黒い耳に黒い尻尾、更に両手足に獣特有のモフモフが付いているが、若干胸が小さめである。それでも美少女と呼べるぐらいの女子だ。
もう1人は紫の髪に透き通るような白い肌だが、部分的に鱗があって羽や尻尾、頭には角と全体的にドラゴンを思わせる上にこちらは何と巨乳である。
全体的に正反対の2人であるが、同じ所があるとするならどちらともクールな所であるといった所だろうか。
「…フム。どちらとも苦手なタイプって訳じゃないけど、2人とも多分好意を持ってないんだろうな…。」
ちょっと鬱になりかけながら思案していると、これからクラスメイトになるであろう1人の女子が声を掛けてきた。
「あやややや、貴方、この学園で唯一の男子様じゃないですか。
…あぁ、私は清く正しい射命丸 文(しゃめいまる あや)と申します。以後お見知りおきを。」
とまぁ、気さくに自己紹介を始めた。
「あ、貴方!!抜け駆けは、卑怯なのではなくて!!
…まぁ、いいですわ。私は「はいはーい!!私の名前はガネーシャだよー!!よろしくね、お兄ちゃん!!」何で私の自己紹介の名前の邪魔しますの!?」
エート…まぁ、この2人の他にも、オークの4姉妹、ロリっ娘8人衆など全員から自己紹介を受けた。
…8人目からあんまり覚えてないけど。
そんなこんなで時間が過ぎ、担任らしき先生が入ってきた。
「は〜い、みんな〜。『学園の園』への入学おめでと〜♪
一応知っているとは思うけど、この学校には男子が1人しか居ませ〜ん♪
だから、その1人の男の子は私、6尾狐の美鈴(めいりん)先生が貰っちゃうので、みんな残念だったね〜♪」
ほほう、この学園には男は1人なのか…ってその男って俺じゃないか!!
しかも、6本ある尻尾の内何故か1本だけ自分の股に入ってて先っぽ見えないし!!
「先生!!1つ、言わせて貰っても良いですか!!」
「私の事はメイリンでいいわよ〜。で、何かしら?」
「はい、先生!!俺、黛 俊平は同い年なら大丈夫ですが、年上はちょっと厳しいです!!」
言ってやった。とにかく、この人はいろいろな意味で危ない!!
「あら…そう。残念ね。じゃあ、また今度にするわ♪」
おおぅ。この教師、最初は落ち込んでいたと思ったらすぐに回復しやがった。何て面倒なんだ!!
同時にクラスの女子も一気に鬱から回復しやがった!!
「…はい、私がやります。」
そう言って手を上げたのは、先ほどのモフモフ少女。
「そう。じゃあノワールさんの他に誰かやる人いる〜?」
そう言って、クラス中がこちらを見ている。
「それじゃあ、俊平君やっt…。」
「いや、遠慮します。」
美鈴先生が何か言ってきたような気がするが、気のせいという事にしておこう。
「そう、それじゃあ委員長はノワールさんで、副委員長は俊平君ね♪皆それで良いわね?」
「「「「「はーい♪」」」」」
「ちょっと待って下さいよ!!何で俺g…」
最後まで言おうとしたら、何故か美鈴先生を含む皆がこっちに向いている。しかも、涙目上目遣いのオマケ付きだ。
「…いや、何でも無いです。」
「は〜い、じゃあ、これで委員長と副委員長は決まったわね♪後は…。」
そんなこんなで、クラスの係が決まった。
学園の全ての初日のプログラムが全て終わって、俺は寮へと帰ってる。
後ろに、他の女子達がゾロゾロと付いてくるというオマケ付きだけどね。
「ねぇねぇ、あの人何処の部屋なのかな?」
「さぁな。でも、アイツは俺の男だからな?」
「やっぱりあの人は私を満足させてくれるのかなぁ?」
それぞれが、こんな事を言っているが気にしない。
それでも、面倒なので俺は自分の部屋まで帰る事にした。
…したのだが、
「うぉぉぉい!!何でこんな事になってるんだよ!!」
俺は今、走って帰っている。否、走って逃げている。
「「「「「キャーーー!!ちょっと待ってーーー!!」」」」」
寮の部屋まで走って帰ろうとしたまでは良いが、俺が走った途端、後ろも急に走り出したのだ。
「待てって言われて待つヤツがいるかーーー!!」
そんな事を言いながら必死に逃げている内に、ようやくポータルが見つかった。
俺はギリギリの所でポータルに入った。
「ふぅ、これで一安心…。」
と思った事が口に出てきた矢先、
「「「「「待ってーーーーー!!」」」」」
何と、ポータルからさっきより減ってはいるが、それでもまだ沢山いる女の子達が出てきた。
「おうわーーーーー!!」
俺は追いつかれながらも、命かながら部屋まで戻って来た。
急いで部屋に入り、ドアにも鍵をかけてこれで一安心。
「ああ、お主か。初日早々大変だったの。」
「ああ、まぁな。ってか何で校長が此処にいんだ?」
「それはの、お主の必要としている物を此処へ運んでおったからじゃ。」
バフォ様は、無い胸をこれでもかと言わんばかりに張っていた。
で、よくよく見ると、バフォ様の後ろには大小様々なダンボールが積んである、多分全部1人でやったんだろう。
「おお、そうか。それは大変だったな。
それで校長。この学園に男子が俺1人ってどういう事ですか?」
「それは…その〜……なのじゃ。」
その後ゆっくり話を聞かせて貰ったが、この学園に男子は俺1人、他の生徒は女子、しかも全員魔物だと言うことが分かった。
「ったく、それならそうと早く言ってくださいよ。」
「はう〜、分かったのじゃ〜…。」
バフォ様は、頭の上の上のタンコブを擦りながら半泣きで俺を見上げた。
…こうしてみると、案外女の子っぽくて可愛いのに。
「とりあえず、反省したなら良いですけど。これからは大事なことは言って下さいよ。」
バフォ様は、何も言わずに俺の部屋から出て行った。ちょっとやり過ぎたかもしれないが、気にしない。
「…さて、さっさと荷物を片付けるか。」
そう言って俺は荷物を片付け始めた。
数十分後、5つ目のダンボールに手を伸ばした所で気づいた。
「…あれ?そういや、隣の部屋に挨拶に行ってなかったような…。
ま、いいか。ダルいし。」
俺がそう呟いた時だった。
………ピンポーン………
ハイ丁度いいですねー。何なんですかねー、玄関見てもイヤな空気しか漂って無いですよー。まぁでも、仕方ないから玄関のドア開けましょうかねー。
「ハイハイ、今開けますよ〜っと。」
最初は大勢の魔物娘が押し寄せて来るかと思った。だけど…
「…その不抜けた声は一体何なんだ、シュンペイ。」
意外にも玄関にいたのは、我らが委員長、アヌビスのノワールさんです!!皆さん、当たりましたか?
「お前が一体何を考えているのか分からないが、くだらない事だけは考えるなよ。」
おっと、何故俺は、心を読まれたんだ!?
「考えてねぇーよ。
それよりも、ノワールさん「ノワで良い」、今日はどうした?」
とりあえず、質問することにした。
何故かって?一応、ノワールさんも魔物娘だからな。
「まぁ、今日は隣の部屋の住人に挨拶をと思ってな。それで隣の部屋に挨拶にいったらお前だったって訳だ。」
「ふぅん、そうか。俺もそのつもりだったし、何だったら一緒に挨拶に行くか?」
「ふぇ!?そ、そうか?お前も挨拶に回るのか。わ、分かった。少々予定外だが、付いてきてもいいぞ。」
おおう?何で動揺してんだ?
…まぁいいか。
俺とノワが挨拶を終えた頃、外はもうすでに夜だった。夕方に挨拶回りを始めたのにね、何でだろう?
「なぁ、ノワ。俺、腹減ったからメシ食いに行っても良いか?
…あ、なんだったらノワも来るか?」
「…ああ、丁度私もお腹は空いていた頃だ。私は美味しい店を知っているのだが、今日はこの町の案内がてらそこに案内してやろう。」
…そんなこんなで、只今町の中。俺達は数十分間ずっと歩き続けている。
「あ、あのさ。店ってまだか?俺かなり腹減って「もうすぐ着くから安心しろ。」…さいですか。」
更に歩き続けて数分後、俺たちはようやく件の店に着いた。
「いらっしゃいませー!!お客様は2名ですか?」
「ああ、そうだ。何時もの席空いてるか?」
「はい、勿論です。2名様、ごあんなーい!!」
それで案内されたのは、カウンター席。しかも店長目の前。いやぁ〜店長、筋肉が眩しいねぇ。
「…何時もので良いですね?」
「ああ、ソレで頼む。コイツには裏メニューを。」
「…かしこまりました。」
おおい、何か今裏メニューって聞こえたんだけど。
…多分聞き間違いだな。否、そうに違いない!!反語。
「なぁ、ノワ?今裏メニューって聞こえたんだけど…?」
「ああ、言ったぞ?って言っても此処は常連客にしか出さないメニューを裏メニューと言ってるだけだけど。」
「はぁ、なんだ。それなら良いんだ、アハ、アハハハハ…。」
「…お待ちどおさまです。」
出てきたのは、何とステーキ。次いでノワはクリームシチューだ。
「それじゃぁ、頂きます。」
そう言って、俺は1口ステーキを食べた。
「ッ!!ウマイ!!なんだこのステーキ、口の中で蕩けるぞ!!これ、凄くウマイよ!!」
「…ありがとう御座います。」
「なぁ、シュンペイ。お前もっとよく噛んで食べたらどうだ?その内ノドを詰まらせるぞ。」
ノワに指摘された通り、俺は急いで食べている。
だって誰にも横から取られたく無いもんね。
「それよりもだなシュンペイ。話は変わるんだが…、」
この後ノワは、大変な事を言うがそれは後ほど説明すると言うことで。
「なぁ、ノワ。何で俺は自分の部屋じゃなくて、お前の部屋にいるんだ?」
「そんな事、どうでも良いじゃないか。さぁ、さっさと入ってきてくれ。」
「はいはい、分かったよ。」
勿論、お楽しみは無いよ!?と言うわけで飛ばすぞ。いいな?
「ほい、上がったぞ。」
「ああ、分かった。それじゃあ、私が入っている間絶対に覗かないでくれ。いいな?」
「ほいほい、分かった分かった。だから、さっさと入ってこい。」
「あぁ、じゃあ、入ってくる。」
〜数分後〜
キュピーン!!今がチャーーーンス!!
さぁ、さっさとズラかるぞ!!
「すぅ〜っ、はぁ〜っ……はぁ、シュンペイの臭いだ…。わぅん、シュンペイ、今すぐにでも…きゅぅ〜ん。」
おいおい、何やってんだよノワさんよ。
「はふはふ……シュンペイの臭いで欲情してしまうなんて、私は変態雌犬だな。後でたっぷりお仕置きして…ん♥してもらわないと…はうん♥」
…ちょっと待て、これってアレか?ナニだよな?そうだよな!?
ちょっとちょっと、何1人でやっちゃってるんですか!?
「…ハッ、さっさとズラからないと…。」
危ない危ない、危うく覗くところだったぜ…。
ノワの部屋から何とか抜け出した俺は、隣の我が愛しのマイルームのベットで仰向けになっていた。
「ふぅ〜、今日は大変だったぜ〜。
まさかノワが実はあんなだったなんて…、未だに信じられないんだが。」
あんな事とは、夕食の出来事。
「それよりもだなシュンペイ、話は変わるんだが、」
「ん、何だ?」
「シュンペイは、SEXってどうやるか知っているか?」
ブゥーーーーーーーッ!!ちょっと待て、ソレを今此処で聞くか!?聞くことなのか!?
「あのさ、ノワ、それって…。」
「すまんが私はこういう事はあまり知識が無くてな、出来ることといえば1人でやること位なのだ。」
「って、どのくらいの事を知ってるんだ?」
…あ、しまった。ついノリで聞いちゃった。
「母様の受け折りだが、1組の男女が同じベットで横になっていると、子をなすことが出来るのだろう?」
…ウン、ソレ間違い。ノワの母さん間違った事教えないで下さい。
「む?何か違うって顔をしているな。
…うん、私の知識が違うのならば教えて貰わないとな♪」
…以上回想終了。ってな訳で、ノワの部屋にいたんだが。
「…あ〜、そういえば荷物どうしよ?
まいいか面倒だし、明日明日っと。」
そうして、俺こと人生の失敗者である黛 俊平は長い1日を終えたのであった。
「…フフフ、此処が…。」
すぐ近くに危険が迫っているにも関わらず…。
…参加したのは良いのだが、
「…ちょい待ち、これって…。」
俺は入学式に参加すべく、体育館へと向かった。
そこで待っていたのは……体育館を埋め尽くす女子、女子、女子である。
それはもう、ホントに…周りを見渡す限り女子ばっかりだ。
「…えっと、他に男子は…いるのか?」
そんな事を言った瞬間、恐らくその場の全員の女子が振り向いた。それも、人間とは何処か違う部分を持った少女、即ち魔物娘ばかりである。
例えば、何故か壺らしき物から頭と手足を出している少女。その他にも、黒耳にモフモフの手足の少女、異様なまでに周りに殺気を放っている少女に如何にも甘え上手なのに下半身サソリの少女だとか、とにかく多種多様なのである。
「…アレ?俺、何か間違えたこと言ったか?」
とりあえず再度周りを確認してみたが、やっぱり男子の姿が1人もいない。しかも殆どの女子から無駄にハートマークがでているオーラが出ている。
後は何かって?それはな、俺を奴隷として見るヤツに、『お前なんかいらない』ってオーラ出してるヤツだ。
「…うん、俺、入る高校間違えたかも。」
今更ながらにそんな後悔を感じてしまった。いや、あのさ、後悔さん、とりあえず先に旅だってみようか?
…ん、そんな事面倒だって?いやいや、そう言わずに、ね?
「これより第1回、エルフェンリート学園入学式を始める。
まず初めに、学校長の挨拶……。」
司会進行の…あれは、デュラハンの先生(?)が、プログラムを進める。
壇上に出てきたのは、お馴染み校長ことバフォ様である。
「ほいほい皆の衆。儂じゃ、皆のアイドルバフォ様じゃ!!
今日は儂のライブに「かあいい物は、おっ持ち帰りぃーーー!!」ぬおぉーーー!!何するのじゃーーーー!!」
校長が暴走したところで、嵐の如く壇上の端から現れた小さい女の子がそのまま校長を攫っていった。
「おいおいおいおい、何だったんだ今の。」
体育館内がざわつき始めたところだが、プログラムがどんどん進んで行く………。
入学式が終わった後、俺は教室割り当てがあると思ったがそんな事は無かった。
無かったと言うよりも、そもそもクラスが無いといった方が近いだろうか。教室自体はあるものの、生徒全員がそれぞれ気に入ったクラスに入っているのだ。
「さて、俺は何処のクラスに入ろうか…。」
そう悩んでいるものの、俺の後ろには他の魔物の女子達がぞろぞろと付いてきているがまぁ気にしない事にする。
「う〜ん、これ以上選ぶのもダルいし、あそこのクラスでいいか。」
とりあえず俺は、1年F組の教室に入った。
「うわ、あっぶね〜。ギリギリ後1つ席が残ってんじゃん。」
俺は残り1つの席につきながら、俺の後ろに付いてきた女子達に心の中で頭を下げながら前を見た瞬間、激しく後悔することになった。
「うわ、ヤバ。何でこの教室にあいつ等がいんだよ。」
あいつ等とは、俺が体育館に入ってきたときに他とは違うオーラを出していた2人である。
1人は黒い耳に黒い尻尾、更に両手足に獣特有のモフモフが付いているが、若干胸が小さめである。それでも美少女と呼べるぐらいの女子だ。
もう1人は紫の髪に透き通るような白い肌だが、部分的に鱗があって羽や尻尾、頭には角と全体的にドラゴンを思わせる上にこちらは何と巨乳である。
全体的に正反対の2人であるが、同じ所があるとするならどちらともクールな所であるといった所だろうか。
「…フム。どちらとも苦手なタイプって訳じゃないけど、2人とも多分好意を持ってないんだろうな…。」
ちょっと鬱になりかけながら思案していると、これからクラスメイトになるであろう1人の女子が声を掛けてきた。
「あやややや、貴方、この学園で唯一の男子様じゃないですか。
…あぁ、私は清く正しい射命丸 文(しゃめいまる あや)と申します。以後お見知りおきを。」
とまぁ、気さくに自己紹介を始めた。
「あ、貴方!!抜け駆けは、卑怯なのではなくて!!
…まぁ、いいですわ。私は「はいはーい!!私の名前はガネーシャだよー!!よろしくね、お兄ちゃん!!」何で私の自己紹介の名前の邪魔しますの!?」
エート…まぁ、この2人の他にも、オークの4姉妹、ロリっ娘8人衆など全員から自己紹介を受けた。
…8人目からあんまり覚えてないけど。
そんなこんなで時間が過ぎ、担任らしき先生が入ってきた。
「は〜い、みんな〜。『学園の園』への入学おめでと〜♪
一応知っているとは思うけど、この学校には男子が1人しか居ませ〜ん♪
だから、その1人の男の子は私、6尾狐の美鈴(めいりん)先生が貰っちゃうので、みんな残念だったね〜♪」
ほほう、この学園には男は1人なのか…ってその男って俺じゃないか!!
しかも、6本ある尻尾の内何故か1本だけ自分の股に入ってて先っぽ見えないし!!
「先生!!1つ、言わせて貰っても良いですか!!」
「私の事はメイリンでいいわよ〜。で、何かしら?」
「はい、先生!!俺、黛 俊平は同い年なら大丈夫ですが、年上はちょっと厳しいです!!」
言ってやった。とにかく、この人はいろいろな意味で危ない!!
「あら…そう。残念ね。じゃあ、また今度にするわ♪」
おおぅ。この教師、最初は落ち込んでいたと思ったらすぐに回復しやがった。何て面倒なんだ!!
同時にクラスの女子も一気に鬱から回復しやがった!!
「…はい、私がやります。」
そう言って手を上げたのは、先ほどのモフモフ少女。
「そう。じゃあノワールさんの他に誰かやる人いる〜?」
そう言って、クラス中がこちらを見ている。
「それじゃあ、俊平君やっt…。」
「いや、遠慮します。」
美鈴先生が何か言ってきたような気がするが、気のせいという事にしておこう。
「そう、それじゃあ委員長はノワールさんで、副委員長は俊平君ね♪皆それで良いわね?」
「「「「「はーい♪」」」」」
「ちょっと待って下さいよ!!何で俺g…」
最後まで言おうとしたら、何故か美鈴先生を含む皆がこっちに向いている。しかも、涙目上目遣いのオマケ付きだ。
「…いや、何でも無いです。」
「は〜い、じゃあ、これで委員長と副委員長は決まったわね♪後は…。」
そんなこんなで、クラスの係が決まった。
学園の全ての初日のプログラムが全て終わって、俺は寮へと帰ってる。
後ろに、他の女子達がゾロゾロと付いてくるというオマケ付きだけどね。
「ねぇねぇ、あの人何処の部屋なのかな?」
「さぁな。でも、アイツは俺の男だからな?」
「やっぱりあの人は私を満足させてくれるのかなぁ?」
それぞれが、こんな事を言っているが気にしない。
それでも、面倒なので俺は自分の部屋まで帰る事にした。
…したのだが、
「うぉぉぉい!!何でこんな事になってるんだよ!!」
俺は今、走って帰っている。否、走って逃げている。
「「「「「キャーーー!!ちょっと待ってーーー!!」」」」」
寮の部屋まで走って帰ろうとしたまでは良いが、俺が走った途端、後ろも急に走り出したのだ。
「待てって言われて待つヤツがいるかーーー!!」
そんな事を言いながら必死に逃げている内に、ようやくポータルが見つかった。
俺はギリギリの所でポータルに入った。
「ふぅ、これで一安心…。」
と思った事が口に出てきた矢先、
「「「「「待ってーーーーー!!」」」」」
何と、ポータルからさっきより減ってはいるが、それでもまだ沢山いる女の子達が出てきた。
「おうわーーーーー!!」
俺は追いつかれながらも、命かながら部屋まで戻って来た。
急いで部屋に入り、ドアにも鍵をかけてこれで一安心。
「ああ、お主か。初日早々大変だったの。」
「ああ、まぁな。ってか何で校長が此処にいんだ?」
「それはの、お主の必要としている物を此処へ運んでおったからじゃ。」
バフォ様は、無い胸をこれでもかと言わんばかりに張っていた。
で、よくよく見ると、バフォ様の後ろには大小様々なダンボールが積んである、多分全部1人でやったんだろう。
「おお、そうか。それは大変だったな。
それで校長。この学園に男子が俺1人ってどういう事ですか?」
「それは…その〜……なのじゃ。」
その後ゆっくり話を聞かせて貰ったが、この学園に男子は俺1人、他の生徒は女子、しかも全員魔物だと言うことが分かった。
「ったく、それならそうと早く言ってくださいよ。」
「はう〜、分かったのじゃ〜…。」
バフォ様は、頭の上の上のタンコブを擦りながら半泣きで俺を見上げた。
…こうしてみると、案外女の子っぽくて可愛いのに。
「とりあえず、反省したなら良いですけど。これからは大事なことは言って下さいよ。」
バフォ様は、何も言わずに俺の部屋から出て行った。ちょっとやり過ぎたかもしれないが、気にしない。
「…さて、さっさと荷物を片付けるか。」
そう言って俺は荷物を片付け始めた。
数十分後、5つ目のダンボールに手を伸ばした所で気づいた。
「…あれ?そういや、隣の部屋に挨拶に行ってなかったような…。
ま、いいか。ダルいし。」
俺がそう呟いた時だった。
………ピンポーン………
ハイ丁度いいですねー。何なんですかねー、玄関見てもイヤな空気しか漂って無いですよー。まぁでも、仕方ないから玄関のドア開けましょうかねー。
「ハイハイ、今開けますよ〜っと。」
最初は大勢の魔物娘が押し寄せて来るかと思った。だけど…
「…その不抜けた声は一体何なんだ、シュンペイ。」
意外にも玄関にいたのは、我らが委員長、アヌビスのノワールさんです!!皆さん、当たりましたか?
「お前が一体何を考えているのか分からないが、くだらない事だけは考えるなよ。」
おっと、何故俺は、心を読まれたんだ!?
「考えてねぇーよ。
それよりも、ノワールさん「ノワで良い」、今日はどうした?」
とりあえず、質問することにした。
何故かって?一応、ノワールさんも魔物娘だからな。
「まぁ、今日は隣の部屋の住人に挨拶をと思ってな。それで隣の部屋に挨拶にいったらお前だったって訳だ。」
「ふぅん、そうか。俺もそのつもりだったし、何だったら一緒に挨拶に行くか?」
「ふぇ!?そ、そうか?お前も挨拶に回るのか。わ、分かった。少々予定外だが、付いてきてもいいぞ。」
おおう?何で動揺してんだ?
…まぁいいか。
俺とノワが挨拶を終えた頃、外はもうすでに夜だった。夕方に挨拶回りを始めたのにね、何でだろう?
「なぁ、ノワ。俺、腹減ったからメシ食いに行っても良いか?
…あ、なんだったらノワも来るか?」
「…ああ、丁度私もお腹は空いていた頃だ。私は美味しい店を知っているのだが、今日はこの町の案内がてらそこに案内してやろう。」
…そんなこんなで、只今町の中。俺達は数十分間ずっと歩き続けている。
「あ、あのさ。店ってまだか?俺かなり腹減って「もうすぐ着くから安心しろ。」…さいですか。」
更に歩き続けて数分後、俺たちはようやく件の店に着いた。
「いらっしゃいませー!!お客様は2名ですか?」
「ああ、そうだ。何時もの席空いてるか?」
「はい、勿論です。2名様、ごあんなーい!!」
それで案内されたのは、カウンター席。しかも店長目の前。いやぁ〜店長、筋肉が眩しいねぇ。
「…何時もので良いですね?」
「ああ、ソレで頼む。コイツには裏メニューを。」
「…かしこまりました。」
おおい、何か今裏メニューって聞こえたんだけど。
…多分聞き間違いだな。否、そうに違いない!!反語。
「なぁ、ノワ?今裏メニューって聞こえたんだけど…?」
「ああ、言ったぞ?って言っても此処は常連客にしか出さないメニューを裏メニューと言ってるだけだけど。」
「はぁ、なんだ。それなら良いんだ、アハ、アハハハハ…。」
「…お待ちどおさまです。」
出てきたのは、何とステーキ。次いでノワはクリームシチューだ。
「それじゃぁ、頂きます。」
そう言って、俺は1口ステーキを食べた。
「ッ!!ウマイ!!なんだこのステーキ、口の中で蕩けるぞ!!これ、凄くウマイよ!!」
「…ありがとう御座います。」
「なぁ、シュンペイ。お前もっとよく噛んで食べたらどうだ?その内ノドを詰まらせるぞ。」
ノワに指摘された通り、俺は急いで食べている。
だって誰にも横から取られたく無いもんね。
「それよりもだなシュンペイ。話は変わるんだが…、」
この後ノワは、大変な事を言うがそれは後ほど説明すると言うことで。
「なぁ、ノワ。何で俺は自分の部屋じゃなくて、お前の部屋にいるんだ?」
「そんな事、どうでも良いじゃないか。さぁ、さっさと入ってきてくれ。」
「はいはい、分かったよ。」
勿論、お楽しみは無いよ!?と言うわけで飛ばすぞ。いいな?
「ほい、上がったぞ。」
「ああ、分かった。それじゃあ、私が入っている間絶対に覗かないでくれ。いいな?」
「ほいほい、分かった分かった。だから、さっさと入ってこい。」
「あぁ、じゃあ、入ってくる。」
〜数分後〜
キュピーン!!今がチャーーーンス!!
さぁ、さっさとズラかるぞ!!
「すぅ〜っ、はぁ〜っ……はぁ、シュンペイの臭いだ…。わぅん、シュンペイ、今すぐにでも…きゅぅ〜ん。」
おいおい、何やってんだよノワさんよ。
「はふはふ……シュンペイの臭いで欲情してしまうなんて、私は変態雌犬だな。後でたっぷりお仕置きして…ん♥してもらわないと…はうん♥」
…ちょっと待て、これってアレか?ナニだよな?そうだよな!?
ちょっとちょっと、何1人でやっちゃってるんですか!?
「…ハッ、さっさとズラからないと…。」
危ない危ない、危うく覗くところだったぜ…。
ノワの部屋から何とか抜け出した俺は、隣の我が愛しのマイルームのベットで仰向けになっていた。
「ふぅ〜、今日は大変だったぜ〜。
まさかノワが実はあんなだったなんて…、未だに信じられないんだが。」
あんな事とは、夕食の出来事。
「それよりもだなシュンペイ、話は変わるんだが、」
「ん、何だ?」
「シュンペイは、SEXってどうやるか知っているか?」
ブゥーーーーーーーッ!!ちょっと待て、ソレを今此処で聞くか!?聞くことなのか!?
「あのさ、ノワ、それって…。」
「すまんが私はこういう事はあまり知識が無くてな、出来ることといえば1人でやること位なのだ。」
「って、どのくらいの事を知ってるんだ?」
…あ、しまった。ついノリで聞いちゃった。
「母様の受け折りだが、1組の男女が同じベットで横になっていると、子をなすことが出来るのだろう?」
…ウン、ソレ間違い。ノワの母さん間違った事教えないで下さい。
「む?何か違うって顔をしているな。
…うん、私の知識が違うのならば教えて貰わないとな♪」
…以上回想終了。ってな訳で、ノワの部屋にいたんだが。
「…あ〜、そういえば荷物どうしよ?
まいいか面倒だし、明日明日っと。」
そうして、俺こと人生の失敗者である黛 俊平は長い1日を終えたのであった。
「…フフフ、此処が…。」
すぐ近くに危険が迫っているにも関わらず…。
12/08/26 11:46更新 / @kiya
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