読切小説
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始まりの夏、そして終わりの秋
 ミーーーンミンミンミンミーーーーン…………

「…ふぅ〜、暑っちぃ〜。でもまぁ、これで1学期も終了!!従って暫くは自由だ〜!!」

 俺こと@kiyaは高校3年、今年大学に受験するピッチピチの受験生だ。
 まぁでも、俺には受験なんて関係無い!!何故なら、俺は大学へ行かず専門学校へAO入試で行くからだ!!ハーッハッハッハ!!しかもAO入試の内容は、適正試験と面接だけ!!さらに、やる気さえあれば誰でも歓迎というお墨付きなのだ!!

「…っあの馬鹿、また鍵閉め忘れたな。…全く、何時になったら直るのやら。
 まぁ、いいや。…ただいまぁ〜っと。」

 その時だった。

 ドスンッッ!!

と、大きな音と共に、

「あいたたた…、何なのよもう!!」

と女の子らしい声までした。
 俺は最初は泥棒か何かだと思った。

「おいおいおいおい…、今日に限って泥棒か?何だってこんな所に…。
 ハァ、だりぃ。」

 ただその時、幾つか疑問点が浮かんできた。

「ん?ちょっと待て?何だって2階から進入してんだ?普通なら1階の窓割ってでも入るくね?
 しかも、こんな真っ昼間から…誰かに見つかるって可能性は考え無かったのかね?」

 実は、こんな事が前にもあった。その時は、隣のアパートの住人が足を滑らしただけだったが。
 そんなことよりも、まず確認。俺は慎重派ではあるが、時には大胆になった方が良いと思っている。

「お〜い、聞こえているか〜。たった今、この家の住人が帰って来たぞ〜。んでもって、此処には金目の物なんて無い。更には、警察を呼ぶ準備まで出来てる。通報されたくなかったら、さっさと此処から出てけ〜。」

と、言いながら俺は2階へ上がった。
 ん〜、まずはトイレ。鍵は掛かってない。よし、確認!!…誰も居るわけ無いか。
 …次は、父さんの部屋。盗むのであれば此処だろう。よし、確認!!…おりょ?誰も居ない…。まぁ、いいや。
 次は、母さんの寝室。ぶっちゃけ、此処にはへそくりがある。只、本人が、

『あっれ〜、へそくり何処いった〜?
 …もしかしてアンタ、盗んだ?』

とまぁ、抜かしていた訳だが。
 …うん、誰も居ない。ということはやっぱり何処か違う場所で、何かが起こったという事だ。
 
「…は〜、今日もこの家は平和だ〜。」

 とまぁ、俺の部屋に入ったわけだ。その瞬間、

「…!!……!?!?」

…こんな感じ、日本語に訳すと、

『うぉい!!ちょっと待て!?何でこんな事になってんの!?』

みたいな?
 前置きしておくが、俺の部屋は奥と手前の2つのスペースに分かれている。手前は自分用、奥は弟のスペースだ。
 そして事件は、手前の俺のスペースで起きていた。
 何と、今まで俺の集めて本棚にきちんと仕舞ってあったラノベ達が散乱していたのだ!!
 それはもう、背筋が凍ったも同然の出来事でしたぜぇ、おやっさん。

「何よ何よ何よ、何なのよーーーーッ!!!!
 一体此処は何処なの!?何で私は此処にいるの!?」

 ラノベ達が散乱している中心には、さっきから文句を止めどなく言い続けている少女がいる。

『何コレ?ラノベの世界じゃあるまいし。ってかちゃんと服着ろ!!おっぱいとか、下のマ…っじゃなかった。とにかく、服を着ろ!!』

 …健全な男子高校生なら、こんな単語出てきても可笑しくは無いと思う。いや、思いたい!!
 とまぁ思いつつも、とりあえず言ってみる。

「あ、あの〜…」

「何よ!!ってか、アンタ誰よ!!」

 おぅ?俺が言いたいことをそのまま返された。

「お、おぅ。俺は@kiyyaだ。此処の家の住人だったりする。それよりも…、」

 俺って、初対面の人から見るとかなり怖いらしいんだよね。実際は割と優しい方なのに…。

「お前、誰だ?どっから、この家に上がってきた?」

『…はぁ、やっちまった。初対面なのにこんなに威圧感出しちゃダメだろ、俺…。ホラ見ろ、あの娘だって若干怖がってるじゃないか。』
 
 そう自分の心の中で思っていると、俺の天使と悪魔が囁いた。

天使「今すぐ謝るべきだ!!そうすれば、自身の事を話してくれる筈だ!!」

悪魔「謝まんなくて良いじゃないか。だってアイツ何処から湧いてきた分かんないんだぞ!!さっさと追い出しちまえよ。って言うか、可愛くね?アイツ。」

天使「奇遇だな、私もそう思うぞ。…私に良い考えが浮かんだ。悪魔よ、耳を貸してくれないか?」

悪魔「んあ?別に良いけど。…何々、ああ、ああ、それで?おう、ほうほう…。良いなソレ!!んじゃ、その作戦で行こうぜ!!」

『…お〜い、お前ら何意気投合してんだよ。お前ら、互いに別のことを俺に囁くんじゃ無かったか?つか、結論さっさと聞かせろ。』

悪魔「んあ?メンドイなぁ〜。…あぁ!!分かった分かったからそんな顔で睨むな!!俺が悪かった!!
 じゃあ、言うぞ………。」

 俺は、悪魔の出した結論に驚愕したね。だって謝りつつ相手のことを聞き出し、あわよくば襲えなんていうもんだから吃驚モンだっての。

「…あ〜、ゴメン。俺が悪かった。だから、何も言わなくて良い。とりあえず、お茶でも飲むか?そうすれば、少しは落ち着くから。」

 そう言いながら、俺は気づいた。
 何と彼女には腕と足に黒い毛に獣特有の肉球つきの手と足が、更に耳に尻尾とまるで獣の様な物までご丁寧に付いていた。

『うわ、コイツケモっ娘じゃん。つか、尻尾ふさふさで気持ちよさそぅ〜。ヤッベ、あの尻尾モフりたくなってきた。っとぉ、我慢我慢。』

 俺は何とか理性を保たせ、彼女を1階まで下ろさした。うん、ラノベは後で片付けておこう。
 彼女をリビングの椅子に座らせた後、俺はキッチンへ向かう。…よし、此処までは順調。その後、2人分の麦茶をガラスコップに注いで机へ向かう。

「まぁ、飲めよ。この通り毒なんかは入っていないから。」

 俺が麦茶を先に飲んで、毒が入っていない事を証明する。まぁ、実際毒なんか持っていたら警察のお世話になるから、そんな事だけは絶対にしたくない。
 彼女は、俺を見た後コップの中の麦茶をスンスンと嗅ぎ…あ、ヤベちょっと可愛い…じゃなかった。毒が入ってないことを確かめると、そのまま1口飲んだ。
 此処までの所要時間約10分。随分慎重な性格の様だ。

『しっかし、ラノベだったらここらで自己紹介が入るんだけど…。』

「…ニーシャ、ニーシャ・ファン・エグゼリート………。」

 本当に彼女…いや、エグゼリートさんの自己紹介があった。

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『何なの!?私はさっきまで自分の部屋にいたって言うのに……突然目の前が眩しくなったかと思うと、いきなり吹き飛ばされて…その後変な棚に当たって、すっごく痛かったうえに……もう、訳が分からない!!』

 その後この家の住人である@kiyaとか言う人間が入ってきたが、ニーシャは気が動転していた。
 その後、凄い威圧感で

「お前、誰だ?どっから、この家に上がってきた?」

なんて言ったもんだから、

『怖い、何かこの人凄く怖いよ……。』

と、心の中で呟いてしまった。
 それは、その後すぐに謝ってくれたが、ニーシャの心の中では未だに警戒していた。
 その後、下に連れて行かれて何かされるのかと思ったニーシャだったが、以外にもニーシャを椅子に座らせた後何処かへ行ったと思ったら、透明な容器に茶色い液体を煎れてやってきて、自分の向かい側の椅子に座った。

「まぁ、飲めよ。この通り毒なんかは入っていないから。」

と言って飲んで見せたが、未だに信用ならない。

『もしかしたら私のにだけ、毒が入っているのかも。いやいや、それにしては調理時間が短かったような…。とりあえず、匂いだけでも確かめないと…。』

と、匂いだけ嗅いでみた。すると。何かまでは分からないが穀物の香ばしい香りと葉っぱの香りが鼻孔を擽った。

『何、この良い香り。一瞬嗅いだだけでこんなにも良い気分になれるなんて!!…でも、この香りは毒を隠すものなのかも…。』

と、なにやら考え込んでいたが、ニーシャは思い切って1口飲んだ。

『あ、これ美味しい…。しかも、優しい味がする。何と言うか、柔らかいもので全身包まれている様なそんな感じ。毒も入っていない様だし…こんな優しい人なら、心を許しても良いのかも…。』

 …こんな事を思っているが、様は惚れたのである。

「…ニーシャ、ニーシャ・ファン・エグゼリート………。」

 つい、ニーシャの口から名前がでてしまった。

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「えーと、エグゼリートさんで、良いかな?」

「ニーシャ、ニーシャって呼んで。エグゼリートの方はあまり慣れてないから…。」

「そ、そうか。…んじゃ、ニーシャさん。とりあえず服を着てくれないかな?あの、いろいろ見えそうで困ってるんだけど…。」

「え…、服なら今着ているけど…。」

さぁ、困った。ニーシャさんが着ている物は服だと言う、…ならば俺は、どうすれば良い!!実際下乳とか三角地帯が少し見えていたりとか色々な意味で危ないから!!

「…あのな、ニーシャさんは良いかもしれないけど、俺にとって恥ずかしいって言うか、我慢出来ないというか…。」

「なら我慢しなくても良いよ、私で良かったら何時でもいいよ♥」

『ちょっとぉーー!!顔を赤らめて明らか『恥ずかしいけど良いよ』的な感じに誘うの止めてぇーーー!!
 と、とにかく、今は我慢我慢我慢………………。』

と、理性を必死で保つ@kiyaだった。
 その時、同じく終業式であった俺の弟が帰ってきた。
 ちなみに、今小4である。

「ただいま〜。今日も暑かった〜って、@っ君兄ちゃん、その人誰?
 …まさか彼女!?そっか、兄ちゃんにm……。」

「先に言っておくけど、ニーシャさんとは…。」

 その時絶妙なタイミングで

「将来の夫と妻の関係です♥」

と、言った。
 …おいちょっと待て、何でそんな事になってんだ!?
 っていうか何この急展開!!

「ちょ…、違うからな!!違うぞ!!」

「もう、恥ずかしがり屋なんだからから、あ・な・た♥」

 俺もニーシャさんの事は…まぁ、タイプである。タイプだし、好きって言ってくれて嬉しいし…。あぁーーーーーっ!!どうすればいいんだーーーーー!!

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 夕方になるまで、私はずっと@っ君に質問ばかりしていた。流石に@っ君は疲れていたようだけど、私は楽しかった。何せ、こんなにも長い時間最愛の人と喋れたのだから。
 @っ君は、外見は怖そうだけど中身は心優しくてとても良い人だった。

『@っ君って、根は良い人なのにダメ人間街道まっしぐらな人だよね…。
 …よし、こうなったら私が矯正させないといけないよね!!』

「ねぇ、@っ君。例えどんな事があっても私達、離れ離れになる事なんてないよね?」

「あぁ〜、そうだなぁ、俺も願わくばお前と何時までもお前と一緒にいたいぞ。」

「もぅ、@っ君のバカ。ニーシャだって言ってるでしょ!!」

「あぁ〜、ゴメンゴメン〜。」

 …どうやら@っ君には、疲れていると、語尾が伸びる癖があるみたい。フフ…、なんか可愛いな。
 その時だった。玄関から声が聞こえてきて、@っ君は急に焦りだした。

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「ただいま〜。」

 玄関から声が聞こえた。それも男性の声だ。@kiyaは自分の持てる思考力をフルスピードで使った。

『ちょっと待て、今この場には俺とニーシャさらに一番下の弟だけ。んでもって玄関から聞こえてきた声は男の声しかも中年…ということは……ヤベッ、何も考えてねぇ!!どうすんだよ、ニーシャの事なんて話せばいいんだよ!!』

その間約0.3秒うわぉ。

「あ、父さんお帰り〜。
 あ、そうそう兄ちゃんが彼女連れてきたよ〜。」

 おぅい!!おぅい、何言ってくれてんだ!!こっちはまだ、心の準備出来てねぇんだよ!!

「そうかそうか、@っ君が彼女をね〜…。って彼女か!?とうとう彼女居ない歴=人生の@っ君にも彼女が出来たか!!今日はめでたい日だな!!」

 はいそこ、人が気にしていた事言わんでヨロシ!!

「お〜い、@っ君〜。父さんに彼女を紹介して貰おうか〜?」

 そんな事を言いながらリビングへと入ってきた。
 父さんはどっかの学園の教員をしている…らしい。母さんもきっと同じようなことをしている筈。

「…初めまして、私が彼女であり将来の妻でもある、ニーシャ・ファン・エグゼリートです。これからどうぞよろしくお願いします。」

「そうかそうか、ニーシャさんね。こちらこそ、ってん?」

 父さんは最後まで言い終わる前にニーシャの頭を凝視してしまった。

「あの、父さん?これは…。」

「はい、私種族はアヌビスという種族でして、困っていた所を助けられたんです。それから彼に一目惚れしてしまって…。」

 おいおいおいおい、ちょっと待て何事実を歪曲しようとしてんの?ってゆうか父さんも納得しないで!!間違いばっかだから!?

「…ウチの息子はバカ息子だが、それでも良いのかい?」

 …でたよ、出ましたよ。『バカ息子』って何時言われるのかと思っていたけど、今言われるとは…。コレって案外悲しいわ…。

「バカ息子なんてとんでもありません!!@っ君さんは、とても優しくて強い一面も持っているんですから!!」

「そうか、ならウチのバカ息子を頼むよ、ニーシャさん。」

「はい、お義父さま!!」

 あれ、何かまとまった?え、早くない?俺何も言えてないんだけど?

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 夕食を食べ終わってから、私はふと思った。

『今日のお義母さんの料理美味しかったな〜。私も料理は出来るけど、和食はまだ作った事が無いんだよね〜。今度教えてもらちゃお♪
 それはそうと、@っ君まだお風呂から上がらないのかな?…もうスケジュールも組んじゃったし…。
 ん〜…、時間ももう残ってないし入っちゃって良いよね♪』

 そう思いながら私はどんどん服(?)を脱いでいった。まずは上からっと…うわぁ、やっぱり大きくなってるぅ〜…。最近服がきついなと思って居たら原因はコレだったかぁ〜。最悪ぅ〜、もうこの服着れないかも…グスン。
 次は下、ちょっと濡れちゃってるけど乾かせば平気だよね♥

『そういえば今日、@っ君にずっと私のおっぱい見られていたよね…。
 御陰で今日はずっと乳首が勃っちゃってたし、オマンコも少し濡れたんだから責任は取って貰わないとね♥』

「……シャに洗って貰いたかったよな〜。まぁ、無理なh……。」

 という独り言が聞こえた。

『…え?もしかして、私に全身を洗って欲しかったと言っているの!?
 も〜、そうならそうと早く言ってくれれば良かったのに…♥』

 そう思いながらニーシャは風呂に入った。

「うわぁ!?に、ニーシャ、何で此処に!?」

「それはね…、@っ君に呼ばれたからだよーっ!!」

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 夕食を食べた後、俺は風呂に入っていた。

「あ〜、今日も疲れた〜。」

 浴槽に浸かりながら1人オッサン臭い事を言ってみるが、何も変わらない。
 
『…全く、あの後母さんが帰ってきて反対させられると思ったら、まさかの秒殺だなんて…。その後豪華な料理出てくるわ、食べ終わったと思ったらいきなり買い物に行くわで、俺の仕送り大丈夫なのかね。』

 そう思いながら1人呟いてみる。

「そういやぁ、ニーシャとは結婚街道ぶっちぎって爆走中だし、まさかここに入ってくる訳…無いか。
 でも、ニーシャに洗って貰いたかったよな〜。まぁ、無理なh……。」

「は〜い、@っ君。私が背中を流しに来たよーッ!!」

「うわぁ!?に、ニーシャ、何で此処に!?」

「それはね…、@っ君に呼ばれたからだよーっ!!さ、スケジュールも押してるんだし、早く洗っちゃお♥」

「お、おい、ちょっと待て、俺はもう洗ったぞ!!だから、俺の背中は流さなくて良い!!
 んじゃ、俺はもう上がるから!!」

「え、ちょ、ちょっと!?」

 俺は早急に風呂から上がった勿論タオルを巻いて、だ。

『っは〜、吃驚した〜。何でいきなり入ってくるかな〜。
 しかし、スケジュールとか何とか言ってたような…。ま、いいか。』

 風呂から上がって着替え終わったあと、俺の携帯にメールが入ってきているのに気がついた。

「ん、メールか。何々…げ、O田(諸事情により匿名だぜ)からじゃん。
 え〜と……。」

 O田から送られてきたメールにはこう書いてあった。

『ヤバイ、マジヤバイ。今日帰ったら何故か、ウチにホルスタウロスとか言う魔物娘がいて結婚迫られてんだけど、どうすれば良いよ?
 追伸 おっぱいヤベェ、今背中に爆乳のおっぱい押しつけられてんだけど、先っぽから何か出てる!!』

「あ〜、そっちにも魔物娘がいたんだ。ならば…、」

 俺はO田にこう返信した。

『諦めろ、こっちにもアヌビスの巨乳少女がいる。
 まぁ、タイプだったからこっちは結婚することに決めた。
 追伸 後で尻尾をモフらせて貰う。スッゴイ楽しみ。
 じゃあ、お互い良い夜をおやすみ。』

「また、ケータイなの?誰とやり取りしてたの?」

「あぁ、まぁクラスの友達とな…。
 なぁ、ニーシャ。お前、ホルスタウロスって知ってっか?」

「ホルスタウロス?見たことは無いけど知ってるわよ。
 確か、彼女達からでるミルクは精力増強効果があった気が…。あと、背中に自分の胸を押しつけてきたときは揉んでやると良いって…。」

 俺は、携帯を取り出しO田にメールを送った。

『朗報だぜ、相棒!!ホルスタウロスが胸押しつけてくる時は、揉んでやると良いんだと!!
 更に、ミルクには精力増強効果もあるらしいからついでに飲んどけ!!
 追伸 情報教えたんだから8月6日の登校日何かにホルスタウロスのミルク入れて持ってこい、以上!!』

「それと何だがニーシャ、今日お前は何処で寝るんだ?」

「勿論、@っ君のベットだけど?」

「え、それじゃあ一緒に寝ると言うことか?」

「うん!!そうなるね!!」

「あ〜、それじゃ〜……母さ〜ん、ちょっと今日からあのサル別の部屋で寝さして〜。え、理由、聞かんで〜。」

 …俺だって薄々は分かっていたさ。多分今日の夜は眠れないだろうってね。

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「やった〜、@っ君と一緒のベットだ〜♪」

「ニーシャ、ちょっと五月蠅いぞ。それとも今日はヤらないのか?まぁそれならそれで…。」

 今は私のスケジュールでは就寝時間だ。それはつまり、大人の時間という事である。

「ダ〜メ♥ちゃんとスケジュールに会わせてくれないと、@っ君に呪いを掛けちゃうんだからね!!」

 私は今、お義母さんに買って貰ったパジャマを着ている。
 因みに色は青。しかもブラジャーも着けている。
 あ、あとパンツは……恥ずかしいから言〜わない!!

「分かった、分かった。…とりあえず、皆が寝るまで何か話してようぜ。
 ホラ、俺、あんまりニーシャの事知らないし。」

 …ふぅ、私の事をずっと話していたから疲れちゃった。
 そろそろ良い時間だし、始めちゃおっかな〜?

「…ねぇ、そろそろ始めない?
 私達、お互いが初めてだけど、子供が出来るように一緒に頑張ろうね♥」

「あぁ、そうだな。」

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 俺は今、ニーシャとエッチしている。と言ってもまだ胸を揉んでいるだけだが。

「きゃうぅん♥くぅ〜ん♥私のおっぱい、揉まれているだけなのに♥こんなにも気持ちいいなんて♥」

「それじゃあニーシャ、キスしても良いかな?」

「わふぅ〜ん♥いいよ♥@っ君、キスしよ♥」

 ニーシャの許可を得たところで、俺はニーシャの口を俺の口で塞いだ。

「…んん♥ちゅっちゅ♥…れろれろ♥ちゅっ♥……」

 俺たちは、何度も何度も暑いキスを交わした。すると、口だけじゃ満足出来ないのか、

「ねぇ、@っ君♥今度はおっぱいが寂しいから、おっぱいにもキスして♥ね♥」

 そう言われると、したくなるのが男の性。一応俺だって、パソコンで見ていたりする。

『確か、まずは乳輪を舐めるんだっけ?その後満足出来なくなってきたら乳首を吸ったり噛んだりしたりするっと。』

 とりあえず俺は、ニーシャの右のおっぱいを口で、左を手で愛撫することにした。

『んじゃま、いただきます!!』

「ふわぁ♥ああん♥くぅん♥右のおっぱい♥気持ちいいよ〜♥」

『…気持ち良くなってるよな?
 若干不安だが、まぁ、あんな蕩けた顔見せるなら、気持ちいいって事なんだろ。』

 やがて、ニーシャは満足出来なくなったのか、

「ねぇ、@っ君♥もっと、もっと強くぅ〜♥」

「…やれやれ、仕方ないなぁ…。分かった、そんな変態雌犬にもっと刺激を強くしてやるよ!!」

 そう言って今度は、ニーシャの乳首を噛んだり吸ったりしてみた。

「そんな♥私は♥きゃぅん♥変態雌犬じゃ♥わふぅ♥もっと♥もっとやって♥きゃう♥」

 今度は、空いた左手をニーシャのパンツの中へと進行させた。

『凄い、マンコってこんなにも濡れるものなんだ…。』

 俺は、人差し指で女性の一番敏感な部分、即ちクリトリスを弄った。

「おろ、此処はもうこんなに濡れてるじゃないか。ニーシャってやっぱり変態さんなんだね。」

「違ッ♥きゃうん♥ダメ♥そ、そこは♥一番敏感な、きゅぅん♥場所だから♥」

 さっきよりも会話が途切れ途切れになっているが、俺は気にしないことにする。

「きゃいん♥ダメ♥頭がヘンに♥なっちゃう♥きゅん♥あっ♥きちゃう♥何かきちゃうのお♥」

『ん?もうすぐイきそうなのか?それじゃあ…。』

「ニーシャ、何がきちゃうんだい?ほら、言ってごらん?」

「きゃうん♥お、お潮が♥お潮がきちゃうの♥きゃん♥ダメ♥ダメ♥もう…出る♥」

 そして、ニーシャが背を反らしたかと思うと、

「イッッッくぅーーーーーーーーーッッ!!!!」

 と共に、盛大に潮を噴きながら果ててしまった。

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「はーっ♥はーっ♥はーっ♥………。
 @っ君の手つき凄いイヤラシかったね♥でも、その御陰で私は沢山気持ち良くなったから、今度は私が気持ち良くしてあげる番だね♥」

「え、それってどう言う……って、うわ!!」

 私は、@っ君のズボンをパンツごと下ろした。そしたら、@っ君の大きいオチンポが出てきて吃驚したよ。

『うわ…、@っ君のオチンポってこんなに大きいんだ…。こんなの私の口に入るかな…。って、諦めたらダメ。とにかく、@っ君のオチンポを咥えないと!!』

「すんすん…あぁ、@っ君のオチンポの匂い♥臭いけど、とっても良い匂い♥
 じゃあ、今から@っ君のオチンポを私の口で気持ち良くさせてあげるね♥」

 そう言うと、私は@っ君のオチンポを咥える前に玉袋にしゃぶりついた。そして、右手で@っ君の一番敏感な亀頭を擦る。

「…むちゅ♥…れろれろ♥…ちゅ♥…ちゅぅぅぅぅっ♥」

「うっ、ヤベェ。これマジで気持ちいいかも。」

 私が、指で亀頭を弄り続けていると次第ににちゃにちゃと音を立て始めた。

「あれれ?もう、先走り液が出てきたの?…ちゅぱ♥うん、塩っぱくて美味しいよ。」

「うっ、そんな事よりも早く口でフェラしてくれないか?
 あと少しで、イきそうなんだけど…。」

「ダ〜メ♥もうちょっと@っ君の先走り液を味わいたいんだから、我慢して♥」

「うぅ、そんな〜…。」

「ホントにもうちょっとだから、我慢して♥
 そうしたら口でイかせてあげるから♥」

 そうやって、暫く亀頭から出る先走り液を舐めていたが、満足したのか今度は、私の口でイかせてあげる事にした。

「うぉ、ニーシャの中、暖かくて気持ちいいよ…。」

「じゅるっ♥じゅっ♥ふあぁ、ほはった♥んっ♥」

「うっ!!もうダメだ、ゴメン!!うあっ!!」

「んんっ♥んんんんんんんっ♥」

 なんと、@っ君は私の口の中でイってしまった。

『ふわぁ♥コレが@っ君の精液…♥
 何か、はき出しちゃうのもったいないなぁ♥よし、このまま飲んじゃえ♥』

「ごくっ、…ごくっ、こくっ、こくっ……ああ、美味しかった♥」

「え、ニーシャ……もしかして、俺の精液全部飲んだのか…?」

 対して私は、頭の中まで完全に蕩けきっていた。

「うん、そうらよ…♥@っふんのせーえきすっごくほいひかったし、わはひ物足りなはったから、オナニーで2回もイったったの。」

 もう私は、呂律が回ってなかった。

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 5分程経ってから、俺たちはエッチを再開した。
 今度はいよいよ本番。俺のチンコとニーシャのマンコがいよいよ繫がるときだ。
 
「…準備は良いか、ニーシャ?」

「うん、何時でもいいよ♥」

 俺はニーシャの許可を得た所で、ニーシャの処女マンコへと挿入した。
 ニーシャのマンコに、俺のチンポを真ん中辺りまで挿入したときだろうか。
ニーシャが、苦痛に耐えるかのように少し顔を歪めた。多分処女膜を突き破ったのだろう。

「大丈夫か、ニーシャ?何処か痛い所が有るんじゃ…。」

「大丈夫…だよ。まだ少し痛いけど、子宮に当たるまでちゃんと挿れて…。」

「…よし、じゃあ、最後まで挿入するぞ。」

「うん、良いよ。………きゃん!!痛ッ!!ひぎッ!!」

 ニーシャはとても痛そうだったが、俺は何とかニーシャの子宮口と亀頭をキスさせることに成功した。

「はぁーっ、はぁーっ…………何だか不思議な感じ…。
 これが繫がりってヤツなのかな?」

「あぁ、きっとそうなんだろうな。」

「そう…やった、やったね。これで@っ君と、本当の意味で繫がる事が出来たんだ。うぅ……嬉しいよ、@っ君。これで私は、@っ君のものになることができたんだから…うぅ。」

「…お前、バカか?ここはな、泣く所じゃないんだぞ?
 むしろ、俺のものになったことに胸を張れよ。そうしないと、俺まで悲しくなるじゃないか。」

「うぅ…、そうだよね。私は@っ君のものになったんだから、胸を張らないとね。ありがとう、@っ君。」

「いやぁ、別に…っておわ!!…いきなり抱きつくなよ。」

「…うん。でも私、@っ君とこうして抱き合っているのが1番幸せだから…。」

「ニーシャ…。俺はお前を、ずっと守って見せる。例えどんな事があっても、どんなに離れ離れになったとしても…!!俺はお前から離れないし、守ってみせるよ。」

「@っ君…、ありがと。
 それよりも、もう動いてもいいよ。あんまり痛くも無くなったし。」

「そ…そうか、それじゃあ動くぞ。」

 そういったものの、実際にどう動かせばニーシャが気持ち良くなるのか分からなかったから、最初はゆっくりと全体を掻き回すようにしながら動いた。

「きゅうん♥きゃうん♥私の膣♥掻き回されて♥気持ち良い♥」

 やがて、ニーシャの気持ち良くなるポイントが分かってきた俺は、今度はそこを重点的に俺のチンコで擦りあげた。

「きゃう♥そこ♥そこが一番♥気持ちいいのぉ♥あん♥らめ♥もう、イっちゃう♥イっちゃうのぉ♥」

「お、俺もだよ、ニーシャ!!」

「@、@っ君♥一緒♥イク時は一緒だよ♥きゃう♥」

「ああ、分かってる。分かってるよ、ニーシャ!!」

 俺がそう言った途端、ニーシャは腕に力を込めてきた。

「もうらめ♥イッッッックーーーーッッ!!!!」


……
………
…………

「はぁーっ♥はぁーっ♥はぁーっ♥……これで私達の赤ちゃん出来ちゃったかな?」

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……そんな訳は無ぇだろ。
 …まぁ、もう1週間もすれば分からないけどな。」

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「…はぁ、暇だなぁ〜。」

 只今私1人でお留守番。勿論家族は誰1人としていない。
 今日は8月6日、皆は原爆碑という催しに参加している。しかも、全員学校でだ。

「…何しよう。」

 勿論私は最初はテレビを見ていて暇を潰していた。だけど…正直言ってつまんない。

『ん?ちょっと待って。@っ君は今学校に居るんだよね?
 …よし。』

「それじゃあ、@っ君の学校へ行こう!!」

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「…おっす!!どうした〜、@kiyaぁ〜。何時にもなく疲れ切ってるじゃないか〜。」

「…お〜う。ちょっと、いろいろあってなぁ〜。ここ最近、寝不足なんだよ〜ぅ。」

 ここは、俺の通う学校。だが、男子校で更に仏教校である。(但し校則は凄くユルユルだったりするけど)そして俺は自分のクラスにいる。
 
「何だよ〜。お前が寝不足なのは前からだろ〜。
 今頃気付いても遅いんだよ!!ギャハハ……!!」

 そこへすかさず(本人に自覚無し)O田の登場!!

「お〜っす、O田ぁ〜。例の物、ちゃんと持ってきたか〜?」

「おう、ちゃんと持ってきてるぜ!!
 飲めよホラ、今日の朝搾ったばっかだぜ!!」

 例の物とはホルスタウロスのミルクである。これは、ホルスタウロスの情報と交換したのである。
 とりあえず1口飲んでみる。………うん、美味いしかも何だか元気出てきた。

「サンキュー、O田。御陰で元気出たぜ!!」

「良いって事よ!!
 …それよりも、ホルスタウロスって良いなぁ。だって……。」

 あ〜始まった。こうなると、もうコイツは止まらない。
 それがO田の悪い癖『自慢すると話終わるまでずっと聞かなければならない』だ。

『あ〜、はいはい。そ〜だね。うんうん、そりゃ良かった。………。』

 と思っていると、

「高校3年9組@kiya君、O田君……………以上の生徒は事務室まで来て下さい。」

『ん?俺、何かしたっけ?つか多いな…。』

「おら、O田呼ばれたぞ。ほら、面倒なんだから早く行くぞ。」

 俺たちは、早々に事務室へと向かった。
 そこで、待っていた者は……?

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「あっ、@っ君!!ずっと待ってたんだよ?どうしてもっと早く来てくれなかったの!?」

 そこで待っていたのはなんと、俺の最愛の人であるニーシャだったのだ。
 ニーシャの他にもいろいろな魔物娘が居たが、それは気にしない。

「それよりも、だ。何で俺の学校に来てんだよ?」

「うぅ、それわぁ〜。私には@っ君が隣に居ないと寂しくて…。」

「う〜ん、つってもなぁ〜先生方が何と言うか……。」

「それなら、儂は歓迎だ。」

 遠くから聞こえてきたのは何と、この学校で1番怖い教師(担当は宗教)兼生徒指導部長であるT谷先生(これも諸事情により出せないぜ)である。

「お前等、そんなに彼らが好きか?
 …この学校の生徒はな、儂の宝物である以前にお前達の大事なパートナーだよなぁ?
 まぁ、ここは学校であるから淫らな事はさせんが、一緒に居ると言うのであれば儂は構わんよ。」

 お、おぉ!?あの、頑なで頑固なクソジジィがこんなにあっさり認めるなんて…。
 もしかしてあのジジィ、此処に居る若い奴ら目当てか…。

「…まぁ、とにかく。やったな、ニーシャこの学校で実質1の承認を得たんだ。これからは何時でも此処に来ることが出来るぞ!!」

「う、うん。怖かったけど、優しい人なんだね。」

「まぁ、優しいというより、単にニーシャ達狙いだと思うけどな…。」

「え、何?」

「いや、何でも無い。」

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 原爆碑と言っても、実際はテレビを見るだけだった。

『相変わらずつまんないな〜。
 …でも、いいや。だって@っ君が側に居てくれるもんね。』

 私は今、@っ君の席に座っている。勿論@っ君も自分の席に座っている。
 要するに私達は、同じ1つの席に座っているという事になる。それも密着状態でだ。
 私達の他にも10人程同じような人達が居たけど、全く気にしない。

「ああん、@っ君♥もっとしっかり抱いてくれないと、@っ君の足から滑り落ちちゃうよぅ♥
 私が落ちちゃったら@っ君を呪っちゃうぞ♥
 あ、後、私の尻尾、モフモフしてよね♥@っ君がモフモフしてくれると、とても気持ち良くなっちゃうんだから、ね♥」

「お、おぅ。分かった、分かったらそんな甘えた声を出すのは止めてくれ!!
 さっきから、クラス中の殺気がこっちに集まって来てるんだよ!!」

 とまぁ小声で言ってくるが、私にはそんなの関係無いよ〜だ。

「…ニーシャ、心の中で関係無いって思ったろ。
 確かに、お前には関係無いかもしれない。だけど、俺にはもの凄く重要な事なんだ。」

『…え、何で私が思ってる事が分かったの!?
 …あ、分かった♥私達が毎晩繫がっているから、とうとう心まで繫がったのね♥キャッ、嬉しい♥』

「うん、分かってる♥
 でもね、そんな些細な事よりも、私は@っ君と何時までも一緒にいたいの♥」

「はぁ…、分かったよ。でも、程々にしてくれよ?
 じゃないと、俺の身が持たん。」

「うん、分かってるって♥」

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 …あの日から数週間が経ち、今日は8月31日。2学期が始まる日である。
 が、しかし、今日のニーシャは異変が起きていた。

「ねぇ、@っ君。何だか私の体ヘンなの…。
 今日の朝起きてみたら、何故か体が透けてて…。」

 そう、ニーシャの全身がちょっとずつ透け初めているのだ。

「え、それってどういう…。
 ちょっと待っててくれ、今医者に電話掛けてみるから。」

 そう言って俺は、すぐさま魔物娘専門の医者に電話を掛けた。

「…あ、もしもし。明石医院ですか?
 今、ニーシャの…じゃなかったアヌビスの娘の体が透けてるんですけど…。え?今それどころじゃない上に私も治しようが無い、ですか?
 分かりました、他を当たってみます。
 ……あ、もしもし。天津医院ですか?
 今、アヌビスの娘の体が透け始めているんですけど…。え?忙しいし、他の患者も共通してこんな症状が出ている、と。
 はい、分かりました。他を当たってみます。
 ………あ、もしもし。………………。」

 学校の登校時間はとっくに過ぎていたが、それでも俺は電話をかけ続けた。

『何としてでも…嫌、絶対にニーシャを救うんだ!!
 その為には、今は病院にどんどん電話を掛けないと…!!』

 俺がこれで病院に電話を掛けるのが15件目になる時、ニーシャが後ろから抱きついてきた。

「ねぇ…@っ君。私、もう、死んじゃうのかな?
 だとしたら、ヤダよぅ。まだ…死にたくないよぅ…ううっ。」

「馬鹿言うなよ、ニーシャ!!お前は絶対に死なない、俺が絶対に死なせるもんか!!
 待ってろ、今すぐ医者を連れてきてやるからな…!!」

 俺が再度電話を掛けようとしたとき、ニーシャは諦めたのか、弱々しいこえで俺に衝撃の言葉を放った。

「ううん、もう良いの。このままじゃあ、私の体は持たない。
 ならば、私が消える前に最後に思いっきり抱きしめて?…お願い。」

「…な、何言ってんだよ。ニーシャは俺と結婚するんじゃ無かったのかよ?
 なんでなんだよ…っ!!なんで…こんな事に……うぅっ。」

 俺はしっかりと、ニーシャを抱きしめた。ニーシャの温もりを手放さない為にも。嗚咽が混じっていたような気がするけど、気にしない。

『絶対に離すもんか!!ニーシャは、何処にも行かせやしねぇ!!』

「お願い、泣かないで。
 私が最後に見た@っ君の顔が泣き顔だったら、私まで悲しくなっちゃう。
 だからね、笑って。笑った顔で私を見送って。」

「…こうか?こうで良いのか?
 ハ、ハハハ……。なぁ、これで良いのかよ?」

「そうそう、それで良いの。
 @っ君の笑顔って凄く素敵なんだから。
 何時までもその笑顔でいてね?」

「あぁ…分かった、分かったよ。
 だから……ッ!!」

「あぁ、私は何て幸せなんだろう。
 この世に生を受けてから、こんなに幸せだったんだから…。」

 ニーシャはもう1つ、付け加えるように言った。

「あのね、@っ君。私はね、@っ君が忘れない限り永遠に心の中にいるよ。
 だから、私がどんな所にいても………………………。」

「ニーシャ?おい、ニーシャ。何処行っちまったんだよ!!
 なぁ?出てきてくれよ、
 ニーーーーーーシャーーーーー!!!!」

 ニーシャは最後まで言い終わる前に、光となって消えてしまった。
 今ではもう、最後に何を言ったのかは分からない………。

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「…っは!!ここは…?」

 気付いたら、石造りの部屋にいた。
 窓はなく、明かりは松明だけ。だけど、何処か懐かしい香りのする部屋だった。

「そうか…此処、私の部屋だ…。
 という事は、私、死んだわけじゃないんだ。」

 私は、自分の居るべき場所に戻って来ただけ。たったそれだけの事だ。

「…じゃあ、何時もの仕事をこなさないと…。」

 私はパジャマから、自分の部屋に置いてあった予備の、本来私達アヌビスが着る服に着替え、仕事に戻った。

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 あれから1週間、私は仕事に明け暮れる日々を送っている。
 しかし心の何処かでは、@っ君の事が忘れきれない。

『ううん、忘れるなんて…。そんなこと、絶対にあり得ない!!
 何としてでも、@っ君の居る世界に戻らないと…!!』

 そう言って、自分の仕事をこなしつつ、呪術で何とか戻れないかを探ってきた。
 が、どの文献の何処にもそんな事は書かれていなかった。

「…@っ君、会いたいよ…。もう一度…いや、一瞬だけで良い。
 @っ君に会いたい…うぅっ。」

 その時部屋の真ん中、即ちテーブルの上で突然目映い光が発生した。

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「…あれから1週間、か…。」

 ニーシャが死んでから、早くも1週間が経った。
 あの夏の最後の日、ニーシャだけでなく魔物娘全員が光となって消えたらしい。
 学校でもクラスの魔物娘を連れていた連中の約8割が、今もショックで学校に来ていない。

「9月6日…。ニーシャが初めて学校に来てから、もう1ヶ月か…。時が経つのは早いな…。」

 俺は今、学校からの帰りだ。何時ものように電車で最寄りの駅まで帰ってそこからは、チャリで15分。とてもとまでは行かないが、中々通学が大変なのである。

「…ただいまぁ〜。」

 と、何時までも鍵の掛かってないドアを開けながら。帰って来たことを告げる。

「おっかえり〜、@っ君!!待ってたよ〜!!」

 それは、何処かで聞いた声だった。それもここ最近。

『まさか、ニーシャ!?でも、死んだ筈じゃあ…?』

 俺がリビングに急ぎ足で向かうと、そこには俺の思った通りの人がいた。

「おかえり、@っ君♥」

「た、ただいま。そしておかえり、ニーシャ♥」




 〜終わり〜
12/11/07 06:58更新 / @kiya

■作者メッセージ
〜その後の後日談〜

「なぁ、ニーシャ。お前って死んだ筈じゃあ無かったのか?」

「酷いよぉ、なんでそんな事言うの?」

「いやぁ、まぁ、その…な?」

「ふぅ〜ん、…まぁいいや。
 えっとね、私達がこの世界に来たのって、バフォメットっていう種族が起こしたシフトポータル絡みの事故だったの。
 もっとも、その事故の御陰で私達出会えたって訳だけど。」

「え、それじゃあニーシャ達が消えた理由って…。」

「そう、そのシフトポータルが復旧して強制帰還されたって訳。
 勿論、この世界で彼氏の出来た魔物は猛反発したけどね。
 それで、今回シフトポータルが改良されてこの世界にも来られるようになったんだよ?」

「…そ、そうだったのか。それを聞いてほっとしたよ。」

〜以上、後日談終わり〜

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