読切小説
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流れ着いては北の魔王
やあみんな‼始めまして‼
俺は浅井鋪織。ごく普通の高校生だった男だ。
え、だった、ってどういうことだって?
実は、俺はある日の帰り道、謎の黒い球体に飲み込まれ、別世界に飛ばされてしまったんだ。
目覚めた時は驚いた。なんせ誰もいない森の中。夢でも見てるのかと思った。
何とか森から抜け出して、街にたどり着いたのが3日後・・・いやあ、辛かった。その森は北の方にあったから・・・寒かった。
その後、街で話を聞くとこの世界は魔法や魔物が跳梁跋扈する世界らしいことが判明。さらにこの世界の魔物が俺の知っている魔物とは違うらしい。なんか興奮した俺は、とりあえず魔法を学ぶことに決めた。便利そうだし。
その後街の雑貨屋で仕事を貰い住処も手に入れた俺は独学で魔法を学んだ。ついでに政治や経済、話術に交渉術他も学んだ。なんかテンションがおかしかったんだ、その時は。
え、家族?あれ、母さんが時空を捻じ曲げて手紙送ってきた。どうやってるんだろう。ちなみに返信をしたら、頑張って来い、とだけ。相変わらずだ。




さて、魔法を学び、この世界での生活を謳歌していた俺だが、そんな時俺はとある野望に目覚める。
国のトップに立ちたい・・・
政治を学んでいるうちになんかそんな風な心が芽生えて来た。その時は自重なんぞドラゴンに食わせていたのだろう。
そう思った俺は早速行動。まずはこの国の王宮の雇われ魔術師になろうと思ったんだが、失敗。実践経験が足らなかった。なら仕方ないといろいろ当たってたらえらい人の秘書になれた。イヤー、交渉術と話術が役に立った。
その後1ヶ月間奔走。そしたらとある国との難しい交渉を俺が成功させることができた。この功績から秘書から外交官のトップにランクアップ。イヤー、大出世。
その後、国王様からの信頼を受ける為、悪徳官僚や脱税大臣をしょっ引いたり他国との交渉を全部大成功にしたりと頑張った。あと、政治にも助言して見たりもした。何せ外交官のトップ。ある程度は無茶も出来る。
俺を疎ましく思って潰そうとした人は、逆に潰して見たりした。
その後、信頼を得た国王様から宰相になるように言われさらに出世した。イヤー、嬉しいね。




その後、国王様が病に倒れた。俺の野望からしたらラッキーな事態なんだが、俺は素直に国王様の事を慕ってたし、頑張って病を治そうと医者や薬をかき集めた。それでもどうにもならず、国王様は亡くなってしまった。
その後、最も国王様からの信頼を受けていて、能力も高い俺が新たなる国王に就任した。前国王様の子ども?この国は世襲制じゃない実力制だ。文句あるか。




国王となった俺は、まずある事を行った。王宮にある巨大な魔方陣を刻ませたのだ。その効果は、近くにある魔界から瘴気を吸いとって、無害なただのエネルギー変えて溜め込み俺に注ぎ込む、と言うもの。設置した理由は、国王になった俺が弱くちゃ国民がついてこないかもしれないから。
皆不安そうだったけど、熱意を話術に載せて発信したら納得してくれた。有難い。
その後は、ある物の開発をした。
変換したエネルギーで動く魔道鎧である。
俺が得たエネルギーは溜め込むことが出来る。そのエネルギーを注ぎ込む為の回線を増やし魔道鎧に注ぎ込めば、動き出すのだ。
何でそんなもの作ったか。この国は豊富な鉱物資源に恵まれており様々な国から狙われることも多いのだ。それの対抗手段がこれだ。
歩く、走る、相手に近づく、切る、防ぐ、止まる、の6行動しか基本できないが、その代わり自己再生能力を持っていて、凹んでも切られても鎧に溜め込んだエネルギーで直ぐに直してしまう。さらに直接命令すれば、動きも陣形も指定できる。それだけの性能があれば人間の兵士には十分対抗できるのだ。これを大量生産し戦のやり方を、人間は一部を除き戦場に送らない、というやり方に変えることにしたのだ。後武器は睡眠剣に麻痺剣のみ。人体を傷つけないタイプの物を使用。こうすることにより、捕まえる人を増やし、それをこちらの人間にして資源や開拓をさせてさらに国が潤うのだ。無論捕まえた人もちゃんと3食風呂付きの待遇をする。
さらに、魔物娘の受け入れ。今までも積極的に行ってきたのだが、これからは魔物娘だったら関所にすらかけない勢いで受け入れを行っていくことにしたのだ。魔物娘の技術は我々以上の物だし、何より少子化対策になる。さらに、捕まえた人に会わせればほぼ100%番いになるので、この国に縛りつける要因にもなるのだ。
これらの工夫と受け入れで手に入れた優秀な魔物娘の指揮官で周辺国を次々併合。さらに国を拡大させた。
無論教会は黙っちゃいないが、はっきり言って、増えに増えた100万もの魔道鎧の軍勢と優秀な魔物娘達の前じゃ無力にもほどがあった。教会の教え?はじめっから信じてないですよ。うちが認めているのは堕落神教のみです。







さて、こんな調子ではや6年。今じゃ俺も26。そして・・・
「浅井様。先の戦で周辺のすべては我が国の手中に落ちました。これで北部の半分が我が国の領土になった事になります。魔界の侵食も順調です」
「浅井様・・・魔道鎧の改良版の完成がドワーフ研究所から報告されました・・・今回の改良で更なる遠征が可能になるようです」
「浅井さま〜。国民の〜結婚率が〜9割を超えました〜。皆さんより淫らに幸せになってますよ〜・・・ZZZZ」
「浅井様‼タケリダケを使用した新型の媚薬の開発がつい先ほど完了したとサバトから連絡が‼これでインキュバス化がまだ出来ない男の方でも存分にHが楽しめる事請け合いです‼」
こんな風に、我が国は更なる発展を遂げ、圧倒的に広い国土を持つ一大国を創り上げた。その戦力は魔王軍と比較しても見劣りしない。
優秀な人材も多数発掘。鉱物資源だけではなく、特産品による外交も盛んになった。商業も更なる振興を行っており、やがてこの国の財政も磐石な物となるだろう。
俺にも優秀な側近が付き、毎日が楽しい。
「浅井様。午後よりレスカティエの特使との会談。その後は魔王城の幹部の方との食事会が控えております」
「あいよ。はあ、毎日忙しいねぇ」
「耐えてもらわなくては困ります。貴方はこの国の魔王なのですから」
「・・・その呼び方やめない?教会が勝手に読んでいるだけじゃない」
「いいえ。我々にとっては誇らしい事です。なんせ本物の魔王殿と同格と言われているのですから」
そう。
教会側の侵略を退け続けていたら俺にも異名がついたのだ。
「北の魔王」、それが俺の異名らしい。
らしいと言うのは、俺の周りでは聞いた事がなく、教会側の国で呼ばれていると風の噂に聞いたぐらいしか知らないから。
ところで。そろそろ俺の側近の自慢をさせてくれ。
俺が改革を進めていた初期に俺に仕えるって言ってくれた子。名前はプルトーって言ってラミア種何だが・・・イヤーマジ綺麗目とかの琥珀の切れ長で目鼻立ちスッキリしてるし腰もしっかりくびれててラミア種特有の蛇の部分もマジエメラルドみたいに輝いてて眩しくて時々してくれる膝枕いや蛇枕マジ気持ちいいし後なんと言ってもおっぱいデケーし形いいし青白い肌も見惚れるくらい綺麗だしそれに仕事もキッチリこなすし入れてくれる紅茶本物って感じするし完璧いや付き合ってはいないけど‼
何で付き合わないかって?うーん理由は3つ有るんだけどね。
一つ、俺は人の身でこの国を治めて行きたいっていう願望がある。いや、魔物でもないただの人間が一大国を築いたって、なんかカッコ良くない?
二つ目、俺は王なのでそんな年がら年中いちゃついてたら、政務がこなせないです、はい。魔物娘とくっ付くと、いかなる理由でもベッドインにつながるので(偏見)
三つ目だが・・・あいにく彼女は俺には恋愛感情を抱いてないらしい。
だって誘惑された事ないし。一回たりとも。泣きたいよ、俺そんな魅力ない?え、何でこちらから襲わないかって?いや一つ目の理由から俺は魔力を退けるお守りを常に着用してるから魔力での発情はしない。後性欲をカットする為の咒(まじない)も毎朝してるし。
まあ他に男でもいるんだろう。蛇枕はあくまでも気まぐれだと思われ。
あーあ。ノリと勢いと運と実力で国一つ築いても、女の子一人振り向いてはくれんか。ま、別にいいけど。
・・・こっちが本音かって?ソンナワケナイジャナイデスカヤダナア。
ま、彼女は優秀だし綺麗だし、何の不満もない。これからも頑張って欲しい。







・・・ん?なんか今悪寒が・・・気のせいか?









私が仕える主、浅井鋪織様は素晴らしい方だ。
数年前、突如としてこの国のトップに成り上がり大胆な革命を進められた。
経済の見直し、軍事の強化、商業の振興、周辺国の無血侵略などを行い、一小国にすぎなかったこの国を大国にかけ上がらせたまさに英雄。私は改革の初期から彼の方に使えているのだが・・・彼のやる事なす事すべてが驚きに満ちていた。
学んで数年にしかならない魔法の知識で、あれだけ複雑な魔方陣を組み上げ、魔道鎧の開発に携わって、最近では民の安全為の魔力防壁の設立を提案された。民のための努力も惜しまない、治世者の鏡のような方だ。
・・・でも私が彼に仕えている理由はもっと単純なものだ。
・・・可愛いのよ彼‼本当に可愛いの‼
前日、徹夜していろいろ考えて臨んでた会議の時なんか、必死に眠いの我慢して頭コクン、ってなってて、頑張ったねって褒めてナデナデしたくなっちゃった‼
蛇枕した時なんか、お母さんに甘えるみたいに体をすり寄せてきたもんだからもう発情しかけちゃって‼その後寝言で「・・・プルトー、離れないで、やだ・・・」って言った時は完璧にスイッチ入っちゃって襲いかけたけど何とか踏みとどまったわ。
彼頑張ってカリスマとか保とうとしてるけど、本当は甘えん坊で子供っぽいのよね。そのギャップがまた(ハアハア)。
だって彼、「人間のままこの国治めるんだ‼魔物化に頼ったりしないぞ‼それに俺が人間なら、他の人間の皆のやる気も上げられるかもしれないし。人間でも頑張ればやれるんだって」なんて日記に書いてて。もうその負けん気と健気が可愛い過ぎて鼻血吹いたわよ。
可愛い可愛い彼、鋪織。何で襲わないかと言えば、理由は二つ。
一つは、彼の理想「人のままに国を治める」を出来るだけ叶えてあげたいから。
彼が頑張って叶えている理想だ。出来るだけ援助する。
二つ目、実は彼、異常にモテる。この前、この城の近衛兵やってるデュラハンの子が、彼に熱視線を送っているのを見かけた。とゆーか近衛兵の子はみーんな彼にお熱だ。
それだけじゃない。大臣をやってるワーシープ、契約をしてるサバトのバフォメット、調理場の稲荷や、街で大きな商いをしている刑部狸、魔王城からの特使のヴァンパイアなんかが彼を狙ってる。
今はみんな睨み合いになってるけど、その決壊は容易い。
つまり、私が下手に動くとその子達も動き出してしまうという事。そうなれば彼を手にいれられるかは運次第になってしまう。
彼を確実に手に入れるにはまず彼の意識を完全にこちらに向ける必要がある。そうすれば他の子からのアタックも断ってくれるはず。
だから今積極的な行動はしない。少しずつ、こちらに意識を向けさせて行く。
蛇枕もその一環だ。
おいまて一つ目の理由はどうしたって?それならあと少しで解決だ。
実は彼、昨日の日記にこんな事を書いていた。
「そろそろ限界かもしれない。力は手にできてもスタミナまではどうしようもない。インキュバスになった方がいいのか・・・」
キター‼☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆我が世の春到来‼
ついに彼がインキュバス化を検討し始めたのだ。最近の仕事量からしてよもやとは思ったが。
これで襲う事ができるようになるのは時間の問題。あとは外堀を埋めるだけ。別次元のお母様には既に接触済み。快く承諾してくれた。
さあ、貴方を手に入れるまであと少し。待っててね?ダーリン♪
魔物の母を舐めないでね?





17/05/24 01:23更新 / ベルフェゴール

■作者メッセージ
どうも今日は。初投稿になります。ベルフェゴールともうします。さて、始まりました単発シリーズ「これが俺の、生きる道」。頑張って書いて見たものですが、如何だったでしょうか。

後、厚かましいですが、この設定を使ってお話を書いてくれる方、いらっしゃいませんか。
自分のキャラが他の人の手によって動いているのを見るのが好きなんです。
書いてくださると言う優しい方、感想に、「書いてもいいですよ」と書き込んでいただけると幸いです。
それでは。

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