ぬロリひょんな嫁
嫁は夫の両親との同居を嫌がると聞くが、彼女の場合は違った。
コーヒーを啜りつつ幸成は、仲睦まじい息子夫婦に視線を向けた。
テーブルの向かい側では彼女が息子の頬についたパン屑を指で拭い、口に運んだところだった。恥ずかしがることなく微笑み合う若夫婦に、彼女が来てからと言うもの、ブラックでもコーヒーを飲んでいる気はしないな、と内心で苦笑してしまう。まるで甘ったるいカフェ・オ・レ。
食後に彼らが飲むものがそれだが、甘さに甘さを重ねてどうするのだと思う。
年甲斐もなく馬鹿なことを考える自分は、彼らの甘さと熱さに当てられているのかもしれない。
そのカフェ・オ・レを息子の啓介とその嫁に運んで来た幸成の妻、香奈美。
「ありがとう」「ありがとうなぁ」
息子夫婦の初々しい礼に、微笑ましげに目を細めていた。
嫁と姑の仲が良いことに越したことはないが、その視線は嫁に対するものではなく、本当の自分の娘に向けるものだ。
彼女みたいな娘が欲しかった、嫁に来てくれて良かった、などと臆面もなく言って可愛がるさまには、幸成は啓介と、男同士で顔を見合わせて肩を竦めたりもする。
彼女たちはこの前も二人でデパートへ服を買いに出かけ、ちょっとしたファッションショーを家で開かれた。若い嫁に付き合っているからか、最近の妻は若々しくなり、幸成もまるで新婚のときのようなトキメキを覚えてしまうことが多々あった。
しばらくご無沙汰だった夜の営みが再開され、毎日のように肌を重ねてさえいた。
若々しく甘い空気を醸す彼らに、自分たちも当てられてしまった。年甲斐もなく腰を振りーーとは言っても、そう言うほどまでにまだ幸成は年を取っているわけでもない、しかし最近の腰の疲れを思うと、年甲斐もなくーーとは思ってしまう。
しかし徐々にその疲れも次の日に残さなくはなってきている。
彼女だけでなく、自分も若返っているかのようだ。
調子に乗って二人目を作ってしまうかもしれない、とは少々危惧している。息子が嫁をもらったら次の子供をーーなどと、お盛んにもほどがある。
しかし倦怠期とはいかずとも、少々溝ができはじめていた自分たちの夫婦関係が、彼女が来てくれたことで燃え上がったのはたしかだ。
妻ではないが、彼女のような娘ができて良かった、とは幸成も思う。
マンションの窓からはキラキラと祝福のような陽光が差し込み、幸成と香奈美、そして啓介とゆらがともにテーブルについた、二世帯の良好な朝食の風景を照らしていた。
その嫁であるゆらは、暖かな日差しの中で、ニィーーと。まるで夜に咲く婀娜華のように、口元をほころばせていた。
「「行って来ます」」
「「行ってらっしゃい」」
お互いの嫁に見送られ、父子は家を出た。
「啓介、新婚なのにいつもいっしょにいられなくって寂しいとは思うが、男ならちゃんと外でも頑張らないとな」
「うん。大丈夫、僕ちゃんと勉強がんばるから」
素直に頷く息子に、幸成は満足そうに頷く。
彼女とともに暮らすようになってから、妻だけではなく息子とも距離が縮まった気がした。息子とも仲が悪いと言うことはなかったが、妻ともども、最近は仕事が忙しくてナカナカ話す機会もなかった。それに正直、何を話せばいいのか、話しかけあぐねていた部分もあったのだ。
それが今やこうしてーー行き先は違うがーー、朝はともに出勤するようになった。
マンションのエントランスを出て、幸成は啓介に別れを告げて駅へ向かう。彼は、息子が元気よくランドセルをゆらして集団通学の待ち合わせ場所へ向かうのに、目を細めていた。
/
「さ、ゆらちゃん、男どもが出かけたから、パパッと家事を済ませてワイドショーでも見ましょう。いいお煎餅もらったの」
「ええなぁ。ウチおせんべ好きやで。かか様、お手伝いさせてもらいます」
はんなりと舌ったらずな口調に、香奈美は頬が緩むのが止められない。おしゃまで可愛らしく、健気にお手伝いをこなす彼女に、こんな娘が欲しかった、息子の嫁は理想の嫁だとまで思う。
香奈美が洗った食器に、隣で小さな手が、まるで花を摘むかのように可愛らしくひらめいた。その様子に同性でも見とれてしまう。その姑の視線に気づいた彼女はニヘ、と笑った。
「かか様、なにか?」
「なんでもない、なんでもないのよゆらちゃん」
慌てて取り繕う姑だが、スマホで撮影してイ◯スタに上げようか本気で迷う。ウチの娘(嫁)が可愛すぎるんだがどうしたらいいんでしょうか、とまるでネット小説のタイトルのような文面が浮かんだ。
しかし、どうしてだか実際にそれをヤる気にはなれなかった。
彼女に手伝ってもらった料理はドシドシイ◯スタにアップするのだが、彼女自身を写真に撮ろうとすると、その気持ちはどうにも、ぬらりとドジョウのように身体をくねらせて消えてしまう。
たぶん、自慢するよりも自分でだけで愛でたいとか、そんな気持ちなのかもしれない。
私って、そんなに独占欲強かったっけ? しかも息子のお嫁さんに……。
不可解に思える香奈美だが、
「かか様、あんじょう洗濯機、終わったようやで」
「はーい」
と可愛らしい呼声に応えれば、不可思議な気持ちはすぐに消えてしまった。
「じゃあいっしょに干しましょうか。でもいくら好きだって言っても、また啓介の下着を持って行ったりしたらダメよ。ゆらちゃん良い子だけど、ちょっとはしたないことするから」
「えろうすんまへん。ふふ、ほなかか様、夜、直接楽しむことにするわぁ」
可愛らしくも、まるで月影のような怪しい響きを孕んだ声音で婀娜顔をされれば、香奈美はなにも言えなくなってしまう。
いくら幼く可愛らしくとも、彼女は息子の嫁。それならすることはするわけで……。あまりにも妖艶なその笑みに、香奈美は女として負けているような気がしたが、まるで種族の壁、さらにはその中でも上位、大将と一般人くらいの違いがあって、負けても悔しいとすら思えない。
それ以上に、
孫の顔を見るのははやいのかも……。でもまだ三十代でお婆ちゃんって……。
それに抵抗を持たないわけではないが、二人の子だったら可愛くないわけがない。
親の贔屓目もあるかもしれないが、息子の啓介も、男の子ながらに可愛らしい顔をしているのだ。ジャ◯ーズに応募させたい、と密かに思ってすらいた。
でも子持ちになったらアイドルは……。
だけど二人の子供、はやく見たいわねぇ。
と、姑はまだ初潮も来ていなさそうな容貌の息子の嫁に思う。
「かか様、はよう洗濯物干して、せんべ食べようやぁ」
「そうね、ゆらちゃん」
香奈美を誘うゆらには、幼くともすでに大人以上に濃艶で妖艶な、一種畏れ多いまでの色気が備わっていた。
幼妻は洗濯を干し終わると、姑の膝にちょこんと座って煎餅をかじっていっしょにワイドショーを見る。キセルを咥えたかったが、それは香奈美にダメと言われてから彼女の前では咥えないことにしていた。
そもそも火はつけない。それは種族としての嗜みではあったのだが、姑の顔は立てておくことにしていた。
◇
あぁッ、んぅう……。
夫婦の寝室には淫らな吐息があふれていた。
あ……ッ。
お互いの吠え声が重なれば、さざ波が引くように、情事の余韻だけを残して静けさが訪れた。
身体から引き抜かれた灼熱、今互いに激しく求め合い、昂ぶりのままに絶頂を迎えたと言うのに、もうすでに夫の体温が恋しかった。
彼を胎内に迎え入れたいだけでなく、跨って思う存分に腰を振りたいと言う欲望すら抱いていた。だけどそんな淫らなこと……。それに、
私、こんなに淫らだったかしら……。新婚の時だってこんなには……。
再び彼を求めて疼き出す肉体(からだ)に、香奈美はボンヤリと疑問を抱いた。しかしそれは絶頂の余韻が薄れて行くとともに、霞のように模糊として霧散してしまう。
溢れ出す性欲。熟れた肢体は女の悦びを知っている分、より淫乱になってしまうのだろうか?
しかしもしかすれば、彼の方も同じ気持ちだったかもしれない。
こんなにも求められたことは、やはり新婚の時にもなかった。
恋愛結婚だった。しかしお互い気恥ずかしさが抜けなかったと言うか、乱れに乱れることはなかった。お互いに肌を重ね、愛を確かめ合い、果てて終わる。夜の営みがなくなったのはいつからだったろうか。
彼の仕事が忙しくなってから?
啓介が生まれてから?
日常に埋もれるようにして、交渉はおざなりになった。
それが今はーー。
彼女が来てからだ。
しかしそう言えば、ゆらはいつからうちにいるのだっけ?
と、彼の手が腰に回ってきた。
肉がついた腰回りを撫で回されるのは恥ずかしかったが、それよりも彼が求めてくれるのが嬉しかった。抵抗もせずにされるがままになっていれば、
「いいかい?」
と聞かれた。
「私は良いけれど、あなたは大丈夫なの? 明日も仕事でしょう?」
これで断られれば自慰でもしなければならないのではないかと危惧するが、
「あと一回くらいなら大丈夫だ。なにか、君とまたするようになってから、ずいぶんと調子がいい。セックスをすればするほど若返って行く気持ちだ」
生々しい言葉に、まるで生娘のように赤面してしまった。電気がついていなくて良かった。しかしすぐに侵入して来た逞しい怒張には、可愛らしい声を抑えることはできなかった。
咄嗟に口を抑えようとしたが、彼の手に掴まれて抑えられない。
「ちょっと、ダメッ。やめてッ、恥ずかしいッ……」
抵抗も虚しく抽送がはじまった。
しめやかな喘ぎに、抵抗も虚しく無理矢理されているようで、さらに体が昂ぶってしまう。股を開いて、自分から浅ましくも腰をうねらせてしまう。
「はっ、あぁっ!」
恥ずかしい。でも気持ちが良い。自分で自分の膣が、別の生き物になったように彼を締めつけているのがわかった。
「くっ、ぅうんッ。……もうっ!」
「うぉっ! ……ン」
香奈美は自分から彼の頭を引き寄せ、口を吸っていた。舌まで絡めたディープキス。唾液を啜り上げるようにするキスは、口が蕩けたかと思った。いつのまにか足を彼の腰に回し、自分からも腰をしゃくりあげていた。
「ンッ、んぁあッ」
くちゅくちゅくちゅくちゅ。
ぱんぱんぱんぱん……。
「香奈美、香奈美」
「あなたっ……幸成っ!」
感極まったように自分の名を呼び、求めてくる夫に、彼女もまた激情のままに彼の名を呼んだ。その拍子に、自身の胎内に注ぎ込まれて来た、懐かしい欲望を感じた。
「えっ、えぇえっ! あなた、ゴムは……」
「すまない、もう切らしてたんだ。だけど我慢ができなかったんだ。君からも腰を振ってくれて……香奈美に、ナカダシしたかった」
自分がはしたなく腰を振っていたことを指摘され、香奈美の頬がカッと熱くなった。それに、そんな独りよがりなことを言われれば、独身時代はもとより、結婚してからも烈火のごとく憤慨したはずだが、どうしてだか、今の香奈美は、彼に欲望をぶつけられることを、抑制が利かないまでに彼に求められることを、嬉しく感じていた。
胎が、熱かった。
子袋が、疼いていた。
香奈美はまだ膣内で熱い彼の欲望を感じると、チロリと唇を舐めた。
それは彼女が見ても、ゾッとするくらいに妖艶な仕草だった。
しかし暗闇では誰も見るものはいない。
「子供ができたらどうするのよ。私、もう高齢出産って言われちゃうわよ」
「だけど家計には余裕があるだろ。もしもデキたら、その時だ」
「もう……」
夫に呆れた声を出しながらも、香奈美は内心昂ぶっていた。彼がそう言うつもりなら……。
「お、おい……」
香奈美はまだまだまだまだ逞しい肉根に、彼の足に足を絡みつかせると、自分から腰をゆすり出す。
「くっ、締まる……」
「あなた、ナカに出されて、私の身体、火照ってしまったみたいなの。もっと……シたい……」
「香奈美……」
雌に求められて、幸成の雄は昂ぶった。それに、彼自身止められない愛おしさを感じていた。
ぐぃと腰を打ちつければ、
「あぁん……」
女の艶音に、彼は腰を揺り動かした。
/
ちょっとヤり過ぎたかもしれない。さすがに彼もこの一回で眠ることにした。股にはまだ彼の感触が残っていた。それに、太腿を伝う彼の欲望も……。
ふと我に返って香奈美は羞恥すると、慌てたようにシャワーを浴びることにした。
股を洗えば、次から次へと彼が溢れた。
その生々しさに、本当に子供ができたらどうしようと思って愕然とした。
しかし先ほどはたしかに、自分は彼との二人目の子供を望んでいたーー。
今はもう、ゆらちゃんと言う二人目の子供のような嫁がいるのに……。
シャワーを浴び終わって洗面台の鏡を見れば、これが自分だろうか、と思う若々しく美しい女性が映っていた。ツヤツヤと肌が輝き、これが自分だとは信じられなかった。
セックスには、たしかに若返る効果があるのかもしれない。
少し得意気になりながら衣服をまとって洗面台を後にすれば、
あの息子夫婦もこうして情事に耽っているのだろうか。
とふと思った。息子夫婦の情事に思いをはせるなど考えてもみなかったが、セックスと言うものがこれだけ気持ちが良いのなら、セックスが若返りの効果をもたらすのならば、あの二人だったら胎児に戻ってしまうかもしれない。
ーーそんなことはあるわけがないのだけれども。
「って、あれ……?」
そんな子供たちがどうして夫婦になっているのだろうか。
そんな子供たちにどうして子供ができると思っているのだろうか。
それにあのゆらちゃん。
彼女はいつからウチに嫁に来たのだろう……。
まるで蟻の一穴から堰が瓦解するように、曖昧模糊と雲散霧消させられていた疑念が、香奈美の心に溢れ出した。
再び消えて行こうとするそれらを、まるで蜘蛛のようなか細い糸で繋ぎ止めるがごとく、香奈美は夢遊病者のような足取りで、息子夫婦の部屋に近づいて行った。
その道のりは深く濃い闇に足を踏み入れて行くかのようで、言いようのない悪寒が背筋を這い上った。
歩みを進めれば、徐々に声が聞こえてくるようだった。
それは幼いながらも男と女の声。
まぐわい、肌を重ね合う睦音。
香奈美の背筋は一気に総毛立った。
どうして?
どうしてあの子供たちが……。
怖気すら覚えながら、香奈美はそのドアを開けたーー。
◇
「あぁッ! ええよぉ、けーくん、そこや、そこぉ、ついてぇ……。あぁん……」
幼い肢体が、これまた幼い肉体の下でくねっていた。纏綿と絡み合う二つの肢体。まるで愛らしい白い仔犬たちがじゃれ合っているようだが、幼くとも女性器と男性器は繋がり、それは淫らな愛の営みだった。
「んっ、あぁ……。けーくん、うまいうまい。あんじょうウチの好きなところ、わかって来たやないかぁ。うぅん……、ウチのおまんこ、けーくんのおちんぽはんに悦んどるわぁ」
ぷにぷにと形容するのが相応しい、幼い肉づきの腕と足を、ゆらは啓介に絡ませ、自分にのしかかる彼に下から腰をしゃくりあげていた。
掬い上げる動きだけでなく、巧みに腹をうねらせ、熟練の娼婦でも叶いそうにない腰使い。しかもザワザワと蠢く肉襞こそ大人顔負けの名器、否、人間にはなしようもない魔壺である。
「あぁ、ええわぁ。けーくん……んっ、ウチとまぐおうて、おちんぽさん、大きゅうなって……あぁ、りっぱなカリ、ウチの弱いところこすっとるわぁ。ぎょうさん、たえられるようなったなぁ。ええ子や、ええ子ええ子……」
頭を撫でられながら、耳元で耳朶をくすぐる甘い声音が這入って来た。幼くとも男を煽る妖艶な響きに、魔性の快楽によって男にされた啓介の欲望は、抑えきれないまでに膨れ上がった。
「ゆらちゃん、僕、もう出そうだッ」
ぱんぱん、ぐちゅぐちゅ……。幼い結合部からは泡立った淫液が溢れ、大人以上の濃密な交わりを物語っていた。彼女の可愛らしい尻の割れ目からは、ピンク色の無垢なアナルまで、昂奮のあまりにヒクヒクとふるえていた。
「ええよぉ。ほなそろそろ一回出しとこか。ウチのナカにぎょうさんこだね、吐いてな? ウチ、けーくんのこっこ、うみたいわぁ。んぅ、ふくらんだなぁ」
ゆらがギュッとしがみつき、深く深く彼を招き入れた。
膣肉が締めつけ、細やかにザラついた膣襞が、それぞれが別の生き物になったように、次から次へと肉膚を舐めた。舐め回した。ーー舐め尽くした。
「うぅうううううッ!」
びくんと幼い尻がふるえた。それは父と同じようなふるえ方だった。
「あぁ、けーくんのこだね、あったかいわぁ……。ぎょうさん、でとるなぁ。ンッ、気持ち、ええわぁ……」
幼貌をウットリと蕩けさせ、ゆらは己に注ぎ込んでくる子種を味わった。ふるふるとふるえ、結合部からは白濁混じりの華蜜が溢れた。
幼い顔を切なくさせて、荒い息を吐く夫に、彼女は艶っぽい吐息で頬を舐めた。気がついた啓介は彼女に唇を合わせた。幼くとも男と女である舌が、まるで蛇のように絡み合い、唇から見え隠れした。
それは薄暗闇に灯る、情欲の焔だった。
ほう、と彼の口を堪能した彼女の唇は、二人の唾液で濡れていた。
「けーくん、まだ、できるやんなぁ」
ゆらが幼い腰をくねらせた。彼女を貫く男根は、まだまだ硬度を保っていた。
「うん」と言う返答を聞く前に、ゆらは啓介の身体を器用にひっくり返すと、今度は彼女の方が上になった。
ロリショタ騎乗位。
男の上で膝をついて腰をゆらすには、まだ若干長さが足りない幼女の肢体が、それなら、と惜しげもなく膝を立てて股を開いた。
ぬっぷりと男性器を咥え込む無垢な女陰が男のカタチに広がって、卑猥な涎を垂らしていた。まだまだ中性的な腰回りにはぷにっと音が聞こえて来そうな肉がつき、ぽっこりとお腹が膨らんでいる。あばらが浮き、微かに膨らんでいるかもしれないという程度の胸では、ぷちり、と愛らしくも情欲の花芽が膨らんでいた。
なよやかな線を描く鎖骨からうなじ。それは幼女のものとは思えない艶やかな女の貌をいただいていた。ニィ、と婀娜華が咲き、眸(ひとみ)は三日月に歪む。
どこからともなく現れたキセルを咥えると、
「あんじょう、きばりゃ」
「くぅうううッ!」
それは息を呑むような淫らで堂々とした腰使いだった。
キセルを咥え、男を咥え、巧みな腰使いで肉杭を舐(ねぶ)り回す。
「はっ、あぁっ!」
総大将ぬロリひょんに股がられては、男はただ呻くしかできない。
彼女は妖怪ぬらりひょん。幼くともまごうことなき総大将である。
「くぅううう……」
ぐっと歯を喰いしばる彼に、ゆらはきゅっと笑う。キセルからは幻の煙が上がった。いや、青白い焔が一瞬、まるで生きているかのようにゆらめいた。
「そうやそうや。んぅ……。ウチの夫なんやから、もっと、がんばれ、がんばれ。あぁ……。逞しなぁ……」
恍惚として腰をくねらせうねらせるぬロリひょん。ぷくぷくと膣内で膨らむ怒張だが、なかなかどうして、耐える。
幼い二人の結合部からは、くちゅくちゅと卑猥で淫猥な水音が泡立つ。しかし激しくとも、二人の体躯では、ベッドはそれほど揺れない。
それでも濃密に渦巻き放散される淫気は、たかが人間の大人のものよりも、その密度と質は比べ物にはならなかった。こんなものが近くで放出されれば、ムラムラして倦怠期どころではない。
「くぅうっ、ゆらちゃん……ッ」
「おぉ」
ゆらの唇が歓喜にほころんだ。されるばかりのはずの啓介が、自身の太腿を掴んだのだ。そして彼は自分からも腰を動かし出す。
「んふ、やっぱり男の子やねぇ。それに、ウチが選んだ旦那さまぁ……」
声だけで爛れさせられるような濃艶な響きに、啓介は腰を突き上げる。
相手がぬロリひょんでも負けたくないと言う男の子の矜持に突き上げられ、ゆらの白い頬は徐々に上気して来た。
「あぁ、ウチ、イかせられてまうかも……。んぁあ……。けーくぅん……」
キセルを消し、両手を彼の上に置いて、ゆらは眉をひそめ、眦を蕩けさせて腰をゆすぶった。くちょくちょと絡み合う隠微な水音は、さらに濃密な淫気を放つ。
「やぁんぅ……すてきやわぁ……」
瞳の奥にハートマークが見えるまでに昂ぶった彼女は、上体を倒し、唇を重ねてきた。啓介も求められるがままに応え、彼女の未発達の腰を捕まえると、幼くとも雄々しい肉棒を振り立てた。
「あはぁ、ええ、ええよぉ……。あぁああ……」
しとやかでも感極まった嬌声が流れる。ぱちゅぱちゅと奥までハマりこみ、子宮を打つ快楽の電撃に、ゆらは幼い体躯をふるわせた。しかし自分も膝を立てて、尻を振りたくっている。
啓介の射精欲が、まるで活火山のようにふくらむ。
「んはぁ、イいきそうなんやな、けーくん、ウチのおまんこで、イきそうなんやなぁ……ッ」
「うんっ、僕、このまま」
「ええでぇ、ほな、いっしょにイこかぁ。夜にでっかい白い太陽、咲かせてみよかぁ。ンッ、あぁあああああッ!」
ひときわ甲高い嬌声が上がったと思えば、啓介は同時に射精していた。びゅくびゅくとペニスが脈打ち、幼くとも立派な魔物の娘の胎内に自分を刻み込んだ。
「うぁあああああッ!」
幼い雄の吠え声に幼女は背を逸らして仰け反り、オルガスムスの官能に自身もまたあられもない声で吠えていた。
荒い息を吐く少年に、彼女はすりつき、唇を啜った。
彼女は少年の口を堪能し、唇をぐぃ、とぬぐった。
絶頂の昂ぶりに、彼女の幼い胸元には凄艶な牡丹の彫り物が浮いていた。
「けーくん、ウチ、もう今日はがまんできひん。もっと、もっとしよやぁ。こんどは後ろからついてぇ……。けーくんはもういんきゅばすなんやから、ウチと一晩中まぐわっとっても、のぅぷろぶれむや」
向けられた幼いぷりケツの割れ目では、無垢な陰唇が開き、淫らな白濁混じりの汁が溢れていた。啓介は立ち上がると、かじりつくように彼女に後ろから覆い被さる。
「あぁっ、ン……。けーくん、ウチを、もっとトロトロにしてやぁ。なんせ夜はまだまだ長い。それに、あっちも、ぎょうさんはっするするやろうからなぁ」
喘ぎながらも零したそのつぶやきは、幼いながらも、ぬらりとした響きを帯びていた。
◇
ん、と幸成は奇妙な感覚で目を覚ました。
ボンヤリと焦点の定まらない瞳には、薄闇の天井裏が映った。普段と変わりのない、いや、いつからか妻と毎夜愛し合うようになった、情事の余韻の残る寝室の風景だ。
股間が妙に甘かった。
まるで蛭が這い回り、股間どころか腰回りまでジィン、と痺れてしまうかのようだった。
じゅるッ、じゅるるるるッ。
「くっ、あッ……」
絡みつき、呑まれるような快楽に、幸成は思わず仰け反ってしまった。
彼の呻きに気を良くしたように、股間に送り込まれてくる快楽はその振幅を大きくする。
「いったい、なにが……」
下を見れば、布団が膨らんでいた。人一人が埋まっているような大きさだ。
隣にいるはずの妻がいない。
じゅるるるるるるぅッ。
「おぉおおおおおッ!」
甘美な愉悦が意識を持って行く。
これは、間違いない。いや、でもしかし……。
まさに肉根に与えられる、そして奪われるような感覚に、幸成は信じられないと言う面持ちで布団に手をかけた。再び彼女と愛し合うようになっても、愛し合っていたかつての時でさえ、こんな、浅ましく快楽を貪り合うような行為はしなかった。
しかし気持ちが良い。
それにはじめてのフェラチオ。是非とも彼女が自身を咥えているさまを見たい。
期待と劣情にかられた幸成が、布団をバッと跳ね除けた。
君はこんなに淫らなことをする女だったのか。そんなに僕のものが欲しかったのかい?
甘ったるい気持ちでからかってやろうと思っていた。
しかし布団を開けた途端、
ーー青白い炎が燃え上がった。
「ーーーーッ」
幸成は瞠目した。
これはいったいどう言うことか。
たしかに股間に顔を埋め、ふしだらな表情でペニスをしゃぶり回しているのは自分の妻だ。しかしその顔は、その姿はーー。
目線を上げた彼女と、視線が絡んだ。
その濃艶な視線に、背骨にまで絡みつかれたような気がした。
自分に見つめられていると言うのに、彼女はむしろ魅せつけるように、自身の姿などよりも、幸成を味わうことの方がよっぽど重要なことだと言わんばかりに、円を描くようにして、その“若々しい”顔を激しく前後させた。
しかも縦横無尽に舌を絡ませてくる。
「おっ、おぉおおおうッ!」
幸成はあまりの快楽に、足をピィンと伸ばし、爪先まで開いて力が入ってしまう。臀筋がふるえ、シーツを握りしめた。
「か、香奈美ッ、おぉおおッ!」
「じゅッ、じゅッ、じゅるッ。ハァン、美味しいわ、あなた。ちゅっ、あなたのおちんちんって、こんなにも美味しかったのね。レロレロレロッ……」
「くぉおおおッ!」
あまりの淫らな舌遣いに、もはや呻くことしかできない。彼女は潤った唇で啄ばむようにキスをして、雁を食み、棹を食み、睾丸を優しく転がしながら裏スジを舐め上げてきた。巧みな愛撫に幸成は翻弄されてしまった。
「は、う……」
「幸成、先っぽから、エッチな汁が出ているわ。もらうわね。はムン、ちゅるちゅるちゅる……」
「くはッ」
肉先だけに口づけられ、尿道から先走りの液を吸われていく激感に、幸成は彼女の口を感じるだけしかできない。
彼女はやがてネットリと唾液に濡れた口内粘膜で、再び怒張を呑み込みはじめた。
蕩かされるような女の熱に、幸成は薄暗闇の天井が、星空に変わった気がした。
「ほぉおおおッ!」
トリップしかけた意識が彼女の吸引で引き戻された。
現実逃避している場合ではない。しかし現実に向き合えばこの快楽に耽溺させられる。
「くッ、あぁ……」
あまりにも気持ちが良い。今まで生では聞いたことのない、肉を吸う淫らな水音。彼女はワザと音を立てて、顔を振りたくっている。
こ、このまま射精したい。彼女の口内に、思う存分に精液を吐き出したい。穢してやりたい。ケダモノじみた欲望が鎌首をもたげるが、そんな、快楽に沈降していい場合でもなかった。
なにせ彼女はーー。
「か、香奈美ッ! ま、待てッ! くぅうッ! お前、その姿は、な、なんで耳が生えてるんだッ!」
言えた。快楽に耐えてよく頑張った。
だが、この状況でそれは指摘して良いものだったろうか?
それでも尋ねざるを得ない、それに、
「それに、お前、若返ってないか? うッ、うぅう……」
青白い、狐のような耳を生やした彼女の顔は、自分が彼女に出会った当初。そしてゾッコンに一目惚れした時の彼女の若々しく初々しい顔立ちに戻っていた。
だと言うのにその炎のように朧にゆれる耳はなんなのか。言うならば官能の炎。それは今彼女が放っている妖艶な色気、情欲の昂ぶりが可視化したような有様だった。
しかも彼女の背中からは……、青白い狐の尾っぽまで覗いていた。
「お、お前は香奈美かッ!?」古典的でしかも非現実な話だが、まさか狐が彼女に化けている?
そう思った時、
チョン
と軽く歯を当てられた。
ひゅんっ、と金たまが寒くなった。
「失礼ね。私があなたの最愛の妻だってこと、わからないの? こんなにも、尽くしてあげているのに。ちゅ、ちゅ……」
「うぁあ……」
恨みがましい眸(ひとみ)で見上げてきながら、尖らせた唇でキスをされた。細指が肉膚に巻きつき、ゆるゆると上下動している。幸成は呻くことしかできないが、その顔はーーしていることははじめてのことだったがーー、彼女が拗ねた時に魅せる、可愛らしい表情だった。
そんなもの、彼女が母となってから、いや、少なくともここ最近は見たことがなかった表情だ。
幸成は胸の底で若々しい情熱に火が灯るのを感じた。
「香奈美……。なんでこんな、それに、その姿は……」
「ふぅ」
「くぅうッ」
艶息を浴びせるだけで呻いた夫を満足そうに、悪戯っぽい笑みで見つめると、
「私にもよくわからないわ。ゆらちゃんが、どうしてまだ幼い子供なのに、私たちの幼い息子と結婚しているのか、ちょっと不思議に思って、二人がセックスしている部屋を覗いてしまったの」
「え?」
と、幸成は一瞬彼女の言っていることがわからなかった。
が、すぐに、
そ、そうだ。どうして……。僕らの子供は、まだ小学生だ。なのに、どうして啓介は彼女と結婚して……、それに、二人に子供ができるかもしれないと言うことを、どうして今まで不思議に思わずッ、
「くっ、うぅうッ!」
睾丸を転がされ、ねろぉお、と亀頭をまぁるく舐め回されて、幸成の思考は断絶させられた。
「ちゅっ、くちゅ……」
「はっ、うっ……」
「じゅるるるるるるぅ……」
「おぉおおおおお……」
「じゅっじゅっじゅっじゅ、ぶぱっぶぱっぶぱっ……」
「はぅううう……」
肉膚を若々しく潤った唇が激しく滑り、どう動いているのかわからない軌道で舌が絡みついてきていた。溢れ出すカウパーを吸引され、彼女は頬を窄めた下品なフェラ顔で、激しく美貌を振りたくった。
そうだ、美貌だ。
かつての若々しい顔立ちに若返っただけではなく、彼女には輝くような、いや、この場合は闇にめらめらと悩ましく燃える、青白い炎だ。艶かしい色気を火の粉のように迸らせる、官能の焔だ。自身も男も巻き込んで燃え上がる、翳りのある焔が今の彼女だった。
男を呻かせ愉しませながら、彼女自身もたまらなく昂ぶっていたらしい。
青白くゆらめく陽炎のような狐の尾が、ぶんぶんと、犬のようにふられていた。
しかし彼女は男を吸う狐だった。
幸成はたまらなく昂らせられて、溶岩のように子種が煮立ってくるのを感じた。
「くっ、あ……。だめだ、香奈美、出る、出てしまうッ!」
幸成が訴えれば、彼女はむしろ、蠱惑的に眸を三日月に歪めた。
叩きつけられた女の淫欲に、幸成が抗うことはできなかった。ずぶずぶと根元まで呑まれ、陰毛に鼻を埋めた彼女に、喉奥で締めつけられた。
「あっ! おぉおおおおおッ!」
まるで狼男の遠吠えのような雄叫びをあげて、幸成ははじめて女性の口に、愛する妻の口に欲望を吐き出した。
腰を突き上げるようにして、びゅくびゅくと肉根が脈打った。尿道を通って行く、激烈な快感を抱いた。
その暴れん棒を、無遠慮に口に白濁を吐き出して行く射精器官を、香奈美は恍惚として唇で押さえつけたまま、喉奥で受けていた。んく、んくと細く白い喉が嚥下して、幸成は仄暗い優越感に支配された。
ちゅぷり
なんと、彼女は尿道に残ったものまで丹念に吸い取り、ネットリと舐め回してからようやく男根を解放してくれた。彼女の唾液に濡れた男性器が、外気に触れてヒヤリとした。
陶然として喉を鳴らし、今しがたまで男に吸いついていた赤い舌が這い出したと思うと、唇をなぞった。
こんなものでは我慢できない。
彼女の顔は、雄弁に語っていた。
ぼぉう、と青い白い狐の形をした炎が妖気じみてゆらめいた。
立ち上がった彼女の肢体は、薄闇の部屋に月明かりの冷たい陽炎じみて浮かび上がり、その瑞々しく若返り、そして妖艶な、妙齢の熟した色気を宿していた。
しなやかな足にはむっちりと肉が乗り、遡れば股間の翳りが、炎で淡い陰影を浮かび上がらせる。括れた腰、ほどよい肉づきの腹部、青く色づいて艶かしく濡れている。なめらかに滑り上がれば、大きく膨らんだ乳房が描く、月輪(がちりん)のような輪郭が、ゾッとするほどに淫ら。そう感じるのは、淫熱を蓄え、その先でぷっくりと膨らむ、薄桃色の椿の花芽もその理由だろう。
鎖骨から、線の細いうなじ、まるで十代の少女と言っても過言ではない若々しく可憐な顔立ち。しかしその表情は淫らな表情で彩られ、頭の青白い狐耳(それは透けている)、燃える尾っぽ、凄まじいまでの艶で、彼女の肢体は燃え上がっていた。
そんな妻の姿を目の当たりにして、幸成は恐怖ではなく劣情を抱いた。
股間は雄々しく屹立して、凄艶な艶姿から目が離せなくなっていた。
「幸成、私と、シたい?」
「シたい。香奈美、君を抱きたい」
「嬉しい。私も……。あなたに抱いて欲しい」
そろそろと鬼火がゆらめくように近づき、上体を起こした肩に手をかけながら、彼女はゆっくりと焦らすようにしゃがみ込んで来た。和式便所にしゃがみ込むように徐々に広がる太ももに、割れ目からつつぅーーと、そそり立つ怒張に華蜜が溢れた。
「うぅッ」
昂ぶりに昂ぶった魔性の蜜液は、鈴口から這入り込み、肉棒を膨れあがらせた。
幸成は彼女がなんであろうともうなんだって良かった。濡れそぼった果肉を貫き、思う存分に貪り、彼女と交じり合いたかった。
息子のことだって……。
くちゅくちゅと、肉先に淫靡なぬめりを感じた。
「はっ、お……」
自身の欲液と彼女の蜜液。爛れるようなとともに混じり合う淫液が、肉根を伝い睾丸までをべとべとに濡らした。
蠢く女唇を感じた。ザラつく陰毛にも、彼女は彼のエキスを塗りこむように腰を揺すった。
「焦らさないでくれ。はやく、君の中に入りたいんだ」
まるで少年のような彼の懇願に、香奈美はウットリと微笑んだ。
「そんなに我慢できないのね?」
「ああ」幸成は腰をジリジリとゆすってしまう。
「あぁん、いいわ。でも私、狐憑きになってしまったけれども、それでもいいの?」
「いいにッ、決まってるッ! は、はやく。もう爆発しそうだ。君がなんだって、なんになったって、君は僕の愛しい妻だッ」
狂おしいまでの熱情に急かされて、幸成は叫んだ。若返った彼女に、幸成の方も、少年時代の、否、それ以上の性欲の昂ぶりを覚えていた。彼女の妖気に障(あ)てられたのだ。それとも引き出された?
狐憑きなどと言うものがなんなのかはわからない。見たままなのだろう。そんな彼女と交わればどうなってしまうのだろう。そんな恐怖は微塵も存在しなかった。なぜだかはわからないが、その、彼女を包む暗くもなやましく暖かな炎に触れていれば、彼女が自分を傷つけるわけがない。ただ、狂おしく淫らに乱れたいのだと言うことだけがわかった。
そんな牝を前にして、抱く以外のことを、愛しく犯すこと以外を考える必要性など皆無だ。
幸成の眼は赤く血走ってすらいた。
「嬉しい。あなた、そんなに私を求めてくれたこと、ここ最近はなかったのに……。私、寂しかったみたい」
「香奈美……」
少々の憂愁がスパイスとなった時、彼女はそのまま腰を降ろしてきた。
「おぉおおおッ!」
「あなたッ、あぁあッ!」
二枚のぬらつく陰唇を剛直が大きく押し広げ、熱く熟れた果肉に包まれ切った時、押し当たった膣奥で、幸成はそのまま果ててしまった。
こんな、はじめてするような……、しかも、これは今日一回目ではない。それに、たった今も射精(ダ)したばっかりだ。
信じられない。
しかも、びゅくびゅくと彼女に膣内射精(ナカダシ)すれば、子宮口が鈴口にむちゅっと吸いつき、子宮まで吸い上げてきているようだった。迸る快感に、幸成はただ呻いてしまった。
「あぁああンッ。幸成の熱いのが、私の中に……」
彼女はわななき、背に回した腕に力を込めながら、随喜によがっていた。むにゅむにゅと豊満で瑞々しい果肉が胸板で潰れていた。先っぽのしこりもたまらない。くねつき喘ぐ女体に、幸成の方も腰をゆすり、びゅくびゅくと暴れ、彼女の中に注ぎ入って行く自分自身の熱を感じていた。
「ごめん、すぐに出してしまった。それに、ナカに……」
「いいえ、いいの。そんなに私で昂奮してくれただなんて……」
トロンと媚びを含んだ目つきでも、愛おしく慈しむような視線には、なんども肌を重ねているはずの自分の妻でも、目を合わせていられなかった。
「幸成、照れているの? 可愛い」
「…………」
可愛いなどと言われるのは男として心外だった。しかし振りほどけない、振り払いたくないこの快美な甘さはなんだろうか。
妻は笑った。美しく艶やかな貌(かお)で。
「大丈夫。あなたは逞しくてかっこいいわ。だって、まだ私のナカでこんなにも……」
「うぉッ」
彼女が腰を回せば、膣襞がぞりぞりと肉膚を擦り上げた。
それでようやく幸成は、自身がまだ萎えていないことを知った。
自分と彼女の蜜液で潤い切った女陰からは、泡立った白濁が滲み出ていた。
「もっと、しましょう? いっぱい、いっぱい私のナカで出して? 私を妊娠させるくらいに。私、またあなたの赤ちゃんが、欲しい……」
ーー孕みたい。
と言う直截的な懇願に、幸成は雄々しく雄叫びをあげると、パツンと張った彼女のヒップに指を食い込ませた。
「きゃっ。あぁん……」
驚いた声をあげても、彼女はすぐに自分からも腰をうねらせ、腹を波打たせ出した。
結合部から響き出す、くちゅくちゅと言う淫らな水音が、狐憑きの青白い狐の幻影を燃え立たせ、薄闇の室内で艶やかに咲き誇る。
これで枯れても構わない。枯れ尽くして死んでも構わない。
そんな覚悟と衝動で、幸成は腰を動かした。
「あぁん、はぁッ! 素敵ぃ……」
枯れることなく、燃え尽きることのない情欲の炎が、マンションのカーテン、夜の帳をしめやかにゆらす。
/
「うふ、むこうはんもあんじょう、楽しくヤっとるようやなぁ。かか様、稲荷になれるかなぁ? ぬらりひょんの義母(かか)様になるんなら、そうでもないと、箔がつかへんもんなぁ。やけど、なれへんでも、かか様をばかにするやつは、ウチ、ゆるさへん。……ふふっ。あぁ……」
子供部屋のベッドの上に、幼くとも二匹のケダモノが、交尾をしていた。
ぷにぷにと形容することが正しい幼女の白い肢体が、上体を伏せ、丸っこい尻をつぃんと突き上げて、後ろから幼い少年に齧りつかれていた。
膝立ちの尻の割れ目には幼くともカチカチにボッキしたペニスがはまり込み、無垢な陰唇を押し広げ、想いの限り前後していた。
「あぁん、ええわぁ。けーくん、もっとぉ……。が〜んばれ、が〜んばれ。もっとぉ、い〜っぱいウチのナカにぴゅっぴゅして、とと様よりも早う、ウチを孕ませてなぁ……。きょうそうや。あぁン……」
クスクスと、無邪気でもしめやかな笑い声は、濃艶な妖気と化して部屋を満ち満ちとし、彼女に抽送する少年の体をずぶずぶと蕩かすように取り巻いていた。
ぴくんぴくんと幼い陰茎が膣内(ナカ)で跳ねるたび、彼女はにゃぁん、とメス猫じみた嬌声をあげる。
シーツに押しつけ半分ほど隠れた貌は、眸が三日月を描き、口元が爛れるくらいに蕩け、涎を垂らしていた。
「あぁんぅうッ」
ひときわ強く肉根を叩き込まれ、彼女はおとがいを逸らして仰け反った。全身を迸る快楽に幼い肢体をふるふるとふるわせ、しかし眉を八の字に、眦を垂らしたその貌は、幼女ではなく、妖女のものだった。
「あッ、ふ……」
男の腰つきに波打つようにくねれば、よだれが溢れた。ピンピンの勃起ペニスはすでに彼女の弱いところ、好きなところを知っている。掬い上げ、擦り下げ、膣奥を叩いて円を描くようにして彼女を愉しませる。
「さすがはぬらりひょんの、ウチの旦那さまやわぁ……」
ふわぁ、と恍惚と浮かび上がってしまいそうな面持ちで彼女は言った。そして、ぷくぷくと膣内で膨らんで来た彼の怒張を感じる。はやく欲しいと、肉づきの薄い尻をぷりぷりと振って、後ろの彼にぶつけながら膣を締めた。
「くっ、ゆらちゃん、すごいっ」
「ふふ、ええやろ。けーくん、ウチのおまんこに首ったけや。首は、どこの首やろな?」
舐め回すような膣肉の蠢きを雁首に味合わせた。
「うぅッ、くッ」
甘美な愉悦に啓介は小さな睾丸に納まっているとは信じられない精液滾りを感じた。
このまま情欲のままに解き放ちたい。しかしまだまだ余裕がある彼女をもっとよがらせてはやりたい。
男の子の矜持が、後ろから幼い股間に手を伸ばさせた。そして快楽勃起を見つけ出したのだ。
「ひゃぁん! けーくん、あかんわ。そこはぁ……。もっときもちよくなってまうぅ……」
啓介は小さな小さな、しかして淫欲を蓄えてぷっくりと膨れ上がったそいつを捕まえた。そいつを親指と人差し指の腹で挟み、くりくりくりっと、少々強めに、押しつぶすようにして刺激してやる。ぬらりひょんの彼女には、それくらいヤってやった方がいい。
だが、媚肉の蠢き、襞肉の締まり。それは苛烈さを増す。
「あぁん。はッ、けーくん、けーくんッ、うちぃ、こんなん……。あぁあッ」
可愛らしい媚び音が甲高くなり、シロツメクサの身悶えのようにふるふると可憐に、淫らにふるえた。ぷしゅりぷしゅりと溢れ出す蜜液が、二人の太ももを濡らした。啓介は彼女に覆い被さり、幼い肢体に密着し、陰核を転がし、ぷっちりとした乳首をつまみ上げながら腰を回した。
ぱちゅりぱちゅりと言う蜜音に、ピンピンのおちんちんが昂ぶって行く。
「ゆらちゃんッ! イって。ゆらちゃんがイくときにいっしょに出すからッ」
くちゅっ、くちゅっ、ぱちゅっ、ぱちゅっ。
「はぁあんン……。男らしいすぅ……。あんッ、ダメ、ウチ、もッ、イきそッ、ンッ、あぁあああッ!」
ひときわ高く幼女が啼いたと思えば、膣がぎゅぅうんっ、と凶悪なうねりと締めつけを魅せた。
「あっ、あぁあああああッ」
カクン、カクンと痙攣する幼女のナカに啓介はともに果て、射精していた。
「出てるぅ、ウチのナカ、けーくんに真っ白にされてるぅ。きもち、ええわぁ……」
絶頂の余韻を堪能しながら、幼女が腰をくねらせ精を余すことなく吸い上げようとしていた。
はぁあ、と二人とも息を吐き、しかしピンピンに勃起した子供ペニスで繋がったまま、啓介は後ろから彼女を抱きしめてベッドに横になった。
ゆらちゃん。
自分の嫁
いつから家にいるのかもわからないぬロリひょんな嫁。彼女と交わり続けて、自分はいんきゅばすと言うものになったらしい。
気がついたときには驚いたが、しかしそんなことがどうでも良くなるくらいに彼女にメロメロに惚れ込んでいた。それに両親とも彼女のことを認め、しかも、母親の愚痴を聞きながら朝ごはんも夕ごはんも、二人だけで取っていたときが嘘に思えるほど、両親の仲も良くなった。
しかも二人とも元気に、しかも若返っているような気さえする。
ーー二人がもっと仲良くなるよう、狐さん、つけてまおなぁ。なぁに、あんじょう、やりよるよって。
と三日月の眸(ひとみ)で言うゆらの言葉に了承した。
彼女の火のない煙管(キセル)には、なにやらおかしなものが潜んでいるらしい。
そして彼女は先ほど母親の香奈美に“それ”を憑けたのだと言う。
「二人とも、仲ようなって、けーくんに妹ができるかもしれへんなぁ」
残念ながら弟の可能性はないらしい。
「さぁて、妹はんはけーくんととと様、どっちを好きになるんやろなぁ。ま、それ以外もあるやろけど。その前に、」
と彼女は二マリと首を傾けて啓介を流し見る。幼女でも、妖怪総大将ぬらりひょんの婀娜っぽい流し目だ。濃艶な妖気に当てられて、彼女の中にでペニスが大きく膨らむ。
「うぅん、ええわぁ……。とと様もあのかか様の調子なら、いんきゅばすになるんもずいぶんはやそうやからなぁ……。妹はんよりも先に、ウチにけーくんの子種、植えつけてぇな」
すり、すり、と肉棒の咥え込んだ幼いプリケツを擦りつけてくる。
「うん、いいよ。僕、頑張る」
「うふ、その調子や。かか様よりも先に、ウチを先に孕ませてぇ……。お腹、けーくんでちゃぷちゃぷしとるけど、まだ足りひん。もっと、もっとぉ……」
くちゅくちゅと、秘めやかな睦音(むつおと)が波紋となって、妖気満ちる子供部屋をたゆたせる。闇は、深まる。疫病(えやみ)につかれたがごとくに女妖につかれた父子、どちらが先に新しい女妖を生ませることになるのか。
それはさすがのぬロリひょんな嫁でも、ーー知らない。
コーヒーを啜りつつ幸成は、仲睦まじい息子夫婦に視線を向けた。
テーブルの向かい側では彼女が息子の頬についたパン屑を指で拭い、口に運んだところだった。恥ずかしがることなく微笑み合う若夫婦に、彼女が来てからと言うもの、ブラックでもコーヒーを飲んでいる気はしないな、と内心で苦笑してしまう。まるで甘ったるいカフェ・オ・レ。
食後に彼らが飲むものがそれだが、甘さに甘さを重ねてどうするのだと思う。
年甲斐もなく馬鹿なことを考える自分は、彼らの甘さと熱さに当てられているのかもしれない。
そのカフェ・オ・レを息子の啓介とその嫁に運んで来た幸成の妻、香奈美。
「ありがとう」「ありがとうなぁ」
息子夫婦の初々しい礼に、微笑ましげに目を細めていた。
嫁と姑の仲が良いことに越したことはないが、その視線は嫁に対するものではなく、本当の自分の娘に向けるものだ。
彼女みたいな娘が欲しかった、嫁に来てくれて良かった、などと臆面もなく言って可愛がるさまには、幸成は啓介と、男同士で顔を見合わせて肩を竦めたりもする。
彼女たちはこの前も二人でデパートへ服を買いに出かけ、ちょっとしたファッションショーを家で開かれた。若い嫁に付き合っているからか、最近の妻は若々しくなり、幸成もまるで新婚のときのようなトキメキを覚えてしまうことが多々あった。
しばらくご無沙汰だった夜の営みが再開され、毎日のように肌を重ねてさえいた。
若々しく甘い空気を醸す彼らに、自分たちも当てられてしまった。年甲斐もなく腰を振りーーとは言っても、そう言うほどまでにまだ幸成は年を取っているわけでもない、しかし最近の腰の疲れを思うと、年甲斐もなくーーとは思ってしまう。
しかし徐々にその疲れも次の日に残さなくはなってきている。
彼女だけでなく、自分も若返っているかのようだ。
調子に乗って二人目を作ってしまうかもしれない、とは少々危惧している。息子が嫁をもらったら次の子供をーーなどと、お盛んにもほどがある。
しかし倦怠期とはいかずとも、少々溝ができはじめていた自分たちの夫婦関係が、彼女が来てくれたことで燃え上がったのはたしかだ。
妻ではないが、彼女のような娘ができて良かった、とは幸成も思う。
マンションの窓からはキラキラと祝福のような陽光が差し込み、幸成と香奈美、そして啓介とゆらがともにテーブルについた、二世帯の良好な朝食の風景を照らしていた。
その嫁であるゆらは、暖かな日差しの中で、ニィーーと。まるで夜に咲く婀娜華のように、口元をほころばせていた。
「「行って来ます」」
「「行ってらっしゃい」」
お互いの嫁に見送られ、父子は家を出た。
「啓介、新婚なのにいつもいっしょにいられなくって寂しいとは思うが、男ならちゃんと外でも頑張らないとな」
「うん。大丈夫、僕ちゃんと勉強がんばるから」
素直に頷く息子に、幸成は満足そうに頷く。
彼女とともに暮らすようになってから、妻だけではなく息子とも距離が縮まった気がした。息子とも仲が悪いと言うことはなかったが、妻ともども、最近は仕事が忙しくてナカナカ話す機会もなかった。それに正直、何を話せばいいのか、話しかけあぐねていた部分もあったのだ。
それが今やこうしてーー行き先は違うがーー、朝はともに出勤するようになった。
マンションのエントランスを出て、幸成は啓介に別れを告げて駅へ向かう。彼は、息子が元気よくランドセルをゆらして集団通学の待ち合わせ場所へ向かうのに、目を細めていた。
/
「さ、ゆらちゃん、男どもが出かけたから、パパッと家事を済ませてワイドショーでも見ましょう。いいお煎餅もらったの」
「ええなぁ。ウチおせんべ好きやで。かか様、お手伝いさせてもらいます」
はんなりと舌ったらずな口調に、香奈美は頬が緩むのが止められない。おしゃまで可愛らしく、健気にお手伝いをこなす彼女に、こんな娘が欲しかった、息子の嫁は理想の嫁だとまで思う。
香奈美が洗った食器に、隣で小さな手が、まるで花を摘むかのように可愛らしくひらめいた。その様子に同性でも見とれてしまう。その姑の視線に気づいた彼女はニヘ、と笑った。
「かか様、なにか?」
「なんでもない、なんでもないのよゆらちゃん」
慌てて取り繕う姑だが、スマホで撮影してイ◯スタに上げようか本気で迷う。ウチの娘(嫁)が可愛すぎるんだがどうしたらいいんでしょうか、とまるでネット小説のタイトルのような文面が浮かんだ。
しかし、どうしてだか実際にそれをヤる気にはなれなかった。
彼女に手伝ってもらった料理はドシドシイ◯スタにアップするのだが、彼女自身を写真に撮ろうとすると、その気持ちはどうにも、ぬらりとドジョウのように身体をくねらせて消えてしまう。
たぶん、自慢するよりも自分でだけで愛でたいとか、そんな気持ちなのかもしれない。
私って、そんなに独占欲強かったっけ? しかも息子のお嫁さんに……。
不可解に思える香奈美だが、
「かか様、あんじょう洗濯機、終わったようやで」
「はーい」
と可愛らしい呼声に応えれば、不可思議な気持ちはすぐに消えてしまった。
「じゃあいっしょに干しましょうか。でもいくら好きだって言っても、また啓介の下着を持って行ったりしたらダメよ。ゆらちゃん良い子だけど、ちょっとはしたないことするから」
「えろうすんまへん。ふふ、ほなかか様、夜、直接楽しむことにするわぁ」
可愛らしくも、まるで月影のような怪しい響きを孕んだ声音で婀娜顔をされれば、香奈美はなにも言えなくなってしまう。
いくら幼く可愛らしくとも、彼女は息子の嫁。それならすることはするわけで……。あまりにも妖艶なその笑みに、香奈美は女として負けているような気がしたが、まるで種族の壁、さらにはその中でも上位、大将と一般人くらいの違いがあって、負けても悔しいとすら思えない。
それ以上に、
孫の顔を見るのははやいのかも……。でもまだ三十代でお婆ちゃんって……。
それに抵抗を持たないわけではないが、二人の子だったら可愛くないわけがない。
親の贔屓目もあるかもしれないが、息子の啓介も、男の子ながらに可愛らしい顔をしているのだ。ジャ◯ーズに応募させたい、と密かに思ってすらいた。
でも子持ちになったらアイドルは……。
だけど二人の子供、はやく見たいわねぇ。
と、姑はまだ初潮も来ていなさそうな容貌の息子の嫁に思う。
「かか様、はよう洗濯物干して、せんべ食べようやぁ」
「そうね、ゆらちゃん」
香奈美を誘うゆらには、幼くともすでに大人以上に濃艶で妖艶な、一種畏れ多いまでの色気が備わっていた。
幼妻は洗濯を干し終わると、姑の膝にちょこんと座って煎餅をかじっていっしょにワイドショーを見る。キセルを咥えたかったが、それは香奈美にダメと言われてから彼女の前では咥えないことにしていた。
そもそも火はつけない。それは種族としての嗜みではあったのだが、姑の顔は立てておくことにしていた。
◇
あぁッ、んぅう……。
夫婦の寝室には淫らな吐息があふれていた。
あ……ッ。
お互いの吠え声が重なれば、さざ波が引くように、情事の余韻だけを残して静けさが訪れた。
身体から引き抜かれた灼熱、今互いに激しく求め合い、昂ぶりのままに絶頂を迎えたと言うのに、もうすでに夫の体温が恋しかった。
彼を胎内に迎え入れたいだけでなく、跨って思う存分に腰を振りたいと言う欲望すら抱いていた。だけどそんな淫らなこと……。それに、
私、こんなに淫らだったかしら……。新婚の時だってこんなには……。
再び彼を求めて疼き出す肉体(からだ)に、香奈美はボンヤリと疑問を抱いた。しかしそれは絶頂の余韻が薄れて行くとともに、霞のように模糊として霧散してしまう。
溢れ出す性欲。熟れた肢体は女の悦びを知っている分、より淫乱になってしまうのだろうか?
しかしもしかすれば、彼の方も同じ気持ちだったかもしれない。
こんなにも求められたことは、やはり新婚の時にもなかった。
恋愛結婚だった。しかしお互い気恥ずかしさが抜けなかったと言うか、乱れに乱れることはなかった。お互いに肌を重ね、愛を確かめ合い、果てて終わる。夜の営みがなくなったのはいつからだったろうか。
彼の仕事が忙しくなってから?
啓介が生まれてから?
日常に埋もれるようにして、交渉はおざなりになった。
それが今はーー。
彼女が来てからだ。
しかしそう言えば、ゆらはいつからうちにいるのだっけ?
と、彼の手が腰に回ってきた。
肉がついた腰回りを撫で回されるのは恥ずかしかったが、それよりも彼が求めてくれるのが嬉しかった。抵抗もせずにされるがままになっていれば、
「いいかい?」
と聞かれた。
「私は良いけれど、あなたは大丈夫なの? 明日も仕事でしょう?」
これで断られれば自慰でもしなければならないのではないかと危惧するが、
「あと一回くらいなら大丈夫だ。なにか、君とまたするようになってから、ずいぶんと調子がいい。セックスをすればするほど若返って行く気持ちだ」
生々しい言葉に、まるで生娘のように赤面してしまった。電気がついていなくて良かった。しかしすぐに侵入して来た逞しい怒張には、可愛らしい声を抑えることはできなかった。
咄嗟に口を抑えようとしたが、彼の手に掴まれて抑えられない。
「ちょっと、ダメッ。やめてッ、恥ずかしいッ……」
抵抗も虚しく抽送がはじまった。
しめやかな喘ぎに、抵抗も虚しく無理矢理されているようで、さらに体が昂ぶってしまう。股を開いて、自分から浅ましくも腰をうねらせてしまう。
「はっ、あぁっ!」
恥ずかしい。でも気持ちが良い。自分で自分の膣が、別の生き物になったように彼を締めつけているのがわかった。
「くっ、ぅうんッ。……もうっ!」
「うぉっ! ……ン」
香奈美は自分から彼の頭を引き寄せ、口を吸っていた。舌まで絡めたディープキス。唾液を啜り上げるようにするキスは、口が蕩けたかと思った。いつのまにか足を彼の腰に回し、自分からも腰をしゃくりあげていた。
「ンッ、んぁあッ」
くちゅくちゅくちゅくちゅ。
ぱんぱんぱんぱん……。
「香奈美、香奈美」
「あなたっ……幸成っ!」
感極まったように自分の名を呼び、求めてくる夫に、彼女もまた激情のままに彼の名を呼んだ。その拍子に、自身の胎内に注ぎ込まれて来た、懐かしい欲望を感じた。
「えっ、えぇえっ! あなた、ゴムは……」
「すまない、もう切らしてたんだ。だけど我慢ができなかったんだ。君からも腰を振ってくれて……香奈美に、ナカダシしたかった」
自分がはしたなく腰を振っていたことを指摘され、香奈美の頬がカッと熱くなった。それに、そんな独りよがりなことを言われれば、独身時代はもとより、結婚してからも烈火のごとく憤慨したはずだが、どうしてだか、今の香奈美は、彼に欲望をぶつけられることを、抑制が利かないまでに彼に求められることを、嬉しく感じていた。
胎が、熱かった。
子袋が、疼いていた。
香奈美はまだ膣内で熱い彼の欲望を感じると、チロリと唇を舐めた。
それは彼女が見ても、ゾッとするくらいに妖艶な仕草だった。
しかし暗闇では誰も見るものはいない。
「子供ができたらどうするのよ。私、もう高齢出産って言われちゃうわよ」
「だけど家計には余裕があるだろ。もしもデキたら、その時だ」
「もう……」
夫に呆れた声を出しながらも、香奈美は内心昂ぶっていた。彼がそう言うつもりなら……。
「お、おい……」
香奈美はまだまだまだまだ逞しい肉根に、彼の足に足を絡みつかせると、自分から腰をゆすり出す。
「くっ、締まる……」
「あなた、ナカに出されて、私の身体、火照ってしまったみたいなの。もっと……シたい……」
「香奈美……」
雌に求められて、幸成の雄は昂ぶった。それに、彼自身止められない愛おしさを感じていた。
ぐぃと腰を打ちつければ、
「あぁん……」
女の艶音に、彼は腰を揺り動かした。
/
ちょっとヤり過ぎたかもしれない。さすがに彼もこの一回で眠ることにした。股にはまだ彼の感触が残っていた。それに、太腿を伝う彼の欲望も……。
ふと我に返って香奈美は羞恥すると、慌てたようにシャワーを浴びることにした。
股を洗えば、次から次へと彼が溢れた。
その生々しさに、本当に子供ができたらどうしようと思って愕然とした。
しかし先ほどはたしかに、自分は彼との二人目の子供を望んでいたーー。
今はもう、ゆらちゃんと言う二人目の子供のような嫁がいるのに……。
シャワーを浴び終わって洗面台の鏡を見れば、これが自分だろうか、と思う若々しく美しい女性が映っていた。ツヤツヤと肌が輝き、これが自分だとは信じられなかった。
セックスには、たしかに若返る効果があるのかもしれない。
少し得意気になりながら衣服をまとって洗面台を後にすれば、
あの息子夫婦もこうして情事に耽っているのだろうか。
とふと思った。息子夫婦の情事に思いをはせるなど考えてもみなかったが、セックスと言うものがこれだけ気持ちが良いのなら、セックスが若返りの効果をもたらすのならば、あの二人だったら胎児に戻ってしまうかもしれない。
ーーそんなことはあるわけがないのだけれども。
「って、あれ……?」
そんな子供たちがどうして夫婦になっているのだろうか。
そんな子供たちにどうして子供ができると思っているのだろうか。
それにあのゆらちゃん。
彼女はいつからウチに嫁に来たのだろう……。
まるで蟻の一穴から堰が瓦解するように、曖昧模糊と雲散霧消させられていた疑念が、香奈美の心に溢れ出した。
再び消えて行こうとするそれらを、まるで蜘蛛のようなか細い糸で繋ぎ止めるがごとく、香奈美は夢遊病者のような足取りで、息子夫婦の部屋に近づいて行った。
その道のりは深く濃い闇に足を踏み入れて行くかのようで、言いようのない悪寒が背筋を這い上った。
歩みを進めれば、徐々に声が聞こえてくるようだった。
それは幼いながらも男と女の声。
まぐわい、肌を重ね合う睦音。
香奈美の背筋は一気に総毛立った。
どうして?
どうしてあの子供たちが……。
怖気すら覚えながら、香奈美はそのドアを開けたーー。
◇
「あぁッ! ええよぉ、けーくん、そこや、そこぉ、ついてぇ……。あぁん……」
幼い肢体が、これまた幼い肉体の下でくねっていた。纏綿と絡み合う二つの肢体。まるで愛らしい白い仔犬たちがじゃれ合っているようだが、幼くとも女性器と男性器は繋がり、それは淫らな愛の営みだった。
「んっ、あぁ……。けーくん、うまいうまい。あんじょうウチの好きなところ、わかって来たやないかぁ。うぅん……、ウチのおまんこ、けーくんのおちんぽはんに悦んどるわぁ」
ぷにぷにと形容するのが相応しい、幼い肉づきの腕と足を、ゆらは啓介に絡ませ、自分にのしかかる彼に下から腰をしゃくりあげていた。
掬い上げる動きだけでなく、巧みに腹をうねらせ、熟練の娼婦でも叶いそうにない腰使い。しかもザワザワと蠢く肉襞こそ大人顔負けの名器、否、人間にはなしようもない魔壺である。
「あぁ、ええわぁ。けーくん……んっ、ウチとまぐおうて、おちんぽさん、大きゅうなって……あぁ、りっぱなカリ、ウチの弱いところこすっとるわぁ。ぎょうさん、たえられるようなったなぁ。ええ子や、ええ子ええ子……」
頭を撫でられながら、耳元で耳朶をくすぐる甘い声音が這入って来た。幼くとも男を煽る妖艶な響きに、魔性の快楽によって男にされた啓介の欲望は、抑えきれないまでに膨れ上がった。
「ゆらちゃん、僕、もう出そうだッ」
ぱんぱん、ぐちゅぐちゅ……。幼い結合部からは泡立った淫液が溢れ、大人以上の濃密な交わりを物語っていた。彼女の可愛らしい尻の割れ目からは、ピンク色の無垢なアナルまで、昂奮のあまりにヒクヒクとふるえていた。
「ええよぉ。ほなそろそろ一回出しとこか。ウチのナカにぎょうさんこだね、吐いてな? ウチ、けーくんのこっこ、うみたいわぁ。んぅ、ふくらんだなぁ」
ゆらがギュッとしがみつき、深く深く彼を招き入れた。
膣肉が締めつけ、細やかにザラついた膣襞が、それぞれが別の生き物になったように、次から次へと肉膚を舐めた。舐め回した。ーー舐め尽くした。
「うぅうううううッ!」
びくんと幼い尻がふるえた。それは父と同じようなふるえ方だった。
「あぁ、けーくんのこだね、あったかいわぁ……。ぎょうさん、でとるなぁ。ンッ、気持ち、ええわぁ……」
幼貌をウットリと蕩けさせ、ゆらは己に注ぎ込んでくる子種を味わった。ふるふるとふるえ、結合部からは白濁混じりの華蜜が溢れた。
幼い顔を切なくさせて、荒い息を吐く夫に、彼女は艶っぽい吐息で頬を舐めた。気がついた啓介は彼女に唇を合わせた。幼くとも男と女である舌が、まるで蛇のように絡み合い、唇から見え隠れした。
それは薄暗闇に灯る、情欲の焔だった。
ほう、と彼の口を堪能した彼女の唇は、二人の唾液で濡れていた。
「けーくん、まだ、できるやんなぁ」
ゆらが幼い腰をくねらせた。彼女を貫く男根は、まだまだ硬度を保っていた。
「うん」と言う返答を聞く前に、ゆらは啓介の身体を器用にひっくり返すと、今度は彼女の方が上になった。
ロリショタ騎乗位。
男の上で膝をついて腰をゆらすには、まだ若干長さが足りない幼女の肢体が、それなら、と惜しげもなく膝を立てて股を開いた。
ぬっぷりと男性器を咥え込む無垢な女陰が男のカタチに広がって、卑猥な涎を垂らしていた。まだまだ中性的な腰回りにはぷにっと音が聞こえて来そうな肉がつき、ぽっこりとお腹が膨らんでいる。あばらが浮き、微かに膨らんでいるかもしれないという程度の胸では、ぷちり、と愛らしくも情欲の花芽が膨らんでいた。
なよやかな線を描く鎖骨からうなじ。それは幼女のものとは思えない艶やかな女の貌をいただいていた。ニィ、と婀娜華が咲き、眸(ひとみ)は三日月に歪む。
どこからともなく現れたキセルを咥えると、
「あんじょう、きばりゃ」
「くぅうううッ!」
それは息を呑むような淫らで堂々とした腰使いだった。
キセルを咥え、男を咥え、巧みな腰使いで肉杭を舐(ねぶ)り回す。
「はっ、あぁっ!」
総大将ぬロリひょんに股がられては、男はただ呻くしかできない。
彼女は妖怪ぬらりひょん。幼くともまごうことなき総大将である。
「くぅううう……」
ぐっと歯を喰いしばる彼に、ゆらはきゅっと笑う。キセルからは幻の煙が上がった。いや、青白い焔が一瞬、まるで生きているかのようにゆらめいた。
「そうやそうや。んぅ……。ウチの夫なんやから、もっと、がんばれ、がんばれ。あぁ……。逞しなぁ……」
恍惚として腰をくねらせうねらせるぬロリひょん。ぷくぷくと膣内で膨らむ怒張だが、なかなかどうして、耐える。
幼い二人の結合部からは、くちゅくちゅと卑猥で淫猥な水音が泡立つ。しかし激しくとも、二人の体躯では、ベッドはそれほど揺れない。
それでも濃密に渦巻き放散される淫気は、たかが人間の大人のものよりも、その密度と質は比べ物にはならなかった。こんなものが近くで放出されれば、ムラムラして倦怠期どころではない。
「くぅうっ、ゆらちゃん……ッ」
「おぉ」
ゆらの唇が歓喜にほころんだ。されるばかりのはずの啓介が、自身の太腿を掴んだのだ。そして彼は自分からも腰を動かし出す。
「んふ、やっぱり男の子やねぇ。それに、ウチが選んだ旦那さまぁ……」
声だけで爛れさせられるような濃艶な響きに、啓介は腰を突き上げる。
相手がぬロリひょんでも負けたくないと言う男の子の矜持に突き上げられ、ゆらの白い頬は徐々に上気して来た。
「あぁ、ウチ、イかせられてまうかも……。んぁあ……。けーくぅん……」
キセルを消し、両手を彼の上に置いて、ゆらは眉をひそめ、眦を蕩けさせて腰をゆすぶった。くちょくちょと絡み合う隠微な水音は、さらに濃密な淫気を放つ。
「やぁんぅ……すてきやわぁ……」
瞳の奥にハートマークが見えるまでに昂ぶった彼女は、上体を倒し、唇を重ねてきた。啓介も求められるがままに応え、彼女の未発達の腰を捕まえると、幼くとも雄々しい肉棒を振り立てた。
「あはぁ、ええ、ええよぉ……。あぁああ……」
しとやかでも感極まった嬌声が流れる。ぱちゅぱちゅと奥までハマりこみ、子宮を打つ快楽の電撃に、ゆらは幼い体躯をふるわせた。しかし自分も膝を立てて、尻を振りたくっている。
啓介の射精欲が、まるで活火山のようにふくらむ。
「んはぁ、イいきそうなんやな、けーくん、ウチのおまんこで、イきそうなんやなぁ……ッ」
「うんっ、僕、このまま」
「ええでぇ、ほな、いっしょにイこかぁ。夜にでっかい白い太陽、咲かせてみよかぁ。ンッ、あぁあああああッ!」
ひときわ甲高い嬌声が上がったと思えば、啓介は同時に射精していた。びゅくびゅくとペニスが脈打ち、幼くとも立派な魔物の娘の胎内に自分を刻み込んだ。
「うぁあああああッ!」
幼い雄の吠え声に幼女は背を逸らして仰け反り、オルガスムスの官能に自身もまたあられもない声で吠えていた。
荒い息を吐く少年に、彼女はすりつき、唇を啜った。
彼女は少年の口を堪能し、唇をぐぃ、とぬぐった。
絶頂の昂ぶりに、彼女の幼い胸元には凄艶な牡丹の彫り物が浮いていた。
「けーくん、ウチ、もう今日はがまんできひん。もっと、もっとしよやぁ。こんどは後ろからついてぇ……。けーくんはもういんきゅばすなんやから、ウチと一晩中まぐわっとっても、のぅぷろぶれむや」
向けられた幼いぷりケツの割れ目では、無垢な陰唇が開き、淫らな白濁混じりの汁が溢れていた。啓介は立ち上がると、かじりつくように彼女に後ろから覆い被さる。
「あぁっ、ン……。けーくん、ウチを、もっとトロトロにしてやぁ。なんせ夜はまだまだ長い。それに、あっちも、ぎょうさんはっするするやろうからなぁ」
喘ぎながらも零したそのつぶやきは、幼いながらも、ぬらりとした響きを帯びていた。
◇
ん、と幸成は奇妙な感覚で目を覚ました。
ボンヤリと焦点の定まらない瞳には、薄闇の天井裏が映った。普段と変わりのない、いや、いつからか妻と毎夜愛し合うようになった、情事の余韻の残る寝室の風景だ。
股間が妙に甘かった。
まるで蛭が這い回り、股間どころか腰回りまでジィン、と痺れてしまうかのようだった。
じゅるッ、じゅるるるるッ。
「くっ、あッ……」
絡みつき、呑まれるような快楽に、幸成は思わず仰け反ってしまった。
彼の呻きに気を良くしたように、股間に送り込まれてくる快楽はその振幅を大きくする。
「いったい、なにが……」
下を見れば、布団が膨らんでいた。人一人が埋まっているような大きさだ。
隣にいるはずの妻がいない。
じゅるるるるるるぅッ。
「おぉおおおおおッ!」
甘美な愉悦が意識を持って行く。
これは、間違いない。いや、でもしかし……。
まさに肉根に与えられる、そして奪われるような感覚に、幸成は信じられないと言う面持ちで布団に手をかけた。再び彼女と愛し合うようになっても、愛し合っていたかつての時でさえ、こんな、浅ましく快楽を貪り合うような行為はしなかった。
しかし気持ちが良い。
それにはじめてのフェラチオ。是非とも彼女が自身を咥えているさまを見たい。
期待と劣情にかられた幸成が、布団をバッと跳ね除けた。
君はこんなに淫らなことをする女だったのか。そんなに僕のものが欲しかったのかい?
甘ったるい気持ちでからかってやろうと思っていた。
しかし布団を開けた途端、
ーー青白い炎が燃え上がった。
「ーーーーッ」
幸成は瞠目した。
これはいったいどう言うことか。
たしかに股間に顔を埋め、ふしだらな表情でペニスをしゃぶり回しているのは自分の妻だ。しかしその顔は、その姿はーー。
目線を上げた彼女と、視線が絡んだ。
その濃艶な視線に、背骨にまで絡みつかれたような気がした。
自分に見つめられていると言うのに、彼女はむしろ魅せつけるように、自身の姿などよりも、幸成を味わうことの方がよっぽど重要なことだと言わんばかりに、円を描くようにして、その“若々しい”顔を激しく前後させた。
しかも縦横無尽に舌を絡ませてくる。
「おっ、おぉおおおうッ!」
幸成はあまりの快楽に、足をピィンと伸ばし、爪先まで開いて力が入ってしまう。臀筋がふるえ、シーツを握りしめた。
「か、香奈美ッ、おぉおおッ!」
「じゅッ、じゅッ、じゅるッ。ハァン、美味しいわ、あなた。ちゅっ、あなたのおちんちんって、こんなにも美味しかったのね。レロレロレロッ……」
「くぉおおおッ!」
あまりの淫らな舌遣いに、もはや呻くことしかできない。彼女は潤った唇で啄ばむようにキスをして、雁を食み、棹を食み、睾丸を優しく転がしながら裏スジを舐め上げてきた。巧みな愛撫に幸成は翻弄されてしまった。
「は、う……」
「幸成、先っぽから、エッチな汁が出ているわ。もらうわね。はムン、ちゅるちゅるちゅる……」
「くはッ」
肉先だけに口づけられ、尿道から先走りの液を吸われていく激感に、幸成は彼女の口を感じるだけしかできない。
彼女はやがてネットリと唾液に濡れた口内粘膜で、再び怒張を呑み込みはじめた。
蕩かされるような女の熱に、幸成は薄暗闇の天井が、星空に変わった気がした。
「ほぉおおおッ!」
トリップしかけた意識が彼女の吸引で引き戻された。
現実逃避している場合ではない。しかし現実に向き合えばこの快楽に耽溺させられる。
「くッ、あぁ……」
あまりにも気持ちが良い。今まで生では聞いたことのない、肉を吸う淫らな水音。彼女はワザと音を立てて、顔を振りたくっている。
こ、このまま射精したい。彼女の口内に、思う存分に精液を吐き出したい。穢してやりたい。ケダモノじみた欲望が鎌首をもたげるが、そんな、快楽に沈降していい場合でもなかった。
なにせ彼女はーー。
「か、香奈美ッ! ま、待てッ! くぅうッ! お前、その姿は、な、なんで耳が生えてるんだッ!」
言えた。快楽に耐えてよく頑張った。
だが、この状況でそれは指摘して良いものだったろうか?
それでも尋ねざるを得ない、それに、
「それに、お前、若返ってないか? うッ、うぅう……」
青白い、狐のような耳を生やした彼女の顔は、自分が彼女に出会った当初。そしてゾッコンに一目惚れした時の彼女の若々しく初々しい顔立ちに戻っていた。
だと言うのにその炎のように朧にゆれる耳はなんなのか。言うならば官能の炎。それは今彼女が放っている妖艶な色気、情欲の昂ぶりが可視化したような有様だった。
しかも彼女の背中からは……、青白い狐の尾っぽまで覗いていた。
「お、お前は香奈美かッ!?」古典的でしかも非現実な話だが、まさか狐が彼女に化けている?
そう思った時、
チョン
と軽く歯を当てられた。
ひゅんっ、と金たまが寒くなった。
「失礼ね。私があなたの最愛の妻だってこと、わからないの? こんなにも、尽くしてあげているのに。ちゅ、ちゅ……」
「うぁあ……」
恨みがましい眸(ひとみ)で見上げてきながら、尖らせた唇でキスをされた。細指が肉膚に巻きつき、ゆるゆると上下動している。幸成は呻くことしかできないが、その顔はーーしていることははじめてのことだったがーー、彼女が拗ねた時に魅せる、可愛らしい表情だった。
そんなもの、彼女が母となってから、いや、少なくともここ最近は見たことがなかった表情だ。
幸成は胸の底で若々しい情熱に火が灯るのを感じた。
「香奈美……。なんでこんな、それに、その姿は……」
「ふぅ」
「くぅうッ」
艶息を浴びせるだけで呻いた夫を満足そうに、悪戯っぽい笑みで見つめると、
「私にもよくわからないわ。ゆらちゃんが、どうしてまだ幼い子供なのに、私たちの幼い息子と結婚しているのか、ちょっと不思議に思って、二人がセックスしている部屋を覗いてしまったの」
「え?」
と、幸成は一瞬彼女の言っていることがわからなかった。
が、すぐに、
そ、そうだ。どうして……。僕らの子供は、まだ小学生だ。なのに、どうして啓介は彼女と結婚して……、それに、二人に子供ができるかもしれないと言うことを、どうして今まで不思議に思わずッ、
「くっ、うぅうッ!」
睾丸を転がされ、ねろぉお、と亀頭をまぁるく舐め回されて、幸成の思考は断絶させられた。
「ちゅっ、くちゅ……」
「はっ、うっ……」
「じゅるるるるるるぅ……」
「おぉおおおおお……」
「じゅっじゅっじゅっじゅ、ぶぱっぶぱっぶぱっ……」
「はぅううう……」
肉膚を若々しく潤った唇が激しく滑り、どう動いているのかわからない軌道で舌が絡みついてきていた。溢れ出すカウパーを吸引され、彼女は頬を窄めた下品なフェラ顔で、激しく美貌を振りたくった。
そうだ、美貌だ。
かつての若々しい顔立ちに若返っただけではなく、彼女には輝くような、いや、この場合は闇にめらめらと悩ましく燃える、青白い炎だ。艶かしい色気を火の粉のように迸らせる、官能の焔だ。自身も男も巻き込んで燃え上がる、翳りのある焔が今の彼女だった。
男を呻かせ愉しませながら、彼女自身もたまらなく昂ぶっていたらしい。
青白くゆらめく陽炎のような狐の尾が、ぶんぶんと、犬のようにふられていた。
しかし彼女は男を吸う狐だった。
幸成はたまらなく昂らせられて、溶岩のように子種が煮立ってくるのを感じた。
「くっ、あ……。だめだ、香奈美、出る、出てしまうッ!」
幸成が訴えれば、彼女はむしろ、蠱惑的に眸を三日月に歪めた。
叩きつけられた女の淫欲に、幸成が抗うことはできなかった。ずぶずぶと根元まで呑まれ、陰毛に鼻を埋めた彼女に、喉奥で締めつけられた。
「あっ! おぉおおおおおッ!」
まるで狼男の遠吠えのような雄叫びをあげて、幸成ははじめて女性の口に、愛する妻の口に欲望を吐き出した。
腰を突き上げるようにして、びゅくびゅくと肉根が脈打った。尿道を通って行く、激烈な快感を抱いた。
その暴れん棒を、無遠慮に口に白濁を吐き出して行く射精器官を、香奈美は恍惚として唇で押さえつけたまま、喉奥で受けていた。んく、んくと細く白い喉が嚥下して、幸成は仄暗い優越感に支配された。
ちゅぷり
なんと、彼女は尿道に残ったものまで丹念に吸い取り、ネットリと舐め回してからようやく男根を解放してくれた。彼女の唾液に濡れた男性器が、外気に触れてヒヤリとした。
陶然として喉を鳴らし、今しがたまで男に吸いついていた赤い舌が這い出したと思うと、唇をなぞった。
こんなものでは我慢できない。
彼女の顔は、雄弁に語っていた。
ぼぉう、と青い白い狐の形をした炎が妖気じみてゆらめいた。
立ち上がった彼女の肢体は、薄闇の部屋に月明かりの冷たい陽炎じみて浮かび上がり、その瑞々しく若返り、そして妖艶な、妙齢の熟した色気を宿していた。
しなやかな足にはむっちりと肉が乗り、遡れば股間の翳りが、炎で淡い陰影を浮かび上がらせる。括れた腰、ほどよい肉づきの腹部、青く色づいて艶かしく濡れている。なめらかに滑り上がれば、大きく膨らんだ乳房が描く、月輪(がちりん)のような輪郭が、ゾッとするほどに淫ら。そう感じるのは、淫熱を蓄え、その先でぷっくりと膨らむ、薄桃色の椿の花芽もその理由だろう。
鎖骨から、線の細いうなじ、まるで十代の少女と言っても過言ではない若々しく可憐な顔立ち。しかしその表情は淫らな表情で彩られ、頭の青白い狐耳(それは透けている)、燃える尾っぽ、凄まじいまでの艶で、彼女の肢体は燃え上がっていた。
そんな妻の姿を目の当たりにして、幸成は恐怖ではなく劣情を抱いた。
股間は雄々しく屹立して、凄艶な艶姿から目が離せなくなっていた。
「幸成、私と、シたい?」
「シたい。香奈美、君を抱きたい」
「嬉しい。私も……。あなたに抱いて欲しい」
そろそろと鬼火がゆらめくように近づき、上体を起こした肩に手をかけながら、彼女はゆっくりと焦らすようにしゃがみ込んで来た。和式便所にしゃがみ込むように徐々に広がる太ももに、割れ目からつつぅーーと、そそり立つ怒張に華蜜が溢れた。
「うぅッ」
昂ぶりに昂ぶった魔性の蜜液は、鈴口から這入り込み、肉棒を膨れあがらせた。
幸成は彼女がなんであろうともうなんだって良かった。濡れそぼった果肉を貫き、思う存分に貪り、彼女と交じり合いたかった。
息子のことだって……。
くちゅくちゅと、肉先に淫靡なぬめりを感じた。
「はっ、お……」
自身の欲液と彼女の蜜液。爛れるようなとともに混じり合う淫液が、肉根を伝い睾丸までをべとべとに濡らした。
蠢く女唇を感じた。ザラつく陰毛にも、彼女は彼のエキスを塗りこむように腰を揺すった。
「焦らさないでくれ。はやく、君の中に入りたいんだ」
まるで少年のような彼の懇願に、香奈美はウットリと微笑んだ。
「そんなに我慢できないのね?」
「ああ」幸成は腰をジリジリとゆすってしまう。
「あぁん、いいわ。でも私、狐憑きになってしまったけれども、それでもいいの?」
「いいにッ、決まってるッ! は、はやく。もう爆発しそうだ。君がなんだって、なんになったって、君は僕の愛しい妻だッ」
狂おしいまでの熱情に急かされて、幸成は叫んだ。若返った彼女に、幸成の方も、少年時代の、否、それ以上の性欲の昂ぶりを覚えていた。彼女の妖気に障(あ)てられたのだ。それとも引き出された?
狐憑きなどと言うものがなんなのかはわからない。見たままなのだろう。そんな彼女と交わればどうなってしまうのだろう。そんな恐怖は微塵も存在しなかった。なぜだかはわからないが、その、彼女を包む暗くもなやましく暖かな炎に触れていれば、彼女が自分を傷つけるわけがない。ただ、狂おしく淫らに乱れたいのだと言うことだけがわかった。
そんな牝を前にして、抱く以外のことを、愛しく犯すこと以外を考える必要性など皆無だ。
幸成の眼は赤く血走ってすらいた。
「嬉しい。あなた、そんなに私を求めてくれたこと、ここ最近はなかったのに……。私、寂しかったみたい」
「香奈美……」
少々の憂愁がスパイスとなった時、彼女はそのまま腰を降ろしてきた。
「おぉおおおッ!」
「あなたッ、あぁあッ!」
二枚のぬらつく陰唇を剛直が大きく押し広げ、熱く熟れた果肉に包まれ切った時、押し当たった膣奥で、幸成はそのまま果ててしまった。
こんな、はじめてするような……、しかも、これは今日一回目ではない。それに、たった今も射精(ダ)したばっかりだ。
信じられない。
しかも、びゅくびゅくと彼女に膣内射精(ナカダシ)すれば、子宮口が鈴口にむちゅっと吸いつき、子宮まで吸い上げてきているようだった。迸る快感に、幸成はただ呻いてしまった。
「あぁああンッ。幸成の熱いのが、私の中に……」
彼女はわななき、背に回した腕に力を込めながら、随喜によがっていた。むにゅむにゅと豊満で瑞々しい果肉が胸板で潰れていた。先っぽのしこりもたまらない。くねつき喘ぐ女体に、幸成の方も腰をゆすり、びゅくびゅくと暴れ、彼女の中に注ぎ入って行く自分自身の熱を感じていた。
「ごめん、すぐに出してしまった。それに、ナカに……」
「いいえ、いいの。そんなに私で昂奮してくれただなんて……」
トロンと媚びを含んだ目つきでも、愛おしく慈しむような視線には、なんども肌を重ねているはずの自分の妻でも、目を合わせていられなかった。
「幸成、照れているの? 可愛い」
「…………」
可愛いなどと言われるのは男として心外だった。しかし振りほどけない、振り払いたくないこの快美な甘さはなんだろうか。
妻は笑った。美しく艶やかな貌(かお)で。
「大丈夫。あなたは逞しくてかっこいいわ。だって、まだ私のナカでこんなにも……」
「うぉッ」
彼女が腰を回せば、膣襞がぞりぞりと肉膚を擦り上げた。
それでようやく幸成は、自身がまだ萎えていないことを知った。
自分と彼女の蜜液で潤い切った女陰からは、泡立った白濁が滲み出ていた。
「もっと、しましょう? いっぱい、いっぱい私のナカで出して? 私を妊娠させるくらいに。私、またあなたの赤ちゃんが、欲しい……」
ーー孕みたい。
と言う直截的な懇願に、幸成は雄々しく雄叫びをあげると、パツンと張った彼女のヒップに指を食い込ませた。
「きゃっ。あぁん……」
驚いた声をあげても、彼女はすぐに自分からも腰をうねらせ、腹を波打たせ出した。
結合部から響き出す、くちゅくちゅと言う淫らな水音が、狐憑きの青白い狐の幻影を燃え立たせ、薄闇の室内で艶やかに咲き誇る。
これで枯れても構わない。枯れ尽くして死んでも構わない。
そんな覚悟と衝動で、幸成は腰を動かした。
「あぁん、はぁッ! 素敵ぃ……」
枯れることなく、燃え尽きることのない情欲の炎が、マンションのカーテン、夜の帳をしめやかにゆらす。
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「うふ、むこうはんもあんじょう、楽しくヤっとるようやなぁ。かか様、稲荷になれるかなぁ? ぬらりひょんの義母(かか)様になるんなら、そうでもないと、箔がつかへんもんなぁ。やけど、なれへんでも、かか様をばかにするやつは、ウチ、ゆるさへん。……ふふっ。あぁ……」
子供部屋のベッドの上に、幼くとも二匹のケダモノが、交尾をしていた。
ぷにぷにと形容することが正しい幼女の白い肢体が、上体を伏せ、丸っこい尻をつぃんと突き上げて、後ろから幼い少年に齧りつかれていた。
膝立ちの尻の割れ目には幼くともカチカチにボッキしたペニスがはまり込み、無垢な陰唇を押し広げ、想いの限り前後していた。
「あぁん、ええわぁ。けーくん、もっとぉ……。が〜んばれ、が〜んばれ。もっとぉ、い〜っぱいウチのナカにぴゅっぴゅして、とと様よりも早う、ウチを孕ませてなぁ……。きょうそうや。あぁン……」
クスクスと、無邪気でもしめやかな笑い声は、濃艶な妖気と化して部屋を満ち満ちとし、彼女に抽送する少年の体をずぶずぶと蕩かすように取り巻いていた。
ぴくんぴくんと幼い陰茎が膣内(ナカ)で跳ねるたび、彼女はにゃぁん、とメス猫じみた嬌声をあげる。
シーツに押しつけ半分ほど隠れた貌は、眸が三日月を描き、口元が爛れるくらいに蕩け、涎を垂らしていた。
「あぁんぅうッ」
ひときわ強く肉根を叩き込まれ、彼女はおとがいを逸らして仰け反った。全身を迸る快楽に幼い肢体をふるふるとふるわせ、しかし眉を八の字に、眦を垂らしたその貌は、幼女ではなく、妖女のものだった。
「あッ、ふ……」
男の腰つきに波打つようにくねれば、よだれが溢れた。ピンピンの勃起ペニスはすでに彼女の弱いところ、好きなところを知っている。掬い上げ、擦り下げ、膣奥を叩いて円を描くようにして彼女を愉しませる。
「さすがはぬらりひょんの、ウチの旦那さまやわぁ……」
ふわぁ、と恍惚と浮かび上がってしまいそうな面持ちで彼女は言った。そして、ぷくぷくと膣内で膨らんで来た彼の怒張を感じる。はやく欲しいと、肉づきの薄い尻をぷりぷりと振って、後ろの彼にぶつけながら膣を締めた。
「くっ、ゆらちゃん、すごいっ」
「ふふ、ええやろ。けーくん、ウチのおまんこに首ったけや。首は、どこの首やろな?」
舐め回すような膣肉の蠢きを雁首に味合わせた。
「うぅッ、くッ」
甘美な愉悦に啓介は小さな睾丸に納まっているとは信じられない精液滾りを感じた。
このまま情欲のままに解き放ちたい。しかしまだまだ余裕がある彼女をもっとよがらせてはやりたい。
男の子の矜持が、後ろから幼い股間に手を伸ばさせた。そして快楽勃起を見つけ出したのだ。
「ひゃぁん! けーくん、あかんわ。そこはぁ……。もっときもちよくなってまうぅ……」
啓介は小さな小さな、しかして淫欲を蓄えてぷっくりと膨れ上がったそいつを捕まえた。そいつを親指と人差し指の腹で挟み、くりくりくりっと、少々強めに、押しつぶすようにして刺激してやる。ぬらりひょんの彼女には、それくらいヤってやった方がいい。
だが、媚肉の蠢き、襞肉の締まり。それは苛烈さを増す。
「あぁん。はッ、けーくん、けーくんッ、うちぃ、こんなん……。あぁあッ」
可愛らしい媚び音が甲高くなり、シロツメクサの身悶えのようにふるふると可憐に、淫らにふるえた。ぷしゅりぷしゅりと溢れ出す蜜液が、二人の太ももを濡らした。啓介は彼女に覆い被さり、幼い肢体に密着し、陰核を転がし、ぷっちりとした乳首をつまみ上げながら腰を回した。
ぱちゅりぱちゅりと言う蜜音に、ピンピンのおちんちんが昂ぶって行く。
「ゆらちゃんッ! イって。ゆらちゃんがイくときにいっしょに出すからッ」
くちゅっ、くちゅっ、ぱちゅっ、ぱちゅっ。
「はぁあんン……。男らしいすぅ……。あんッ、ダメ、ウチ、もッ、イきそッ、ンッ、あぁあああッ!」
ひときわ高く幼女が啼いたと思えば、膣がぎゅぅうんっ、と凶悪なうねりと締めつけを魅せた。
「あっ、あぁあああああッ」
カクン、カクンと痙攣する幼女のナカに啓介はともに果て、射精していた。
「出てるぅ、ウチのナカ、けーくんに真っ白にされてるぅ。きもち、ええわぁ……」
絶頂の余韻を堪能しながら、幼女が腰をくねらせ精を余すことなく吸い上げようとしていた。
はぁあ、と二人とも息を吐き、しかしピンピンに勃起した子供ペニスで繋がったまま、啓介は後ろから彼女を抱きしめてベッドに横になった。
ゆらちゃん。
自分の嫁
いつから家にいるのかもわからないぬロリひょんな嫁。彼女と交わり続けて、自分はいんきゅばすと言うものになったらしい。
気がついたときには驚いたが、しかしそんなことがどうでも良くなるくらいに彼女にメロメロに惚れ込んでいた。それに両親とも彼女のことを認め、しかも、母親の愚痴を聞きながら朝ごはんも夕ごはんも、二人だけで取っていたときが嘘に思えるほど、両親の仲も良くなった。
しかも二人とも元気に、しかも若返っているような気さえする。
ーー二人がもっと仲良くなるよう、狐さん、つけてまおなぁ。なぁに、あんじょう、やりよるよって。
と三日月の眸(ひとみ)で言うゆらの言葉に了承した。
彼女の火のない煙管(キセル)には、なにやらおかしなものが潜んでいるらしい。
そして彼女は先ほど母親の香奈美に“それ”を憑けたのだと言う。
「二人とも、仲ようなって、けーくんに妹ができるかもしれへんなぁ」
残念ながら弟の可能性はないらしい。
「さぁて、妹はんはけーくんととと様、どっちを好きになるんやろなぁ。ま、それ以外もあるやろけど。その前に、」
と彼女は二マリと首を傾けて啓介を流し見る。幼女でも、妖怪総大将ぬらりひょんの婀娜っぽい流し目だ。濃艶な妖気に当てられて、彼女の中にでペニスが大きく膨らむ。
「うぅん、ええわぁ……。とと様もあのかか様の調子なら、いんきゅばすになるんもずいぶんはやそうやからなぁ……。妹はんよりも先に、ウチにけーくんの子種、植えつけてぇな」
すり、すり、と肉棒の咥え込んだ幼いプリケツを擦りつけてくる。
「うん、いいよ。僕、頑張る」
「うふ、その調子や。かか様よりも先に、ウチを先に孕ませてぇ……。お腹、けーくんでちゃぷちゃぷしとるけど、まだ足りひん。もっと、もっとぉ……」
くちゅくちゅと、秘めやかな睦音(むつおと)が波紋となって、妖気満ちる子供部屋をたゆたせる。闇は、深まる。疫病(えやみ)につかれたがごとくに女妖につかれた父子、どちらが先に新しい女妖を生ませることになるのか。
それはさすがのぬロリひょんな嫁でも、ーー知らない。
18/10/01 00:02更新 / ルピナス