かまいたちの災難
ひゅうひゅうと風が吹いていました。
これは……、死ぬのにいい日です!
……ではありませんでした。
コホン、殿方を押し倒すのに絶好の日和です!
私は意中の疾風(はやて)くんを転ばせるべく、彼が来るはずの通学路で待っていました。私は、何を隠そうかまいたちです。かまちたち三姉妹の長女・嵐。人呼んで、力の嵐です。私の風は圧が強いことに定評があるのです。エヘン。
それで彼を転ばせて、まずはお友達から始めるのです!
……え? かまいたちだったらすっ転ばせてそのままのしかかって即・雄・犯! ですって!?
な、ななななな、何を言っているのですか!
そそそそそ、そんなふしだらな事!
武士の血を引く東風堂の娘がそんな破廉恥な事をすぐに出来るわけないではないですか……いえ、もちろん出来るのならしたいですよ、でもでも、そんな事はいくら魔物娘と言えども恥ずかしくて……、って、あーッ!
……疾風くんです。
よよよ、良しッ!
と、私は意を決します。彼にお友達になってもらうために、そうしていずれは夫になっていただくために……、良しッ、頑張るんですよ、嵐!
空に浮かんだ三人のお母様たちに私は微笑み返します(注:お母様たちはちゃんと生きています)。
さて、私は電柱の陰に隠れて、彼が通り過ぎ……、その後から彼の背中に照準を合わせて風を放とうとします。
照準を合わせて指パッチン、照準を合わせて指パッチン。
私は友人から聞いた心を落ち着けるおまじないを唱えつつ、彼の背中を狙います。
え、それはむしろ逆効果なおまじない?
あはは、そんな事あるわけないじゃないですか。だって、教えてくれたのはバフォちゃんですよ。
良しッ、今ですッ!
私は力一杯指パッチンをします。
ビベシィン!
「あっ、しまっ、強すぎ……、きゃああああああ!」
私の風は勢い余って私を吹き飛ばしました。
「あいててて……」
私は尻餅をついてしまいました。
「だ、大丈夫?」
「は、はい、って疾風くん!?」
「うん、君は……、嵐さんだよね」
はぅっ!
心臓が口から飛び出そうになるというのはこういう事を言うのですね。
彼に名前を覚えてもらえていた、名前を呼んでももらえた。私、もうここで死んでもいいかもしれません。
しかし、感動に打ち震えている私の前で、彼はどうしてか気まずそうに目をそらします。一体どうしたのでしょうか……。
まさか!
彼は私を見てドキドキしてくれているという事でしょうか!?
それなら嬉しすぎます!
と、私が胸を高鳴らせていると、
「えっと……、嵐さん、その……、見えて……」
疾風くんはそう言いました。
見えてって、何が……、と私は気がつきます。私が恐る恐る視線を下げると、スカートの中身があらわになっていました。武家の娘は黙って白パン。
見せてんのよ、なんて言えるはずもなく……。
「いやぁあああ!」
「ご、ごめん! 見るつもりはなかったんだけど……」
謝ってくれる疾風くんには目もくれず、私は顔を真っ赤にして走り出します。
「手篭めにされたぁあああ! お嫁に行けませーん、責任とって夫になってくださーい!」
「ちょっ嵐さん!? 何人聞きの悪い事を言って、というか最後なんて言いました!? よっ、喜んで!?」
後ろで疾風くんが何か言っているようですが、私の耳に届くはずがありません。
力の長女は見事玉砕して、彼から逃げていくのでした。
◆
「はっはっは、情けないですね姉上」
「ちょっとつむじ、そういう言い方は酷いのじゃないかしら」
「はっはっは、すみません。はっ、やっ、とぉ!」
私は庭で木刀の素振りをする次女のつむじに今日の出来事を話していました。彼女は剣術家で、日頃の鍛錬に余念がありません。私が力の長女だとするならば、彼女は速さの次女。
今宵も彼女の剣跡は、夜風を冴え冴えと切り裂きます。
ちなみに私がたしなむのは合気道で……。相手に気を合わせて柔よく剛を制す。だと言うのに力の長女を名乗るとは、私が未熟な証拠でもあります。
頬を膨らませて私が彼女を見ていると、つむじはスラリとした流し目を寄越してきます。艶やかな黒髪を後ろ頭で結び、背中の半ばまで垂れています。顔立ちは凛々しく背も高く、まさしく女SAMURAI。女の私でも惚れ惚れとしてしまうほどです。そのおっぱいはサラシで潰していますが、ハリのある良いものをお持ちです。
ちなみに私はタレ気味の目に、自分で言うのもなんですが、柔和なタイプの美人です。前髪ぱっつんの黒髪ロング。胸の大きさは力の長女として負けてはいません。柔らかいですが、圧はナニするに十分です。
「しかし姉上も悪いのでは? かまいたちたる者、意中の男が出来たら三姉妹全員で事に当たるべし、その事には情の字が上につくわけですが……、ッは!」
彼女の気合のこもった一振りに、玉の汗が弾けます。
「確かにそうですが……」
と、私は口ごもってしまいます。それはかまいたちの家に伝わる家訓。
力のあるものがすっ転ばせ、鋭さのあるものが服を切り裂く、そして、器用なものが薬を塗り込む。そうして男をモノにせよ、と。
そんな事は私も分かっています。でも……、と私はつむじの凛々しい姿を見ます。
「どうかしましたか姉上?」
つむじは格好よく笑いかけてきます。女の私でも惚れ惚れとしてしまう笑顔です。……だからです。疾風くんが私よりも彼女になびかないかと心配になってしまうのです。
「確か、疾風という名前でしたね」
という彼女の言葉に、私はビックリしてイタチの尻尾と耳が出てしまいます。私は慌てて頭とお尻を抑えます。武家の娘たるもの、家の中でも己を律するため、耳と尻尾は隠さなくてはなりません。
そんな私につむじはやはり爽やかに笑いかけてきます。
「何を驚いているのですか、私たちはかまいたち。姉上が好きになる殿方であれば、妹である私も、凩(こがらし)も好きになるに決まっていますでしょう。そもそも、彼を見ていたのは姉上だけではありません」
「つむじ……」
私はつむじの切れ長の瞳に宿った、つむじ風のように激しい決意を見てとりました。
「私も彼を見ていたのです。折を見て姉上と凩にも伝えようと思っておりました。しかし姉上が抜け駆けしようとするとは……」
「…………ごめんなさい」
「いいえ、咎めているわけではありません」と、つむじは首を振ります。
しかし、私は彼女の瞳を見て、彼女が何を言おうとしているかを察し、サァッと血の気が引きます。
「だ、ダメです……つむじ……」
「いいえ、ダメではありません。先に抜け駆けしたのは姉上、それなら私にもこれで大義名分が出来ます。私が一人で彼にあたっくする、という」
あ、あ……、そんな……、私にはこうなったつむじを止める術はありません。
疾風くん、お願い、つむじだけを選んだりしないで……。
「やっ、はっ、とぉッ!」
薄ら笑いのように傾く三日月の下、決意を込めた瞳で木刀を振る私の妹。私はかまいたちの姉にあるまじき願いを、心のうちに抱く事になってしまったのでした……。
◆
「くっ、犯せ……」
は、はわわわわわわ……。ど、どうしてこうなったのでしょうか。
私の目には、制服がズタズタに裂けて、白パンツにさらし姿というあられもない姿のつむじと、その前に顔を真っ赤にして立ち尽くす疾風くんの姿が映っていました。つむじは今にもさらしから溢れてきそうなお乳を右手で抱え(……良しッ、ギリギリで私の勝ちです!)、左手でパンツを隠すというあざと……、ゲフン、破廉恥な格好をしています。
……今起こった事をありのままにお話しいたします。
疾風くんに告白しようとして彼の通学路で待ち伏せていたつむじが、やって来た彼の前に立ちはだかり、
「やあやあ遠からん者は音に聞け、近くば寄って目にも見よ、我こそは東風堂家の次女つむじ也。疾風殿に交際を申し込むためにここに見参した。いざ、尋常に勝負ッ!」
と言って駆け出したのです。
姉の私が言うのもなんですが、ズレた妹でした。こんな子ではなかったはずなのに、と私は戦慄と驚愕を覚えたのですが……、やはり、彼女もトチ狂うほどに緊張していたようでした。
木刀を掲げて飛びかかった彼女の風が暴発し、疾風くんではなく、自分の服を切り裂いたのでした。カラァンと落ちる木刀の音に、「見事……」と言って膝をついたつむじ。
その前で何が起こったのか分からない疾風くんは、顔を真っ赤にさせるだけなのでした。
……おわり。
って、白目を剥いてワナワナしていた私ですが、一気に黒目に戻る事になりました。
なんと、疾風くんが上着を脱ぎ始めたではありませんか。学ランの下の白シャツからは彼のタンクトップが透けて見えて……、すごく捗ります。ナニが、とは言いませんが……。
って、え?
なんで疾風くん脱いだのですか……?
ま、まさかここで!?
まさかここで、このままつむじを犯すつもりなのですか……!?
確かにつむじは「くっ、犯せ……」なんて、魔物娘が言ってみたい今週のセリフベスト3を吐いたわけですが……(なんて羨ましい)、……ハッ、「彼女を犯すなら代わりに私を犯しなさいッ!」という今週の魔物娘が言ってみたいセリフベスト2を言うチャンス!
と、思った私は自分の浅ましさに自己嫌悪に陥る事になるのでした。
「これ、使ってよ」
彼はそう言うと、つむじから目をそらしつつ、自分の学ランを掛けてあげたのです。
ぐはぁ……ッ、いいな〜、つむじ、いいな〜、そんな、トゥンク、って音が聞こえて来そうなくらいの乙女な顔の妹を見る事になろうとは、私は思ってはいませんでした。
「疾風……、さま」
あ、あ、あ、あ、つむじ、さま付けしながら今さりげなく学ランの匂い嗅ぎましたね!?
私だって疾風くんの香りをクンカクンカしたひ……。
じゃなくて!
私はハッと気がつきます。うら若き乙女のつむじを、ほぼ裸学ランの状態で往来に置いておくことなど出来ますでしょうか、いや、出来はしません(反語)。
私は力の長女の名に恥じないよう、速さの次女であるつむじを担ぎ上げます。そうして急いでその場を後にします。
ですから……、
「嵐さん……、もしかして彼女、君の妹なのかな、さっき交際がどうとか言ってたけど、僕は君の事が……、いや、妹さんの気持ちは嬉しいよ。出来るなら妹さんとも付き合いたいけど……いやいやいや、そんな男として最低な事思ってなんかいなくて……でも、選ばないといけないと言うのなら……。というか、どうして僕はこんな事を考えて……」
という疾風くんの言葉は、残念な私には届かないのでした。
◆
「姉上、溺れると書いて恋すると読むのですね。ああ、私は彼に溺れてしまいました……」
「そうですか……」
「好き、好き、愛してる! ダメです! こんな陳腐な言葉では私の思いは伝えられないッ! ああ、あなたに私は胸キュンキュン、お股はギュンギュン……、ダメですッ! っ、ぁあ……」
美貌の剣士から、疾風くんの学ランを襦袢の上から羽織る残念ポエマーになった妹を横目に、私は昨日よりも膨らんだ月を眺めます。
ああ、月よ、誰にでも平等に降り注ぐ月光よ。
あなたは彼にも降り注いでいるのでしょうか。
それなら彼を、私たちへの恋の狂気に誘い、
けだものとなった彼をここへ遣わし給え。
ああ、月よ……。
ハッ、いけません。
つむじに当てられたのか月光に当てられたのか、私もポエッちまいました。
ポエっちまった悲しみに
今日も風さえ吹きすぎる
フラれっちまった悲しみに……
って、縁起でもありません。やめやめ、いいですね。私はまだフラれっちまっていません。まだ、でもなく決してフラれなどしません。
……ハァ。
と、私たちは二人でため息をつきました。
「やはり家訓の通り、私たちは三人で行動しなくてはいけないようですね……」
「そのようです……」
お互いに互いを出し抜こうとした気恥ずかしさから私たちは目を合わせにくかったのですが、やがて「つむじ、握手をしましょう」という私の言葉に、つむじは少しポカンとしましたが、すぐに笑いかけてきました。
「はい、姉上」
私たちは固く握手をします。
「協力して疾風くんをおとしましょう。そして、私たちの夫になっていただきましょう」「ええ、私たちはかまいたち、一人の夫をみんなで、ですね」
私たちはお互いの気持ちを確認しあいます。
と、その時でした。
「姉上さまがた、ただいま戻りました。」
ああ、忘れてはならない三女の凩が帰ってきたようです。私たちはかまいたち。三位一体の魔物娘。みんなには、当然彼女も入っています。
しかし、と私とつむじは暗い視線を交わし合います。
「どうしたのですか、姉上、妙な含み笑いをしているようですが」
「それを言うならつむじだって、ふ」
「ふ」
「「うふふふふふふ」」
「どうしたのですか? 姉上さまがた、何か楽しいことでも?」
お互いに笑い合う私たちをキョトンとした顔で凩が見てきます。彼女は私たちの中で一番背が低く、ショートカットに可愛らしい顔立ちをしています。私・嵐が力の長女、つむじが速さの次女とするならば、凩は技の三女です。彼女の秘薬を用いたマッサージは、性的なものでなくとも昇天させられる見事なワザマエです。情事の際には、相手を勃ち枯れにする事間違いありません。
「いえ、ちょっと凩にも相談したいことがあって」
「ええ、そうなのです」
私たちは彼女に疾風くんの事を話します。そうして、彼女にも一度一人で彼にあたっくしてみるように勧めます。
私たちは三位一体のかまいたち。抜け駆けしようとした馬鹿な姉たちへの戒めとして、彼女にもまず一人で彼にあたっくするチャンスを与える、私たちに贖罪をさせて欲しい、と。
凩は最初は恨みがましそうな顔をしていましたが、彼女も疾風くんには好意をいだいていたらしく(やっぱり私たちはかまいたちの姉妹です)、頬を赤らめながら頷きました。
ククッ(いたちの鳴き声)、計算通りです。
この流れで行けば凩も、きっと彼の前で恥ずかしい目に合うはずです。
私たちはかまいたち。三位一体。夫を三人で共有するように、楽しい事も”恥ずかしい事も”三人で平等に分け合うべきなのです。
「姉上さまがた、私、頑張ります」
「あらあら、そんなにはしゃぐとはしたないですよ」
フンスと鼻息を荒く凩を私はたしなめます。
「え、でも先にはしたなかったのは姉上さまがた……」
「ゲフン、ゲフン」「おーっほっほっほ」
私たちは無理やり彼女をごまかします。
「姉上さまがた、キャラ変わっていませんでしょうか……」
「いいえ、そんなことはありませんのことよ、ねぇ、つむじさん」
「もちろんです、姉上さま」
「「ふふ、うふふふふ」」
そうして私たち、姉イタチ二匹は笑い合うのでした。
◆
「うぇえ……、ぶっかけられてしまいました……」
「ごッ、ごめんッ!」
私とつむじ、姉二人が見ている前で、三女の凩はやはり、ラッキーすけべられを発生させていました。ふふふふふ、彼女は薬壷を盛大にぶちまけて、頭から濡れ濡れになってしまっています。
まるでナニをぶっかけられたような有様です。
「べとべとですぅ……」
彼女のショートの髪は頬にべっとりと張り付き、粘性の液体が彼女の顔と身体を汚しています。ぬらぬらとした筋が彼女の首筋を這って胸元へ落ち、すべすべとした太ももの曲線を滑っていきます。その隙間からは奥の秘密が見えそうで見えなくて……。
あ、疾風くん、今生唾を飲みましたね。
…………モヤッ。
ハッ、私今彼女をけしかけた事を後悔してしまいました。
だってこれ、冷静になって考えてみると、私たち的にはとてもラッキーですよね。というか、それぞれがこうもラッキーすけべられるだなんて、ドジというか、かまいたちは三人で行動しなくてはならないという呪いのようにも思えてきます。
しかし、
「さて、つむじ。それではそろそろ助け舟を出しましょうか」
「そうですね。姉上」
私たち二人はやれやれだぜと言った体(てい)で、二人でうなずき合います。
ここで凩を回収して家で慰める。それで今度は三人で彼を責め……じゃありません、攻めにかかりましょう。私は決意を新たに濡れいたちを回収しに行こうとします。
って、ぇえええッ!?
私たちが出て行こうとすると、なんと疾風くんは凩を抱き上げたではないですか。
なんとけしから羨ましッ……、あれ?
よく見ると、どうしてか凩の息が荒いようでした。頬も赤く汗をかき、見るからに辛そうです。というか、ぶっちゃけ艶かしいです。
と、私は気がつきました。彼女がかぶったものが何だったか。
東風堂家の秘薬。
私たち三人の魔力を練り込んだかまいたち印の媚薬。
凩は彼の腕の中でぐったりとしつつも、何かを囁いていました。
その言葉を私とつむじのイタチ耳(イヤー)がすかさずキャッチします。
ーーすみません疾風さま……、はぁ、私、力が入らなくって……ふぅ、どうか、あなたの家で休ませてはいただけないでしょうか。はぁ……、っぅん、もしくはお城のようなお休みどころでも構いません。
「「させるかぁあああ!」」
思わず私たちは叫び出し飛び出します。
自分をお持ち帰らせようだなんて、なんてふしだなら娘でしょうか。そいつを持ち帰るのなら一緒にお姉ちゃんたちもセットでついていきます! 単品でのご注文は受け付けておりませんので悪しからずッ!
私とつむじは疾風くんめがけて走り出します。
が、
「嵐さん、つむじさん?」
ハゥッッッ!
ズギュゥウウン!
私たちは彼に名前を呼ばれ、胸を貫かれたような衝撃を受けます。きっと鏡を見れば、目の奥にハートマークが見えた事でしょう。
って、「あっ!」しまった。
私たちはその衝撃でつまづき、絡まって、そのまま凩を抱いた疾風くんに飛んで行ってしまいます。
「うわぁッ!」
「「「きゃああああああ!」」」
私たち四人は一緒になって絡まり、彼の匂いがその体温とともにダイレクトに伝わって、テンパった私は歓喜の悲鳴をあげ、その拍子に自分の力強い風を暴発させてしまいます。
「「「「わぁあああああ!」」」」
ビューン、ぎゅんぎゅんぎゅん。
私たちは絡まりあい、きりもみ回転しながら空に飛び上がってしまいました。
◆
……………。
「あいてててて……。ごめんなさい、皆さん、大丈夫ですか? ……ひゃぅん!」
問いかける私の股から、えも言われぬ快感が走りました。
もごもごと伝わってくる振動は、鋭い快楽となって、私は喘いでしまいます。まるでくぐもった息と滑った舌にもてあそばれているような……。
「ぁあうう! ぅう……、ぁ、何が……。やぁん……もっとぉ……。あぁ、でも、ダメです。これ以上されると私、もしかしたらイって、ぅうん……。ぁ、っあっあ、あっあ………」
私の股に伝わる快楽はまさに必死で、私はすぐに絶頂へと導かれてしまいます。
「ダメェっ、イきますぅううう〜〜〜〜!」
私ははしたなくも叫び声を上げ、果ててしまいました。
私の叫びは青空に吸い込まれ……、妹たちの声となって帰ってきました。
「姉上……」「姉上さま」
「「イったのでしたらそろそろ退いてあげなくては……」」
「へ?」
彼女たちの声に我に帰った私は、恐る恐る下を見ます。すると、今にも窒息しそうな疾風くんと目が合いました。
「はひゃああああ!」
私は急いでたち上がりますが、その拍子にむき出しのお乳が弾け、私のはしたないお汁で濡れ濡れになった彼の顔が目に入りました……。た、た、た……。
「え、え、へ、へぇ?」
「姉上、笑うか泣くか喜ぶか恥じるか、どれかにしておいてもらえると助かります」
「怒りを恥に変えて喜怒哀楽を一度に表現するとは……さすが大きい姉上さまです。あし●ら男爵も真っ青ではないのでしょうか」
あ●ゅら男爵を真っ青にさせたところで誰得というところですが……。
私はあまりの光景に絶句します。
疾風くんは裸で仰向けになっています。裸のまま、裸の凩を抱いています。つむじは彼の足にのしかかり、彼女の吐息に吹かれて疾風くんの雄の証が猛々しく屹立しています。つむじは顔を赤らめつつもソレから目を離せません。
そうして私は、全裸で疾風くんの上にお汁を垂らしていました。
ーー大惨事でした。破廉恥爆弾が大爆発を起こしました。
「何が……?」
混乱したままの私は、それでも手で胸と股を隠しながら疾風くんの上からどきます。
「大きい姉上さまの力の強い風が暴発して私たちを飛ばし、小さい姉上さまの鋭い風が暴発して私たちの服を切り刻んだのです……」
疾風くんに抱かれたままの凩が言います。
何というラッキースケベられコンボ……。ですが、これは素直に喜べません。だって私はまだこんな事までされる心の準備が出来ていませんでした。
私……、私は。疾風くんにありのままのアナの奥まで見られ、舐めまわされ……。
「うきゃああああ! もう私はお嫁に行けません! というか、疾風くんにもらっていただくしかありません!」
私はトチ狂って叫びます。
が、つむじと凩は私の狂態でかえって冷静になっていたようでした。
「「それで良いではありませんですか。むしろそれに何か問題でも?」」
「…………確かに」
と、私はストンと納得しました。
いえ! いえいえいえ!
「ダッ、ダメです! そんな、デートもキスも手を繋ぐ事もなく、先にオチ●ポとオマ●コを合体させてもらわれてしまうなど」
私は抗議の声をあげますが、
「「何か問題でも?」」
と、彼女たちは取り合ってくれません。
確かに、問題などまったくありませんの事で、というかこの状況で襲い掛からない事が問題ありなのでありまくりまクリスティーネで……。
ハッ、と私は気づきます。
「そうです! 疾風くんの気持ちも大切です!」そう言って私は彼を見ます。妹たち二人と絡んだままの彼を……。モヤッ……。じゃなくて!「私は……、私たちはあなたをお慕いしておりますが、急に言われても困りますよね」
私は恐る恐ると言った体(てい)で尋ねました。
ここで断れらたら、私はどうなってしまうのでしょうか……?
そんな恐怖と不安を押し殺して、彼の答えを待ちます。
しかし、私のそんな心配は、杞憂でしかありませんでした。
「僕は、嵐さんが好きです」
ハゥッ! 私は胸を貫かれた衝撃で、膝をつきます。
武、武家の娘たるもの、これしきの事で膝をついては笑われてしまいます。
私は、ぷるぷると生まれたての子鹿のようにたち上がります。しかし、「でも、」という彼の言葉に、再び膝をつきそうになります。
でも!?
でも何でしょう!?
「でも、ごめんさなさい」
グフゥッ! 妹たちよ、私の身代わりを立てるのだ。私の死は三日間は隠しておけ……。
あ、後、私の机は引き出しを開ける事なくそのまま火にくべてください。いいですね、決して開けてはなりませんよ。もし開けたのなら……、我が家であろうと末代まで祟ってやります。
「嵐さん!? ち、違うんです」血涙をこぼす勢いで再び膝をついた私に、疾風くんが慌てて付け加えます。
「僕は、あなたたち三人の事を好きになってしまったんです」
その言葉に、つむじと凩が息を飲み、私たちに向かって、何か、ヒュルルル、と風が降って来ているような気がしました。
「初めは嵐さんが好きでした。でも、何故かつむじさんと凩さんと出会ってから、彼女たちの事も好きになってしまったんです。どうしてか分かりません。彼女たちと出会ったのはつい最近で、僕がずっと見ていたのは嵐さんだけだったはずなのに……」
彼は、それを恥じているようでした。
しかし、それは恥じる事ではありませんでした。
何故なら私たちはかまいたち。異母姉妹であろうとも、私たちが姉妹として三人組を作っているからには、一人を好きになれば、三人一緒に好きになるものなのです。
きっと、私に向けていた「好き」という気持ちを、彼女たちにも”見つけた”というだけの事。私たち姉妹は一心同体なのですから。
むしろ恥じるのは、彼にそんな気持ちを抱かせていたと言うのに、自分の事ばっかり考えていた私です。彼は、私たち三人を一緒に愛してくれていたというのに、私はつむじと凩に嫉妬して……。
私は意を決して、彼に自分の耳と尻尾を晒します。晒して、私が魔物娘であり、人間ではなかった事を明らかにします。そうして、彼が会って間もないつむじと凩を、私同様に好きになった理由を語ります。
彼は目を丸くして驚いていました。それは当然の事でした。
「驚きましたか? 私の嫌いになってしまいますか?」
私は少し泣きそうになりながら彼に尋ねていました。私が彼へと踏み出せなかったのは、それも理由だったのかもしれません。
ですが、
「そんな事、あるわけない。僕は、嵐さんたちが何者でも、あなたたちが好きです」
彼ははっきりとそう言ってくれました。
「ありがとうございます」
私はヒュルヒュルと言う暖かい風を、心で感じます。
「どうしたんですか!?」
「あ、あれ……? どうしたのでしょうか」
「姉上……」「姉上さま」
私の頬を涙が伝っていました。想いが伝わった嬉しさ、魔物娘を、かまいたち三姉妹を受け入れてもらえた安堵、そうしたものが、堰を切って溢れていました。
「ダメですね、私は姉だというのに……。妹たちに呆れられてしまいます」
「そんな事はありません。尊敬する姉上です」「私も尊敬しております」
そう言うつむじと凩も、イタチの耳と尻尾を露わにしていました。
「ふつつかものですが、これからよろしくお願い致します。疾風くん」
「こちらこそよろしく、嵐さん」
「私も忘れずお願いします」「もちろんだよ、つむじさん」
「私もお願いできれば嬉しいです、疾風さま」「うん、凩さん」
私たちは、めでたく三人で疾風くんと付き合えることになりました。
「さて、これで一件落着ですね」
と、私は姉らしくまとめます。
「さぁ、皆さんで服を着ましょう」
私は彼らを急かします。いい感じの話をしていたかもしれませんが、私たちは破廉恥な格好のままだったのです。私は胸もお股もやはり隠します。
しかし、やはりというか何というか。
「は?」「え?」
という、妹イタチ二人の抗議の声が上がりました。
「何を言っているのですか姉上! この状況ではもはや交わるしかないではないですか!」
「そうです。大きい姉上さま! 何のために私が、彼が逃げ出さないようにこうやって重心を抑え込んでいると思っているのですか!」
「僕が立ち上がれないのは凩さんが押さえてたからだったの!?」
「はいもちろん。これが私の極めたジュージツ、です」
「さぁ、セックスです」
「アイェエエエ! セックス!? セックス何で!? つむじさん、それは流石にまだ早いというか……」
「受け入れてくださったのなら、交わりに早いも遅いもありませんッ!」
「凩さんもッ? 助けてください嵐さん!」
「何故か風に吹き飛ばされて落ちた場所が、とっても都合よく我が家の庭である事も、天の采配に違いありませんッ!」
「そうですッ! 何故かとっても都合よくッ! これはもう部屋にお持ち帰りするしかありません。天も疾風さまを犯せと叫んでいます!」
「あ、嵐さーん!」
「「さあ姉上「さま」ッ!!」」
妹たちと疾風くんに迫られて、私は……。
疾風くんとシたいです。ですが恥ずかしいです。
まだ心の準備が……。
私の頭はグワングワンして、心の中の風がビュルルル、ヒュルルル吹き荒れます。
ヒュルルル、
ヒュルルル。
ん?
そう言えば、先程から風は心の中で吹いていると思っていたのですが、そんな比喩的なものだけじゃなくて、物理的な音も聞こえるような……。
と、私が思った時でした。
バッシャァアアアン!
「…………」「…………」「…………」「…………嵐さん、大丈夫ですか?」
天から降ってきた、私たち秘伝の薬壷が、盛大にその中身を私にブチまけました。
そうです。私たちは三位一体のかまいたち。まだ、ラッキースケベられの三連コンボは終わっていなかったのでした。
私の風で吹き飛ばされた時、凩の薬壷は、そりゃあもう、天高く吹き上げられたようで、今になってようやく落ちてきたのです。…………私に向けて。
私の力強い風が吹き飛ばし、つむじの鋭い風が服を切り捨て、凩の薬で発情させる。
これこそが、かまいたちの真・骨・頂!
私は薬壷を、まるで鉢かづき姫のように被り、ポタポタと長い黒髪から薬をしたたらせています。黒髪は濡れた体にべったりと張り付き、自慢のおっぱいやお尻の輪郭をこれでもかと際立たせている事でしょう。いたちの尻尾もしんなりしています。
私はフラフラと彼に歩み寄り、かがみこんで彼に顔を近づけます。
「嵐さん? ……ンぐむッ!」
私は彼の唇を奪います。舌で押し入って、彼の口内で嵐のように暴れます。
「……っハァ」
唇からは銀の橋が伸びていました。
「嵐さん、今何を飲ませて……うわぁッ、熱い、何だこれ……」
「ぉお……、流石姉上、疾風さまの肉棒がさらに猛々しく…」
つむじの恍惚(うっとり)とした声を聞きながら、私は薬壷を取り払い、頭を振ります。彼にも、つむじにも、凩にも、私の髪を濡らした、発情を導く薬が振りまかれます。
そうして私は疾風くんに満面の笑みで、魔物娘が言ってみたい今週のセリフ不動のナンバーワンを口にするのでした。
「セックスしましょう」
◆
「んむッ、チュッ、チュパ……」
僕は発情した嵐さんに問答無用で抱えられ、東風堂邸の彼女たちの寝室に連れ込まれていました。そうして本性を現した彼女たちに、群がられて、貪られています。魔物娘という事には驚いたけれども、僕が彼女たちを好きな事は変わらず、彼女たちは魅力的すぎる女の子たちです。
こんな形でなし崩しにセックスするなんて、いいのだろうかとは思ったけれど、僕も男だから……、何よりも、懇願するように彼女たちから求められてしまっては、断ることなんて出来るはずがない。
「疾風くん(さま)、私を抱いてくれないのですか?」
なんて、涙目の上目遣いで言われて仕舞えば、断れる男は男じゃないと思う。
僕は後ろから嵐さんに抱きつかれながら、口を吸われていた。嵐さんの舌は、力の嵐と言っていた通りに激しく力強くて、彼女は僕の弱いところを初めっから知っていたかのように攻めてきた。
やられっぱなしの僕が抵抗しようとしても、強引に弄ばれてしまう。
それに、背中に押し当てられた大きなおっぱいはとても柔らかくて、抵抗する気なんて、力づくで押さえ込まれてしまう。おっぱいというのは優しい包容力だと思っていたけれど、それは間違いだった。おっぱいは、男にとって凶悪な暴力でしかない。
その気持ち良さに、夢中になってしまう。
僕ばっかり気持ちよくなって悪い気がするけれども、彼女も二つのおっぱいの先にある、こりこりとした乳首をこすりつけて来ているから、きっと彼女も気持ちよくなって来ているに違いない。
と、僕の股間に鋭い快感が走る。
(つむじさん……だめ……ッ、それ以上やると出ちゃう……)
そう言いたいけれども、僕の口は嵐さんに塞がれっぱなしで、くぐもった呻き声しか上げる事が出来ない。
「ああ、ピクピクして膨らんで来ました。もう出てしまいそうなのでしょうか」
「疾風さまはこのあたりもお好きなようです」
そう言って僕の球を口に含むのは凩さんで、亀頭にキスを降らせては舌で鋭く弱いところを攻めてくるつむじさん。僕のチンポは二人にいじめられて、もういつ爆発してもおかしくはなかった。
「はぁん、ム。……ん、ちゅ、じゅず、」
「ん”ん〜〜ッ」
つむじさんの暖かく濡れそぼった口内に包み込まれる僕の肉棒。その鋭い快感に僕は悲鳴をあげそうになるけれど、それは全部嵐さんの口の中に飲み込まれていく。
「んっ、んっ、んっ……」
つむじさんの声と一緒に、いやらしい水音が聞こえてくる。彼女のよだれは僕のペニスを伝い、それをまた凩さんが舐めていた。
二人の美少女が一心不乱に僕のペニスをしゃぶっている光景に、僕はもうたまらなくなって射精してしまう。
ドクドクと飛び散る精液が、彼女たちの顔を汚していく。
「たくさん出ましたね、疾風さま。ご立派です」
「濃くて臭いですぅ……」
つむじさんと凩さんは、ウットリとした表情で僕の白濁を舐めとっていく。二人の少女がお互いの顔についた精液舐めとっていくその様は、とても背徳的に淫靡で、僕の肉棒が再び固くならないはずがなかった。
「わぁ、さすがですね」
「ええ、まだこんなものじゃないですよね」
少女たちが濡れた瞳で僕の肉棒を見ている。
「二人ともずるいですよ」嵐さんが抗議の声をあげて、僕の精液を含んだ二人の口に顔を寄せに行った。
「そうですね、姉上にも分けてあげなくては」
「はい、姉上、三等分をしましょう」
「んむ……」
彼女たちはお互いに口を合わせて、僕の出したものを分け合っていた。
「んふふ。見てください疾風くん(さま)。あなたの出したものです」
彼女たちは嬉しそうに、口の中の僕の精液見せつけると、それを味わいながら飲み干していた。
「お」「い」「しい」
重なる少女たちの声に、僕のペニスは痛いくらいに固くなってしまう。
「疾風くん、私たちのおまんこに入れたいですか?」
「疾風さま」「疾風さま……」
彼女たちは挑発的な瞳で、僕の前で股を開く。三つの肉華が、可憐に咲いていた。
あんなに恥ずかしいと言っていた嵐さんだったけれども、今はもう別人のようになっていた。あの薬がすごいのか、それとも吹っ切れたのか……。
「三人とも、すごくエッチだよ」
「疾風くんが好きだからじゃないですか」
「「疾風さまが好きだからです」」
「「「入れてください」」」
懇願してくる彼女たちに、僕はのしかかる。
「初めは姉上からなのですね」
「大きい姉上さま、ずるいです……」
「嬉しいです疾風くん……」
僕はまず嵐さんのおまんこにちんぽを添える。
もう彼女のおまんこはぐしょぐしょに濡れていて、彼女の肉の熱さが、直接僕に伝わって来た。
「行くよ」
「はい」
彼女は今から自分に入って来ようとしている肉棒から目が離せず、僕は彼女という肉の入り口に当てがったそれを、そのまま進ませた。
「あァっ、ン……」
「ぅう……」
まだ先っぽが入ったばかりだったけれど、彼女の肉は僕に絡みついて来た。そのまま腰を押し込めば、肉をかき分ける感触が伝わって、何かを破った感触がした。
「ぅあ……ぁ、あ……」
ギュウウ、と彼女の肉が僕を力強く包み込んで来て、それはまるで食べられているかのようだった。その暴力的な快楽に、出したばかりだというのに、僕はすぐに果ててしまいそうになる。
「ダメです、嵐さん。そんなに締め付けたらすぐに出ちゃう」
僕は歯を食いしばって耐えて、彼女の中からすぐに出ようとする。
そんな僕を、
「ダメッ! 抜かないでくださいッ」
嵐さんは腰に足を絡みつかせてきて許してくれなかった。
僕のちんぽの先は彼女の一番奥の壁に当たっていた。
「んぅ……奥に、奥に当たってます……」
彼女は恍惚とした表情で、僕を自分の深くまで押し付けると、子宮口でグリグリとキスをしてくる。ぐにぐにと、それが別の生き物であるように蠕く彼女のナカは、まるで牛の乳搾りのように、僕の精液を搾り取ろうとしてきた。
「ぅう、うぅ……」
やっぱり歯を食いしばって耐える僕だったけれど、
「さぁ、姉上の奥で出してしまってください」
「あなたさまの胤をお授けください」
つむじさんと凩さんが、僕の球を突っついてきた。
「二人ともやめて下さい。このままじゃあ」
僕がもがいても嵐さんの締め付けを離すことなど出来なくて……。
「ああっ、出るッ」
「来て、疾風くん、疾風くんの子種を私に……」嵐さんは足だけではなくて、腕でも僕にしがみついて来た。耐えきれなくなった僕は、彼女のナカで盛大に射精してしまった。「精液来たァ……ッ」
ドクドク、ビュルビュル。
嵐さんの一番奥に、僕の白濁が容赦なく注ぎ込まれて行く。
「あったかいです。疾風くんの精液……」
嵐さんの濡れた吐息が僕の耳元で囁く。鼓膜を震わせた彼女の響きに、
「あっ、また固くなって来ました」
彼女は嬉しそうな声をあげた。
「疾風くん、突いてください。私はまだ、イっていません」
彼女は僕の下で腰をくねらせ、さらなる快楽をねだってきた。
「姉上ずるいです」「姉上さま交代して下さい」
「んふふ〜、嫌です」
「くっ、姉上の馬鹿力で剥がれない……」
「大きい姉上さま……。こうなったらイかせた隙に引き剥がすしかありません。疾風さま、お願いします」
足を絡ませ続ける嵐さんに、つむじさんと凩さんが抗議の声をあげていた。
僕のペニスは二回射精したと言うのに、むしろどんどん熱く硬くなって来ているようで、少しばかり余裕もできて、この自分をさらけ出し始めたお姉ちゃんを懲らしめてみようと思った。
「じゃあ、いくよ、嵐さん」
「ぅあん!」
僕は上半身を起こして、彼女のナカに腰を打ち付ける。彼女は可愛らしい悲鳴をあげて、喉をのけぞらせた。その拍子に、彼女の大きなおっぱいが弾む。
「ほう」「あら」というつむじさん、凩さんの感嘆の声。
「疾風くん、もっとくださいィ……」
「じゃあ、遠慮なくいきますよ」
僕はそう言うと、容赦なく彼女に注挿を始める。
「ぁっ、あっ、アッ、あ……」
ゴリゴリと彼女の子宮口に乱暴に打ち付けいるうちに、彼女の声が変わるところに気がついた。
「もしかして嵐さん、ここ弱いの?」
「はい、……そこ、気持ちよくて、頭がふわって……ァンッ!」
見つけた彼女の弱い部分を、カリが引っかかるように刺激して行く。
「ぅ、ウッ……、ァン、ふわぁあッ!」
徐々に大きくなっていく彼女の嬌声に、僕はピストンを早く、えぐるように強めていく。彼女の弾ける乳房を捕まえて揉みしだく。片手にあまる大きなおっぱいは、ふわふわと沈み込んで、まるで搗き立てのお餅のようだった。そうしてその先っぽのぷっくり膨らんだ蕾を口に含む。
「やぁアあん! 乳首……、噛んじゃ、ダメェッ! 先っぽォ、弱いのォ!」
悶える彼女の乳首を、僕は容赦なく愛撫する。
「弱点を教えてくれたところで、姉上さま、こうしてあげましょう」
「疾風さま、姉上の乳首はおまかせ下さい」
凩さんとつむじさんが、嵐さんの乳首に何かを塗っていた。
「秘薬ッ、敏感になるゥう!」
弾む左右のおっぱいの先を、彼女たちは捕まえて吸い付いていた。僕が突き上げるたびに、嵐さんのおっぱいは彼女たちから逃れようと、激しく暴れる。
「ああ、アッ、あぁ……」
悲鳴に近い声で喘ぐ嵐さんは、そろそろ絶頂が近いようだった。そう言う僕も絶頂が近い。
「あぁ……ゥンッ、疾風くん、イくッ、イっちゃう、イっちゃいますぅううう〜〜〜〜!!」
ビュグッ、ビュグビュグッ!
彼女の中がいっそう凶悪に締め付けてきて、僕はそのまま彼女の奥に打ち出していた。熱いドロドロがペニスの先から出て、彼女の子宮の中に注ぎ込まれていくのが分かった。
「はっ、はっ、はっ……」
嵐さんから解放された僕は、仰向けになっていた。激しい虚脱感から、つむじさんと凩さんには悪いけれども、続けて彼女たちを抱くことは出来そうになかった。
僕のペニスは萎えていて……。
「んぐぅッ!」僕は凩さんに唇を奪われた。「……んぐ、ぅぐ……ぷハァッ」
何を飲ませたの、と聞こうときたところで、僕は体が熱くなるのを感じた。これは、嵐さんに飲まされたものと同じものだった。
僕のちんぽは再び熱く硬くそそりたち、爛れた瞳のつむじさんが目に入った。彼女は僕の腰に跨り、僕のペニスをまんこに押し当てていた。ぷにぷにと当たる入り口は柔らかく、僕が「待っ」というまでもなく、ズッポリと僕は彼女に咥え込まれた。
ぶちぶちと奥まで入り込んだ肉棒の感触に、
「っ、ぅう……こリぇがしぇックシュぅ……」
つむじさんはとろとろの顔をして、イってしまったようだった。
凛々しかった彼女の顔が、淫らに乱れるのを見て、
「ひぐぅッ……、おお、っきく、なっりゃぁ……」
呂律が回っていない舌で、彼女は感じイッている。
「小さい姉上さまは、感じやすかったのですね」
「や、やめにゃさい、凩。耳ひゃ…」
凩さんが、つむじさんの後ろからいたちの耳をついばんでいた。凩さんはそのままつむじさんのおっぱいを鷲掴む。彼女のボリュームのあるおっぱいは、凩さんの指が食い込みつつも形を崩さない、ハリのあるものだった。
「疾風さま、小さい姉上さまに早く注ぎ込んであげて下さい。次は私の番なのですから」
「こがらひィ、ダメェ、おっぱひの先っほ、コリコリしたら、ダメレひゅう!」
だらしなく舌を垂らして息を荒げるつむじさん。正直なところ、僕は腰を動かしたくとも動かせなかった。彼女の中は、力強く絡みつく嵐さんと違って、細かなつぶつぶがぴっちり吸いついてきて、ちょっとでも動かそうものなら、鋭く一刀両断に果てさせられそうだった。
まるで日本刀を喉元に押し当てられているような感じ。
僕はお尻に力を入れて我慢するしかない。
そんな僕の気持ちを知ってかしらずか、凩さんときたら、
「えいっ」
と。
可愛らしい声で僕の肛門に指を突っ込んできた。
「凩さぁん!?」
「前立腺とはどこでしょうか?」
「や、やめてください。グリグリ動かしたら……」
「じゃあ、小さいお姉さまのおっぱいでも吸って気を紛らわせたら良いではないですか」
「へ、ぇ? おっぱい吸ってくれりゅのぉ……? しゅってぇ? わらひのおっぱい、しゅってぇ」
もはや完全にキャラ崩壊を起こしたつむじさんが、体を倒して、ハリのあるおっぱいを押し付けてきた。ゴムまりのような弾力を持ったおっぱいの先にはかたくしこった可愛らしい蕾。僕がそれに吸い付くのと、凩さんが前立腺を刺激するのはほぼ同時だった。
「りゃああああ!」
「っ、ああ!」
ドプッ、ドプッ。
僕はつむじさんの中にも、大量の精液を噴射した。
「止みゃッ、止まりゃなひぃいいいい〜〜〜〜!」
僕の射精が止まった頃には、つむじさんはアヘ顔のままぐったりと横たわっていた。
自分でも怖くなるくらいの精液の量で、溢れ出した白濁が、彼女の股からこぼれていた。
「これをお飲みください。そろそろ薬も体に馴染んで来た頃だと思います。これくらいなら一度に飲んでも大丈夫だと思います」
ようやく自分の番が来た凩さんは、満面の笑みで僕に液体の入ったコップを差し出して来た。これはもちろん秘薬に違いない。トロリとした液体で、始めから一度に多く飲んではいけない薬を飲まされていたことに、今更ながら怖くなる。
僕のちんぽは、まだ薬を飲んでいないというのに固いままだった。
「半分は疾風さまが飲んでいただいて、半分は私に口移しで飲ませてください」
彼女はそんなことを笑顔で言ってくる。
「分かったよ」
僕はそう言ってまずは半分を飲む。
「それでは、」という凩さんに、僕は自分のチンポに残った薬を垂らす。
それで彼女は僕が何をしようとしているか分かったらしい。
「雄的(お素敵)です……」
彼女は四つん這いになると、
「いらしてください」
生っ白い尻を可愛らしく振る。いたちの尾がくねっていた。
僕は彼女のお尻に手を当てて、その入り口に肉棒を擦り付ける。上下に動かして、十分に薬を塗りたくっていく。
「はやくゥ……はやくください疾風さま。そんな風に焦らさないでくださいィ……」
甘えた声を出す彼女のおまんこに、僕は一気に奥まで突きいれる。
「あっ、……カ、ハァッ」
彼女は体中をビクビクと震わせた。やり過ぎたかと思ったけれども、彼女は形のいい尻を押し付けて来た。
「疾風さま疾風さま疾風さま」
「凩さんッ、凩さん……ッ」
肉がぶつかり汗が弾ける。彼女の華奢な体は解放された僕の欲望を、貪欲に受け止めていた。 白く汗ばんだ彼女の背中に舌を這わせれば、ひときわ強く膣が絞まる。姉たちに比べれば小ぶりな彼女の乳房を、後ろから鷲掴みにする。乳首を捻りあげれば、彼女は子犬のような悲鳴をあげた。
彼女は乱暴にされる方が好きなよう。
その証拠に、いたちの尻尾を引っ張れば、感極まって濁った嬌声が出る。彼女の中は、ねっとりと絡みついて、僕の肉棒を蕩かしてくるかのようだった。
「出そうだ、凩さんッ」腰を打ち付ける衝撃で、彼女の尻肉が波打っていた。
「来てください疾風さま。姉上さまたちのように、私の奥にあなたさまの子種を、胤をくださいませッ!」
懇願する彼女に、だから大丈夫だと思った。
僕はイいく直前でペニスを彼女から引き抜く。「どうしてッ。…………ンぐぅああッ!」抗議の声をあげる彼女に、後ろの穴に差し入れて黙らせる。そうしてそのまま中で容赦なく吐き出した。
「酷……あっ、ぁああああああ〜〜〜〜!」
ビュグゥ、ビュぐるルルルルゥ……。
僕のペニスを飲み込んだまま、お尻を高くあげて顔を床につけた凩さんは、小刻みに震えていた。
これはダメだったかもしれない。
ぐったりした彼女の様子に、僕は後悔し始める。
しかし、彼女の肛門は僕をより強く締め付けて来た。
「もっとォ……、もっと虐めてください。私の中におしっこしてもいいですからぁ……」
入れてはいけないスイッチを僕は押してしまったのかもしれなかった。
彼女はぐいぐいと僕を押して、僕は尻餅をついてしまう。彼女の細い肩が僕の胸に寄りかかり、「もっとぉ、もっとぉ」と腰をくねらせてくる。
「疾風くん、お尻に入れたいんだったら言ってくださればよかったのに」
「私も、穴という穴に入れてください……」
復活した嵐さんとつむじさんが、左右からすがりついてくる。
「ああ、でも先にオマンコの方にも注いでください」
凩さんは再び四つん這いになって、僕をねだる。その横に嵐さんとつむじさんも四つん這いになる。かまいたちの三本の尾が僕を挑発するように揺れる。
「「「私たちを、満足するまで愛してください」」」
満足する事などないだろうに、お尻を向けてねだってくるかまいたちの女の子たちを、僕は順番に犯していく。
「ふわァあん!」
嵐さんの力強い締めつけの膣に、負けないくらい力強く腰を打ち付ける。
「くっふゥん!」
つむじさんの鋭い刺激を与えてくる膣に、負けないくらい鋭く腰を打ち付ける。
「ァ、あぁッ!」
凩さんの蕩かしてくる膣に、負けないくらいねっとりと腰を打ち付ける。
三者三様の違った快楽に、僕はもう抜け出せないくらいに溺れていた。
◆
私たちは彼と交わり、布団の上に横たわっていました。私たちの股からは彼の白濁が溢れ、顔も髪も体も、余すところなくドロドロでした。激しい情事の心地よい余韻に浸っていた時、私は彼に話しかけられます。
「嵐さん、僕は、あなたたちとこうして、気付いた事があります」
「何でしょうか、疾風くん」
彼は気恥ずかしそうな、それでも何か吹っ切れたような瞳を向けていました。
「僕は、あなたたちが一緒だから好きになったんじゃありません。僕は、あなたたちそれぞれを好きになっていたみたいです。それが分かるくらいに、あなたたちとのセックスは……、それぞれに魅力的でした」
その言葉に、私は嬉しくなります。でも、嬉しくなったのはもちろん私だけではありません。
私たちは嬉しくなって、みんなで微笑みました。
しかし、そんな事を言われてしまっては……。
「凩さん(アパーム)! 秘薬(タマ)持ってきてください! 凩さん(アパーム)!」
「もちろんです大きい姉上さま! 秘薬(タマ)の貯蔵は十分です!」
「(秘薬を)使い尽くしてしまっても構わんのだろう?」
「え……? 皆さん何を言って……、う、うわぁああああ!」
私たちの情事は、まだまだこれからなのでした。
これは……、死ぬのにいい日です!
……ではありませんでした。
コホン、殿方を押し倒すのに絶好の日和です!
私は意中の疾風(はやて)くんを転ばせるべく、彼が来るはずの通学路で待っていました。私は、何を隠そうかまいたちです。かまちたち三姉妹の長女・嵐。人呼んで、力の嵐です。私の風は圧が強いことに定評があるのです。エヘン。
それで彼を転ばせて、まずはお友達から始めるのです!
……え? かまいたちだったらすっ転ばせてそのままのしかかって即・雄・犯! ですって!?
な、ななななな、何を言っているのですか!
そそそそそ、そんなふしだらな事!
武士の血を引く東風堂の娘がそんな破廉恥な事をすぐに出来るわけないではないですか……いえ、もちろん出来るのならしたいですよ、でもでも、そんな事はいくら魔物娘と言えども恥ずかしくて……、って、あーッ!
……疾風くんです。
よよよ、良しッ!
と、私は意を決します。彼にお友達になってもらうために、そうしていずれは夫になっていただくために……、良しッ、頑張るんですよ、嵐!
空に浮かんだ三人のお母様たちに私は微笑み返します(注:お母様たちはちゃんと生きています)。
さて、私は電柱の陰に隠れて、彼が通り過ぎ……、その後から彼の背中に照準を合わせて風を放とうとします。
照準を合わせて指パッチン、照準を合わせて指パッチン。
私は友人から聞いた心を落ち着けるおまじないを唱えつつ、彼の背中を狙います。
え、それはむしろ逆効果なおまじない?
あはは、そんな事あるわけないじゃないですか。だって、教えてくれたのはバフォちゃんですよ。
良しッ、今ですッ!
私は力一杯指パッチンをします。
ビベシィン!
「あっ、しまっ、強すぎ……、きゃああああああ!」
私の風は勢い余って私を吹き飛ばしました。
「あいててて……」
私は尻餅をついてしまいました。
「だ、大丈夫?」
「は、はい、って疾風くん!?」
「うん、君は……、嵐さんだよね」
はぅっ!
心臓が口から飛び出そうになるというのはこういう事を言うのですね。
彼に名前を覚えてもらえていた、名前を呼んでももらえた。私、もうここで死んでもいいかもしれません。
しかし、感動に打ち震えている私の前で、彼はどうしてか気まずそうに目をそらします。一体どうしたのでしょうか……。
まさか!
彼は私を見てドキドキしてくれているという事でしょうか!?
それなら嬉しすぎます!
と、私が胸を高鳴らせていると、
「えっと……、嵐さん、その……、見えて……」
疾風くんはそう言いました。
見えてって、何が……、と私は気がつきます。私が恐る恐る視線を下げると、スカートの中身があらわになっていました。武家の娘は黙って白パン。
見せてんのよ、なんて言えるはずもなく……。
「いやぁあああ!」
「ご、ごめん! 見るつもりはなかったんだけど……」
謝ってくれる疾風くんには目もくれず、私は顔を真っ赤にして走り出します。
「手篭めにされたぁあああ! お嫁に行けませーん、責任とって夫になってくださーい!」
「ちょっ嵐さん!? 何人聞きの悪い事を言って、というか最後なんて言いました!? よっ、喜んで!?」
後ろで疾風くんが何か言っているようですが、私の耳に届くはずがありません。
力の長女は見事玉砕して、彼から逃げていくのでした。
◆
「はっはっは、情けないですね姉上」
「ちょっとつむじ、そういう言い方は酷いのじゃないかしら」
「はっはっは、すみません。はっ、やっ、とぉ!」
私は庭で木刀の素振りをする次女のつむじに今日の出来事を話していました。彼女は剣術家で、日頃の鍛錬に余念がありません。私が力の長女だとするならば、彼女は速さの次女。
今宵も彼女の剣跡は、夜風を冴え冴えと切り裂きます。
ちなみに私がたしなむのは合気道で……。相手に気を合わせて柔よく剛を制す。だと言うのに力の長女を名乗るとは、私が未熟な証拠でもあります。
頬を膨らませて私が彼女を見ていると、つむじはスラリとした流し目を寄越してきます。艶やかな黒髪を後ろ頭で結び、背中の半ばまで垂れています。顔立ちは凛々しく背も高く、まさしく女SAMURAI。女の私でも惚れ惚れとしてしまうほどです。そのおっぱいはサラシで潰していますが、ハリのある良いものをお持ちです。
ちなみに私はタレ気味の目に、自分で言うのもなんですが、柔和なタイプの美人です。前髪ぱっつんの黒髪ロング。胸の大きさは力の長女として負けてはいません。柔らかいですが、圧はナニするに十分です。
「しかし姉上も悪いのでは? かまいたちたる者、意中の男が出来たら三姉妹全員で事に当たるべし、その事には情の字が上につくわけですが……、ッは!」
彼女の気合のこもった一振りに、玉の汗が弾けます。
「確かにそうですが……」
と、私は口ごもってしまいます。それはかまいたちの家に伝わる家訓。
力のあるものがすっ転ばせ、鋭さのあるものが服を切り裂く、そして、器用なものが薬を塗り込む。そうして男をモノにせよ、と。
そんな事は私も分かっています。でも……、と私はつむじの凛々しい姿を見ます。
「どうかしましたか姉上?」
つむじは格好よく笑いかけてきます。女の私でも惚れ惚れとしてしまう笑顔です。……だからです。疾風くんが私よりも彼女になびかないかと心配になってしまうのです。
「確か、疾風という名前でしたね」
という彼女の言葉に、私はビックリしてイタチの尻尾と耳が出てしまいます。私は慌てて頭とお尻を抑えます。武家の娘たるもの、家の中でも己を律するため、耳と尻尾は隠さなくてはなりません。
そんな私につむじはやはり爽やかに笑いかけてきます。
「何を驚いているのですか、私たちはかまいたち。姉上が好きになる殿方であれば、妹である私も、凩(こがらし)も好きになるに決まっていますでしょう。そもそも、彼を見ていたのは姉上だけではありません」
「つむじ……」
私はつむじの切れ長の瞳に宿った、つむじ風のように激しい決意を見てとりました。
「私も彼を見ていたのです。折を見て姉上と凩にも伝えようと思っておりました。しかし姉上が抜け駆けしようとするとは……」
「…………ごめんなさい」
「いいえ、咎めているわけではありません」と、つむじは首を振ります。
しかし、私は彼女の瞳を見て、彼女が何を言おうとしているかを察し、サァッと血の気が引きます。
「だ、ダメです……つむじ……」
「いいえ、ダメではありません。先に抜け駆けしたのは姉上、それなら私にもこれで大義名分が出来ます。私が一人で彼にあたっくする、という」
あ、あ……、そんな……、私にはこうなったつむじを止める術はありません。
疾風くん、お願い、つむじだけを選んだりしないで……。
「やっ、はっ、とぉッ!」
薄ら笑いのように傾く三日月の下、決意を込めた瞳で木刀を振る私の妹。私はかまいたちの姉にあるまじき願いを、心のうちに抱く事になってしまったのでした……。
◆
「くっ、犯せ……」
は、はわわわわわわ……。ど、どうしてこうなったのでしょうか。
私の目には、制服がズタズタに裂けて、白パンツにさらし姿というあられもない姿のつむじと、その前に顔を真っ赤にして立ち尽くす疾風くんの姿が映っていました。つむじは今にもさらしから溢れてきそうなお乳を右手で抱え(……良しッ、ギリギリで私の勝ちです!)、左手でパンツを隠すというあざと……、ゲフン、破廉恥な格好をしています。
……今起こった事をありのままにお話しいたします。
疾風くんに告白しようとして彼の通学路で待ち伏せていたつむじが、やって来た彼の前に立ちはだかり、
「やあやあ遠からん者は音に聞け、近くば寄って目にも見よ、我こそは東風堂家の次女つむじ也。疾風殿に交際を申し込むためにここに見参した。いざ、尋常に勝負ッ!」
と言って駆け出したのです。
姉の私が言うのもなんですが、ズレた妹でした。こんな子ではなかったはずなのに、と私は戦慄と驚愕を覚えたのですが……、やはり、彼女もトチ狂うほどに緊張していたようでした。
木刀を掲げて飛びかかった彼女の風が暴発し、疾風くんではなく、自分の服を切り裂いたのでした。カラァンと落ちる木刀の音に、「見事……」と言って膝をついたつむじ。
その前で何が起こったのか分からない疾風くんは、顔を真っ赤にさせるだけなのでした。
……おわり。
って、白目を剥いてワナワナしていた私ですが、一気に黒目に戻る事になりました。
なんと、疾風くんが上着を脱ぎ始めたではありませんか。学ランの下の白シャツからは彼のタンクトップが透けて見えて……、すごく捗ります。ナニが、とは言いませんが……。
って、え?
なんで疾風くん脱いだのですか……?
ま、まさかここで!?
まさかここで、このままつむじを犯すつもりなのですか……!?
確かにつむじは「くっ、犯せ……」なんて、魔物娘が言ってみたい今週のセリフベスト3を吐いたわけですが……(なんて羨ましい)、……ハッ、「彼女を犯すなら代わりに私を犯しなさいッ!」という今週の魔物娘が言ってみたいセリフベスト2を言うチャンス!
と、思った私は自分の浅ましさに自己嫌悪に陥る事になるのでした。
「これ、使ってよ」
彼はそう言うと、つむじから目をそらしつつ、自分の学ランを掛けてあげたのです。
ぐはぁ……ッ、いいな〜、つむじ、いいな〜、そんな、トゥンク、って音が聞こえて来そうなくらいの乙女な顔の妹を見る事になろうとは、私は思ってはいませんでした。
「疾風……、さま」
あ、あ、あ、あ、つむじ、さま付けしながら今さりげなく学ランの匂い嗅ぎましたね!?
私だって疾風くんの香りをクンカクンカしたひ……。
じゃなくて!
私はハッと気がつきます。うら若き乙女のつむじを、ほぼ裸学ランの状態で往来に置いておくことなど出来ますでしょうか、いや、出来はしません(反語)。
私は力の長女の名に恥じないよう、速さの次女であるつむじを担ぎ上げます。そうして急いでその場を後にします。
ですから……、
「嵐さん……、もしかして彼女、君の妹なのかな、さっき交際がどうとか言ってたけど、僕は君の事が……、いや、妹さんの気持ちは嬉しいよ。出来るなら妹さんとも付き合いたいけど……いやいやいや、そんな男として最低な事思ってなんかいなくて……でも、選ばないといけないと言うのなら……。というか、どうして僕はこんな事を考えて……」
という疾風くんの言葉は、残念な私には届かないのでした。
◆
「姉上、溺れると書いて恋すると読むのですね。ああ、私は彼に溺れてしまいました……」
「そうですか……」
「好き、好き、愛してる! ダメです! こんな陳腐な言葉では私の思いは伝えられないッ! ああ、あなたに私は胸キュンキュン、お股はギュンギュン……、ダメですッ! っ、ぁあ……」
美貌の剣士から、疾風くんの学ランを襦袢の上から羽織る残念ポエマーになった妹を横目に、私は昨日よりも膨らんだ月を眺めます。
ああ、月よ、誰にでも平等に降り注ぐ月光よ。
あなたは彼にも降り注いでいるのでしょうか。
それなら彼を、私たちへの恋の狂気に誘い、
けだものとなった彼をここへ遣わし給え。
ああ、月よ……。
ハッ、いけません。
つむじに当てられたのか月光に当てられたのか、私もポエッちまいました。
ポエっちまった悲しみに
今日も風さえ吹きすぎる
フラれっちまった悲しみに……
って、縁起でもありません。やめやめ、いいですね。私はまだフラれっちまっていません。まだ、でもなく決してフラれなどしません。
……ハァ。
と、私たちは二人でため息をつきました。
「やはり家訓の通り、私たちは三人で行動しなくてはいけないようですね……」
「そのようです……」
お互いに互いを出し抜こうとした気恥ずかしさから私たちは目を合わせにくかったのですが、やがて「つむじ、握手をしましょう」という私の言葉に、つむじは少しポカンとしましたが、すぐに笑いかけてきました。
「はい、姉上」
私たちは固く握手をします。
「協力して疾風くんをおとしましょう。そして、私たちの夫になっていただきましょう」「ええ、私たちはかまいたち、一人の夫をみんなで、ですね」
私たちはお互いの気持ちを確認しあいます。
と、その時でした。
「姉上さまがた、ただいま戻りました。」
ああ、忘れてはならない三女の凩が帰ってきたようです。私たちはかまいたち。三位一体の魔物娘。みんなには、当然彼女も入っています。
しかし、と私とつむじは暗い視線を交わし合います。
「どうしたのですか、姉上、妙な含み笑いをしているようですが」
「それを言うならつむじだって、ふ」
「ふ」
「「うふふふふふふ」」
「どうしたのですか? 姉上さまがた、何か楽しいことでも?」
お互いに笑い合う私たちをキョトンとした顔で凩が見てきます。彼女は私たちの中で一番背が低く、ショートカットに可愛らしい顔立ちをしています。私・嵐が力の長女、つむじが速さの次女とするならば、凩は技の三女です。彼女の秘薬を用いたマッサージは、性的なものでなくとも昇天させられる見事なワザマエです。情事の際には、相手を勃ち枯れにする事間違いありません。
「いえ、ちょっと凩にも相談したいことがあって」
「ええ、そうなのです」
私たちは彼女に疾風くんの事を話します。そうして、彼女にも一度一人で彼にあたっくしてみるように勧めます。
私たちは三位一体のかまいたち。抜け駆けしようとした馬鹿な姉たちへの戒めとして、彼女にもまず一人で彼にあたっくするチャンスを与える、私たちに贖罪をさせて欲しい、と。
凩は最初は恨みがましそうな顔をしていましたが、彼女も疾風くんには好意をいだいていたらしく(やっぱり私たちはかまいたちの姉妹です)、頬を赤らめながら頷きました。
ククッ(いたちの鳴き声)、計算通りです。
この流れで行けば凩も、きっと彼の前で恥ずかしい目に合うはずです。
私たちはかまいたち。三位一体。夫を三人で共有するように、楽しい事も”恥ずかしい事も”三人で平等に分け合うべきなのです。
「姉上さまがた、私、頑張ります」
「あらあら、そんなにはしゃぐとはしたないですよ」
フンスと鼻息を荒く凩を私はたしなめます。
「え、でも先にはしたなかったのは姉上さまがた……」
「ゲフン、ゲフン」「おーっほっほっほ」
私たちは無理やり彼女をごまかします。
「姉上さまがた、キャラ変わっていませんでしょうか……」
「いいえ、そんなことはありませんのことよ、ねぇ、つむじさん」
「もちろんです、姉上さま」
「「ふふ、うふふふふ」」
そうして私たち、姉イタチ二匹は笑い合うのでした。
◆
「うぇえ……、ぶっかけられてしまいました……」
「ごッ、ごめんッ!」
私とつむじ、姉二人が見ている前で、三女の凩はやはり、ラッキーすけべられを発生させていました。ふふふふふ、彼女は薬壷を盛大にぶちまけて、頭から濡れ濡れになってしまっています。
まるでナニをぶっかけられたような有様です。
「べとべとですぅ……」
彼女のショートの髪は頬にべっとりと張り付き、粘性の液体が彼女の顔と身体を汚しています。ぬらぬらとした筋が彼女の首筋を這って胸元へ落ち、すべすべとした太ももの曲線を滑っていきます。その隙間からは奥の秘密が見えそうで見えなくて……。
あ、疾風くん、今生唾を飲みましたね。
…………モヤッ。
ハッ、私今彼女をけしかけた事を後悔してしまいました。
だってこれ、冷静になって考えてみると、私たち的にはとてもラッキーですよね。というか、それぞれがこうもラッキーすけべられるだなんて、ドジというか、かまいたちは三人で行動しなくてはならないという呪いのようにも思えてきます。
しかし、
「さて、つむじ。それではそろそろ助け舟を出しましょうか」
「そうですね。姉上」
私たち二人はやれやれだぜと言った体(てい)で、二人でうなずき合います。
ここで凩を回収して家で慰める。それで今度は三人で彼を責め……じゃありません、攻めにかかりましょう。私は決意を新たに濡れいたちを回収しに行こうとします。
って、ぇえええッ!?
私たちが出て行こうとすると、なんと疾風くんは凩を抱き上げたではないですか。
なんとけしから羨ましッ……、あれ?
よく見ると、どうしてか凩の息が荒いようでした。頬も赤く汗をかき、見るからに辛そうです。というか、ぶっちゃけ艶かしいです。
と、私は気がつきました。彼女がかぶったものが何だったか。
東風堂家の秘薬。
私たち三人の魔力を練り込んだかまいたち印の媚薬。
凩は彼の腕の中でぐったりとしつつも、何かを囁いていました。
その言葉を私とつむじのイタチ耳(イヤー)がすかさずキャッチします。
ーーすみません疾風さま……、はぁ、私、力が入らなくって……ふぅ、どうか、あなたの家で休ませてはいただけないでしょうか。はぁ……、っぅん、もしくはお城のようなお休みどころでも構いません。
「「させるかぁあああ!」」
思わず私たちは叫び出し飛び出します。
自分をお持ち帰らせようだなんて、なんてふしだなら娘でしょうか。そいつを持ち帰るのなら一緒にお姉ちゃんたちもセットでついていきます! 単品でのご注文は受け付けておりませんので悪しからずッ!
私とつむじは疾風くんめがけて走り出します。
が、
「嵐さん、つむじさん?」
ハゥッッッ!
ズギュゥウウン!
私たちは彼に名前を呼ばれ、胸を貫かれたような衝撃を受けます。きっと鏡を見れば、目の奥にハートマークが見えた事でしょう。
って、「あっ!」しまった。
私たちはその衝撃でつまづき、絡まって、そのまま凩を抱いた疾風くんに飛んで行ってしまいます。
「うわぁッ!」
「「「きゃああああああ!」」」
私たち四人は一緒になって絡まり、彼の匂いがその体温とともにダイレクトに伝わって、テンパった私は歓喜の悲鳴をあげ、その拍子に自分の力強い風を暴発させてしまいます。
「「「「わぁあああああ!」」」」
ビューン、ぎゅんぎゅんぎゅん。
私たちは絡まりあい、きりもみ回転しながら空に飛び上がってしまいました。
◆
……………。
「あいてててて……。ごめんなさい、皆さん、大丈夫ですか? ……ひゃぅん!」
問いかける私の股から、えも言われぬ快感が走りました。
もごもごと伝わってくる振動は、鋭い快楽となって、私は喘いでしまいます。まるでくぐもった息と滑った舌にもてあそばれているような……。
「ぁあうう! ぅう……、ぁ、何が……。やぁん……もっとぉ……。あぁ、でも、ダメです。これ以上されると私、もしかしたらイって、ぅうん……。ぁ、っあっあ、あっあ………」
私の股に伝わる快楽はまさに必死で、私はすぐに絶頂へと導かれてしまいます。
「ダメェっ、イきますぅううう〜〜〜〜!」
私ははしたなくも叫び声を上げ、果ててしまいました。
私の叫びは青空に吸い込まれ……、妹たちの声となって帰ってきました。
「姉上……」「姉上さま」
「「イったのでしたらそろそろ退いてあげなくては……」」
「へ?」
彼女たちの声に我に帰った私は、恐る恐る下を見ます。すると、今にも窒息しそうな疾風くんと目が合いました。
「はひゃああああ!」
私は急いでたち上がりますが、その拍子にむき出しのお乳が弾け、私のはしたないお汁で濡れ濡れになった彼の顔が目に入りました……。た、た、た……。
「え、え、へ、へぇ?」
「姉上、笑うか泣くか喜ぶか恥じるか、どれかにしておいてもらえると助かります」
「怒りを恥に変えて喜怒哀楽を一度に表現するとは……さすが大きい姉上さまです。あし●ら男爵も真っ青ではないのでしょうか」
あ●ゅら男爵を真っ青にさせたところで誰得というところですが……。
私はあまりの光景に絶句します。
疾風くんは裸で仰向けになっています。裸のまま、裸の凩を抱いています。つむじは彼の足にのしかかり、彼女の吐息に吹かれて疾風くんの雄の証が猛々しく屹立しています。つむじは顔を赤らめつつもソレから目を離せません。
そうして私は、全裸で疾風くんの上にお汁を垂らしていました。
ーー大惨事でした。破廉恥爆弾が大爆発を起こしました。
「何が……?」
混乱したままの私は、それでも手で胸と股を隠しながら疾風くんの上からどきます。
「大きい姉上さまの力の強い風が暴発して私たちを飛ばし、小さい姉上さまの鋭い風が暴発して私たちの服を切り刻んだのです……」
疾風くんに抱かれたままの凩が言います。
何というラッキースケベられコンボ……。ですが、これは素直に喜べません。だって私はまだこんな事までされる心の準備が出来ていませんでした。
私……、私は。疾風くんにありのままのアナの奥まで見られ、舐めまわされ……。
「うきゃああああ! もう私はお嫁に行けません! というか、疾風くんにもらっていただくしかありません!」
私はトチ狂って叫びます。
が、つむじと凩は私の狂態でかえって冷静になっていたようでした。
「「それで良いではありませんですか。むしろそれに何か問題でも?」」
「…………確かに」
と、私はストンと納得しました。
いえ! いえいえいえ!
「ダッ、ダメです! そんな、デートもキスも手を繋ぐ事もなく、先にオチ●ポとオマ●コを合体させてもらわれてしまうなど」
私は抗議の声をあげますが、
「「何か問題でも?」」
と、彼女たちは取り合ってくれません。
確かに、問題などまったくありませんの事で、というかこの状況で襲い掛からない事が問題ありなのでありまくりまクリスティーネで……。
ハッ、と私は気づきます。
「そうです! 疾風くんの気持ちも大切です!」そう言って私は彼を見ます。妹たち二人と絡んだままの彼を……。モヤッ……。じゃなくて!「私は……、私たちはあなたをお慕いしておりますが、急に言われても困りますよね」
私は恐る恐ると言った体(てい)で尋ねました。
ここで断れらたら、私はどうなってしまうのでしょうか……?
そんな恐怖と不安を押し殺して、彼の答えを待ちます。
しかし、私のそんな心配は、杞憂でしかありませんでした。
「僕は、嵐さんが好きです」
ハゥッ! 私は胸を貫かれた衝撃で、膝をつきます。
武、武家の娘たるもの、これしきの事で膝をついては笑われてしまいます。
私は、ぷるぷると生まれたての子鹿のようにたち上がります。しかし、「でも、」という彼の言葉に、再び膝をつきそうになります。
でも!?
でも何でしょう!?
「でも、ごめんさなさい」
グフゥッ! 妹たちよ、私の身代わりを立てるのだ。私の死は三日間は隠しておけ……。
あ、後、私の机は引き出しを開ける事なくそのまま火にくべてください。いいですね、決して開けてはなりませんよ。もし開けたのなら……、我が家であろうと末代まで祟ってやります。
「嵐さん!? ち、違うんです」血涙をこぼす勢いで再び膝をついた私に、疾風くんが慌てて付け加えます。
「僕は、あなたたち三人の事を好きになってしまったんです」
その言葉に、つむじと凩が息を飲み、私たちに向かって、何か、ヒュルルル、と風が降って来ているような気がしました。
「初めは嵐さんが好きでした。でも、何故かつむじさんと凩さんと出会ってから、彼女たちの事も好きになってしまったんです。どうしてか分かりません。彼女たちと出会ったのはつい最近で、僕がずっと見ていたのは嵐さんだけだったはずなのに……」
彼は、それを恥じているようでした。
しかし、それは恥じる事ではありませんでした。
何故なら私たちはかまいたち。異母姉妹であろうとも、私たちが姉妹として三人組を作っているからには、一人を好きになれば、三人一緒に好きになるものなのです。
きっと、私に向けていた「好き」という気持ちを、彼女たちにも”見つけた”というだけの事。私たち姉妹は一心同体なのですから。
むしろ恥じるのは、彼にそんな気持ちを抱かせていたと言うのに、自分の事ばっかり考えていた私です。彼は、私たち三人を一緒に愛してくれていたというのに、私はつむじと凩に嫉妬して……。
私は意を決して、彼に自分の耳と尻尾を晒します。晒して、私が魔物娘であり、人間ではなかった事を明らかにします。そうして、彼が会って間もないつむじと凩を、私同様に好きになった理由を語ります。
彼は目を丸くして驚いていました。それは当然の事でした。
「驚きましたか? 私の嫌いになってしまいますか?」
私は少し泣きそうになりながら彼に尋ねていました。私が彼へと踏み出せなかったのは、それも理由だったのかもしれません。
ですが、
「そんな事、あるわけない。僕は、嵐さんたちが何者でも、あなたたちが好きです」
彼ははっきりとそう言ってくれました。
「ありがとうございます」
私はヒュルヒュルと言う暖かい風を、心で感じます。
「どうしたんですか!?」
「あ、あれ……? どうしたのでしょうか」
「姉上……」「姉上さま」
私の頬を涙が伝っていました。想いが伝わった嬉しさ、魔物娘を、かまいたち三姉妹を受け入れてもらえた安堵、そうしたものが、堰を切って溢れていました。
「ダメですね、私は姉だというのに……。妹たちに呆れられてしまいます」
「そんな事はありません。尊敬する姉上です」「私も尊敬しております」
そう言うつむじと凩も、イタチの耳と尻尾を露わにしていました。
「ふつつかものですが、これからよろしくお願い致します。疾風くん」
「こちらこそよろしく、嵐さん」
「私も忘れずお願いします」「もちろんだよ、つむじさん」
「私もお願いできれば嬉しいです、疾風さま」「うん、凩さん」
私たちは、めでたく三人で疾風くんと付き合えることになりました。
「さて、これで一件落着ですね」
と、私は姉らしくまとめます。
「さぁ、皆さんで服を着ましょう」
私は彼らを急かします。いい感じの話をしていたかもしれませんが、私たちは破廉恥な格好のままだったのです。私は胸もお股もやはり隠します。
しかし、やはりというか何というか。
「は?」「え?」
という、妹イタチ二人の抗議の声が上がりました。
「何を言っているのですか姉上! この状況ではもはや交わるしかないではないですか!」
「そうです。大きい姉上さま! 何のために私が、彼が逃げ出さないようにこうやって重心を抑え込んでいると思っているのですか!」
「僕が立ち上がれないのは凩さんが押さえてたからだったの!?」
「はいもちろん。これが私の極めたジュージツ、です」
「さぁ、セックスです」
「アイェエエエ! セックス!? セックス何で!? つむじさん、それは流石にまだ早いというか……」
「受け入れてくださったのなら、交わりに早いも遅いもありませんッ!」
「凩さんもッ? 助けてください嵐さん!」
「何故か風に吹き飛ばされて落ちた場所が、とっても都合よく我が家の庭である事も、天の采配に違いありませんッ!」
「そうですッ! 何故かとっても都合よくッ! これはもう部屋にお持ち帰りするしかありません。天も疾風さまを犯せと叫んでいます!」
「あ、嵐さーん!」
「「さあ姉上「さま」ッ!!」」
妹たちと疾風くんに迫られて、私は……。
疾風くんとシたいです。ですが恥ずかしいです。
まだ心の準備が……。
私の頭はグワングワンして、心の中の風がビュルルル、ヒュルルル吹き荒れます。
ヒュルルル、
ヒュルルル。
ん?
そう言えば、先程から風は心の中で吹いていると思っていたのですが、そんな比喩的なものだけじゃなくて、物理的な音も聞こえるような……。
と、私が思った時でした。
バッシャァアアアン!
「…………」「…………」「…………」「…………嵐さん、大丈夫ですか?」
天から降ってきた、私たち秘伝の薬壷が、盛大にその中身を私にブチまけました。
そうです。私たちは三位一体のかまいたち。まだ、ラッキースケベられの三連コンボは終わっていなかったのでした。
私の風で吹き飛ばされた時、凩の薬壷は、そりゃあもう、天高く吹き上げられたようで、今になってようやく落ちてきたのです。…………私に向けて。
私の力強い風が吹き飛ばし、つむじの鋭い風が服を切り捨て、凩の薬で発情させる。
これこそが、かまいたちの真・骨・頂!
私は薬壷を、まるで鉢かづき姫のように被り、ポタポタと長い黒髪から薬をしたたらせています。黒髪は濡れた体にべったりと張り付き、自慢のおっぱいやお尻の輪郭をこれでもかと際立たせている事でしょう。いたちの尻尾もしんなりしています。
私はフラフラと彼に歩み寄り、かがみこんで彼に顔を近づけます。
「嵐さん? ……ンぐむッ!」
私は彼の唇を奪います。舌で押し入って、彼の口内で嵐のように暴れます。
「……っハァ」
唇からは銀の橋が伸びていました。
「嵐さん、今何を飲ませて……うわぁッ、熱い、何だこれ……」
「ぉお……、流石姉上、疾風さまの肉棒がさらに猛々しく…」
つむじの恍惚(うっとり)とした声を聞きながら、私は薬壷を取り払い、頭を振ります。彼にも、つむじにも、凩にも、私の髪を濡らした、発情を導く薬が振りまかれます。
そうして私は疾風くんに満面の笑みで、魔物娘が言ってみたい今週のセリフ不動のナンバーワンを口にするのでした。
「セックスしましょう」
◆
「んむッ、チュッ、チュパ……」
僕は発情した嵐さんに問答無用で抱えられ、東風堂邸の彼女たちの寝室に連れ込まれていました。そうして本性を現した彼女たちに、群がられて、貪られています。魔物娘という事には驚いたけれども、僕が彼女たちを好きな事は変わらず、彼女たちは魅力的すぎる女の子たちです。
こんな形でなし崩しにセックスするなんて、いいのだろうかとは思ったけれど、僕も男だから……、何よりも、懇願するように彼女たちから求められてしまっては、断ることなんて出来るはずがない。
「疾風くん(さま)、私を抱いてくれないのですか?」
なんて、涙目の上目遣いで言われて仕舞えば、断れる男は男じゃないと思う。
僕は後ろから嵐さんに抱きつかれながら、口を吸われていた。嵐さんの舌は、力の嵐と言っていた通りに激しく力強くて、彼女は僕の弱いところを初めっから知っていたかのように攻めてきた。
やられっぱなしの僕が抵抗しようとしても、強引に弄ばれてしまう。
それに、背中に押し当てられた大きなおっぱいはとても柔らかくて、抵抗する気なんて、力づくで押さえ込まれてしまう。おっぱいというのは優しい包容力だと思っていたけれど、それは間違いだった。おっぱいは、男にとって凶悪な暴力でしかない。
その気持ち良さに、夢中になってしまう。
僕ばっかり気持ちよくなって悪い気がするけれども、彼女も二つのおっぱいの先にある、こりこりとした乳首をこすりつけて来ているから、きっと彼女も気持ちよくなって来ているに違いない。
と、僕の股間に鋭い快感が走る。
(つむじさん……だめ……ッ、それ以上やると出ちゃう……)
そう言いたいけれども、僕の口は嵐さんに塞がれっぱなしで、くぐもった呻き声しか上げる事が出来ない。
「ああ、ピクピクして膨らんで来ました。もう出てしまいそうなのでしょうか」
「疾風さまはこのあたりもお好きなようです」
そう言って僕の球を口に含むのは凩さんで、亀頭にキスを降らせては舌で鋭く弱いところを攻めてくるつむじさん。僕のチンポは二人にいじめられて、もういつ爆発してもおかしくはなかった。
「はぁん、ム。……ん、ちゅ、じゅず、」
「ん”ん〜〜ッ」
つむじさんの暖かく濡れそぼった口内に包み込まれる僕の肉棒。その鋭い快感に僕は悲鳴をあげそうになるけれど、それは全部嵐さんの口の中に飲み込まれていく。
「んっ、んっ、んっ……」
つむじさんの声と一緒に、いやらしい水音が聞こえてくる。彼女のよだれは僕のペニスを伝い、それをまた凩さんが舐めていた。
二人の美少女が一心不乱に僕のペニスをしゃぶっている光景に、僕はもうたまらなくなって射精してしまう。
ドクドクと飛び散る精液が、彼女たちの顔を汚していく。
「たくさん出ましたね、疾風さま。ご立派です」
「濃くて臭いですぅ……」
つむじさんと凩さんは、ウットリとした表情で僕の白濁を舐めとっていく。二人の少女がお互いの顔についた精液舐めとっていくその様は、とても背徳的に淫靡で、僕の肉棒が再び固くならないはずがなかった。
「わぁ、さすがですね」
「ええ、まだこんなものじゃないですよね」
少女たちが濡れた瞳で僕の肉棒を見ている。
「二人ともずるいですよ」嵐さんが抗議の声をあげて、僕の精液を含んだ二人の口に顔を寄せに行った。
「そうですね、姉上にも分けてあげなくては」
「はい、姉上、三等分をしましょう」
「んむ……」
彼女たちはお互いに口を合わせて、僕の出したものを分け合っていた。
「んふふ。見てください疾風くん(さま)。あなたの出したものです」
彼女たちは嬉しそうに、口の中の僕の精液見せつけると、それを味わいながら飲み干していた。
「お」「い」「しい」
重なる少女たちの声に、僕のペニスは痛いくらいに固くなってしまう。
「疾風くん、私たちのおまんこに入れたいですか?」
「疾風さま」「疾風さま……」
彼女たちは挑発的な瞳で、僕の前で股を開く。三つの肉華が、可憐に咲いていた。
あんなに恥ずかしいと言っていた嵐さんだったけれども、今はもう別人のようになっていた。あの薬がすごいのか、それとも吹っ切れたのか……。
「三人とも、すごくエッチだよ」
「疾風くんが好きだからじゃないですか」
「「疾風さまが好きだからです」」
「「「入れてください」」」
懇願してくる彼女たちに、僕はのしかかる。
「初めは姉上からなのですね」
「大きい姉上さま、ずるいです……」
「嬉しいです疾風くん……」
僕はまず嵐さんのおまんこにちんぽを添える。
もう彼女のおまんこはぐしょぐしょに濡れていて、彼女の肉の熱さが、直接僕に伝わって来た。
「行くよ」
「はい」
彼女は今から自分に入って来ようとしている肉棒から目が離せず、僕は彼女という肉の入り口に当てがったそれを、そのまま進ませた。
「あァっ、ン……」
「ぅう……」
まだ先っぽが入ったばかりだったけれど、彼女の肉は僕に絡みついて来た。そのまま腰を押し込めば、肉をかき分ける感触が伝わって、何かを破った感触がした。
「ぅあ……ぁ、あ……」
ギュウウ、と彼女の肉が僕を力強く包み込んで来て、それはまるで食べられているかのようだった。その暴力的な快楽に、出したばかりだというのに、僕はすぐに果ててしまいそうになる。
「ダメです、嵐さん。そんなに締め付けたらすぐに出ちゃう」
僕は歯を食いしばって耐えて、彼女の中からすぐに出ようとする。
そんな僕を、
「ダメッ! 抜かないでくださいッ」
嵐さんは腰に足を絡みつかせてきて許してくれなかった。
僕のちんぽの先は彼女の一番奥の壁に当たっていた。
「んぅ……奥に、奥に当たってます……」
彼女は恍惚とした表情で、僕を自分の深くまで押し付けると、子宮口でグリグリとキスをしてくる。ぐにぐにと、それが別の生き物であるように蠕く彼女のナカは、まるで牛の乳搾りのように、僕の精液を搾り取ろうとしてきた。
「ぅう、うぅ……」
やっぱり歯を食いしばって耐える僕だったけれど、
「さぁ、姉上の奥で出してしまってください」
「あなたさまの胤をお授けください」
つむじさんと凩さんが、僕の球を突っついてきた。
「二人ともやめて下さい。このままじゃあ」
僕がもがいても嵐さんの締め付けを離すことなど出来なくて……。
「ああっ、出るッ」
「来て、疾風くん、疾風くんの子種を私に……」嵐さんは足だけではなくて、腕でも僕にしがみついて来た。耐えきれなくなった僕は、彼女のナカで盛大に射精してしまった。「精液来たァ……ッ」
ドクドク、ビュルビュル。
嵐さんの一番奥に、僕の白濁が容赦なく注ぎ込まれて行く。
「あったかいです。疾風くんの精液……」
嵐さんの濡れた吐息が僕の耳元で囁く。鼓膜を震わせた彼女の響きに、
「あっ、また固くなって来ました」
彼女は嬉しそうな声をあげた。
「疾風くん、突いてください。私はまだ、イっていません」
彼女は僕の下で腰をくねらせ、さらなる快楽をねだってきた。
「姉上ずるいです」「姉上さま交代して下さい」
「んふふ〜、嫌です」
「くっ、姉上の馬鹿力で剥がれない……」
「大きい姉上さま……。こうなったらイかせた隙に引き剥がすしかありません。疾風さま、お願いします」
足を絡ませ続ける嵐さんに、つむじさんと凩さんが抗議の声をあげていた。
僕のペニスは二回射精したと言うのに、むしろどんどん熱く硬くなって来ているようで、少しばかり余裕もできて、この自分をさらけ出し始めたお姉ちゃんを懲らしめてみようと思った。
「じゃあ、いくよ、嵐さん」
「ぅあん!」
僕は上半身を起こして、彼女のナカに腰を打ち付ける。彼女は可愛らしい悲鳴をあげて、喉をのけぞらせた。その拍子に、彼女の大きなおっぱいが弾む。
「ほう」「あら」というつむじさん、凩さんの感嘆の声。
「疾風くん、もっとくださいィ……」
「じゃあ、遠慮なくいきますよ」
僕はそう言うと、容赦なく彼女に注挿を始める。
「ぁっ、あっ、アッ、あ……」
ゴリゴリと彼女の子宮口に乱暴に打ち付けいるうちに、彼女の声が変わるところに気がついた。
「もしかして嵐さん、ここ弱いの?」
「はい、……そこ、気持ちよくて、頭がふわって……ァンッ!」
見つけた彼女の弱い部分を、カリが引っかかるように刺激して行く。
「ぅ、ウッ……、ァン、ふわぁあッ!」
徐々に大きくなっていく彼女の嬌声に、僕はピストンを早く、えぐるように強めていく。彼女の弾ける乳房を捕まえて揉みしだく。片手にあまる大きなおっぱいは、ふわふわと沈み込んで、まるで搗き立てのお餅のようだった。そうしてその先っぽのぷっくり膨らんだ蕾を口に含む。
「やぁアあん! 乳首……、噛んじゃ、ダメェッ! 先っぽォ、弱いのォ!」
悶える彼女の乳首を、僕は容赦なく愛撫する。
「弱点を教えてくれたところで、姉上さま、こうしてあげましょう」
「疾風さま、姉上の乳首はおまかせ下さい」
凩さんとつむじさんが、嵐さんの乳首に何かを塗っていた。
「秘薬ッ、敏感になるゥう!」
弾む左右のおっぱいの先を、彼女たちは捕まえて吸い付いていた。僕が突き上げるたびに、嵐さんのおっぱいは彼女たちから逃れようと、激しく暴れる。
「ああ、アッ、あぁ……」
悲鳴に近い声で喘ぐ嵐さんは、そろそろ絶頂が近いようだった。そう言う僕も絶頂が近い。
「あぁ……ゥンッ、疾風くん、イくッ、イっちゃう、イっちゃいますぅううう〜〜〜〜!!」
ビュグッ、ビュグビュグッ!
彼女の中がいっそう凶悪に締め付けてきて、僕はそのまま彼女の奥に打ち出していた。熱いドロドロがペニスの先から出て、彼女の子宮の中に注ぎ込まれていくのが分かった。
「はっ、はっ、はっ……」
嵐さんから解放された僕は、仰向けになっていた。激しい虚脱感から、つむじさんと凩さんには悪いけれども、続けて彼女たちを抱くことは出来そうになかった。
僕のペニスは萎えていて……。
「んぐぅッ!」僕は凩さんに唇を奪われた。「……んぐ、ぅぐ……ぷハァッ」
何を飲ませたの、と聞こうときたところで、僕は体が熱くなるのを感じた。これは、嵐さんに飲まされたものと同じものだった。
僕のちんぽは再び熱く硬くそそりたち、爛れた瞳のつむじさんが目に入った。彼女は僕の腰に跨り、僕のペニスをまんこに押し当てていた。ぷにぷにと当たる入り口は柔らかく、僕が「待っ」というまでもなく、ズッポリと僕は彼女に咥え込まれた。
ぶちぶちと奥まで入り込んだ肉棒の感触に、
「っ、ぅう……こリぇがしぇックシュぅ……」
つむじさんはとろとろの顔をして、イってしまったようだった。
凛々しかった彼女の顔が、淫らに乱れるのを見て、
「ひぐぅッ……、おお、っきく、なっりゃぁ……」
呂律が回っていない舌で、彼女は感じイッている。
「小さい姉上さまは、感じやすかったのですね」
「や、やめにゃさい、凩。耳ひゃ…」
凩さんが、つむじさんの後ろからいたちの耳をついばんでいた。凩さんはそのままつむじさんのおっぱいを鷲掴む。彼女のボリュームのあるおっぱいは、凩さんの指が食い込みつつも形を崩さない、ハリのあるものだった。
「疾風さま、小さい姉上さまに早く注ぎ込んであげて下さい。次は私の番なのですから」
「こがらひィ、ダメェ、おっぱひの先っほ、コリコリしたら、ダメレひゅう!」
だらしなく舌を垂らして息を荒げるつむじさん。正直なところ、僕は腰を動かしたくとも動かせなかった。彼女の中は、力強く絡みつく嵐さんと違って、細かなつぶつぶがぴっちり吸いついてきて、ちょっとでも動かそうものなら、鋭く一刀両断に果てさせられそうだった。
まるで日本刀を喉元に押し当てられているような感じ。
僕はお尻に力を入れて我慢するしかない。
そんな僕の気持ちを知ってかしらずか、凩さんときたら、
「えいっ」
と。
可愛らしい声で僕の肛門に指を突っ込んできた。
「凩さぁん!?」
「前立腺とはどこでしょうか?」
「や、やめてください。グリグリ動かしたら……」
「じゃあ、小さいお姉さまのおっぱいでも吸って気を紛らわせたら良いではないですか」
「へ、ぇ? おっぱい吸ってくれりゅのぉ……? しゅってぇ? わらひのおっぱい、しゅってぇ」
もはや完全にキャラ崩壊を起こしたつむじさんが、体を倒して、ハリのあるおっぱいを押し付けてきた。ゴムまりのような弾力を持ったおっぱいの先にはかたくしこった可愛らしい蕾。僕がそれに吸い付くのと、凩さんが前立腺を刺激するのはほぼ同時だった。
「りゃああああ!」
「っ、ああ!」
ドプッ、ドプッ。
僕はつむじさんの中にも、大量の精液を噴射した。
「止みゃッ、止まりゃなひぃいいいい〜〜〜〜!」
僕の射精が止まった頃には、つむじさんはアヘ顔のままぐったりと横たわっていた。
自分でも怖くなるくらいの精液の量で、溢れ出した白濁が、彼女の股からこぼれていた。
「これをお飲みください。そろそろ薬も体に馴染んで来た頃だと思います。これくらいなら一度に飲んでも大丈夫だと思います」
ようやく自分の番が来た凩さんは、満面の笑みで僕に液体の入ったコップを差し出して来た。これはもちろん秘薬に違いない。トロリとした液体で、始めから一度に多く飲んではいけない薬を飲まされていたことに、今更ながら怖くなる。
僕のちんぽは、まだ薬を飲んでいないというのに固いままだった。
「半分は疾風さまが飲んでいただいて、半分は私に口移しで飲ませてください」
彼女はそんなことを笑顔で言ってくる。
「分かったよ」
僕はそう言ってまずは半分を飲む。
「それでは、」という凩さんに、僕は自分のチンポに残った薬を垂らす。
それで彼女は僕が何をしようとしているか分かったらしい。
「雄的(お素敵)です……」
彼女は四つん這いになると、
「いらしてください」
生っ白い尻を可愛らしく振る。いたちの尾がくねっていた。
僕は彼女のお尻に手を当てて、その入り口に肉棒を擦り付ける。上下に動かして、十分に薬を塗りたくっていく。
「はやくゥ……はやくください疾風さま。そんな風に焦らさないでくださいィ……」
甘えた声を出す彼女のおまんこに、僕は一気に奥まで突きいれる。
「あっ、……カ、ハァッ」
彼女は体中をビクビクと震わせた。やり過ぎたかと思ったけれども、彼女は形のいい尻を押し付けて来た。
「疾風さま疾風さま疾風さま」
「凩さんッ、凩さん……ッ」
肉がぶつかり汗が弾ける。彼女の華奢な体は解放された僕の欲望を、貪欲に受け止めていた。 白く汗ばんだ彼女の背中に舌を這わせれば、ひときわ強く膣が絞まる。姉たちに比べれば小ぶりな彼女の乳房を、後ろから鷲掴みにする。乳首を捻りあげれば、彼女は子犬のような悲鳴をあげた。
彼女は乱暴にされる方が好きなよう。
その証拠に、いたちの尻尾を引っ張れば、感極まって濁った嬌声が出る。彼女の中は、ねっとりと絡みついて、僕の肉棒を蕩かしてくるかのようだった。
「出そうだ、凩さんッ」腰を打ち付ける衝撃で、彼女の尻肉が波打っていた。
「来てください疾風さま。姉上さまたちのように、私の奥にあなたさまの子種を、胤をくださいませッ!」
懇願する彼女に、だから大丈夫だと思った。
僕はイいく直前でペニスを彼女から引き抜く。「どうしてッ。…………ンぐぅああッ!」抗議の声をあげる彼女に、後ろの穴に差し入れて黙らせる。そうしてそのまま中で容赦なく吐き出した。
「酷……あっ、ぁああああああ〜〜〜〜!」
ビュグゥ、ビュぐるルルルルゥ……。
僕のペニスを飲み込んだまま、お尻を高くあげて顔を床につけた凩さんは、小刻みに震えていた。
これはダメだったかもしれない。
ぐったりした彼女の様子に、僕は後悔し始める。
しかし、彼女の肛門は僕をより強く締め付けて来た。
「もっとォ……、もっと虐めてください。私の中におしっこしてもいいですからぁ……」
入れてはいけないスイッチを僕は押してしまったのかもしれなかった。
彼女はぐいぐいと僕を押して、僕は尻餅をついてしまう。彼女の細い肩が僕の胸に寄りかかり、「もっとぉ、もっとぉ」と腰をくねらせてくる。
「疾風くん、お尻に入れたいんだったら言ってくださればよかったのに」
「私も、穴という穴に入れてください……」
復活した嵐さんとつむじさんが、左右からすがりついてくる。
「ああ、でも先にオマンコの方にも注いでください」
凩さんは再び四つん這いになって、僕をねだる。その横に嵐さんとつむじさんも四つん這いになる。かまいたちの三本の尾が僕を挑発するように揺れる。
「「「私たちを、満足するまで愛してください」」」
満足する事などないだろうに、お尻を向けてねだってくるかまいたちの女の子たちを、僕は順番に犯していく。
「ふわァあん!」
嵐さんの力強い締めつけの膣に、負けないくらい力強く腰を打ち付ける。
「くっふゥん!」
つむじさんの鋭い刺激を与えてくる膣に、負けないくらい鋭く腰を打ち付ける。
「ァ、あぁッ!」
凩さんの蕩かしてくる膣に、負けないくらいねっとりと腰を打ち付ける。
三者三様の違った快楽に、僕はもう抜け出せないくらいに溺れていた。
◆
私たちは彼と交わり、布団の上に横たわっていました。私たちの股からは彼の白濁が溢れ、顔も髪も体も、余すところなくドロドロでした。激しい情事の心地よい余韻に浸っていた時、私は彼に話しかけられます。
「嵐さん、僕は、あなたたちとこうして、気付いた事があります」
「何でしょうか、疾風くん」
彼は気恥ずかしそうな、それでも何か吹っ切れたような瞳を向けていました。
「僕は、あなたたちが一緒だから好きになったんじゃありません。僕は、あなたたちそれぞれを好きになっていたみたいです。それが分かるくらいに、あなたたちとのセックスは……、それぞれに魅力的でした」
その言葉に、私は嬉しくなります。でも、嬉しくなったのはもちろん私だけではありません。
私たちは嬉しくなって、みんなで微笑みました。
しかし、そんな事を言われてしまっては……。
「凩さん(アパーム)! 秘薬(タマ)持ってきてください! 凩さん(アパーム)!」
「もちろんです大きい姉上さま! 秘薬(タマ)の貯蔵は十分です!」
「(秘薬を)使い尽くしてしまっても構わんのだろう?」
「え……? 皆さん何を言って……、う、うわぁああああ!」
私たちの情事は、まだまだこれからなのでした。
18/02/11 08:59更新 / ルピナス