読切小説
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終わりの季節
午後二時ごろ位の時間帯に目が覚めてしまった。
高校も卒業して祖母の家で農家の手伝いをしながら暮らしている。
そして実家に帰ってみればいつも道理の家族の笑顔がそこにある。
そしてこの時間は俺にとっては暇を弄ぶようなものだったと思う。
外では冬の訪れをシルフが集団で教えてくれている。
今日は一人で外に行こうと思い寝間着から私服に着替えてから家を出る。
そこには郵便物をカバンに入れた茶色い羽根をしたハーピーが居たので挨拶をすることにした。

「こんにちはー、ハーピー郵便です♪」
「あぁ、どうも。寒い中大変ですねスズメさん?」
「いえいえ、私のこの自慢の羽根さえあれば寒さなんてへっちゃらですよ」
「そうみたいですね?それじゃあ、今日はお出かけにでも行ってきます」
「はい、いってらっしゃい」

俺は小鳥遊スズメさんに挨拶を終えると自転車に跨ってからペダルをこぎ始める。
黒いカーディガンのおかげで寒さは少し肌寒いぐらいまでの感覚で居られる。
川沿いにあるサイクリングロードを進んでいるとこの寒い中で河童たちが川の清掃をしていた。

「こんにちわ。寒い中大変ですね?」
「あぁ、こんにちわ。そうだね?でも私たちがこうでもしないと川が綺麗にならないよ」
「あははッ、すみません」
「どうして君が謝るのさ?君はこの川にごみを捨てたことが無さそうだろうけど?」
「えぇ、そうですね。良くわかりましたね?」
「ふぉえッ!?あ、あはは…」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

少し河童の皆と話をしてから自転車を走らせることにした。
それから近くにある駄菓子屋で自転車を止めてから店の中に入る。

「こんにちわ、お邪魔しますよ?」
「おや?いつぞやの坊主じゃないかい?」
「えぇ、お久しぶりです一葉さん」

ここの駄菓子屋の店主の刑部狸の一葉さんがレジの前で煙管を咥えながら俺を小さな瞳で見てきた。
ここの駄菓子屋は近くにあるサバトの魔女たちが買って帰るところをよく見る。
ここもそれが日課で一葉さん曰く「孫のようなもの」と言っていた。

「今日は何を買うのかい?」
「それじゃあ、タバコとこのガムを下さい」
「おいおい、まだ未成年じゃろうに…そう言っても坊主は買いに来るから目を瞑っておくよ」
「すみません。止めれなくて…」
「ふむぅ…まぁ、我慢できなければ協力するぞ?」
「有難う御座います」

一葉さんはタバコとミントガムを俺に差し出してきたのでお金を払った。
そして俺は一葉さんが用意してくれた暖かいお茶を飲みながら世間話をしていった。
一葉さんに別れを告げてから近くの公園にあるベンチに座ってから携帯灰皿と先ほど買った煙草を取り出してから太亜子を一本取り出してから口に咥えて火をつける。

「…ふぅ〜」

一人ベンチに座ったまま煙を吐き出して空を見る。
空には一匹のドラゴンと二匹のワイバーンが空を飛んでいる。
この日本には魔物が多く住み始めたんだなと改めて実感した。

「隣…座っても良い?」
「あぁ、大丈夫だよ。気にせずに座ればいいのにね?」
「それじゃあ…遠慮なく…」

俺が座っている前にマンティスの女性が俺に話しかける。
彼女とはいつも俺がここに来ると隣に座ってくる。
彼女はこの付近に住む同い年の魔物娘だとこの間知ったばかりでもある。

「煙草の煙は大丈夫か?」
「ちょっと…煙たい…」
「そっか…それじゃあ消すよ」

彼女が少し不機嫌な顔をしていうもので、俺はすかさず煙草を携帯灰皿に入れる。
そると彼女が俺に寄り添ってから少し頬を染めてから俺の肩に頭を乗せる。

「今日はやけに引っ付いてくるな?」
「私は…あなた以外には興味ないマンティスだから…」
「…良くもまぁ…そんな恥ずかしい言葉がでたものだね?」
「貴方にじゃないと言わないって決めてある」
「そうか…ちょっと恥ずかしいけど嬉しいな」
「…ふふッ、そう」

これが俺と彼女のやり取りでもあり恋仲になったものの特典かもしれない。
彼女の…いや、マンティスは夫や恋人にはこのようなものを見せるのだと聞いている。
何とも嬉恥ずかしいものでもある。
こんな生活も嫌いじゃない自分を嫌いにはなれなくなっている。

「今晩は貴女の家に行きたい」
「…はい?」

…しかし、魔物娘と過ごす男性陣は平凡に暮らすことは諦めたが良いかもしれない。
でもこういう生き方は好きな人は魔物娘と過ごすのをお勧めするよ。
12/11/01 14:56更新 / オガちゃん

■作者メッセージ
お久しぶりな人も初めましてな人もどうもです。
今回は久しぶりに考えてみたリハビリを兼ねてのものです。
時間さえあればもっといい作品ができると思いますのでどうぞ心待ちにしておいてください。
それではノシ

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